JP2006140928A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】異なる電圧ドメインに属する回路間において、高速に信号を伝播することが困難であった。
【解決手段】第1のインバータ回路INV1は、電流通路の一端が接地された第1導電型の第1のトランジスタN1の電流通路の他端に第2の導電型の第2のトランジスタP1の電流通路の一端が接続され、各ゲートに接地電位より高い第1の電圧V1の一方からなる第1の信号CKIが供給される。第2導電型の第3のトランジスタP2は、第2のトランジスタP1の電流通路の他端と第1の電圧より高い第2の電圧V2が供給されるノードとの間に接続され、ゲートに第1の信号の変化から遅れて接地電位と、第2の電圧の一方からなる制御信号LSOが供給され、第1のインバータ回路INV1の出力端から接地電位と前記第2の電圧の一方からなる第2に信号CKOを出力する。
【選択図】 図1
【解決手段】第1のインバータ回路INV1は、電流通路の一端が接地された第1導電型の第1のトランジスタN1の電流通路の他端に第2の導電型の第2のトランジスタP1の電流通路の一端が接続され、各ゲートに接地電位より高い第1の電圧V1の一方からなる第1の信号CKIが供給される。第2導電型の第3のトランジスタP2は、第2のトランジスタP1の電流通路の他端と第1の電圧より高い第2の電圧V2が供給されるノードとの間に接続され、ゲートに第1の信号の変化から遅れて接地電位と、第2の電圧の一方からなる制御信号LSOが供給され、第1のインバータ回路INV1の出力端から接地電位と前記第2の電圧の一方からなる第2に信号CKOを出力する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば動作電圧の異なる複数の論理回路間において信号を伝播する半導体装置に関する。
従来、動作電圧の異なる複数の論理回路間において信号を伝播する場合、これら論理回路の間にレベル変換回路が設けられている。このレベル変換回路は、例えば入力信号の電圧振幅V1をこれより高い電圧振幅V2に変換して出力する。すなわち、このレベル変換回路は、入力信号がローレベル(“L”=0V)のとき、ローレベル(“L”=0V)の信号を出力し、入力信号がハイレベル(“H”=V1)のとき、ハイレベル(“H”=V2>V1)の信号を出力する(例えば非特許文献1参照)。
この回路において、電圧V1とV2の差が大きい場合、入力信号が供給されてから出力信号が出力されるまでの伝達時間が、電圧V1とV2の差が小さい場合に比べて遅くなるという問題がある。すなわち、入力信号が“L”から“H”に、あるいは“H”から“L”に変化した後、出力信号が“L”から“H”に、あるいは“H”から“L”に変化するまでの時間が、電圧V1とV2の差に依存して変化するという問題がある。
近時、1つのチップに複数の電圧によって動作する複数の論理回路を有したシステムオンチップ(SoC)デバイスが開発されている。このSoCデバイスにおいて、異なる電圧ドメインに属する論理回路間で信号を伝播する場合、レベル変換回路が必要となる。しかし、上記従来の回路を用いた場合、動作電圧の差によって信号の伝達時間に差が生じるため、設計段階において、信号の伝達タイミングに余裕を持たせる必要がある。したがって、SoCデバイスの動作速度を向上することが困難となっていた。
Sung-Mo Kang, Yusuf Leblebici著, "CMOS Digital Integrated Circuit, Analysis and Design (Second edition)", McGraw-Hill, p.543, 1999
Sung-Mo Kang, Yusuf Leblebici著, "CMOS Digital Integrated Circuit, Analysis and Design (Second edition)", McGraw-Hill, p.543, 1999
本発明は、異なる電圧ドメインに属する回路間において、高速に信号を伝播することが可能な半導体装置を提供しようとするものである。
本発明の半導体装置の第1の態様は、電流通路の一端が接地された第1導電型の第1のトランジスタの電流通路の他端に第2導電型の第2のトランジスタの電流通路の一端が接続され、接地電位及び前記接地電位より高い第1の電圧の一方からなる第1の入力信号が前記第1及び第2のトランジスタのゲートに供給される第1のインバータ回路と、前記第2のトランジスタの電流通路の他端と前記第1の電圧より高い第2の電圧との間に接続され、ゲートに前記第1の入力信号の変化から遅れて接地電位及び第2の電圧の一方からなる制御信号が供給される第2導電型の第3のトランジスタとを具備し、前記第1のインバータ回路の出力端から接地電位と前記第2の電圧の一方からなる第1の出力信号を出力することを特徴とする。
本発明の半導体装置の第2の態様は、ゲートに接地電位と、接地電位より高い第1の電圧の一方からなる第1の入力信号が供給され、電流通路の一端が接地された第1導電型の第1のトランジスタと、前記第1のトランジスタの電流通路の他端と前記第1の電圧より高い第2の電圧との間に接続され、ゲートに前記第1の入力信号の変化から遅れて接地電位と、第2の電圧の一方からなる制御信号が供給される第2導電型の第2のトランジスタとを具備し、前記第1のトランジスタの電流通路の他端から接地電位と前記第2の電位の一方からなる第2の出力信号を出力することを特徴とする。
本発明によれば、異なる電圧ドメインに属する回路間において、高速に信号を伝播することが可能な半導体装置を提供できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置としてのレベル変換回路LS−Rを示している。このレベル変換回路LS−Rは、インバータ回路INV1、INV2、及び制御回路としてのレベル変換回路LSにより構成されている。
図1は、第1の実施形態に係る半導体装置としてのレベル変換回路LS−Rを示している。このレベル変換回路LS−Rは、インバータ回路INV1、INV2、及び制御回路としてのレベル変換回路LSにより構成されている。
図1において、レベル変換回路LS−Rの入力信号CKIは“L”(例えば接地電位=0V)と、“H”(第1の電圧V1)のいずれか一方の電圧に設定される。また、出力信号CKOは、“L”(例えば接地電位=0V)と、“H”(第2の電圧V2)のいずれか一方に設定される。なお、第2の電圧V2は第1の電圧V1よりも高い電圧に設定されている(V1<V2)。
入力信号CKIは、インバータ回路INV1を構成するNチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタと称す)N1のゲートと、PチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタと称す)P1のゲート、及びレベル変換回路LSの入力端に供給される。NMOSトランジスタN1のソースは接地電位の供給ノードに接続され、PMOSトランジスタP1のソースは、PMOSトランジスタP2のドレインに接続されている。PMOSトランジスタP2のソースは第2の電位V2の供給ノードに接続される。PMOSトランジスタP2のゲートには、レベル変換回路LSの出力信号LSOが供給される。トランジスタN1、P2のドレインすなわちインバータ回路INV1の出力端NDは、インバータ回路INV2の入力端に接続される。このインバータ回路INV2は、PMOSトランジスタP3、NMOSトランジスタN2により構成され、第2の電圧V2により駆動される。インバータ回路INV2の出力端より出力信号CKOが出力される。
NMOSトランジスタN1の駆動能力は、PMOSトランジスタP1、P2の合計の駆動能力よりも高く設定されている。すなわち、例えばNMOSトランジスタN1のゲート幅がPMOSトランジスタP1、P2に比べて大きく設定されている。あるいはPMOSトランジスタP2のゲート長がNMOSトランジスタN1のゲート長より大きく設定されている。
また、レベル変換回路LSは、第1の電圧V1により駆動されるインバータ回路INV3、INV4、第2の電圧V2により駆動され、2つのNMOSトランジスタのゲートに供給される電圧の差を増幅する差動増幅回路DFA、及び第2の電圧V2により駆動されるインバータ回路INV5により構成されている。このレベル変換回路LSは、入力信号CKIが“L”から“H”に変化すると、入力信号CKIの変化から一定時間遅れて出力信号LSOが“H”(第2の電圧V2)となる。レベル変換回路LSの構成は、図1に示す構成に限定されるものではなく、例えば図8、図9に示すようなレベル変換回路を適用することも可能である。
上記構成において、図1に示す回路の動作について説明する。入力信号CKIが接地電位から第1の電圧V1に遷移した場合を考える。待機状態において、入力信号CKIは“L”(接地電位)、レベル変換回路LSの出力信号LSOは“L”(接地電位)となっている。このため、PMOSトランジスタP2はオン状態となっている。また、PMOSトランジスタP1も同様にオン状態である。このため、インバータ回路INV1の出力端NDは、“H”(第2の電圧V2)、インバータ回路INV2の出力信号CKOは“L”(接地電位)となっている。
一方、入力信号CKIが“H”(第1の電圧V1)となると、先ず、NMOSトランジスタN1のゲートが第1の電圧V1となるため、NMOSトランジスタがオン状態になる。また、PMOSトランジスタP1は、V1<V2であるため、完全にはオフ状態にならない。しかも、レベル変換回路LSの出力信号LSOは、入力信号CKIが“H”になってからレベル変換回路LSが有する遅延時間を経てから“H”となる。このため、PMOSトランジスタP2のゲート電圧は、信号LSOが“H”となるまで、0Vである。したがって、PMOSトランジスタP2はオン状態を維持する。
ここで、NMOSトランジスタN1の駆動能力は、PMOSトランジスタP1、P2の駆動能力よりも高く設定されているため、出力端NDの電位はインバータINV2の論理閾値よりも低くなる。よって、インバータ回路INV2は出力端NDの電位が低下すると瞬時に反転し、出力信号CKOが“H”(第2の電圧V2)となる。このため、入力信号CKIが“H”(第1の電圧V1)になると、レベル変換回路LSの出力信号が“H”(第2の電圧V2)となる前に、インバータ回路INV2の出力信号CKOが“H”となる。すなわち、図1に示すレベル変換回路LS−Rは、従来に比べて入力信号が“L”から“H”になった情報を高速に伝達することができる。
尚、入力信号CKIが“H”となった直後において、出力端NDの電位が低くなり、PMOSトランジスタP1も完全にはオフ状態にならず、PMOSトランジスタP2もオン状態のままである。このため、PMOSトランジスタP2、P1、NMOSトランジスタN1を介してリーク電流が流れてしまう。しかし、この状態はレベル変換回路LSの出力信号LSOが“H”となると、PMOSトランジスタP2がオフ状態となるため解消される。通常、レベル変換回路LSの信号伝達時間は数10ピコ秒から数100ピコ秒程度であり、最悪でも1ナノ秒以下である。したがって、入力信号CKIが“L”から“H”に遷移した後、PMOSトランジスタP2がオフになるまでに貫通電流が流れたとしても、それは瞬間的であり、定常的なリーク電流が流れることはない。さらに、入力信号CKIが“H”のとき、PMOSトランジスタP1は、ゲートが第1の電圧V1となるため、電流駆動能力が小さくなる。したがって、PMOSトランジスタP1は、瞬間的な貫通電流を弱める働きもある。
上記第1の実施形態によれば、入力端に入力信号CKIが供給されるインバータ回路INV1の電流通路に第2の電圧V2により駆動されるPMOSトランジスタP2を接続し、このPMOSトランジスタP2のゲートをレベル変換回路LSの出力信号により制御している。このレベル変換回路LSは、入力信号CKIの第1の電圧V1からなる“H”を一定の遅延時間の後、第2の電圧V2からなる“H”に変換する。このため、インバータ回路INV1は入力信号CKIが“L”から“H”に変化したとき、直ちに第2の電圧V2からなる“H”の信号を出力できる。したがって、レベル変換回路LS−Rは、異なる電圧ドメインに属する回路間において、高速に信号を伝播することができる。
尚、第1の実施形態は、第1の電圧V1が第2の電圧V2より低い場合に効果が現れる。しかし、第1の電圧V1が第2の電圧V2と同じか、第1の電圧V1が第2の電圧V2より大きい場合であっても第1の実施形態を適用できる。また、第1の電圧V1と第2の電圧V2の関係が動作状態によって変化してもよい。
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態に係るレベル変換回路LS−Rを示している。このレベル変換回路LS−Rも入力信号CKIが“L”すなわち0Vのとき、出力信号CKOには“L”すなわち0Vが出力され、入力信号CKIが“H”すなわち第1の電圧V1のとき、出力信号CKOは“H”すなわち第2の電圧V2が出力される。第1の電圧V1は第2の電圧V2より低い電圧に設定されることが一般的であるが、電圧関係はこれに限定されるものではない。
図2は、第2の実施形態に係るレベル変換回路LS−Rを示している。このレベル変換回路LS−Rも入力信号CKIが“L”すなわち0Vのとき、出力信号CKOには“L”すなわち0Vが出力され、入力信号CKIが“H”すなわち第1の電圧V1のとき、出力信号CKOは“H”すなわち第2の電圧V2が出力される。第1の電圧V1は第2の電圧V2より低い電圧に設定されることが一般的であるが、電圧関係はこれに限定されるものではない。
図2において、インバータ回路INV6は、図1に示すインバータ回路INV1からPMOSトランジスタP1を除いた回路となっている。第2の実施形態も第1の実施形態と同様に、NMOSトランジスタN1の駆動能力を、PMOSトランジスタP2の駆動能力よりも大きく設定している。
図2に示す回路の動作は、図1に示す回路とほぼ同様である。すなわち、入力信号CKIが“L”のとき、NMOSトランジスタN1はオフであり、レベル変換回路LSの出力信号LSOは“L”である。このため、PMOSトランジスタP2はオンしており、インバータ回路INV6の出力端NDの電位は“H”(第2の電圧V2)となる。したがって、この信号が供給されるインバータ回路INV2の出力信号CKOは“L”となっている。
一方、入力信号CKIが“L”から“H”に変化すると、NMOSトランジスタN1が速やかにオンし、インバータ回路INV6の出力端NDの電位が“L”となる。このため、インバータ回路INV2の出力信号CKOが“L”から“H”に速やかに遷移する。この後、レベル変換回路LSの出力信号LSOが“H”(第2の電圧V2)となると、PMOSトランジスタP2がオフし、貫通電流が遮断される。
上記第2の実施形態によっても第1の実施形態と同様に、入力信号CKIが“L”から第1の電圧V1の“H”に変化した際、第2の電圧V2からなる“H”の信号を高速に出力することができる。しかも、第2の実施形態の場合、第1の実施形態に比べてインバータ回路INV6を構成するPMOSトランジスタの数が少ないため、入力信号CKIが“L”から“H”に変化した場合、第1の実施形態に比べて高速に出力信号CKOを出力することが可能である。
さらに、第2の実施形態の場合、第1の実施形態に比べてPMOSトランジスタの数を削減することができる。このため、回路を小型化することが可能である。
(第3の実施形態)
図3は、第3の実施形態に係るレベル変換回路LS−Lを示している。第1、第2の実施形態は、出力信号の立ち上がりを高速化する場合について説明した。これに対して、第3の実施形態は、出力信号の立ち下りを高速化する。
図3は、第3の実施形態に係るレベル変換回路LS−Lを示している。第1、第2の実施形態は、出力信号の立ち上がりを高速化する場合について説明した。これに対して、第3の実施形態は、出力信号の立ち下りを高速化する。
図3において、入力信号CKIは、インバータ回路INV7に供給される。このインバータ回路INV7は、NMOSトランジスタN3、PMOSトランジスタP4により構成され、第1の電圧V1により駆動される。このインバータ回路INV7の出力信号は、インバータ回路INV1の入力端に供給される。このインバータ回路INV1は、第1の実施形態同様の構成である。さらに、インバータ回路INV7の出力信号はレベル変換回路LSに供給される。このレベル変換回路LSの出力信号LSOは、インバータ回路INV1を構成するPMOSトランジスタP2のゲートに供給される。レベル変換回路LS−Lの出力信号CKOは、インバータ回路INV1の出力端より出力される。
上記構成において動作について説明する。
入力信号CKIが“H”(第1の電圧V1)のとき、インバータ回路INV7の出力信号は“L”(0V)となる。この信号が供給されるインバータ回路INV1は、NMOSトランジスタN1がオフしPMOSトランジスタP2がオンする。さらに、PMOSトランジスタP2のゲートに供給されるレベル変換回路LSの出力信号LSOは“L”であるため、PMOSトランジスタP2はオンしている。したがって、出力信号CKOは“H”(第2の電圧V2)である。
一方、入力信号CKIが“H”から“L”(0V)に変化した場合、インバータ回路INV7の出力信号は“H”(第1の電圧V1)となる。この信号が供給されるレベル変換回路LSの出力信号LSOは、レベル変換回路LSが有する遅延時間の間“L”となっている。このため、PMOSトランジスタP2はオンしている。また、インバータ回路INV7の出力信号が供給されるインバータ回路INV1は、PMOSトランジスタP1がオン状態から僅かにオンした状態となり、NMOSトランジスタN1がオンする。このため、出力信号CKOは“L”すなわち0Vに高速に遷移する。この後、レベル変換回路LSの出力信号LSOが“H”となると、PMOSトランジスタP2がオフとなり、貫通電流が遮断される。
第3の実施形態によれば、インバータ回路INV1の前段にインバータ回路INV7を設け、このインバータ回路INV7の出力信号により、インバータ回路INV1及びレベル変換回路LSを制御している。このため、入力信号CKIが“H”から“L”に変化したとき、出力信号CKOを高速に“H”から“L”に遷移させることができる。
なお、第3の実施形態は、第2の実施形態にも適用することができる。すなわち、図2において、インバータ回路INV2を除き、インバータ回路INV7を付加することにより、図2に示すインバータ回路INV6を用いて入力信号CKIが“H”から“L”に変化した場合、出力信号CKOを“H”から“L”に高速に遷移させることができる。
(第4の実施形態)
図4は、第4の実施形態を示す構成図である。第4の実施形態も入力信号CKIが“L”(0V)のとき、出力信号CKOは“L”(0V)を出力し、入力信号CKIが“H”(第1の電圧V1)のとき、出力信号CKOは“H”(第2の電圧V2)が出力される。第1の電圧V1と第2の電圧V2は、例えばV1<V2と設定されているが、これに限定されるものではない。
図4は、第4の実施形態を示す構成図である。第4の実施形態も入力信号CKIが“L”(0V)のとき、出力信号CKOは“L”(0V)を出力し、入力信号CKIが“H”(第1の電圧V1)のとき、出力信号CKOは“H”(第2の電圧V2)が出力される。第1の電圧V1と第2の電圧V2は、例えばV1<V2と設定されているが、これに限定されるものではない。
図4において、レベル変換回路LS−Rは、第1又は第2の実施形態に示す回路であり、入力信号CKIが“L”から“H”へ変化した場合、出力信号CKOを高速に“L”から“H”へ遷移させる回路である。一方、レベル変換回路LS−Lは、第3の実施形態に示す回路であり、入力信号CKIが“H”から“L”へ変化した場合、出力信号CKOを高速に“H”から“L”へ遷移させる回路である。レベル変換回路LS−Rの出力信号及びレベル変換回路LS−Lの出力信号は、選択回路SLにより選択される。選択回路SLは、例えば入力端がレベル変換回路LS−Rの出力端に接続された第1のトランスファーゲートTF1と、入力端がレベル変換回路LS−Lの出力端に接続された第2のトランスファーゲートTF2と、インバータ回路INV8により構成されている。第1、第2のトランスファーゲートTF1、TF2は、遅延回路DLYにより一定時間遅延された入力信号CKI、及びインバータ回路INV8により反転された入力信号bCKIにより一方が導通される。これらトランスファーゲートTF1、TF2の出力端は共通接続され、トランスファーゲートTF1、TF2により選択された信号が出力信号CKOとして出力される。
すなわち、入力信号CKIが“L”の場合、トランスファーゲートTF1が導通してレベル変換回路LS−Rの出力信号が出力信号CKOとして出力され、入力信号CKIが“H”の場合、トランスファーゲートTF2が導通してレベル変換回路LS−Lの出力信号が出力信号CKOとして出力される。入力信号CKIが“L”から“H”に変化すると、レベル変換回路LS−Rの出力信号は速やかに“L”から“H”に変化するが、レベル変換回路LS−Lの出力信号は、レベル変換回路LSの状態変化に要する時間を経た後、“L”から“H”に変化する。あるいは入力信号CKIが“H”から“L”に変化すると、レベル変換回路LS−Lの出力信号は速やかに“H”から“L”に変化するが、レベル変換回路LS−Rの出力信号はレベル変換回路LSの状態変化に要する時間を経た後“H”から“L”に変化する。遅延回路DLYは、これらの状態変化の長い方と同じかそれ以上の遅延時間を有し、入力信号CKIが“L”から“H”乃至“H”から“L”に変化した後、レベル変換回路LS−Lの出力信号とレベル変換回路LS−Rの出力信号が一致してからトランスファーゲートTF1とTF2の導通状態を切り替えることにより、出力信号CKOの状態が不安定とならないように選択回路SLを制御する。
第4の実施形態によれば、信号の立ち上がりを高速に伝播するレベル変換回路LS−Rと信号の立ち下がりを高速に伝播するレベル変換回路LS−L、及び選択回路SLを設け、この選択回路SLによりレベル変換回路LS−R、LS−Lの出力信号を選択している。このため、入力信号CKIの“H”から“L”及び“L”から“H”のいずれの信号変化も高速に伝達することができ、入力信号CKIに対応した出力信号CKOを出力することが可能である。
(第5の実施形態)
図5は、第5の実施形態を示している。第5の実施形態は、第1乃至第4の実施形態で説明したレベル変換回路をシステムオンチップ(SoC)やメモリLSIに適用した例を示している。図5において、第1の電源回路51は外部電圧VCCから第1の電圧V1を生成する。第2の電源回路52は外部電圧VCCから例えば第1の電圧V1より高い第2の電圧V2を生成する。第1の論理回路53は、第1の電源回路51から供給される第1の電圧V1で動作する。第2の論理回路54は、第2の電源回路52から供給される第2の電圧V2で動作する。
図5は、第5の実施形態を示している。第5の実施形態は、第1乃至第4の実施形態で説明したレベル変換回路をシステムオンチップ(SoC)やメモリLSIに適用した例を示している。図5において、第1の電源回路51は外部電圧VCCから第1の電圧V1を生成する。第2の電源回路52は外部電圧VCCから例えば第1の電圧V1より高い第2の電圧V2を生成する。第1の論理回路53は、第1の電源回路51から供給される第1の電圧V1で動作する。第2の論理回路54は、第2の電源回路52から供給される第2の電圧V2で動作する。
レベル変換回路55は、第1乃至第4の実施形態のいずれかに示すレベル変換回路が適用される。すなわち、信号の立ち上がりタイミングを高速化する必要がある場合は、第1、第2の実施形態が適用され、信号の立ち下がりタイミングを高速化する必要がある場合は、第3の実施形態が適用され、信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方のタイミングを高速化する必要がある場合は第4の実施形態が適用される。多くの応用例において、信号の立ち上がり又は立ち下がり一方のタイミングが重要であることが多い。このため、第1乃至第3の実施形態のレベル変換回路を用いることが多い。しかし、信号の立ち上がり及び立ち下がりの両方の変化タイミングが重要な場合は、第4の実施形態に係るレベル変換回路を用いればよい。
レベル変換回路55を用いることにより、第1の論理回路53から出力される信号SIG1(“L”=0V、“H”=第1の電圧V1)は、信号SIG2(“L”=0V、“H”=第2の電圧V2)に変換され、第2の論理回路54に供給される。
第5の実施形態によれば、レベル変換回路55により、入力信号CKIのレベルを変換して出力信号CKOを生成し、しかも、第2の論理回路54の回路特性に応じて、出力信号の出力タイミングを設定することが可能である。このため、異なる電圧により駆動される第1、第2の論理回路53、54を確実に動作させることが可能であり、システムオンチップデバイスの信頼性を向上させることが可能である。
(第6の実施形態)
図6は、第6の実施形態に係るシステムオンチップデバイスを示している。システムオンチップ(SoC)デバイスは、第1、第2のシステムモジュール61、62、I/O回路63、システムバス64、電源回路65、遅延調整回路66、レベル変換回路(LS1、LS2)67、68を有している。
図6は、第6の実施形態に係るシステムオンチップデバイスを示している。システムオンチップ(SoC)デバイスは、第1、第2のシステムモジュール61、62、I/O回路63、システムバス64、電源回路65、遅延調整回路66、レベル変換回路(LS1、LS2)67、68を有している。
第1、第2のシステムモジュール61、62は、異なる計算機能を有している。第1のシステムモジュール61は、例えば音声信号を処理するモジュールであり、電源電圧VCCより低い内部電圧VINTと、外部クロック信号CLKより低いクロック信号CLKAにより駆動される。第2のシステムモジュールは、例えば映像信号を処理するモジュールであり、電源電圧VCC、外部クロック信号CLKにより駆動される。I/O回路63は、インターフェース回路として動作し、システムバス64を介して第1、第2のシステムモジュール61、62とデータを授受する。電源回路65は、制御信号SPにより待機状態と動作状態にされ、動作状態において外部電圧VCCから内部電圧VINTを生成する。遅延調整回路66は、第1、第2のシステムモジュール61、62から出力されるクロック信号のスキューの状態に応じて、外部から供給されるクロック信号CLKを遅延させ、第1のシステムモジュール61に供給されるCLKAを生成する。
遅延調整回路66は、第1のシステムモジュール61から出力されるクロック信号CLK1と、第2のシステムモジュール62から出力されるクロック信号CLK2の位相を比較し、この比較結果に応じて、クロック信号CLK1とCLK2のスキューが最小となるように、クロック信号CLKを遅延してクロック信号CLKAを生成する。第1のシステムモジュール61は外部電圧VCCより低い内部電圧VINTで動作し、第2のシステムモジュール62及び遅延調整回路66は外部電圧VCCで動作する。このため、遅延調整回路66に供給される“L”が0Vで“H”が内部電圧VINTのクロック信号CLK1を、“L”が0Vで“H”が外部電圧VCCのクロック信号CLK1に変換する必要がある。したがって、遅延調整回路66と第1のシステムモジュール61の間には、レベル変換回路67が接続される。このレベル変換回路67は、第1乃至第4の実施形態に示すレベル変換回路のいずれかが適用される。この場合、各インバータ回路に供給される第1の電圧V1は内部電圧VINTであり、第2の電圧V2は外部電圧VCCである。
一方、第2のシステムモジュール62から出力されるクロック信号CLK2は、“L”が0Vで“H”が外部電圧VCCであるため、レベル変換回路は本来必要ではない。しかし、クロック信号CLK2とクロック信号CLK1との信号遅延の関係を保持するため、遅延調整回路66と第2のシステムモジュール62の間にレベル変換回路68が接続されている。このレベル変換回路68も第1乃至第4の実施形態を適用できるが、各インバータ回路に供給される第1、第2の電圧V1、V2は全て外部電圧VCCである。
図7は、遅延調整回路66の一例を示している。この遅延調整回路66は、例えば遅延回路71、72、時間差測定回路73により構成されている。クロック信号CLK1は、第1のシステムモジュール61から出力され、レベル変換回路67を通った信号である。このクロック信号CLK1は、時間差測定回路73の一方入力端に供給される。クロック信号CLK2は、第2のシステムモジュール62から出力され、レベル変換回路68を通った信号である。クロック信号CLK2は、遅延回路71に供給され、この遅延回路71により遅延されたクロック信号CLKXは時間差測定回路73の他方入力端に供給される。時間差測定回路73は、クロック信号CLK1とクロック信号CLKXの時間差(クロック信号の変化タイミングのずれ量)を測定し、この測定した時間差に対応した信号DTSSを生成する。この信号DTSSは、遅延回路71、72に供給される。遅延回路72はこの信号DTSSに応じてクロック信号CLKを遅延しクロック信号CLKAを生成する。遅延回路71はこの信号DTSSに応じてクロック信号CLK2を遅延しクロック信号CLKXを生成する。
上記第6に実施形態によれば、レベル変換回路67、68を介して遅延調整回路66に供給されるクロック信号CLK1、CLK2は、第1の電圧(VINT)、第2の電圧(VCC)の差に依存せず、クロック信号CLK1、CLK2の“L”から“H”の信号伝達を高速化できる。このため、第1、第2のシステムモジュール61、62から遅延調整回路66へ供給されるクロック信号CLK1、CLK2の伝達時間から内部電圧VINTと外部電圧VCCの差による誤差を除去できる。したがって、遅延調整回路66において、クロック信号CLK1、CLK2の位相差を確実に検出できるため、正確なクロック信号CLKAを生成することができる。
尚、上記各実施形態において、入力信号はクロック信号に限定されるものではなく、ステップ状に変化する信号であればよい。
その他、本発明の要旨を変えない範囲において種々変形実施可能なことは勿論である。
LS、LS−R、LS−L…レベル変換回路、INV1〜INV8…インバータ回路、N1〜N3…NMOSトランジスタ、P1〜P4…PMOSトランジスタ、V1…第1の電圧、V2…第2の電圧。
Claims (5)
- 電流通路の一端が接地された第1導電型の第1のトランジスタの電流通路の他端に第2導電型の第2のトランジスタの電流通路の一端が接続され、接地電位及び前記接地電位より高い第1の電圧の一方からなる第1の入力信号が前記第1及び第2のトランジスタのゲートに供給される第1のインバータ回路と、
前記第2のトランジスタの電流通路の他端と前記第1の電圧より高い第2の電圧との間に接続され、ゲートに前記第1の入力信号の変化から遅れて接地電位及び第2の電圧の一方からなる制御信号が供給される第2導電型の第3のトランジスタとを具備し、
前記第1のインバータ回路の出力端から接地電位と前記第2の電圧の一方からなる第1の出力信号を出力することを特徴とする半導体装置。 - 前記第1のトランジスタのゲートと前記第2のトランジスタのゲートに前記第1の電圧を供給し、前記第3のトランジスタのゲートに接地電位を供給したときの前記出力端の電位が、前記第2の電圧により動作する論理回路の論理閾値電圧よりも低くなるよう前記第1、第2、第3のトランジスタの駆動能力が設定されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 入力端に接地電位と前記第1の電圧の一方からなる第2の入力信号が供給され、出力端が前記第1のトランジスタ及び第2のトランジスタのゲートに接続され、前記第1の電圧で駆動される第3のインバータ回路をさらに具備することを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- ゲートに接地電位と、接地電位より高い第1の電圧の一方からなる第1の入力信号が供給され、電流通路の一端が接地された第1導電型の第1のトランジスタと、
前記第1のトランジスタの電流通路の他端と前記第1の電圧より高い第2の電圧との間に接続され、ゲートに前記第1の入力信号の変化から遅れて接地電位と、第2の電圧の一方からなる制御信号が供給される第2導電型の第2のトランジスタとを具備し、
前記第1のトランジスタの電流通路の他端から接地電位と前記第2の電位の一方からなる第2の出力信号を出力することを特徴とする半導体装置。 - 前記第1のトランジスタのゲートに前記第1の電圧を供給し、前記第2のトランジスタのゲートに接地電位を供給したときの前記出力端の電位が、前記第2の信号により動作する論理回路の論理閾値電圧よりも低くなるよう前記第1、第2のトランジスタの駆動能力が設定されていることを特徴とする請求項4記載の半導体装置。
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