JP2006133775A - 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子 - Google Patents

磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子 Download PDF

Info

Publication number
JP2006133775A
JP2006133775A JP2005319735A JP2005319735A JP2006133775A JP 2006133775 A JP2006133775 A JP 2006133775A JP 2005319735 A JP2005319735 A JP 2005319735A JP 2005319735 A JP2005319735 A JP 2005319735A JP 2006133775 A JP2006133775 A JP 2006133775A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
single crystal
film
crystal film
lattice constant
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005319735A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4572810B2 (ja
Inventor
Atsushi Oido
敦 大井戸
Kazuto Yamazawa
和人 山沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2005319735A priority Critical patent/JP4572810B2/ja
Publication of JP2006133775A publication Critical patent/JP2006133775A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4572810B2 publication Critical patent/JP4572810B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Thin Magnetic Films (AREA)
  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子に関し、膜育成中や冷却中あるいは研磨加工中に割れを生じ難い磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法を提供することにある。また、膜育成中や冷却中あるいは研磨加工中に割れを生じ難い磁性ガーネット単結晶膜を用いて高い歩留まりで作製できるファラデー回転子を提供することを目的とする。
【解決手段】Bi置換磁性ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長法を用いて育成する磁性ガーネット単結晶膜の製造方法において、単結晶膜の成長と共に磁性ガーネット単結晶の格子定数を一定、または徐々に減少させ、次いで単結晶膜の成長と共に格子定数を増加させて磁性ガーネット単結晶膜を成膜する。
【選択図】図1

Description

本発明は、磁性ガーネット単結晶膜(Bi(ビスマス)置換希土類鉄ガーネット単結晶膜)及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子に関する。
光アイソレータや光サーキュレータ等のファラデー回転子に使用されるBi置換磁性ガーネット単結晶膜は、液相エピタキシャル法による育成時やファラデー回転子として研磨加工する際に割れ易いため、ファラデー回転子作製の歩留まりが非常に低いという問題を有している。それに対し、例えば特開平4−139093号公報(以下、文献1という)に開示されている方法では、液相エピタキシャル膜の格子定数を室温で基板の格子定数と一致するように育成することにより割れを防ぐようにしている。また、特開平6−92796号公報(以下、文献2という)に開示されている方法では、液相エピタキシャル膜の格子定数を膜−基板界面より膜の成長方向に徐々に増加させて割れを防ぐようにしている。
液相エピタキシャル法により得られるBi置換磁性ガーネット単結晶膜は、Ca、Mg、Zrを添加したガドリニウム・ガリウム・ガーネット(GdGa12)系単結晶基板(以下、CaMgZr置換GGG単結晶基板という)と熱膨張係数が異なることが原因で、700〜1000℃の温度範囲での育成中や育成終了後の冷却中、あるいはファラデー回転子に加工する際の研磨中に割れが発生し易い。
Bi置換磁性ガーネット単結晶膜は育成した後、室温で研磨加工してファラデー回転子とするが、加工時の割れを防ぐため基板と単結晶膜の界面近傍の格子定数はほぼ一致させる必要がある。ところがBi置換磁性ガーネット膜は基板より熱膨張係数が20〜30%程度大きいため、室温で基板−膜界面近傍の格子定数を一致させると700〜1000℃の育成温度では単結晶膜の格子定数が基板の格子定数より大きくなってしまう。そのため基板および単結晶膜は育成中において膜側が凸型となる反りが発生する。
文献1で開示されているように、室温で膜と基板の格子定数が一致し、全体の格子定数が一定の値を持つ単結晶膜を基板上に成長させた場合、この凸状の反りは単結晶膜厚が厚くなると共に大きくなり、単結晶膜厚が基板厚の概ね半分の厚さになったところで最大の反りを持つ。さらに成長して膜厚が基板厚の概ね半分を越えると凸状の反りはそれ以上大きくならないが、膜表面に同心円状の割れが発生する。そのためファラデー回転子を作製する歩留まりが低下してしまう。
そこで、ファラデー回転子の作製に必要な膜厚(ファラデー回転子厚さ+研磨厚さ)の約2倍以上の厚さを有する結晶基板を使用して単結晶膜を成長させると、同心円状の割れを防ぐことができる。しかし、単結晶膜の育成条件や基板格子定数のばらつきにより発生する基板−膜界面のわずかな格子定数のずれが原因で、結晶基板が厚くなると育成中や育成終了後の冷却時に基板−膜界面で割れが発生し易く、ファラデー回転子作製の歩留まり低下の原因となる。
従って、文献1で提案されているように室温で結晶基板と単結晶膜の格子定数が一致しさらに膜全体の格子定数が一定となるような方法でエピタキシャル膜の育成を試みると、基板厚を薄くすると同心円割れが発生し、基板厚を厚くすると基板−膜界面で割れが発生する。その結果、ファラデー回転子作製の歩留まり低下の問題を避けることができない。
また、文献2には単結晶膜の成長膜厚が厚くなると共に格子定数を除々に大きくして、膜表面に発生する同心円状の割れを抑制することが記載されている。室温で基板−膜界面での格子定数を一致させると育成温度において結晶基板と単結晶膜は凸形状となる。そこで単結晶膜の膜厚が厚くなるのに合わせて単結晶の格子定数を大きくしてやり、育成中に発生する反りに合わせて凸状の単結晶膜を育成する。
こうすると、文献1に記載された方法で薄い基板を用いた単結晶膜の育成の際に問題となる同心円割れを除くことができる。また、文献2の方法で薄い基板を用いて育成すると、厚い基板を用いて育成する際に問題となる基板−膜界面で発生する割れは起きない。従って、文献2の方法は文献1の方法に比ベ、単結晶膜の育成および冷却の工程で割れの除去に対して有効である。
しかし、このような操作により割れを抑制すると単結晶膜は凸型の形状となり、室温に冷却後も凸型の反りを持った状態に保たれる。結晶基板の形状は平滑な円板であるため、結晶基板上に凸型の磁性ガーネット単結晶膜がエピタキシャル成長すると、基板と膜の間で応力を内在させながら室温では若干の凸型の形状となる。このため単結晶膜の研磨加工を行う際、内在する応力が原因で割れが発生する。その結果、ファラデー回転子を作製する歩留まりが低下してしまう。
本発明の目的は、膜育成中や冷却中あるいは研磨加工中に割れを生じ難い磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、膜育成中や冷却中あるいは研磨加工中に割れを生じ難い磁性ガーネット単結晶膜を用いて高い歩留まりで作製できるファラデー回転子を提供することにある。
上記目的は、膜成長方向に向かって格子定数が一定、または徐々に減少し、次いで増加するように成膜されていることを特徴とする磁性ガーネット単結晶膜によって達成される。
また、上記目的は、Bi置換磁性ガーネット単結晶を液相エピタキシャル成長法を用いて育成する磁性ガーネット単結晶膜の製造方法であって、単結晶膜の成長と共に前記磁性ガーネット単結晶の格子定数を一定、または徐々に減少させ、次いで前記単結晶膜の成長と共に前記格子定数を増加させることを特徴とする磁性ガーネット単結晶膜の製造方法によって達成される。
さらに、上記目的は、液相エピタキシャル成長法により育成した磁性ガーネット単結晶膜で作製されるファラデー回転子であって、前記磁性ガーネット単結晶膜の光入射面の格子定数Aと、光射出表面の格子定数Bと、前記光入射面及び前記光射出面からほぼ等距離にある前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数Cとの間に、(A+B)/2>Cの関係が成立することを特徴とするファラデー回転子によって達成される。
このように本発明は、液相エピタキシャル法によりBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成する際、エピタキシャル成長の初期から一定の膜厚まで膜の格子定数を一定に維持するか、あるいは徐々に減少させるようにして成膜する。そしてさらに膜厚が厚くなると、膜厚に応じて膜の格子定数を増加させるようにする。従って、単結晶膜育成中、冷却時および研磨加工工程で割れを防ぐことができ、ファラデー回転子を作製する歩留まりを高くすることができる。
以上の通り、本発明によれば、液相エピタキシャル法によりBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜を育成する際、単結晶膜育成中、冷却時および研磨加工工程での割れを防ぐことができ、ファラデー回転子作製の歩留まりを高くすることができる。
本発明の一実施の形態による磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子について図1乃至図5を用いて説明する。
本願発明者達は、磁性ガーネット単結晶膜の育成中、冷却中および研磨加工時における割れを防ぐことを目的として膜成長方向の格子定数制御を検討した。その結果、単結晶膜の成長初期から途中まで膜の格子定数を一定、または徐々に減少させ、その後に膜成長と共に膜の格子定数を増加させて育成することが育成中、冷却中および研磨加工時の割れの抑制に対して大きな効果があることを見出した。
すなわち、厚さtのCaMgZr置換GGG単結晶基板上にBi置換希土類鉄ガーネット単結晶を育成させる際、育成開始から膜厚約t/2までの範囲で単結晶膜の格子定数が室温で基板格子定数と同じになるか、または徐々に減少するように成長させる。その後、膜厚約t/2以上での膜育成においては膜成長と共に膜の格子定数を増加させるようにする。こうすることにより、育成中の膜表面に発生する同心円状の割れの発生を抑制し、また育成終了後の冷却時および研磨加工時の割れを抑制することができる。
室温で基板−膜界面で格子定数が一致するように基板にBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させると、膜の熱膨張係数は基板より大きいため育成中は膜の格子定数が基板より大きくなる。単結晶膜全体の格子定数が一定となるような単結晶膜を成長させると膜厚が基板厚の半分に達するまでは膜と基板は膜側に凸状に変形しながら膜表面には圧縮応力が加わる。
膜厚が基板厚の半分を超えてさらに膜厚が厚くなると成長中の膜表面に今度は引っ張り応力が加わり、単結晶膜が厚くなる程その引っ張り応力は大きくなる。膜の育成中に膜表面に引張り応力が加わると膜を構成する原子間の結合が切断されることになり、応力の分布が現れる形で膜表面に同心円状の割れが発生する。
育成中に膜の格子定数を増加させる操作は、膜厚が基板厚の約半分を超えたあたりで発生する引っ張り応力を抑制するのに有効であるが、膜厚が基板厚の半分より薄い場合は圧縮応力が加わっているので格子定数を一定、または徐々に減少させても同心円割れの発生はない。そこで膜厚が基板厚の約半分より薄い場合には膜の格子定数を一定、または徐々に減少させ、膜厚が基板厚の約半分より厚くなると格子定数を増加させることにより、膜育成中の同心円割れ発生を抑制できる。また、膜育成中の格子定数を増加させる条件に比べ、室温で単結晶膜と結晶基板とが膜側に凸状になる程度が少ないため、育成終了後の冷却中や研磨加工時の割れを抑制することができる。
以上説明した方法によれば、同心円状の割れを発生させずに基板厚の半分以上の厚さの単結晶膜を育成することができるため、育成に使用する結晶基板の厚さを薄くすることが可能である。基板厚が厚くなると基板と膜の変形が抑制されるため、育成条件のばらつきに起因する室温での基板と膜の格子定数の微少なずれによる応力が内在されるため、基板と膜の界面で割れが発生する。基板厚が薄くなると基板−膜界面の格子定数ずれによる応力は基板と膜が変形することにより緩和され、基板−膜界面で割れが発生しなくなる。
従って、より薄い基板を用い、エピタキシャル成長の初期から同心円割れの発生しない膜厚まで膜の格子定数を一定、もしくは徐々に減少させて単結晶膜を育成し、さらに単結晶膜が厚くなると共に格子定数を増加させることにより、育成中、冷却中および研磨加工時の割れを抑制でき、飛躍的に高い歩留まりでファラデー回転子が得られる。
以上説明したように、膜成長方向に向かって格子定数が一定、または徐々に減少し、次いで増加するように成膜されている磁性ガーネット単結晶膜からファラデー回転子を作製する。当該磁性ガーネット単結晶膜において格子定数が増加する領域がファラデー回転子に含まれると、ファラデー回転子の光入射表面および光射出表面の格子定数の平均値は両表面と等距離にある当該磁性ガーネット単結晶膜内部の格子定数より大きな値を示す。すなわち、磁性ガーネット単結晶の光入射面の格子定数Aと、光射出表面の格子定数Bと、前記光入射面及び前記光射出面からほぼ等距離にある前記磁性ガーネット単結晶の格子定数Cとの間に、(A+B)/2>Cの関係が成立する。
以下、本実施形態に係る磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子の具体的実施例として、実施例1及び実施例2、及び比較例1乃至3について図1乃至図5を参照しつつ説明する。
〔実施例1〕
Ybを6.747g、Gdを6.624g、Bを43.214g、Feを144.84g、PbOを1189.6g、Biを826.4g、GeOを2.360g秤量してPtるつぼに充填し、約1000℃で融解して撹拌を行い均質化した後、120℃/Hで降温させ820℃の過飽和状態で温度の安定を取った。そして、2インチφ(厚さ500μm)のCaMgZr置換GGG単結晶基板を100r.p.m.で回転させ、0.30℃/Hの速度で降温させながら15時間、基板の片面に磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。次に、0.80℃/Hで降温させながら20時間、単結晶膜を成長させた。
その結果、膜厚525μmの単結晶膜が得られた。この磁性ガーネット単結晶膜の表面は鏡面状態であり、膜表面に割れは認められなかった。蛍光X線法により基板−膜界面付近の単結晶膜の組成を分析するとBi1.12Gd1.15Yb0.69Pb0.04Fe4.96Pt0.01Ge0.0312であった。
また、この磁性ガーネット単結晶膜を波長1.55μmの光でファラデー回転角が45degとなるように研磨加工し、両面に無反射膜を付けて波長1.55μm用ファラデー回転子を作製した。このファラデー回転子を3mm角に切断してファラデー回転能、挿入損失、温度特性および消光比を評価すると、膜厚は400μmでファラデー回転係数は0.113deg/μm、挿入損失は最大0.05dBで最小0.01dB、温度特性は0.067deg/℃、消光比は最大45.1dBで最小42.0dBの値が得られた。
そして、この単結晶膜を膜表面側から研磨とX線回折(ボンド法)による格子定数測定を繰り返し、単結晶膜の格子定数と成長方向の膜厚の関係を評価した(図1参照)。なお、格子定数は(888)面の回折線より求めた。その結果、図1に示すように、基板の格子定数12.495Åに対して単結晶膜の格子定数は厚さ250μmまでは12.495Åの値となった後、膜厚が厚くなると共に格子定数は増加し、膜厚500μmで格子定数は12.503Åとなった。
これらの工程でファラデー回転子を作製した場含、約85%の歩留まりが得られた。
〔実施例2〕
Tbを14.110g、Bを46.45g、Feを148.82g、PbOを1054.4g、Biを965.8g、GeOを2.522g秤量してPtるつぼに充填し、約1000℃で融解して撹拌を行い均質化した後、120℃/Hで降温させ833℃の過飽和状態で温度の安定を取った。そして、2インチφ(厚さ550μm)のCaMgZr置換GGG単結晶基板を100r.p.m.で回転させ、0.25℃/Hの速度で降温させながら15時間、基板の片面に磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。次に、0.85℃/Hで降温させながら27時間、単結晶膜を成長させた。
その結果、膜厚620μmの単結晶膜が得られた。この磁性ガーネット単結晶膜の表面は鏡面状態であり、膜表面に割れは認められなかった。蛍光X線法により基板−膜界面付近の単結晶膜の組成を分析するとBi0.80Tb2.16Pb0.04Fe4.96Pt0.01Ge0.0312であった。
また、この磁性ガーネット単結晶膜を波長1.55μmの光でファラデー回転角が45degとなるように研磨加工し、両面に無反射膜を付けて波長1.55μm用ファラデー回転子を作製した。このファラデー回転子を3mm角に切断してファラデー回転能、挿入損失、温度特性および消光比を評価すると、膜厚は505μmでファラデー回転係数は0.089deg/μm、挿入損失は最大0.10dBで最小0.08dB、温度特性は0.040deg/℃、消光比は最大46.1dBで最小42.3dBの値が得られた。
そして、この単結晶膜を膜表面側から研磨とX線回析(ボンド法)による格子定数測定を繰り返し、単結晶膜の格子定数と成長方向の膜厚の関係を評価した(図2参照)。なお、格子定数は(888)面の回折線より求めた。その結果、図2に示すように、基板の格子定数12.495Åに対して、単結晶膜の格子定数は膜厚10μmの格子定数12.495Åから膜厚310μmの格子定数12.492Åまで、膜厚が増加すると共に徐々に減少した後、膜厚が厚くなると共に格子定数は増加し、膜厚600μmで格子定数は12.502Åとなった。
これらの工程でファラデー回転子を作製した場合、約80%の歩留まりが得られた。
〔比較例1〕
Ybを6.747g、Gdを6.624g、Bを43.214g、Feを144.84g、PbOを1189.6g、Biを826.4g、GeOを2.360g秤量してPtるつぼに充填し、約1000℃で融解して撹拌を行い均質化した後、120℃/Hで降温させ820℃の過飽和状態で温度の安定を取った。そして、2インチφ(厚さ500μm)のCaMgZr置換GGG単結晶基板を100r.p.m.で回転させ、0.30℃/Hの速度で降温させながら35時間、基板の片面に磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。
その結果、膜厚505μmの単結晶膜が得られた。この磁性ガーネット単結晶膜の表面には全面に同心円状の割れが発生し、基板外周部は割れのため離脱している部分も認められた。蛍光X線法により基板−膜界面付近の単結晶膜の組成を分析するとBi1.12Gd1.15Yb0.69Pb0.04Fe4.96Pt0.01Ge0.0312であった。
また、この磁性ガーネット単結晶膜をファラデー回転子への加工を試みたが割れのため回転子は得られなかった。そして、この単結晶膜を膜表面側から研磨とX線回折(ボンド法)による格子定数測定を繰り返し、単結晶膜の格子定数と成長方向の膜厚の関係を評価した(図3参照)。なお、格子定数は(888)面の回折線より求めた。その結果、図3に示すように、基板の格子定数12.495Åに対して単結晶膜の格子定数は厚さ500μmまで基板とほぼ同様な12.495Åの値となった。これらの工程でファラデー回転子を作製した場合、0%の歩留まりであった。
〔比較例2〕
Ybを6.747g、Gdを6.624g、Bを43.214g、Feを144.84g、PbOを1189.6g、Biを826.4g、GeOを2.360g秤量してPtるつぼに充填し、約1000℃で融解して撹拌を行い均質化した後、120℃/Hで降温させ820℃の過飽和状態で温度の安定を取った。そして、2インチφ(厚さ1000μm)のCaMgZr置換GGG単結晶基板を100r.p.m.で回転させ、0.30℃/Hの速度で降温させながら35時間、基板の片面に磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。
その結果、膜厚510μmの単結晶膜が得られた。この磁性ガーネット単結晶膜の表面には割れは認められなかったが、膜−基板界面で直線状の割れが多数発生した。蛍光X線法により基板−膜界面付近の単結晶膜の組成を分析するとBi1.12Gd1.15Yb0.69Pb0.04Fe4.96Pt0.01Ge0.0312であった。
また、この磁性ガーネット単結晶膜を波長1.55μmの光でファラデー回転角が45degとなるように研磨加工し両面に無反射膜を付けて波長1.55μm用ファラデー回転子を作製した。このファラデー回転子を3mm角に切断してファラデー回転能、挿入損失、温度特性および消光比を評価すると、膜厚は400μmでファラデー回転係数は0.113deg/μm、挿入損失は最大0.05dBで最小0.01dB、温度特性は0.067deg/℃、消光比は最大45.1dBで最小42.0dBの値が得られた。
そして、この単結晶膜を膜表面側から研磨とX線回折(ボンド法)による格子定数測定を繰り返し、単結晶膜の格子定数と成長方向の膜厚の関係を評価した(図4参照)。なお、格子定数は(888)面の回折線より求めた。その結果、図4に示すように、基板の格子定数12.496Åに対して単結晶膜の格子定数は厚さ510μmまで12.495Åの値となった。これらの工程でファラデー回転子を作製した場合、約25%の歩留まりが得られた。
〔比較例3〕
Ybを6.747g、Gdを6.624g、Bを43.214g、Feを144.84g、PbOを1189.6g、Biを826.4g、GeOを2.360g秤量してPtるつぼに充填し、約1000℃で融解して撹拌を行い均質化した後、120℃/Hで降温させ820℃の過飽和状態で温度の安定を取った。そして、2インチφ(厚さ500μm)のCaMgZr置換GGG単結晶基板を100r.p.m.で回転させ、0.80℃/Hの速度で降温させながら33時間、基板の片面に磁性ガーネット単結晶膜をエピタキシャル成長させた。
その結果、膜厚500μmの単結晶膜が得られた。この磁性ガーネット単結晶膜の表面は鏡面状態であり、膜表面に割れは認められなかった。蛍光X線法により基板−膜界面付近の単結晶膜の組成を分析するとBi1.12Gd1.15Yb0.69Pb0.04Fe4.96Pt0.01Ge0.0312であった。
また、この磁性ガーネット単結晶膜を波長1.55μmの光でファラデー回転角が45degとなるよう回転子に加工を試みたが、切断時に割れが発生した。加工後の割れた試料に無反射膜を付けて波長1.55μm用ファラデー回転子を作製した。このファラデー回転子を3mm角に切断してファラデー回転能、挿入損失、温度特性および消光比を評価すると、膜厚は400μmでファラデー回転係数は0.113deg/μm、挿入損失は最大0.05dBで最小0.02dB、温度特性は0.067deg/℃、消光比は最大45.5dBで最小41.7dBの値が得られた。
そして、この単結晶膜を膜表面側から研磨とX線回折(ボンド法)による格子定数測定を繰り返し、単結晶膜の格子定数と成長方向の膜厚の関係を評価した(図5参照)。なお、格子定数は(888)面の回折線より求めた。その結果、図5に示すように、基板の格子定数12.495Åに対して、単結晶膜の格子定数は膜厚10μmの格子定数12.494Åから膜厚500μmの格子定数12.510Åまで膜厚が増加すると共に格子定数は増加した。これらの工程でファラデー回転子を作製した場合、約35%の歩留まりが得られた。
本発明の一実施の形態による実施例1における単結晶膜格子定数と膜厚の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態による実施例2における単結晶膜格子定数と膜厚の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態による比較例1における単結晶膜格子定数と膜厚の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態による比較例2における単結晶膜格子定数と膜厚の関係を示す図である。 本発明の一実施の形態による比較例3における単結晶膜格子定数と膜厚の関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 液相エピタキシャル成長法により育成した磁性ガーネット単結晶膜で作製されるファラデー回転子であって、
    前記磁性ガーネット単結晶膜の光入射面の格子定数Aと、光射出表面の格子定数Bと、前記光入射面及び前記光射出面からほぼ等距離にある前記磁性ガーネット単結晶膜の格子定数Cとの間に、
    (A+B)/2>C
    の関係が成立すること
    を特徴とするファラデー回転子。
JP2005319735A 2005-11-02 2005-11-02 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子 Expired - Lifetime JP4572810B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319735A JP4572810B2 (ja) 2005-11-02 2005-11-02 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005319735A JP4572810B2 (ja) 2005-11-02 2005-11-02 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000081044A Division JP3753920B2 (ja) 2000-03-22 2000-03-22 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006133775A true JP2006133775A (ja) 2006-05-25
JP4572810B2 JP4572810B2 (ja) 2010-11-04

Family

ID=36727322

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005319735A Expired - Lifetime JP4572810B2 (ja) 2005-11-02 2005-11-02 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4572810B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62216310A (ja) * 1986-03-18 1987-09-22 Fujitsu Ltd 磁気光学結晶育成法
JPH05238895A (ja) * 1992-02-21 1993-09-17 Fuji Elelctrochem Co Ltd 磁性ガーネット単結晶膜の製造方法
JPH0692796A (ja) * 1992-03-02 1994-04-05 Tdk Corp エピタキシャル成長による薄膜の製造法
JPH0930898A (ja) * 1995-07-24 1997-02-04 Fuji Elelctrochem Co Ltd Bi置換鉄ガーネット膜育成用メルトの組成調整方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS62216310A (ja) * 1986-03-18 1987-09-22 Fujitsu Ltd 磁気光学結晶育成法
JPH05238895A (ja) * 1992-02-21 1993-09-17 Fuji Elelctrochem Co Ltd 磁性ガーネット単結晶膜の製造方法
JPH0692796A (ja) * 1992-03-02 1994-04-05 Tdk Corp エピタキシャル成長による薄膜の製造法
JPH0930898A (ja) * 1995-07-24 1997-02-04 Fuji Elelctrochem Co Ltd Bi置換鉄ガーネット膜育成用メルトの組成調整方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4572810B2 (ja) 2010-11-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3753920B2 (ja) 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子
JPWO2004067813A1 (ja) 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、光学素子およびその製造方法
JP3699629B2 (ja) 磁性ガーネット材料及びそれを用いた磁気光学素子
JP5589802B2 (ja) ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ
JP2004269305A (ja) 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、その製造方法、光学素子およびその製造方法
WO2012073671A1 (ja) ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ
JPWO2003000963A1 (ja) 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、光学素子およびその製造方法
JP3197383B2 (ja) エピタキシャル成長による薄膜の製造法
JPH11255600A (ja) ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶厚膜の製造法
JP4572810B2 (ja) 磁性ガーネット単結晶膜及びその製造方法、及びそれを用いたファラデー回転子
JPWO2004070091A1 (ja) 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、その製造方法、光学素子およびその製造方法
JP5659999B2 (ja) ビスマス置換希土類−鉄ガーネット膜の液相エピタキシャル成長方法
WO2022004077A1 (ja) ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法、ファラデー回転子及び光アイソレータ
JP3816591B2 (ja) ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法
JP2001044026A (ja) 磁性ガーネット単結晶およびそれを用いたファラデー回転子
JP2004269283A (ja) 磁性ガーネット単結晶膜形成用基板、その製造方法、光学素子およびその製造方法
JP5459245B2 (ja) ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ
JP3894685B2 (ja) 酸化物ガーネット単結晶膜の製造方法
JP2005089216A (ja) ファラデー回転子の製造方法
JP2002308696A (ja) ガーネット単結晶基板およびそれを用いたビスマス置換希土類ガーネット単結晶膜の製造方法
JP2005298234A (ja) ビスマス置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の製造方法
JP5459244B2 (ja) ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ
JP5459243B2 (ja) ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ
JP2007302517A (ja) ビスマス置換型ガーネット膜の製造方法
JP2011256073A (ja) ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061228

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100720

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4572810

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130827

Year of fee payment: 3

EXPY Cancellation because of completion of term