JP2008300217A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池温度が氷点下の起動時に、暖機発電中または通常発電開始後の生成水の凍結やフラッディングによる発電中止や発電電力不足を回避する。
【解決手段】暖機発電開始直後に燃料電池の電圧Vを監視する。燃料電池の電圧Vが極小値を通過した以降の電圧上昇過程における単位時間当たりの燃料電池の電圧変化(dV/dt)を判定する。dV/dtが所定の電圧変化率αを下回り、かつ燃料電池温度が基準温度T0 以下の場合、暖機発電の発電条件を変更する。dV/dtが所定の電圧変化率βを下回り、かつ燃料電池温度が基準温度T0 以下の場合、通常発電許可温度を変更する。
【選択図】図4
【解決手段】暖機発電開始直後に燃料電池の電圧Vを監視する。燃料電池の電圧Vが極小値を通過した以降の電圧上昇過程における単位時間当たりの燃料電池の電圧変化(dV/dt)を判定する。dV/dtが所定の電圧変化率αを下回り、かつ燃料電池温度が基準温度T0 以下の場合、暖機発電の発電条件を変更する。dV/dtが所定の電圧変化率βを下回り、かつ燃料電池温度が基準温度T0 以下の場合、通常発電許可温度を変更する。
【選択図】図4
Description
本発明は、固体高分子型燃料電池を備えた燃料電池システムに係り、特に低温時の起動性を改良した燃料電池システムに関する。
燃料電池は電解質を燃料極と酸化剤極によってはさむ構造を有し、燃料極に燃料ガス、酸化剤極に酸化剤ガスを供給することによって発電を行う。自動車用途においては電解質として、一般的には水素イオン導電性を有する高分子電解質膜を利用する場合が多い。燃料ガスとして水素、酸化剤ガスとして空気を燃料電池に供給すると、以下のような反応が起こる。
[燃料極 ]:2H2 → 4H+ + 4e- … (化1)
[酸化剤極]:O2 +4H+ +4e- → 2H2O … (化2)
したがって燃料電池は副生成物として水しか排出しないため、内燃機関のような汚染物質または温暖化ガスなど地球環境に対するダメージを与える物質を放出しない利点がある。
[酸化剤極]:O2 +4H+ +4e- → 2H2O … (化2)
したがって燃料電池は副生成物として水しか排出しないため、内燃機関のような汚染物質または温暖化ガスなど地球環境に対するダメージを与える物質を放出しない利点がある。
生成された水が燃料電池内部から適切に除去されない場合、反応ガス流路やガス拡散層に残留し反応ガスの拡散の阻害を引き起こしてしまう。一般にフラッディングと呼ばれる前記現象は、反応ガスが触媒に到達することを妨げるため発電性能の低下を引き起こす要因となる。特に氷点下においては、残留した水の凍結により発電ができない問題がある。このような燃料電池システムを車両に搭載した燃料電池車両を氷点下から起動した場合には、発電が不安定になってしまうため、暖機運転が完了しセル電圧が通常通りに戻るまで円滑に走行することができなく、運転者が不快感を感じてしまう問題点が有る。
そこで、低温下における起動時にスタックの温度とセル電圧をモニターし、その値に基づき燃料電池スタックから取り出し可能な制限電流を求め、この制限電流が所定値を超えた時に車両を発進可能とする技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
特開2004−178998号公報(第7頁、図2)
燃料電池自動車の燃料電池を氷点下で起動する場合は、車両が発進可能になるまでの待ち時間を可能な限り短縮したいため、燃料電池の発電能力と補機の消費電力を勘案して可能な限り大きな電力で発電を行うことが望ましい。
しかしながら氷点下で起動してから車両が発進可能になるまでの間、燃料電池の温度は通常発電時よりも低いため、生成水の排水性能が低くフラッディングや凍結が起こりやすい環境になる。このような環境下において燃料電池の最大発電能力、あるいは最大発電能力に近い電力で暖機発電を行うと、フラッディングや凍結による暖機発電中あるいは車両発進後の発電停止が起こりやすいという問題点があった。
本発明は従来技術では不十分であった暖機発電中、および車両発進時における発電停止の回避手段を提供するものである。
本第1発明は、上記問題点を解決するために、起動時の燃料電池温度が第1の所定温度以下の場合に、燃料電池の通常発電の前に暖機発電を行う燃料電池システムにおいて、前記暖機発電開始直後の燃料電池電圧が極小値となった時点から所定時間内の電圧上昇過程における単位時間当たりの前記燃料電池の電圧変化が、所定の電圧変化率を下回る場合、前記暖機発電の発電条件および通常発電の許可条件のいずれか一方、あるいは両方を変更することを要旨とする。
本第2発明は、上記問題点を解決するために、起動時の燃料電池温度が第1の所定温度以下の場合に、燃料電池の通常発電の前に暖機発電を行う燃料電池システムにおいて、前記暖機発電における単位時間当たりの前記燃料電池の抵抗変化が、所定の抵抗変化率を上回る場合、前記暖機発電の発電条件および通常発電の許可条件のいずれか一方、あるいは両方を変更することを要旨とする。
第1発明によれば、燃料電池温度が氷点下の起動時にも適切な暖機発電を行って、暖機発電中または通常発電時の発電停止や電力不足を回避することができる燃料電池システムを提供することができるという効果がある。
第2発明によれば、燃料電池温度が氷点下の起動時にも適切な暖機発電を行って、暖機発電中または通常発電時の発電停止や電力不足を回避することができる燃料電池システムを提供することができるという効果がある。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。まず、本発明の各実施例に共通の基本的な考え方を説明する。
図1は、燃料電池温度が氷点下を含む低温で起動した場合の燃料電池電圧の時間変化を示す図である。通常の起動の場合(図中の実線)、電解質膜及び触媒層の含水率など燃料電池の初期状態にもよるが、時刻t0に発電(電流取出)を開始した直後は、電圧が低下し、時刻t1で極小値をつける。この極小値の大きさ及び極小値をつける時刻t1は、電解質膜及び触媒層の含水率など燃料電池の初期状態により多少変化するが極小値をつけることは変わらない。その後、燃料電池温度の上昇に伴って電圧が上昇する。生成水のフラッディングや凍結が起きなければ、燃料電池温度の上昇に伴い電圧の上昇速度は小さくなり電圧は安定する。次いで、時刻t2に通常発電を開始する。
しかしながら、燃料電池内部等で生成水のフラッディングや凍結が起きた場合(図中の破線)、燃料電池温度が低い状態で電圧の上昇速度が急に低下、あるいは逆に電圧が低下を始める。このまま発電を継続した場合は、暖機発電中あるいは通常発電開始時に許容されない電圧低下が起き、一部のセルで転極が起き発電停止させることになったり、所望の電力が得られなかったりすることになる。
そこで、暖機発電開始後に、燃料電池電圧が極小値をつけた後に、燃料電池電圧の単位時間当たりの電圧変化(dV/dt)を検出し、この単位時間当たりの電圧変化が所定の電圧変化率を下回る場合に、暖機発電条件や通常発電許可条件を変更することによって、暖機発電を継続したり、暖機完了後の通常発電における発電能力不足を回避することができる。
図2は、燃料電池温度が氷点下を含む低温で起動した場合の燃料電池抵抗の時間変化を示す図である。通常の起動の場合(図中の実線)、時刻taに発電(電流取出)を開始した直後から燃料電池抵抗は低下し、燃料電池内部の含水率の上昇に伴って燃料電池抵抗は安定する。このとき燃料電池の電解質膜及び触媒層の含水率など燃料電池の初期状態により多少異なるが、単位時間当たりの抵抗低下は、時間経過と共に徐々に小さくなることは変わらない。
しかしながら、燃料電池内部等で生成水の凍結が起きた場合(図中の破線)、燃料電池抵抗は燃料電池温度が低い状態で低下速度が0になったり、あるいは逆に燃料電池抵抗が上昇を始める。このまま発電を継続した場合は暖機発電中あるいは通常発電開始時に電圧低下が起き、発電停止が起きたり所望の電力が得られなかったりすることになる。
そこで、暖機発電開始後に、燃料電池抵抗の単位時間当たりの抵抗変化を検出し、この抵抗変化率が所定の抵抗変化率を上回る場合に、暖機発電条件や通常発電許可条件を変更することによって、暖機発電中あるいは通常発電開始時に電圧低下が起き、発電停止が起きたり所望の電力が得られなかったりする事態を回避することができる。
尚、以下に説明する各実施例は、特に限定されないが、低温時の起動性が要求される燃料電池車両に適した燃料電池システムである。
図3は、本発明に係る燃料電池システムの実施例1の構成を説明するシステム構成図である。同図において、燃料電池システム1は、燃料電池自動車に搭載されるシステムである。固体高分子型の燃料電池スタック2は、多数のセルを電気的に直列に接続し、各セルのガス流路としては並列に接続したものである。燃料電池スタック2は、その両端部に、電流取り出し用の負極(アノード、燃料極)エンドプレート3と、正極(カソード、酸化剤極)エンドプレート4とを備えている。
水素タンク5は燃料ガスとしての水素ガスを高圧で貯蔵する。水素タンク5の高圧水素ガスは、水素圧力調整弁6により燃料電池の運転圧力まで減圧され、燃料電池スタック2のアノード入口へ供給される。アノードで消費されなかった水素ガスは、燃料電池スタック2のアノード出口から排出され、水素循環路8及び水素循環ブロア9を介してアノード入口へ循環される。またアノード出口に連通するパージ弁7が設けられている。パージ弁7は、アノード及び水素循環路8に蓄積した窒素等の不純物を排出する際に開かれ、通常は閉じている。
空気コンプレッサ10は、酸化剤ガスとして取り込んだ空気を圧縮して燃料電池スタック2のカソード入口へ供給する。カソード出口には、空気排圧弁11が設けられ、カソード圧力を制御する。
また、燃料電池スタック2の温度を制御するための冷却システムが設けられている。この冷却システムは、冷却液を循環させる冷却液ポンプ12と、冷却液の熱を放出するラジエータ13と、起動時に冷却液を加熱することにより燃料電池スタック2を加熱する加熱手段である電気ヒータ14と、燃料電池スタック2の冷却液出口に配置された冷却液温度計15とを備えている。冷却液は、水にエチレングリコール等の凝固点降下剤を車両使用環境に応じた濃度で溶かしたもので、氷点下でも凍結しない冷却液である。
冷却液温度計15は燃料電池から排出される冷却液温度を測定しているため、燃料電池スタック2の内部温度を測定することができる。測定された温度信号はシステム制御装置18に送信される。
尚、本実施例では、燃料電池の加熱手段として、燃料電池の冷却液を加熱するヒータ14を設けたが、加熱手段はこれに限らず、燃料電池スタック2の内部に組み込まれた電気ヒータ等であってもよい。
燃料電池スタック2が発電した電力は、負荷制御装置16に供給される。供給された電力は、燃料電池自動車の走行用モーターや燃料電池システムを運転するための補機類の駆動用電力として使用される。また、負荷制御装置16は、システム制御装置18に信号に応じて、暖機発電電力や通常発電電力の大きさを制御する。
また燃料電池システム1は、燃料電池スタック2の電圧を測定するための燃料電池電圧計17を備え、測定された電圧信号はシステム制御装置18に送信される。
尚、燃料電池電圧計17は、燃料電池スタック2の全体の電圧を測定するものでもよいが、燃料電池スタック2の全てのセル電圧、燃料電池スタック2の両端部のセル電圧、或いは燃料電池スタック2の中の複数の特定セルの電圧を測定するものであってもよい。そして、以下の説明における燃料電池の「電圧V」は、燃料電池電圧計17の測定に合わせて、スタックの総電圧、スタックの平均セル電圧、スタック両端のセル電圧の平均値、或いは、スタック中の複数の特定セルの平均電圧のいずれであってもよいし、またこれらの任意の組み合わせを測定するものでもよい。
システム制御装置18は、燃料電池システム全体を制御するため、水素圧力調整弁6、パージ弁7、水素循環ブロワ9、空気コンプレッサ10、空気背圧弁11、冷却液ポンプ12、ヒータ14、負荷制御装置16に対して制御信号を送信する機能を有する。
また、システム制御装置18は、負荷制御装置16へ、暖機発電電力の取り出しや通常発電電力の取り出しの指示、及び取り出し電力の大きさ及び上限を指示する信号を出力する。さらに、システム制御装置18は、本発明における燃料電池システム起動時の制御を行う。システム制御装置18は、特に限定されないが、本実施例では、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサで構成されている。
図4は、システム制御装置18が実行する本実施例1における燃料電池システム起動時の制御フローチャートである。尚、本フローチャートの実行が開始される前には、通常発電許可温度T1 は、初期値に設定されているものとする。また同様に暖機発電電力は、初期値である基準暖機電力に設定されているものとする。
図4において、まず、燃料電池システムの起動が開始されると、システム制御装置18は、燃料電池スタック2へ水素圧力調整弁6から水素ガス、空気コンプレッサ10から空気の供給を開始する。同時に、システム制御装置18は、冷却液ポンプ12を僅かに駆動して、燃料電池スタック2の冷却液出口から燃料電池スタック2内部の冷却液が冷却液温度計15の位置へ排出されるように制御する。
次いで、ステップ(以下、ステップをSと略す)10において、システム制御装置18は、冷却液温度計15が示す燃料電池温度Tを読み込み、次いで、S12において燃料電池温度Tが通常発電許可温度T1 より低いか否かを判定する。ここで、通常発電許可温度T1 の値は、初期値として設定された値(例えば、15℃)が使用される。S12の判定でTがT1 より低ければ、S14へ進む。S12の判定で、TがT1 以上であれば、S42へ進み、システム制御装置18は通常発電を許可する信号を負荷制御装置16へ送信して、起動を終了する。
S14では、燃料電池温度Tが基準温度T0 (例えば、0℃)より低いか否かを判定する。この基準温度T0 は、生成水の凍結が起こらない温度を設定する。基本的には0℃が基準温度となるが、燃料電池の構成や温度計測点の場所、さらに温度計測誤差や燃料電池内の温度分布を考慮し、たとえば0℃以上10℃以下を基準温度T0 としてもよい。
S14の判定で、TがT0 以上であれば、基準暖機電力で発電する通常の暖機発電へ移るべく、後述するS36へ進む。S14の判定で、TがT0 より低ければ、本発明による起動時の制御を行うために、S16へ進む。S16では、システム制御装置18から負荷制御装置16へ基準暖機電力で暖機発電を指示する。次いでS18で、システム制御装置18は、燃料電池電圧計17により燃料電池の電圧Vを測定する。この測定値は、時系列データとして、システム制御装置18の内部に記憶される。
次いでS20で、システム制御装置18は、燃料電池の電圧Vの時系列データが暖機発電開始後の極小値を過ぎたか否かを判定する。S20の判定で極小値を過ぎていなければS16へ戻り、S16からS20を繰り返して、基準暖機電力で発電しながら燃料電池の電圧Vが極小値を過ぎるまで待機する。S20の判定で、燃料電池の電圧Vが極小値を過ぎていれば、S22へ進み、燃料電池の電圧Vの単位時間当たりの変化(dV/dt)を計算する。次いでS24で、dV/dtが所定の電圧変化率αを下回っているか否かを判定する。
ここで、所定の電圧変化率αは、通常発電時に移行したときにフラッディングや発電電力不足が生じないという条件を満足しながら、氷点下における様々な燃料電池温度における起動時に、燃料電池電圧が極小値を過ぎた後の燃料電池温度が基準温度に達するまでの電圧変化率の最小値を実験的に求め、この実験値を所定の電圧変化率αとしてシステム制御装置18に設定するものとする。
S24の判定で、dV/dtが所定の電圧変化率αを下回っていれば、S26へ進む。S24の判定で、dV/dtが所定の電圧変化率α以上であれば、S32へ進む。
S26では、通常発電許可温度T1 を初期値の15℃から、例えば30℃へ高くなるように変更する。この変更により、通常発電開始後にフラッディングが生じたり発電能力が不足するような事態を回避することができる。このS26は、通常発電条件の変更ステップであり、通常発電許可温度T1 を変更する以外に、通常発電開始から所定時間が経過するまで、或いは燃料電池温度が通常発電許可温度T1 より高い所定温度に達するまで、通常発電電力に上限を設けるような変更を行うようにしてもよい。
次いで、S28で、dV/dtが所定の電圧変化率βを下回っているか否かを判定する。ここで、所定の電圧変化率βは、氷点下における様々な燃料電池温度における起動時に、燃料電池電圧が極小値を過ぎた後に生成水が凍結やフラッディングを起こして発電停止することなく、暖機発電電力により燃料電池温度が基準温度に達する場合の最小電圧変化率の値を実験的に求め、この実験値を所定の電圧変化率αとしてシステム制御装置18に設定するものとする。
S28の判定で、dV/dtが所定の電圧変化率βを下回っていれば、S30へ進む。S28の判定で、dV/dtが所定の電圧変化率β以上であれば、S32へ進む。
S30では、暖機発電中に生成水のフラッディングや凍結等が生じて暖機発電停止する虞があるので、暖機発電電力を低下させるように暖機発電電力の設定変更する。さらに、この変更をシステム制御装置18から負荷制御装置16へ送信して、S32へ進む。
S30の暖機発電電力の設定変更は、例えば、図5に示したdV/dtに対する暖機発電電力の制御マップにより行われる。図5の制御マップは、dV/dtがβ以上であれば一定の暖機発電電力の初期値Pwであるが、dV/dtがβ未満であれば、暖機発電電力を[Pw+k{(dV/dt)−β}]となるように低減するものである。ここで、kは実験的に求めた正の定数である。このS30は、暖機発電条件の変更ステップであり、暖機発電の条件変更としては、暖機発電電力の変更のみならず、例えば、ヒータ14に通電する、或いは通電電流を増加するような条件変更であってもよい。
S32では、システム制御装置18は、冷却液温度計15が示す燃料電池温度Tを読み込む。次いで、S34で、燃料電池温度Tが基準温度T0 より低いか否かを判定する。S34の判定で、TがT0 より低ければ、燃料電池電圧計17により燃料電池電圧Vを測定してから、dV/dtの監視を続けるために、S22へ戻る。
S64の判定で、TがT0 以上であれば、S40へ進む。S36では、設定された暖機発電電力で暖機発電を行う。次いで、S38で燃料電池温度Tを測定し、S40へ進む。S40では、燃料電池温度Tが通常発電許可温度T1 を超えているか否かを判定する。S40の判定でTがT1 を超えていなければ、S36へ進む。S40の判定で、TがT1 を超えていれば、S42へ進む。S40では、システム制御装置18は、負荷制御装置16に通常発電を許可して起動を終了する。
図5は、本発明に係る燃料電池システムの実施例2の構成を説明するシステム構成図である。本実施例の基本構成は実施例1と同じであるが、燃料電池電圧計17に代えて、燃料電池の抵抗を測定する燃料電池抵抗計19が設けられている。その他の構成は、図3に示した実施例1と同様であるので、同じ構成要素には同じ符号を付与して、重複する説明を省略する。ここで、燃料電池の抵抗とは、燃料電池セル、または燃料電池スタックの交流インピーダンスを指し、例えば周波数1[kHz]における交流インピーダンスが例として挙げられる。燃料電池抵抗計19は、燃料電池スタックを構成する全セルの合計抵抗、スタック末端セルの抵抗、あるいは複数の特定セルの平均抵抗のいずれを測定するものであってもよいし、またこれらの任意の組み合わせを測定するものでもよい。
図6は、システム制御装置18が実行する実施例2における燃料電池システム起動時の制御フローチャートである。尚、本フローチャートの実行が開始される前には、通常発電許可温度T1 は、初期値に設定されているものとする。また同様に暖機発電電力は、初期値である基準暖機電力に設定されているものとする。
図6において、まず、燃料電池システムの起動が開始されると、システム制御装置18は、燃料電池スタック2へ水素圧力調整弁6から水素ガス、空気コンプレッサ10から空気の供給を開始する。同時に、システム制御装置18は、冷却液ポンプ12を僅かに駆動して、燃料電池スタック2の冷却液出口から燃料電池スタック2内部の冷却液が冷却液温度計15の位置へ排出されるように制御する。
次いで、S10において、システム制御装置18は、冷却液温度計15が示す燃料電池温度Tを読み込み、次いで、S12において燃料電池温度Tが通常発電許可温度T1 より低いか否かを判定する。ここで、通常発電許可温度T1 の値は、初期値として設定された値(例えば、15℃)が使用される。S12の判定でTがT1 より低ければ、S14へ進む。S12の判定で、TがT1 以上であれば、S42へ進み、システム制御装置18は通常発電を許可する信号を負荷制御装置16へ送信して、起動を終了する。
S14では、燃料電池温度Tが基準温度T0 (例えば、0℃)より低いか否かを判定する。この基準温度T0 の設定は、実施例1と同様である。S14の判定で、TがT0 以上であれば、基準暖機電力で発電する通常の暖機発電へ移るべく、後述するS36へ進む。S14の判定で、TがT0 より低ければ、本発明による起動時の制御を行うために、S16へ進む。S16では、システム制御装置18から負荷制御装置16へ基準暖機電力で暖機発電を指示する。
次いでS50で、システム制御装置18は、燃料電池抵抗計19により燃料電池の抵抗Rを測定する。次いで、S52へ進み、燃料電池の抵抗Rの単位時間当たりの変化(dR/dt)を計算する。次いでS54で、dR/dtが所定の抵抗変化率aを下回っているか否かを判定する。
ここで、所定の抵抗変化率aは、通常発電時に移行したときにフラッディングや発電電力不足が生じないという条件を満足しながら、氷点下における様々な燃料電池温度における起動時に、燃料電池温度が基準温度に達するまでの抵抗変化率の最大値を実験的に求め、この実験値を所定の抵抗変化率aとしてシステム制御装置18に設定するものとする。
S54の判定で、dR/dtが所定の抵抗変化率aを上回っていれば、S56へ進む。S54の判定で、dR/dtが所定の抵抗変化率a以下であれば、S62へ進む。
S56では、通常発電許可温度T1 を初期値の15℃から、例えば30℃へ高くなるように変更する。この変更により、通常発電開始後にフラッディングが生じたり発電能力が不足するような事態を回避することができる。このS56は、通常発電条件の変更ステップであり、通常発電許可温度T1 を変更する以外に、通常発電開始から所定時間が経過するまで、或いは燃料電池温度が通常発電許可温度T1 より高い所定温度に達するまで、通常発電電力に上限を設けるような変更を行うようにしてもよい。
次いで、S58で、dR/dtが所定の抵抗変化率bを下回っているか否かを判定する。ここで、所定の抵抗変化率bは、氷点下における様々な燃料電池温度における起動時に、生成水が凍結やフラッディングを起こして発電停止することなく、暖機発電電力により燃料電池温度が基準温度に達する場合の最大抵抗変化率の値を実験的に求め、この実験値を所定の抵抗変化率bとしてシステム制御装置18に設定するものとする。
S58の判定で、dR/dtが所定の抵抗変化率bを上回っていれば、S60へ進む。S58の判定で、dR/dtが所定の抵抗変化率b以下であれば、S62へ進む。
S60では、暖機発電中に生成水のフラッディングや凍結等が生じて暖機発電停止する虞があるので、暖機発電電力を低下させるように暖機発電電力の設定変更する。さらに、この変更をシステム制御装置18から負荷制御装置16へ送信して、S62へ進む。
S60の暖機発電電力の設定変更は、例えば、図8に示したdR/dtに対する暖機発電電力の制御マップにより行われる。図8の制御マップは、dR/dtがb以下であれば一定の暖機発電電力の初期値Pwであるが、dR/dtがbを超えれば、暖機発電電力を[Pw−h{(dR/dt)−b}]となるように低減するものである。ここでhは実験的に求めた正の定数である。このS60は、暖機発電条件の変更ステップであり、暖機発電の条件変更としては、暖機発電電力の変更のみならず、例えば、ヒータ14に通電する、或いは通電電流を増加するような条件変更であってもよい。
S62では、システム制御装置18は、冷却液温度計15が示す燃料電池温度Tを読み込む。次いで、S64で、燃料電池温度Tが基準温度T0 より低いか否かを判定する。S64の判定で、TがT0 より低ければ、dR/dtの監視を続けるために、S50へ戻る。
S64の判定で、TがT0 以上であれば、S40へ進む。S36では、設定された暖機発電電力で暖機発電を行う。次いで、S38で燃料電池温度Tを測定し、S40へ進む。S40では、燃料電池温度Tが通常発電許可温度T1 を超えているか否かを判定する。S40の判定でTがT1 を超えていなければ、S36へ進む。S40の判定で、TがT1 を超えていれば、S42へ進む。S40では、システム制御装置18は、負荷制御装置16に通常発電を許可して起動を終了する。
1 燃料電池システム
2 燃料電池スタック
3 負極(アノード)
4 正極(カソード)
5 水素タンク
6 水素圧力調整弁
7 パージ弁
8 水素循環路
9 水素循環ブロワ
10 空気コンプレッサ
11 空気排圧弁
12 冷却液ポンプ
13 ラジエータ
14 ヒータ
15 冷却液温度計
16 負荷制御装置
17 燃料電池電圧計
18 システム制御装置
19 燃料電池抵抗計
2 燃料電池スタック
3 負極(アノード)
4 正極(カソード)
5 水素タンク
6 水素圧力調整弁
7 パージ弁
8 水素循環路
9 水素循環ブロワ
10 空気コンプレッサ
11 空気排圧弁
12 冷却液ポンプ
13 ラジエータ
14 ヒータ
15 冷却液温度計
16 負荷制御装置
17 燃料電池電圧計
18 システム制御装置
19 燃料電池抵抗計
Claims (10)
- 燃料電池システム起動時の燃料電池温度が通常発電許可温度以上の場合に、燃料電池の通常発電を許可する一方、前記燃料電池温度が通常発電許可温度未満の場合に、前記通常発電を許可せず暖機発電を行う燃料電池システムにおいて、
前記暖機発電開始直後の燃料電池電圧が極小値となった時点以降の電圧上昇過程における単位時間当たりの前記燃料電池の電圧変化が所定の電圧変化率を下回り、かつ燃料電池温度が基準温度以下の場合、前記暖機発電の発電条件および前記通常発電の許可条件のいずれか一方、あるいは両方を変更することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記暖機発電開始直後の燃料電池電圧が極小値となった時点以降の電圧上昇過程における単位時間当たりの前記燃料電池の電圧変化が所定の電圧変化率を下回り、かつ燃料電池温度が基準温度以下の場合、前記通常発電許可温度を基準通常発電許可温度よりも高くなるように変更することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記暖機発電開始直後の燃料電池電圧が極小値となった時点以降の電圧上昇過程における単位時間当たりの前記燃料電池の電圧変化が所定の電圧変化率を下回り、かつ燃料電池温度が基準温度以下の場合、前記通常発電の許可条件として、通常発電開始から一定時間が経過するまで、あるいは燃料電池温度が前記通常発電許可温度より高い所定温度に達するまで、通常発電電力に上限を設けるように制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記暖機発電開始直後の燃料電池電圧が極小値となった時点以降の電圧上昇過程における単位時間当たりの前記燃料電池の電圧変化が所定の電圧変化率を下回り、かつ燃料電池温度が基準温度以下の場合、前記燃料電池の暖機発電における電力を所定の標準暖機電力よりも小さくなるように制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池は単位燃料電池を積層した燃料電池スタックであり、
前記燃料電池の電圧は、前記燃料電池スタックを構成する全セルの合計電圧、全セルの平均電圧、スタック末端セルの電圧、あるいは複数の特定セルの平均電圧のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池を加熱する加熱手段を更に備え、
前記暖機発電における単位時間当たりの前記燃料電池の電圧変化が、所定の電圧変化率を下回る場合、
前記燃料電池の加熱手段への電力供給を増やすことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。 - 燃料電池システム起動時の燃料電池温度が通常発電許可温度以上の場合に、燃料電池の通常発電を許可する一方、前記燃料電池温度が通常発電許可温度未満の場合に、前記通常発電を許可せず暖機発電を行う燃料電池システムにおいて、
前記暖機発電における単位時間当たりの前記燃料電池の抵抗変化が、所定の抵抗変化率を上回り、且つ燃料電池温度が基準温度以下の場合、前記暖機発電の発電条件および通常発電の許可条件のいずれか一方、あるいは両方を変更することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記暖機発電における単位時間当たりの前記燃料電池の抵抗変化が、所定の抵抗変化率を上回り、且つ燃料電池温度が基準温度以下の場合、前記通常発電許可温度を基準通常発電許可温度よりも高くなるように変更することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
- 前記暖機発電における単位時間当たりの前記燃料電池の抵抗変化が、所定の抵抗変化率を上回る場合、前記通常発電の許可条件として、通常発電開始から一定時間が経過するまで、あるいは燃料電池温度が前記通常発電許可温度より高い所定温度に達するまで、発電電力に上限を設けるように制御することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池は単位燃料電池を積層した燃料電池スタックであり、
前記燃料電池の抵抗は、前記燃料電池スタックを構成する全セルの合計抵抗、スタック末端セルの抵抗、あるいは複数の特定セルの平均抵抗のいずれかであることを特徴とする請求項7乃至請求項9の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101054757B1 (ko) | 2009-11-16 | 2011-08-05 | 현대자동차주식회사 | 연료전지 스택의 아이스 블로킹 감지 방법 및 이를 이용한 연료전지 차량의 제어 방법 |
US9509001B2 (en) | 2014-05-21 | 2016-11-29 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system and control method for same |
KR101782353B1 (ko) * | 2016-03-22 | 2017-09-27 | 현대자동차주식회사 | 연료전지 시스템 냉시동 방법 |
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2007
- 2007-05-31 JP JP2007145487A patent/JP2008300217A/ja active Pending
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