JP2007234311A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】コンプレッサ駆動用モータのトルク−回転数の制限による空気流量不足をモータの大型化を伴うことなく解消して、出力性能を高い状態に維持し得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】水素(燃料ガス)および空気(酸化剤ガス)の供給により発電を行う燃料電池本体1と、燃料電池本体1に水素を供給する水素系(燃料ガス供給手段)と、燃料電池本体1の発電電力を用いて駆動するコンプレッサモータと、該コンプレッサモータにより駆動する空気コンプレッサ11と、を備え、燃料電池本体1に空気を供給する空気系(酸化剤ガス供給手段)と、を有する燃料電池システムにおいて、コントローラ(制御手段)43により、コンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定する。
【選択図】図1

Description

本発明は燃料電池システムに係り、特に、コンプレッサ駆動用モータのトルク−回転数の制限による空気流量不足をモータの大型化を伴うことなく解消して、出力性能を高い状態に維持し得る燃料電池システムに関する。
燃料電池システムは、燃料電池の燃料極に燃料ガスとして水素を供給し、燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスとして空気を供給し、これら水素と空気中の酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得るものである。このような燃料電池システムは、例えば自動車の動力源等として実用化に大きな期待が寄せられており、現在、実用化に向けての研究開発が盛んに行われている。
燃料電池システムに用いられる燃料電池としては。例えば自動車に搭載する上で好適なものとして、固体高分子タイプの燃料電池が知られている。固体高分子タイプの燃料電池は、燃料極と酸化剤極との間に電解質膜として固体高分子膜が設けられたものである。この固体高分子タイプの燃料電池では、固体高分子膜がイオン伝導体として機能し、燃料極で水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、酸化剤極で空気中の酸素と水素イオンと電子とから水を生成する反応が行われる。
このような燃料電池システムにおいては、燃料電池自体の出力性能は、運転圧力を高くするほど向上するが、空気コンプレッサの駆動損失も大きくなってしまう。つまり、燃料電池システム全体として見た場合には、空気の供給圧力を高くすると、逆に燃料電池システム全体としてのエネルギー効率は低くなる。
そこで、例えば、特開平8−45525号公報に開示の「燃料電池の制御装置」では、燃料電池に加圧空気を供給するコンプレッサと、加圧空気の供給状態を制御するコンプレッサ制御手段と、燃料電池の出力状態を検出する出力状態検出手段と、を備えて、燃料電池の出力状態に応じてコンプレッサ制御手段により燃料電池への加圧空気の供給状態を制御し、燃料電池の出力を制御することとして、供給圧力を高くした方が全体としてのエネルギー効率が向上する領域では、空気の供給圧力を高くして燃料電池の高い出力特性によるエネルギー効率の改善を図り、その領域までの比較的低い出力状態では、空気の供給圧力を低くしてコンプレッサの駆動損失を低減することによってエネルギー効率の低下を防止するようにしている。
特開平8−45525号公報
上述した特許文献1に開示された技術のように、従来技術においては、燃料電池システムの運転圧力は、燃料電池本体のグロス出力、並びに、補機類(特に、消費電力の大きい空気供給系のコンプレッサ駆動用モータ)の消費電力に基づき、ネット出力とネット効率が最大となるように決定されるのが一般的である。
しかしながら、外気温度や外気圧力が変化した場合には、燃料電池本体の運転点が同じでも、吐出圧力比や体積流量が変化するため、コンプレッサ駆動用モータのトルクと回転数の必要量は変化する。そして、場合によっては、コンプレッサ駆動用モータのトルク−回転数の制限(一般的に、モータには駆動できるトルクと回転数に上限がある)により、所定圧力のまま燃料電池が必要とする空気流量を供給することができず、燃料電池システムから出力を取り出すことができなくなるという事情があった。
このモータのトルク−回転数の制限による空気流量不足の問題は、コンプレッサ駆動用モータを大型化すれば解決するが、特に車載用燃料電池システムの場合には、コンプレッサ駆動用モータの小型化要求があり、この大型化の解決手法は採用できない。また、燃料電池の出力を絞ると車両の動力性能へ影響が出てしまうという事情もある。
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであって、コンプレッサ駆動用モータのトルク−回転数の制限による空気流量不足をモータの大型化を伴うことなく解消して、出力性能を高い状態に維持し得る燃料電池システムを提供することを目的としている。
上記目的を解決するため、本発明は、燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、前記燃料電池の発電電力を用いて駆動するコンプレッサモータと、該コンプレッサモータにより駆動されるコンプレッサを備えた前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
前記コンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、外気温度や外気圧力等によって常に変化するコンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定するので、コンプレッサモータの回転数およびトルクの限界性能ギリギリまでの使用が可能となり、出力性能を高い状態に維持し得る燃料電池システムを実現することができる。
以下、本発明の燃料電池システムの実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成図である。本実施例の燃料電池システムは、例えば燃料電池車両の駆動動力源として用いられるものである。
本実施例の燃料電池システムの概略的構成は、図1に示すように、燃料ガス(水素)および酸化剤ガス(空気)の供給により発電を行う燃料電池本体1を備える。なお、燃料電池本体1の単位セルの概念図を図2に示す。
また、空気系(酸化剤ガス供給手段)として、(コンプレッサモータを備える)空気コンプレッサ11、空気供給経路12、空気系加湿装置13、空気排気経路14、空気調圧弁15および空気圧力計16を備え、水素系(燃料ガス供給手段)として、高圧水素タンク21、水素供給経路22、水素調圧弁23、水素循環ポンプ24、水素系加湿装置25、水素循環経路26、水素排気経路27、水素排出弁28および水素圧力計29を備え、冷却水系として、冷却水ポンプ31、冷却水循環経路32、熱交換器33および冷却水温度計34を備えている。また、負荷系として、負荷装置40、電圧計41および電流計42を備え、さらに制御系として、水素系、空気系、冷却水系および負荷系の各種計器や他の各種計器からの検知信号に基づき水素系、空気系、冷却水系および負荷系の各構成要素の制御を行うコントローラ43を備えた構成である。
次に、燃料電池本体1および各系について詳しく説明する。まず、燃料電池本体1は、酸化剤ガスである空気が供給される酸化剤極1aと燃料ガスである水素が供給される燃料極1bとが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されると共に、図2に示すような構成の燃料電池単セル100を複数枚積層したものから成っており、燃料電池本体1の外部の水素系から供給された燃料ガス(水素)と空気系から供給された酸化剤ガス(空気)とが、それぞれ燃料ガス流路109と酸化剤ガス流路110とに供給され、電気化学反応により発電する。
図2において、燃料電池単セル100は、例えば、固体高分子型電解質膜を用いた電解質膜102の両面に燃料極触媒層103および酸化剤極触媒層104をそれぞれ形成した膜電極接合体(MEA)101と、該MEA101の両面にそれぞれ配置された燃料ガス拡散層105および酸化剤ガス拡散層106と、セパレータ107,108とを有し、セパレータ107と燃料ガス拡散層105との間に燃料ガス流路109が、セパレータ108と酸化剤ガス拡散層106との間に酸化剤ガス流路110がそれぞれ設けられた構造を備えている。
次に空気系において、空気コンプレッサ11によって圧縮された空気は、空気供給経路12を介して空気系加湿装置13に送られ、加湿された後、燃料電池本体1の酸化剤極1aに送られる。なお、空気コンプレッサ11は、燃料電池本体1からの電力供給により回転駆動するコンプレッサモータ10によって駆動されている。空気系では、燃料電池本体1内の電気化学反応で酸素が消費された後、空気排気経路14を通り、空気調圧弁15で圧力が調整されてシステム外へ排気される。酸化剤極1aに供給される空気の圧力は、酸化剤極1aの入口に設けられた空気圧力計16により検出されており、この圧力が所望の圧力となるように、コントローラ43によって空気圧調整弁15が制御される。なお、空気系加湿装置13は、排気中の水分を利用する水蒸気交換膜を用いたものや、外部から純水を供給するものなどを用いることができる。
次に水素系において、高圧水素タンク21によって供給された水素は、水素供給経路22を通り、水素調圧弁23で所望の圧力に調圧され、水素循環装置24により循環している排水素と合流した後、水素系加湿装置25で加湿されて、燃料電池本体1の燃料極1bに送られる。燃料極1bに供給される水素の圧力は、燃料極1bの入口に設けられた水素圧力計29で検出されており、この圧力が所望の圧力となるように、コントローラ43によって水素調圧弁23が制御される。また、燃料電池本体1内の電気化学反応で水素が消費された後、余分に供給された水素は、水素循環経路26を通り、水素循環装置24により再び発電に利用される。
また、水素系には、運転中に酸化剤極1aから燃料極1bに透過してくる窒素や高圧水素タンク21中に含まれる不純物が蓄積してくるため、これらをシステム外部へ排出するための水素排出経路27と水素排出弁28を有している。
本実施例の燃料電池システムでは、燃料電池本体1の発電によって発生した熱を除去し、燃料電池本体1を適温に保つために、冷却水系が設けられている。この冷却水系において、冷却水ポンプ31によって圧送された冷却水は、燃料電池本体1を通り、熱を吸収した後、冷却水循環経路32を通り、熱交換器33でシステム外部へ熱を排熱して、再び冷却水ポンプ31で燃料電池本体1へ圧送される。また、コントローラ43によって冷却水温度計34で冷却水温度をモニタしながら、燃料電池本体1の発電に適正な温度に温度調整される。
次に負荷系において、燃料電池本体1の発電電力を消費する負荷装置40は、本実施例の燃料電池システムが例えば燃料電池車両にて適用される場合には、車両駆動モータに電力を供給するインバータ装置である。燃料電池本体1の発電電圧は、電圧計41で検出され、燃料電池本体1から負荷装置40へ供給される電流は、電流計42により検出される。
さらに制御系において、コントローラ43は、例えばCPUやROM、RAM、周辺インターフェース等を有するマイクロコンピュータとして構成されており、燃料電池本体1を含む燃料電池システム全体を制御する。また、コントローラ43は、空気圧力計16、水素圧力計29、冷却水温度計34、コンプレッサモータの回転数およびトルク情報、電圧計41並びに電流計42の検出信号等に基づいて、燃料電池本体1をあらかじめ設定されている最適な圧力・温度・流量・負荷にするために、コンプレッサモータおよび空気コンプレッサ11、空気調圧弁15、水素調圧弁23、水素排出弁28、冷却水ポンプ31並びに負荷装置40へ制御信号を出力する。
また、コントローラ43は、特許請求の範囲にいう制御手段に該当し、コンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定する機能を持つ。また、燃料電池本体1に要求される負荷電流未満で、コンプレッサモータの回転数およびトルクの限界点に達した場合に、当該燃料電池システムの運転圧力を低下させる(運転圧力制御)と共に、負荷電流を増加させる(負荷電流制御)機能を持つ。なお、これら機能はCPU上で実行されるプログラムの機能的なまとまりとして実現される。
次に、以上の構成を備えた本実施例の燃料電池システムにおける運転制御(運転圧力制御および負荷電流制御)について、図3〜図12を参照しながら説明する。
まず、本実施例の燃料電池システムにおける運転制御を説明する前に。従来、一般的に行われている運転圧力の設定方法について、図3〜図6を参照しながら説明する。ここで、図3は燃料電池システムにおけるグロス出力およびコンプレッサモータ消費電力と運転圧力の関係を説明する説明図であり、図4は燃料電池システムにおけるネット出力(ネット効率)と運転圧力の関係を説明する説明図であり、図5は燃料電池の負荷電流と運転圧力の関係を説明する説明図であり、図6はコンプレッサモータの回転数とコンプレッサモータのトルクの関係を説明する説明図である。
図3に示すように、燃料電池本体1のグロス出力L1は、取り出し電流が一定の場合には、運転圧力が上昇すると向上し、運転圧力が高くなるに従ってその上昇傾きは緩くなる。また、コンプレッサモータが消費する電力L2は、運転圧力が高いほど大きく、運転圧力が高くなるに従ってその上昇傾きは急になる。
また、コンプレッサモータの消費電力は、燃料電池システム全体の補機類の消費電力の殆どを占めるため、燃料電池システムのネット出力および効率は、図4に示すように、ネット出力および効率が大となる方向に凸となる特性曲線(L3)となり、燃料電池システムの運転が効率良く、且つ出力性能が高い状態を保つために、該特性曲線L3が極大となる点(P)を運転点として設定することとなる。なお、燃料電池システムのネット出力は、燃料電池のグロス出力からコンプレッサモータの消費電力を差し引いた値であり、燃料電池システムのネット効率は、燃料電池システムのネット出力を投入エネルギーで割った値である。
そして、燃料電池本体1の各負荷電流毎に運転圧力を設定すると、図5に示すように、燃料電池の負荷電流が大きくなるに従って運転圧力も高くなるような推移となる。
さらに、コンプレッサモータの回転数は燃料電池本体1の負荷の増加と共に増大する空気流量に対応し、コンプレッサモータのトルクは燃料電池本体1の負荷の増加と共に増大するコンプレッサ吐出圧力比(=コンプレッサ出口圧力 / コンプレッサ入口圧力)、即ち燃料電池システムの運転圧力に対応して、図6に示すように、コンプレッサモータの回転数が大きくなるに従ってコンプレッサモータのトルクも高くなる。
次に、以上説明した一般的な運転圧力の設定方法の問題点について、図7および図8を参照しながら説明する。ここで、図7は一般的な電気モータの駆動できるトルクおよび回転数の上限である回転数−トルク限界線を説明する説明図であり、図8はコンプレッサモータの回転数およびトルクと回転数−トルク上限との関係を説明する説明図である。
まず、一般的な電気モータでは、図7に示すように、モータトルクとモータ回転数の積がある上限(回転数−トルク限界線RTL)を超えて運転することはできない。この回転数−トルク限界線RTLを、図6のコンプレッサモータの回転数およびトルクの関係説明図に併せて示すと、図8のようになる。
図8において、通常の運転では、燃料電池本体1の定格電流点Qは、その回転数−トルクの上限RTL以下となるように設定されている。しかしながら、空気コンプレッサ11が吸入する吸入空気温度や吸入空気圧力が変化した場合、つまり外気温度や外気圧力が変化した場合には、燃料電池本体1の運転点が同じでも、コンプレッサモータが必要とするトルクおよび回転数が変化するため、状況によっては、回転数−トルク上限RTLを超えないと運転できない場合(図中Q’)が存在してしまい、所定の圧力のままで燃料電池本体1が必要とする空気流量を供給することができず、燃料電池本体1から出力を取り出すことができなくなってしまう。なお、トルクおよび回転数の変化は、外気温度および外気圧力が上昇すると空気が膨張するので、同じ質量流量を流すために回転数が上昇し、また、外気圧力が降下すると圧力比が大きくなってトルクが増加することにより起こる。
このコンプレッサモータの回転数−トルク上限RTLによる空気流量不足の問題は、単純にコンプレッサモータを大型化すれば解決するが、特に車載用燃料電池システムの場合には、コンプレッサモータの小型化要求がある。また、燃料電池本体1からの出力を絞ると車両の動力性能へ影響が出てしまうという問題もあった。
次に、本実施例の燃料電池システムにおける運転圧力の設定方法について、図9および図10を参照しながら説明する。ここで、図9および図10は燃料電池の負荷電流と運転圧力の関係に回転数−トルク上限を併せて示す説明図であり、図10は運転点が回転数−トルク上限に達した場合の本実施例における運転圧力および負荷電流の設定を説明する説明図である。
まず、図9に示すように、現在の運転点R1(負荷電流I1、運転圧力P1)が回転数−トルク上限RTLに対して下回っている状態では、従来と同様に、燃料電池本体1に要求される負荷電流未満で燃料電池システムのネット出力およびネット効率が極大となる運転点の運転圧力に設定される。
上述したように、外気温度や外気圧力が変化すると、図10に示す如く、運転点R1(負荷電流I1、運転圧力P1)が回転数−トルク上限RTLに対して上回る状態が起こり得る。
このような状態で、従来は、回転数−トルク上限RTLを満足する運転点R2(負荷電流I2、運転圧力P2)まで出力(負荷電流)を落として出力制限を行っていた。これに対して、本実施例では、新たな運転点R3(負荷電流I1、運転圧力P3)を設定し、負荷電流を本来の運転点R1における負荷電流I1のまま一定として出力制限を行わず、運転圧力を回転数−トルク上限RTLを満足する運転圧力P3まで低下させることとしている。
実際の制御シーケンスでは、車両等から燃料電池システムに対して負荷要求が来た場合に、燃料電池本体1への負荷電流を上げていき、コンプレッサモータのモータ回転数とモータトルクが、回転数−トルク上限RTLに達した場合に、運転圧力を低下させるというシーケンスとなる。
次に、本実施例の燃料電池システムにおける具体的な運転制御(運転圧力制御および負荷電流制御)について、図11および図12を参照しながら説明する。ここで、図11は本実施例の運転圧力制御(負荷電流制御を含む)を説明するフローチャートであり、図12は本実施例の燃料電池の運転圧力とネット出力の関係を説明する説明図である。
図11において、まず、当該燃料電池システムへ負荷取り出しの指示が与えられる(ステップS101)。負荷取り出しの要求は、燃料電池車両の場合、アクセル開度や車速によって車両側から要求されるものである。
次に、空気コンプレッサ11を駆動するコンプレッサモータの回転数−トルクが、あらかじめ決められた回転数−トルク上限(RTL)に達しているか否かについて判断する(ステップS102)。コンプレッサモータの回転数−トルク上限(RTL)に達していない場合には、問題なく負荷を取り出すことができるので終了する。
また、ステップS102において、コンプレッサモータの回転数−トルク上限(RTL)に達している場合には、ステップS103に進んで、燃料電池本体1へ要求される負荷電流に到達したか否かの判断を行う。要求される負荷電流に到達している場合には、回転数−トルク上限(RTL)に達しているものの、燃料電池本体1からこれ以上の負荷を取り出す必要がないため、終了する。
また、ステップS103において、要求される負荷電流に到達していない場合には、ステップS104に進み、空気調圧弁15を制御して、運転圧力を低下させ、次のステップS105で、燃料電池本体1から取り出す負荷電流量を増加させる。
次に、再度、空気コンプレッサ11を駆動するコンプレッサモータの回転数−トルクが回転数−トルク上限(RTL)に達しているか否かの判断を行い(ステップS106)、コンプレッサモータの回転数−トルク上限(RTL)に達していない場合には、運転圧力低下措置(ステップS104)および負荷電流増加措置(ステップS105)を実施する。つまり、コンプレッサモータの回転数−トルク上限(RTL)に達するまで、運転圧力低下措置(ステップS104)および負荷電流増加措置(ステップS105)を繰り返し行い、コンプレッサモータの回転数−トルク上限(RTL)に達した場合には終了する。
ステップS102およびステップS106での判断は、例えば、コンプレッサモータの回転数およびトルクを検出するセンサ等を備えて(図1に図示せず)、あらかじめ回転数−トルク上限(RTL)を、設計的または実験的に求めてコントローラ43内部にテーブルとして記憶しておくことで実現できる。
以上のような運転圧力制御を実施したとき、本実施例における燃料電池システムのネット出力(ネット効率)と運転圧力の関係(従来は図4を参照)は、図12に示すように、負荷電流I1,I2毎に示されることになる。
図12において、運転点R1およびR2は、それぞれ負荷電流I1およびI2において、ネット出力が極大となるようにあらかじめ設定されたものであり、そのときのネット出力は、それぞれネット出力N1およびN2となる。つまり、図11の運転圧力制御により、運転点R1より、負荷電流をI1のまま一定にして、運転圧力をP1からP3まで低下させた場合、ネット出力はN3へと移行する。
コンプレッサモータの回転数−トルク上限RTLに達するような状況では、比較的運転圧力が高く、この場合、図3に示したように、運転圧力の低下による燃料電池本体1の出力性能低下代は小さいため、負荷電流を一定に保つ(負荷電流を低下させない)効果の方が大きく、ネット出力の関係は「N1>N3>N2」となり、本実施例の運転圧力制御によって出力性能を改善することができる。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システムでは、水素(燃料ガス)および空気(酸化剤ガス)の供給により発電を行う燃料電池本体1と、燃料電池本体1に水素を供給する水素系(燃料ガス供給手段)と、燃料電池本体1の発電電力を用いて駆動するコンプレッサモータと、該コンプレッサモータにより駆動する空気コンプレッサ11と、を備え、燃料電池本体1に空気を供給する空気系(酸化剤ガス供給手段)と、を有する燃料電池システムにおいて、コントローラ(制御手段)43により、コンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定するようにしている。
このように、外気温度や外気圧力等によって常に変化するコンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定するので、コンプレッサモータの回転数およびトルクの限界性能ギリギリまでの使用が可能となり、出力性能を高い状態に維持し得る燃料電池システムを実現することができる。
また、本実施例の燃料電池システムでは、コントローラ(制御手段)43により、燃料電池に要求される負荷電流未満で、コンプレッサモータの回転数およびトルクの限界点、即ち回転数−トルク上限(RTL)に達した場合には、当該燃料電池システムの運転圧力を低下させると共に、負荷電流を増加させる。
このように、外気圧力や外気温度等によって常に変化するコンプレッサモータのトルクおよび回転数に応じて、燃料電池システムの運転圧力を設定し、且つ、燃料電池本体へ要求される負荷電流未満の状態において、コンプレッサモータの運転点が回転数とトルクの限界点、即ち回転数−トルク上限(RTL)に達した場合でも、適切な運転圧力に設定して負荷を取り出すので、コンプレッサモータの限界性能ギリギリまでの使用が可能となり、出力性能を高い状態に維持し得る燃料電池システムを実現することができる。
次に、本発明の実施例2に係る燃料電池システムについて説明する。実施例2の燃料電池システムの構成は、実施例1の構成(図1)と同等であり、各構成要素の具体的説明を省略する。
ただし、コントローラ(制御手段)43において、当該燃料電池システムに対して要求される出力値が所定値以上の場合に、実施例1で説明した運転圧力制御および負荷電流制御を行い、要求される出力値が所定値未満の場合には、実施例1で説明した運転圧力制御および負荷電流制御を行わない点が実施例1とは異なる。
次に、本実施例の燃料電池システムにおける運転制御について、図13および図14を参照しながら説明する。ここで、図13は本実施例の運転圧力制御(負荷電流制御を含む)を説明するフローチャートであり、図14は本実施例の燃料電池の運転圧力とネット効率の関係を説明する説明図である。
図13において、まず、当該燃料電池システムに対する負荷要求量が所定値以上であるか否かの判断を行う(ステップS201)。負荷要求量が所定値未満の場合には、実施例1で説明した運転圧力制御および負荷電流制御を行わずにそのまま終了する。
また、ステップS201において、負荷要求量が所定値以上の場合には、実施例1で説明した運転圧力制御および負荷電流制御(図11のフローチャート参照)を実施して終了する。
なお、ステップS201における負荷要求量の所定値は、車両側のアクセル開度やその変化率、車速等の情報に基づき設定される。例えば、負荷要求量が所定値以上の場合とは、車両側が燃料電池システムに対して高い出力を要求している場合であり、出力性能を優先するような車両チューニングの場合には、低い出力値に設定することで対応できる。なお、車両側のアクセル開度やその変化率、車速等の情報に応じた負荷要求量の所定値は、あらかじめ実験的に求めてコントローラ43内部に記憶しておく。
以上のような運転圧力制御を実施したとき、本実施例における燃料電池システムのネット効率と運転圧力の関係は、図14に示すように、負荷電流I1,I2毎に示されることになる。
図14において、運転点R1およびR2は、それぞれ負荷電流I1およびI2において、(ネット出力が極大となるようにあらかじめ設定されると同時に;実施例1の図12参照)ネット効率が極大となるようにあらかじめ設定されたものであり、そのときのネット効率は、それぞれネット効率E1、E2となる。なお、燃料電池は負荷電流が小さいほど、効率が良いため、負荷電流I2での効率E2の方が、負荷電流I1での効率E1より高く(E2>E1と)なる。
つまり、本実施例の運転制御により、運転点R1より、負荷電流をI1のまま一定にして、運転圧力をP1からP3まで低下させた場合、ネット効率はE3へと移行する。また、負荷電流をI1のまま固定して、運転圧力をP1からP3へと低下させたため、その時の効率E3とE1との関係は「E1>E3」となり、結果として「E2>E1>E3」となる。
すなわち、本実施例の運転制御により、ネット出力は改善する方向となるが、ネット効率は改悪の方向となる。しかしながら、本実施例では、車両側からの負荷要求量が高い場合、即ち高い出力性能が要求される場合に、運転圧力制御を実施するため、負荷要求量が低い場合には効率優先とすることができ、それらを使い分けることができる点が優れている。
以上説明したように、本実施例の燃料電池システムでは、コントローラ(制御手段)43において、当該燃料電池システムに対して要求される出力値が所定値以上の場合に、実施例1で説明した運転圧力制御および負荷電流制御を行う。
このように、燃料電池システムに求められる出力が大きい場合に、運転圧力制御および負荷電流制御を実施するので、出力性能が優先される場合には出力性能を高い状態に維持でき、また、出力性能が優先されない場合には燃料電池システムの効率を優先することができる。
本発明の実施例に係る燃料電池システムの構成図である。 燃料電池本体1の単位セルの概念図である。 燃料電池システムにおけるグロス出力およびコンプレッサモータ消費電力と運転圧力の関係を説明する説明図である。 燃料電池システムにおけるネット出力(ネット効率)と運転圧力の関係を説明する説明図である。 燃料電池の負荷電流と運転圧力の関係を説明する説明図である。 コンプレッサモータの回転数とコンプレッサモータのトルクの関係を説明する説明図である。 一般的な電気モータの駆動できるトルクおよび回転数の上限である回転数−トルク限界線を説明する説明図である。 コンプレッサモータの回転数およびトルクと回転数−トルク上限との関係を説明する説明図である。 燃料電池の負荷電流と運転圧力の関係に回転数−トルク上限を併せて示す説明図である。 運転点が回転数−トルク上限に達した場合の実施例における運転圧力および負荷電流の設定を説明する説明図である。 実施例1の運転圧力制御(負荷電流制御を含む)を説明するフローチャートである。 実施例1の燃料電池の運転圧力とネット出力の関係を説明する説明図である。 実施例2の運転圧力制御(負荷電流制御を含む)を説明するフローチャートである。 実施例2の燃料電池の運転圧力とネット効率の関係を説明する説明図である。
符号の説明
1 燃焼電池本体
1a 酸化剤極
1b 燃料極
11 空気コンプレッサ(コンプレッサモータを具備)
12 空気供給経路
13 空気系加湿装置
14 空気排気経路
15 空気調圧弁
16 空気圧力計
21 高圧水素タンク
22 水素供給経路
23 水素調圧弁
24 水素循環装置
25 水素系加湿装置
26 水素循環経路
27 水素排気経路
28 水素排出弁
29 水素圧力計
31 冷却水ポンプ
32 冷却水循環経路
33 熱交換器
34 冷却水温度計
40 負荷装置
41 電圧計
42 電流計
43 コントローラ(制御手段)
100 燃料電池単セル
101 MEA
102 電解質膜
103 燃料極触媒層
104 酸化剤極触媒層
105 燃料極ガス拡散層
106 酸化剤極ガス拡散層
107,108 セパレータ
109 燃料ガス流路
110 酸化剤ガス流路

Claims (3)

  1. 燃料ガスおよび酸化剤ガスの供給により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池の発電電力を用いて駆動するコンプレッサモータと、
    該コンプレッサモータにより駆動されるコンプレッサを備えた前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記コンプレッサモータの回転数およびトルクを推定し、該推定したコンプレッサモータの回転数およびトルクに応じて当該燃料電池システムの運転圧力を設定する制御手段と、
    を有することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記燃料電池に要求される負荷電流未満で、前記コンプレッサモータの回転数およびトルクの限界点に達した場合に、当該燃料電池システムの運転圧力を低下させると共に、負荷電流を増加させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、当該燃料電池システムに対して要求される出力値が所定値以上の場合に、前記運転圧力制御または前記運転圧力制御および前記負荷電流制御を行うことを特徴とする請求項1または請求項2の何れか1項に記載の燃料電池システム。
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