JP2006127860A - 燃料電池の起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 氷点下の温度で起動するときに、電極の電食を防止して、性能低下を抑制することによって、燃料電池の寿命を延ばすことができる燃料電池の起動方法を提供する。
【解決手段】 複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法である。燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、各セルの電圧のうち最低のセル電圧を、発電が理想的に行われた場合における理想セル電圧から減算し、該減算値が第1の所定値以下になるように発電条件を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備える燃料電池を氷点下の温度で起動する際における燃料電池の起動方法に関するものである。
近年、車両の駆動源として燃料電池を備えた燃料電池車両が提案されている。この種の燃料電池としては、アノードとカソードとの間に固体高分子電解質膜を介装したセルを所定数積層された構造をとるものが知られている。そして、アノードに水素(燃料ガス)を、カソードにエア(酸化剤ガス)をそれぞれ導入することで、水素と酸素との電気化学反応によって発電する。
この種の燃料電池は、一般に70〜80゜Cが発電に最適な温度域とされているが、使用環境によっては起動してから前記温度に達するまでに長い時間がかかる場合があり、その対策を講じる必要がある。
特に、移動手段としての燃料電池車両の場合には、低温時にも速やかな始動性が必要とされるので、燃料電池の低温起動性は極めて重要である。
例えば、特許文献1には、発電電流を周期的に変化させることにより、発電効率を低下させ発熱量を増やす技術が提案されている。
また、他の方法としては、燃料電池セルの出力電流を増大させて発電に伴う発熱量を増加させる方法も知られている。
特開2002−313388号公報
しかしながら、従来の技術においては、以下のような問題がある。
すなわち、発電電流を周期的に変化させる技術においては、発熱量を増加させるためとは言え発電効率が低下してしまい、燃料電池に非効率的な運転を強いることになるため燃料電池の運転上好ましくない。
また、氷点下で燃料電池を起動する場合には、燃料電池スタック内に残留する残留水が凍結して十分に反応ガスを電極(アノード、カソード)に供給できず、正常に発電が行えない場合がある。そして、従来の技術のいずれにおいても、燃料電池スタックに電流が過剰に流れると、上述のように正常に発電が行えない場合には、電極の触媒成分が電気化学反応して腐食してしまう(以下、電食、と称す)虞があり、性能や寿命を低下させてしまう虞がある。
従って、本発明は、氷点下の温度で起動するときに、電極の電食を防止して、性能低下を抑制することによって、燃料電池の寿命を延ばすことができる燃料電池の起動方法を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法である。燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、各セルの電圧のうち最低値である最低セル電圧を、発電が理想的に行われた場合における理想セル電圧から減算し、この第1の減算値(例えば、実施の形態におけるΔV’)が第1の所定値(例えば、実施の形態におけるA’)以下になるように発電条件を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記第1の減算値が第1の所定値以下になるように発電条件を制御することで、前記最低セル電圧を前記理想セル電圧に近づけることができ、理想の発電状態に近づけることができる。これにより、前記最低セル電圧となったセルの電極表面で残留水が凍結している場合であっても、電圧値が前記理想セル電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。従って、氷点下で燃料電池を起動する際に、電極の電食を防止することができるため、性能低下を抑制することにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。ここで、発電条件の制御としては、反応ガス(水素、空気)の供給量や圧力を増加したり、各セルに流れる電流値を減少させることにより行う。以下に記載の発電条件の制御も同様である。
請求項2に係る発明は、複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、各セルの電圧のうち最低値である最低セル電圧を、各セルの電圧の平均値である平均セル電圧から減算し、この第2の減算値(例えば、実施の形態におけるΔV)が第2の所定値(例えば、実施の形態におけるA)以下になるように発電条件を制御することを特徴とすることを特徴とする。
この発明によれば、前記第2の減算値が第2の所定値以下になるように発電条件を制御することで、前記最低セル電圧を前記平均セル電圧に近づけることができ、各セルの電圧ばらつきを抑制することができる。これにより、前記最低セル電圧となったセルの電極表面で残留水が凍結している場合であっても、前記最低セル電圧が前記平均セル電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。従って、氷点下で燃料電池を起動する際に、電極の電食を防止することができるため、性能低下を抑制することにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。
請求項3に係る発明は、複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、各セルの電圧のうち最低値である最低セル電圧を、各セルの電圧のうち最高値である最高セル電圧から減算し、この第3の減算値(例えば、実施の形態におけるΔV’’)が第3の所定値(例えば、実施の形態におけるA’’)以下になるように発電条件を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記第3の減算値が第3の所定値以下になるように発電条件を制御することで、前記最低セル電圧を前記最高セル電圧に近づけることができ、各セルの電圧ばらつきを抑制することができる。これにより、前記最低セル電圧となったセルの電極表面で残留水が凍結している場合であっても、前記最低セル電圧が前記最高セル電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。従って、氷点下で燃料電池を起動する際に、電極の電食を防止することができるため、性能低下を抑制することにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。
請求項4に係る発明は、複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、
燃料電池スタックの総電圧を、発電が理想的に行われた場合における理想総電圧から減算し、この第4の減算値(例えば、実施の形態におけるΔV’’’’)が第4の所定値(例えば、実施の形態におけるA’’’’)以下になるように発電条件を制御することを特徴とする。
この発明によれば、前記第4の減算値が第4の所定値以下になるように発電条件を制御することで、前記総電圧を前記理想総電圧に近づけることができ、理想の発電状態に近づけることができる。これにより、前記燃料電池スタックで残留水が凍結している場合であっても、電圧値が前記理想総電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。従って、氷点下で燃料電池を起動する際に、電極の電食を防止することができるため、性能低下を抑制することにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。
請求項1から請求項4に係る発明によれば、氷点下で燃料電池を起動する際に、電極の電食を防止することができるため、性能低下を抑制することにより、燃料電池の寿命を延ばすことができる。
以下、この発明の実施の形態における燃料電池の起動方法を図面と共に説明する。なお、本実施の形態では、燃料電池を車両に搭載した場合の燃料電池システムについて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における燃料電池の起動方法が適用される燃料電池システムの概略構成図である。
同図に示す燃料電池2は、複数のセル3…3を積層してなるスタック4を、一対のプレート5、5で挟持してなる構成を備えている。各セル3は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノードとカソードとで両側から挟み込んで形成される。各セルのアノードに燃料として水素を供給するとともに、カソードに酸化剤として酸素を含むエアを供給すると、アノードで触媒反応により発生した水素イオンが、電解質膜を通過してカソードまで移動して、カソードで酸素と電気化学反応を起こして発電する。
なお、発電の際にはカソード側で水が生成されるとともに、カソード側で生じた生成水の一部が電解質膜を介してアノード側に逆拡散するためアノード側にも生成水が存在する。
水素タンク6から供給される水素は、遮断弁7やレギュレータ(図示せず)を介し、水素供給流路8を通って燃料電池2のアノードに供給される。そして、発電により消費されなかった未反応の水素オフガスは、アノード側の生成水等の残留水と共に、アノードから水素オフガス循環流路9に排出され、エゼクタ10を介して水素供給流路8に合流する。
つまり、燃料電池2から排出された水素オフガスは、水素タンク6から供給される新鮮な水素と合流して、再び燃料電池2のアノードに供給される。また、水素オフガス循環流路9から分岐した水素オフガス排出流路11は希釈ボックス(図示せず)に接続される。水素オフガス排出流路11には水素パージ弁12が設けられ、水素パージ弁12を開弁することにより利用済の水素オフガスを水素オフガス排出流路11から希釈ボックスに排出する。
一方、エアはコンプレッサ13によりエア供給流路14に圧送され、燃料電池2のカソードに供給される。燃料電池2のカソードに供給されたエアは発電に供された後、燃料電池2からカソード側の生成水等の残留水と共にオフガスとしてエアオフガス排出流路15に排出される。
エアオフガス排出流路15は上述の希釈ボックス(図示せず)に接続され、エアオフガス排出流路15から排出されるエアオフガスは希釈ボックス内で水素オフガスと混合される。これにより、水素オフガス排出流路11から排出された水素オフガスは、希釈ボックスにより所定濃度以下に希釈される。
さらに、燃料電池2は、冷却水を循環させる循環ポンプを備えた冷却水流路(図示せず)などを備えている。燃料電池2の作動時に冷却水を循環させることにより、燃料電池2は電気化学反応に適した温度(例えば80°C)に制御される。
また、燃料電池2は車両駆動用モータなどの負荷16に電線17を介して接続され、燃料電池2の発電で得られた電力を電線17を介して負荷16に供給する。
また、本実施の形態においては、燃料電池2の内部温度を把握するために、複数箇所に温度センサ19〜21を設けている。すなわち、エアオフガス排出流路15におけるスタック4の出口付近における温度センサ19を、水素オフガス排出流路11におけるスタック4の出口付近における温度センサ20を、燃料電池2のプレート5に温度センサ21を、それぞれ設けている。さらに、燃料電池2を循環する図示しない冷媒通路にも、温度センサを設けている。なお、上述の全ての温度センサを備える構成に限られず、少なくとも1つの温度センサを備える構成であっても良い。
また、燃料電池2の電流Iを測定するために、負荷16に接続された電線17に電流センサ22を設けている。さらに、燃料電池2の電圧を測定する電圧センサ23や、各セル3の電圧を検出するための電圧センサ25…25も設けられている。
燃料電池システム1には、該システム1の制御を行うためのコントロールユニット(制御部)24が設けられている。この制御部24には、イグニッションスイッチ(IG SW)が接続されている。制御部24には、イグニッションスイッチからのイグニッションON、OFF(IG−ON、IG−OFF)の信号や、温度センサ19〜21や電流センサ22、電圧センサ23からの検出値が入力される。そして、制御部24は、これらの入力された検出値や信号に基づいて、遮断弁7、コンプレッサ13、水素パージ弁12を駆動させる信号を出力するようになっている。
図2は燃料電池システムの起動方法の処理内容を示すフローチャートである。
まず、ステップS10で、イグニッションスイッチがONになり(IG−ON)、車両が始動されたことを検出すると、遮断弁7を開弁しまたコンプレッサ13を駆動して、燃料電池2のアノードやカソードにそれぞれ反応ガス(水素、エア)を供給する制御を行い、始動運転を開始する。
次に、ステップS12では、上述した温度センサ19〜21や冷媒通路に設けた温度センサで検出した温度に基づいて、燃料電池2の内部温度を把握する。ステップS14では、燃料電池2の内部温度が0度より大きいか否かを判定する。この判定結果がYESの場合には十分暖機がされていると判定できるので、ステップS50に進む。ステップS50では、電流制限を解除して、通常発電の制御に移行して本フローチャートの処理を終了する。この場合には燃料電池2内の残留水は凍結していないと判断できるためである。
一方、ステップS14の判定結果がNOの場合(低温起動時と判断される場合)にはステップS16に進む。ステップS16では、燃料電池2に一定電流を流す処理を行う。この一定電流は、燃料電池2の電極(アノード、カソード)での電食を防止し得る適正な電流値であって、発電により生じた生成水の凍結を防止できる最小電流値以上の値に設定される。
ついで、ステップS18では、各セル3…3に設けられた電圧センサ25…25により全てのセル電圧を把握し、把握した全てのセル3の電圧のうち、最も低い電圧(最低セル電圧)を把握する。ステップS20では、最低セル電圧のセル3について、実効電流密度を把握する。ここで、実効電流密度は、前記セル3の電極のうち実際に発電に寄与する部位における単位面積あたりの電流値である。
この実効電流密度の求め方について、図4および図5を用いて説明する。図4は燃料電池スタックを構成するセルにおける理想状態(発電が理想的に行われている状態)でのセル電圧と実効電流密度との関係を温度(TA、TB、TC)毎に示すグラフ図である。また、図5は所定温度(この場合はラインLBの温度)でのセル電圧と電流密度との関係を示すグラフ図である。ここで、図4に示すラインA、B、Cの温度は、いずれも氷点下である。そして、ラインCの温度が一番高く、ラインC、ラインB、ラインAの順に温度が低くなっている。ステップS20では、まず、図4を用いて燃料電池2の内部温度に応じたライン(この場合はラインLB)を選定し、図5を用いて最低セル電圧の電圧値(この場合はV1)での実効電流密度(この場合はi1)を求める。
ステップS22では、燃料電池2の自立暖機が可能か否かを判定する。この判定は、燃料電池2に流すことができる電流密度が上述の実効電流密度より大きい場合には、自立暖機可能と判断できる。この場合には、別の暖機手段を用いなくても発電による発熱で燃料電池2を暖機できるからである。ここで、燃料電池2に流すことができる電流密度は、燃料電池2に供給する反応ガス量により算出される。
ステップS22の判定結果がYESであれば、ステップS24に進んで自立暖機可能な電流密度で発電を継続して行う。一方、ステップS22の判定結果がNOであれば、ステップS44に進んで燃料電池2の発電を停止する。そして、ステップS46では、外部加熱(例えば、外部ヒータ等)による暖機が可能であるか否かを判定する。この判定結果がYESであれば、外部加熱による暖機を行って、上述のステップS12の処理を行う。また、ステップS46の判定結果がNOであれば、ステップS48でシステム1を停止する処理を行う。
上述のステップS24で暖機発電を行った後は、ステップS26でセンサ25で最低セル電圧、すなわち、各セル3で検出される電圧のうち最低の電圧値を把握する。そして、この最低セル電圧の他のセル電圧に対する電圧低下量ΔVを確認する。本実施の形態では、電圧低下量ΔVは、各セル3の電圧の平均値である平均セル電圧を算出して、該平均セル電圧から最低セル電圧を減算することで求めている。ただし、これに限らず、各セル3の電圧の最高値である最高セル電圧から最低セル電圧を減算することで求めてもよい。
そして、ステップS30では、電圧低下量ΔVが所定値Aより小さいか否かを判定する。この判定結果がYESであればステップS42に進み、この判定結果がNOであればステップS34に進む。なお、最高セル電圧から最低セル電圧を減算することで電圧低下量(ΔV’’とする)を求めた場合には、所定値は異なる値となる(A’’とする)。
ステップS30の判定結果がYESの場合には、各セル3電圧のばらつきが小さいと推定できるので、発電条件を変更することなくステップS42に進む。ステップS42では、燃料電池2の内部温度が0℃より大きいか否かを判定する。この判定結果がYESの場合には十分暖機がされていると判定できるので、ステップS50に進んで通常発電の制御に移行して本フローチャートの処理を終了する。ステップS42の判定結果がNOの場合には、上述のステップS24の処理に戻って暖機発電を継続する。
ステップS30の判定結果がNOの場合には、各セル3電圧のばらつきが大きい推定できるので、発電条件を変更する処理を行う。具体的には、ステップS34で、燃料電池2に供給するアノードガス(水素)を増量できるかどうかを判定する。この判定結果がYESの場合には、ステップS36でアノードガスおよびカソードガス(空気)を増量して、ステップS42に進む。なお、ステップS34でアノードガスである水素についてのみ判定を行っているのは、水素はタンク6内に貯留され容量が制限されているのに対し空気はかかる制限はないため、水素よりも増量の容易は空気については判定する必要がないからである。
ステップS34の判定結果がNOの場合には、ステップS38でセル3に流す電流値を削減できるか否かを判定する。この判定結果がYESの場合には、ステップS40で電流値削減処理を増量して、ステップS42に進む。このように、セル3の電流値を削減することでこのセル3の電圧値を上昇させることができるため、各セル3の電圧バラツキを抑制することができる。一方、ステップS38の判定結果がNOの場合には、ステップS44に進んで燃料電池2の発電を停止する処理を行い、上述の処理を行う。
以上のように発電条件を制御することで、各セル3の電圧ばらつきを抑制することができる。これにより、前記最低セル電圧となったセル3の電極表面で残留水が凍結している場合であっても、前記最低セル電圧が前記平均セル電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。
次に、燃料電池システムの起動方法の他の処理内容について、図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図2に示す処理と同じ処理については、同一の番号を付してその説明を適宜省略する。このフローチャートでは、ステップS26で最低セル電圧を把握した後、ステップS52に進む。そして、ステップS52での電圧低下量ΔV’を、理想セル電圧から最低セル電圧を減算することで算出している(図6参照)。図6は燃料電池スタックを構成するセルの所定温度(Tbとする)での電流に対する理想セル電圧と最低セル電圧との関係を示すグラフ図である。同図において、ラインLbは発電が理想的に行われた場合(セル3の電極全体で発電が行われている場合)を示す。このラインは、図4の場合と同様に、燃料電池2の内部温度に応じて変化する。また、ラインLbminは、発電を許容しうる下限のラインである。そして、ラインLb’は、実際に検出される電流値や電圧値から得られるラインである。
そして、ステップS54では、電圧低下量ΔV’が所定値A’より小さいか否かを判定する。この判定結果がYESであればステップS55に進んで燃料電池2の内部温度を把握し、この判定結果がNOであればステップS34に進む。電圧低下量ΔV’が所定値A’より小さいときには、最低セル電圧が理想セル電圧に近く、発電を許容できる状態であるので、発電条件を変更しない。一方、電圧低下量ΔV’が所定値A’以上のときには、最低セル電圧が理想セル電圧から離れ、このままでは発電を許容できる状態ではないので、上述のようにステップS34、ステップS38で発電条件を変更する処理を行う。そして、ステップS36、ステップS40で発電条件を変更する処理を実行した後、ステップS55に進む。
このように、本フローチャートでは、最低セル電圧を理想セル電圧に近づけることように発電条件を制御することで、理想の発電状態に近づけることができる。これにより、前記最低セル電圧となったセル3の電極表面で残留水が凍結している場合であっても、電圧値が前記理想セル電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。
また、ステップS55の処理の後はステップS42に進む。そして、ステップS42の判定結果がNOの場合には、ステップS56で、内部温度に応じた理想IVライン(図6参照)を把握して、ステップS24に進む。
以上説明したように、本発明によれば、氷点下で燃料電池2を起動する際に、電極の電食を防止することができるため、性能低下を抑制することにより、燃料電池2の寿命を延ばすことができる。
なお、本発明の内容は上述の実施の形態のみに限られるものでないことはもちろんである。例えば、実施の形態では、燃料電池を車両に搭載した場合について説明したが、車両以外の燃料電池システムにも適用してもよい。また、ステップS14、ステップS42の閾値については、0℃でなくてもよく、燃料電池2のセル3が暖機されているかを判断するための所定値であればよい。
また、燃料電池スタックの総電圧を、発電が理想的に行われた場合における理想総電圧から減算し、この減算値(ΔV’’’’とする)が所定値(A’’’’とする)以下になるように発電条件を制御するようにしてもよい。これにより、前記燃料電池スタックで残留水が凍結している場合であっても、電圧値が前記理想総電圧に対して大幅に下降して、過剰な電流が流れることを防止することができる。
本発明の実施の形態における燃料電池システムの全体構成図である。 燃料電池システムの起動方法の処理内容を示すフローチャートである。 燃料電池システムの起動方法の他の処理内容を示すフローチャートである。 燃料電池スタックを構成するセルにおける理想状態でのセル電圧と実効電流密度との関係を温度毎に示すグラフ図である。 、図5は所定温度でのセル電圧と電流密度との関係を示すグラフ図である。 燃料電池スタックを構成するセルの所定温度での電流に対する理想セル電圧と最低セル電圧との関係を示すグラフ図である。
符号の説明
1…燃料電池システム
2…燃料電池
3…セル
4…スタック
19〜21…温度センサ
22…電流センサ
23…電圧センサ
24…コントロールユニット

Claims (4)

  1. 複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、
    該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、
    各セルの電圧の最低値である最低セル電圧を、発電が理想的に行われた場合における理想セル電圧から減算し、この第1の減算値が第1の所定値以下になるように発電条件を制御することを特徴とする燃料電池の起動方法。
  2. 複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、
    該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、
    各セルの電圧のうち最低値である最低セル電圧を、各セルの電圧の平均値である平均セル電圧から減算し、この第2の減算値が第2の所定値以下になるように発電条件を制御することを特徴とする燃料電池の起動方法。
  3. 複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、
    該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、
    各セルの電圧のうち最低値である最低セル電圧を、各セルの電圧のうち最高値である最高セル電圧から減算し、この第3の減算値が第3の所定値以下になるように発電条件を制御することを特徴とする燃料電池の起動方法。
  4. 複数のセルを積層してなる燃料電池スタックを備えた燃料電池の起動方法であって、
    該燃料電池スタックを少なくとも氷点下の温度で起動するときに、
    燃料電池スタックの総電圧を、発電が理想的に行われた場合における理想総電圧から減算し、この第4の減算値が第4の所定値以下になるように発電条件を制御することを特徴とする燃料電池の起動方法。

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