JP4701664B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関し、燃料電池システム周部の大気圧や燃料電池内部の温度が変化した場合においても、簡易な方法により酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力を制御可能にするための技術に係わる。
燃料電池は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、燃料ガスが有する化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置である。従って、燃料電池から所望の発電電力を得るためには、燃料ガスと酸化剤ガスを不足なく燃料電池に供給する必要がある。また一般に、燃料電池の内部圧力が上昇すると、燃料電池内部の燃料ガス及び酸化剤ガスの分圧も上昇することから、燃料電池の発電電力を増加させることができる。このため、従来までの燃料電池システムでは、コンプレッサを用いて高圧化された酸化剤ガスを所定流量燃料電池に供給し、且つ、酸化剤ガスの排出経路に設けられた圧力制御弁の開度を制御して、圧力制御弁における圧損を調整することにより、燃料電池内部における酸化剤ガスの圧力を高く保ち、燃料電池から高い発電電力を取り出している(例えば、特許文献1を参照)。
特開2002−352826号公報
ところで、一般に、酸化剤ガスの排気経路は大気開放となっているために、燃料電池の酸化剤極側には燃料電池内部の圧力と大気圧との差圧が生じる。従って、燃料電池システム周部の大気圧が変化した場合、燃料電池内部の圧力を維持し、効率よく発電電力を得るためには、圧力制御弁の開度を制御して、圧力制御弁における圧損を調整しなければならない。また、燃料電池の発電量が増加し、燃料電池内部の温度が上昇した場合には、燃料電池内部における電気化学反応により生成された水が気化する量が多くなり、酸化剤ガスと共に排出される水蒸気量が増加するために、酸化剤ガスの排気経路を流れる気体量が増加する。従って、燃料電池内部の温度が変化した場合も同様、燃料電池内部の圧力を維持し、効率よく発電電力を得るためには、圧力制御弁の開度を制御して、圧力制御弁における圧損を調整しなければならない。
しかしながら、従来までの燃料電池システムは、酸化剤ガスの目標圧力と酸化剤極の入口付近における酸化剤ガスの圧力に基づいて、目標圧力を得るために必要な圧力制御弁の開度を計算する構成となっているために、燃料電池システム周部の大気圧が変化した場合、大気圧が変化する前と同等の圧力制御性能を維持することが困難となる。また、燃料電池システム周部の大気圧や燃料電池内部の温度によって圧力制御性能が変化した場合において、同等の圧力制御性能を維持しようとすると圧力制御弁の開度計算が複雑になってしまう。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、周辺の大気圧や燃料電池内部の温度が変化した場合においても、簡易な方法により酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力を制御可能な燃料電池システムを提供することにある。
上述の課題を解決するために、本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池システム周部の大気圧を検出する大気圧検出手段と、大気圧検出手段により検出された大気圧と酸化剤極に供給する酸化剤ガスの目標圧力の相対値と、酸化剤極に供給する酸化剤ガス量を表す物理量とを用いて、圧力制御手段の操作量を演算する圧力制御演算手段と、酸化剤ガス排出路から排出される酸化剤ガスの温度を検出する温度検出手段と、大気圧検出手段及び温度検出手段により検出された燃料電池システム周部の大気圧と酸化剤ガスの温度の少なくとも一方を用いて、圧力制御演算手段により演算された操作量し、補正された操作量に従って圧力制御手段を制御する補正演算手段とを備える。
本発明に係る燃料電池システムによれば、酸化剤極に供給する酸化剤ガスの目標圧力と燃料電池システム周部の大気圧の相対値と、酸化剤極に供給する酸化剤ガス量を表す物理量とを用いて、圧力制御手段の操作量を演算するので、燃料電池システム周部の大気圧が変化した場合でも、常に同じ操作量を計算することができる。また、本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料電池システム周部の大気圧と酸化剤ガスの温度の少なくとも一方を用いて、圧力制御手段の操作量を補正するので、周辺の大気圧や燃料電池内部の温度の変化によって圧力制御手段の操作量が変化した場合においても、操作量を簡単に補正することができる。
本発明に係る燃料電池システムは、図1に示すように、燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段1と、燃料電池システムの運転状態を検出する運転状態検出手段2と、燃料電池システム周部の外気環境(大気圧変化,外気温変化)を検出する外気環境検出手段3と、燃料電池の酸化剤極に供給される酸化剤ガス流量,燃料電池システムの運転状況,及び燃料電池システム周辺の外気環境に応じて、酸化剤極に供給する酸化剤ガスの圧力を演算する酸化剤極圧力制御演算手段4と、酸化剤極圧力制御演算手段4により演算された圧力に従って酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力を制御する酸化剤極圧力制御手段5とを主な構成要素として有する。以下、図面を参照して、図1に示す燃料電池システムの一実施形態となる、本発明の第1及び第2の実施形態となる燃料電池システムの構成と動作について説明する。
〔燃料電池システムの構成〕
本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムは、車両に搭載され、図1に示すように、電解質膜11aを挟持するように配設されたカソード(酸素極)11b及びアノード(水素極)11cを有する燃料電池11を備える。そして、燃料電池11は、カソード11b及びアノード11cにそれぞれ空気及び水素の供給を受けて発電する。
また、この燃料電池11には、セパレータ11dを介して冷却水流路11eが設けられており、冷却水流路11eを流れる冷却水によって燃料電池11は所定の運転温度に維持されるように構成されている。なお、アノード11c及びカソード11bにおける電気化学反応及び燃料電池全体としての電気化学反応は以下に示す式(1)〜(3)による。
〔化1〕
〔アノード〕 H2 → 2H+ +2e- …(1)
〔カソード〕 1/2 O2 +2H+ +2e- → H2O …(2)
〔全体〕 H2 +1/2 O2 → H2O …(3)
〔水素系の構成〕
上記燃料電池システムは、水素系として、水素タンク12、水素タンク元弁13、減圧弁14、及び水素供給弁15を備え、水素タンク12内の高圧水素は、減圧弁14にて所定圧力まで機械的に減圧された後、水素供給弁15にて所望の圧力まで低下されて、アノード11cに供給される。また、アノード11cで未使用の水素は、水素循環経路16、エゼクタ17、及び水素循環ポンプ18を介して再びアノード11cへ循環される。水素循環経路16、エゼクタ17、及び水素循環ポンプ18を設けたことにより、アノード11cで未使用の水素ガスを再利用することが可能となり、燃料電池システムの燃費性能を向上させることができる。
なお、この実施形態では、水素循環ポンプ18は、エゼクタ17が作動しない領域における水素循環を補助するものとする。また、水素循環経路16には、カソード11bからリークした空気中の窒素やアルゴン等の不純物ガス、或いは、過剰な水分が液化した液水が蓄積することがある。そして、これらの不純物ガスは、水素の分圧を低下させて発電効率を低下させたり、循環ガスの平均分子量を上昇させ、水素ガスの循環を困難にする。また液水は水素の循環を妨げる。このため、この水素系には、パージ弁19が設けられており、不純物ガスや液水が蓄積したとき、パージ弁19を短時間開き、不純物ガスや液水をアノード11cから系外へ排出させるパージを行う。これにより、水素循環経路16内の水素分圧や循環性能を回復させることができる。
〔空気系の構成〕
上記燃料電池システムの空気系は、空気を圧縮するコンプレッサ21を備え、コンプレッサ21により圧縮された空気をカソード11bへ供給する。そして、カソード11bでは、空気中の一部の酸素が発電のための電気化学反応に使用される。また、カソード11bで未使用の空気は、空気調圧弁22により圧力調整されてマフラー23を介して系外へ排出される。
〔冷却系の構成〕
上記燃料電池システムの冷却系は、冷却水流路11eに冷却水を圧送する冷却水ポンプ31と、冷却水流路11eから排出された冷却水をラジエータ32を経由して冷却水ポンプ31に戻るラジエータ側流路33とラジエータ32を迂回して冷却水ポンプ31に戻るバイパス流路34との間で分流する三方弁35とを備える。また、ラジエータ32は、内部を流れる冷却水を冷却するためのラジエータファン36を備える。この冷却系は、三方弁35の開度を制御してラジエータ側流路33及びバイパス流路34を流れる冷却水の流量を調整することにより、燃料電池11を所望の運転温度に制御する。
〔制御系の構成〕
上記燃料電池システムの制御系は、コンプレッサ21の空気吸入口付近における外気温度を検出する外気温センサ41と、燃料電池システム周部の大気圧を検出する大気圧センサ42と、カソード11b及びアノード11cに供給される空気及び水素の圧力を検出する圧力センサ43a,43cと、コンプレッサ21の回転数を検出する回転数センサ44と、コンプレッサ21からカソード11bに供給される空気の流量を検出する流量センサ45とを備える。また、この制御系は、冷却水流路11eの入口側及び出口側の冷却水温度を検出する温度センサ46a,46bと、カソード11bから排出される空気の温度を検出する温度センサ46cと、燃料電池11の出力電圧を検出する電圧センサ47と、車両を駆動するモータ(図示せず)の動力として利用する燃料電池11の発電電力を取り出すパワーマネージャー48と、各種センサの検出結果に従って起動,発電,及び停止する際の燃料電池システムの動作を制御するコントローラ49とを備える。
なお、この実施形態では、コントローラ49は、CPUと、プログラムROMと、作業用RAMと、入出力インタフェースとを備えたマイクロプロセッサにより構成され、CPUがプログラムROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、図3に示す相対値計算部51,空気調圧弁開度計算部52,開度補正量計算部53,及び空気調圧弁指令補正演算部54各部の機能を実現する。なお、これら各部の機能については後述の圧力制御処理において詳述する。また、コントローラ49は、燃料電池システム周部の外気環境が変化した場合でも目標空気流量を満たすように、外気温センサ41,大気圧センサ42,及び回転数センサ44の検出値に従ってコンプレッサ21の回転数を制御する。また、コントローラ49は、圧力センサ43aの検出値に従って空気調圧弁22の開口面積を変化させることにより、カソード11bに供給される空気の圧力を制御する。
従来までの燃料電池システムでは、目標圧力を実現するために必要な空気調圧弁の開度は、図5に示すように、カソード入口側における空気の目標圧力(目標カソード入口圧力)とカソード入口側の空気圧力(カソード入口圧力検出値)に応じて計算されている。また、従来までの燃料電池システムは、図6に示すように、燃料電池に対する発電要求電力が急激に変化することにより、カソード入口側の空気圧力を急激に変化させる場合においても、燃料電池の電解質膜を破ることなく、オーバーシュートを抑えながら対応することができるように、応答性と安定性を併せ持つ高い圧力制御性能を維持できる複雑な演算を必要とする。
しかしながら、従来までの燃料電池システムでは、目標カソード入口圧力とカソード入口圧力検出値に応じて目標カソード入口圧力を実現するために必要な空気調圧弁の開度を計算する構成となっているために、大気圧が変化する前と同等の圧力制御性能を維持することが困難となる。また、燃料電池システム周部の大気圧や燃料電池内部の温度によって圧力制御性能が変化した場合において、同等の圧力制御性能を維持しようとすると圧力制御弁の開度計算が複雑になってしまう。また、安定性を保とうとすると過渡状態における応答性が悪化する。
そこで、本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムは、コントローラ49が以下に示す圧力制御処理を実行することにより、燃料電池システム周部の大気圧や燃料電池内部の温度が変化した場合においても、簡易な方法により酸化剤極に供給される空気の圧力を制御する。以下、図3,4を参照して、圧力制御処理を実行する際のコントローラ49の動作について説明する。
〔圧力制御処理〕
圧力制御処理は、燃料電池システムが起動されるのに応じて開始となり、始めに、相対値計算部51が、カソード11bの入口側における空気の目標圧力と、大気圧センサ42により検出された燃料電池システム周部の大気圧との相対値(又は、差分や比)を算出し、算出された相対値を空気調圧弁開度計算部52に入力する。
次に、空気調圧弁開度計算部52が、流量センサ45により検出されたカソード11bに供給される空気の流量(空気流量パラメータ)と相対値計算部51により計算された相対値を用いて、カソード11bの入口側における空気の目標圧力を実現するために必要な空気調圧弁22の開度(図4に示す開度(I))を計算し、計算された開度を空気調圧弁指令補正演算部54に入力する。
次に、空気調圧弁指令補正演算部54が、温度センサ46cにより検出されたカソード11bの出口側における空気の温度と、大気圧センサ42により検出された燃料電池システム周部の大気圧に応じて、空気調圧弁開度計算部52により計算された開度を補正する。なお、空気調圧弁指令補正演算部54により補正された開度は、過渡応答やシステムの経時変化を考えると必ず誤差を含むために、空気調圧弁指令補正演算部54により補正された開度によって目標圧力を実現することはできない。そこで、開度補正量計算部53が、カソード11bの入口側における空気の目標圧力と圧力センサ43aにより検出された圧力とを用いて、空気調圧弁指令補正演算部54により補正された開度の補正量(図4に示す開度(II))を計算する。そして、空気調圧弁指令補正演算部54は、開度補正量計算部53により計算された補正量で開度を補正した後、補正開度(図4参照)を指令開度として空気調圧弁22に送り、空気調圧弁22の開度を調整する。
以上の説明から明らかなように、本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムでは、相対値計算部51が、カソード11bの入口側における空気の目標圧力と、大気圧センサ42により検出された燃料電池システム周部の大気圧との相対値を算出し、空気調圧弁開度計算部52が、流量センサ45により検出されたカソード11bに供給される空気の流量と相対値計算部51により計算された相対値を用いて、目標圧力を実現するために必要な空気調圧弁22の開度を計算し、空気調圧弁指令補正演算部54が、温度センサ46cにより検出されたカソード11bの出口側における空気の温度と、大気圧センサ42により検出された燃料電池システム周部の大気圧に応じて、空気調圧弁開度計算部52により計算された開度を補正する。
そして、このような構成によれば、燃料電池の温度が変化した場合であっても、カソード出口空気温度が変化するのに従って、空気調圧弁指令補正演算部54が、空気調圧弁開度計算部52により計算された開度を補正するので、燃料電池に対する発電電力要求が急激に変化した場合でも、圧力制御性能を落とすことなく、目標圧力に制御することができる。また一般に、空気調圧弁22の開度は、温度の影響を無視すれば、空気調圧弁22の入口側圧力と出口側圧力と、空気調圧弁22を通過する空気流量とによって決まる。従って、このような構成によれば、燃料電池システム周部の大気圧が変化した場合であっても、基準大気圧状態で同じ相対関係にある場合の開度を算出することができる。また、このような構成によれば、空気調圧弁開度計算部52が、カソード11bに供給される空気の流量を用いて空気調圧弁22の開度を計算するので、発電要求電力が急激に変化した場合でも、定常的に必要な開度を瞬時に計算でき、安定性を損なうことなく高い応答性を持たせることができる。またこの結果、開度補正量計算部53は安定性だけを考慮すれば良くなるので、単純な構成にすることができる。
なお、基準大気圧P1に対する目標圧力P2、及び基準大気圧P1より低い大気圧P3に対する目標圧力P4が、大気圧に対して相対的に同じ関係にあるとすると、目標圧力P4は目標圧力P2より小さいことになる。このため、カソード内や排気経路内を流れる空気の体積流量は増加するため、空気調圧弁22における圧損は大きくなる。従って、燃料電池システム周部の大気圧が基準大気圧より低い場合、空気調圧弁指令補正演算部54は、カソード入口圧力を目標圧力に維持するために、空気調圧弁22における圧損が小さくなるように開度を大きくすることが望ましい。また逆に、燃料電池システム周部の大気圧が基準大気圧より低い場合には、空気調圧弁指令補正演算部54は、カソード入口圧力を目標圧力に維持するために、空気調圧弁22における圧損が大きくなるように開度を小さくすることが望ましい。
また、燃料電池の温度は運転状況に応じて氷点下温度から100[℃]近くまで変化するために、燃料電池から排出される空気の温度は変化する。そして、排出される空気の温度が基準温度T1から温度T2に増加した場合、燃料電池に同じ空気量を供給していても、基準温度T1の時と比較して、空気調圧弁22を通る空気の流量が増加し、カソード内や排気経路内を流れる空気の体積流量が増加するために、空気調圧弁22における圧損が大きくなる。従って、カソード出口側における空気の温度が基準温度より高い場合、空気調圧弁指令補正演算部54は、カソード入口圧力を目標圧力に維持するために、空気調圧弁22における圧損が小さくなるように開度を大きくすることが望ましい。また逆に、カソード出口側における空気の温度が基準温度より低い場合には、空気調圧弁指令補正演算部54は、カソード入口圧力を目標圧力に維持するために、空気調圧弁22における圧損が大きくなるように、開度を小さくすることが望ましい。
ここで、基準大気圧P1におけるカソード出口の空気温度に対する補正値と、大気圧P2におけるカソード出口の空気温度に対する補正値とは異なるために、両者の差が大きい場合、空気調圧弁指令補正演算部54は、両者の補正値を独立して算出することができないので、大気圧とカソード出口温度の組み合わせ毎に補正値を算出することが望ましい。また、この実施形態では、過渡的な応答を考慮するために、流量センサ45の検出値を空気調圧弁22の開度計算に用いたが、流量センサ45の測定誤差が大きい場合には、コンプレッサ21の回転数の検出値を用いることが望ましい。そして、これら検出値を用いることにより、空気の流量の時間変化を考慮して開度を計算することができるため、圧力制御性能を向上させることができる。また、流量センサ45の検出値ではなく目標供給空気流量を用い、且つ、その際に空気の供給遅れを考慮した変数を用いてもよい。通常、流量センサ45の検出値には測定ノイズが含まれるために、このような構成によれば、安定性に対する測定ノイズの影響を防ぐことができる。
次に、本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムの構成について説明する。
本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムでは、コントローラ49内のCPUが、プログラムROMに記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、図7に示す相対値計算部51,空気調圧弁開度計算部52,開度補正量計算部53,空気調圧弁指令補正演算部54、及び基準状態運転変換部61各部の機能を実現する。そして、この燃料電池システムでは、基準状態運転変換部61が、大気圧センサ42により検出された燃料電池システム周部の大気圧とコンプレッサ21の吸入口における空気の温度とを用いて、コンプレッサ21の検出値を想定している標準運転環境でのコンプレッサ21の回転数に変換する。そして、空気調圧弁開度計算部52は、基準状態運転変換部61により変換されたコンプレッサの回転数と相対値計算部51により計算された相対値を用いて、カソード11bの入口側における空気の目標圧力を実現するために必要な空気調圧弁22の開度を計算する。
従来までの燃料電池システムは、コンプレッサにより外気空気を吸入して燃料電池に供給する。しかしながら、外気空気密度は、周囲環境が変化すること(大気圧変化、外気温変化)により変化するため、目標の空気量を供給するためにはコンプレッサの回転数を増減させる必要がある。そして、従来までの燃料電池システムは、外気をある基準状態にあると仮定して空気調圧弁の開度を計算するために、外気環境が変化した場合には、基準状態のコンプレッサ回転数と、外気環境変化が生じた時の回転数との不一致が生じ、この影響によって、補正が不十分になり、応答性が悪化する可能性がある。また、この影響を防ぐために補正を行おうとすると、複雑な演算処理が必要になる。そこで、本発明の第2の実施形態となる燃料電池システムでは、基準状態運転変換部61が、外気環境の変化に伴い変化したコンプレッサ回転数を基準状態におけるコンプレッサの回転数に変換する。そして、このような構成によれば、複雑な演算を行うことなく、上記影響を排除することができる。
なお、基準状態に対して大気圧が減少、又は外気温が増加した場合には、外気の空気密度が減少するためにコンプレッサの回転数は増加する。従って、基準状態に対して大気圧が減少、又は外気温が増加した場合、基準状態運転変換部61は、大気圧とコンプレッサ吸入口での空気温度の検出値を用いてコンプレッサ回転数検出値を減少させる変換演算を行うことが望ましい。これにより、複雑な演算を行うことなく、上記影響を排除することができる。また逆に、基準状態に対して大気圧が増加、又は外気温が減少した場合には、外気の空気密度が増加するためにコンプレッサの回転数は減少する。そこで、基準状態に対して大気圧が増加、又は外気温が減少した場合、基準状態運転変換部61は、大気圧とコンプレッサ吸入口での空気温度の検出値を用いてコンプレッサ回転数検出値を増加させる変換演算を行うことが望ましい。これにより、複雑な演算を行うことなく、上記影響を排除することができる。
以上、本発明者らによってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
本発明に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態となる圧力制御処理を説明するための機能ブロック図である。 本発明の第1の実施形態となる圧力制御処理を説明するためのタイミングチャートク図である。 従来までの圧力制御処理を説明するための機能ブロック図である。 従来までの圧力制御処理を説明するためのタイミングチャートク図である。 本発明の第1の実施形態となる燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
11:燃料電池
11b:カソード(酸素極)
11c:アノード(水素極)
21:コンプレッサ
22:空気調圧弁
41:外気温センサ
42:大気圧センサ
43a,43c:圧力センサ
44:回転数センサ
45:流量センサ
46a,46b,46c:温度センサ
49:コントローラ
51:相対値計算部
52:空気調圧弁開度計算部
53:開度補正量計算部
54:空気調圧弁指令補正演算部
61:基準状態運転変換部

Claims (11)

  1. 燃料極及び酸化剤極に燃料ガス及び酸化剤ガスの供給を受けて発電する燃料電池と、酸化剤ガス供給路を介して前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記酸化剤ガス供給路に設けられ、前記酸化剤極に供給される酸化剤ガスの圧力を検出する圧力検出手段と、前記燃料電池から排出された酸化剤ガスを外部に排出する酸化剤ガス排出路と、前記酸化剤ガス排出路に設けられ、前記酸化剤極における酸化剤ガスの圧力を制御する圧力制御手段とを備える燃料電池システムであって、
    前記燃料電池システム周部の大気圧を検出する大気圧検出手段と、
    前記大気圧検出手段により検出された大気圧と前記酸化剤極に供給する酸化剤ガスの目標圧力の相対値と、前記酸化剤極に供給する酸化剤ガス量を表す物理量とを用いて、前記圧力制御手段の操作量を演算する圧力制御演算手段と、
    前記酸化剤ガス排出路から排出される酸化剤ガスの温度を検出する温度検出手段と、
    前記大気圧検出手段及び前記温度検出手段により検出された燃料電池システム周部の大気圧と酸化剤ガスの温度の少なくとも一方を用いて、前記圧力制御演算手段により演算された操作量を補正し、補正された操作量に従って前記圧力制御手段を制御する補正演算手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池システムであって、
    前記補正演算手段は、前記大気圧検出手段により検出された大気圧が所定の基準大気圧より低い場合、前記圧力制御手段における圧損が小さくなるように前記圧力制御演算手段により演算された操作量を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システムであって、
    前記補正演算手段は、前記大気圧検出手段により検出された大気圧が所定の基準大気圧より高い場合、前記圧力制御手段における圧損が大きくなるように前記圧力制御演算手段により演算された操作量を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記補正演算手段は、前記温度検出手段により検出された酸化剤ガスの温度が所定の基準温度より高い場合、前記圧力制御手段における圧損が小さくなるように前記圧力制御演算手段により演算された操作量を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記補正演算手段は、前記温度検出手段により検出された酸化剤ガスの温度が所定の基準温度より低い場合、前記圧力制御手段における圧損が大きくなるように前記圧力制御演算手段により演算された操作量を補正することを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    燃料電池システム周部の大気圧と温度に応じて、前記酸化剤ガス供給手段の稼働状態を変更する酸化剤ガス安定供給手段と、
    前記大気圧検出手段及び前記温度検出手段により検出された燃料電池システム周部の大気圧と酸化剤ガスの温度の少なくとも一方を用いて、前記酸化剤安定供給手段により変更された稼働状態を表す値を、所定の基準環境下における稼働状態を表す値に変換する変換手段とを備え、
    前記圧力制御演算手段は、前記変換手段により変換された稼働状態を表す値を用いて前記圧力制御手段の操作量を演算すること
    を特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項6に記載の燃料電池システムであって、
    前記変換手段は、燃料電池システム周部の大気圧が前記所定の基準環境において想定されている大気圧より低い場合、及び/又は燃料電池システム周部の温度が所定の基準環境において想定されている温度より高い場合、前記酸化剤供給手段の稼働状態を示す値を減少させることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項6又は請求項7に記載の燃料電池システムであって、
    前記変換手段は、燃料電池システム周部の大気圧が前記所定の基準環境において想定されている大気圧より高い場合、及び/又は燃料電池システム周部の温度が所定の基準環境において想定されている温度より低い場合、前記酸化剤供給手段の稼働状態を示す値を増加させることを特徴とする燃料電池システム。
  9. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記物理量は、前記酸化剤ガス供給手段の稼働状態を表す値であることを特徴とする燃料電池システム。
  10. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記物理量は、前記酸化剤ガス供給路内における酸化剤ガスの流量であることを特徴とする燃料電池システム。
  11. 請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1項に記載の燃料電池システムであって、
    前記物理量は、酸化剤ガスの供給遅れを考慮した酸化剤ガスの目標供給量であることを特徴とする燃料電池システム。
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