JP2005310435A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム Download PDF

Info

Publication number
JP2005310435A
JP2005310435A JP2004122883A JP2004122883A JP2005310435A JP 2005310435 A JP2005310435 A JP 2005310435A JP 2004122883 A JP2004122883 A JP 2004122883A JP 2004122883 A JP2004122883 A JP 2004122883A JP 2005310435 A JP2005310435 A JP 2005310435A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel cell
fuel
gas
hydrogen
voltage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004122883A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaru Okamoto
勝 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2004122883A priority Critical patent/JP2005310435A/ja
Publication of JP2005310435A publication Critical patent/JP2005310435A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

【課題】 燃料電池の触媒劣化の抑制と、燃料電池システムの起動時間の短縮を同時に実現する。
【解決手段】 システム起動時に、マイクロコンピュータ2は、カソード極12に空気を供給させない状態で、燃料電池スタック1の発電電力を消費するようにダミー抵抗81で電力消費させ、アノード極13への水素の供給を開始するよう制御し、さらに、アノード極13の圧力を所定の目標圧力以下とし、燃料電池スタック1の発電電圧を所定の目標電圧以下とするように、水素供給弁24によるアノード極13への供給水素量を調整し、パージ弁29によるアノード極13からの排出水素量を調整するよう制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池スタックのカソード極に酸素を供給すると共に、アノード極に水素を供給して発電させ、更には固体高分子電解質膜を湿潤状態に保持する燃料電池システムに関する。
従来より、燃料電池スタックを発電させる場合に、アノード極に水素ガスを供給すると共に、カソード極に空気を供給して発電させる燃料電池システムが知られている。
この燃料電池システムは、システム起動時に水素ガスを燃料電池スタックを構成する各燃料電池単セルのアノード側に供給し始めた時に、各燃料電池単セルのアノード内で水素分布勾配が生じる場合がある。すなわち、燃料電池単セルを水素入口から水素出口に向かって配列させた燃料電池スタックを使用した場合、アノード内における水素入口に近い各燃料電池単セルの水素濃度が水素出口に近い各燃料電池単セルの水素濃度に比べて高い水素リッチな状態となる。これは、燃料電池システムの停止時にカソード側から透過膜を透過した空気がアノード極に存在することや、水素系の配管の継ぎ手等から進入した空気がアノード極に存在することによる。
このように各燃料電池単セルのアノード極に水素以外のガスが存在することによる水素分布勾配が発生すると、水素リッチでない水素出口側におけるアノード極でプロトンが不足する。このため、燃料電池スタックの水素出口側においてアノード極からカソード極に到達するプロトンが不足する状態となり、水素出口付近におけるアノード−カソード間の電位が過剰に上昇し、この電位上昇がエネルギーとなってカソード電極触媒の腐食を生じるようになる。
すなわち、水素出口付近の(水素リッチでない)領域ではプロトン不足を補うため、カソード電極触媒を担持しているカーボンと、水とが下記のカーボン腐食反応及び水の電気分解反応を起こす。
C+2HO → CO+4H++4e(カーボン腐食反応)
2HO → 4H++4e+O(水の電気分解反応)
このような腐食劣化を抑制する技術としては、アノード極に水素を供給している間に、電圧値が所定値を超えないようにダミー抵抗を接続するといった劣化抑制方法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上述したような、腐食劣化を起こしている箇所のアノード−カソード間においては、腐食劣化がない状態と比較して、電位の上昇が見られる。そして、電位の上昇が、腐食劣化反応を引き起こすエネルギーとして作用することになる。
特許文献1で開示されている技術では、ダミー抵抗を用いて、このダミー抵抗に電流を流すことで上昇した電位を下げるように制御を行っている。つまり、ダミー抵抗に電流が流れることで、電位が下降すると、腐食劣化反応を起こすのに必要なエネルギーが減少するため、腐食劣化反応は抑制されることになる。
特開平9−83702号公報
上述したような燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックによる発電を開始して発電電力を取り出せる状態とするまでの起動時間は、出来る限り短い方が好ましい。起動時間を短縮させるには、水素を出来る限り多量に供給して、アノード極内の水素分布勾配を解消し、水素濃度を迅速に高めることで可能である。しかし、このような手法は、以下に示すような問題がある。
すなわち、水素流量を増やすと、アノード極−カソード極差圧制限を超えてしまう場合がある。このように、アノード極−カソード極差圧制限を超えてしまった場合に、アノード極内の圧力を下げて差圧制限内とするには、燃料電池スタックの水素ガス出口側のパージ弁を開くといった手法がある。しかし、システムの起動時にパージ弁を開くと、燃料電池スタックの水素ガス入口側と水素ガス出口側との圧力差が拡大して、アノード極に流入する水素流用が増えてしまうことになる。このように、水素流量が増えると、発電電圧が上昇するため、上述した劣化反応を促進させてしまうといった問題がある。
そこで、本発明は、上述したような問題を解決するために案出されたものであり、燃料電池システムの起動時間を短縮させる場合であっても、発電電圧を劣化抑制管理電圧以下に維持し、且つ、アノード極−カソード極差圧を制限値以下とすることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明に係る燃料電池システムは、電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料極のガスを排出するガス排出手段と、前記燃料電池スタックで発電した発電電力を消費する電力消費手段と、前記燃料電池スタックの発電電圧を検出する発電電圧検出手段と、前記燃料極のガス圧力を検出する圧力検出手段とを備える。
このような燃料電池システムにおいて、制御手段は、燃料電池システムの起動時において、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給させない状態で、前記燃料電池スタックの発電電力を消費するように前記電力消費手段を制御すると共に、前記燃料供給手段から燃料極への燃料ガスの供給を開始するよう制御している時に、前記圧力検出手段によって検出された燃料極のガス圧力を目標圧力以下、且つ、前記発電電圧検出手段によって検出された前記燃料電池スタックの電圧を目標電圧以下とするように、前記燃料供給手段による燃料極への供給ガス流量、及び、前記ガス排出手段による燃料極からの排出ガス流量を調整することにより、上述の課題を解決する。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタックの発電開始時に、燃料極の圧力を所定の目標圧力以下、且つ、燃料電池スタックの電圧を所定の目標電圧以下とするように、燃料供給手段による燃料極への供給ガス流量、及び、ガス排出手段による燃料極からの排出ガス流量を調整するよう制御するので、燃料極への燃料供給不足のリスクを回避しつつ、起動時における腐食劣化反応を抑制しながら、供給可能な最大燃料流量を燃料極に供給することができる。したがって、燃料電池システムの起動時間を短縮することを可能とすると共に、圧力過大(差圧過大)による燃料電池スタックへダメージを防止することを可能とする。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、例えば、固体高分子電解質膜11を挟んでカソード極12とアノード極13とを対設した燃料電池セル構造体を多孔質プレートからなる多孔質セパレータ14で挟み込み、複数積層して構成されている。
本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスをアノード極13に供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気をカソード極12に供給する燃料電池システムについて説明する。なお、以下の説明においては、各燃料電池単セルにカソード極12及びアノード極13が存在し、全てのカソード極12及びアノード極13に空気及び水素ガスを供給する必要があるが、複数のカソード極12及びアノード極13を総称するときには、単に「カソード極12」、「アノード極13」と呼ぶ。
燃料電池スタック1は、水素ガス及び空気が供給されると、下記の式1に示すような電極反応をアノード極13で発生させると共に、下記の式2に示すような電極反応をカソード極12で発生させて、発電電力を生成する。
アノード極:H → 2H+2e (式1)
カソード極:2H++2e+(1/2)O → HO (式2)
また、この燃料電池スタック1は、各多孔質セパレータ14を純水極15で挟み込み、一方の純水極15にソリッドプレートセパレータ16を介して冷却水流路17が設けられている。
このような燃料電池システムは、燃料電池スタック1を発電させている時に、純水極15に純水を供給することで、多孔質セパレータ14を介してカソード極12及びアノード極13内のガスに水分を与え、当該ガスに与えられた水分により固体高分子電解質膜11を湿潤状態に保持する。また、この燃料電池システムは、冷却水流路17に冷却水を循環させることにより、燃料電池スタック1の温度を発電反応に適した温度に調整する。
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1に空気を供給して排出する空気系、燃料電池スタック1に水素ガスを循環させる水素ガス系、燃料電池スタック1を加湿する加湿用純水を循環させる加湿用純水系、燃料電池スタック1の温度調整をする冷却水を循環させる冷却水系を備える。この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の発電を制御するに際して、空気、水素ガス、加湿用純水、冷却水の各流体の流量及び圧力をマイクロコンピュータ2により制御する。
水素ガス系は、水素供給流路L1に、水素タンク21、水素タンク元弁22、減圧弁23、水素供給弁24、エゼクタポンプ25、水素圧力センサ26が設けられる。この水素ガス系は、燃料電池システムの通常運転時において、水素タンク21に貯蔵した高圧水素を水素ガスとしてアノード極13に導く。このとき、水素ガス系は、マイクロコンピュータ2により水素タンク元弁22が開状態とされ、マイクロコンピュータ2の制御により動作する水素圧力制御部27によって水素供給弁24の開度が調整される。これにより、水素ガスは、水素タンク21から減圧弁23に導かれ、当該減圧弁23で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素供給弁24で燃料電池スタック1内の水素ガス圧力が所望の水素圧に制御される。
また、この水素ガス系は、アノード極13の水素排出側に、アノード極13から排出された水素ガスを再度アノード極13に戻す水素循環流路L2が設けられて構成されている。この水素循環流路L2には、アノード極13の水素ガス出口から分岐して、エゼクタポンプ25に接続されている。これにより、水素ガス系は、アノード極13で消費されなかった水素ガスを再度エゼクタポンプ25からアノード極13の水素ガス入口に戻す。
また、この水素循環流路L2には、エゼクタポンプ25への接続部より上流側から分岐して、エゼクタポンプ25の水素ガス下流側に接続されている分岐流路が設けられ、当該分岐流路に水素循環ポンプ28が設けられている。この水素循環ポンプ28は、エゼクタポンプ25が水素タンク21からの水素ガス流速によって水素循環流路L2から水素ガスを取り込んでアノード極13の水素ガス入口に導く構成であるため、当該エゼクタポンプ25で水素循環流路L2の水素ガスを取り込めないような作動領域において、駆動する。これにより、水素ガス系は、例えば水素タンク21からアノード極13に供給する必要がある水素ガス流量が少ない場合に、水素循環ポンプ28を駆動して水素循環流路L2の水素ガスを確実にアノード極13に循環させることができる。
このような水素ガス系に対し、マイクロコンピュータ2及び水素圧力制御部27は、水素圧力センサ26からのセンサ信号を読み込み、燃料電池スタック1内の水素ガス圧力を所望の値、例えば一定圧力とするように水素供給弁24の開度を調整することで、アノード極13で消費した分量の水素ガスを自動的に補うようにする。
また、この水素ガス系は、アノード極13内のガスをパージするためのパージ流路L3が設けられて構成されている。このパージ流路L3には、例えば、水素圧力センサ26からのセンサ信号を読み込み、マイクロコンピュータ2の制御により動作するパージ制御部31によって開閉するパージ弁29と、外部に放出するガスの水素ガス濃度を希釈する希釈ブロア30とが設けられている。
この水素ガス系は、アノード極13及び水素循環流路L2に流れるガスの水素濃度が低下した場合に水素循環機能を確保するために、パージ弁29を開状態にして蓄積した窒素等の不純物を排出する。また、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1のセル電圧を回復させるために、パージ制御部31を制御し、パージ弁29を開状態にして水素循環流路L2等に蓄積した水詰まりを解消させる。更に、マイクロコンピュータ2は、パージ弁29を開状態とするのと略同時に希釈ブロア30を駆動開始させ、パージ弁29から排出されるガスの水素濃度が可燃濃度未満となるように空気で希釈させて、システム外に排出する。
このような水素ガス系は、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、後述の空気系により空気をカソード極12に供給しない状態で、水素ガスのみをアノード極13に供給するように制御される。
空気系は、カソード極12の空気入口と接続された空気供給流路L4にコンプレッサ41及び空気圧力センサ42が設けられ、カソード極12の空気出口と接続された空気排出流路L5に空気調圧弁43が設けられて構成されている。
この空気系は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2によりコンプレッサ41のコンプレッサモータ(図示せず)の回転数が制御され、外気を取り込んで圧縮空気としてカソード極12の空気入口に導入する。このとき、マイクロコンピュータ2は、空気圧力センサ42からのセンサ信号を読み込んでカソード極12内の空気圧力を検出し、当該空気圧力を所望の圧力値とするように空気圧力制御部44に指令を送り、当該空気圧力制御部44により空気調圧弁43の開度を調整する。これにより、カソード極12は、空気に含まれる酸素を消費して発電反応を行い、消費されなかった空気を排出する。
このような空気系は、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、空気をカソード極12に供給しない状態とされる。
加湿用純水系は、純水循環流路L6に、純水タンク51、純水ポンプ52、純水回収弁53,54,55、純水シャット弁56が設けられて構成されている。この加湿用純水系は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2により純水ポンプ52の回転数及び純水回収弁53,54及び純水シャット弁56が開状態となされることで、純水タンク51に蓄積した加湿用純水を各純水極15に送る。これにより、燃料電池スタック1内の空気及び水素ガスを加湿させて、固体高分子電解質膜11を湿潤状態とする。このとき、マイクロコンピュータ2は、純水ポンプ52の回転数を制御することにより、各純水極15への加湿用純水流量を調整し、固体高分子電解質膜11への加湿量を調整する。
また、この加湿用純水系は、燃料電池システムを停止する場合に、純水循環流路L6に残存している加湿用純水を回収するための純水回収部57を備える。この純水回収部57は、マイクロコンピュータ2からシステムを停止する指令が送られると、純水回収弁53,54,55の開閉動作を制御することにより、純水循環流路L6にカソード極12から排出された空気を導入し、純水循環流路L6及び純水極15に存在する加湿用純水を空気圧により純水タンク51に回収する。これは、加湿用純水が各純水極15に残存したままシステムを停止状態にして放置し、システム周囲が氷点下雰囲気となった場合に、加湿用純水が膨張することによる燃料電池スタック1の劣化を防止するためである。
更に、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、後述の空気系により空気をカソード極12に供給しない状態で、水素ガスのみがアノード極13に供給する状態とされるが、この加湿用純水系は、加湿用純水を各純水極15に供給しない状態とされ、更に、純水回収弁54及び純水シャット弁56が閉状態となされる。これにより、加湿用純水系は、アノード極13から各純水極15に水素ガスがリークすることを抑制する。また、加湿用純水系は、燃料電池システムの起動時に、固体高分子電解質膜11の加湿量を増加させる場合に、マイクロコンピュータ2により各純水極15に加湿用純水を循環させる。
なお、この燃料電池システムにおいては、カソード極12内の空気圧力、アノード極13内の水素ガス圧力、及び各純水極15内の加湿用純水圧力が燃料電池スタック1の発電効率や水収支を考慮して設定され、更には、固体高分子電解質膜11や各多孔質セパレータ14に歪みを生じないように各圧力間の差圧が管理される。
冷却水系は、冷却水循環流路L7に、冷却水ポンプ61、冷却水温度センサ62、三方弁63、ラジエタ64及びラジエタファン65が設けられて構成されている。また、この冷却水系は、三方弁63によって冷却水循環流路L7から分岐して、冷却水ポンプ61の上流側の冷却水循環流路L7と接続されたバイパス流路L8を備える。
この冷却水系は、燃料電池システムの通常運転時において、冷却水温度制御部66により冷却水ポンプ61の駆動量、三方弁63の動作、ラジエタファン65の駆動量が調整される。これにより、冷却水ポンプ61から吐出された冷却水は、冷却水温度センサ62で温度が検出され、燃料電池スタック1の温度を低くする場合にはラジエタファン65の駆動量が増加され、三方弁63のラジエタ64側開口が開状態にされることにより、冷却水流路17で熱交換された後に、ラジエタ64で冷却される。また、燃料電池スタック1の温度を高くする場合には、三方弁63のバイパス流路L8側開口が開状態とされ、冷却水流路17で熱交換された冷却水をラジエタ64からバイパスして再度冷却水流路17に導入する。
更に、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1の発電電力を取り出すパワーマネージャ71、燃料電池スタック1の発電電圧を検出する電圧センサ72及びカソード極12内の酸素を消費させるための酸素消費部73を備える。
パワーマネージャ71は、例えばリレー回路やインバータ等からなり、カソード極12の電極及びアノード極13の電極に電気的に接続されている。このパワーマネージャ71は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2からの指令に従って燃料電池スタック1の発電電力を取り出し、当該発電電力を図示しない車両用駆動モータ等に供給する。
電圧センサ72は、燃料電池スタック1の発電電圧を検出し、当該発電電圧がセンサ信号としてマイクロコンピュータ2に読み込まれる。このセンサ信号は、マイクロコンピュータ2により燃料電池スタック1の発電量を制御する場合や、燃料電池スタック1を構成する燃料電池単セルの状態を監視するために使用される。
酸素消費部73は、燃料電池システムの起動時や停止時にカソード極12内の酸素を消費するために発電した電力を消費する。この酸素消費部73は、本例において、パワーマネージャ71と接続されたダミー抵抗81と開閉器82とからなる。この酸素消費部73は、マイクロコンピュータ2により開閉器82が開状態(開放状態)とされている場合には、パワーマネージャ71により取り込んだ発電電力をダミー抵抗81で消費させず、マイクロコンピュータ2により開閉器82が閉状態(導通状態)とされている場合には、パワーマネージャ71により取り込んだ発電電力をダミー抵抗81で消費させる。
このような酸素消費部73は、燃料電池システムの起動時や停止時において、マイクロコンピュータ2により開閉器82が閉状態とされ、各燃料電池単セルのアノード極13の水素分布によって引き起こされるカソード触媒腐食劣化抑制のために使用される。
なお、酸素消費部73は、ダミー抵抗81として固定抵抗値のものを使用したが、可変抵抗にしてマイクロコンピュータ2により負荷制御可能としても良く、更には、直流電圧変換回路を備え、負荷電流を任意に制御可能なものであっても良く、更にはパワーマネージャ71から取り出した電力を二次電池(図示せず)に充電する構成であっても良い。
マイクロコンピュータ2は、後述する燃料電池システムの起動処理等を行う手順を実行するCPU(Central Processing Unit)や、上述した各部とのインターフェース回路等からなる。このマイクロコンピュータ2は、例えば外部からの燃料電池システムの起動命令や停止命令、更には車両用駆動モータに要求される駆動トルクに従って、上述した各部を制御する。
[燃料電池システムの起動処理]
次に、上述したように構成された燃料電池システムにおける起動処理について、図2に示すフローチャートを用いて説明をする。この、燃料電池システムの起動処理時に、劣化抑制制御が実行されることになる。この劣化抑制制御は、主に、マイクロコンピュータ2の制御によって動作し、水素供給弁24の開度を制御する水素圧力制御部27と、同じくマイクロコンピュータ2によって動作し、パージ弁29の開度を制御するパージ制御部31とによって実行されることになる。
この燃料電池システムの起動処理は、マイクロコンピュータ2に、例えば、燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令が入力されることに応じて、ステップS1の処理を開始する。
ステップS1において、マイクロコンピュータ2は、電圧センサ72によって検出されたアノード極13への水素供給前の燃料電池スタック1の発電電圧Vmを保存する。この発電電圧Vmは、後述するステップS4における目標電圧算出の際に用いられる。
ステップS2において、マイクロコンピュータ2は、アノード極13への水素ガス供給の準備をする。具体的には、水素タンク元弁22を開状態、水素循環ポンプ28を駆動状態、パージ弁29を開状態にする。
ステップS3において、マイクロコンピュータ2は、起動時の劣化抑制のために、開閉器82を閉状態とすることで、パワーマネージャ71を介してダミー抵抗81と燃料電池スタック1の電極とを接続し、パワーマネージャ71より燃料電池スタック1から取り込んだ発電電力を、ダミー抵抗81で消費させる。
ここで、燃料電池システムの起動時には、水素供給流路L1、アノード極13内には水素ガス以外のガスが充満している。このような状態で、水素タンク21から新鮮な水素ガスをアノード極13に供給すると、アノード極13内で水素濃度勾配分布が生じてしまい、アノード極13の出口側でのプロトン不足が発生する。これにより、アノード極13の出口側での電位の上昇から腐食劣化反応が起こってしまう。
アノード極13へ供給された水素ガスは、カソード極12に残存している残留酸素と発電反応を起こして電圧を増加させるが、ダミー抵抗81を接続して、電流を消費するようにしたことで、しばらくするとカソード極12の残存酸素量は、消費されて減少し、これに伴って電圧も低下してくる。電圧が低下すると、腐食劣化反応を引き起こすエネルギーが減少するため腐食劣化反応は抑制されることになる。
ステップS4において、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1の目標電圧を算出する。この目標電圧を算出する処理は、図3に示すような処理を行う。
ここで、図3の処理を説明する前提として、目標電圧は、例えば、図4に示すような目標電圧スケールのように、レベル分けされて設定されている。図4に示す、“LL”、“L”、“M”、“H”は、それぞれマイクロコンピュータ2によって決定される目標電圧であり、最も低い目標電圧が目標電圧LLであり、最も高い目標電圧が目標電圧Hとなる。なお、後で説明をするが、Hよりも高い目標電圧として目標電圧HHを設けることもできる。図4において、“NO”と示されているのは、目標電圧を設定しない、すなわち燃料電池システムの起動時に劣化抑制制御を行わないこと示している。なお、目標電圧Mは、目標電圧の初期値である。
そして、マイクロコンピュータ2は、目標電圧を算出するに際して、劣化抑制制御を実行するのか、実行しないのかの判断をし、さらに劣化抑制制御をする場合には、目標電圧を、図4に示す目標電圧スケールのどのレベルにするのかを決定することになる。
このような処理は、図3のステップS21において、マイクロコンピュータ2は、ステップS1で保存した発電電圧Vmが所定値Vp以上か否かを判定をすることで、劣化抑制制御を実行するか否かを決定する。そして、発電電圧Vmが所定値Vp以上であった場合は、処理をステップS22へと進め、所定値Vp以下であった場合は、処理をステップS23へと進める。
ステップS22において、マイクロコンピュータ2は、発電電圧Vmが所定値Vp以上であったことに応じて、目標電圧を“NO”に設定、つまり劣化抑制制御を実行しないという判定をして、図2のステップS5に処理を進める。
このように、水素がアノード極13に供給される前の発電電圧Vmが、所定値Vp以上である場合は、前回の燃料電池システムの停止時から、あまり時間が経過していないことを示している。つまり、アノード極13には、水素がまだ満ちており、この状態で水素を供給しても残留酸素と反応して発電電圧が生じはするが、アノード極13内の水素分布が既に均一であるため分布勾配を生じることがない。したがって、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御を実行しないという判定をする。劣化抑制制御を実行しないため、起動時間が短縮されることになる。
また、ステップS22では、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御を実行しないと判定したが、図4に示す目標電圧スケールに、目標電圧Hよりもさらに高い目標電圧HHが設けられている場合は、目標電圧を目標電圧HHに設定し、劣化抑制制御を実行するようにしてもよい。これは、上述した理由により、燃料電池スタック1の劣化が生じないことから、目標温度が高い分にはなんら支障はないことによる。したがって、水素供給弁24を開いて水素をアノード極13に供給することで劣化抑制を行うため、目標電圧を目標電圧HHとすれば、アノード極13へ多量に水素が供給されるため、水素濃度が高くなり、起動時間の短縮を促進することになる。
ステップS23において、マイクロコンピュータ2は、前回の燃料電池システムが停止してからの経過時間が、所定時間Tp以内か否かを判定する。経過時間が、所定時間Tp以内であった場合は、処理をステップS24へと進め、所定時間Tpを超えている場合は、処理をステップS25へと進める。
ステップS24において、マイクロコンピュータ2は、経過時間が所定時間Tp以内であることに応じて、目標電圧“NO”に設定、つまり劣化抑制制御を実行しないという判定をする。
このように、前回の燃料電池システム停止からの経過時間が所定時間Tp以内である場合は、アノード極13には水素がまだ満ちている状態と判定する。この状態で水素を供給しても残留酸素と反応して発電電圧が生じはするが、アノード極13内の水素分布が既に均一であるため分布勾配を生じることがない。したがって、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御を実行しないという判定をする。劣化抑制制御を実行しないため、起動時間が短縮されることになる。
ステップS24では、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御を実行しないと判定したが、図4に示す目標電圧スケールに、目標電圧Hよりもさらに高い目標電圧HHが、設けられている場合は、目標電圧を目標電圧HHに設定し、劣化抑制制御を実行するようにしてもよい。これは、上述した理由により、劣化が生じないことから、目標温度が高い分には、なんら支障はない。後述するように、本発明における劣化抑制制御では、水素供給弁24を開いて水素をアノード極13に供給することで劣化抑制を行うため、目標電圧を目標電圧HHとすれば、アノード極13の水素濃度が高くなり、起動時間の短縮を促進することになる。
ステップS25において、マイクロコンピュータ2は、電圧センサ72で検出した現在の発電電圧と、現在設定されている目標電圧との乖離が、正値であって所定値Vk以上であるか否かを判定する。現在の発電電圧と目標電圧との乖離は、目標電圧から電圧センサ72で検出された現在の電圧値を減算することで算出される。発電電圧の変化がピーク値を経過後、あるいは所定時間以上経過後、乖離が所定値Vk以上である場合は、処理をステップS26へと進め、乖離が所定値Vk以上でない場合は、処理をステップS27へと進める。
ステップS26において、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御を実行すると判定し、目標電圧を目標電圧Hに設定する。
ここで、アノード極13への水素供給が開始されると、残量酸素と反応して電圧が生じ、水素供給量に比例して電圧が高くなる。このとき、カソード極12へは空気を供給していないため、しばらくすると残留酸素が消費されて減少し、発電電圧も低下してくる。このように、水素供給のみを行い、空気の供給を行わないと、発電電圧の変化がピークを持つようになる。そして、発電電圧のピークを過ぎて低下し始めた時、残量酸素が殆ど消費されているので、劣化反応が起きにくくなっている。この時、水素を供給しても発電電圧が高くならないので、初期値である目標電圧Mとの乖離が大きくなる。
また、この乖離が大きくなり始める段階では、カソード極12から、固体高分子電解質膜11を通過して、アノード極13に滞留する空気が少なくなり、アノード極13内の水素濃度勾配がなくなり均一となる。したがって、アノード極13への水素供給をしたとしても、劣化しない条件が満たされているため問題がない。
そこで、マイクロコンピュータ2は、目標電圧を、初期値の目標電圧Mよりも高い目標電圧Hに設定することになる。後述するように、本発明における劣化抑制制御では、水素供給弁24を開いて水素をアノード極13に供給することで劣化抑制制御を行うため、劣化抑制制御を実行することで、アノード極13の水素濃度が高くなり起動時間の短縮を促進することになる。
ここで、目標電圧を最大の目標電圧HHせずに、目標電圧HHよりも低い目標電圧Hとしたのは、カソード極12の残留酸素が完全に消失した状態とはなっていないため、あまりにも高い電圧を目標電圧とすると、劣化反応を促進させてしまう問題があるからである。
ステップS27において、マイクロコンピュータ2は、アノード極13への水素供給が開始されてから発電電圧が出始めるまでの無駄時間が、所定時間T1以上か否かを判定をする。無駄時間が、所定時間T1以上であった場合は、処理をステップS28へと進め、所定時間T1内であった場合は、処理をステップS29へと進める。
ステップS28において、マイクロコンピュータ2は、無駄時間が、所定時間T1以上であることに応じて、劣化抑制制御を実行すると判定し、目標電圧を一番低い目標電圧LLに設定する。
ここで、燃料電池システムのシステム停止後、しばらく放置しておくと、アノード極13及び水素供給流路L1には、水素以外のガスが満ちるようになる。これは、カソード極12から固体高分子電解質膜11を通過した空気が、アノード極13に滞留してしまうことと、水素パージ配管から空気が進入してしまうことに起因している。
このような、水素以外のガスが満ちている状態で新鮮な水素を供給し始めたとしても、しばらくの間は、発電電圧を生じるような反応を起こすことがなく、水素を供給し始めてから、アノード極13内に水素が満たされ始めると、急激に発電反応が進み、電圧が急激に上昇するようになる。
後述するように、水素供給弁24を開いて水素をアノード極13に多く供給することで、発電電圧をステップS4で設定した目標電圧に近づけるように劣化抑制を行うので、例えば目標電圧を高圧側に設定した場合、無駄時間の状態でも、水素供給弁24を開いて水素を供給してしまう。さらに、無駄時間の経過後には、水素供給弁24を過剰に開いた状態となっていて、発電電圧の急減な上昇を助長するような制御をしてしまうことになる。このような電圧の急激な上昇が生じると、劣化反応を促進させてしまうことになる。
そこで、ステップS28においては、目標電圧を最も低い目標電圧LLに設定することで、水素供給弁24が過剰に開くことを防止し、発電電圧な急激な上昇が抑制されるように、劣化抑制制御を実行させる。
また、ステップS28では、発電電圧の変化率が所定範囲内に納まるように、水素供給弁24を制御するようにしてもよい。これにより、発電反応が急に進んで、燃料電池スタック1の発電電圧が急に立ち上がる時は、発電電圧変化率も大きくなるが、予め所定の小さな発電電圧変化率を設定して、水素供給弁24の開度を制限して水素量を調整することで、発電電圧の上昇を抑制できる。
ステップS29において、マイクロコンピュータ2は、ステップS2においてアノード極13への水素供給が開始されてから、発電電圧が出始めるまでの無駄時間が、所定時間T2以下か否かを判定をする。なお、所定時間T2は、所定時間T2<所定時間T1となっている。無駄時間が、所定時間T2以下である場合は、処理をステップS30へと進め、所定時間T2を超える場合は、処理をステップS31へと進める。
ステップS30において、マイクロコンピュータ2は、無駄時間が、所定時間T1よりも短い時間である所定時間T2以内であることに応じて、劣化抑制制御を実行すると判定し、目標電圧を目標電圧Hに設定する。所定時間T2以内で発電電圧が生じる場合は、水素を供給し始めて、直ぐに発電反応が生じる状態であるといえる。このような状態になるのは、アノード極13内にある程度の水素が満ちている時であり、このような状態で水素を供給すると、残留酸素と反応して発電電圧を発生するが、水素分布勾配をほとんど生じないため、劣化もほとんど起こらない。
そこで、マイクロコンピュータ2は、目標電圧を、比較的高い目標電圧Hに設定することになる。後述するように、水素供給弁24を開いて水素をアノード極13に供給することで、燃料電池スタック1の発電電圧をステップS4で設定した目標電圧に近づけるように劣化抑制を行うが、上述したように水素分布勾配がほとんど生じないため、目標電圧を比較的高い目標電圧に設定しても劣化が起こることはない。むしろ、劣化抑制制御を実行することで、アノード極13の水素濃度が高くなり起動時間の短縮を促進することになる。
ここで、目標電圧を最大の目標電圧HHとせずに、目標電圧HHよりも低い目標電圧Hとしたのは、カソード極12の残留酸素が完全に消失した状態とはなっていないため、あまりにも高い発電電圧を目標電圧とすると、劣化反応を促進させてしまう問題があるからである。
また、この状態では、アノード極13の水素分布が均一であり、劣化する要素がないため、ステップS22又はステップS24のように劣化抑制制御を実行しないようにしてもよい。
ステップS31において、マイクロコンピュータ2は、無駄時間が所定時間T2を超えたことに応じて、つまり、無駄時間が、所定時間T2≦無駄時間≦所定時間T1となった場合には、目標電圧を目標電圧Mに設定する。
このような図3の処理を行うことにより、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御を実行するのか、実行しないのかを判定し、劣化抑制制御を実行する場合には、状態に応じて目標電圧を設定することになる。
続いて、再び図2に示すフローチャートに戻り、燃料電池システム起動処理のステップS4以降の処理について説明をする。
ステップS5において、マイクロコンピュータ2は、アノード極13の目標圧力である目標水素極圧力を算出する。本実施例では、目標水素極圧力を、現在のアノード極13の圧力から、カソード極12の圧力上限値を減算して算出する。なお、劣化抑制制御時は、カソード極12に空気が供給されないため、カソード極12側は、大気圧となっている。このため、目標水素極圧力は、差圧制限上限値とした。
ステップS6において、マイクロコンピュータ2は、ステップS4で算出した目標電圧に基づいて、劣化抑制制御を実行するか否かを判定する。ステップS4において、目標電圧がNOに設定されている場合には、劣化抑制制御を実行せずにステップS9へと処理を進め、それ以外の目標電圧が設定されている場合には、劣化抑制制御を実行するとしてステップS7へと処理を進める。
ステップS7において、マイクロコンピュータ2は、電圧センサ72で検出される発電電圧値が、ステップS4において設定した目標電圧LL、目標電圧L、目標電圧M、目標電圧H、又は目標電圧HH以下となるように、劣化抑制制御を実行する。具体的には、図5に示すような制御ブロックにて、PIフィードバック制御を行うことで、劣化抑制制御が実行されることになる。
まず、マイクロコンピュータ2は、カソード極12に残留酸素がある場合には発電反応が活発となるため、設定された目標電圧を維持するように制御をする。つまり、最大発電電圧を目標電圧とすることで劣化を抑制する。
この状態がしばらく経過すると、カソード極12の残留酸素が消費されて減少するため、電圧センサ72で検出される発電電圧が低下してくる。マイクロコンピュータ2は、目標電圧を維持するため、水素圧力制御部27を制御して水素供給弁24の開度を大きくし、供給水素量を増加させる。しかし、カソード極12の残留酸素が減少しているため、発電電圧は低下し続ける。
このようにして、カソード極12の残留酸素が消費されて、発電電圧が低下してくると、マイクロコンピュータ2は、水素圧力制御部27を制御して、水素供給弁24の開度を大きくし、供給水素量を増加させる。しかし、発電電圧は、上昇することなく、減少していくため、劣化反応の促進もない。一方、アノード極13には、大量に水素が供給されるため、水素濃度が高くなる。したがって、マイクロコンピュータ2は、燃料電池システムの起動時間を短縮させながら、劣化抑制制御を実行することができる。
このように、燃料電池システムでは、マイクロコンピュータ2によって、アノード極13への水素流量を制御して、電圧センサ72で検出した発電電圧を、ステップS4で設定した目標電圧となるように発電電圧制御をし、劣化が生じない発電電圧環境にすることで劣化抑制制御を実行している。
ところが、水素流量を調整して発電電圧調整を行うと、アノード極13の圧力が上昇してしまい、上述したステップS5で設定した目標水素圧力を超えてしまう場合がある。このアノード極13の圧力制御は、水素圧力センサ26で検出されたアノード極13の圧力に応じた、パージ制御部31の制御によりパージ弁29の開度を調整することで実行される。
なお、起動時の劣化抑制制御では、パージ弁29によって、水素排出量を調整することで、アノード極13の圧力制御を行っているが、通常運転時においては、水素供給弁24によって、水素供給流量を調整することでアノード極13の圧力制御が実行される。
また、燃料電池システムは、図5に示すように、圧力制御もPIフィードバック制御としている。例えば、アノード極13の圧力制御を、圧力が高い時だけパージ弁29を開き、圧力を調整するといった手法で実行することも可能ではあるが、パージ弁29の開閉に合わせて、アノード極13の圧力が変動してしまう。起動時の劣化抑制制御では、ステップS5で算出した目標水素極圧力となるように圧力制御を実行するため、圧力変動が生じると、差圧制限を超えて、燃料電池スタック1にダメージを与えてしまうことになる。したがって、本実施例においては、圧力制御手法として、アノード極13の圧力を目標水素極圧力に、出来るだけ維持することが可能な、PIフィードバック制御を採用した。
ところで、アノード極13の水素極圧力を、PIフィードバック制御によって制御する際に、パージ弁29から排出可能な排出水素量には、最大値がある。これは、濃度の高い極めて反応性の高い水素を大気中に放出しないようにするためであり、本実施例として示す燃料電池システムの場合、希釈ブロア30の希釈能力によって、排出水素量の最大値が決定されることになる。
排出水素量が、最大値を超えないようにパージ弁29の開度を調整する場合、水素極圧力の制御は、実質上不可能となってしまうため、通常運転時で行っているように、水素供給弁24の開度を調整することで、水素極圧力を制御することになる。
このとき、上述した、水素供給弁24の開度を調整することで、燃料電池スタック1の発電電圧を目標電圧以下とする発電電圧制御を停止することになるが、代わりに、水素循環ポンプ28の回転数を制御し、水素循環機能によって、電圧センサ72で検出された燃料電池スタック1の発電電圧を、目標電圧以下とする。
このような、パージ弁29の最大排出水素量の限界を補うために実行される圧力制御、発電電圧制御の他の機能部での代替制御は、具体的には、図6に示すフローチャートのように実行されることになる。
まず、マイクロコンピュータ2は、排出水素量が、所定値Emaxを超えたか否かを判定する(ステップS41)。所定値Emaxを超えた場合、マイクロコンピュータ2は、パージ制御部31を制御して、パージ弁29の開度を制限させる(ステップS42)。そして、マイクロコンピュータ2は、水素圧力制御部27を制御して、水素供給弁24の開度を調整させ、アノード極13の圧力を制御する処理に変更する(ステップS43)。続いて、マイクロコンピュータ2は、水素循環ポンプ28の回転数を制御して、燃料電池スタックの電圧を制御する処理に変更する(ステップS44)。なお、ステップS41において、排出水素量が、所定値Emaxを超えない場合は、ステップS41〜ステップS44までの処理は、実行されない。
また、上述したように、パージ弁29によるアノード極13の水素極圧力の制御が不可能となっている状態には、水素供給弁24の開度を調整して、燃料電池スタック1の発電電圧を目標電圧以下となるように制御がなされるが、この時に、水素圧力センサ26で検出されるアノード極13の圧力と、目標水素極圧力との圧力偏差の絶対値を算出し、この絶対値が、所定値以下になった場合に、水素供給弁24の開度が、それ以上大きくならないように制御してもよい。
例えば、マイクロコンピュータ2の制御ブロックを、図7に示ような構成とした場合、マイクロコンピュータ2が偏差計算を実行して圧力偏差を算出し、算出された圧力偏差の絶対値が所定値以下となった場合に、水素供給弁24の開度を、前回の演算によって決定された開度とし、発電電圧制御をするために算出された水素供給弁24の開度量を使用しないような制御をする。
再び、図2に示すフローチャートに戻り、燃料電池システム起動処理のステップS7以降の処理について説明をする。
ステップS8において、マイクロコンピュータ2は、ダミー抵抗81を接続している状態を終了するか否かを判定する。本実施例では、電圧センサ72で検出された燃料電池スタック1の発電電圧が、所定の発電電圧以下で、所定時間経過した場合に、ダミー抵抗81の接続を終了、つまりダミー抵抗81を遮断すると判定することにする。具体的には、電圧センサ72で検出される発電電圧が10V以下で、30秒経過した場合に、ダミー抵抗81を遮断するという判定をする。ダミー抵抗81を遮断する場合は、処理をステップS9へと進め、遮断をしない場合は、処理をリターンへと進め、再びステップS1からの処理を繰り返すようにする。
ステップS9において、マイクロコンピュータ2は、酸素消費部73の開閉器82を開き、ダミー抵抗81を遮断して、燃料電池システムの起動時における劣化抑制制御を終了させる。
ステップS10において、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制制御が終了したことに応じて、燃料電池システムの運転状態を通常運転へと移行させる。具体的には、マイクロコンピュータ2は、水素圧力制御部27を制御して、水素供給弁24の開度を調整し、アノード極13の圧力を、目標水素圧力に維持するための制御を開始する。また、マイクロコンピュータ2は、パージ制御部31を制御して、パージ弁29の開度を調整し、アノード極13のパージ流量を調整する制御を開始する。
ステップS11において、マイクロコンピュータ2は、コンプレッサ41を制御して、カソード極12への空気供給を開始させ、燃料電池スタック1による発電を開始させる。ここでは、発電待機状態(発電Ready状態)とし、アノード極13内の水素濃度が十分な濃度となるまで待つようにし、駆動モータなどの負荷を燃料電池システムに接続した際に、水素不足を起こすことを防止するようにする。
ステップS12において、マイクロコンピュータ2は、起動終了フラグをセットして、燃料電池システムの起動処理を終了する。
[実施の形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、システムの起動時の劣化抑制制御時において、水素供給弁24を制御して燃料電池スタック1の発電電圧を目標電圧以下、且つ、パージ弁29を制御してアノード極13の圧力を目標圧力以下となるようにし、腐食劣化反応を生じない燃料電池スタック1の発電電圧状態、アノード極13の圧力状態を保つようにする。
これにより、燃料電池スタック1の劣化抑制を実行しながら、最大水素量をアノード極13へ供給することができるため、アノード極13内で水素濃度分布がなくなるように作用し、且つ水素濃度が迅速に高くなるように作用するため、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
また、この燃料電池システムによれば、劣化抑制制御時には、ダミー抵抗81へ燃料電池スタック1を接続し、カソード極12の残留酸素を消費させることで燃料電池スタック1の電位の上昇を抑制している。この状態で、目標電圧値以下となるように、水素供給弁24の開度を制御するため、アノード極13へ供給される水素量は、増加傾向となり、アノード極13内の水素濃度も迅速に高くなり、燃料電池システムの起動時間を短縮することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、劣化抑制制御を終了し、通常動作である通常発電状態に移行した際には、水素供給弁24の開度を調整することで、アノード極13入口付近の圧力が目標圧力値となるような制御を実行するように切り替え、パージ弁29の開度を調整することで、アノード極13に滞留した不純物ガス(窒素ガスなど)を大気に排出するパージ流量を、目標流量となるような制御を実行するように切り替える。
これにより、通常発電時には、水素供給弁24を発電量に応じた水素流量を供給するための手段として機能させ、パージ弁29を、不純物ガスをアノード極13に滞留させないための手段として機能させることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、起動時の劣化抑制制御時において、燃料電池スタック1で発電電圧が発生されるまので時間が所定時間T1を超える場合には、目標電圧をLLに設定したり、発電電圧変化率の増加を所定の範囲内とするように、アノード極13に供給される水素量を減少させるため、燃料電池スタック1の発電電圧が劣化反応を生ずる上限の発電電圧値を超えることを防ぎ、劣化を抑制することができる。
具体的には、燃料電池システムが長時間放置された後は、水素供給流路L1内に不純ガス(空気、窒素)が満ちているため、水素供給を開始して、しばらくは発電電圧がでない状態となるが、アノード極13が水素で満たされ始めると、急激に発電反応が進み、発電電圧が立ち上がるため、燃料電池スタック1にダミー抵抗81を接続して劣化抑制を行ったとしても、回路の動作遅れなどで、劣化反応上限電圧を超えてしまうことになる。したがって、このような状態が予測される場合は、前もって、供給する水素量を低減させ、発電電圧の急激な立ち上がりによる劣化反応上限電圧の超過を防ぎ、劣化反応を抑制することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、起動時の劣化抑制制御時において、パージ弁29の開度を水素量の大気中への放出限界に応じて制限した場合には、パージ弁29の調整によるアノード極13の圧力制御をすることが不可能となるが、アノード極13の圧力と目標圧力との偏差の絶対値が所定値以下となった場合に、水素供給弁24を開度をさらに大きくすることがないように制御することで、水素のさらなる供給による圧力上昇を防止することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、アノード極13への水素供給量が減少しない状態にある場合に、燃料電池スタック1の発電電圧が低下し始め、さらに水素を供給しても発電電圧が低下する場合には、目標電圧をより高い発電電圧値に設定することで、供給する水素量を減少させることなく、増加させることができる。したがって、アノード極13の水素濃度を迅速に高め、起動時間を短縮させることができる。
具体的には、燃料電池システムの起動時には、ダミー抵抗81を燃料電池スタック1に接続して発電電圧を下げるようにするので、カソード極12の残留酸素が消費されて減少するため、発電電圧が低下していく。このため、アノード極13への水素供給量を増加させても、カソード極12に酸素が残留していないため、発電電圧が上昇しない。そこで、目標電圧をより高い発電電圧値である目標電圧Hに設定すると、これを維持するように、水素供給弁24の開度が調整されて水素量が増加することになる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池システムを停止させた後、所定時間内に再起動させた場合には、劣化抑制制御を実行しないようにするため、起動時間を短縮することができる。
燃料電池システムの停止時には、ダミー抵抗81を接続して、カソード極12の残留酸素を使用して、発電をし、燃料電池スタック1の発電電圧を下げる制御が実行される。したがって、燃料電池システムが停止した直後、カソード極12に酸素が殆どない。このため、燃料電池システム停止後、所定時間以内に再起動した場合は、アノード極13へ水素が供給され始めても、カソード極12の残留酸素が見込めないため、発電電圧が上昇しない。このような状態においては、劣化抑制制御を実行する必要がなく省略でき、起動時間を短縮することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、劣化抑制制御を実行する前に、燃料電池スタック1の発電電圧が所定値Vp以上である場合には、劣化抑制制御を実行しないようにするため、起動時間を短縮することができる。
燃料電池システムの停止動作をする際に、ダミー抵抗81を接続しないで停止させた場合、その直後において燃料電池スタック1の発電電圧は、残ったままであるが、アノード極13と、カソード極12のクロスオーバーにより発電電圧は徐々に低下する。この状態で、アノード極13に水素を供給すると発電電圧を生じるが、アノード極13内の水素分布は、既に均一であるため劣化反応は生じない。したがって、劣化抑制制御を実行する必要がなく省略でき、起動時間を短縮することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用した燃料電池システムの起動時の動作手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムの起動時の劣化抑制制御時において、目標電圧を設定する際の動作手順を示すフローチャートである。 目標電圧スケールを示した図である。 本発明を適用した燃料電池システムの制御ブロックを示した図である。 本発明を適用した燃料電池システムの劣化抑制制御において、圧力制御、発電電圧制御を代替制御する際の動作手順を示すフローチャートである。 本発明を適用した燃料電池システムの制御ブロックを示した図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 マイクロコンピュータ
11 固体高分子電解質膜
12 カソード極
13 アノード極
14 多孔質セパレータ
15 純水極
16 ソリッドプレートセパレータ
17 冷却水流路
21 水素タンク
22 水素タンク元弁
23 減圧弁
24 水素供給弁
25 エゼクタポンプ
26 水素圧力センサ
27 水素圧力制御部
28 水素循環ポンプ
29 パージ弁
30 希釈ブロア
31 パージ制御部
41 コンプレッサ
42 空気圧力センサ
43 空気調圧弁
44 空気圧力制御部
51 純水タンク
52 純水ポンプ
53,54,55 純水回収弁
56 純水シャット弁
57 純水回収部
61 冷却水ポンプ
62 冷却水温度センサ
63 三方弁
64 ラジエタ
65 ラジエタファン
66 冷却水温度制御部
71 パワーマネージャ
72 電圧センサ
73 酸素消費部
81 ダミー抵抗

Claims (9)

  1. 電解質膜を挟んで燃料極と酸化剤極とを対設した燃料電池単セルを複数積層して構成された燃料電池スタックと、
    前記燃料極に燃料ガスを供給する燃料供給手段と、
    前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料極のガスを排出するガス排出手段と、
    前記燃料電池スタックで発電した発電電力を消費する電力消費手段と、
    前記燃料電池スタックの発電電圧を検出する発電電圧検出手段と、
    前記燃料極のガス圧力を検出する圧力検出手段と、
    燃料電池システムの起動時において、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給させない状態で、前記燃料電池スタックの発電電力を消費するように前記電力消費手段を制御すると共に、前記燃料供給手段から燃料極への燃料ガスの供給を開始するよう制御している時に、前記圧力検出手段によって検出された燃料極のガス圧力を目標圧力以下、且つ、前記発電電圧検出手段によって検出された前記燃料電池スタックの電圧を目標電圧以下とするように、前記燃料供給手段による燃料極への供給ガス流量、及び、前記ガス排出手段による燃料極からの排出ガス流量を調整する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記燃料電池スタックの電圧を目標電圧以下とするように前記燃料供給手段による燃料極への供給ガス流量を調整し、前記燃料極の圧力を目標圧力以下となるように前記ガス排出手段による燃料極からの排出ガス流量を調整することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記電力消費手段による発電電力の消費又は前記ガス排出手段による燃料極からの排出ガス流量を調整する制御の終了時に、前記燃料極の圧力を目標圧力以下とするように前記燃料供給手段による燃料極への供給ガス流量を調整する制御に切り換え、前記燃料極に滞留した燃料ガス以外の不純物を排出させるように前記ガス排出手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記燃料供給手段から燃料極への燃料ガスの供給を開始した後に、前記発電電圧検出手段によって所定の発電電圧が検出されるまでの時間が、所定の時間以上である場合に、前記燃料電池スタックの電圧変化率を所定の範囲内となるように前記燃料供給手段による前記燃料極への供給ガス流量を調整することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記ガス排出手段から排出させる排出ガスに含まれる水素の濃度が所定値を超える場合に、前記ガス排出手段の排出ガス流量を制限することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記ガス排出手段の排出ガス流量を制限している時に、前記圧力検出手段によって検出された燃料極の圧力と目標圧力との偏差を算出し、算出された偏差の絶対値が所定値以下である場合には、前記燃料極へ供給した供給ガス流量の前回値以下の供給ガス流量とすることを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記燃料ガス供給手段による前記燃料極への供給ガス流量を増加させている場合であって、前記燃料電池スタックの電圧がピーク電圧経過後である場合又は起動後の所定時間経過後である場合に、前記発電電圧検出手段によって検出された前記燃料電池スタックの電圧が、現在設定されている目標電圧より所定値以上低い場合には、前記目標電圧を、より高い目標電圧に設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記制御手段は、燃料電池システムの停止後の所定時間内に再起動させた場合には、前記電力消費手段による発電電力の消費又は前記ガス排出手段による前記燃料極からの排出ガス流量を調整する制御を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  9. 前記制御手段は、前記燃料電池スタックに燃料ガスを供給開始する前に、前記発電電圧検出手段によって検出された前記燃料電池スタックの電圧が所定値以上である場合には、前記電力消費手段による発電電力の消費又は前記ガス排出手段による前記燃料極からの排出ガス流量を調整する制御を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
JP2004122883A 2004-04-19 2004-04-19 燃料電池システム Pending JP2005310435A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004122883A JP2005310435A (ja) 2004-04-19 2004-04-19 燃料電池システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004122883A JP2005310435A (ja) 2004-04-19 2004-04-19 燃料電池システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005310435A true JP2005310435A (ja) 2005-11-04

Family

ID=35438978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004122883A Pending JP2005310435A (ja) 2004-04-19 2004-04-19 燃料電池システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005310435A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007179831A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007179786A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007329130A (ja) * 2006-06-09 2007-12-20 Gm Global Technology Operations Inc 燃料電池スタックの動作全体にわたる水素排気放出の制御
WO2008069065A1 (ja) 2006-12-01 2008-06-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 燃料電池システム
EP1933442A2 (en) 2006-12-14 2008-06-18 OMRON Corporation, a corporation of Japan Fuel cell system
WO2012140742A1 (ja) * 2011-04-12 2012-10-18 株式会社Eneosセルテック 燃料電池システムおよびその停止方法
US8715872B2 (en) 2005-12-27 2014-05-06 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel cell system having decreased deterioration during initiation
JP2015072930A (ja) * 2015-01-19 2015-04-16 株式会社東芝 燃料電池システムおよびその運転方法
CN109671963A (zh) * 2017-10-17 2019-04-23 现代自动车株式会社 燃料电池系统及其控制方法
CN112952154A (zh) * 2021-01-29 2021-06-11 上海捷氢科技有限公司 燃料电池的氢腔气体置换控制方法及其氢腔置换系统

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8715872B2 (en) 2005-12-27 2014-05-06 Nissan Motor Co., Ltd. Fuel cell system having decreased deterioration during initiation
JP2007179786A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007179831A (ja) * 2005-12-27 2007-07-12 Nissan Motor Co Ltd 燃料電池システム
JP2007329130A (ja) * 2006-06-09 2007-12-20 Gm Global Technology Operations Inc 燃料電池スタックの動作全体にわたる水素排気放出の制御
WO2008069065A1 (ja) 2006-12-01 2008-06-12 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 燃料電池システム
EP2124279A1 (en) * 2006-12-01 2009-11-25 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Fuel cell system
EP2124279A4 (en) * 2006-12-01 2011-03-09 Toyota Motor Co Ltd FUEL CELL SYSTEM
US7976996B2 (en) 2006-12-14 2011-07-12 Omron Corporation Fuel cell system
EP1933442A2 (en) 2006-12-14 2008-06-18 OMRON Corporation, a corporation of Japan Fuel cell system
WO2012140742A1 (ja) * 2011-04-12 2012-10-18 株式会社Eneosセルテック 燃料電池システムおよびその停止方法
JP2015072930A (ja) * 2015-01-19 2015-04-16 株式会社東芝 燃料電池システムおよびその運転方法
CN109671963A (zh) * 2017-10-17 2019-04-23 现代自动车株式会社 燃料电池系统及其控制方法
CN109671963B (zh) * 2017-10-17 2022-08-09 现代自动车株式会社 燃料电池系统及其控制方法
CN112952154A (zh) * 2021-01-29 2021-06-11 上海捷氢科技有限公司 燃料电池的氢腔气体置换控制方法及其氢腔置换系统

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5692376B2 (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの制御方法
JP2005183354A (ja) 燃料電池システム
US20200136157A1 (en) Fuel cell system
JP2006073427A (ja) 燃料電池システム
JP2007179949A (ja) 燃料電池システム
CA2473213C (en) Method of starting up operation of fuel cell at low temperature
JP4581382B2 (ja) 燃料電池システム
JP2005310435A (ja) 燃料電池システム
KR102579695B1 (ko) 연료 전지 시스템
JP2005093111A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP2005228709A (ja) 燃料電池システム
JP2005302489A (ja) 燃料電池システムの制御装置
JP2007059348A (ja) 燃料電池システムおよび燃料電池システムの起動方法
JP2020024785A (ja) 燃料電池システム
JP2006066112A (ja) 燃料電池システム
JP6200009B2 (ja) 燃料電池システムの運転方法
JP6389835B2 (ja) 燃料電池システムの出力加速時における圧力制御方法
JP2009076261A (ja) 燃料電池システム及びその起動方法
JP4742495B2 (ja) 燃料電池システム
JP2004362825A (ja) 燃料電池システム
JP4582392B2 (ja) 燃料電池システム
JP6315714B2 (ja) 燃料電池システムの運転制御方法
JP2005158558A (ja) 燃料電池システム
JP2010262937A (ja) 燃料電池システム
JP2006049134A (ja) 燃料電池システム