JP2007012565A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】起動時の温度に関わりなく燃料電池スタックを短時間で起動する。
【解決手段】起動時、コントローラが、燃料電池スタックの温度に応じて、燃料電池スタック内部に冷媒を保持した状態で発電を開始する起動処理1、燃料電池スタック内部から冷媒を排除した後に発電を開始する起動処理3、及び加熱された冷媒を燃料電池スタックに循環させることにより燃料電池スタックを昇温した後に発電を開始する起動処理4の中から実行する起動処理を選択する。
【選択図】図7
【解決手段】起動時、コントローラが、燃料電池スタックの温度に応じて、燃料電池スタック内部に冷媒を保持した状態で発電を開始する起動処理1、燃料電池スタック内部から冷媒を排除した後に発電を開始する起動処理3、及び加熱された冷媒を燃料電池スタックに循環させることにより燃料電池スタックを昇温した後に発電を開始する起動処理4の中から実行する起動処理を選択する。
【選択図】図7
Description
本発明は、燃料極及び酸化剤極にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタックを有する燃料電池システムに関する。
一般に、氷点下環境において燃料電池システムを起動した場合、電気化学反応によって生成された水が凍結し、氷によって酸化剤極への酸化剤ガスの供給が妨げられてしまうために、燃料電池スタックの発電継続可能時間は氷によって酸化剤極へのガス供給が完全に遮断されるまでの間に限られる。このような背景から、運転停止時や始動直前に燃料電池スタック内に残留している冷却水を排出する燃料電池システムが提案されている(特許文献1,2を参照)。
特許第3407914号公報
特開2003−257460号公報
しかしながら、運転停止時に冷却水を排出する場合、次回起動時のために冷却水を排出する必要性があるか否かの判定が困難であると共に、常に冷却水を排出すると次回起動時に冷却水を再充填する等の余計な処理が必要になり起動が完了するまでに多くの時間が必要になる。また、起動直前に冷却水を排出する場合には、冷却水を排出しても燃料電池スタックを起動できないことがあり、またこの場合には燃料電池スタックを昇温させるまでに多くの時間を要するので、起動が完了するまでに多くの時間が必要になる。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、起動時の温度に関わりなく燃料電池スタックを短時間で起動することが可能な燃料電池システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、起動時、燃料電池スタックの温度に応じて、燃料電池スタック内部に冷媒を保持した状態で発電を開始する第1の起動処理、燃料電池スタック内部から冷媒を排除した後に発電を開始する第2の起動処理、及び加熱された冷媒を燃料電池スタックに循環させることにより燃料電池スタックを昇温した後に発電を開始する第3の起動処理の中から実行する起動処理を選択する。
本発明に係る燃料電池システムによれば、起動時の温度に応じて実行する起動処理の内容を選択するので、起動時の温度に関わりなく燃料電池スタックを短時間で起動することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となる燃料電池システムの構成と動作について説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
本発明の実施形態となる燃料電池システムは、自動車等の車両の駆動動力源として使用され、図1に示すように、アノード(燃料極)及びカソード(酸化剤極)にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスとしての水素及び空気の供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタック1を備える。また、アノード及びカソードにおける電気化学反応及び燃料電池スタック1全体としての電気化学反応は以下に示す式(1)〜(3)による。
本発明の実施形態となる燃料電池システムは、自動車等の車両の駆動動力源として使用され、図1に示すように、アノード(燃料極)及びカソード(酸化剤極)にそれぞれ燃料ガス及び酸化剤ガスとしての水素及び空気の供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタック1を備える。また、アノード及びカソードにおける電気化学反応及び燃料電池スタック1全体としての電気化学反応は以下に示す式(1)〜(3)による。
〔アノード〕 H2 → 2H+ +2e- …(1)
〔カソード〕 1/2 O2 +2H+ +2e- → H2O …(2)
〔全体〕 H2 +1/2 O2 → H2O …(3)
〔水素系の構成〕
上記燃料電池システムは、水素貯蔵装置2及び水素循環装置3を備え、水素貯蔵装置2内に貯蔵された水素は水素循環装置3によって水素循環流路4を介して燃料電池スタック1のアノードに供給される。また、燃料電池スタック1から排出された水素は、水素循環装置3から系外に排出される、又は、水素循環装置3によって燃料電池スタック1のアノードに循環される。
〔カソード〕 1/2 O2 +2H+ +2e- → H2O …(2)
〔全体〕 H2 +1/2 O2 → H2O …(3)
〔水素系の構成〕
上記燃料電池システムは、水素貯蔵装置2及び水素循環装置3を備え、水素貯蔵装置2内に貯蔵された水素は水素循環装置3によって水素循環流路4を介して燃料電池スタック1のアノードに供給される。また、燃料電池スタック1から排出された水素は、水素循環装置3から系外に排出される、又は、水素循環装置3によって燃料電池スタック1のアノードに循環される。
このように燃料電池スタック1から排出された水素を系外に排出することにより、カソード側から透過してきた不純物ガスが水素に混入することにより発電効率が低下することを防止できる。また、燃料電池スタック1から排出された未利用の水素をアノードに循環させることにより、燃料電池システムの燃費性能を向上させることができる。
〔空気系の構成〕
上記燃料電池システムは、エアコンプレッサ5を備え、エアコンプレッサ5は空気供給流路6を介して燃料電池スタック1のカソードに空気を圧送し、燃料電池スタック1から排出された空気は系外に排出される。
上記燃料電池システムは、エアコンプレッサ5を備え、エアコンプレッサ5は空気供給流路6を介して燃料電池スタック1のカソードに空気を圧送し、燃料電池スタック1から排出された空気は系外に排出される。
〔冷却系の構成〕
上記燃料電池システムは、メイン流路7とバイパス流路8との間で冷媒の流路を切り替える三方弁9,10を備え、メイン流路7は、ラジエータファン11から供給される外気により冷媒を冷却するラジエータ12と、ラジエータ12により冷却された冷媒を燃料電池スタック1に圧送する冷媒循環装置13とを備える。バイパス流路8は、冷媒を加熱するための加熱装置14が設けられた加熱流路15と冷媒を貯蔵するための貯蔵タンク16が設けられた貯蔵流路17との間で冷媒の流路を切り替える三方弁18,19と、冷媒を燃料電池スタック1に圧送する冷媒循環装置20とを備え、貯蔵タンク16には、タンク内の圧力を所定範囲に制御するための調圧装置21が設けられている。なお、この実施形態では、バイパス流路8の流路長は、冷媒の循環流量を少なくするようにメイン流路7の流路長よりも短く構成されている。
上記燃料電池システムは、メイン流路7とバイパス流路8との間で冷媒の流路を切り替える三方弁9,10を備え、メイン流路7は、ラジエータファン11から供給される外気により冷媒を冷却するラジエータ12と、ラジエータ12により冷却された冷媒を燃料電池スタック1に圧送する冷媒循環装置13とを備える。バイパス流路8は、冷媒を加熱するための加熱装置14が設けられた加熱流路15と冷媒を貯蔵するための貯蔵タンク16が設けられた貯蔵流路17との間で冷媒の流路を切り替える三方弁18,19と、冷媒を燃料電池スタック1に圧送する冷媒循環装置20とを備え、貯蔵タンク16には、タンク内の圧力を所定範囲に制御するための調圧装置21が設けられている。なお、この実施形態では、バイパス流路8の流路長は、冷媒の循環流量を少なくするようにメイン流路7の流路長よりも短く構成されている。
〔制御系の構成〕
上記燃料電池システムは、燃料電池スタック1の内部温度を検出する温度センサ22と、燃料電池システム全体の動作を制御するコントローラ23とを備える。なお、この実施形態では、コントローラ23は、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサにより構成され、CPUがプログラムROM内に記憶された制御プログラムを実行することにより各種機能を実現する。
上記燃料電池システムは、燃料電池スタック1の内部温度を検出する温度センサ22と、燃料電池システム全体の動作を制御するコントローラ23とを備える。なお、この実施形態では、コントローラ23は、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサにより構成され、CPUがプログラムROM内に記憶された制御プログラムを実行することにより各種機能を実現する。
〔燃料電池の構成〕
上記燃料電池スタック1を構成する燃料電池は、図2に示すように、パーフルオロスルホン酸膜等の固体高分子型電解質膜31をアノード32とカソード33により挟持した構成を有し、アノード32及びカソード33は、カーボン担持白金触媒とナフィオン溶液を混合したペーストを塗布することにより形成された触媒層34とガス拡散層(GDL)35とを有する。また、各燃料電池は反応ガスの供給流路となる溝が形成されたカーボングラファイト製のセパレータ36によって互いに仕切られている。なお、セパレータ36に形成されたガス供給流路は、ガス供給口からガス排出口にかけてガス流路がほぼ直線状となる、いわゆるストレート流路となっており、これにより、発電により生成された水は液相のままで燃料電池外部に排出されることになる。
上記燃料電池スタック1を構成する燃料電池は、図2に示すように、パーフルオロスルホン酸膜等の固体高分子型電解質膜31をアノード32とカソード33により挟持した構成を有し、アノード32及びカソード33は、カーボン担持白金触媒とナフィオン溶液を混合したペーストを塗布することにより形成された触媒層34とガス拡散層(GDL)35とを有する。また、各燃料電池は反応ガスの供給流路となる溝が形成されたカーボングラファイト製のセパレータ36によって互いに仕切られている。なお、セパレータ36に形成されたガス供給流路は、ガス供給口からガス排出口にかけてガス流路がほぼ直線状となる、いわゆるストレート流路となっており、これにより、発電により生成された水は液相のままで燃料電池外部に排出されることになる。
そして、このような構成を有する燃料電池システムでは、起動時、コントローラ23が温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の内部温度に応じて以下の起動処理1〜4の中から実行する起動処理の内容を選択することにより、起動時の温度に関わりなく燃料電池スタック1を短時間で起動する。以下、この起動処理1〜4の詳細について説明する。
〔起動処理1〕
起動処理1は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T3以上である場合において行われる処理であり、この起動処理1では、コントローラ23は、発電によって生じた熱を除去するために、図3に示すようにメイン流路7に冷媒を循環させて燃料電池スタック1を冷却し、燃料電池スタック1を所定温度に保持した状態で発電を開始する。
起動処理1は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T3以上である場合において行われる処理であり、この起動処理1では、コントローラ23は、発電によって生じた熱を除去するために、図3に示すようにメイン流路7に冷媒を循環させて燃料電池スタック1を冷却し、燃料電池スタック1を所定温度に保持した状態で発電を開始する。
〔起動処理2〕
起動処理2は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T2以上T3以下である場合において行われる処理であり、この起動処理2では、コントローラ23は、冷媒の循環を停止、又は燃料電池スタック1の出力を制限することにより、燃料電池スタック1の内部温度が所定温度T3以上になるまで燃料電池スタック1の放熱量を低減し、燃料電池スタック1を速やかに昇温させて発電を開始する。
起動処理2は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T2以上T3以下である場合において行われる処理であり、この起動処理2では、コントローラ23は、冷媒の循環を停止、又は燃料電池スタック1の出力を制限することにより、燃料電池スタック1の内部温度が所定温度T3以上になるまで燃料電池スタック1の放熱量を低減し、燃料電池スタック1を速やかに昇温させて発電を開始する。
〔起動処理3〕
起動処理3は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T1以上T2以下である場合において行われる処理であり、この起動処理3では、コントローラ23は、燃料電池スタック1内に残留している冷媒を排除することにより燃料電池スタック1の熱容量を低減し、限られた発熱量によって燃料電池スタック1を発電継続可能温度まで昇温させて発電を開始する。
起動処理3は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T1以上T2以下である場合において行われる処理であり、この起動処理3では、コントローラ23は、燃料電池スタック1内に残留している冷媒を排除することにより燃料電池スタック1の熱容量を低減し、限られた発熱量によって燃料電池スタック1を発電継続可能温度まで昇温させて発電を開始する。
具体的には、この起動処理3では、コントローラ23は、三方弁9,10,18を図4(a)に示す状態から図4(b)に示す状態に切り替えると共に、調圧装置21によって貯蔵タンク16内部を減圧する。これにより、燃料電池スタック1内部に滞留している冷媒は三方弁10を介して貯蔵タンク16内に吸引され、燃料電池スタック1内部は三方弁18,9を介して流入してきた空気により置換される。
ここで、発電継続可能温度まで昇温するために燃料電池スタック1の熱容量をどの程度低減すればよいかは起動時の燃料電池スタック1の内部温度から算出することができるので、算出された熱容量低減分だけ燃料電池スタック1内部から冷媒を排除する。なお、貯蔵タンク16内に貯蔵されている冷媒の水位を計測する水位計を設け、水位計の計測結果を参照して所定量の冷媒を燃料電池スタック1から排除したか否かを判断することができる。
また、貯蔵タンク16内に排除された冷媒は発電に伴う発熱によって燃料電池スタック1が昇温した後に燃料電池スタック1に再充填されるが、この時、冷媒と燃料電池スタック1の温度差を小さくするために、冷媒を加熱するための加熱装置を貯蔵タンク16に設け、燃料電池スタック1に再充填するまでの間、冷媒を保温させておくことが望ましい。なお、貯蔵タンク16内に排除された冷媒を燃料電池スタック1に再充填する際は、コントローラ23は、三方弁9,10,18を図4(b)に示す状態から図5に示す状態に切り替えた後、貯蔵タンク21内の気相圧力を調圧装置21により大気圧に保った状態で冷媒循環装置20によって冷媒を図5に示す矢印方向に循環させる。
これにより、燃料電池スタック1内部を含むバイパス流路8内の空気は系外に排出され冷媒に置換される。なお、貯蔵タンク16内部の冷媒の水位は空気が系外に排出されるのに従って下がっていくので、燃料電池スタック1内部が冷媒に置換されたか否かは貯蔵タンク16内部の水位が所定値になったか否かにより判断することができる。
〔起動処理4〕
起動処理4は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T1以下である場合において行われる処理であり、この起動処理4では、コントローラ23は、図6に示すように加熱装置14により加熱された冷媒を燃料電池スタック1内部に循環させることにより、燃料電池スタック1を昇温させて発電を開始する。
起動処理4は、温度センサ22により検出された燃料電池スタック1の温度が図7に示す所定温度T1以下である場合において行われる処理であり、この起動処理4では、コントローラ23は、図6に示すように加熱装置14により加熱された冷媒を燃料電池スタック1内部に循環させることにより、燃料電池スタック1を昇温させて発電を開始する。
図7は、起動処理1〜4それぞれにおける起動時から定格出力の50%の出力が取り出し可能になるまでの時間(起動時間)と起動時の燃料電池スタック1の温度との関係を示す図である。図7に示す通り、どの起動処理においても起動時の燃料電池スタック1の温度が低いほど、起動時間が長くなることがわかる。また、起動処理1〜3の場合には、燃料電池スタック1を起動可能な温度に下限値があることがわかる。
また、燃料電池スタック1の内部温度が高ければ瞬時に出力を取り出すことができるが、内部温度が0[℃]近くになると燃料電池スタック1をある程度昇温しなければ出力を取り出すことが難しくなる。従って、起動処理1と起動処理2とを比較した場合、外気への放熱量が少ない分、起動処理2の方が起動処理1よりも起動時間が短くなる。また、外気温度が氷点温度以下である場合には、起動処理1により起動しようとすると、発電に伴う熱を外気に放出してしまい、燃料電池スタック1の温度が上昇しないので、燃料電池スタック1の内部温度が0℃付近である場合には、起動処理1では起動することができなくなる。
一方、起動処理2によれば、外部への放熱が抑えられるので、ある程度の温度まで燃料電池スタック1を起動することができる。しかしながら、起動処理3と比較すると、熱容量が多い分だけ温度に対する起動時間の増加代が大きい(グラフ線の傾きが大きい)。また、熱容量が大きいために、昇温に要する熱量も多く必要になり、外部への放熱を可能な限り抑えたとしても起動できない温度T2が存在する。
また、起動処理3によれば、より低い温度からも起動可能であるが、冷媒の排除に要する時間があるので、その時間分だけ起動時間が長くなる。また、起動処理3においても起動できない温度T1が存在する。また、燃料電池スタック1の温度が所定温度T1以下である場合には、外部電源等によって燃料電池スタック1を加熱する必要あり、起動処理4が行われる。従って、冷媒の排除に要する時間と熱容量を下げたことによる昇温時間の短縮分を考慮して起動時間がより短くなる起動を選択することが望ましい。
また、各起動処理の選択は、上述の通り、起動時の燃料電池スタック1の温度によって設定することができるが、起動可能温度の下限値は運転停止時の条件によって変わってくる。例えば、燃料電池が好適な状態に乾燥されて運転が停止されていれば、氷点温度以下の雰囲気で発電可能な発電量が増えるため、所定温度T1,T2はより低温側にシフトする。従って、停止時の運転条件から燃料電池スタック1内部の乾燥状態を把握し、燃料電池スタック1内部の乾燥状態に応じて起動処理1〜4の中から実行する起動処理の内容を選択するようにしてもよい。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となる燃料電池システムによれば、起動時、コントローラ23が、燃料電池スタック1の温度に応じて、燃料電池スタック1内部に冷媒を保持した状態で発電を開始する起動処理1、燃料電池スタック1内部から冷媒を排除した後に発電を開始する起動処理3、及び加熱された冷媒を燃料電池スタック1に循環させることにより燃料電池スタック1を昇温した後に発電を開始する起動処理4の中から実行する起動処理を選択するので、起動時の温度に関わりなく燃料電池スタック1を短時間で起動することができる。
また、本発明の実施形態となる燃料電池システムによれば、コントローラ23は、燃料電池スタック1内部に残留している水量を推定し、推定結果に基づいて実行する起動処理の内容を選択するので、燃料電池スタック1を短時間で起動可能な最適な起動処理を選択することができる。
また、本発明の実施形態となる燃料電池システムによれば、コントローラ23は、各起動処理について燃料電池スタック1の温度に対する起動時間の特性を算出し、少なくとも二つの特性が重なる燃料電池スタック1の温度領域領域については、燃料電池スタック1の起動時間が短い起動処理を実行する起動処理として選択するので、燃料電池スタック1の起動時間を短縮することができる。
また、本発明の実施形態となる燃料電池システムによれば、コントローラ23は、ラジエータ12を迂回するバイパス流路8を利用して冷媒を循環させるので、燃料電池スタック1の昇温に要する時間を短縮し、起動時間を短縮することができる。また、バイパス流路8の流路長は、ラジエータ12を経由するメイン流路7の流路長長よりも短いので、冷媒の圧力損失及冷媒の循環に要する電力を低減し、燃料電池システムの燃費を向上させることができる。
また、本発明の実施形態となる燃料電池システムによれば、コントローラ23は、起動処理3実行時、燃料電池スタック1から排除された冷媒を貯蔵タンク16内に貯蔵している間、貯蔵タンク16内部に貯蔵されている冷媒を加熱するので、燃料電池スタック1に冷媒を再充填する際にヒートショックを小さくし、燃料電池が破損することを防止できる。
また、本発明の実施形態となる燃料電池システムによれば、コントローラ23は、起動処理3実行時、燃料電池スタック1の温度又は停止時の燃料電池スタック1の運転条件の少なくとも一方に基づいて燃料電池スタック1から排除する冷媒量を決定するので、排除する冷媒を最小限に抑え、冷媒の排除に要する時間を短縮することができる。また、燃料電池スタック1内部から冷媒を完全に排除した場合と比較して、燃料電池スタック1内部の温度分布が小さくなるので、局所的に温度が高くなることにより燃料電池が劣化することを抑制し、耐久性及び信頼性を向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。このように、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
1:燃料電池スタック
2:水素貯蔵装置
3:水素循環装置
4:水素循環流路
5:エアコンプレッサ
6:空気供給流路
7:メイン流路
8:バイパス流路
9,10,18,19:三方弁
11:ラジエータファン
12:ラジエータ
13,20:冷媒循環装置
14:加熱装置
15:加熱流路
16:貯蔵タンク
21:調圧装置
22:温度センサ
23:コントローラ
2:水素貯蔵装置
3:水素循環装置
4:水素循環流路
5:エアコンプレッサ
6:空気供給流路
7:メイン流路
8:バイパス流路
9,10,18,19:三方弁
11:ラジエータファン
12:ラジエータ
13,20:冷媒循環装置
14:加熱装置
15:加熱流路
16:貯蔵タンク
21:調圧装置
22:温度センサ
23:コントローラ
Claims (7)
- 反応ガスの供給を受けて発電する燃料電池が複数積層された燃料電池スタックを有する燃料電池システムであって、
前記燃料電池に冷媒を循環させる冷媒循環流路と、
前記冷媒を加熱する加熱手段と、
前記燃料電池スタックから排除した冷媒を貯蔵する貯蔵手段と、
前記燃料電池スタックの温度を検出する温度検出手段と、
起動時、前記温度検出手段により検出された燃料電池スタックの温度に応じて、燃料電池スタック内部に冷媒を保持した状態で発電を開始する第1の起動処理、燃料電池スタック内部の冷媒を貯蔵手段に排除した後に発電を開始する第2の起動処理、及び前記加熱手段により加熱された冷媒を燃料電池スタックに循環させることにより燃料電池スタックを昇温した後に発電を開始する第3の起動処理の中から実行する起動処理を選択する制御手段と
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記第1の起動処理において、前記燃料電池スタックの温度が第1の所定温度以上である場合、冷媒を循環させた状態で発電を開始し、燃料電池スタックの温度が第1の所定温度未満である場合、冷媒の循環を停止、又は燃料電池スタックの出力を制限した状態で発電を開始することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記燃料電池スタック内部に残留している水量を推定し、推定結果に基づいて前記第1乃至第3の起動処理の中から実行する起動処理を選択することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記第1乃至第3の起動処理実行時の燃料電池スタックの温度に対する起動時間の特性を予め算出し、少なくとも二つの特性が重なる燃料電池スタックの温度領域領域については、燃料電池スタックの起動時間が短くなる起動処理を実行する起動処理として選択することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記冷媒循環流路は、冷媒を冷却する冷却手段を有する冷媒流路と、冷媒流路の流路長よりも短い流路長を有し、冷却手段を迂回する冷媒流路とを備え、前記制御手段は、起動時、冷却手段を迂回する冷媒流路を利用して冷媒を循環させることを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記第3の起動処理を実行する場合、燃料電池スタックから排除された冷媒を前記貯蔵手段内に貯蔵している間、当該貯蔵手段内部に貯蔵されている冷媒を加熱することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
前記制御手段は、前記第3の起動処理を実行する場合、燃料電池スタックの温度又は停止時の燃料電池スタックの運転条件の少なくとも一方に基づいて燃料電池スタックから排除する冷媒量を決定することを特徴とする燃料電池システム。
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Publication Number | Publication Date |
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2005
- 2005-07-04 JP JP2005195145A patent/JP2007012565A/ja active Pending
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