JP4682572B2 - 燃料電池の発電量制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の発電量制御装置に関する。
燃料電池は、水素ガスなどの燃料ガスと酸素を有する酸化剤ガスとを電解質を介して電気化学的に反応させ、電解質両面に設けた電極間から電気エネルギを直接取り出すものである。特に固体高分子電解質を用いた固体高分子型燃料電池は、動作温度が低く、取り扱いが容易なことから電動車両用の電源として注目されている。すなわち、燃料電池車両は、高圧水素タンク、液体水素タンク、水素吸蔵合金タンクなどの水素貯蔵装置を車両に搭載し、そこから供給される水素と、酸素を含む空気とを燃料電池に送り込んで反応させ、燃料電池から取り出した電気エネルギで駆動輪につながるモータを駆動するものであり、排出物質は水だけであるという究極のクリーン車両である。
燃料電池を車両駆動用電源として用いる場合に留意すべき点として、アイドリング状態から全開加速時まで負荷変動が大きく、かつ負荷変動速度が高いことである。通常、燃料電池に供給する燃料ガス及び酸化剤ガスは、燃料電池の出力電流に見合う質量流量以上を供給し、燃料電池スタック内のいずれの領域にも反応ガス不足を生じさせないように供給する。このとき、出力電流から換算される反応ガスの質量流量に対する供給質量流量をガス過剰率、又はストイキ比(SR)と呼んでいる。但し、ストイキ比を高めすぎると、酸化剤ガスとして空気を供給する圧縮機等で消費する電力が増大し、燃料電池の燃費性能が低下するので好ましくない。
燃料電池の負荷が急速に立ち上がり、燃料電池に供給される反応ガスが不足すると、電流が燃料電池スタックの一部領域に集中して局部的な温度上昇を生じたり、出力電圧の降下という不具合を生じる。
このような不具合が発生するのを防止する従来技術として、特許文献1記載の技術が挙げられる。この技術は、燃料電池に接続される負荷が大きくなって出力電流が急増するときに、ガス供給量の過剰分に見合う量以上増加しないように出力電流値を制限し、その後、その出力電流値に基づいて定められた燃料ガス量および酸化剤ガス量だけガス量の供給を行うものである。
特開平10−326625号公報(第7頁、図5)
しかしながら、上記従来技術においては、燃料ガスや酸化剤ガスの供給可能な応答でしか電流取り出しを行わないため、目標出力よりも反応ガス供給の応答分だけ遅れた出力しか発生することができないという問題点があった。
上記問題点を解決するために、本発明は、燃料電池の目標出力を演算する目標出力演算手段と、該目標出力演算手段が演算した目標出力に基づいて前記燃料電池から出力取出しを行う出力制御手段と、前記燃料電池へ供給する反応ガス制御を行うための出力パラメータを演算するガス制御用出力パラメータ演算手段と、該ガス制御用出力パラメータ演算手段が演算した前記出力パラメータに基づいて反応ガスの動作点を制御するガス制御手段と、を備えた燃料電池の発電量制御装置であって、前記ガス制御用出力パラメータ演算手段は、ドライバのアクセル操作量の増加時に、アクセル操作量と時間的に同期した前記出力パラメータを演算し、前記目標出力演算手段は、前記アクセル操作量に対して所望の遅延特性を有する前記目標出力を演算する手段であることを要旨とする。
本発明によれば、ドライバのアクセル操作量の増加時に、アクセル操作量と時間的に同期した出力パラメータを演算し、この出力パラメータにより反応ガスの供給を制御する一方、アクセル操作量に対して所望の遅延特性を有する目標出力を演算し、この目標出力に基づいて燃料電池から出力を取り出すので、反応ガス供給不足を生じることなく、要求通りの出力を取り出すことができるという効果がある。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1、2は、本発明に係る燃料電池の発電量制御装置の基本構成を示すブロック図である
図1において、燃料電池の発電量制御装置は、燃料電池の運転状態を検出する運転状態検出手段105と、運転状態検出手段105の出力に基づいてガス系の遅れを推定するガス系遅れ推定手段106と、ガス系遅れ推定手段106の出力に基づいてガス制御用出力パラメータを演算するガス制御用出力パラメータ演算手段101と、ガス制御用出力パラメータ演算手段101の出力パラメータに基づいて反応ガスの圧力及び又は流量制御を行うガス制御手段103と、ガス制御用出力パラメータ演算手段101の出力パラメータに対して時間的に遅れた燃料電池の目標出力を演算する目標出力演算手段102と、目標出力演算手段102の出力に基づいて燃料電池から実際の出力を取り出す出力制御手段104とを備えている。
ここで、図1の場合は、目標出力演算手段102はガス制御用出力パラメータ演算手段101の出力に対して時間的に遅れた出力を演算する手段である。
図2において、燃料電池の発電量制御装置は、燃料電池の運転状態を検出する運転状態検出手段105と、運転状態検出手段105の出力に基づいてガス系の遅れを推定するガス系遅れ推定手段106と、燃料電池の目標出力を演算する目標出力演算手段102と、目標出力演算手段102の出力に基づいて燃料電池から実際の出力を取り出す出力制御手段104と、ガス系遅れ推定手段106の出力と目標出力演算手段102の出力とに基づいてガス制御用出力パラメータを演算するガス制御用出力パラメータ演算手段101と、ガス制御用出力パラメータ演算手段101の出力パラメータに基づいて反応ガスの圧力及び又は流量制御を行うガス制御手段103とを備えている。
ここで、図2の場合は、ガス制御用出力パラメータ演算手段101は目標出力演算手段102の出力に対して時間的に進んだ出力を演算する手段である。
図3は、本発明に係る発電量制御装置が適用される燃料電池システムの例を示すシステム構成図である。図3において、燃料電池1は、燃料電池本体または燃料電池スタックと呼ばれるものであり、アノード1aに水素ガスが、カソード1bに空気が供給され、以下に示す電気化学反応により直流電力が発電される。
〔化1〕
アノード(水素極):H2 → 2H+ + 2e- …(1)
カソード(酸素極):2H+ + 2e- +(1/2)O2 → H2O …(2)
燃料電池全体 :H2 +(1/2)O2 → H2O …(3)
アノード1aへの水素供給は、水素タンク2から水素タンク元弁3、減圧弁4、水素供給弁5を通じてなされる。水素タンク2から供給される高圧水素は、減圧弁4で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素供給弁5で燃料電池での水素圧力が所望の水素圧に制御される。
エゼクタ又はポンプ等を用いた水素循環装置7は、アノード1a出口から排出される未反応の水素をアノード1a入口へ再循環させるために設置する。アノード1aの水素圧は、コントローラ30が圧力センサ6aで検出した水素圧力をフィードバックして水素供給弁5を駆動することによって制御される。水素圧を所望の目標圧力に制御することによって、燃料電池1が消費した分だけの水素が自動的に補われる。
燃料電池1のアノード1aから排水素処理装置9へアノードオフガスを排出するパージ弁8は、次に示す3つの役割を果たす。
(a)水素循環機能を確保するために、水素系内に蓄積した窒素を排出する。
(b)セル電圧を回復させるために、ガス流路に詰まった水詰まりを吹き飛ばす。
(c)起動時に水素系を水素で充填するために水素系内のガス(空気)を排出する。
排水素処理装置9は、パージ弁8から排出される水素を可燃濃度未満の水素濃度になるように空気で希釈して車外へ排出するか、あるいは水素と空気とを燃焼触媒で反応させて燃焼させることで排出水素濃度を下げる。
カソード1bへの空気はコンプレッサ10により供給される。コンプレッサ10で圧縮された空気は、加湿装置11で加湿された後に、カソード1bへ供給される。カソード1bの空気圧は、コントローラ30が圧力センサ6bで検出した空気圧力をフィードバックして空気調圧弁12を駆動することによって制御される。
燃料電池1の内部に設けられた冷却水流路1cへの冷却水は、冷却水ポンプ13により供給される。三方弁16は、冷却水の流路をラジエタ17方向とラジエタバイパス方向に切り替えや分流する。ラジエタファン18は、ラジエタ17へ風を通過させて冷却水を冷やす。冷却水の温度は、温度センサ14によって燃料電池入口の温度を、温度センサ15によって燃料電池出口の温度を検出し、これらに基づいてコントローラ30が三方弁16とラジエタファン18を駆動することによって調整する。
出力取出し装置20は、燃料電池1から出力(電流あるいは電力)を取り出して車両を駆動するモータ(図示しない)へ供給する。
コントローラ30は、各種センサ値を読み込み、内蔵されたソフトウェアによって各アクチュエータを駆動して、燃料電池システムの発電制御を行う。
次に、図4及び図5を参照して、本発明の作用効果の説明を補足する。図4は、本発明を適用しない場合の(a)燃料電池出力電流、(b)ガス制御用出力パラメータ、(c)ガス圧力またはガス流量の時間変化例を示すタイムチャートである。
例えば車両制御コンピュータから燃料電池に対する出力目標値が図4(a)に示すように立ち上がった場合に、図4(b)のガス制御用出力パラメータも出力目標値と同様に立ち上がり、ガス圧力及び又は流量がこのガス制御用出力パラメータに基づいて決められると圧力、流量の目標値は、図4(c)の破線のようになる。
ここで、ガス系には、ガス供給配管及び燃料電池内ガス供給路の容積、その時のガス圧力、ガス温度、大気圧、及びスタック冷却水温度によって決まる遅れや、水素供給弁5、水素循環装置7,及びコンプレッサ10等の応答遅れが存在するため、実際のガス圧力、ガス流量は目標値に対して遅れ、図4(c)の実線のようになる。
図4(a)のように目標値の通りの出力を取り出すと、ハッチング部分がストイキ比に余裕がない状態で出力を取り出していることになり、これを繰り返すとスタック劣化を生じさせることになる。また、この劣化を生じさせないためには、ガスの圧力、流量の達成値に応じた図4(a)中の破線の上限出力でしか出力を取り出すことができず、この場合は目標出力に対して出力が未達となってしまう。
図5は、本発明を適用した場合の(a)燃料電池出力電流、(b)ガス制御用出力パラメータ、(c)ガス圧力またはガス流量の時間変化例を示すタイムチャートである。
例えば車両制御コンピュータから燃料電池に対する出力目標値が図5(a)に示すように立ち上がった場合に、ガス制御用出力パラメータは目標出力よりも時間的に進んだ図5(b)のように演算し、ガスの圧力、流量がこのガス制御用出力パラメータに基づいて決めることにする。すると圧力、流量の目標値は図5(c)の破線のようになる。
ここで、ガス系には、ガス供給配管及び燃料電池内ガス供給路の容積、その時のガス圧力、ガス温度、大気圧、スタック冷却水温度によって決まる遅れや、水素供給弁5、水素循環装置7,及びコンプレッサ10等の応答遅れが存在するため、実際のガス圧力、ガス流量は目標値に対して遅れ、図5(c)の実線のようになる。しかし本発明の場合は、ガス圧力、流量の目標値を決めるガス制御用出力パラメータが目標出力よりも時間的に進んでいるため、実際のガス圧力、流量の変化は目標出力に対して遅れることはなく、図5(a)のように、ストイキ不足を生じることなく目標出力の通りに燃料電池から出力電流を取り出すことができるという効果がある。
次に、図6、図7、図8のフローチャートを参照して、本発明に係る燃料電池の発電量制御装置の実施例1を説明する。本実施例が適用される燃料電池システムの構成例は、図3で説明した燃料電池システムである。
図6は、本実施例におけるゼネラルフローチャートであり、所定時間毎(例えば10[ms]毎)に、図3のコントローラ30により実行されるものとする。
図6において、まずステップ601では、燃料電池システムの目標出力を演算し、ステップ602ではガス制御を行うためのガス制御用出力パラメータを演算する。ステップ603ではステップ602で演算したパラメータに基づいてガスの圧力、流量の制御を行い、ステップ604ではステップ601で演算した結果に基づいて燃料電池から出力を取り出す制御を行い、終了する。
図7は、図6のステップ601における目標出力演算手続きの詳細内容を説明するフローチャートである。図7のステップ701では、車両のアクセル操作量Acを検出し、ステップ702ではステップ701での検出結果に基づいて、目標出力マップ等を用いてアクセル操作量Acに対応する定常目標出力Psを演算する。ステップ703では、ステップ702での演算結果を用いて、車両で実際に要求される目標出力Pvを式(4)により演算して、終了する。
〔数1〕
Pv=dly(Ps,Tp) …(4)
ここでdly(x,y)は所定の遅れ補正演算を行う演算子であり、xをyだけ遅らせることを意味する。ここでの遅れ補正値yによる補正とは、時定数による1次遅れ演算でもよいし、図13に示すような、立ち上がり時間を変更する演算でもよい。また、ここでのTpは、アクセル操作量に対して実際の車両出力をどれだけ遅らせる味付けをするかを示す「遅れパラメータ」であり、車両の使用環境や車両に付与する性格等により、適宜決められるものである。
この車両駆動制御に必要な「遅れパラメータ」を燃料電池のガス制御にも利用することにより、簡単な制御演算でストイキ不足を防止することができるという効果がある。
図8は、図6のステップ602におけるガス制御用出力パラメータ演算手続きの詳細内容を説明するフローチャートである。図8のステップ801では、ガス圧力、ガス温度、大気圧、スタック冷却水温度の少なくとも1つの燃料電池運転状態パラメータを検出する。ステップ802では、ステップ801での検出値に基づいてガス系の応答遅れのパラメータTgを推定する。ステップ803では、遅れ演算子dly(x,y)を用いて、ガス制御用の出力パラメータPgを式(5)により演算して、終了する。
〔数2〕
Pg=dly(Ps,Tp−Tg) …(5)
ここで、検出した各燃料電池運転状態パラメータとガス系の応答遅れの関係は、図15乃至図18に示すような傾向の関係がある。
図15は、大気圧とガス圧力応答性の関係を表す図である。大気圧がければい程ガス圧力応答性は低く(遅く)なる。
図16は、冷却水温度とガス圧力応答性の関係を表す図である。冷却水温度が高ければ高い程、ガス圧力応答性は高く(早く)なる。
図17は、冷却水温度とガス流量応答性の関係を表す図である。冷却水温度が高ければ高い程、ガス流量の応答性は、低く(遅く)なる。
図18は、大気圧とガス流量応答性の関係を表す図である。大気圧が高ければ高い程ガス流量応答性は高く(早く)なる。
図15乃至図18で説明したように、各燃料電池運転状態パラメータとガス系の応答遅れの関係があるため、各パラメータから求めた応答遅れの値およびアクチュエータの遅れ特性などを用いて、そのときのガス系全体の応答遅れを演算する。この演算は、例えば各パラメータに対する遅れデータをあらかじめ机上検討あるいは実験により求めておき、それぞれの遅れの値を「加える」あるいは「掛ける」などによって求めることができる。
このように、本実施例においては、ガス圧力、ガス温度、大気圧、スタック冷却水温度の少なくとも1つの燃料電池の運転状態に基づいてガス系の遅れを推定し、このガス系の遅れ分だけ「目標出力」を時間的に進めた信号を「ガス制御用出力パラメータ」とすることにより、車両の駆動力として要求される目標出力のみに基づいて、ストイキ不足を防止することができるとともに、必要以上にガス利用率低下となるような運転を防止してシステム効率を向上することができる。
次に、本発明に係る燃料電池の発電量制御装置の実施例2を説明する。本実施例が適用される燃料電池システムの構成例は、実施例1と同様に、図3で説明した燃料電池システムであるので、重複する説明を省略する。
実施例2における燃料電池の発電量制御装置による制御内容を図6、図9、図10のフローチャートを参照して説明する。本実施例は、実施例1とは異なり、ドライバのアクセル操作量などのパラメータは存在せず、直接的に目標出力が生成される場合の例である。ただし、アクセル操作量のパラメータが存在する車両での燃料電池発電システムの制御に適用しても何ら問題なく実現は可能である。
図6のゼネラルフローチャートは実施例1と同様なので、図9と図10についてのみ説明する。図9には、図6のステップ601における目標出力演算での手続きの内容を示す。図9のステップ901で、燃料電池発電システムで発電する目標出力Pvを演算し、終了する。
図10には、図6のステップ602におけるガス制御用出力パラメータ演算での手続きの内容を示す。図10のステップ1001では、ガス圧力、ガス温度、大気圧、スタック冷却水温度の少なくとも1つの燃料電池運転状態パラメータを検出する。ステップ1002では、ステップ1001での検出値に基づいてガス系の応答遅れのパラメータTgを推定する。ステップ1003では、PvとTgとを用いてガス制御用の出力パラメータPgを式(6)により演算して、終了する。
〔数3〕
Pg=fwd(Pv,Tg) …(6)
ここでfwd(a,b)は所定の進み補正を行う演算子であり、aをbだけ進めることを意味する。ここでの進み補正値bによる補正とは、時定数による1次の進み演算でもよいし、図14に示すような、立ち上がり時間を変更する演算でもよい。
本実施例2によれば、「目標出力」に対して、あらゆる運転条件でのガスの最大遅れ分だけ進んだ信号を「ガス制御用出力パラメータ」として演算することにより、発電システムの運転状態にかかわらず、常に反応ガスのストイキ不足を防止することができるという効果がある。
次に、本発明に係る燃料電池の発電量制御装置の実施例3を説明する。本実施例が適用される燃料電池システムの構成例は、実施例1と同様に、図3で説明した燃料電池システムである。
実施例3における燃料電池の発電量制御装置による制御内容を図6、図11、図12のフローチャートを参照して説明する。
本実施例は、燃料電池システムを搭載した車両などにおいて、補機負荷で消費される分も含めた総出力を実現する場合の実施例である。
図6のゼネラルフローチャートは、実施例1と同様なので、図11と図12についてのみ説明する。
図11には、図6のステップ601における目標出力演算での手続きの内容を示す。図11のステップ1101では車両のアクセル操作量Acを検出し、ステップ1102ではステップ1101での検出結果に基づいて、目標出力マップ等を用いて補機負荷消費分を除いた定常Net目標出力Ps_netを演算する。
ステップ1103では、ステップ1102での演算結果を用いて、車両で実際に要求される車両目標Net出力Pv_netを、遅れ演算子dly(x,y)を用いて式(7)により演算する。
〔数4〕
Pv_net=dly(Ps_net,Tp) …(7)
ステップ1104ではその時の出力を実現するために定常的に必要な補機消費電力Pa_sを演算し、ステップ1105では、動的な補機消費電力Pa_dを演算する。
ここで、動的補機消費電力Pa_dは、各補機の電圧と電流から演算した補機消費電力や、ポンプやコンプレッサーなどであれば回転数とトルクと損失マップデータに基づいて推定した消費電力の総和を演算するものである。ステップ1106では、目標出力Pvを式(8)で演算して終了する。
〔数5〕
Pv=Pv_net+Ps_d …(8)
図12には、図6のステップ602におけるガス制御用出力パラメータ演算での手続きの内容を示す。図12のステップ1201では、ガス圧力、ガス温度、大気圧、スタック冷却水温度の少なくとも1つの燃料電池運転状態パラメータを検出する。ステップ1202では、ステップ1201での検出値に基づいてガス系の応答遅れのパラメータTgを推定する。ステップ1203では、遅れ演算子dly(x,y)を用いてガス制御用の出力パラメータPgを式(9)により演算し、終了する。ここで、Thは補機負荷消費電力の応答遅れ時間を表すパラメータであり、あらかじめ実験等により確認しておくものである。
〔数6〕
Pg=dly(Ps_net,Tp−Tg)+dly(Pa_s,Th−Tg)
…(9)
本実施例では、ガス系の遅れは、ガス圧力、ガス温度、大気圧、スタック冷却水温度の少なくとも1つのパラメータを検出して、時々刻々と推定するものとしたが、これは、すべての運転条件を込みで最大の遅れ時間をあらかじめ実験等により調べておき、その遅れに基づいて常時制御を行う構成としてもよい。
また、進み補償を行う場合に、1次の進み補償はそのままではインプロパーで実現できないため、実現する場合には時定数の小さいローパスフィルタと組み合わせて実現することは言うまでもない。
本発明に係る燃料電池の発電量制御装置の要部構成図である。 本発明に係る燃料電池の発電量制御装置の要部構成図である。 本発明に係る燃料電池の発電量制御装置が適用される燃料電池システムの例を示すシステム構成図である。 本発明を適用しない場合の過渡発電の様子を説明するタイムチャートであり、(a)燃料電池の出力電流、(b)ガス制御用出力パラメータ、(c)ガス圧力または流量をそれぞれ示す。 本発明を適用した場合の過渡発電の様子を説明するタイムチャートであり、(a)燃料電池の出力電流、(b)ガス制御用出力パラメータ、(c)ガス圧力または流量をそれぞれ示す。 実施例1のゼネラルフローチャートである。 実施例1の目標出力演算の手続きを表わすフローチャートである。 実施例1のガス制御用出力パラメータ演算の手続きを表わすフローチャートである。 実施例2の目標出力演算の手続きを表わすフローチャートである。 実施例2のガス制御用出力パラメータ演算の手続きを表わすフローチャートである。 実施例3の目標出力演算の手続きを表わすフローチャートである。 実施例3のガス制御用出力パラメータ演算の手続きを表わすフローチャートである。 遅れ補正演算の考え方を説明する図である。 進み補正演算の考え方を説明する図である。 大気圧とガス圧力応答性の関係を表す図である。 冷却水温度とガス圧力応答性の関係を表す図である。 冷却水温度とガス流量応答性の関係を表す図である。 大気圧とガス流量応答性の関係を表す図である。
符号の説明
101…ガス制御用出力パラメータ演算手段
102…目標出力演算手段
103…ガス制御手段
104…出力制御手段
105…運転状態検出手段
106…ガス系遅れ推定手段

Claims (4)

  1. 燃料電池の目標出力を演算する目標出力演算手段と、
    該目標出力演算手段が演算した目標出力に基づいて前記燃料電池から出力取出しを行う出力制御手段と、
    前記燃料電池へ供給する反応ガス制御を行うための出力パラメータを演算するガス制御用出力パラメータ演算手段と、
    該ガス制御用出力パラメータ演算手段が演算した前記出力パラメータに基づいて反応ガスの動作点を制御するガス制御手段と、
    を備えた燃料電池の発電量制御装置であって、
    前記ガス制御用出力パラメータ演算手段は、ドライバのアクセル操作量の増加時に、アクセル操作量と時間的に同期した前記出力パラメータを演算し、
    前記目標出力演算手段は、前記アクセル操作量に対して所望の遅延特性を有する前記目標出力を演算することを特徴とする燃料電池の発電量制御装置。
  2. 前記ガス制御用出力パラメータ演算手段は、前記アクセル操作量に対する反応ガス供給の応答遅れの全運転条件での最大値分だけ、前記目標出力演算手段での演算結果よりも進んだ信号を演算することを特徴とする請求項に記載の燃料電池の発電量制御装置。
  3. 燃料電池へ供給する反応ガスの圧力、同反応ガスの温度、大気圧、燃料電池冷却水温度の少なくとも1つを検出する運転状態検出手段と、
    前記運転状態検出手段の出力に基づいてガス系の遅れを推定するガス系遅れ推定手段と、を備え、
    前記ガス制御用出力パラメータ演算手段は、前記所望の遅延特性を示す遅れパラメータと、前記ガス系遅れ推定手段の出力とに基づいて、前記出力パラメータを演算することを特徴とする請求項に記載の燃料電池の発電量制御装置。
  4. 前記ガス制御用出力パラメータ演算手段は、前記目標出力演算手段の演算値を前記ガス系遅れ推定手段で演算した遅れ分だけ、時間的に進めた信号を演算することを特徴とする請求項に記載の燃料電池の発電量制御装置。
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