JP2007042566A - 燃料電池システムとその起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 低温起動時におけるシステム内での凍結の抑制と燃費の向上とを両立させること。
【解決手段】 ガス供給を受けて発電する燃料電池と、該燃料電池から給電先への掃引電流を制御する制御部とを備えた燃料電池システムにおいて、前記制御部は、システム起動時におけるスタック温度(ステップS1)が所定の凍結温度以下であった場合(ステップS3:NO)には、スタック温度が所定の凍結温度以上になるまで(ステップS3:YES)、掃引電流値を絶えず増加させる(ステップS5)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池を備えた燃料電池システムとその起動方法に関し、特に、システム起動時における掃引電流の制御に関する。
例えば固体高分子電解質型の燃料電池は、膜−電極接合体(MEA:Membrane-Electrode Assembly)とセパレータとを備えてなるセルを積層して構成されており、アノード側電極に燃料ガス(例えば水素)が供給される一方、カソード側電極に酸化ガス(例えば空気)が供給されることで、電気化学反応による発電反応が行われる。また、この発電反応に伴い、燃料電池は昇温し、燃料電池内では水が生成される。
このような燃料電池を備えた燃料電池システムを低温環境下で起動させる際に、燃料電池や該燃料電池に連通する配管等(以下、システム内)に残存する水が凍結してしまうと、燃料電池内あるいは配管内におけるガス流通が阻害され、発電が停止するなどシステム起動が困難になる。この対策として、例えば特許文献1では、システム起動時に燃料電池の掃引電流を徐々に最大電流値まで上昇させ、その後所定の運転温度になってから、外部負荷に給電を開始している。
特開平7−29585号公報
しかしながら、外部負荷に対して早期に給電を開始しなければならない燃料電池システムにおいて、常に掃引電流を最大電流値まで上昇させる制御を行うと、要求負荷が低いときは無駄に発電することになり、燃費の悪化を招く。一方、単に要求負荷に応じて掃引電流を制御するのでは、要求負荷が小さいときには燃料電池での発熱量が少ないために燃料電池温度が低下し、システム内で水が凍結するおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、起動時におけるシステム内での凍結の抑制と燃費の向上とを両立させることのできる燃料電池システムとその起動方法を提供することを目的とする。
本発明の発明者らは、低温起動時にシステム内で凍結が発生する原因が、以下の現象によるものであることを見出した。すなわち、図9に示すように、燃料電池から給電先への掃引電流が増加状態から一定値に移行すると(変曲点A参照)、その後も燃料電池の昇温は続くものの、急激に昇温速度(セル温度変化量ΔT)が低下するので、これをきっかけとして、燃料電池出力の低下つまり発熱量の低下が始まり、生成水が凍結して発電が停止する。
つまり、燃料電池の昇温速度は、掃引電流が絶えず低下している場合に低下することはもとより、掃引電流が増加状態から一定値に移行した場合にも、燃料電池の通電状態が定常化することによって、低下する。
そこで、本発明の燃料電池システムは、ガス供給を受けて発電する燃料電池と、該燃料電池から給電先への掃引電流を制御する制御部とを備えた燃料電池システムにおいて、前記制御部は、システム起動時における該システム内の温度が所定温度以下であった場合には、前記システム内の温度が前記所定温度以上になるまで、掃引電流値を絶えず増加させる、あるいは、システム起動時に掃引電流値を上下動させる。
また、本発明の燃料電池システムの起動方法は、ガス供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの起動方法において、システム起動時における該システム内の温度が所定温度以下であった場合には、該システム内の温度が前記所定温度以上になるまで、掃引電流値を絶えず増加させる、あるいは、システム起動時に掃引電流値を上下動させる。
以上のように、掃引電流値を絶えず増加させる或いは上下動させることにより、言い換えれば、掃引電流値を一定にもしないし、絶えず低下させない(所定時間以上の連続的な低下を禁止する)ことにより、燃料電池の通電状態を絶えず変化させておくことが可能になり、燃料電池の急激な昇温速度低下が抑制される。なおかつ、掃引電流値の増加を所定の温度以上となるまでに限定することにより、最大電流まで上昇させる技術と比較して過剰な発電を抑制することが可能となり、燃費が向上する。
また、本発明の燃料電池システム及び本発明の燃料電池システムの起動方法において、前記掃引電流値の上下動を交互に繰り返し行うこととしてもよい。
掃引電流値を大きくすると、発熱量は大きくなるが、出力電圧が低下するため、システム(補機類)の作動電圧を十分に確保することができなくなる。一方、システム(補機類)の作動電圧を十分に確保しようとすれば、掃引電流値が小さくなるため、所定の発熱量を確保することができなくなる。上記構成によれば、掃引電流値を大きくすることによる十分な発熱(昇温)量の確保と、掃引電流値を小さく抑えることによる十分な補機作動電圧の確保と、を両立させることが可能となる。
また、前記上下動の振幅を前記燃料電池の温度または昇温速度(単位時間当たりの温度上昇率)に基づいて変化させてもよい。ここで、燃料電池の温度は、燃料電池自体の温度でもよいし、燃料電池を冷媒にて温調可能な構成下においては、燃料電池の温度と相関を有する冷媒温度でもよい。
上記の構成により、燃料電池の温度に応じて昇温速度を調整することができる。すなわち、燃料電池の温度が低いときは上下動の振幅を大きくすることにより、高い発熱量を得ることが可能になる一方、燃料電池の温度が上昇するに従い上下動の振幅を小さくすることにより、通常発電への移行動作を安定させることが可能になると共に過剰発電の抑制も可能となる。
なお、本発明において掃引電流値を絶えず増加(変化)させるとは、掃引電流値の時間変化量が常に正(>1)であるように制御することをいい、例えば時間変化量が常に1より大であるように制御する。
また、本発明において掃引電流値を上下動(変動)させるとは、システム起動時の掃引電流値の時間変化が所定時間以上一定値にならないようにすると共に、掃引電流値の時間変化が所定時間以上連続的に低下しないように、掃引電流値の値を増減させることを意味する。
また、システムの温度とは、具体的には、前記燃料電池、該燃料電池に連通する流体配管、及び該流体配管への設置物のうち少なくとも1つをいう。また、所定温度とは、例えば所定の凍結温度(例えば、0℃)をいう。
上記燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記掃引電流値を連続的に変化させている間に前記燃料電池の出力低下を検知した場合には、前記掃引電流値の変化量をそれまでよりも増やすようにしてもよい。
このような構成によれば、燃料電池の出力低下によって起きる急激な昇温速度の低下に先だって、燃料電池の発熱量を増加させることが可能になる。
上記燃料電池システムにおいて、前記制御部は、前記掃引電流値を徐々に増やすようにしてもよい。より具体的には、前記制御部は、前記掃引電流値を燃料電池起動後の通常発電時の許容変化量に対して低い変化量で制御するようにしてもよい。
このような構成によれば、燃料電池を急激に昇温させることによって該燃料電池に与え得る熱衝撃を緩和することが可能となる。
本発明によれば、システム起動時に燃料電池の掃引電流値を増加或いは変動させることにより、燃料電池昇温のための過剰な発電を抑制しつつも、燃料電池昇温速度の急低下を抑制することが可能になるので、低温起動時におけるシステム内での凍結の抑制と燃費の向上とを両立させることができる。
また、掃引電流値の上下動を繰返す、つまり、第1の電圧(低電圧)での出力と、該第1の電圧よりも高い第2の電圧(高電圧)での出力とを交互に繰り返すことにより、発熱と発電との両立を図ることができるので、システムを昇温させつつ、その作動電圧も確保することができる。
さらに、上下動の振幅を燃料電池の温度または昇温速度に基づいて変化させることにより、燃料電池の昇温速度を調節することが可能になると共に、安定した状態で通常発電に移行することが可能となる。
次に、本発明に係る燃料電池システムとその起動方法の一実施の形態を説明する。以下、この燃料電池システムを燃料電池車両の車載発電システムに適用した場合について説明するが、本発明はこのような適用例に限らず、船舶,航空機,電車等のあらゆる移動体や歩行ロボットへの適用が可能である他、例えば燃料電池が建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムへの適用も可能である。
図1に示すように、酸化ガスとしての空気(例えば外気)は、空気供給路71を介して燃料電池20の空気供給口に供給される。空気供給路71には、空気から微粒子を除去するエアフィルタA1、空気を加圧するコンプレッサA3、供給空気圧を検出する圧力センサP4、及び空気に所要の水分を加える加湿器A21が設けられている。コンプレッサA3は、モータ(給電先)によって駆動される。モータは、後述の制御部50によって駆動制御される。なお、エアフィルタA1には、空気流量を検出する図示省略のエアフローメータが設けられる。
燃料電池20から排出される空気オフガスは、排気路72を経て外部に放出される。排気路72には、排気圧を検出する圧力センサP1、圧力調整弁A4、及び加湿器A21の熱交換器が設けられている。圧力センサP1は、燃料電池20の空気排気口近傍に設けられている。圧力調整弁A4は、燃料電池20への供給空気の圧力を設定する調圧器として機能する。
圧力センサP4,P1の図示しない検出信号は、制御部50に送られる。制御部50は、コンプレッサA3及び圧力調整弁A4を調整することによって、燃料電池20への供給空気圧や供給空気流量を設定する。
以上説明した空気供給路71と、該空気供給路71に設けられた圧力調整弁A4や加湿器A21は、本発明における燃料電池に連通する流路配管と、該流路配管への設置物とにそれぞれ該当する。
燃料ガスとしての水素ガスは、水素供給源30から燃料供給路74を介して燃料電池20の水素供給口に供給される。水素供給源30は、例えば高圧水素タンクが該当するが、いわゆる燃料改質器や水素吸蔵合金等であっても良い。
燃料供給路74には、水素供給源30から水素を供給しあるいは供給を停止する遮断弁H100、水素供給源30からの水素ガスの供給圧力を検出する圧力センサP6、燃料電池20への水素ガスの供給圧力を減圧して調整する水素調圧弁H9、水素調圧弁H9の下流の水素ガス圧力を検出する圧力センサP9、燃料電池20の水素供給口と燃料供給路74間を開閉する遮断弁H21、及び水素ガスの燃料電池20の入口圧力を検出する圧力センサP5が設けられている。
水素調圧弁H9としては、例えば機械式の減圧を行う調圧弁を使用できるが、パルスモータで弁の開度がリニアあるいは連続的に調整される弁であっても良い。圧力センサP5,P6,P9の図示しない検出信号は、制御部50に供給される。
燃料電池20で消費されなかった水素ガスは、水素オフガスとして水素循環路75に排出され、燃料供給路74の水素調圧弁H9の下流側に戻される。水素循環路75には、水素オフガスの温度を検出する温度センサT31、燃料電池20と水素循環路75を連通/遮断する遮断弁H22、水素オフガスから水分を回収する気液分離器H42、回収した生成水を水素循環路75外の図示しないタンク等に回収する排水弁H41、水素オフガスを加圧する水素ポンプH50、及び逆流阻止弁H52が設けられている。
遮断弁H21,H22は、燃料電池20のアノード側を閉鎖する。温度センサT31の図示しない検出信号は、制御部50に供給される。水素ポンプH50は、制御部50によって動作が制御される。水素オフガスは、燃料供給路74で水素ガスと合流し、燃料電池20に供給されて再利用される。逆流阻止弁H52は、燃料供給路74の水素ガスが水素循環路75側に逆流することを防止する。遮断弁H100,H21,H22は、制御部50からの信号で駆動される。
水素循環路75は、排出制御弁H51を介して、パージ流路76によって排気路72に接続される。排出制御弁H51は、電磁式の遮断弁であり、制御部50からの指令によって作動することにより、水素オフガスを外部に排出(パージ)する。このパージ動作を間欠的に行うことによって、水素オフガスの循環が繰り返されて燃料極側の水素ガスの不純物濃度が増し、セル電圧が低下することを防止することができる。
以上説明した燃料供給路74及び水素循環路75と、これら燃料供給路74及び水素循環路75に設けられた遮断弁H100,水素調圧弁H9,遮断弁H21,水素調圧弁H9,遮断弁H22,気液分離器H42,水素ポンプH50,及び逆流阻止弁H52とは、本発明における燃料電池に連通する流路配管と、該流路配管への設置物とにそれぞれ該当する。
更に、燃料電池20の冷却水出入口には、冷却水を循環させる冷却路73が設けられる。冷却路73には、燃料電池20から排水される冷却水の温度を検出する温度センサT1、冷却水の熱を外部に放熱するラジエータC2、冷却水を加圧して循環させるポンプC1、及び燃料電池20に供給される冷却水の温度を検出する温度センサT2が設けられている。ラジエータC2には、モータによって回転駆動される冷却ファンC13が設けられている。
燃料電池20は、単セルを所要数積層した燃料電池スタックとして構成されている。燃料電池20で発電された直流電力の一部はDC/DCコンバータ53によって降圧され、二次電池(給電先)54に充電される。トラクションインバータ51及び補機インバータ52は燃料電池20と二次電池54の双方又は何れか一方から供給される直流電力を交流電力に変換してトラクションモータM3と補機モータM4のそれぞれに交流電力を供給する。補機モータM4は上記水素ポンプH50を駆動するモータMやコンプレッサA3を駆動するモータM等を総称している。
以下、例えばコンプレッサA3、水素ポンプH50、及び冷却用のポンプC1等に代表される、燃料電池20の運転を補助的に支える装置を単に補機類という場合がある。
制御部50は、図示しない制御コンピュータシステムによって構成される。この制御コンピュータシステムは、CPU、ROM、RAM、HDD、入出力インタフェース及びディスプレイなどの公知構成から成り、市販されている制御用コンピュータシステムによって構成される。
そして、制御部50は、図示しない車両のアクセル信号などの要求負荷や燃料電池システムの各部のセンサ(圧力センサ、温度センサ、流量センサ、出力電流計、出力電圧計等)から制御情報を受け取り、システム各部の弁類やモータ類の運転を制御する他、システム起動時に燃料電池20の掃引電流を以下のように制御する。
すなわち、ユーザーがイグニッションをONにすることによってシステムが起動されると、図2のフローチャートに示すように、制御部50は、燃料電池20のスタック温度を上記温度センサT1で検出し(ステップS1)、検出したスタック温度が所定の凍結温度(例えば、0℃)未満である場合には(ステップS3:NO)、スタック温度が所定の凍結温度以上になるまで(ステップS3:YES)、燃料電池20から二次電池54,補機インバータ52,補機モータM4の少なくともいずれか1つへの給電を開始すると共に、そのときの掃引電流値を絶えず増加させる(ステップS5、図2)。
そして、ステップS1で検出したスタック温度が所定の凍結温度以上になった場合には(ステップS3:YES)、負荷要求に応じた定常発電を開始する(ステップS7)。
このような掃引電流制御を行うことにより、スタック温度が所定の凍結温度以上になるまで、燃料電池20の通電状態を絶えず変化させておくことが可能になるので、燃料電池20の昇温速度が急低下することを抑制することができる。加えて、掃引電流値の増加を所定の凍結温度以上となるまでに限定しているので、過剰な発電を抑制することが可能となり、燃費の向上も図ることができる。
なお、上記実施形態において、当該燃料電池システムを短時間で起動させる必要がある場合には、掃引電流値の増加量を起動当初から高めに設定しておくことで、所定の凍結温度以上に達するまでの時間を短縮することができる。これとは逆に、燃料電池システムを短期間で起動させる必要のない場合には、掃引電流値の増加量を起動当初は低めに設定しておき、時間経過に伴い徐々に掃引電流値を増加させることで、燃料電池20に対する熱衝撃を抑えることができる。
さらに、制御部50は、掃引電流値を増加させ続けている間、つまり、図2のステップS5〜ステップS1を繰り返し実行している間、燃料電池20の出力電圧をセルモニタ等で監視し、出力低下を検知した場合には、ステップSS5で設定する掃引電流値の増加量をそれまでよりも増やすようにしてもよい。これにより、燃料電池20の出力低下によって起こる昇温速度の急低下を予防し得て、スタック内での凍結をより一層効果的に抑制することができる。
本発明は上記実施形態以外にも種々に変更して適用することが可能である。例えば、上記実施形態では、燃料電池20のスタック温度に基づいて掃引電流値を制御していたが、これに代えて又は加えて、燃料電池20に連通する各流体流路74,75等を画成する配管と、各流体流路74,75等への設置物のうち少なくともいずれか1つの温度が所定の凍結温度以下であった場合に、図2,3に示した掃引電流制御を行ってもよい。
また、上記実施形態では、図2のステップS3の判定結果が「NO」の場合には、図3に示すように掃引電流値を絶えず上昇させていたが、掃引電流値を一定にしない或いは低下させ続けない限り、掃引電流値を例えば鋸刃状やステップ状に上下動させるようにしてもよい。かかる場合にも、燃料電池20の通電状態を絶えず変化させておくことが可能になるので、燃料電池20の昇温速度が急低下すること、ひいては凍結を抑制することができる。
例えば、掃引電流値を上下動させる一実施の形態として、図4(a)に示すような掃引パターンにて、掃引電流値の上下動を繰返す構成を採用することができる。つまり、第1の電圧(以下、低電圧)での出力と、該第1の電圧よりも高い第2の電圧(以下、高電圧)での出力とを交互に繰り返すことにより、発熱(図4(b)参照)と発電の実行を両立させることが可能である。以下、矩形状の波形を例にとって説明するが、これに限定されるものではない。
ところで、低温起動時に掃引電流値を大きくすると、燃料電池20の発熱量は増大するので、燃料電池20ひいてはシステム全体の昇温に対しては有利に働く。ところが、図5の電流−電圧特性(いわゆる、IV特性)に示すように、燃料電池20の出力電圧は該燃料電池20内での触媒の活性や電解質膜のプロトン伝導性等に依存するため、実際の出力電圧は理論電圧よりも低下し、その低下幅は掃引電流値が大きくなるほど、また、燃料電池20の温度が低いほど、顕著になる。
したがって、低温起動時に掃引電流値が大きい場合には出力電圧が低くなり、システム(補機類)の作動電圧を確保することができなくなる虞がある。
そこで、本実施形態においては、発熱運転(低電圧運転)と発電運転(高電圧運転)とを交互に繰返す矩形パターンにより、掃引電流値を制御する。なお、掃引電流値の時間変化は所定時間以上一定値とならないようにする。これにより、発熱運転時には、消費された水素の大部分は熱に変換される結果、暖気運転が行われる一方、発電運転時には、システム作動電圧以上の電圧で発電が行われる結果、外部に対して十分な電圧を供給することが可能となる。
さらに、電流掃引パターンの振幅を燃料電池20の温度または昇温速度に基づいて変化させることにより、昇温速度を調整することも可能である。つまり、燃料電池20の温度が低いときは上下動の振幅を大きくすることにより、高い発熱量を得る一方で、燃料電池20の温度が上昇するに従って上下動の振幅を小さくすることにより、通常発電への移行動作の安定化と過剰発電の抑制が可能となる。
すなわち、燃料電池20のIV特性は、極低温時(例えば、−20℃〜−40℃)には、例えば図5に示すような特性を有する一方で、常温時には図6の実線で示すような特性を有するといったように、燃料電池20の温度によって変化する。したがって、同じ矩形パターンで出力(掃引電流)を取り出すと、燃料電池20の温度が上昇した場合には、出力過剰となり、燃料電池システムで電力を消費しきれなくなる虞が生ずる。
そこで、本実施形態では、燃料電池20が昇温するに従って、矩形パターン(掃引電流値の上下動)の変動幅を次第に小さくしていく。すなわち、極低温時には大きな振幅により高い発熱量を得て、温度がある程度上昇した低温時(例えば、−5℃〜0℃)には振幅を下げて発熱量を中程度とする。そして、常温時には、掃引電流値を一定とすることで発熱量を低く抑える。
このような傾向を対応付けたマップは、例えば制御部50に予め記憶されている。図7は、同マップの一例(符号M1)であり、燃料電池20の温度が上昇するほど矩形波の振動幅が小さくなる対応付けがなされている。制御部50は、マップM1を読み出して現在の燃料電池20の温度に対応した掃引電流値の振幅幅を決定し、図4の掃引電流波形の振幅幅を変化させる。さらに、制御部50は燃料電池20の昇温速度(単位時間当たりの昇温率)を導出し、目標昇温速度よりも昇温速度が遅い場合には振幅を増加させ、発熱量を増やす。
次に、図8に示すフローチャートの処理内容について説明する。まず、発電を開始(ステップST1)した後、燃料電池20が暖気完了温度(例えば0℃)以上であるか否かを判定する(ステップST2)。この判定は、上記実施形態と同様に温度センサT1を用いて行うことができる。暖気運転が不要(ステップST2:YES)であれば、以降の処理をスキップして通常発電を開始し、暖機運転が必要(ステップST2:NO)であれば、ステップST3以降の処理を行う。
ステップST3では、電流掃引方法を決定する。すなわち、制御部50が前記測定された燃料電池20の温度に応じた矩形波振幅幅をマップM1から読み出し、掃引パターン(振幅)を決定する。
次いで、負荷調整機(不図示)にて燃料電池20から出力を取り出す(ステップST4)。負荷調整機としては、例えばスイッチング回路による掃引電流値のチョッパー制御が可能な構成を採用することができるが、これに限定されるものではない。例えば、DC−DCコンバータ53を介した二次電池54への充電量を制御することによって、燃料電池20の出力電圧の振幅を例えば図7のマップに示すが如く制御することにより、間接的に掃引電流値を制御する構成の採用も可能である。
しかる後、温度センサT1により燃料電池20の温度を計測し(ステップST5)、燃料電池20の温度が上記暖気完了温度以上であるか否かを判定する(ステップST6)。その判定の結果、さらに暖気運転を続ける必要があれば(ステップST6:NO)、上記ステップST3以降の処理を繰返す。一方、燃料電池20の温度が所定温度以上となって暖機運転が完了したと判定されれば(ステップST6:YES)、通常発電を開始する。
以上のように、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果の他、掃引電流値の上下動を繰返す、言い換えれば、低電圧と高電圧とを交互に繰り返し出力することにより、発熱と発電との両立を図ることができる。したがって、燃料電池20ひいてはシステム全体を昇温させつつ、システム(補機類)の作動電圧を得ることができる。
さらに、上下動の振幅を燃料電池20の温度または昇温速度に基づいて変化させることにより、燃料電池20の昇温速度を調節することが可能になっているので、低温起動時(暖機運転開始時)には、速やかな昇温を実現することができる一方で、低温起動完了時(暖機運転完了時)には、掃引電流値の振幅を小さくして、安定した状態で通常発電に移行することができる。
本発明の一実施形態として示した燃料電池システムについて示した構成図である。 システム起動時の掃引電流値の制御フローについて示した図である。 同制御フローにおける掃引電流パターンの一実施例を示す図である。 (a)は、本発明の他の実施形態におけるシステム起動時の掃引電流パターンを示した図であり、また、(b)は同掃引電流パターンに対応する燃料電池の温度上昇傾向を示した図である。 極低温時のIV特性を示した図である。 常温時のIV特性を示した図である。 制御部が備える燃料電池温度と矩形波振動幅との対応を示したマップである。 システム起動時の掃引電流値の制御フローについて示した図である。 従来の掃引電流値の制御について示した図である。
符号の説明
20…燃料電池、50…制御部、71…空気供給路、72…排気路、74…燃料供給路、75…水素循環路、A3…コンプレッサ、A4…圧力調整弁、H9…水素調圧弁、H21,H22,H100…遮断弁、H51…排気制御弁、H52…逆止弁、T1…温度センサ

Claims (14)

  1. ガス供給を受けて発電する燃料電池と、該燃料電池から給電先への掃引電流を制御する制御部とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、システム起動時における該システム内の温度が所定温度以下であった場合には、前記システム内の温度が前記所定温度以上になるまで、掃引電流値を絶えず増加させることを特徴とする燃料電池システム。
  2. ガス供給を受けて発電する燃料電池と、該燃料電池から給電先への掃引電流を制御する制御部とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記制御部は、システム起動時に掃引電流値を上下動させることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記掃引電流値の上下動を交互に繰り返し行うことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記上下動の振幅を前記燃料電池の温度または昇温速度に基づいて変化させることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御部は、システム起動時における該システム内の温度が所定温度以下であった場合に、前記システム内の温度が前記所定温度以上になるまで、前記掃引電流値を上下動させることを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の燃料電池システム。
  6. 前記システム内の温度が、前記燃料電池、該燃料電池に連通する流体配管、及び該流体配管への設置物のうち少なくとも1つであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の燃料電池システム。
  7. 前記所定温度は、所定の凍結温度であることを特徴とする請求項1、5及び6のいずれかに記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御部は、前記掃引電流値を連続的に変化させている間に前記燃料電池の出力低下を検知した場合には、前記掃引電流値の変化量をそれまでよりも増やすことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池システム。
  9. 前記制御部は、前記掃引電流値を燃料電池起動後の通常発電時の許容変化量に対して低い変化量で制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  10. ガス供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの起動方法において、
    システム起動時における該システム内の温度が所定温度以下であった場合には、該システム内の温度が前記所定温度以上になるまで、掃引電流値を絶えず増加させることを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
  11. ガス供給を受けて発電する燃料電池を備えた燃料電池システムの起動方法において、
    システム起動時に掃引電流値を上下動させることを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
  12. 前記掃引電流値の上下動を交互に繰り返し行うことを特徴とする請求項11に記載の燃料電池システムの起動方法。
  13. 前記上下動の振幅を前記燃料電池の温度または昇温速度に基づいて変化させることを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムの起動方法。
  14. システム起動時における該システム内の温度が所定温度以下であった場合には、該システム内の温度が前記所定温度以上になるまで、前記掃引電流値を上下動させることを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の燃料電池システムの起動方法。

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