JP2006143052A - 車両の逸脱判定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 自車両と対向車両の接触の可能性がある場合に適切な接触回避動作を行う。
【解決手段】 逸脱判定部65は、自車両と対向車両とが適正にすれ違うことができる適正進路を、自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両が逸脱したか否かを、自車両および対向車両の各進行軌跡に基づいて判定する。接触予測部69は、逸脱判定部65による判定結果、自車両と対向車両との相対距離や相対速度、自車両および対向車両の各進行軌跡等に基づき、自車両と対向車両との接触が発生する可能性を予測する。作動部70は、接触予測部69による予測結果に応じて、例えば接触の可能性が有ると判定された場合には、音声等の聴覚的警報や表示等の視覚的警報やステアリング振動等の触覚的警報を警報装置16から出力させたり、EPSアクチュエータ19により反力トルクまたはアシストトルクを出力させる接触回避制御を実行する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、車両の逸脱判定装置に関するものである。
従来、例えば、レーダ等により検知した対向車両と自車両との相対位置および相対距離と、予め設定された所定の適正横方向距離とに基づき、自車両と対向車両とが適正にすれ違うための自車両の適正進路を設定し、この適正進路に基づき自車両と対向車両とが接触する危険度を算出し、算出した危険度に応じて自車両と対向車両との接触回避動作を実行する車両の走行安全装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−57495号公報
ところで、上記従来技術に係る車両の走行安全装置においては、対向車両の位置を基準として、この位置から所定の適正横方向距離だけずれた位置に基づき自車両の適正進路を設定していることから、対向車両が適正な進路を走行している状態で自車両が適正進路から逸脱する事象を想定している。しかしながら、対向車両と自車両との接触の可能性が生じる場合としては、自車両が適正進路を走行している状態で対向車両が適正な進路から逸脱する事象も含まれ、異なる事象毎に適切な接触回避動作を実行することが望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、自車両と対向車両との接触が発生する可能性がある場合に適切な接触回避動作を行うことが可能な車両の逸脱判定装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の車両の逸脱判定装置は、自車両の進行方向に存在する物体を検知し、該物体と自車両との相対位置および相対速度を検出する物体検知手段(例えば、実施の形態での物体検知部61)と、自車両の運動状態を検出する運動状態検出手段(例えば、実施の形態でのジャイロセンサ32)と、自車両の速度を検出する速度検出手段(例えば、実施の形態での車速センサ33)と、前記物体検知手段にて検知された相対速度と、前記速度検出手段にて検出された自車両の速度とに基づき、自車両の対向車両となる前記物体の有無を判定する対向車両判定手段(例えば、実施の形態での対向車両判定部62)と、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段(例えば、実施の形態での逸脱判定部65)とを備えることを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することにより、逸脱状態に応じた適切な車両制御を実行することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の逸脱判定装置は、前記運動状態検出手段の検出結果に基づき自車両の進行軌跡を予測する自車進行軌跡予測手段(例えば、実施の形態での自車軌跡算出部64)と、前記物体検知手段にて検知された相対位置の時間変化に基づき対向車両の進行軌跡を予測する対向車進行軌跡予測手段(例えば、実施の形態での対向車軌跡予測部63)とを備え、前記逸脱判定手段は、前記自車進行軌跡予測手段にて予測された自車両の進行軌跡と、前記対向車進行軌跡予測手段にて予測された対向車両の進行軌跡とのなす角度に基づき、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の進行軌跡と対向車両の進行軌跡とのなす角度に応じて、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。例えば、自車両の進行軌跡上の進行方向を基準として、対向車両の進行軌跡上の進行方向がなす角度に対しては、この角度が減少することに伴い対向車両が逸脱したと判定し易くなり、この角度が増大することに伴い自車両が逸脱したと判定し易くなる。
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の逸脱判定装置は、前記運動状態検出手段の検出結果に基づき自車両の進行軌跡を予測する自車進行軌跡予測手段(例えば、実施の形態での自車軌跡算出部64)と、該自車進行軌跡予測手段にて予測された自車両の進行軌跡と、前記物体検知手段にて検知された相対位置とに基づき前記自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差を算出する横偏差算出手段(例えば、実施の形態での横偏差算出部66)とを備え、前記逸脱判定手段は、前記横偏差算出手段にて算出された横方向偏差が前記自車両の進行軌跡に向かい近接する側に生じているか否か、あるいは、前記横方向偏差が前記自車両の進行軌跡から離間する側に生じているか否かを判定することにより、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。例えば、横方向偏差が自車両の進行軌跡に向かい近接する側に生じている場合には対向車両が逸脱したと判定し易くなり、横方向偏差が自車両の進行軌跡から離間する側に生じている場合には自車両が逸脱したと判定し易くなる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両の逸脱判定装置では、前記逸脱判定手段は、前記横方向偏差が前記自車両の進行軌跡に向かい近接する側に生じている状態で時間経過に伴い減少傾向に変化する場合には、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定し、前記横方向偏差が前記自車両の進行軌跡から離間する側に生じている状態で時間経過に伴い減少傾向に変化する場合には、自車両の適正進路を自車両が逸脱したと判定することを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、適対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易かつ精度良く判定することができる。
さらに、請求項5に記載の本発明の車両の逸脱判定装置は、自車両の運転者の状態を推定する運転者状態推定手段(例えば、実施の形態での運転者状態推定部67)を備え、前記逸脱判定手段は、前記運転者状態推定手段にて推定された運転者の状態が正常である場合に、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定し、前記運転者の状態が正常ではない場合に、自車両の適正進路を自車両が逸脱したと判定することを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の運転者の状態に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、請求項6に記載の本発明の車両の逸脱判定装置は、前記運動状態検出手段の検出結果に基づき自車両の旋回状態を検知する自車旋回状態検知手段(例えば、実施の形態での旋回状態検知部68)と、前記逸脱判定手段は、前記自車旋回状態検知手段にて検知された自車両の旋回状態において、対向車両に向かい近接する方向への旋回の程度が大きくなることに伴い、自車両の適正進路を自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定し、対向車両から離間する方向への旋回の程度が大きくなることに伴い、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定することを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の旋回状態に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の車両の逸脱判定装置は、自車両と対向車両との接触が発生する可能性を予測する接触予測手段(例えば、実施の形態での接触予測部69)と、該接触判定手段により接触の可能性が有ると判定された場合に、自車両に設けられた接触回避手段を作動させる作動手段(例えば、実施の形態での作動部70)とを備え、前記作動手段は、前記逸脱判定手段にて前記適正進路を対向車両が逸脱したと判定された場合には、この場合以外の場合に比べて前記接触回避手段の作動を抑制、または、前記接触回避手段の作動を禁止することを特徴としている。
上記の車両の逸脱判定装置によれば、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定された場合、自車両の接触回避制御の作動を抑制または禁止することで、対向車両で実行される接触回避動作により接触を回避することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することにより、逸脱状態に応じた適切な車両制御を実行することができる。
さらに、請求項2に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の進行軌跡と対向車両の進行軌跡とのなす角度に応じて、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、請求項3に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、請求項4に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易かつ精度良く判定することができる。
さらに、請求項5に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の運転者の状態に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、請求項6に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、自車両の旋回状態に応じて自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、請求項7に記載の本発明の車両の逸脱判定装置によれば、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定された場合、自車両の接触回避制御の作動を抑制または禁止することで、対向車両で実行される接触回避動作により接触を回避することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る車両の逸脱判定装置について添付図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施の形態による車両の逸脱判定装置10は、例えば、内燃機関11の駆動力を、オートマチックトランスミッション(AT)あるいは無段自動変速機(CVT)等のトランスミッション(T/M)12を介して車両の駆動輪に伝達する車両に搭載され、ナビゲーション装置13と、制御装置14と、ブレーキアクチュエータ15および警報装置16と、外界センサをなす撮影装置17およびレーダ装置18と、EPSアクチュエータ19とを備えて構成されている。
なお、撮影装置17は、例えば可視光領域や赤外線領域にて撮像可能なCCDカメラやC−MOSカメラ等からなるカメラ17aおよび画像処理部17bを備えて構成され、カメラ17aは、例えばフロントウィンドウの車室内側でルームミラー近傍の位置に配置され、フロントウィンドウ越しに自車両の進行方向前方の所定検知範囲の外界を撮影する。画像処理部17bは、カメラ17aにより撮影して得た画像に対して、例えばフィルタリングや二値化処理等の所定の画像処理を行い、画像データを生成して制御装置14へ出力する。
また、レーダ装置18は、例えばレーザ光やミリ波等のレーダ18aおよびレーダ制御部18bとを備えて構成され、レーダ18aは、例えば自車両のボディのノーズ部や車室内のフロントウィンドウ近傍等に配置され、制御装置14からレーダ制御部18bへ入力される制御指令に応じたレーダ制御部18bの制御により、レーザ光やミリ波等の発信信号を適宜の検知方向(例えば、自車両の進行方向前方等)に向けて発信すると共に、この発信信号が自車両の外部の物体(検知対象物)によって反射されることで生じた反射信号を受信し、反射信号と発信信号とを混合してビート信号を生成して制御装置14へ出力する。
ナビゲーション装置13は、例えば現在位置検出部21と、ナビゲーション処理部22と、地図データ記憶部23と、入力部24と、表示部25とを備えて構成されている。
さらに、現在位置検出部21は、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するためのGPS(Global Positioning System)信号や、例えば適宜の基地局を利用してGPS信号の誤差を補正して測位精度を向上させるためのD(Differential)GPS信号等の測位信号を受信する測位信号受信部31と、水平面内での自車両の向きや鉛直方向に対する傾斜角度(例えば、車両の前後方向軸の鉛直方向に対する傾斜角度や車両重心の上下方向軸回りの回転角であるヨー角等)および傾斜角度の変化量(例えば、ヨーレート等)を検出するジャイロセンサ32と、車両の速度(車速)を検出する車速センサ33とを備えて構成され、受信した測位信号によって、あるいは、車速やヨーレート等の検出信号に基づく自律航法の算出処理によって、車両の現在位置を算出する。
地図データ記憶部23は、例えばハードディスク装置等の磁気ディスク装置や、例えばCD−ROMやCD−RやMOやDVD等の光ディスク装置等のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体からなる。そして、地図データ記憶部23は、例えば表示部25において地図を表示するための地図データとして、例えば道路の幅員データや複数の道路の交差角度や交差点の形状や位置等の道路データを格納している。
ナビゲーション処理部22は、例えば、地図データ記憶部23から取得される道路データに対して、現在位置検出部21における測位信号および自律航法の算出処理のそれぞれ、又は、何れかから得られる車両の現在位置の情報に基づいてマップマッチングを行い、位置検出の結果を補正すると共に、検出された車両の現在位置、あるいは、各種スイッチやキーボード等からなる入力部24を介して操作者により入力された適宜の車両の位置に対して、表示部25での地図表示を制御する。
また、ナビゲーション処理部22は、例えば車両の経路探索や経路誘導等の処理を実行し、地図データ記憶部23から取得される道路データと共に、例えば目的地までの経路情報や各種の付加情報を表示部25へ出力する。
制御装置14は、走行制御部41と、エンジン制御部42と、変速制御部43と、ブレーキ制御部44と、EPS制御部46とを備えて構成され、運転者が入力した操舵角度の方向と大きさを検出する操舵角センサ51と、運転者により入力される操舵トルクを検出する操舵トルクセンサ52と、自車両に発生する加速度(例えば、車両前後方向の前後加速度および車両横方向の横加速度等)を検出する加速度センサ53とから出力される各検出信号が入力されている。
さらに、走行制御部41は、物体検知部61と、対向車両判定部62と、対向車軌跡予測部63と、自車軌跡算出部64と、逸脱判定部65と、横偏差算出部66と、運転者状態推定部67と、旋回状態検知部68と、接触予測部69と、作動部70とを備えて構成されている。
物体検知部61は、撮影装置17から入力される画像データまたはレーダ装置18から出力されるビート信号に基づき、自車両の進行方向におけるカメラ17aまたはレーダ18aの各検知エリア内に存在する静止物および移動体からなる物体を検知し、検知した物体と自車両との相対位置および相対距離および相対速度を検出する。
対向車両判定部62は、物体検知部61にて検知された物体のうち、自車両の対向車両、例えば自車両の走行車線に対する対向車線を移動する移動体等となる物体の有無を判定する。
対向車軌跡予測部63は、例えば物体検知部61にて検知された相対位置の時間変化に基づいて対向車両の進行軌跡を予測する。
自車軌跡算出部64は、例えば現在位置検出部21にて検出された自車両の現在位置の時間変化や、自車両の走行状態、例えば車速センサ33にて検知された自車両の現在速度VPと、ジャイロセンサ32にて検出された自車両のヨーレートωとに基づいて自車両の進行軌跡を算出する。例えば自車両がカーブを通過する場合、このカーブの回転半径Rは、下記数式(1)に示すように算出される。
Figure 2006143052
逸脱判定部65は、自車両と対向車両とが適正にすれ違うことができる適正進路を、自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両が逸脱したか否かを判定する。
例えば図2から図4に示すように、逸脱判定部65は、自車両Pの進行軌跡PRと、対向車両Qの進行軌跡QRとのなす角度に基づき、適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、前記適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定する。すなわち、図2に示すように直線路を走行中の自車両Pが対向車線側に逸脱する場合や、図3に示すように直線路を走行中の対向車両Qが対向車線側(つまり自車両Pの走行車線側)に逸脱する場合において、先ず、自車両Pと対向車両Qとの相対距離を相対速度で除算して得た衝突時間(=相対距離/相対速度)が算出される。そして、算出した衝突時間と、自車両Pおよび対向車両Qの各進行軌跡PR,PQに基づき、自車両Pと対向車両Qとが最も接近する位置(最接近位置)Mを推定する。そして、この最接近位置Mにおける自車両Pおよび対向車両Qの各運動ベクトルA,Bを推定し、例えば自車両Pの運動ベクトルAを基準として、運動ベクトルBのなす角度θを算出する。そして、例えば図4に示すように、角度θが90°から270°に向かい増大することに伴い、例えば「1」から「0」に向かい減少傾向に変化する逸脱推定量のマップをマップ検索して逸脱推定量を取得する。そして、取得した逸脱推定量に応じて、例えば、逸脱推定量が増大することに伴い、対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定し、逸脱推定量が減少することに伴い、自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定する。
同様にして、例えば図5に示すように、カーブを通過中の対向車両Qに対して、直線路を走行中の自車両Pが対向車線側に逸脱する場合や、例えば図6に示すように、カーブを通過中の自車両Pに対して、直線路を走行中の対向車両Qが対向車線側(つまり、自車両Pの走行車線側)に逸脱する場合においても、自車両Pと対向車両Qとの最接近位置Mにおける自車両Pおよび対向車両Qの各運動ベクトルA,Bのなす角度θの増大に伴い、自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定され、角度θの減少に伴い、対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定される。
また、横偏差算出部66は、自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差eつまり対向車両の横方向における自車両の進行軌跡と対向車両の位置との間の距離を算出する。
そして、逸脱判定部65は、横方向偏差eに応じて、自車両と対向車両とが適正にすれ違うことができる適正進路を、自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両が逸脱したか否かを判定する。
この横方向偏差eは、例えば図7および図8に示すように、自車両Pの進行軌跡を基準として、対向車線側を正方向としている。
そして、例えば図7に示すように自車両Pが対向車線側に逸脱する場合には、例えば図9に示すように、自車両Pが逸脱し始めると、横方向偏差eは正の値から負の値に向かい減少傾向に変化し、この後、負の値からゼロに向かい増大傾向に変化する。なお、横方向偏差eがゼロに向かい増大する際に、自車両Pおよび対向車両Qが接触回避動作を実行しない場合には、この横方向偏差eがゼロに到達した時点で自車両Pと対向車両Qとが接触することになる。
また、例えば図8に示すように対向車両Qが対向車線側(つまり自車両Pの走行車線側)に逸脱する場合には、例えば図10に示すように、対向車両Qが逸脱し始めると、横方向偏差eは正の値からゼロに向かい減少傾向に変化する。なお、横方向偏差eがゼロに向かい減少する際に、自車両Pおよび対向車両Qが接触回避動作を実行しない場合には、この横方向偏差eがゼロに到達した時点で自車両Pと対向車両Qとが接触することになる。
そして、逸脱判定部65は、例えば図11に示すように、横方向偏差eの時間変化率(de/dt)が負の値から正の値に向かい増大することに伴い、例えば「1」から「0」に向かい減少傾向に変化する逸脱推定量のマップをマップ検索して逸脱推定量を取得する。そして、取得した逸脱推定量に応じて、例えば、逸脱推定量が増大することに伴い、対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定し、逸脱推定量が減少することに伴い、自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定する。
また、運転者状態推定部67は、自車両の運転者の状態、例えば覚醒状態や脇見状態等の運転に対する注意度や集中度に係る状態を推定する。
例えば、運転者状態推定部67には、運転者の視線を検出する視線センサ(図示略)や、運転操作の周期や頻度、車両の運動状態の変化(例えば、ふらつき等)を検知する状態センサ(図示略)等から出力される各検出信号が入力されており、各検出信号に基づき運転者の状態が正常であるか否かが判定される。
そして、逸脱判定部65は、例えば図12に示すように、運転者の注意度が増大することに伴い、例えば「0」から「1」に向かい増加傾向に変化する逸脱推定量のマップをマップ検索して逸脱推定量を取得する。そして、取得した逸脱推定量に応じて、例えば、逸脱推定量が増大することに伴い、対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定し、逸脱推定量が減少することに伴い、自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定する。
また、旋回状態検知部68は、例えば加速度センサ53から出力される横加速度の検出信号や、ジャイロセンサ32から出力されるヨーレートの検出信号や、操舵角センサ51から出力される操舵角度の方向と大きさの検出信号や、操舵トルクセンサ52から出力される操舵トルクの検出信号等に基づき、自車両の旋回状態、例えば対向車線側に向かう旋回方向を負方向とした旋回角等を検知する。
そして、逸脱判定部65は、例えば図13に示すように、旋回状態が負の値から正の値に向かい増大することに伴い、例えば「0」から「1」に向かい増加傾向に変化する逸脱推定量のマップをマップ検索して逸脱推定量を取得する。そして、取得した逸脱推定量に応じて、例えば、逸脱推定量が増大することに伴い、対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定し、逸脱推定量が減少することに伴い、自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定する。
接触予測部69は、例えば、逸脱判定部65による判定結果、自車両と対向車両との相対距離や相対速度、自車両および対向車両の各進行軌跡等に基づき、自車両と対向車両との接触が発生する可能性を予測する。
作動部70は、接触予測部69による予測結果に応じて、例えば接触の可能性が有ると判定された場合には、音声等の聴覚的警報や表示等の視覚的警報やステアリング振動等の触覚的警報を警報装置16から出力させたり、EPSアクチュエータ19により反力トルクまたはアシストトルクを出力させる接触回避制御を実行する。
さらに、作動部70は、逸脱判定部65にて適正進路を対向車両が逸脱したと判定された場合には、この場合以外の場合に比べて接触回避制御の作動を抑制または禁止して、対向車両で実行される接触回避動作により接触を回避するように設定する。
上述したように、本実施の形態による車両の逸脱判定装置10によれば、適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することにより、逸脱状態に応じた適切な車両制御を実行することができる。しかも、自車両の進行軌跡と対向車両の進行軌跡とのなす角度、または、自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差、または、自車両の運転者の状態、または、自車両の旋回状態に応じて適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、適正進路を対向車両が逸脱したか否かを、容易に判定することができる。
さらに、適正進路を対向車両が逸脱したと判定された場合、自車両の接触回避制御の作動を抑制または禁止することで、対向車両で実行される接触回避動作により接触を回避することができる。
なお、上述した実施の形態において、逸脱判定部65は、横方向偏差eの時間変化率(de/dt)に応じて変化する逸脱推定量のマップ(例えば、図11)をマップ検索するとしたが、これに限定されず、例えば、横方向偏差eと、横方向偏差eの時間変化率(de/dt)とに応じて変化する逸脱推定量のマップをマップ検索して逸脱推定量を取得してもよい。
本発明の一実施形態に係る車両の逸脱判定装置の構成を示す機能ブロック図である。 直進路において自車両が対向車線側に逸脱する際の自車両と対向車両との相対位置の一例を示す図である。 直進路において対向車両が対向車線側に逸脱する際の自車両と対向車両との相対位置の一例を示す図である。 自車両Pの運動ベクトルAを基準として、対向車両Qの運動ベクトルBのなす角度θに応じて変化する逸脱推定量の一例を示すグラフ図である。 直進する自車両に対してカーブ通過中の対向車両が対向車線側に逸脱する際の自車両と対向車両との相対位置の一例を示す図である。 カーブ通過中の自車両に対して直進する対向車両が対向車線側に逸脱する際の自車両と対向車両との相対位置の一例を示す図である。 直進路において自車両が対向車線側に逸脱する際の横方向偏差eの一例を示す図である。 直進路において対向車両が対向車線側に逸脱する際の横方向偏差eの一例を示す図である。 直進路において自車両が対向車線側に逸脱する際の横方向偏差eおよび横方向偏差eの時間変化率(de/dt)の時間変化の一例を示すグラフ図である。 直進路において対向車両が対向車線側に逸脱する際の横方向偏差eおよび横方向偏差eの時間変化率(de/dt)の時間変化の一例を示すグラフ図である。 横方向偏差eの時間変化率(de/dt)に応じて変化する逸脱推定量の一例を示すグラフ図である。 運転者の注意度に応じて変化する逸脱推定量の一例を示すグラフ図である。 自車両の旋回状態に応じて変化する逸脱推定量の一例を示すグラフ図である。
符号の説明
10 車両の逸脱判定装置
32 ジャイロセンサ(運動状態検出手段)
33 車速センサ(速度検出手段)
61 物体検知部(物体検知手段)
62 対向車両判定部(対向車両判定手段)
63 対向車軌跡予測部(対向車進行軌跡予測手段)
64 自車軌跡算出部(自車進行軌跡予測手段)
65 逸脱判定部(逸脱判定手段)
66 横偏差算出部(横偏差算出手段)
67 運転者状態推定部(運転者状態推定手段)
68 旋回状態検知部(自車旋回状態検知手段)
69 接触予測部(接触予測手段)
70 作動部(作動手段)

Claims (7)

  1. 自車両の進行方向に存在する物体を検知し、該物体と自車両との相対位置および相対速度を検出する物体検知手段と、
    自車両の運動状態を検出する運動状態検出手段と、
    自車両の速度を検出する速度検出手段と、
    前記物体検知手段にて検知された相対速度と、前記速度検出手段にて検出された自車両の速度とに基づき、自車両の対向車両となる前記物体の有無を判定する対向車両判定手段と、
    自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と
    を備えることを特徴とする車両の逸脱判定装置。
  2. 前記運動状態検出手段の検出結果に基づき自車両の進行軌跡を予測する自車進行軌跡予測手段と、
    前記物体検知手段にて検知された相対位置の時間変化に基づき対向車両の進行軌跡を予測する対向車進行軌跡予測手段とを備え、
    前記逸脱判定手段は、前記自車進行軌跡予測手段にて予測された自車両の進行軌跡と、前記対向車進行軌跡予測手段にて予測された対向車両の進行軌跡とのなす角度に基づき、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の逸脱判定装置。
  3. 前記運動状態検出手段の検出結果に基づき自車両の進行軌跡を予測する自車進行軌跡予測手段と、
    該自車進行軌跡予測手段にて予測された自車両の進行軌跡と、前記物体検知手段にて検知された相対位置とに基づき前記自車両の進行軌跡に対する対向車両の横方向偏差を算出する横偏差算出手段とを備え、
    前記逸脱判定手段は、前記横偏差算出手段にて算出された横方向偏差が前記自車両の進行軌跡に向かい近接する側に生じているか否か、あるいは、前記横方向偏差が前記自車両の進行軌跡から離間する側に生じているか否かを判定することにより、自車両の適正進路を自車両が逸脱したか否か、あるいは、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の逸脱判定装置。
  4. 前記逸脱判定手段は、前記横方向偏差が前記自車両の進行軌跡に向かい近接する側に生じている状態で時間経過に伴い減少傾向に変化する場合には、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定し、前記横方向偏差が前記自車両の進行軌跡から離間する側に生じている状態で時間経過に伴い減少傾向に変化する場合には、自車両の適正進路を自車両が逸脱したと判定することを特徴とする請求項3に記載の車両の逸脱判定装置。
  5. 自車両の運転者の状態を推定する運転者状態推定手段を備え、
    前記逸脱判定手段は、前記運転者状態推定手段にて推定された運転者の状態が正常である場合に、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定し、前記運転者の状態が正常ではない場合に、自車両の適正進路を自車両が逸脱したと判定することを特徴とする請求項1に記載の車両の逸脱判定装置。
  6. 前記運動状態検出手段の検出結果に基づき自車両の旋回状態を検知する自車旋回状態検知手段と、
    前記逸脱判定手段は、前記自車旋回状態検知手段にて検知された自車両の旋回状態において、対向車両に向かい近接する方向への旋回の程度が大きくなることに伴い、自車両の適正進路を自車両が逸脱したと判定し易くなるように設定し、対向車両から離間する方向への旋回の程度が大きくなることに伴い、対向車両の適正進路を対向車両が逸脱したと判定し易くなるように設定することを特徴とする請求項1に記載の車両の逸脱判定装置。
  7. 自車両と対向車両との接触が発生する可能性を予測する接触予測手段と、
    該接触判定手段により接触の可能性が有ると判定された場合に、自車両に設けられた接触回避手段を作動させる作動手段とを備え、
    前記作動手段は、前記逸脱判定手段にて前記適正進路を対向車両が逸脱したと判定された場合には、この場合以外の場合に比べて前記接触回避手段の作動を抑制、または、前記接触回避手段の作動を禁止することを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1つに記載の車両の逸脱判定装置。

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