JP5435320B2 - 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 - Google Patents

燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、氷点下始動時に、燃料電池に対する酸化ガスの供給量を減少させて暖機運転を行う燃料電池システムに関する。
水素と酸素との電気化学反応を利用して発電する燃料電池としては、例えば、固体高分子型燃料電池がある。この固体高分子型燃料電池は、複数のセルを積層して構成されたスタックを備えている。スタックを構成するセルは、アノード(燃料極)とカソード(空気極)とを備えており、これらのアノードとカソードとの間には、イオン交換基としてスルフォンサン基を有する固体高分子電解質膜が介在している。
アノードには燃料ガス(水素ガスまたは炭化水素を改質して水素リッチにした改質水素)を含む燃料ガスが供給され、カソードには酸化剤として酸素を含むガス(酸化剤ガス)、一例として、空気が供給される。アノードに燃料ガスが供給されることで、燃料ガスに含まれる水素がアノードを構成する触媒層の触媒と反応し、これによって水素イオンが発生する。発生した水素イオンは固体高分子電解質膜を通過して、カソードで酸素と電気反応を起こす。この電気化学反応によって発電が行われる構成となっている。
ところで、固体高分子型燃料電池を動力源とする燃料電池システムにおいて、システムの運転を停止すると、燃料電池の温度が下がり、高温多湿の状態にあった燃料電池内部の水分が凝結して結露したり、凍結したりすることがある。
特に、燃料電池の温度が氷点下である場合には、発電反応によって生じた生成水が電極表面で凍結し、酸素の供給が妨げられ、発電反応が抑制されることがある。
そこで、氷点下始動時には燃料電池への酸化剤ガスの供給量を少なくして発熱量を増加させる暖機運転が実施されている(特許文献1参照)。
特開2004−30979号公報
しかし、暖機運転時に水素ガスが不足すると、カーボンが酸化され、触媒が喪失したり、発熱で膜が破損したりすることがある。この反応が発生したときにはセルの電圧が負電圧となる。ここで「負電圧」は各セルが通常状態で約1Vの起電力であるところ、移動抵抗が高くなる等の事情でセルの電圧がマイナスになることをいう。なお、通常運転では、セル電圧が負電圧となった場合には、燃料電池保護のために出力を制限する出力制限運転またはシステム停止をさせている。
また、暖機運転に伴って燃料電池内の酸素が不足すると、プロトン(H+)がアノードからカソードにかけて電解質膜内を流れ、カソード側で再び水素ガスが生成される反応が生じる。このとき燃料電池内の温度が0℃以下であると、移動抵抗が高くなり、電圧降下が大きくなってセルの電圧が負電圧になる。この反応は燃料電池こそ破壊しないものの、出力制限運転となるため始動時の応答性、すなわち始動性を悪化させることになる。そのため暖機運転中は、ある程度の負電圧を許容せざるを得ないものの、負電圧が生じている期間中に水素ガスが欠乏した状態が発生した場合には、上記したように燃料電池を破損させるおそれがある。
そこで、本発明は、暖機運転時に、水素ガスが欠乏状態で負電圧になったときの不都合を抑制することを目的とするものである。
上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料電池に供給する酸化ガスの供給量を減少させて暖機運転を行う燃料電池システムにおいて、燃料電池の暖機運転実施の際、燃料ガスの供給状態を検出する検出部と、燃料ガスの供給状態が、次の条件1)〜)のいずれかに合致する場合に、前記燃料ガスが欠乏状態であると判定し、暖機運転を禁止するか、または、前記燃料電池の出力を制限する制御部と、を備える。
条件1)前記燃料ガスの圧力が、当該燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以下であること;および
条件2)前記燃料ガスを供給する駆動部に対する指令駆動量現実に検出された前記駆動部の駆動量との差分の絶対値、当該駆動量の不足による前記燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以上であること。
また上記課題を解決するために、本発明の燃料電池システムの制御方法は、燃料電池に供給する酸化ガスの供給量を減少させて暖機運転を行う燃料電池システムの制御方法において、燃料電池の暖機運転実施の際、燃料ガスの供給状態を検出するステップと、燃料ガスの供給状態が、次の条件1)〜)のいずれかに合致するかを判定するステップと、前記条件1)〜)のいずれかに合致する場合に、前記燃料ガスが欠乏状態であると判定し、暖機運転を禁止するか、または、前記燃料電池の出力を制限するステップと、を備える。
条件1)前記燃料ガスの圧力が、当該燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以下であること;および
条件2)前記燃料ガスを供給する駆動部に対する指令駆動量現実に検出された前記駆動部の駆動量との差分の絶対値が、当該駆動量の不足による前記燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以上であること。
係る構成によれば、電流電池の暖機運転を実施する際に、燃料ガスの供給状態を検出し、燃料ガスの供給状態が具体的な条件1)〜3)に満たないとき、すなわち、燃料ガスの供給状態が暖機運転を継続する条件を満たさず、水素ガスが欠乏状態で負電圧になったときには、暖機運転の状態を変更することで、氷点下始動時における暖機運転中に、水素ガスの欠乏に伴って負電圧が生じて、カーボンが喪失したり、電解質膜が溶解したりするのを防止することができ、燃料電池の信頼性の向上に寄与することができる。ここで「暖機運転の状態」の変更は、暖機運転を禁止することや、燃料電池の出力を制限することを含む。
燃料電池システムを構成するに際しては、以下の要素を付加することができる。
好適には、燃料電池へ供給される燃料ガスの圧力を検出する圧力検出部を備え、制御部は、圧力検出部により検出された燃料ガスの圧力に基づき上記条件1)を判定する
係る構成によれば、燃料電池の暖機運転時に、燃料電池へ供給される燃料ガスの圧力を検出し、この検出値が所定値以下であった場合には水素調圧値の異常として、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をすることで、氷点下始動時における暖機運転中に、カーボンが喪失したり、電解質膜が溶解したりするのを防止することができる。
好適には、駆動部の駆動量を検出する駆動量検出部を備え、制御部は、駆動量検出部が検出した駆動量に基づき上記条件2)を判定する
係る構成によれば、燃料電池の暖機運転時に、燃料ガスを供給する駆動部に対する駆動指令と駆動部の駆動量を検出する駆動量検出部の検出による実測駆動量との差が所定値以上であった場合には、駆動部の異常として暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をすることで、氷点下始動時における暖機運転中にカーボンが喪失したり、電解質膜が溶解したりするのを防止することができる。
係る構成によれば、燃料ガスの一部を排出するパージ手段の動作状態が不良であることが検出されたときには、パージ異常として、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をすることで、氷点下始動時における暖機運転中に、カーボンが喪失したり、電解質膜が溶解したりするのを防止することができる。
本発明によれば、燃料ガスの供給状態が所定の条件に満たない場合に暖機運転の状態を変更するので、暖機運転時に、アノード電極が負電圧になって、カーボンが喪失したり、電解質膜が溶解したりするのを防止することができ、燃料電池の信頼性の向上に寄与することができる。
次に本発明の好適な実施の形態を説明する。
図1は、本発明が適用された燃料電池システムのシステム構成図である。
図1において、燃料電池システム10は、燃料電池20に燃料ガス(水素ガス)を供給するための燃料ガス供給系統4と、燃料電池20に酸化ガス(空気)を供給するための酸化ガス供給系統7と、燃料電池20を冷却するための冷却液供給系統3と燃料電池20からの発電電力を充放電する電力系統9とを備えて構成されている。
燃料電池20は、フッ素系樹脂などにより形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜などから成る高分子電解質膜21の両面にアノード極22とカソード極23をスクリーン印刷などで形成した膜・電極接合体24を備えている。膜・電極接合体24の両面は、燃料ガス、酸化ガス、冷却水の流路を有するセパレータ(図示せず)によってサンドイッチされ、このセパレータとアノード極22およびカソード極23との間に、それぞれ溝状のアノードガスチャンネル25およびカソードガスチャンネル26を形成している。アノード極22は、燃料極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成され、カソード極23は、空気極用触媒層を多孔質支持層上に設けて構成されている。これら電極の触媒層は、例えば、白金粒子を付着して構成されている。
アノード極22では、次の(1)式の酸化反応が生じ、カソード極23では、次の(2)式の還元反応が生じる。燃料電池20全体としては、次の(3)式の起電反応が生じる。
2→2H++2e-・・・(1)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O・・・(2)
2+(1/2)O2→H2O・・・(3)
なお、図1では説明の便宜上、膜・電極接合体24、アノードガスチャンネル25およびカソードガスチャンネル26からなる単位セルの構造を模式的に図示しているが、実際には、上述したセパレータを介して複数の単位セルが直列に接続したスタック構造を備えている。
燃料電池システム10の冷却液供給系統3には、冷却液を循環させる冷却路31、燃料電池20から排水される冷却液の温度を検出する温度センサ32、冷却液の熱を外部に放熱するラジエータ(熱交換器)33、ラジエータ33へ流入する冷却液の水量を調整するバルブ34、冷却液を加圧して循環させる冷却液ポンプ35、燃料電池20に供給される冷却液の温度を検出する温度センサ36などが設けられている。
燃料電池システム10の燃料ガス供給系統4には、燃料ガス供給装置42からの燃料ガス(アノードガス)、例えば、水素ガスをアノードガスチャンネル25に供給するための燃料ガス流路40と、アノードガスチャンネル25から排気される燃料オフガスを燃料ガス流路40に循環させるための循環流路(循環経路)51が配管されており、これらのガス流路によって燃料ガス循環系統が構成されている。
燃料ガス流路40には、燃料ガス供給装置42からの燃料ガス流出を制御する遮断弁(元弁)43、燃料ガスの圧力を検出する圧力センサ44、燃料ガス流路40を開閉し、燃料電池20への燃料ガスの供給量を制御する水素インジェクタ45、燃料電池20への燃料ガス供給を制御する遮断弁46が設置されている。
燃料ガス供給装置42は、例えば、高圧水素タンク、水素吸蔵合金、改質器などより構成される。循環流路51には、燃料電池20から循環流路51への燃料オフガス供給を制御する遮断弁52、燃料オフガスに含まれる水分を除去する気液分離器53および排出弁54、アノードガスチャンネル25を通過する際に、圧力損失を受けた燃料オフガスを圧縮して適度なガス圧まで昇圧させて、燃料ガス流路40に還流させる水素ポンプ(循環ポンプ)55、燃料ガス流路40の燃料ガスが循環流路51側に逆流するのを防止する逆流阻止弁56が設置されている。水素ポンプ55をモータによって駆動することで、水素ポンプ55の駆動による燃料オフガスは、燃料ガス流路40で燃料ガス供給装置42から供給される燃料ガスと合流した後、燃料電池20に供給されて再利用される。
なお、水素ポンプ55には、水素ポンプ55の回転数を検出する回転数センサ57が設置されている。
また、循環流路51には、燃料電池20から排気された燃料オフガスを、希釈器(例えば水素濃度低減装置)64を介して車外に排気するための排気流路61が分岐して配管されている。排気流路61にはパージ弁63が設置されており、燃料オフガスの排気制御を行えるように構成されている。パージ弁63を開閉することで、燃料電池20内の循環を繰り返して、不純濃度が増加した燃料オフガスを外部に排出し、新規の燃料ガスを導入してセル電圧の低下を防止することができる。また、循環流路51の内圧に脈動を起こし、ガス流路に蓄積した水分を除去することもできる。
一方、燃料電池システム10の酸化ガス供給系統7には、カソードガスチャンネル26に酸化ガス(カソードガス)を供給するための酸化ガス流路71と、カソードガスチャンネル26から排気されるカソードオフガスを排気するためのカソードオフガス流路72が配管されている。
酸化ガス流路71には、大気からエアを取り込むエアクリーナ74、および、取り込んだエアを圧縮し、圧縮したエアを酸化剤ガスとして、カソードガスチャンネル26に送給するエアコンプレッサ75が設定されており、エアコンプレッサ75には、エアコンプレッサ75の回転数を検出する回転数センサ73が設置されている。酸化ガス流路71とカソードオフガス流路72との間には湿度交換を行う加湿器76が設けられている。
カソードオフガス流路72には、カソードオフガス流路72の排気圧力を調整する調圧弁77、カソードオフガス中の水分を除去する気液分離器78、カソードオフガスの排気音を吸収するマフラー79が設けられている。気液分離器78から排出されたカソードオフガスは分流され、一方は、希釈器62に流れ込み、希釈器62内に滞留する燃料オフガスと混合希釈され、また分流された他方のカソードオフガスは、マフラー79にて吸音され、希釈器62により混合希釈されたガスと混合されて、車外に排出される。
また、燃料電池システム10の電力系統9には、一次側にバッテリ91の出力端子が接続され、二次側に燃料電池20の出力端子が接続されたDC−DCコンバータ90、二次電池として余剰電力を蓄電するバッテリ91、バッテリ91の充電状況を監視するバッテリコンピュータ92、燃料電池20の負荷または駆動対象となる車両走行用モータ94に交流電力を供給するインバータ93、燃料電池システム10の各種高圧補機96に交流電力を供給するインバータ95、燃料電池20の出力電圧を測定する電圧センサ97、および出力電流を測定する電流センサ98が接続されている。
DC−DCコンバータ90は、燃料電池20の余剰電力または車両走行用モータ94への制動動作により発生する回生電力を電圧変換してバッテリ91に供給して充電させる。また、車両走行用モータ94の要求電力に対する、燃料電池20の発電電力の不足分を補填するため、DC−DCコンバータ90は、バッテリ91からの放電電力を電圧変換して二次側に出力する。
インバータ93および95は、直流電流を三相交流電流に変換して、車両走行用モータ94および高圧補機96にそれぞれ出力する。車両走行用モータ94には、モータ94の回転数を検出する回転数センサ99が設置されている。モータ94は、ディファレンシャルを介して車輪100が機械的に結合されており、モータ94の回転力を車両の推進力に変換可能となっている。
電圧センサ97および電流センサ98は、電力系統に重畳された交流信号に電圧に対する電流の位相と振幅とに基づいて交流インピーダンスを測定するためのものである。交流インピーダンスは、燃料電池20の含水量に対応している。
さらに、燃料電池システム10には、燃料電池12の発電を制御するための制御部80が設置されている。
制御部80は、例えば、CPU(中央処理装置)、RAM、ROM、インターフェイス回路などを備えた汎用コンピュータで構成されており、温度センサ32、36、圧力センサ44、回転数センサ57、73、99からのセンサ信号や電圧センサ97、電流センサ98、イグニッションスイッチ82からの信号を取り込み、電池運転の状態、例えば、電力負荷に応じて各モータを駆動して、水素ポンプ55およびエアコンプレッサ75の回転数を調整し、さらに、各種の弁の開閉制御または弁開度の調整などを行うようになっている。
また、制御部80は、燃料電池20の運転停止時に、掃気処理を行うに際して、燃料電池20に対して掃気ガス、例えば、水素ガス、酸化剤ガスを供給する掃気ガス供給手段(補機類)として、水素ポンプ55または/およびエアコンプレッサ75を選択し、水素ポンプ55または/およびエアコンプレッサ75の回転数または回転数×駆動時間を制御するようになっている。
ここで、制御部80は、氷点下始動時に、燃料電池20に供給するエア(酸化ガス)の供給量を通常運転時よりも減少させて暖機運転を行うに際して、燃料ガス(水素ガス)の供給状態を監視し、燃料ガスの供給状態が所定の条件を満たさない場合、例えば、以下の3つの状態のいずれか1つの状態になったときには、燃料ガスの供給状態が暖機運転を継続する条件を満たさず、水素ガスが欠乏状態で負電圧になったとして、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をすることとしている。
第1の状態は、燃料電池20へ供給される燃料ガスの圧力を検出する圧力検出部としての圧力センサ44の検出による圧力が所定値以下であった場合であり、この場合には、暖機運転を継続する条件を満たさず、水素調圧値異常として、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をする。
第2の状態は、燃料ガスを燃料電池20に供給するための駆動部としての水素ポンプ55に対するインバータ95を介しての指令駆動量と、水素ポンプの駆動量を検出する駆動量検出部としての回転数センサ57の検出による実測駆動量との差が所定値以上であった場合であり、この場合には、暖機運転を継続する条件を満たさず、水素ポンプ55の異常として、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をする。
第3の状態は、燃料ガスの一部を排出するパージ手段としてのパージ弁63の動作状態を検出する水素インジェクタ45の制御状態と循環経路51の圧力センサから推測される燃料ガス収支からのずれにより、パージ弁63の動作不良が検出された場合であり、この場合には、暖機運転を継続する条件を満たさず、パージ異常であるとして、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をする。
次に、氷点下始動時に、暖機運転を行うときの作用を図2のフローチャートにしたがって説明する。まず、制御部80は、イグニッションスイッチ82がオンになったことを条件に処理を開始し、温度センサ32、36の検出出力を取り込み(S1)、燃料電池20の温度が0℃以下になったか否かを判定し(S2)、0℃以下のときには、燃料電池20に対するエア(酸化剤ガス)の供給量を通常運転時よりも減少させるために、エアコンプレッサ75の回転数を下げて、氷点下始動時における暖機運転を開始する(S3)。燃料電池20に対するエア(酸化剤ガス)の供給量が減少すると、通常運転時(定格出力運転時)に比べて燃料電池20の発熱量が大きくなり、増加した発熱量によって燃料電池20に対する暖機が行われる。
燃料電池20の暖機運転が行われている過程では、制御部80は、水素ガス不足に伴って暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をするための3つの状態のうちいずれか1つの状態になったか否かを判定するために、まず、圧力センサ44の検出出力を取り込み(S4)、圧力センサ44の検出による圧力が所定値以下か否かを判定する(S5)。圧力センサ44の検出圧力が所定値以下のときには、燃料ガスの供給状態が第1の状態にあって、暖機運転を継続する条件を満たさず、水素調圧値異常として、暖機運転を停止または燃料電池の出力制限をするための処理に移行する(S10)。
一方、水素調圧値が正常であるときには、燃料ガスの供給状態が第2の状態にあるか否かを判定するための処理として、制御部80は、水素ポンプ55のインバータ95への指令値に対応した通過電力値を取り込み(S6)、正常な状態で水素ポンプ55に生ずる回転数を指令回転数として計算する。また、制御部80は、回転数センサ57から水素ポンプの回転数の実測値を取り込む。このあと、制御部80は、インバータ95に対する制御により推定される水素ポンプ55の指令回転数と、実際の水素ポンプ55の実測回転数とを比較し、制御回転数と実測回転数との差の絶対値の大きさが所定値よりも大きいか否かを判定し(S7)、指令値と実測値との差分の絶対値の大きさが所定値よりも大きいときには、燃料ガスの供給状態が第2の状態にあって、暖機運転を継続する条件を満たさず、水素ポンプ55の異常と判定し、暖機運転を停止または燃料電池の出力制限をするための処理に移行する(S10)。
一方、ステップS7において、指令値と実測値との差分の絶対値の大きさが所定値よりも小さく、水素ポンプ55が正常状態にあると判定したときには、制御部80は、燃料ガスの供給状態が第3の状態にあるか否かを判定するために、水素インジェクタ45に関する情報を取り込み(S8)、水素ガス供給量と水素消費量との差が所定値よりも小さいか否かを判定する(S9)。
例えば、水素インジェクタ45に設けられたオリフィスにより決まる開弁度と水素インジェクタ45の開弁時間との掛け算から水素ガス供給量を推定し、この推定された水素ガス供給量と水素ガス消費量との差が所定値よりも小さいか否かを判定する。この場合、水素ガス消費量は、燃料電池20の発電電流量と電解質膜のアノードからカソードへの水素ガスのクロスリーク量によって推定することができる。
水素インジェクタ45による水素ガス供給量と、発電量、クロスリーク量、パージ弁開弁時間に応じたパージ水素量とがバランスされている状態なら、パージ弁63が正常に働いていると判定できる。しかし、水素消費量が予定より少ないと判定された場合にはパージ弁63の動作が不良で開弁されていないと判定できる。逆に、水素消費量が多すぎると判定された場合にはパージ弁63を閉じることができなくなっている異常状態を判定できる。
ステップS9において、水素ガス供給量と水素ガス消費量との差が所定値よりも小さいと判定したときには、制御部80は、燃料ガスの供給状態が第3の状態にあって、暖機運転を継続する条件を満たさず、パージ異常として、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をするための処理に移行し(S10)、一方、水素ガス供給量と水素ガス消費量との差が所定値よりも大きいときには暖機運転を所定時間継続したあと、このルーチンでの処理を終了する。
本実施例によれば、燃料ガス(水素ガス)の供給状態を監視し、3つの状態のいずれか1つの状態になったときには、燃料ガスの供給状態が暖機運転を継続する条件を満たさず、水素ガスが欠乏状態で負電圧になったとして、暖機運転を禁止または燃料電池の出力制限をするようにしたため、暖機運転時に、カーボンが喪失したり、電解質膜が溶解したりするのを防止することができ、燃料電池の信頼性の向上に寄与することができる。
(変形例)
燃料ガスの供給状態が暖機運転を継続する所定の条件を満たさない3つの状態を設定するに際して、第1の状態に関しては、圧力センサ44の検出による圧力=低圧水素圧力>しきい値圧力であってこの状態が所定秒数以上継続の場合を正常とし、それ以外の状態を水素調圧値異常とすることができる。第2の状態に関しては、水素ポンプ55の回転数がしきい値回転数以上であって、この状態が所定秒数以上継続するときを正常として、それ以外の状態を水素ポンプ55の回転数異常とすることもできる。第3の状態に関しては、パージ弁60が固着せず、パージの完了前にタイムアウトによる閉弁が所定回数連続して発生している状態を正常とし、それ以外の状態をパージ異常とすることもできる。
また、水素調圧値の異常を検出するに際しては、燃料電池20の入り口側の圧力の他に、燃料電池20の出力側の圧力を検出し、この検出値が所定値以下か否かで水圧調圧値の異常を判定することができる。
また、水素インジェクタ45による水素ガス供給量と、燃料電池20の発電量、水素ガスのクロスリーク量、パージ弁63の開弁時間に応じたパージ水素量がそれぞれバランスされているときには、パージ弁63が正常に働いていると判定し、水素消費量が所定値よりも少ないときには、パージ弁63の動作が不良で開弁状態にないと判定し、逆に、水素消費量が多すぎるとときには、パージ弁63が閉弁できない状態にあると判定することもできる。
本発明の一実施例を示す燃料電池システムのシステム構成図である。 氷点下始動時に、暖機運転を行うときの作用を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
10 燃料電池システム、20 燃料電池、32、36 温度センサ、45 水素インジェクタ、55 水素ポンプ、63 パージ弁、75 エアコンプレッサ、80 制御部、97 電圧センサ、98 電流センサ

Claims (4)

  1. 燃料電池に供給する酸化ガスの供給量を減少させて暖機運転を行う燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池の暖機運転実施の際、燃料ガスの供給状態を検出する検出部と、
    前記燃料ガスの供給状態が、次の条件1)〜)のいずれかに合致する場合に、前記燃料ガスが欠乏状態であると判定し、暖機運転を禁止するか、または、前記燃料電池の出力を制限する制御部と、を備える、
    燃料電池システム。
    条件1)前記燃料ガスの圧力が、当該燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以下であること;および
    条件2)前記燃料ガスを供給する駆動部に対する指令駆動量現実に検出された前記駆動部の駆動量との差分の絶対値、当該駆動量の不足による前記燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以上であること。
  2. 前記燃料電池へ供給される燃料ガスの圧力を検出する圧力検出部を備え、
    前記制御部は、前記圧力検出部により検出された前記燃料ガスの圧力に基づき前記条件1)を判定する、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記駆動部の駆動量を検出する駆動量検出部を備え、
    前記制御部は、前記駆動量検出部が検出した駆動量に基づき前記条件2)を判定する、
    請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 燃料電池に供給する酸化ガスの供給量を減少させて暖機運転を行う燃料電池システムの制御方法において、
    前記燃料電池の暖機運転実施の際、燃料ガスの供給状態を検出するステップと、
    前記燃料ガスの供給状態が、次の条件1)〜)のいずれかに合致するかを判定するステップと、
    前記条件1)〜)のいずれかに合致する場合に、前記燃料ガスが欠乏状態であると判定し、暖機運転を禁止するか、または、前記燃料電池の出力を制限するステップと、
    を備える、燃料電池システムの制御方法。
    条件1)前記燃料ガスの圧力が、当該燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以下であること;および
    条件2)前記燃料ガスを供給する駆動部に対する指令駆動量現実に検出された前記駆動部の駆動量との差分の絶対値が、当該駆動量の不足による前記燃料ガスの欠乏に伴って前記燃料電池に負電圧が生じることを回避可能なしきい値以上であること。
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