JP2005228709A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の触媒劣化を抑制するために燃料ガスのみを燃料電池に供給している時間を短縮する。
【解決手段】 システム起動時に、マイクロコンピュータ2は、カソード極12に空気を供給させない状態で、アノード極13に水素ガスを供給すると共に、燃料電池スタック1の発電電力を消費するようにダミー抵抗81を導通状態に開閉器82を制御することで、カソード極12に残存していた酸素と新たに供給開始した水素ガスとにより発電を開始させて、当該発電電力をダミー抵抗81で消費させる。そして、アノード極13から電解質膜を介してカソード極12に通過する水素ガスを増加させ、カソード極12に空気を供給開始するタイミングであることを判断した場合に、カソード極12に空気を供給開始する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池スタックのカソード極に酸素を供給すると共に、アノード極に水素を供給して発電させ、更には固体高分子電解質膜を湿潤状態に保持する燃料電池システムに関する。
従来より、燃料電池スタックを発電させる場合に、アノード極に水素ガスを供給すると共に、カソード極に空気を供給して発電させる燃料電池システムが知られている。
この燃料電池システムは、システム起動時に水素ガスを燃料電池スタックを構成する各燃料電池単セルのアノード側に供給し始めた時に、各燃料電池単セルのアノード内で水素分布勾配が生じる場合がある。すなわち、燃料電池単セルを水素入口から水素出口に向かって配列させた燃料電池スタックを使用した場合、アノード内における水素入口に近い各燃料電池単セルの水素濃度が水素出口に近い各燃料電池単セルの水素濃度に比べて高い水素リッチな状態となる。これは、燃料電池システムの停止時にカソード側から透過膜を透過した空気がアノード極に存在することや、水素系の配管の継ぎ手等から進入した空気がアノード極に存在することによる。
このように各燃料電池単セルのアノード極に水素以外のガスが存在することによる水素分布勾配が発生すると、水素リッチでない水素出口側におけるアノード極でプロトンが不足する。このため、燃料電池スタックの水素出口側においてアノード極からカソード極に到達するプロトンが不足する状態となり、水素出口付近におけるアノード−カソード間の電位が過剰に上昇し、この電位上昇がエネルギとなってカソード電極触媒の腐食を生じるようになる。
すなわち、水素出口付近の(水素リッチでない)領域ではプロトン不足を補うため、カソード電極触媒を担持しているカーボンと、水とが下記のカーボン腐食反応及び水の電気分解反応を起こす。
C+2HO → CO+4H+4e(カーボン腐食反応)
2HO → 4H+4e+O(水の電気分解反応)
このような腐食劣化を抑制する技術としては、例えば下記の特許文献1に記載されているように、システム起動時に、すべての燃料電池単セルのアノード極に水素ガスが定常的に流れる状態となった後、カソード極のガス通流路に酸化剤ガスを供給すると同時に、負荷を接続して発電電力を取り出すようにしている。
特開平9−120830号公報
しかしながら、上述した従来の技術では、燃料電池単セルのアノード極に水素ガスが定常的に流れる状態となったことを、水素ガスの供給開始時刻からの経過時間により判定しているため、上述のカソード電極触媒の腐食を防止するために当該経過時間を長めにして十分な余裕を持たせる必要がある。したがって、従来の技術では、システム起動時間が必要以上に長くなったり、経過時間に流す必要がある水素ガスの無駄が生じてしまう。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池の触媒劣化を抑制するために燃料ガスのみを燃料電池に供給している時間を短縮することができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料電池スタックで発電した発電電力を消費する電力消費手段と、燃料電池スタックの発電電圧を検出する発電電圧検出手段とを備え、燃料電池スタックを発電開始させる起動時又は停止じにおいて、制御手段により燃料極に燃料ガスの供給を開始する。
このとき、制御手段は、酸化剤極に酸化剤ガスを供給させない状態で、燃料極に燃料ガスを供給するように燃料供給手段を制御すると共に、燃料電池スタックの発電電力を消費するように電力消費手段を制御することで、酸化剤極に残存していた酸素と新たに供給開始した燃料ガスとにより発電を開始させて、当該発電電力を電力消費手段で消費させる。そして、制御手段は、燃料極から電解質膜を介して酸化剤極に通過する燃料ガスを増加させ、発電電圧に基づいて酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するタイミングであることを判断した場合に酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するように酸化剤ガス供給手段を制御することにより、上述の課題を解決する。
本発明を適用した燃料電池システムによれば、燃料ガスの供給開始時に燃料極内で燃料分布勾配がある場合に発生する燃料ガス不足による燃料ガス出口付近の燃料電池単セルでの電位の上昇を消費するので、電極触媒の腐食を抑制し、更には、燃料極から電解質膜を介して酸化剤極に通過する燃料ガス量を増加させるので、酸化剤極内の酸化剤ガス濃度を低くして残留酸化剤ガスが存在することによる燃料電池スタックの発電電圧を短時間で低下させることができ、燃料ガスのみを供給して酸化剤ガスを供給しない期間を短くすることができる。すなわち、この燃料電池システムによれば、燃料ガスのみを供給している状態で燃料ガスが燃料極から酸化剤極に通過して発電電圧が低下したことから、燃料ガス入口から燃料ガス出口に亘って燃料ガスが均一となったことを判断することができる。
したがって、この燃料電池システムによれば、カソード触媒で腐食劣化反応を起こす時間を短時間にして腐食劣化を最小限にすると共に、システム起動時における燃料ガスの無駄を少なくして燃料使用効率を高くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、例えば、固体高分子電解質膜11を挟んでカソード極12とアノード極13とを対設した燃料電池セル構造体を多孔質プレートからなる多孔質セパレータ14で挟み込み、複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスをアノード極13に供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気をカソード極12に供給する燃料電池システムについて説明する。なお、以下の説明においては、各燃料電池単セルにカソード極12及びアノード極13が存在し、全てのカソード極12及びアノード極13に空気及び水素ガスを供給する必要があるが、複数のカソード極12及びアノード極13を総称するときには、単に「カソード極12」、「アノード極13」と呼ぶ。
燃料電池スタック1は、水素ガス及び空気が供給されると、下記の式1に示すような電極反応をアノード極13で発生させると共に、下記の式2に示すような電極反応をカソード極12で発生させて、発電電力を生成する。
アノード極:H → 2H+2e (式1)
カソード極:2H+2e+(1/2)O → HO (式2)
また、この燃料電池スタック1は、各多孔質セパレータ14を純水極15で挟み込み、一方の純水極15にソリッドプレートセパレータ16を介して冷却水流路17が設けられている。
このような燃料電池システムは、燃料電池スタック1を発電させている時に、純水極15に純水を供給することで、多孔質セパレータ14を介してカソード極12及びアノード極13内のガスに水分を与え、当該ガスに与えられた水分により固体高分子電解質膜11を湿潤状態に保持する。また、この燃料電池システムは、冷却水流路17に冷却水を循環させることにより、燃料電池スタック1の温度を発電反応に適した温度に調整する。
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1に空気を供給して排出する空気系、燃料電池スタック1に水素ガスを循環させる水素ガス系、燃料電池スタック1を加湿する加湿用純水を循環させる加湿用純水系、燃料電池スタック1の温度調整をする冷却水を循環させる冷却水系を備える。この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の発電を制御するに際して、空気、水素ガス、加湿用純水、冷却水の各流体の流量及び圧力をマイクロコンピュータ2により制御する。
水素ガス系は、水素供給流路L1に、水素タンク21、水素タンク元弁22、減圧弁23、水素供給弁24、エゼクタポンプ25、水素圧力センサ26が設けられる。この水素ガス系は、燃料電池システムの通常運転時において、水素タンク21に貯蔵した高圧水素を水素ガスとしてアノード極13に導く。このとき、水素ガス系は、マイクロコンピュータ2により水素タンク元弁22が開状態とされ、マイクロコンピュータ2の制御により動作する水素圧力制御部27によって水素供給弁24の開度が調整される。これにより、水素ガスは、水素タンク21から減圧弁23に導かれ、当該減圧弁23で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素供給弁24で燃料電池スタック1内の水素ガス圧力が所望の水素圧に制御される。
また、この水素ガス系は、アノード極13の水素排出側に、アノード極13から排出された水素ガスを再度アノード極13に戻す水素循環流路L2が設けられて構成されている。この水素循環流路L2には、アノード極13の水素ガス出口から分岐して、エゼクタポンプ25に接続されている。これにより、水素ガス系は、アノード極13で消費されなかった水素ガスを再度エゼクタポンプ25からアノード極13の水素ガス入口に戻す。
また、この水素循環流路L2には、エゼクタポンプ25への接続部より上流側から分岐して、エゼクタポンプ25の水素ガス下流側に接続されている分岐流路が設けられ、当該分岐流路に水素循環ポンプ28が設けられている。この水素循環ポンプ28は、エゼクタポンプ25が水素タンク21からの水素ガス流速によって水素循環流路L2から水素ガスを取り込んでアノード極13の水素ガス入口に導く構成であるため、当該エゼクタポンプ25で水素循環流路L2の水素ガスを取り込めないような作動領域において、駆動する。これにより、水素ガス系は、例えば水素タンク21からアノード極13に供給する必要がある水素ガス流量が少ない場合に、水素循環ポンプ28を駆動して水素循環流路L2の水素ガスを確実にアノード極13に循環させることができる。
このような水素ガス系に対し、マイクロコンピュータ2及び水素圧力制御部27は、水素圧力センサ26からのセンサ信号を読み込み、燃料電池スタック1内の水素ガス圧力を所望の値、例えば一定圧力とするように水素供給弁24の開度を調整することで、アノード極13で消費した分量の水素ガスを自動的に補うようにする。
また、この水素ガス系は、アノード極13内のガスをパージするためのパージ流路L3が設けられて構成されている。このパージ流路L3には、例えばマイクロコンピュータ2の制御に従って開閉するパージ弁29と、外部に放出するガスの水素ガス濃度を希釈する希釈ブロア30とが設けられている。
この水素ガス系は、アノード極13及び水素循環流路L2に流れるガスの水素濃度が低下した場合に水素循環機能を確保するために、パージ弁29を開状態にして蓄積した窒素等の不純物を排出する。また、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1のセル電圧を回復させるために、パージ弁29を開状態にして水素循環流路L2等に蓄積した水詰まりを解消させる。また、マイクロコンピュータ2は、パージ弁29を開状態とするのと略同時に希釈ブロア30を駆動開始させ、パージ弁29から排出されるガスの水素濃度が可燃濃度未満となるように空気で希釈させて、システム外に排出する。
このような水素ガス系は、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、後述の空気系により空気をカソード極12に供給しない状態で、水素ガスのみをアノード極13に供給するように制御される。
空気系は、カソード極12の空気入口と接続された空気供給流路L4にコンプレッサ41及び空気圧力センサ42が設けられ、カソード極12の空気出口と接続された空気排出流路L5に空気調圧弁43が設けられて構成されている。
この空気系は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2によりコンプレッサ41のコンプレッサモータ(図示せず)の回転数が制御され、外気を取り込んで圧縮空気としてカソード極12の空気入口に導入する。このとき、マイクロコンピュータ2は、空気圧力センサ42からのセンサ信号を読み込んでカソード極12内の空気圧力を検出し、当該空気圧力を所望の圧力値とするように空気圧力制御部44に指令を送り、当該空気圧力制御部44により空気調圧弁43の開度を調整する。これにより、カソード極12は、空気に含まれる酸素を消費して発電反応を行い、消費されなかった空気を排出する。
このような空気系は、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、空気をカソード極12に供給しない状態とされる。
加湿用純水系は、純水循環流路L6に、純水タンク51、純水ポンプ52、純水回収弁53,54,55、純水シャット弁56が設けられて構成されている。この加湿用純水系は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2により純水ポンプ52の回転数及び純水回収弁53,54及び純水シャット弁56が開状態となされることで、純水タンク51に蓄積した加湿用純水を各純水極15に送る。これにより、燃料電池スタック1内の空気及び水素ガスを加湿させて、固体高分子電解質膜11を湿潤状態とする。このとき、マイクロコンピュータ2は、純水ポンプ52の回転数を制御することにより、各純水極15への加湿用純水流量を調整し、固体高分子電解質膜11への加湿量を調整する。
また、この加湿用純水系は、燃料電池システムを停止する場合に、純水循環流路L6に残存している加湿用純水を回収するための純水回収部57を備える。この純水回収部57は、マイクロコンピュータ2からシステムを停止する指令が送られると、純水回収弁53,54,55の開閉動作を制御することにより、純水循環流路L6にカソード極12から排出された空気を導入し、純水循環流路L6及び純水極15に存在する加湿用純水を空気圧により純水タンク51に回収する。これは、加湿用純水が各純水極15に残存したままシステムを停止状態にして放置し、システム周囲が氷点下雰囲気となった場合に、加湿用純水が膨張することによる燃料電池スタック1の劣化を防止するためである。
更に、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、後述の空気系により空気をカソード極12に供給しない状態で、水素ガスのみがアノード極13に供給する状態とされるが、この加湿用純水系は、加湿用純水を各純水極15に供給しない状態とされ、更に、純水回収弁54及び純水シャット弁56が閉状態となされる。これにより、加湿用純水系は、アノード極13から各純水極15に水素ガスがリークすることを抑制する。また、加湿用純水系は、燃料電池システムの起動時に、固体高分子電解質膜11の加湿量を増加させる場合に、マイクロコンピュータ2により各純水極15に加湿用純水を循環させる。
なお、この燃料電池システムにおいては、カソード極12内の空気圧力、アノード極13内の水素ガス圧力、及び各純水極15内の加湿用純水圧力が燃料電池スタック1の発電効率や水収支を考慮して設定され、更には、固体高分子電解質膜11や各多孔質セパレータ14に歪みを生じないように各圧力間の差圧が管理される。
冷却水系は、冷却水循環流路L7に、冷却水ポンプ61、冷却水温度センサ62、三方弁63、ラジエタ64及びラジエタファン65が設けられて構成されている。また、この冷却水系は、三方弁63によって冷却水循環流路L7から分岐して、冷却水ポンプ61の上流側の冷却水循環流路L7と接続されたバイパス流路L8を備える。
この冷却水系は、燃料電池システムの通常運転時において、冷却水温度制御部66により冷却水ポンプ61の駆動量、三方弁63の動作、ラジエタファン65の駆動量が調整される。これにより、冷却水ポンプ61から吐出された冷却水は、冷却水温度センサ62で温度が検出され、燃料電池スタック1の温度を低くする場合にはラジエタファン65の駆動量が増加され、三方弁63のラジエタ64側開口が開状態にされることにより、冷却水流路17で熱交換された後に、ラジエタ64で冷却される。また、燃料電池スタック1の温度を高くする場合には、三方弁63のバイパス流路L8側開口が開状態とされ、冷却水流路17で熱交換された冷却水をラジエタ64からバイパスして再度冷却水流路17に導入する。
更に、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1の発電電力を取り出すパワーマネージャ71、燃料電池スタック1の発電電圧を検出する電圧センサ72及びカソード極12内の酸素を消費させるための酸素消費部73を備える。
パワーマネージャ71は、例えばリレー回路やインバータ等からなり、カソード極12の電極及びアノード極13の電極に電気的に接続されている。このパワーマネージャ71は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2からの指令に従って燃料電池スタック1の発電電力を取り出し、当該発電電力を図示しない車両用駆動モータ等に供給する。
電圧センサ72は、燃料電池スタック1の発電電圧を検出し、当該発電電圧がセンサ信号としてマイクロコンピュータ2に読み込まれる。このセンサ信号は、マイクロコンピュータ2により燃料電池スタック1の発電量を制御する場合や、燃料電池スタック1を構成する燃料電池単セルの状態を監視するために使用される。
酸素消費部73は、燃料電池システムの起動時や停止時にカソード極12内の酸素を消費するために発電した電力を消費する。この酸素消費部73は、本例において、パワーマネージャ71と接続されたダミー抵抗81と開閉器82とからなる。この酸素消費部73は、マイクロコンピュータ2により開閉器82が開状態(開放状態)とされている場合には、パワーマネージャ71により取り込んだ発電電力をダミー抵抗81で消費させず、マイクロコンピュータ2により開閉器82が閉状態(導通状態)とされている場合には、パワーマネージャ71により取り込んだ発電電力をダミー抵抗81で消費させる。
このような酸素消費部73は、燃料電池システムの起動時や停止時において、マイクロコンピュータ2により開閉器82が閉状態とされ、各燃料電池単セルのアノード極13の水素分布によって引き起こされるカソード触媒腐食劣化抑制のために使用される。
なお、酸素消費部73は、ダミー抵抗81として固定抵抗値のものを使用したが、可変抵抗にしてマイクロコンピュータ2により負荷制御可能としても良く、更には、直流電圧変換回路を備え、負荷電流を任意に制御可能なものであっても良く、更にはパワーマネージャ71から取り出した電力を二次電池(図示せず)に充電する構成であっても良い。
マイクロコンピュータ2は、後述する燃料電池システムの起動処理等を行う手順を実行するCPU(Central Processing Unit)や、上述した各部とのインターフェース回路等からなる。このマイクロコンピュータ2は、例えば外部からの燃料電池システムの起動命令や停止命令、更には車両用駆動モータに要求される駆動トルクに従って、上述した各部を制御する。
[燃料電池システムの起動処理]
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムにおける起動処理について説明する。
この燃料電池システムの起動処理は、マイクロコンピュータ2に例えば燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令が入力されることに応じて、ステップS1の処理を開始する。このステップS1では、アノード極13のみに水素ガスを供給開始する。このとき、マイクロコンピュータ2は、水素タンク元弁22を開状態、パージ弁29を開状態、希釈ブロア30を駆動状態、水素循環ポンプ28を駆動状態とし、水素圧力制御部27は、水素供給弁24を開状態とし、更には図示しないエゼクタポンプ25の水素循環流路L2側の弁(図示せず)を開状態にする。
ここで、パージ弁29を開状態とすると共に希釈ブロア30を駆動状態とするのは、水素タンク21、水素供給流路L1、アノード極13、パージ流路L3と通ずる水素ガス流路を確保するためである。また、水素循環ポンプ28を駆動状態とすると共にエゼクタポンプ25の水素循環流路L2側を開状態とするのは、アノード極13内のガス流速を増加させるためである。これにより、水素ガスの供給開始時に短時間で水素ガス出口付近の燃料電池単セルまで水素ガスを到達させて、燃料電池スタック1内の水素分布を均一にさせるための動作を開始する。また、水素圧力制御部27は、水素圧力センサ26からのセンサ信号を参照して、アノード極13の水素ガス入口における圧力値を目標運転圧力に維持するように水素供給弁24の開度を調整する。
一方、ステップS1においては、コンプレッサ41を駆動させず、カソード極12には空気を供給しない状態となっている。
このステップS1のように水素ガスをアノード極13のみに供給する状態となると、カソード極12に残存していた酸素が使用されて燃料電池スタック1で発電が開始する。そして、ステップS2において、マイクロコンピュータ2は、開閉器82を閉状態とすることにより、燃料電池スタック1の発電電圧をパワーマネージャ71からダミー抵抗81に印加する。このとき、カソード極12にはコンプレッサ41からの空気が供給されていない状態なので、発電反応によりカソード極12内の残存酸素が消費されることにより減少し、これに伴って発電電圧も低下し始める。
ところで、ステップS1で水素ガスの供給を開始した直後では、燃料電池スタック1の水素ガス入口側のアノード極13の水素ガス濃度が、水素ガス出口側のアノード極13の水素ガス濃度よりも高い水素リッチ状態となっており、燃料電池スタック1の全体でみるとアノード極13内で水素分布勾配を生じている状態となっている。このとき、水素ガス出口側のアノード極13では、プロトンが不足し、このプロトン不足を補うためカソード極12側ではカソード触媒を支持しているカーボン材とHOとが反応する触媒腐食劣化反応が発生する。この触媒腐食劣化反応が進行すると、カソード触媒の有効面積が減少する。また、プロトンが不足している各燃料電池単セルの水素ガス出口側では、水素ガス入口側に比べて電位が上昇し、この電位上昇が腐食劣化反応を引き起こすエネルギとして作用する。
これに対し、この燃料電池システムの起動処理は、ステップS2において、ダミー抵抗81とカソード極12及びアノード極13とを電気的に接続したので、ダミー抵抗81に燃料電池スタック1からの電流を流すことにより燃料電池スタック1の電圧を低下させて、カソード極12での触媒腐食劣化を引き起こすエネルギを減少させて触媒腐食劣化反応を抑制する。
そして、ステップS2以降では、燃料電池スタック1とダミー抵抗81とを電気的に接続する状態を保持する。
次のステップS3においては、アノード極13から固体高分子電解質膜11を通過してカソード極12に到達する水素ガスを増加させる動作を行う。すなわち、ダミー抵抗81を開閉器82により導通状態としているときに、アノード極13の水素ガスが固体高分子電解質膜11を通過してカソード極12に到達しやすくする。これにより、水素ガスがカソード極12内に滞留するようになると、各燃料電池単セルの水素ガス出口まで水素ガスが行き渡った状態に近づき、次第にアノード極13内の水素分布の偏りが解消されていく。
このとき、マイクロコンピュータ2は、固体高分子電解質膜11の加湿量を増加させると共に、アノード極13の水素ガス圧力を増加させる。このとき、マイクロコンピュータ2は、純水ポンプ52の回転数を増加させると共に、水素圧力制御部27での目標水素圧力を高く設定して水素供給弁24の開度を小さくしたり、水素循環ポンプ28の回転数を増加させる。なお、エゼクタポンプ25は、ステップS1にて水素循環流路L2側開口が開状態となされているが、ステップS3においても継続して開状態に保持しておく。
これにより、固体高分子電解質膜11の加湿量が増加して、アノード極13の水素ガスが水分に溶け込んで固体高分子電解質膜11を通過してカソード極12に到達しやすくすると共に、アノード極13の水素ガス圧力や水素ガス流量を増加させることでアノード極13とカソード極12との水素分圧差を上昇させてアノード極13の水素を固体高分子電解質膜11を通過してカソード極12に到達しやすくする。
この結果、アノード極13内での酸素濃度が低くなって燃料電池スタック1の発電反応を抑制し、燃料電池スタック1の電圧低下速度を速くして、発電電圧が低下することにより腐食劣化反応を引き起こすエネルギを減少させる。
次のステップS4においては、アノード極13に水素ガスを流してダミー抵抗81を接続している状態を終了し、コンプレッサ41からカソード極12に空気を供給開始するタイミングを判断する。このとき、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1の水素ガス入口から水素ガス出口に亘る水素分布が均一となっているか否かを判断する。
具体的には、マイクロコンピュータ2は、図3に示すような処理を行うことにより、水素ガス入口から水素ガス出口に亘る水素分布を判断する。図3によれば、マイクロコンピュータ2は、電圧センサ72からのセンサ信号を読み込んで、発電電圧の変化率を求め、当該発電電圧の変化率が所定値以下か否か(ステップS11)、発電電圧のピーク回数が所定値を超えたか否か(ステップS12)、水素ガス出口の水素濃度が所定時間以上所定値を超えたか否かを判定する(ステップS13)。
そして、マイクロコンピュータ2は、ステップS11、ステップS12、ステップS13の何れかの条件が成立したと判定した場合には、水素ガス入口から水素ガス出口に亘って均一の水素分布となったと判断してアノード極13のみに水素ガスを供給してダミー抵抗81を導通させている状態を終了させる(ステップS14)。ここで、各燃料電池単セルの水素ガス出口まで水素ガスが行き渡ってアノード極13内の水素分布の偏りが解消されている状態では、カソード極触媒の腐食は起きない。
一方、マイクロコンピュータ2は、ステップS11、ステップS12又はステップS13の条件の何れも成立しないと判定した場合には、水素ガス入口から水素ガス出口に亘って均一の水素分布となっていないと判断してアノード極13のみに水素ガスを供給してダミー抵抗81を導通させている状態を継続させる(ステップS15)。
このような図3の動作を更に詳しく説明すると、アノード極13に水素ガスを流してダミー抵抗81を接続している状態を継続しているとカソード極12の残留酸素が発電反応で消費されると共に、アノード極13からカソード極12への水素通過量も増加して酸素濃度が低下し、これに伴って発電電圧も低下する。ある程度残留酸素が発電反応で消費されると、カソード極12内の圧力が低下してアノード極13から固体高分子電解質膜11を通過してカソード極12に到達しやすくなり水素ガスがカソード極12に滞留するようになる。
このようにカソード極12内で酸素が少なくなることによる発電電圧の低下は、図4の時刻t3以降に示すように緩やかに変化し、図4の時刻t1及びt2に示すような発電反応で酸素が消費されることによる変化に比べると小さい。これに対し、マイクロコンピュータ2は、ステップS11において、カソード極12内の酸素が緩やかに減少して発電電圧が緩やかに低下する場合、すなわち発電電圧が低下する変化率が低くなった場合には、水素ガス入口から水素ガス出口に亘って均一の水素分布となったと判断する。
なお、ステップS11における発電電圧の変化率の所定値は、発電反応が発生して酸素が減少することによる発電電圧の変化率よりも低く、アノード極13からカソード極12に水素ガスが侵入することによる発電電圧の低下を判定するための変化率が設定されている。なお、この変化率の所定値は、燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜11の寸法や燃料電池単セルの数等に応じて実験等により設定されている。
このようにアノード極13から固体高分子電解質膜11を通過してカソード極12に到達した水素ガスが滞留するようになって発電電圧が低下する変化率が小さくなった時には、水素ガス出口まで水素ガスが到達しており各燃料電池単セルのアノード極13内の水素分布勾配がほとんどない状態である。このように、アノード極13内に水素分布勾配がほとんどない時にはカソード触媒劣化が起きないため、アノード極13に水素ガスを流してダミー抵抗81を接続している状態を継続してカソード触媒劣化抑制を行っても効果が薄いので、ステップS5に処理を進める。そして、ステップS5において、マイクロコンピュータ2は、開閉器82を開状態とし、コンプレッサ41からカソード極12に空気を供給して発電を開始させることになる。
なお、このステップS11においては、発電電圧のノイズ等の影響により誤判定しないように、発電電圧の変化率が所定値より小さい状態が所定時間以上継続した場合にステップS14の判断を行ってもよい。具体的には、発電電圧の変化率が、例えば発電反応が起こった時の最大変化率の1/5以下になった状態が3秒以上継続した場合にステップS14の判断を行っても良く、更に具体的には、最大変化率の最大値は、予め実験で測定しておいた例えば20V/秒、発電電圧の変化率の所定値は、4V/秒とする。
また、ステップS12における発電電圧のピーク回数とは、図4の時刻t1及びt2に示すように、発電反応が発生して発電電圧が上昇した回数に相当する。すなわち、アノード極13に水素ガスの供給を開始した時、カソード極12の残留酸素と反応して発電電圧が急峻に増加し、その後、酸素が消費されると共に発電電圧が低下する減少が起こる。このため、発電電圧は、ピーク状に変化するようになる。
このような発電電圧の変化は、図4に示したように、各燃料電池単セル内の水素ガス及び空気が流れるガスチャネルの形状パタンに依存して、ピーク回数が複数になる場合もある。したがって、ステップS12におけるピーク回数の所定値は、燃料電池スタック1の実験等により、ピーク回数と水素分布勾配との相関を調べることにより設定される。この図4によれば、本例では、2つの大きなピークが現れ、2つ目のピーク以降は水素ガス出口まで水素ガスが行き渡り水素分布勾配がなくなった状態になることを示している。
更に、ステップS13における水素濃度の所定値は、ステップS1で水素ガスの供給を開始することにより、ステップS1の以前にアノード極13に残存していた水素ガス以外のガスが水素ガスに置換されたことを判定する水素濃度が設定されている。この水素濃度は、図示しない燃料電池スタック1の水素ガス出口付近に設けられた水素濃度センサにより検出されて、マイクロコンピュータ2により判定される。そして、マイクロコンピュータ2は、水素濃度が所定値以上である期間が所定時間を超えた場合に、水素ガス入口から水素ガス出口に亘って水素ガスが行き渡り水素分布勾配がなくなった状態となったと判定してステップS14の判断に処理を進める。これは、燃料電池スタック1内で残留酸素と発電反応して消費される水素ガス量が減少することにより、排水素ガス量が増えて排水素濃度が上昇することによる。
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、水素ガスの供給開始時にアノード極13内で水素分布勾配がある場合に発生する水素ガス不足による水素ガス出口付近の燃料電池単セルでの電位の上昇をダミー抵抗81で消費するので、カソード電極触媒の腐食を抑制し、更には、アノード極13から固体高分子電解質膜11を介してカソード極12に通過する水素ガス量を増加させるので、カソード極12内の酸素濃度を低くして残留酸素が存在することによる燃料電池スタック1の発電電圧を短時間で低下させることができ、水素ガスのみを供給して空気を供給しない期間を短くすることができる。すなわち、この燃料電池システムによれば、水素ガスのみを供給している状態で水素ガスがアノード極13からカソード極12に通過して発電電圧が低下したことから、水素ガス入口から水素ガス出口に亘って水素ガスが均一となったことを判断することができる。
したがって、この燃料電池システムによれば、カソード触媒で腐食劣化反応を起こす時間を短時間にして腐食劣化を最小限にすると共に、システム起動時における水素ガスの無駄を少なくして水素使用効率を高くすることができる。
また、この燃料電池システムによれば、酸素消費部73を可変抵抗等で構成してマイクロコンピュータ2により酸素消費部73での消費電流を調整することにより、アノード極13のみに水素ガスを供給しているときの燃料電池スタック1の発電電圧が所定値を超えないように発電電圧を制御することができるので、更に確実に電圧上昇によるカソード電極触媒の腐食を抑制することができる。
更に、この燃料電池システムによれば、カソード極12内の酸素が減少することにより水素ガスがカソード極12に到達して発電電圧の低下の変化率が所定値以下となった場合に、アノード極13内の水素分布が均一となったと判断することができ、カソード極12内の水素量が多いほど発電電圧が低下する性質を利用することができ、適切なタイミングでコンプレッサ41からカソード極12への空気の供給を開始することができる。また、この燃料電池システムによれば、所定時間以上発電電圧の低下の変化率が所定値以下と判断した場合にアノード極13内の水素分布が均一となったと判断するので、ノイズ等による誤判断を防止することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、発電電圧のピーク回数が所定回数を超えた場合に水素分布が均一であると判断するので、燃料電池スタック1で発電が行われた回数に応じてカソード極12内の酸素の減少を判断して、カソード極12内の酸素が減少することによってアノード極13からカソード極12に水素ガスが通過することを判断することができ、適切なタイミングでコンプレッサ41からカソード極12への空気の供給を開始することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、水素出口の水素濃度が所定時間以上所定値を超えた場合に、水素分布が均一であると判断するので、確実に水素分布が均一になっていることを検出して、確実にカソード電極触媒の腐食を抑制すると共に、適切なタイミングでコンプレッサ41からカソード極12への空気の供給を開始することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、固体高分子電解質膜11の加湿量を増加させることにより、アノード極13から固体高分子電解質膜11に溶け込む水素を増加させて、アノード極13からカソード極12に水素ガスを通過させやすくすることができ、更に短時間で発電電圧を低下させると共に短時間でアノード極13内の水素分布を均一にすることができ、更に起動時間を短時間とすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、アノード極13内の水素ガス圧力を増加させることにより、アノード極13とカソード極12との水素分圧差によってアノード極13からカソード極12に水素ガスを通過させやすくすることができ、更に短時間で発電電圧を低下させると共に短時間でアノード極13内の水素分布を均一にすることができ、更に起動時間を短時間とすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、水素循環流路L2から再度アノード極13に循環させる水素ガス流量を増加させることにより、アノード極13内の水素ガス圧力を増加させることができ、更に短時間で発電電圧を低下させると共に短時間でアノード極13内の水素分布を均一にすることができ、更に起動時間を短時間とすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、アノード極13内の水素分布が均一であると判断した場合に、固体高分子電解質膜11の加湿量を増加させる動作、アノード極13内の水素ガス圧力を増加させる動作、アノード極13内の水素ガス流量を増加させる動作を終了するので、加湿用純水や水素ガスの無駄を抑制することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
すなわち、上述した実施の形態では、燃料電池システムの起動時おける動作を主として説明したが、システムの停止時に水素のみを燃料電池スタック1に供給した状態で、カソード極12内の酸素を減少させると共に発電電力を消費させる動作を行っても、停止状態であるときにカソード極12からアノード極13に通過する空気量を減少させることができ、次回のシステム起動時間を短くすることができる効果を発揮させることができる。
本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用した燃料電池システムの起動時の動作手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムの起動時の動作において、アノード極の水素分布が均一になったことを判断するときのフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムの起動時の動作を行った場合の発電電圧の時間変化を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 マイクロコンピュータ
11 固体高分子電解質膜
12 カソード極
13 アノード極
14 多孔質セパレータ
15 純水極
16 ソリッドプレートセパレータ
17 冷却水流路
21 水素タンク
22 水素タンク元弁
23 減圧弁
24 水素供給弁
25 エゼクタポンプ
26 水素圧力センサ
27 水素圧力制御部
28 水素循環ポンプ
29 パージ弁
30 希釈ブロア
41 コンプレッサ
42 空気圧力センサ
43 空気調圧弁
44 空気圧力制御部
51 純水タンク
52 純水ポンプ
53,54,55 純水回収弁
56 純水シャット弁
57 純水回収部
61 冷却水ポンプ
62 冷却水温度センサ
63 三方弁
64 ラジエタ
65 ラジエタファン
66 冷却水温度制御部
71 パワーマネージャ
72 電圧センサ
73 酸素消費部
81 ダミー抵抗
82 開閉器

Claims (8)

  1. 電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、
    前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池スタックで発電した発電電力を消費する電力消費手段と、
    前記燃料電池スタックの発電電圧を検出する発電電圧検出手段と、
    燃料電池システムの起動時に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給させない状態で、前記燃料極に燃料ガスを供給するように前記燃料供給手段を制御すると共に前記燃料電池スタックの発電電力を消費するように前記電力消費手段を制御し、前記燃料極から前記電解質膜を介して前記酸化剤極に通過する燃料ガスを増加させ、前記発電電圧検出手段により検出された発電電圧に基づいて、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するタイミングを判断する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記発電電圧検出手段により検出された発電電圧の変化率が所定値以下となった場合に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するタイミングであることを判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記発電電圧検出手段により検出された発電電圧のピーク回数が所定回数を超えた場合に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するタイミングであることを判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池スタックの燃料ガス出口付近の燃料ガス濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガス濃度が所定値を超えた場合に、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するタイミングであることを判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  5. 前記電解質膜を加湿する加湿手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記電解質膜の加湿量を増加させるように前記加湿手段を制御して、前記燃料極から前記電解質膜を介して前記酸化剤極に通過する燃料ガスを増加させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料供給手段は、前記燃料極での燃料ガス圧力を調整する圧力調整手段を備え、
    前記制御手段は、前記燃料極での燃料ガス圧力を増加させるように前記圧力調整手段を制御して、前記燃料極から前記電解質膜を介して前記酸化剤極に通過する燃料ガスを増加させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記燃料供給手段は、前記燃料電池スタックから排出されたガスを前記燃料電池スタックの燃料入口に循環させる燃料循環手段を備え、
    前記制御手段は、前記燃料極に供給する燃料ガス流量を増加させるように前記燃料循環手段を制御して、前記燃料極から前記電解質膜を介して前記酸化剤極に通過する燃料ガスを増加させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給開始するタイミングであることを判断した場合に、前記燃料極から前記電解質膜を介して前記酸化剤極に通過する燃料ガスを増加させる動作を終了させることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の燃料電池システム。
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