JP2006133542A - 画素回路及び表示装置 - Google Patents

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淳一 山下
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Abstract

【課題】閾電圧と移動度の影響を両方同時に補正し、以ってドライブトランジスタが供給するドレイン電流(出力電流)のばらつきを補償可能な画素回路を提供する。
【解決手段】検出トランジスタTr5はドライブトランジスタTr2の閾電圧を検出して容量部Cs2に印加する。サンプリングトランジスタTr1は閾電圧の検出の後映像信号をサンプリングして容量部Cs2に入力電位として保持する。ドライブトランジスタTr2のゲートGに印加される入力電位にあらかじめ閾電圧に応じた電位を含ませることで閾電圧に対する出力電流Idsの依存性を相殺するとともに、入力電位を固定する一方発光素子ELのアノード電位の変動に応じてドライブトランジスタTr2のソースSの電位を変動させることでキャリア移動度に対する出力電流Idsの依存性を自律的に減殺する。
【選択図】図5

Description

本発明は、画素ごとに配した発光素子を電流駆動する画素回路に関する。またこの画素回路がマトリクス状(行列状)に配列された表示装置であって、特に画素回路内に設けた絶縁ゲート型電界効果トランジスタによって、有機ELなどの発光素子に通電する電流量を制御する、いわゆるアクティブマトリクス型の表示装置に関する。
画像表示装置、例えば液晶ディスプレイなどでは、多数の液晶画素をマトリクス状に並べ、表示すべき画像情報(映像信号)に応じて画素ごとに入射光の透過強度又は反射強度を制御する事によって画像を表示する。これは、有機EL素子を画素に用いた有機ELディスプレイなどにおいても同様であるが、液晶画素と異なり有機EL素子は自発光素子である。その為、有機ELディスプレイは液晶ディスプレイに比べて画像の視認性が高く、バックライトが不要であり、応答速度が高いなどの利点を有する。又、各発光素子の輝度レベル(階調)はそれに流れる電流値によって制御可能であり、いわゆる電流制御型であるという点で液晶ディスプレイなどの電圧制御型とは大きく異なる。
有機ELディスプレイにおいては、液晶ディスプレイと同様、その駆動方式として単純マトリクス方式とアクティブマトリクス方式とがある。前者は構造が単純であるものの、大型且つ高精細のディスプレイの実現が難しいなどの問題がある為、現在はアクティブマトリクス方式の開発が盛んに行なわれている。この方式は、各画素回路内部の発光素子に流れる電流を、画素回路内部に設けた能動素子(一般には薄膜トランジスタ、TFT)によって制御するものであり、以下の特許文献に記載がある。
特開2003−255856 特開2003−271095 特開2004−133240 特開2004−029791 特開2004−093682
従来の画素回路は、パルス状の制御信号を供給する行状の走査線と映像信号を供給する列状の信号線とが交差する部分に配され、少なくともサンプリングトランジスタと容量部とドライブトランジスタと発光素子とを含む。サンプリングトランジスタは、走査線から供給される制御パルスに応じ導通して信号線から供給された映像信号をサンプリングする。容量部は、サンプリングされた映像信号に応じた入力電位を保持する。ドライブトランジスタは、容量部に保持された入力電位に応じて所定の発光期間に出力電流を供給する。尚一般に、出力電流はドライブトランジスタのチャネル領域のキャリア移動度及び閾電圧に対して依存性を有する。発光素子は、ドライブトランジスタから供給された出力電流により映像信号に応じた輝度で発光する。
ドライブトランジスタは、容量部に保持された入力電位をゲートに受けてソース/ドレイン間に出力電流を流し、発光素子に通電する。一般に発光素子の発光輝度は通電量に比例している。更にドライブトランジスタの出力電流供給量はゲート電位すなわち容量部に書き込まれた入力電位によって制御される。従来の画素回路は、ドライブトランジスタのゲートに印加される入力電位を入力映像信号に応じて変化させることで、発光素子に供給する出力電流量を制御している。
ここでドライブトランジスタの動作特性は以下の特性式で表わされる。
Ids=(1/2)μ(W/L)Cox(Vgs−Vth)
このトランジスタ特性式において、Idsはソース/ドレイン間に流れるドレイン電流を表わしており、画素回路では発光素子に供給される出力電流である。Vgsはソースを基準としてゲートに印加されるゲート電圧を表わしており、画素回路では上述した入力電位(ゲート電位)とソース電位の差分である。Vthはトランジスタの閾電圧である。又μはトランジスタのチャネルを構成する半導体薄膜のキャリア移動度を表わしている。その他Wはチャネル幅を表わし、Lはチャネル長を表わし、Coxはゲート容量を表わしている。このトランジスタ特性式から明らかな様に、薄膜トランジスタは飽和領域で動作する時、ゲート電圧Vgsが閾電圧Vthを超えて大きくなると、オン状態となってドレイン電流Idsが流れる。原理的に見ると上記のトランジスタ特性式が示す様に、ゲート電圧Vgsが一定であれば常に同じ量のドレイン電流Idsが発光素子に供給される。従って、画面を構成する各画素に全て同一のレベルの入力映像信号を供給すれば、全画素が同一輝度で発光し、画面の一様性(ユニフォーミティ)が得られるはずである。
しかしながら実際には、低温ポリシリコンやアモルファスシリコンなどの半導体薄膜で構成された薄膜トランジスタ(TFT)は、個々のデバイス特性にばらつきがある。特に、閾電圧Vthは一定ではなく、各画素毎にばらつきがある。前述のトランジスタ特性式から明らかな様に、各ドライブトランジスタの閾電圧Vthがばらつくと、ゲート電圧Vgsが一定であっても、ドレイン電流Idsにばらつきが生じ、画素毎に輝度がばらついてしまう為、画面のユニフォーミティを損なう。従来からドライブトランジスタの閾電圧のばらつきをキャンセルする機能を組み込んだ画素回路が開発されており、例えば前記の特許文献3に開示がある。
閾電圧のばらつきをキャンセルする機能を組み込んだ画素回路は、ある程度画面のユニフォーミティを改善することが可能である。しかしながら、低温ポリシリコン薄膜トランジスタの特性は、閾電圧ばかりでなく移動度μも素子毎にばらつきがある。前述のトランジスタ特性式から明らかな様に、移動度μがばらつくと、ゲート電圧Vgsが一定であってもドレイン電流Idsにばらつきが出てしまう。この結果発光輝度が画素毎に変化する為、画面のユニフォーミティを損なうという課題がある。
上述した従来の技術の課題に鑑み、本発明は閾電圧と移動度の影響を両方同時に補正し、以ってドライブトランジスタが供給するドレイン電流(出力電流)のばらつきを補償可能な画素回路及び表示装置を提供することを目的とする。かかる目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち本発明は、外部から制御信号が供給される行状の走査線と外部から映像信号が供給される列状の信号線とが交差する部分に配され、少なくともドライブトランジスタとサンプリングトランジスタと検出トランジスタと発光素子と容量部とを含む画素回路であって、前記ドライブトランジスタはNチャネル型でそのゲートが該容量部に接続しドレインが電源側に接続しソースが該発光素子に接続し、該容量部に保持された入力電位をゲートに受けて出力電流をドレインからソースに流し、該出力電流の量は該ドライブトランジスタの閾電圧及びキャリア移動度に対する依存性を有し、前記発光素子は二端子型でそのアノードが該ドライブトランジスタのソースに接続しカソードが接地側に接続し、該ドライブトランジスタから供給された該出力電流に応じて発光し、その際アノード電位は該出力電流の量に応じて変動し、前記検出トランジスタは該ドライブトランジスタ及び容量部に接続し、該発光に先立ち走査線に供給された制御信号に応じて動作し、該ドライブトランジスタの閾電圧を検出して該容量部に印加し、前記サンプリングトランジスタは該容量部に接続し、該閾電圧の検出の後走査線に供給された別の制御信号に応じて動作し、該信号線に供給された映像信号をサンプリングして該容量部に印加し、前記容量部は、該検出された閾電圧に応じた電位と該サンプリングされた映像信号に応じた電位とを合わせ入力電位として固定保持し、以って、該ドライブトランジスタのゲートに印加される入力電位にあらかじめ閾電圧に応じた電位を含ませることで閾電圧に対する出力電流の依存性を相殺するとともに、該入力電位を固定する一方該発光素子のアノード電位の変動に応じて該ドライブトランジスタのソース電位を変動させることでキャリア移動度に対する出力電流の依存性を自律的に減殺することを特徴とする。
好ましくは、前記ドライブトランジスタはキャリア移動度が比較的大きいとき該出力電流の供給量が大きくなり、これに応じて該発光素子のアノード電位が高くなり、これに伴ってソース電位が上昇するため、該入力電位で固定されたゲート電位と上昇するソース電位との間の電位差が縮小し、以って該ドライブトランジスタの出力電流の供給量を自律的に調整する。又、前記ドライブトランジスタはそのチャネル長が短縮化されており、これにより該出力電流の供給量の自律的な調整能力を高めている。
又本発明は、画素アレイ部とスキャナ部と信号部とを含み、前記画素アレイ部は、行状に配された走査線と列状に配された信号線と両者が交差する部分に配された行列状の画素とからなり、前記信号部は、該信号線に映像信号を供給し、前記スキャナ部は、該走査線に制御信号を供給して順次行ごとに画素を駆動し、各画素は少なくともドライブトランジスタとサンプリングトランジスタと検出トランジスタと発光素子と容量部とを含む表示装置であって、前記ドライブトランジスタはNチャネル型でそのゲートが該容量部に接続しドレインが電源側に接続しソースが該発光素子に接続し、該容量部に保持された入力電位をゲートに受けて出力電流をドレインからソースに流し、該出力電流の量は該ドライブトランジスタの閾電圧及びキャリア移動度に対する依存性を有し、前記発光素子は二端子型でそのアノードが該ドライブトランジスタのソースに接続しカソードが接地側に接続し、該ドライブトランジスタから供給された該出力電流に応じて発光し、その際アノード電位は該出力電流の量に応じて変動し、前記検出トランジスタは該ドライブトランジスタ及び容量部に接続し、該発光に先立ち走査線に供給された制御信号に応じて動作し、該ドライブトランジスタの閾電圧を検出して該容量部に印加し、前記サンプリングトランジスタは該容量部に接続し、該閾電圧の検出の後走査線に供給された別の制御信号に応じて動作し、該信号線に供給された映像信号をサンプリングして該容量部に印加し、前記容量部は、該検出された閾電圧に応じた電位と該サンプリングされた映像信号に応じた電位とを合わせ入力電位として固定保持し、以って、該ドライブトランジスタのゲートに印加される入力電位にあらかじめ閾電圧に応じた電位を含ませることで閾電圧に対する出力電流の依存性を相殺するとともに、該入力電位を固定する一方該発光素子のアノード電位の変動に応じて該ドライブトランジスタのソース電位を変動させることでキャリア移動度に対する出力電流の依存性を自律的に減殺することを特徴とする。
好ましくは、前記ドライブトランジスタはキャリア移動度が比較的大きいとき該出力電流の供給量が大きくなり、これに応じて該発光素子のアノード電位が高くなり、これに伴ってソース電位が上昇するため、該入力電位で固定されたゲート電位と上昇するソース電位との間の電位差が縮小し、以って該ドライブトランジスタの出力電流の供給量を自律的に調整する。又前記ドライブトランジスタはそのチャネル長が短縮化されており、これにより該出力電流の供給量の自律的な調整能力を高めている。
本発明によれば、画素回路の容量部は検出されたドライブトランジスタの閾電圧に応じた電位に、サンプリングされた映像信号に応じた電位を足し合わせ、これをドライブトランジスタのゲートに対する入力電位として固定保持する。この結果、ドライブトランジスタは固定されたゲート電位に応じて出力電流を発光素子に通電することになる。その際、ドライブトランジスタのゲートに印加される入力電位には予め閾電圧に応じた電位が足し込まれているため、ドライブトランジスタの閾電圧に対する出力電流の依存性を相殺する事ができる。さらに、入力電位(ゲート電位)を固定する一方、ドライブトランジスタのソース電位は発光素子のアノード電位と連動して変動するようにしている。ドライブトランジスタのキャリア移動度が高い場合出力電流の供給量が増大し、その分発光素子内の電圧降下が大きくなりアノード電位が上昇する。ソース電位も上昇するので、この結果ソース電位を基準としたゲート電位の値(ゲート電圧)は小さくなる。即ち、キャリア移動度に依存して出力電流量が増大するとその分ゲート電圧が圧縮される。トランジスタ特性式によれば、ゲート電圧が小さくなると出力電流が下がる。これにより、ドライブトランジスタのキャリア移動度が高く出力電流供給能力が増すとこれを減殺するように自律的にソース電位が固定されたゲート電位に向かって上昇するため、ゲート電圧が圧縮され負のフィードバックがかかって実際に供給される出力電流量は自律的に抑制される。この様に、本発明はドライブトランジスタのゲートを定電圧駆動することで自律的にキャリア移動度のばらつきを補正することが可能である。この様に本発明はドライブトランジスタの閾電圧に加えてキャリア移動度のばらつきを自己補正する事ができ、低温ポリシリコンTFTなどばらつきの大きいドライブトランジスタを用いた表示装置においても、ユニフォーミティの高い画質を得ることができる。
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず最初に本発明の背景を明らかにするため、図1を参照してアクティブマトリクス表示装置の一般的な構成を参考例として説明する。図示するように、アクティブマトリクス型の表示装置は、主要部となる画素アレイ1と周辺の回路群とで構成されている。画素アレイ1は画素回路2を含んでいる。周辺の回路群は水平セレクタ3、ライトスキャナ4、第一ドライブスキャナ5、第二ドライブスキャナ6、補正用スキャナ7などを含んでいる。
画素アレイ1は行状の走査線WSと列状の信号線SLと両者の交差する部分にマトリクス状に配列した画素回路2とで構成されている。本例の場合、カラー表示を行うため、画素回路2はRGB三原色に分かれて設けてある。信号線SLは信号部を構成する水平セレクタ3によって駆動される。走査線WSはライトスキャナ4によって走査される。なお、走査線WSと平行に別の走査線DS1,DS2,AZも配線されている。走査線DS1は第一ドライブスキャナ5によって走査される。走査線DS2は第二ドライブスキャナ6によって走査される。なお、走査線DS2はRGBに分かれて3本配されている。これに対し走査線DS1はRGB共通で1本配されている。残りの走査線AZは補正用スキャナ7によって走査される。これらのスキャナ4〜7がスキャナ部を構成する。
図2は、図1に示した画素回路2の基本的な構成を示す参考図である。本画素回路2は、サンプリングトランジスタTr1、ドライブトランジスタTr2、スイッチングトランジスタTr3、スイッチングトランジスタTr4、検出トランジスタTr5、スイッチングトランジスタTr6、容量部を構成する二個の容量素子Cs1,Cs2及び発光素子ELとで構成されている。本参考例では各トランジスタTr1ないしTr6は全てNチャネル型の低温ポリシリコン又はアモルファスシリコンを活性層とする薄膜トランジスタ(TFT)で構成されている。また発光素子ELは、例えば有機EL素子を用いることができる。
引き続き図2を参照して、画素回路2の構成を具体的に説明する。ドライブトランジスタTr2は入力ノードとなるゲートG、出力ノードとなるソースS及び電源ノードとなるドレインDとを備えている。出力ノード(S)には発光素子ELのアノードが接続している。発光素子ELのカソードは接地(GND)されている。本例では、発光素子ELはアノード及びカソードを備えた二端子形である。ドライブトランジスタTr2の電源側ノード(D)は、スイッチングトランジスタTr4を介して電源Vccに接続されている。このスイッチングトランジスタTr4のゲートは、走査線DS2に接続されている。
ドライブトランジスタTr2の入力ノード(G)には保持容量Cs2の一端が接続されている。この保持容量Cs2の他端は出力ノード(S)に接続するとともに、スイッチングトランジスタTr3を介して接地されている。スイッチングトランジスタTr3のゲートは走査線DS1に接続されている。さらに入力ノード(G)には結合容量Cs1を介してサンプリングトランジスタTr1が接続している。サンプリングトランジスタTr1のゲートは走査線WSに接続している。またサンプリングトランジスタTr1のソースは信号線SLに接続している。加えて結合容量Cs1とサンプリングトランジスタTr1の接続ノードは、スイッチングトランジスタTr6を介して接地されている。スイッチングトランジスタTr6のゲートは走査線AZに接続している。最後に、ドライブトランジスタTr2のゲートGとドレインDとの間に検出トランジスタTr5が接続されている。検出トランジスタTr5のゲートは走査線AZに接続している。
図3のタイミングチャートを参照して、図2に示した参考例にかかる画素回路の動作を詳細に説明する。図示のタイミングチャートは、タイミングT1で1フィールド(1f)がスタートし、タイミングT8で1フィールドが終わるように表してある。時間軸に沿って、走査線WS,AZ,DS1及びDS2にそれぞれ印加される制御パルスws、az、ds1及びds2の波形を表してある。また同じ時間軸に沿って、ドライブトランジスタTr2の入力ノード(ゲートG)及び出力ノード(ソースS)の電位変化を表してある。
当該フィールドがスタートするタイミングT1の前のタイミングT0で、走査線WS,AZ,DS1がローレベルにある一方、走査線DS2がハイレベルにある。したがってスイッチングトランジスタTr4のみがオン状態で、残りのトランジスタTr1,Tr3,Tr5及びTr6はオフ状態となっている。この状態でドライブトランジスタTr2のドレインDはオン状態のスイッチングトランジスタTr4を介して電源Vccに接続される。ドライブトランジスタTr2はゲートGとソースSとの間に印加されるゲート電圧Vgsに応じて出力電流(ドレイン電流)Idsを発光素子ELに供給する。これにより発光素子ELは所定の輝度で発光している。
タイミングT1となって当該フィールドがスタートすると、制御パルスazが立ち上がる。これにより検出トランジスタTr5とスイッチングトランジスタTr6がオンする。Tr6がオンすることで結合容量Cs1の一端が接地電位GNDに固定され、ドライブトランジスタTr2の閾電圧(Vth)の検出準備状態に入る。検出トランジスタTr5もオンするため、ドライブトランジスタTr2のゲートGとドレインDが直結する。このときスイッチングトランジスタTr4はまだオン状態に保たれているため、ドライブトランジスタTr2のゲート電位は急激に上昇する。これと連動してドライブトランジスタTr2のソース電位も急激に上昇する。
続いてタイミングT2になると、制御パルスds2がローレベルとなりスイッチングトランジスタTr4がオフする。これにより、ドライブトランジスタTr2は電源Vccから切り離され非発光状態になる。同時に制御パルスds1が立ち上がるので、スイッチングトランジスタTr3がオンし、ドライブトランジスタTr2のソースS及び保持容量Cs2の一端が接地される。スイッチングトランジスタTr4がオフすることで、ドライブトランジスタTr2のゲート電位Gは低下していく。丁度ゲート電位Gとソース電位Sとの差であるゲート電圧Vgsが閾電圧Vthとなったところで、ドレイン電流Idsは流れなくなる。この結果、ゲートGとソースSとの間に接続された保持容量Cs2にドライブトランジスタTr2の閾電圧Vthが保持される。
この後タイミングT3で制御パルスazが立ち下がり、検出トランジスタTr5がオフとなってVth検出動作が終了する。
続いてタイミングT4になると、制御パルスwsが立ち上がり、サンプリングトランジスタTr1がオンする。これにより信号線SLから供給された映像信号が結合容量Cs1を介して保持容量Cs2にカップリングされる。この結果、保持容量Cs2には先に書き込まれたVthに足し込むかたちで映像信号に対応した信号電位Vinが書き込まれる。この結果、保持容量Cs2はドライブトランジスタTr2の入力ノード(G)に対して、入力電位Vin+Vthを供給することになる。入力電位には常に閾電圧Vthが足し込まれているので、例え画素ごとにドライブトランジスタの閾電圧がばらついていても、常にこのばらつきをキャンセルすることができる。
この後映像信号のサンプリングに割り当てられた1水平期間(1H)が経過するタイミングT5で制御パルスwsが立ち下がり、サンプリングトランジスタTr1がオフする。
続いてタイミングT6に至ると、制御パルスds1が立ち下がり、スイッチングトランジスタTr3がオフする。これにより、ドライブトランジスタTr2のソースS及び保持容量Cs2の一端が接地レベルから切り離され、発光動作の準備状態となる。
この後タイミングT7になると制御パルスds2が立ち上がり、スイッチングトランジスタTr4がオンする。この結果ドライブトランジスタTr2のドレインDが電源電位Vccに接続し、入力電位Vin+Vthに応じたドレイン電流Idsが流れ、発光素子ELは信号電位Vinに応じた輝度で発光する。タイミングT7では既にドライブトランジスタTr2のソースSが接地電位GNDから切り離されているので、発光素子ELに出力電流Idsが流れると電圧降下によりアノード電位(したがってドライブトランジスタTr2のソース電位)が上昇する。このときブートストラップ動作でゲート電位もそのまま上昇するので、保持容量Cs2に保持された電圧(ゲート電圧Vgs)は一定に維持される。この結果ドライブトランジスタTr2は定電源として動作する。
最後にタイミングT8に至ると当該フィールドが完了するとともに次のフィールドに入る。
以上の説明から明らかなように、図3に示した参考例にかかる画素回路はドライブトランジスタの閾電圧のばらつきをキャンセルする補正機能を備えている。しかしながら、ドライブトランジスタのキャリア移動度のばらつきを補正する機能を備えていない。この点につき、図4を参照して説明する。図4は、図2に示した画素回路のドライブトランジスタのドレイン電流Ids/ドレイン電圧Vds特性を示すグラフである。ドレイン電流Idsはドライブトランジスタのドレインからソースに向かって流れる出力電流を表し、ドレイン電圧Vdsはドライブトランジスタのドレインとソースとの間に印加される電圧を表している。実線のカーブは低移動度のドライブトランジスタのIds/Vds特性を表し、点線のカーブは高移動度のドライブトランジスタのIds/Vds特性を表している。いずれの場合もゲート電圧Vgsは前述したブートストラップ効果により一定に維持されている。ドライブトランジスタは前述したように飽和領域で動作するため、基本的にドレイン電流IdsはVdsによらず一定である。図4のグラフは、ドライブトランジスタのIds/Vds特性カーブに重ねて、有機EL発光素子の電流/電圧特性カーブを描いてある。ドライブトランジスタの特性カーブと有機EL発光素子の特性カーブとが交差する部分が動作点であり、アノード電位(したがってソース電位)を決定する。特性式から明らかなように、ゲート電圧Vgsが同じ場合、Idsは移動度μに比例して大きくなる。したがって、図4のグラフから明らかな様にVgsを一定にしたブートストラップ動作をかけると、移動度の差がそのまま出力電流Idsの差となって現れ、発光輝度にばらつきが生じる。
図2の参考例にかかる画素回路はブートストラップ動作を行うので、有機EL発光素子のアノードの動作点が異なっても、ドライブトランジスタのゲート電圧Vgsは保持さ続ける。図示した移動度が低い場合と高い場合の特性は共にVgsが等しい場合であり、Ids/Vds特性の差は、移動度の差異に起因している。ドライブトランジスタ側のキャリア移動度が異なっても、有機EL発光素子側の動作特性は変わらないので、各々の動作点は図4のグラフに示した値となる。移動度が高い場合は低い場合に比べ若干Vdsが小さくなるが、いずれにしろ飽和領域にて動作しているので、移動度の差がほぼそのまま出力電流量の差となり、ユニフォーミティを大きく損なう。したがって、低温ポリシリコンTFTやアモルファスシリコンTFTなど移動度が経時変化するドライブトランジスタを用いた有機ELパネルのユニフォーミティは悪くなってしまう。
図5は、本発明にかかる画素回路並びに表示装置を示す模式的な回路図である。図2に示した参考例に対応する部分には対応する参照番号を付して理解を容易にしている。異なる点は、図2に示した参考例では保持容量Cs2がドライブトランジスタTr2のゲートGとソースSとの間に接続されていたのに対し、本発明にかかる画素回路は保持容量Cs2がドライブトランジスタTr2のゲートGと電源Vccとの間に接続されている事である。この結果ブートストラップ動作が行われず、ソース電位が変動してもゲート電位は常に固定されている。この結果、ドライブトランジスタTr2のゲート電圧Vgsは変動する事になる。この変動は丁度ドライブトランジスタTr2のキャリア移動度μのばらつきを打ち消す方向に生じるので、図5に示した画素回路は移動度μの自己補正機能を備えている。
引き続き図5を参照して本発明にかかる画素回路の構成を詳細に説明する。図示するように、画素回路2は、スキャナ部4〜7からパルス状の制御信号が供給される行状の走査線WS,DS1,DS2,AZと、信号部を構成する水平セレクタ3から映像信号が供給される列状の信号線SLとが交差する部分に配されている。画素回路2は少なくともドライブトランジスタTr2とサンプリングトランジスタTr1と検出トランジスタTr5と発光素子ELと容量部Cs1,Cs2とを含む。本画素回路2はこれらに加えてさらにスイッチングトランジスタTr3,Tr4,Tr6及び結合容量Cs1を含んでいる。
ドライブトランジスタTr2はNチャネル型で、そのゲートGが容量部Cs2に接続しドレインDがスイッチングトランジスタTr4を介して電源Vcc側に接続しソースSが発光素子ELに接続している。ドライブトランジスタTr2は容量部Cs2に保持された入力電位をゲートGに受けて出力電流IdsをドレインDからソースSに流す。出力電流Idsの量は先のトランジスタ特性式に示すように、ドライブトランジスタTr2の閾電圧Vth及びキャリア移動度μに対する依存性を有する。これに対し、発光素子ELは二端子型で、そのアノードがドライブトランジスタTr2のソースSに接続しカソードが接地側に接続している。発光素子ELはドライブトランジスタTr2から供給された出力電流Idsに応じて発光する。その際通電量に応じて発光素子EL内に電圧降下が生じ、その分アノード電位が上昇する。換言すると、発光素子ELのアノード電位は出力電流Idsの量に応じて変動し、これに連動してドライブトランジスタTr2のソース電位が変動する事になる。
検出トランジスタTr5はドライブトランジスタTr2及び容量部Cs2に接続し、発光に先立ち走査線AZに供給された制御信号に応じて動作し、ドライブトランジスタTr2の閾電圧Vthを検出して容量部Cs2に印加する。またサンプリングトランジスタTr1は容量部Cs1,Cs2に接続し、閾電圧Vthの検出のあと別の走査線WSに供給された別の制御信号に応じて動作し、信号線SLに供給された映像信号をサンプリングして容量部Cs2に印加する。
容量部Cs2は検出された閾電圧Vthに応じた電位とサンプリングされた映像信号に応じた電位とを合わせ入力電位として固定保持する。この様に、ドライブトランジスタTr2のゲートGに印加される入力電位に予め閾電圧Vthに応じた電位を含ませることで閾電圧Vthに対する出力電流Idsの依存性を相殺する事ができる。さらに、入力電位(ゲート電位)を固定する一方発光素子ELのアノード電位の変動に応じてドライブトランジスタTr2のソース電位を変動させることでキャリア移動度μに対する出力電流Idsの依存性を自立的に減殺する事ができる。
例えば、ドライブトランジスタTr2はキャリア移動度μが比較的大きいとき出力電流Idsの供給量が大きくなり、これに応じて発光素子ELのアノード電位が高くなり、これに伴ってソース電位が上昇するため、入力電位で固定されたゲート電位と上昇するソース電位との間の電位差(ゲート電圧)が縮小し、以ってドライブトランジスタTr2の出力電流Idsの供給量を自律的に下方調整する。逆に、ドライブトランジスタTr2のキャリア移動度μが比較的小さいとき出力電流Idsの供給量が小さくなり、これに応じて発光素子ELのアノード電位が低くなり、これに伴ってソース電位が下降するため、入力電位で固定されたゲート電位と下降するソース電位との間の電位差(ゲート電圧)が拡大し、以ってドライブトランジスタTr2の出力電流Idsの供給力を自律的に上方調整する事ができる。
好ましくはドライブトランジスタTr2はそのチャネル長Lが短縮化されており、これにより出力電流Idsの供給量の自律的な調整能力を高めている。前述のトランジスタ特性式から明らかなように、チャネル長Lが小さいと、その分Vgsの変動量が小さくてもIdsは大きく変化する。Vgsの絶対値が小さいほど、発光素子側のアノード電位の変動がVgsの値に大きな影響を及ぼし、この結果Idsの調整幅が拡大する。この様にドライブトランジスタのチャネル長Lを短くすることで、さらに効果的に移動度の自律的な補正を行うことが可能になる。
図6は、図5に示した画素回路の動作説明に供するタイミングチャートである。理解を容易にするため、図3に示した参考例にかかる画素回路のタイミングチャートと対応する表記を用いている。当該フィールドがスタートするタイミングT1で、制御パルスazが立ち上がる。これにより検出トランジスタTr5とスイッチングトランジスタTr6がオンする。Tr6がオンすることで結合容量Cs1の一端が接地電位GNDに固定され、ドライブトランジスタTr2の閾電圧Vthの検出準備状態に入る。検出トランジスタTr5もオンするため、ドライブトランジスタTr2のゲートGとドレインDが直結する。この時スイッチングトランジスタTr4はまだオン状態に保たれているため、ドライブトランジスタTr2のゲート電位は急激に上昇する。これと連動してドライブトランジスタTr2のソース電位も上昇する。
続いてタイミングT2になると、制御パルスds2がローレベルとなりスイッチングトランジスタTr4がオフする。これによりドライブトランジスタTr2は電源Vccから切り離され非発光状態になる。同時に制御パルスds1が立ち上がるので、スイッチングトランジスタTr3がオンし、ドライブトランジスタTr2のソースSが接地される。スイッチングトランジスタTr4がオフすることで、ドライブトランジスタTr2のゲート電位は低下していく。丁度ゲート電位とソース電位(接地電位)との差Vgsが閾電圧Vthとなった所でドレイン電流Idsは流れなくなる。この結果、ドライブトランジスタTr2のゲートGと電源電位Vccとの間に接続された保持容量Cs2に、Vthと等しい電位が保持される。
この後タイミングT3で制御パルスazが立ち上がり、検出トランジスタTr5がオフとなってVth検出動作が完了する。
続いてタイミングT4になると、制御パルスwsが立ち上がり、サンプリングトランジスタTr1がオンする。これにより信号線SLから供給された映像信号が結合容量Cs1を介して保持容量C2にカップリングされる。この結果、保持容量Cs2には先に書き込まれたVthに足し込むかたちで映像信号に対応した信号電位Vinが書き込まれる。この結果、保持容量Cs2はドライブトランジスタTr2のゲートGに対して、入力電位Vin+Vthを固定的に保持する事になる。この入力電位には常に閾電圧Vthが足し込まれているので、例え画素ごとにドライブトランジスタTr2の閾電圧がばらついていても、常にこのばらつきをキャンセルする事ができる。
この後映像信号のサンプリングに割り当てられた1水平期間(H)が経過するタイミングT5で制御パルスwsが立ち下がり、サンプリングトランジスタTr1がオフする。
続いてタイミングT6に至ると、制御パルスds1が立ち下がり、スイッチングトランジスタTr3がオフする。これにより、ドライブトランジスタTr2のソースSが接地レベルから切り離され、発光動作の準備状態となる。
この後タイミングT7になると制御パルスds2が立ち上がり、スイッチングトランジスタTr4がオンする。この結果ドライブトランジスタTr2のドレインDが電源電位Vccに接続し、出力電流Idsが流れ始める。ここで参考例と異なりドライブトランジスタTr2のゲートGとソースSとの間に容量が存在しないので、ブートストラップ動作は行われない。ドライブトランジスタTr2のゲート電位は保持容量Cs2に保持された入力電位Vin+Vthに固定されたままである。一方ドライブトランジスタTr2のソースSは発光素子ELのアノードに接続されているため、入力電位Vin+Vthに対しドライブトランジスタTr2と発光素子ELとの間の動作点にてアノード電圧ΔVが決定される。このアノード電圧は発光素子ELの内部に生じた電圧降下に相当するのでΔVで表してある。このアノード電圧ΔVに応じて、ドライブトランジスタTr2のゲート電圧Vgsが決まり最終的に出力電流の量が決定される。図6のタイミングチャートから明らかなように、Vgsは固定された入力電位(ゲート電位)Vin+Vthからアノード電圧ΔVを引いたもので、Vin´+Vthで表される。
ここでドライブトランジスタTr2の移動度にばらつきがある場合を考える。制御パルスds2が立ち上がるとドライブトランジスタのゲートには固定保持された入力電位(ゲート電位)が印加されるので、移動度が高い場合は低い場合に比べて多量の出力電流が流れ、有機EL発光素子の内部抵抗による電圧降下が大きくなりアノード電圧ΔVが高くなる。ここで入力電位(ゲート電位)は固定されているので、移動度が高い場合は低い場合に比べてアノード電圧が上昇した分だけドライブトランジスタのゲート電圧Vgsが小さくなる。ドライブトランジスタTr2は飽和領域にて動作しているため、そのオン電流はVgsの2乗に比例する。このため高移動度によるVgsの減少の効果は大きく、移動度の差による出力電流量の差異を自律的に補正可能である。この結果、移動度が異なるドライブトランジスタであっても、アノード電圧の差により電流特性が変化し、お互いの電流特性は近いものになる。これにより移動度のばらつきの補正が自動的に行われる。
図7は、図5に示した画素回路に組み込まれたドライブトランジスタTr2のIds/Vds特性を示すグラフである。理解を容易にするため、図4に示した参考例にかかるIds/Vds特性と同じ表記を用いている。前述したように、本発明ではドライブトランジスタの移動度が高いと結果的にVgsが低くなる。これに対し、ドライブトランジスタの移動度が低いと、結果的にゲート電圧Vgsは高くなる。破線で示した高移動度の場合のIds/Vds特性カーブは、Vgsが低くなった分、実線で示した低移動度の場合のIds/Vds特性に近づくことになる。これは、図4と図7のグラフを比較すれば明らかなことである。低移動度の場合と高移動度の場合とでIds/Vds特性が近くなった事で、有機EL発光素子との動作点は図示するように近いものになる。この結果ドライブトランジスタは移動度にばらつきもしくは変動があっても、常にほぼ同じレベルのドレイン電流Idsを流す事ができる。
図8は、図5に示した本発明にかかる画素回路の変形例を示す回路図である。理解を容易にするため、図5に示した画素回路と対応する部分には対応する参照符号を付してある。異なる点は、スイッチングトランジスタTr3のゲートに走査線WSを接続したことである。これにより図5の実施例に含まれていた走査線DS1は不要となり、したがってドライブスキャナ5は不用になる。この分、周辺スキャナ部の構成が簡略化され、コストダウンに繋がる。
図9は、さらに別の変形例を示す回路図である。理解を容易にするため、図5に示した先の実施形態と対応する部分には対応する参照符号を用いてある。この変形例では、スイッチングトランジスタTr3のゲートを走査線AZに接続している。これにより先の実施例に含まれていた走査線DS1が不要となりしたがって第一ドライブスキャナ5も不要になる。この結果周辺スキャナ部の構成が簡略化される。図8及び図9に示した変形例はいずれも、発光動作時点ではスイッチングトランジスタTr3がオフしており、ドライブトランジスタTr2と発光素子ELを結ぶ動作点は接地レベルから切り離されている。したがって、本発明特有の自律的な移動度補正効果を奏することが可能である。
参考例にかかる表示装置のブロック図である。 図1に示した参考例の画素回路を示す回路図である。 図2に示した参考例の画素回路の動作説明に供するタイミングチャートである。 同じく動作説明に供するグラフである。 本発明にかかる画素回路及び表示装置を示す回路図である。 図5に示した画素回路の動作説明に供するタイミングチャートである。 同じく図6に示した画素回路の動作説明に供するグラフである。 本発明にかかる画素回路の変形例を示す回路図である。 本発明にかかる画素回路の別の変形例を示す回路図である。
符号の説明
1・・・画素アレイ、2・・・画素回路、3・・・水平セレクタ、4・・・ライトスキャナ、5・・・第一ドライブスキャナ、6・・・第二ドライブスキャナ、7・・・補正用スキャナ、Tr1・・・サンプリングトランジスタ、Tr2・・・ドライブトランジスタ、Tr5・・・検出トランジスタ、EL・・・発光素子、Cs1・・・結合容量、Cs2・・・保持容量

Claims (6)

  1. 外部から制御信号が供給される行状の走査線と外部から映像信号が供給される列状の信号線とが交差する部分に配され、
    少なくともドライブトランジスタとサンプリングトランジスタと検出トランジスタと発光素子と容量部とを含む画素回路であって、
    前記ドライブトランジスタはNチャネル型でそのゲートが該容量部に接続しドレインが電源側に接続しソースが該発光素子に接続し、該容量部に保持された入力電位をゲートに受けて出力電流をドレインからソースに流し、該出力電流の量は該ドライブトランジスタの閾電圧及びキャリア移動度に対する依存性を有し、
    前記発光素子は二端子型でそのアノードが該ドライブトランジスタのソースに接続しカソードが接地側に接続し、該ドライブトランジスタから供給された該出力電流に応じて発光し、その際アノード電位は該出力電流の量に応じて変動し、
    前記検出トランジスタは該ドライブトランジスタ及び容量部に接続し、該発光に先立ち走査線に供給された制御信号に応じて動作し、該ドライブトランジスタの閾電圧を検出して該容量部に印加し、
    前記サンプリングトランジスタは該容量部に接続し、該閾電圧の検出の後走査線に供給された別の制御信号に応じて動作し、該信号線に供給された映像信号をサンプリングして該容量部に印加し、
    前記容量部は、該検出された閾電圧に応じた電位と該サンプリングされた映像信号に応じた電位とを合わせ入力電位として固定保持し、
    以って、該ドライブトランジスタのゲートに印加される入力電位にあらかじめ閾電圧に応じた電位を含ませることで閾電圧に対する出力電流の依存性を相殺するとともに、該入力電位を固定する一方該発光素子のアノード電位の変動に応じて該ドライブトランジスタのソース電位を変動させることでキャリア移動度に対する出力電流の依存性を自律的に減殺することを特徴とする画素回路。
  2. 前記ドライブトランジスタはキャリア移動度が比較的大きいとき該出力電流の供給量が大きくなり、これに応じて該発光素子のアノード電位が高くなり、これに伴ってソース電位が上昇するため、該入力電位で固定されたゲート電位と上昇するソース電位との間の電位差が縮小し、以って該ドライブトランジスタの出力電流の供給量を自律的に調整することを特徴とする請求項1記載の画素回路。
  3. 前記ドライブトランジスタはそのチャネル長が短縮化されており、これにより該出力電流の供給量の自律的な調整能力を高めていることを特徴とする請求項2記載の画素回路。
  4. 画素アレイ部とスキャナ部と信号部とを含み、
    前記画素アレイ部は、行状に配された走査線と列状に配された信号線と両者が交差する部分に配された行列状の画素とからなり、
    前記信号部は、該信号線に映像信号を供給し、
    前記スキャナ部は、該走査線に制御信号を供給して順次行ごとに画素を駆動し、
    各画素は少なくともドライブトランジスタとサンプリングトランジスタと検出トランジスタと発光素子と容量部とを含む表示装置であって、
    前記ドライブトランジスタはNチャネル型でそのゲートが該容量部に接続しドレインが電源側に接続しソースが該発光素子に接続し、該容量部に保持された入力電位をゲートに受けて出力電流をドレインからソースに流し、該出力電流の量は該ドライブトランジスタの閾電圧及びキャリア移動度に対する依存性を有し、
    前記発光素子は二端子型でそのアノードが該ドライブトランジスタのソースに接続しカソードが接地側に接続し、該ドライブトランジスタから供給された該出力電流に応じて発光し、その際アノード電位は該出力電流の量に応じて変動し、
    前記検出トランジスタは該ドライブトランジスタ及び容量部に接続し、該発光に先立ち走査線に供給された制御信号に応じて動作し、該ドライブトランジスタの閾電圧を検出して該容量部に印加し、
    前記サンプリングトランジスタは該容量部に接続し、該閾電圧の検出の後走査線に供給された別の制御信号に応じて動作し、該信号線に供給された映像信号をサンプリングして該容量部に印加し、
    前記容量部は、該検出された閾電圧に応じた電位と該サンプリングされた映像信号に応じた電位とを合わせ入力電位として固定保持し、
    以って、該ドライブトランジスタのゲートに印加される入力電位にあらかじめ閾電圧に応じた電位を含ませることで閾電圧に対する出力電流の依存性を相殺するとともに、該入力電位を固定する一方該発光素子のアノード電位の変動に応じて該ドライブトランジスタのソース電位を変動させることでキャリア移動度に対する出力電流の依存性を自律的に減殺することを特徴とする表示装置。
  5. 前記ドライブトランジスタはキャリア移動度が比較的大きいとき該出力電流の供給量が大きくなり、これに応じて該発光素子のアノード電位が高くなり、これに伴ってソース電位が上昇するため、該入力電位で固定されたゲート電位と上昇するソース電位との間の電位差が縮小し、以って該ドライブトランジスタの出力電流の供給量を自律的に調整することを特徴とする請求項4記載の表示装置。
  6. 前記ドライブトランジスタはそのチャネル長が短縮化されており、これにより該出力電流の供給量の自律的な調整能力を高めていることを特徴とする請求項5記載の表示装置。
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