JP5459243B2 - ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ - Google Patents
ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜と光アイソレータ Download PDFInfo
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Description
化学式Gd3(ScGa)5O12で示される非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル成長法により育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜において、
化学式Pr3-x-yGdxBiyFe5O12で示されると共に、上記化学式のxとyが、
1.20≦x≦1.56、および、0.80≦y≦1.19、
であることを特徴とし、
請求項2に係る発明は、
光アイソレータにおいて、
請求項1に記載のビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜がファラデー回転子として用いられていることを特徴とする。
化学式Pr3-x-yGdxBiyFe5O12で示されると共に、上記化学式のxとyが、
1.20≦x≦1.56、および、0.80≦y≦1.19、
であることを特徴とし、特許文献4等に記載された従来のRIGと比較して、挿入損失で0.6dBを下回り、かつ、高い収率で製造することができる。
本発明に係るビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜(RIG)を構成する希土類元素の種類は、以下に示すようにPrとGdである。
化学式Pr3-x-yGdxBiyFe5O12で示されるビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜(RIG)において、Bi量が一定(すなわちyが一定値)であると仮定した場合、PrとGdの比率については、イオン半径の大きなPr量が多くなり過ぎるとRIGの格子定数が大きくなり、RIGの格子定数が大き過ぎるとRIG成長後に室温まで冷却した際、RIG側が凸に反り割れが発生し易くなる。反対にPr量が少なくなり過ぎるとRIGの格子定数が小さくなるため、RIG側が凹に反り割れが発生し易くなる。
ビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜(RIG)が適用されたファラデー回転子の温度上昇は、鉄イオンによる1μm付近の光吸収が原因であり、その吸収係数は温度上昇に伴い増加するため、更なる温度上昇をもたらすことになる。このため、RIGの挿入損失が大きい場合、発熱を抑えるために低出力のレーザーに使用が制限され、かつ、放熱用基板を付ける必要がある。そして、RIGを1W級の加工用レーザーに適用する場合、挿入損失は0.6dB以下であることが必要とされ、更に高出力のレーザー用には挿入損失0.5dB以下であることが必要とされている。
表1から、Bi量が増えるとRIGの収率が下がることが確認できる。ここで、Bi量が1.19以下であれば、90%以上の収率でRIGを育成できるため好ましい。
まず、原料として、Pr6O11を1.90g、Gd2O3を2.30g、Fe2O3を30.95g、Bi2O3を254.26g、PbOを200.95g、B2O3を9.64gそれぞれ秤量し、白金坩堝中において1000℃で溶解し、融液が均一な組成になるように十分に撹拌混合した。
原料として、Pr6O11を1.36g、Gd2O3を2.69g、Fe2O3を29.53g、Bi2O3を255.11g、PbOを201.63g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を770℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は1.19、Gd量は1.20であった。
原料として、Pr6O11を1.28g、Gd2O3を2.67g、Fe2O3を29.59g、Bi2O3を255.14g、PbOを201.65g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を768℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は1.19、Gd量は1.56であった。
原料として、Pr6O11を1.82g、Gd2O3を2.39g、Fe2O3を30.94g、Bi2O3を254.25g、PbOを200.95g、B2O3を9.64gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を769℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は0.80、Gd量は1.56であった。
原料として、Pr6O11を1.86g、Gd2O3を2.35g、Fe2O3を30.94g、Bi2O3を254.25g、PbOを200.95g、B2O3を9.64gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を775℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は0.80、Gd量は1.46であった。
原料として、Pr6O11を1.34g、Gd2O3を2.72g、Fe2O3を29.53g、Bi2O3を255.11g、PbOを201.63g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を770℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は1.19、Gd量は1.32であった。
原料として、Pr6O11を1.52g、Gd2O3を2.51g、Fe2O3を29.53g、Bi2O3を255.12g、PbOを201.64g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を774℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は0.99、Gd量は1.44であった。
原料として、Pr6O11を1.35g、Gd2O3を2.71g、Fe2O3を29.53g、Bi2O3を255.11g、PbOを201.63g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を771℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は1.10、Gd量は1.28であった。
原料として、Pr6O11を1.86g、Gd2O3を2.35g、Fe2O3を30.94g、Bi2O3を254.25g、PbOを200.95g、B2O3を9.64gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を771℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は0.78、Gd量は1.38であった。
原料として、Pr6O11を1.76g、Gd2O3を2.26g、Fe2O3を29.53g、Bi2O3を255.13g、PbOを201.64g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を769℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は0.96、Gd量は1.18であった。
原料として、Pr6O11を1.34g、Gd2O3を2.72g、Fe2O3を29.53g、Bi2O3を255.11g、PbOを201.63g、B2O3を9.68gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を766℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は1.20、Gd量は1.38であった。
原料として、Pr6O11を1.79g、Gd2O3を2.42g、Fe2O3を30.94g、Bi2O3を254.25g、PbOを200.95g、B2O3を9.64gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を772℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は0.99、Gd量は1.58であった。
原料として、Pr6O11を1.31g、Gd2O3を2.95g、Fe2O3を30.94g、Bi2O3を254.23g、PbOを200.93g、B2O3を9.64gそれぞれ秤量して原料組成を変えたこと、および、育成温度を765℃とした以外は実施例1と同様にしてRIGを育成した。得られたRIGのBi量は1.24、Gd量は1.58であった。
Claims (2)
- 化学式Gd3(ScGa)5O12で示される非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル成長法により育成されたビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜において、
化学式Pr3-x-yGdxBiyFe5O12で示されると共に、上記化学式のxとyが、
1.20≦x≦1.56、および、0.80≦y≦1.19、
であることを特徴とするビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜。 - 請求項1に記載のビスマス置換型希土類鉄ガーネット結晶膜がファラデー回転子として用いられていることを特徴とする光アイソレータ。
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