JP2005302489A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池内の燃料ガス圧力の変動を防止すると共に、燃料ガス圧力を調整する機構に対するダメージを低減する。
【解決手段】 水素圧力制御弁24の開度を調整するに際して、オンオフ切替演算部121により、実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力とするために、実燃料ガス圧力と目標燃料ガス圧力との圧力偏差の正負に応じて水素圧力制御弁24の開度を演算すると共に、PI制御演算部122により、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差及びゲインパラメータを使用したゲイン演算を行って水素圧力制御弁24の開度を演算する。そして、マイクロコンピュータ2は、オンオフ切替演算部121によって求めた開度とするように水素圧力制御弁24を駆動させる制御と、PI制御演算部122によって求めた開度とするように水素圧力制御弁24を駆動させる制御との間で変更する圧力偏差閾値を、燃料ガス供給状態の変化に応じて変更する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、燃料電池に水素や酸素を供給させて発電させる燃料電池システムにおいて、燃料電池への水素供給圧力を目標とする圧力に制御する燃料電池システムの制御装置に関する。
従来より、燃料電池に酸素を供給すると共に燃料ガスとしての水素ガスを供給して燃料電池を目標とする発電量で発電させる燃料電池システムの制御装置が知られている。この燃料電池システムの制御装置では、水素を貯蔵タンクから燃料電池に供給する場合、燃料電池の水素極入口に接続された流路に制御弁を設け、当該制御弁の開度を操作することにより水素極に流入する水素量を制御する。
通常、燃料電池システムの制御装置では、水素極入口の水素ガス圧力を、燃料電池の発電量に応じた目標水素ガス圧力に制御する。このように制御した場合、燃料電池で発電反応によって水素が消費されると、燃料電池内の水素ガス圧力が低下するので、制御弁を通過して燃料電池に流入する水素流量が増えるよう作用する。逆に、燃料電池で消費する水素が減少すると、燃料電池内の水素ガス圧力が増加するので、制御弁を通過して燃料電池に流入する水素ガス流量が減るように作用し、発電に使用する水素のみを供給できるようになる。
通常、制御弁には、開度を変更する制御信号をアクチュエータに供給しても開度が変化しない領域である不感帯や、目標とする開度変更量に対して実際の開度の変更量が少ないヒステリシス領域がある。このような不感帯やヒステリシスをもつ弁を使って、実際の水素ガス圧力を検出して、当該検出した水素ガス圧力を目標水素ガス圧力とする圧力フィードバック制御を行うと、目標水素ガス圧力を境とした正方向と負方向とで実際の水素ガス圧力が入れ替わる圧力ハンチングを引き起こす場合がある。
すなわち、制御弁の開度が不感帯やヒステリシス領域である場合には、制御弁に制御信号を供給しても開度が変更しないため燃料電池内の水素ガス圧力が変化しない。これに対し、フィードバック制御では、制御弁の開度が不感帯やヒステリシス領域である場合であっても、目標水素ガス圧力にしようとして制御演算を繰り返し、積分器の演算量を増加させてしまう。その結果、フィードバック制御器によって決定する制御弁の開度がある値を超えると、制御弁が急に動作して燃料電池内の水素ガス圧力も変動する。このとき、過剰になった積分器の演算量によって制御弁が開きすぎると燃料電池内の水素ガス圧力が増加し過ぎ、その後、水素ガス圧力をハンチングさせながら実際の水素ガス圧力を目標水素ガス圧力に収束させている。
これに対し、従来において、不感帯やハンチング領域がある制御対象を制御するに際して、実際の値を目標値にする有効な制御例としては、下記の特許文献1に記載された技術が知られている。この技術では、スライディングモード制御を採用している。
このスライディングモード制御は、目標値と実際の値との圧力偏差の符号に応じて、高速で制御則を切り替える制御であって、スライディングモード時には外乱に影響されないという特徴がある。
特開平7−133739号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載された技術において、スライディングモード制御を継続し、制御弁開度の目標値に対して実際の制御弁開度値がハンチングすると、当該ハンチングに基づく制御則の高速切り替えに応答して制御弁が動作し続けるチャタリングが発生するので、制御弁に与える負担が大きくなり、制御弁にダメージを与える場合がある。
また、水素ガス圧力がハンチングするとシステム全体が不安定となるばかりでなく、燃料電池内で固体高分子電解質膜を挟んで設けられた空気極のガス圧力と水素極のガス圧力との差圧制限を超える場合や、目標とする発電量に対して水素ガスが不足する場合等のリスクが増大するという不具合をもたらす。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池内の燃料ガス圧力の変動を防止すると共に、燃料電池や燃料ガス圧力を調整する機構に対するダメージを低減することができる燃料電池システムの制御装置を提供することを目的とする。
本発明では、燃料ガス及び酸化剤ガスを燃料電池に供給して発電させるために、燃料ガスの圧力を調整する制御弁の開度を調整するに際して、第1演算手段により、燃料電池内の実燃料ガス圧力を、燃料電池に要求される発電電力に応じた目標燃料ガス圧力とするように、実燃料ガス圧力と目標燃料ガス圧力との圧力偏差の正負に応じて制御弁の開度を演算すると共に、第2演算手段により、燃料電池内の実燃料ガス圧力を、燃料電池に要求される発電電力に応じた目標燃料ガス圧力とするように、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差及びゲインパラメータを使用したゲイン演算を行って制御弁の開度を演算する。そして、制御演算変更手段は、第1演算手段によって求めた開度とするように制御弁を駆動させる制御と、第2演算手段によって求めた開度とするように制御弁を駆動させる制御との間で変更する圧力偏差閾値を、燃料電池への燃料ガス供給状態の変化に応じて変更することにより、上述の課題を解決する。
本発明に係る燃料電池システムの制御装置によれば、第1演算手段によって求めた開度とするように制御弁を駆動させる制御と、第2演算手段によって求めた開度とするように制御弁を駆動させる制御との間で変更する圧力偏差閾値を、燃料電池への燃料ガス供給状態の変化に応じて変更するので、第1演算手段と第2演算手段とを燃料電池への水素供給状態に応じて使い分けて実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力とすることができる。
したがって、この燃料電池システムの制御装置によれば、第2演算手段によって制御弁の開度を制御している場合に実燃料ガス圧力がハンチングして差圧制限を超える前に第1演算手段に変更することができ、燃料電池へのダメージを防止することができる。また、この燃料電池システムの制御装置によれば、第1演算手段のみでは制御弁に与える負担が大きくダメージを与える可能性があるが、第1演算手段に代えて第2演算手段によって開度調整を行うことができるので、制御弁へのダメージを軽減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、図1に示すように、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることにより発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、例えば、固体高分子電解質膜11を挟んでカソード極12とアノード極13とを対設した燃料電池セル構造体を多孔質プレートからなる多孔質セパレータ14で挟み込み、複数積層して構成されている。本例においては、燃料電池スタック1が発電反応を発生させるための燃料ガスとして水素ガスをアノード極13に供給すると共に、酸化剤ガスとして酸素を含む空気をカソード極12に供給する燃料電池システムについて説明する。なお、以下の説明においては、各燃料電池単セルにカソード極12及びアノード極13が存在し、全てのカソード極12及びアノード極13に空気及び水素ガスを供給する必要があるが、複数のカソード極12及びアノード極13を総称するときには、単に「カソード極12」、「アノード極13」と呼ぶ。
燃料電池スタック1は、水素ガス及び空気が供給されると、下記の式に示すような電極反応をアノード極13及びカソード極12で発生させて、発電電力を生成する。
アノード極:H → 2H+2e
カソード極:2H+2e+(1/2)O → H
また、この燃料電池スタック1は、各多孔質セパレータ14を純水極15で挟み込み、一方の純水極15にソリッドプレートセパレータ16を介して冷却水流路17が設けられている。
このような燃料電池システムは、燃料電池スタック1を発電させている時に、純水極15に純水を供給することで、多孔質セパレータ14を介してカソード極12及びアノード極13内のガスに水分を与え、当該ガスに与えられた水分により固体高分子電解質膜11を湿潤状態に保持する。また、この燃料電池システムは、冷却水流路17に冷却水を循環させることにより、燃料電池スタック1の温度を発電反応に適した温度に調整する。
この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1に空気を供給して排出する空気系、燃料電池スタック1に水素ガスを循環させる水素ガス系、燃料電池スタック1を加湿する加湿用純水を循環させる加湿用純水系、燃料電池スタック1の温度調整をする冷却水を循環させる冷却水系を備える。この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の発電を制御するに際して、空気、水素ガス、加湿用純水、冷却水の各流体の流量及び圧力をマイクロコンピュータ2により制御する。
水素ガス系は、水素供給流路L1に、水素タンク21、水素タンク元弁22、減圧弁23、水素圧力制御弁24、エゼクタポンプ25が設けられる。この水素ガス系は、燃料電池システムの通常運転時において、水素タンク21に貯蔵した高圧水素を水素ガスとしてアノード極13に導く。このとき、水素ガス系は、マイクロコンピュータ2により水素タンク元弁22が開状態とされ、マイクロコンピュータ2の制御により動作する水素圧力制御部27によって水素圧力制御弁24の開度が調整される。これにより、水素ガスは、水素タンク21から減圧弁23に導かれ、当該減圧弁23で機械的に所定の圧力まで減圧され、水素圧力制御弁24で燃料電池スタック1内の水素ガス圧力が所望の水素圧に制御される。
また、この水素ガス系は、減圧弁23と水素圧力制御弁24との間の水素供給流路L1に水素供給温度センサ28が設けられ、アノード極13の水素ガス入口の水素供給流路L1に水素圧力センサ29及びアノード極13入口の水素温度を検出する水素入口温度センサ30が設けられている。そして、これらのセンサ28〜30により検出した検出値は、センサ信号としてマイクロコンピュータ2に読み込まれる。
更に、この水素ガス系は、アノード極13の水素排出側に、アノード極13から排出された水素ガスを再度アノード極13に戻す水素循環流路L2が設けられて構成されている。この水素循環流路L2には、アノード極13の水素ガス出口から分岐して、エゼクタポンプ25に接続されている。これにより、水素ガス系は、アノード極13で消費されなかった水素ガスを再度エゼクタポンプ25からアノード極13の水素ガス入口に戻す。
また、この水素循環流路L2には、エゼクタポンプ25への接続部より上流側から分岐して、エゼクタポンプ25の水素ガス下流側に接続されている分岐流路が設けられ、当該分岐流路に水素循環ポンプ26が設けられている。この水素循環ポンプ26は、エゼクタポンプ25が水素タンク21からの水素ガス流速によって水素循環流路L2から水素ガスを取り込んでアノード極13の水素ガス入口に導く構成であるため、当該エゼクタポンプ25で水素循環流路L2の水素ガスを取り込めないような作動領域において、駆動される。これにより、水素ガス系は、例えば水素タンク21からアノード極13に供給する必要がある水素ガス流量が少ない場合に、水素循環ポンプ26を駆動して水素循環流路L2の水素ガスを確実にアノード極13に循環させることができる。
このような水素ガス系に対し、マイクロコンピュータ2及び水素圧力制御部27は、水素圧力センサ29からのセンサ信号から実水素ガス圧力を読み込み、燃料電池スタック1内の実水素ガス圧力を目標水素ガス圧力とするように水素圧力制御弁24の開度を調整することで、アノード極13で消費した分量の水素ガスを自動的に補うようにする。なお、このマイクロコンピュータ2及び水素圧力制御部27による水素圧力制御処理の処理手順については後述する。
更に、この水素ガス系は、アノード極13内のガスをパージするためのパージ流路L3が設けられて構成されている。このパージ流路L3には、例えばマイクロコンピュータ2の制御に従って開閉するパージ弁31、パージ弁31を通過したガス流量を検出する流量センサ32、及び外部に放出するガスの水素ガス濃度を希釈する希釈ブロア33が設けられている。
この水素ガス系は、アノード極13及び水素循環流路L2に流れるガスの水素濃度が低下した場合に水素循環機能を確保するために、パージ弁31を開状態にして蓄積した窒素等の不純物を排出する。また、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1のセル電圧を回復させるために、パージ弁31を開状態にして水素循環流路L2等に蓄積した水詰まりを解消させる。また、マイクロコンピュータ2は、パージ弁31を開状態とするのと略同時に希釈ブロア33を駆動開始させ、パージ弁31から排出されるガスの水素濃度が可燃濃度未満となるように空気で希釈させて、システム外に排出する。
このような水素ガス系は、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、後述の空気系により空気をカソード極12に供給しない状態で、水素ガスのみをアノード極13に供給するように制御される。
空気系は、カソード極12の空気入口と接続された空気供給流路L4にコンプレッサ41及び空気圧力センサ42が設けられ、カソード極12の空気出口と接続された空気排出流路L5に空気調圧弁43が設けられて構成されている。
この空気系は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2によりコンプレッサ41のコンプレッサモータ(図示せず)の回転数が制御され、外気を取り込んで圧縮空気としてカソード極12の空気入口に導入する。このとき、マイクロコンピュータ2は、空気圧力センサ42からのセンサ信号を読み込んでカソード極12内の空気圧力を検出し、当該空気圧力を所望の圧力値とするように空気圧力制御部44に指令を送り、当該空気圧力制御部44により空気調圧弁43の開度を調整する。これにより、カソード極12は、空気に含まれる酸素を消費して発電反応を行い、消費されなかった空気を排出する。
このような空気系は、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、空気をカソード極12に供給しない状態とされる。
加湿用純水系は、純水循環流路L6に、純水タンク51、純水ポンプ52、純水回収弁53,54,55、純水シャット弁56が設けられて構成されている。この加湿用純水系は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2により純水ポンプ52の回転数及び純水回収弁53,54及び純水シャット弁56が開状態となされることで、純水タンク51に蓄積した加湿用純水を各純水極15に送る。これにより、燃料電池スタック1内の空気及び水素ガスを加湿させて、固体高分子電解質膜11を湿潤状態とする。このとき、マイクロコンピュータ2は、純水ポンプ52の回転数を制御することにより、各純水極15への加湿用純水流量を調整し、固体高分子電解質膜11への加湿量を調整する。
また、この加湿用純水系は、燃料電池システムを停止する場合に、純水循環流路L6に残存している加湿用純水を回収するための純水回収部57を備える。この純水回収部57は、マイクロコンピュータ2からシステムを停止する指令が送られると、純水回収弁53,54,55の開閉動作を制御することにより、純水循環流路L6にカソード極12から排出された空気を導入し、純水循環流路L6及び純水極15に存在する加湿用純水を空気圧により純水タンク51に回収する。これは、加湿用純水が各純水極15に残存したままシステムを停止状態にして放置し、システム周囲が氷点下雰囲気となった場合に、加湿用純水が膨張することによる燃料電池スタック1の劣化を防止するためである。
更に、燃料電池システムの起動時に、水素供給流路L1、アノード極13及び水素循環流路L2に定常的に水素ガスが流れるようになるように、後述の空気系により空気をカソード極12に供給しない状態で、水素ガスのみがアノード極13に供給する状態とされるが、この加湿用純水系は、加湿用純水を各純水極15に供給しない状態とされ、更に、純水回収弁54及び純水シャット弁56が閉状態となされる。これにより、加湿用純水系は、アノード極13から各純水極15に水素ガスがリークすることを抑制する。また、加湿用純水系は、燃料電池システムの起動時に、固体高分子電解質膜11の加湿量を増加させる場合に、マイクロコンピュータ2により各純水極15に加湿用純水を循環させる。
なお、この燃料電池システムにおいては、カソード極12内の空気圧力、アノード極13内の水素ガス圧力、及び各純水極15内の加湿用純水圧力が燃料電池スタック1の発電効率や水収支を考慮して設定され、更には、固体高分子電解質膜11や各多孔質セパレータ14に歪みを生じないように各圧力間の差圧が管理される。
冷却水系は、冷却水循環流路L7に、冷却水ポンプ61、冷却水温度センサ62、三方弁63、ラジエタ64及びラジエタファン65が設けられて構成されている。また、この冷却水系は、三方弁63によって冷却水循環流路L7から分岐して、冷却水ポンプ61の上流側の冷却水循環流路L7と接続されたバイパス流路L8を備える。
この冷却水系は、燃料電池システムの通常運転時において、冷却水温度制御部66により冷却水ポンプ61の駆動量、三方弁63の動作、ラジエタファン65の駆動量が調整される。これにより、冷却水ポンプ61から吐出された冷却水は、冷却水温度センサ62で温度が検出され、燃料電池スタック1の温度を低くする場合にはラジエタファン65の駆動量が増加され、三方弁63のラジエタ64側開口が開状態にされることにより、冷却水流路17で熱交換された後に、ラジエタ64で冷却される。また、燃料電池スタック1の温度を高くする場合には、三方弁63のバイパス流路L8側開口が開状態とされ、冷却水流路17で熱交換された冷却水をラジエタ64からバイパスして再度冷却水流路17に導入する。
更に、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1の発電電力を取り出すパワーマネージャ71、燃料電池スタック1の発電電圧を検出する電圧センサ72及びカソード極12内の酸素を消費させるための酸素消費部73を備える。
パワーマネージャ71は、例えばリレー回路やインバータ等からなり、カソード極12の電極及びアノード極13の電極に電気的に接続されている。このパワーマネージャ71は、燃料電池システムの通常運転時において、マイクロコンピュータ2からの指令に従って燃料電池スタック1の発電電力を取り出し、当該発電電力を図示しない車両用駆動モータ等に供給する。
電圧センサ72は、燃料電池スタック1の発電電圧を検出し、当該発電電圧がセンサ信号としてマイクロコンピュータ2に読み込まれる。このセンサ信号は、マイクロコンピュータ2により燃料電池スタック1の発電量を制御する場合や、燃料電池スタック1を構成する燃料電池単セルの状態を監視するために使用される。
酸素消費部73は、燃料電池システムの起動時や停止時にカソード極12内の酸素を消費するために発電した電力を消費する。この酸素消費部73は、本例において、パワーマネージャ71と接続されたダミー抵抗81と開閉器82とからなる。この酸素消費部73は、マイクロコンピュータ2により開閉器82が開状態(開放状態)とされている場合には、パワーマネージャ71により取り込んだ発電電力をダミー抵抗81で消費させず、マイクロコンピュータ2により開閉器82が閉状態(導通状態)とされている場合には、パワーマネージャ71により取り込んだ発電電力をダミー抵抗81で消費させる。
このような酸素消費部73は、燃料電池システムの起動時や停止時において、マイクロコンピュータ2により開閉器82が閉状態とされ、各燃料電池単セルのアノード極13の水素分布によって引き起こされるカソード触媒腐食劣化抑制のために使用される。
なお、酸素消費部73は、ダミー抵抗81として固定抵抗値のものを使用したが、可変抵抗にしてマイクロコンピュータ2により負荷制御可能としても良く、更には、直流電圧変換回路を備え、負荷電流を任意に制御可能なものであっても良く、更にはパワーマネージャ71から取り出した電力を二次電池(図示せず)に充電する構成であっても良い。
マイクロコンピュータ2は、後述する燃料電池システムの起動処理等を行う手順を実行するCPU(Central Processing Unit)や、上述した各部とのインターフェース回路等からなる。このマイクロコンピュータ2は、例えば外部からの燃料電池システムの起動命令や停止命令、更には車両用駆動モータに要求される駆動トルクに従って、上述した各部を制御する。
[水素圧力制御処理]
つぎに、上述した燃料電池システムにおける燃料電池スタック1のアノード極13内での水素圧力制御処理について説明する。
この水素圧力制御処理において、マイクロコンピュータ2は、実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力とするために、水素圧力制御弁24の開度を目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差の正負符号に応じてオンオフ的に制御するオンオフ切替演算(第1演算手段)によって求めると共に、水素圧力制御弁24の開度をゲイン演算であるPI演算(第2演算手段)によって求める。そして、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1の運転状態に相当する水素ガスの供給状態の変化に応じて、オンオフ切替演算によって求めた開度とするように水素圧力制御弁24を駆動させる制御と、PI制御演算によって求めた開度とするように水素圧力制御弁24を駆動させる制御との制御タイミングを変更する(制御演算変更手段)。
オンオフ切替演算は、下記の式1及び式2に示すような単位時間当たりの実燃料ガス圧力Pc[Pa]が、目標水素ガス圧力となるように水素圧力制御弁24の開度を決定する。ここで、式1におけるRは気体定数[Nm/(kg*K)]、γは比熱比(ポアソン定数)、Vc[m]は水素供給流路L1やアノード極13の容積、Ps[Pa]は水素タンク21の水素貯蔵圧力、Ts[K]は水素タンク21出口における水素ガス温度であって水素供給温度センサ28による検出値、Ws[m]は水素圧力制御弁24の開口面積、Csは水素圧力制御弁24の流量係数、Tcはアノード極13の水素入口温度であって水素入口温度センサ30の検出値、dは外乱要素である。
Figure 2005302489
この上記式1における負荷消費水素量は、燃料電池スタック1の発電電圧を電圧センサ72で検出した結果によって推定する燃料電池スタック1の水素消費量であり、パージ水素量は、流量センサ32で検出される流量値である。また、消費水素量は、例えば0.0000000103643という一定数である単位変換係数と、電圧センサ72の検出値から求められる負荷電流と、燃料電池スタック1のセル数とを乗算することによって求めることが可能となる。更に、上記式2における関数frは、図3に示すように、0〜1の範囲で、水素タンク21の水素貯蔵圧力Psによって変化する。
そして、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1の目標発電電力を決定して、当該目標発電電力に応じたアノード極13の目標水素ガス圧力が決定されると、水素圧力制御弁24の目標とする開口面積、当該開口面積とするための操作量Uを決定することになる。
このとき、マイクロコンピュータ2は、目標水素ガス圧力Pmと実燃料ガス圧力Psとの圧力偏差σを定義するが、オンオフ切替演算、すなわちスライディングモード制御を行うためには、下記の式3に示す条件を満たすように制御則を決定する。
Figure 2005302489
そして、実燃料ガス圧力Pcが目標水素ガス圧力Pmよりも高い場合には、正値である単位時間当たりの実燃料ガス圧力Pcの変化から、下記の式5及び式6で定義される式4で示される水素圧力制御弁24の操作量Ws(=開度)を導出する。ここで、式5及び式6に示す各値は、実際に水素圧力制御弁24の開度を決定するに際して検出された値を使用し、更に、式5におけるGは、式7に示すように定義され、当該式7を満たす定数であって、燃料電池システムでの最大外乱、最小負荷消費水素量、最小パージ水素量を実験等によって求めておいて予め設定される値である。
Figure 2005302489
更に、実燃料ガス圧力Pcが目標水素ガス圧力Pmよりも低い場合には、負値である単位時間当たりの実燃料ガス圧力Pcの変化から、下記の式5及び式6で定義される式8で示される水素圧力制御弁24の操作量Ws(=開度)を導出する。なお、変数A及びBは、式5及び式6から求められる。
Figure 2005302489
このオンオフ切替演算によって決定される水素圧力制御弁24の開度Uは、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差σが所定値Eである場合の開度Ua、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差σが所定値Eに対して正値(>E)である場合の開度Ub、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差σが所定値Eに対して負値(<E)である場合の開度Ucから、
U=Ua(圧力偏差=Eの場合)+Ub(圧力偏差>Eの場合)+Uc(圧力偏差<Eの場合)
で求められる。なお、このような開度Uの決定手法は、制御則を所定値Eに対する圧力偏差σの符号に応じて高速で切り替えるスライディングモード制御と呼ばれている。
ここで、開度Uaは、
Ua=Ua’+PI制御結果
とする。ここで、開度Ua’は、通常のスライディングモード制御において、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差がない場合(圧力偏差=0)に設定されている定数となる。
この上記式におけるPI制御結果は、PI制御演算によって求められる。このPI制御演算は、式4及び式8における定数Kを「1」とし、不確定な外乱dを保証するために、
d=kp×σ+ki∫σdt
とする。ここで、kpは比例ゲインであり、kiは積分ゲインであって、比例ゲインkp及び積分ゲインkiは、PI演算ゲインパラメータとしてPI制御演算の結果を修正するために変更される。
このようなPI制御演算の結果が安定するためには、単位時間当たりの圧力偏差σのダイナミクスが安定するようにPI演算ゲインパラメータを決定する必要があるが、当該PI演算ゲインパラメータは、線形システム制御理論を使用する。この線形システム制御理論によれば、
単位時間当たりのσ=−(kp×σ)−(ki×z)+d,z=∫σdt
となる。ここで、変数である外乱dを圧力偏差σで表現するために変換するが、完全に不確定な外乱dが除去された時、(ki×zr)=dなる関係となるので、当該関係を使用して上記単位時間当たりの圧力偏差σを整理すると、
単位時間当たりのσ=−(kp×σ)−(ki×(z−zr))=−(kp×σ)+(ki×ez),ez=zr−z,単位時間当たりのez=−(単位時間当たりのz)=−σ
となる。そして、当該単位時間当たりの圧力偏差σを行列式に整理すると、下記の式9に示すようになり、単位時間当たりの圧力偏差σのダイナミクスを求めることができる。ここで、圧力偏差σを安定させるためには、下記式9におけるAeの固有値の実数部が負値であればよく、線形システム制御理論におけるリアプノフ方程式を解くことにより解を求めることができる。
Figure 2005302489
このようなオンオフ切替演算及びPI制御演算を行うマイクロコンピュータ2では、所定値Eに対する圧力偏差σの正負の符号に応じて式4又は式8によってオンオフ切替演算を行って実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力に近づけ、PI制御演算を行うことによって実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力に維持する。
このとき、マイクロコンピュータ2は、PI制御演算を行っている場合、図4に示すように、圧力偏差σ=0を中心とした圧力偏差閾値を高くしてσ1〜σ2の範囲Eを広くし、当該σ1〜σ2の範囲Eを圧力偏差σが超えた場合には、オンオフ切替演算に切り替える。また、マイクロコンピュータ2は、オンオフ切替演算を行っている場合、図5に示すように、圧力偏差閾値を低くしてσ1〜σ2の範囲Eを図4の場合と比較して狭くして、当該σ1〜σ2の範囲E以内に圧力偏差σがなった場合には、PI制御演算に切り替える。なお、当該σ1〜σ2の範囲Eは、後述するが、燃料電池スタック1の状態に応じて変更する。
これにより、オンオフ切替演算を行って水素圧力制御弁24の開度制御を行う期間を限定し、オンオフ切替演算に代えてPI制御演算を行う期間を長くする水素圧力制御処理を行う。
このようなマイクロコンピュータ2は、一構成例を図2に示すように、目標燃料ガス圧力と、水素圧力センサ29の検出値である実燃料ガス圧力との圧力偏差σを加算器110により求め、当該圧力偏差σを制御演算変更部120に出力する。この制御演算変更部120は、オンオフ切替演算を行うオンオフ切替演算部121、PI制御演算を行うPI制御演算部122及び演算切換部123からなる。
そして、制御演算変更部120では、圧力偏差σと圧力偏差閾値σ1〜σ2とを比較して、圧力偏差σが圧力偏差閾値σ1〜σ2に該当しない場合には、オンオフ切替演算部121で
U=Ub(圧力偏差>Eの場合)+Uc(圧力偏差<Eの場合)
なる演算を行って演算切換部123から開度制御信号を水素圧力制御弁24に送る。一方、圧力偏差σが圧力偏差閾値σ1〜σ2に該当する場合には、PI制御演算部122で
U=Ua’+PI制御結果
なる演算を行って演算切換部123から開度制御信号を水素圧力制御弁24に送る。
[燃料電池システムの起動処理]
つぎに、上述した水素圧力制御処理を行う燃料電池システムの制御装置であるマイクロコンピュータ2の起動処理の処理手順について説明する。
この燃料電池システムの起動処理は、図6に示すように、マイクロコンピュータ2に例えば燃料電池スタック1の発電を開始する旨の命令が入力されることに応じて、ステップS1の処理を開始する。このステップS1では、燃料電池スタック1の起動時において燃料電池スタック1内で水素濃度が均一でないことに起因した燃料電池スタック1の劣化を抑制する起動劣化抑制処理を開始する。
このとき、マイクロコンピュータ2は、アノード極13のみに水素ガスを供給開始するために、水素タンク元弁22を開状態、パージ弁31を開状態、希釈ブロア33を駆動状態、水素循環ポンプ26を駆動状態とする。
次に、マイクロコンピュータ2は、ステップS2において、開閉器82を閉状態とすることにより、パワーマネージャ71とダミー抵抗81とを導通状態とする。
次に、マイクロコンピュータ2は、ステップS3において、マイクロコンピュータ2及び水素圧力制御部27により、水素圧力制御弁24を開状態とさせ、水素供給流路L1、水素循環流路L2及びパージ流路L3のガスを水素ガスに置換開始させる。一方、コンプレッサ41を駆動させず、カソード極12には空気を供給しない状態となっている。
ここで、パージ弁31を開状態とすると共に希釈ブロア33を駆動状態とするのは、水素タンク21、水素供給流路L1、アノード極13、パージ流路L3と通ずる水素ガス流路を確保するためである。また、水素循環ポンプ26を駆動状態とすると共にエゼクタポンプ25の水素循環流路L2側を開状態とするのは、アノード極13内のガス流速を増加させるためである。これにより、水素ガスの供給開始時に短時間で水素ガス出口付近の燃料電池単セルまで水素ガスを到達させて、燃料電池スタック1内の水素分布を均一にさせるための動作を開始する。
また、システムの起動時には水素配管L1〜L3内、アノード極13内には水素以外のガスが満ちている。これは、カソード極12の空気が固体高分子電解質膜11を通過してアノード極13に滞留するためと、水素配管L1〜L3や継ぎ手や各弁などの隙間から空気が混入するためである。
したがって、水素濃度が高い水素ガスの供給を開始した直後では、燃料電池スタック1の水素ガス入口側のアノード極13の水素ガス濃度が、水素ガス出口側のアノード極13の水素ガス濃度よりも高い水素リッチ状態となっており、燃料電池スタック1の全体でみるとアノード極13内で水素分布勾配を生じている状態となっている。このとき、水素ガス出口側のアノード極13では、プロトンが不足し、このプロトン不足を補うためカソード極12側ではカソード触媒を支持しているカーボン材とHOとが反応する触媒腐食劣化反応が発生する。この触媒腐食劣化反応が進行すると、カソード触媒の有効面積が減少する。また、プロトンが不足している各燃料電池単セルの水素ガス出口側では、水素ガス入口側に比べて電位が上昇し、この電位上昇が腐食劣化反応を引き起こすエネルギとして作用する。
これに対し、この燃料電池システムの起動処理は、ステップS2において、ダミー抵抗81とカソード極12及びアノード極13とを電気的に接続したので、ダミー抵抗81に燃料電池スタック1からの電流を流すことにより燃料電池スタック1の電圧を低下させて、カソード極12での触媒腐食劣化を引き起こすエネルギを減少させて触媒腐食劣化反応を抑制する。
また、ステップS3において、マイクロコンピュータ2は、圧力偏差σの符号に基づいて制御則をオンオフ的に切り替えて、目標燃料ガス圧力に対する実燃料ガス圧力の圧力偏差σを「0」に近づけるオンオフ切替演算によって水素圧力制御弁24の開度調整を行って、アノード極13入口における圧力制御を開始する。
ここで、マイクロコンピュータ2は、劣化抑制処理の実行中においては、劣化反応が促進しないように発電電圧を所定の管理電圧値以下とする。また、アノード極13内の水素濃度を短時間で高くして起動時間を短縮するためにできるだけ多くの水素を供給するが、カソード極12−アノード極13の差圧制限を維持する。すなわち、空気供給をしない状態なのでカソード極12は大気圧であるので、アノード極13の圧力を差圧制限上限値に設定する。
このような時に実水素ガス圧力がハンチングすると、カソード極12とアノード極13との差圧制限を超えてしまい燃料電池スタック1にダメージを与えてしまうが、これに対し、マイクロコンピュータ2では、オンオフ切替演算に応じた水素圧力制御弁24の開度制御を行って、水素ガス圧力のハンチングを防止して差圧制限を超えないようにする。
また、起動時においてPI制御演算でなく、オンオフ切替演算を行うのは、起動時においては水素圧力制御弁24を全閉状態から制御を開始することになり、水素圧力制御弁24の不感帯が原因でPI制御演算ではハンチングを起こしやすくなることによる。なお、水素圧力制御弁24の不感帯においてPI制御演算を行うと、水素圧力制御弁24に開度制御信号を送出しても水素圧力制御弁24の開度が変化せず、このため、水素は供給されないのでアノード極13入口の水素ガス圧力も上昇しない。この状態でアノード極13入口の水素ガス圧力を目標水素ガス圧力にしようとPI演算を続けるためPI演算の積分制御量(PIのI)が過剰になり、結果として開度制御信号が過大になり、水素圧力制御弁24の不感帯を脱出して水素圧力制御弁24が開いたとき過剰な開度となってしまう。この結果、アノード極13入口の実燃料ガス圧力が過剰に高くなり、当該実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力に修正しようとしてPI演算が作用してハンチングしながら収束するようになるためである。
更に、劣化抑制処理の開始時には発電をほとんどしないので、燃料電池スタック1で消費する水素量が少ない。このような状態で、アノード極13入口の実燃料ガス圧力を目標燃料ガス圧力にするためには、水素圧力制御弁24の開度が小さくなり、水素圧力制御弁24のヒステリシスの影響を受けてハンチングを引き起こしやすくなる。アノード極13入口に設けた制御弁は水素遮断性能を確保するために弁可動部の静止時の摩擦が非常に大きい特徴があり(弁の不感帯の原因)、低開度領域ではヒステリシスも大きくなる特徴がありハンチング助長する。
したがって、マイクロコンピュータ2では、オンオフ切替演算によって水素圧力制御弁24の開度を決定することにより、ハンチングを防止し、カソード極12とアノード極13との差圧制限が超えることを防止する。
また、このステップS3において、マイクロコンピュータ2は、オンオフ切替演算からPI制御演算に変更する圧力偏差閾値を図7に示す関係から決定する。このとき、水素圧力制御部27は、燃料電池スタック1の起動直後であるので、圧力偏差閾値を最も小さい所定値SSとする。
ここで、ステップS3〜ステップS5までの間において、オンオフ切替演算とPI制御演算とを変更する場合があるが、これは、圧力偏差σが所定値SS以下か否かを判定し、そうである場合にはオンオフ切替演算からPI制御演算に変更し、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更するための圧力偏差閾値を所定値M(図7参照)に設定する。一方、圧力偏差σが所定値SS以下でない場合には、アノード極13の圧力偏差σが所定値M以上か否かを判定し、圧力偏差σ所定値M以上である場合にはPI制御演算からオンオフ切替演算に変更する。
また、ステップS3の次のステップS4において、マイクロコンピュータ2は、ダミー抵抗26を接続している劣化抑制処理を終了するタイミングを判断する。このとき、マイクロコンピュータ2は、電圧センサ72の検出値が所定電圧(例えば10V)以下の状態が所定時間(例えば30秒)を経過した場合には、劣化抑制処理を終了すると判定してステップS5に処理を進め、そうでない場合にはステップS1からの処理を継続する。
次のステップS5において、マイクロコンピュータ2は、開閉器82を開状態とすることによりダミー抵抗81をパワーマネージャ71に対して遮断して、劣化抑制処理を終了する。また、このステップS5において、マイクロコンピュータ2は、カソード極12に空気を供給するようにコンプレッサ41を制御して、燃料電池スタック1の発電を開始させる。このとき、マイクロコンピュータ2は、ステップS4での条件を満たした後に、アノード極13内の水素濃度が十分な値となるまでの所定期間の後に、空気の供給を開始することにより、駆動モータなどの負荷を燃料電池スタック1に接続した時の水素不足を回避する。
次に、マイクロコンピュータ2は、ステップS6において、起動終了フラグをセットして通常発電状態に移行し、次にマイクロコンピュータ2は、ステップS7において、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を所定値Mに設定して、ステップS8に処理を進める。
ステップS8において、マイクロコンピュータ2は、燃料電池スタック1に要求される発電電力に応じて燃料電池スタック1を発電させて駆動モータ等の負荷に供給する通常発電を行わせる。このような通常発電状態でアノード極13入口の実燃料ガス圧力がハンチングする場合がある。これは、パージ弁31の開度操作や水素循環ポンプ26の駆動量操作による外乱や経年変化や運転状態、運転環境変化等によるプラント特性変化によりPI演算ゲインパラメータが適当でなくなることによる。
これに対し、マイクロコンピュータ2は、図8に示す処理を行うことにより、アノード極13入口の実燃料ガス圧力がハンチングすることによって水素不足の可能性が増大すると共に、カソード極12とアノード極13との差圧制限を超えて燃料電池スタック1にダメージを与える場合を回避する。
この処理は、図8のステップS11において、マイクロコンピュータ2により、PI制御演算からオンオフ切替演算に切り替えるための圧力偏差閾値を設定する。このとき、マイクロコンピュータ2は、図9に示す処理を行う。
この図9に示す処理において、マイクロコンピュータ2は、ステップS21において、負荷変化幅の予定値、すなわち次に燃料電池スタック1に要求される発電電力と、現在の発電電力との差が所定幅ΔL以上か否かを判定する。このとき、マイクロコンピュータ2は、駆動モータ等の負荷が要求する電力の変化分を調べる。
ここで、負荷が高くなった場合には、アノード極13の水素不足緩和及び燃料電池スタック1の発電効率を低下を抑制するために、水素循環ポンプ26の回転数を増加させて単位時間あたりにアノード極13を通過する水素流量を増加させて、水素ストイキ比を増加させる。逆に、負荷が低い場合には、水素循環ポンプ26の回転数を低減して余分な水素を消費しないようにする。このため、負荷変化に応じて水素循環ポンプ26の回転数の変化が生じ、水素循環ポンプ26の回転数の変化が大きいと、アノード極13入口の実燃料ガス圧力の外乱として作用してハンチングを引き起こす要因になる。このため、ステップS21では、負荷変化幅の予定値が所定幅ΔL以上である場合に、水素循環ポンプ26の回転数の変化が大きくアノード極13入口の実燃料ガス圧力に外乱として作用すると判断する。
そして、負荷変化幅の予定値が所定幅ΔL以上であると判定した場合には、ステップS22において、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を所定値Sに設定し、次のステップS23において、水素循環ポンプ26の回転数の変更を許可し、更には負荷の変更を許可して、図8のステップS12に処理を進める。
一方、負荷変化幅の予定値が所定幅ΔL以上でないと判定した場合には、ステップS24において、パージ弁31を閉状態から開状態に変更するタイミングか否かを判定する。このとき、マイクロコンピュータ2は、前回にパージ弁31を閉状態とした時刻からのタイマのカウント値が所定値となった場合に、パージ弁31を閉状態から開状態にするタイミングであると判定する。なお、本例では、パージ弁31の閉状態がT1秒(例えば10秒)以上経過した場合に、パージ弁31をT2秒(例えば1秒)開状態にするように設定されている。
ここで、パージ弁31を閉状態から開状態にすると、水素供給流路L1、水素循環流路L2及びパージ流路L3の水素ガスに対する圧損が変化してアノード極13入口の実燃料ガス圧力に外乱として作用してハンチングの要因となる。このため、パージ弁31を閉状態から開状態とするタイミングである場合に、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を低く設定することにより、実燃料ガス圧力のハンチングが小さい段階でオンオフ切替演算に変更して、大きなハンチングを防止するようにしている。
そして、パージ弁31を開状態にするタイミングであると判定した場合には、ステップS25において、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を所定値Sに設定し、ステップS26において、パージ弁31を開状態とする動作を許可して、図8のステップS12に処理を進める。
一方、パージ弁31を開状態にするタイミングではないと判定した場合には、ステップS27において、パージ弁31を開状態から閉状態にするタイミングであるか否かを判定する。このとき、マイクロコンピュータ2は、前回にパージ弁31を開状態とした時刻からのタイマのカウント値が所定値(例えば1秒)となった場合に、パージ弁31を開状態から閉状態にするタイミングであると判定する。
ここで、パージ弁31を開状態から閉状態にすると、各流路L1〜L3の水素ガスに対する圧損が変化してアノード極13入口の実燃料ガス圧力に外乱として作用してハンチングの要因となるが、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を低く設定することにより、実燃料ガス圧力のハンチングが小さい段階でオンオフ切替演算に変更して、大きなハンチングを防止するようにしている。
そして、パージ弁31を閉状態にするタイミングであると判定した場合には、ステップS28において、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を所定値Sに設定し、ステップS29において、パージ弁31を閉状態とする動作を許可して、図8のステップS12に処理を進める。
一方、パージ弁31を閉状態にするタイミングではないと判定した場合には、ステップS30に処理を進め、PI制御からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を所定値M(初期値)に設定して、図8のステップS12に処理を進める。
このように、ステップS21、ステップS24及びステップS27の条件を満たした場合であって、実燃料ガス圧力に外乱として作用する可能性がある場合には、圧力偏差閾値を小さくして、PI制御演算に代えてオンオフ切替演算を実行させやすくすることにより、PI制御演算を優先しつつ、ハンチングを防止するためのオンオフ切替演算を限定するようにしている。これにより、オンオフ切替演算の高速制御則切り替えによって、アノード極13入口の水素圧力制御弁24が高速に動作してダメージを受けるのを防止するようにでき、かつ実燃料ガス圧力のハンチングを防止してアノード極13−カソード極12の差圧制限を超えないようにして燃料電池スタック1へのダメージを防止することができるようになる。
図8のステップS12において、マイクロコンピュータ2は、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力の圧力偏差の絶対値が、ステップS11で設定したPI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値を超えたか否かを判定する。そして、圧力偏差の絶対値が圧力偏差閾値を超えた場合にはステップS13に処理を進め、そうでない場合にはステップS18で前回の制御(PI制御演算又はオンオフ切替演算)を継続させる。
次にマイクロコンピュータ2は、ステップS13において、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更し、ステップS14において、オンオフ切替演算の実行中にPI制御演算に使用するゲインパラメータの変更を行う。これは、PI演算の実行中に比例ゲイン及び積分ゲインのゲインパラメータの変更を行うと、ゲインパラメータ変更自体が制御系の外乱として作用して、アノード極13入口の実燃料ガス圧力のハンチングの要因となるためである。
次にマイクロコンピュータ2は、ステップS15において、目標燃料ガス圧力実燃料ガス圧力の圧力偏差の絶対値が、ステップS23,ステップS26又はステップS29で設定した圧力偏差閾値Sよりも小さい圧力偏差閾値SS以下となったか否かを判定する。そして、圧力偏差の絶対値が圧力偏差閾値SS以下ではないと判定した場合には、オンオフ切替演算を継続させるために図6のステップS9に処理を進め、圧力偏差の絶対値が圧力偏差閾値SS以下であると判定した場合には、ステップS16に処理を進める。
次にマイクロコンピュータ2は、ステップS16において、オンオフ切替演算からPI制御演算に変更し、ステップS17において、圧力偏差閾値を所定値M(初期値)に設定して、図6のステップS9に処理を進める。このように、ステップS15において、圧力偏差閾値Sよりも範囲が狭い圧力偏差閾値SS以下となった場合に、オンオフ切替演算からPI制御演算に変更するようにしたので、PI制御演算とオンオフ切替演算との変更が頻繁に起きないようにしている。
このとき、マイクロコンピュータ2は、急にオンオフ切替演算からPI制御演算に変更すると、急激に水素圧力制御弁24の開度を変更する必要があり、圧力変動を招く場合があるので、滑らかに切り替えるようにした。これは、圧力偏差が閾値SS以下の小さい値になってからオンオフ切替演算からPI制御演算に切り替えるようにしているが、PI制御演算の積分演算が過去の演算結果に依存するので、水素圧力制御弁24の開度変更量と、それまでオンオフ切替演算で演算していた開度変更量とが異なる場合があることによる。
これに対し、マイクロコンピュータ2は、オンオフ切替演算からPI制御演算に変更する時に、オンオフ切替演算及びPI制御演算を同時に行って所定の変化率でオンオフ切替演算の出力比率を0%に低減すると共に、逆に、所定の変化率でPI制御演算の出力比率100%になるようにする。または、マイクロコンピュータ2は、オンオフ切替演算の出力とPI制御演算の出力との圧力偏差が所定値以下になった時に、オンオフ切替演算からPI制御演算に変更するようにしても良い。なお、オンオフ切替演算とPI制御演算との間で演算が変更した時に外乱となってしまうことが考えられるが、これを防止する方策については既にいくつかの公知例があり、例えばIEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRIAL ELECTRONICS, VOL.48, NO.1, FEBRUALY, 2001に示された手法を使用しても良い。
次にマイクロコンピュータ2は、図6のステップS9において、システム停止要求があるか否かを判定し、ない場合にはステップS8の通常発電を継続し、あった場合には、ステップS9においてシステムを停止する。
このステップS9において、マイクロコンピュータ2は、次に燃料電池スタック1の発電を開始するに際して、水素圧力制御弁24が全閉であること及びオンオフ切替演算を行うことを条件としているので、水素圧力制御弁24の開度を全閉とすると共に、オンオフ切替演算を行う設定を行うことになる。
[実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、水素ガスを燃料電池スタック1に供給して発電させる場合に、水素圧力制御弁24の開度を制御するに際して、オンオフ切替演算とPI制御演算との双方を行って、オンオフ切替演算とPI制御演算とを切り替える圧力偏差閾値を変更することができるので、オンオフ切替演算とPI制御演算とを燃料電池スタック1への水素供給状態に応じて使い分けて実水素ガス圧力を目標水素ガス圧力とすることができる。
したがって、この燃料電池システムによれば、PI制御演算によって水素圧力制御弁24の開度を制御している場合に実水素ガス圧力がハンチングしてカソード極12とアノード極13との差圧が制限を超える前にオンオフ切替演算に変更することができ、燃料電池スタック1へのダメージを防止することができる。また、この燃料電池システムによれば、オンオフ切替演算のみでは水素圧力制御弁24に与える負担が大きくダメージを与える可能性があるが、オンオフ切替演算に代えてPI制御演算を行うことができるので、水素圧力制御弁24へのダメージを軽減することができる。
また、この燃料電池システムによれば、図8で説明したように、PI制御演算を行っている場合に、圧力偏差が圧力偏差閾値を超えたら、PI制御演算からオンオフ切替演算に移行させ、当該オンオフ切替演算を行っている間にPI制御演算のゲイン演算で使用するゲインパラメータを変更し、圧力偏差が圧力偏差閾値SSよりも小さくなった場合に、オンオフ切替演算からPI制御演算に移行させるので、ゲインパラメータが不適当となって圧力偏差やハンチングを生じた時にオンオフ切替演算を行って圧力偏差をなくすように制御することができる。また、PI制御演算を行っている時にゲインパラメータを変更すると、パラメータ変更自体が外乱となってハンチングを起こす場合があるが、オンオフ切替演算に切り替えて外乱を防止しつつ圧力偏差をなくすことができる。更に、ゲインパラメータを変更した後には圧力偏差閾値SSとするので、PI制御演算とオンオフ切替演算との切替が頻繁に起こることを防止することができ、オンオフ切替演算を実行する期間を限定して水素圧力制御弁24に与える負担を軽減することができる。
更に、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の起動時に劣化抑制処理(VLD起動時)を行っている時に、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更する圧力偏差閾値をSSとするので、PI制御演算を行っていて圧力偏差が大きくなった時に、オンオフ切替演算で水素圧力制御弁24の開度を制御する時間を長くすることができる。したがって、燃料電池スタック1の起動時に劣化抑制処理をできるだけ短時間とするために水素ガス流量を高くしていて、カソード極12とアノード極13との差圧が制限に近づいていても、実水素ガス圧力をハンチングさせることを防止して、燃料電池スタック1のダメージを抑制することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、図9で説明したように、燃料電池スタック1の発電電力を高くするために水素循環量を増加させる前に、PI制御演算からオンオフ切替演算に変更するための圧力偏差閾値を小さく変更するので、水素循環ポンプ26のオンオフ及び回転数の変更、又はエゼクタポンプ25のオンオフによって循環量が変化した場合に、外乱として実水素ガス圧力が変化してカソード極12とアノード極13との差圧制限を超えることを防止することができる。また、オンオフ切替演算がPI制御演算と比較して外乱を受けにくいという特徴を利用して、オンオフ切替演算を行う期間を長くすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、図9で説明したように、パージ弁31の開度を変更する前にPI制御演算からオンオフ切替演算とするための圧力偏差閾値を小さくするので、パージ弁31を開閉することによって外乱として実水素ガス圧力が変化してカソード極12とアノード極13との差圧制限を超えることを防止することができる。また、オンオフ切替演算がPI制御演算と比較して外乱を受けにくいという特徴を利用して、オンオフ切替演算を行う期間を長くすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、オンオフ切替演算からPI制御演算に変更するに際して、オンオフ切替演算によって求めた開度を所定の変化率で減少させた開度と、PI制御演算によって求めた開度を前記所定の変化率で増加させた開度とを加算した開度とするように水素圧力制御弁24を駆動させるので、オンオフ切替演算の出力を100%から0%まで徐々に減少して、PI制御演算の出力を0%から100%まで徐々に増加してなめらかに演算を切り替えることができ、演算切り替え時に圧力変動が生じることを防止することができる。これは、オンオフ切替演算からPI制御演算に切り替える時には、圧力偏差が圧力偏差閾値SSの小さい値になってからとしているが、PI制御演算からオンオフ切替演算に切り替える時には、圧力偏差閾値SSよりも高い圧力偏差閾値となっている場合があり、PI制御演算の出力とオンオフ切替演算の出力とが異なる場合があるが、急な開度変更をなくして滑らかに開度を変更することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1への水素ガスの供給を停止する場合に水素圧力制御弁24を全閉状態とした後に、燃料電池スタック1への水素ガスの供給を開始する場合には、オンオフ切替演算によって求めた開度とするように水素圧力制御弁24を駆動させる制御を行わせるので、水素圧力制御弁24に不感帯やヒステリシスがある場合であっても、PI制御演算ではなくオンオフ切替演算を行って、PI制御演算を行うことによる開度のハンチングを防止することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用したマイクロコンピュータを備えた燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用したマイクロコンピュータの機能的な構成を示すブロック図である。 関数frの変化を示す図である。 PI制御演算からオンオフ切替演算に切替を行う場合の圧力偏差閾値について説明するための図である。 オンオフ切替演算からPI制御演算に切替を行う場合の圧力偏差閾値について説明するための図である。 本発明を適用したマイクロコンピュータによる水素圧力制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 圧力偏差閾値の設定を説明するための図である。 本発明を適用したマイクロコンピュータによる通常時における水素圧力制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 本発明を適用したマイクロコンピュータによる通常時の水素圧力制御処理において、PI制御演算からオンオフ切替演算に切り替える圧力偏差閾値を設定する処理のの処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 マイクロコンピュータ
11 固体高分子電解質膜
12 カソード極
13 アノード極
14 多孔質セパレータ
15 純水極
16 ソリッドプレートセパレータ
17 冷却水流路
21 水素タンク
22 水素タンク元弁
23 減圧弁
24 水素圧力制御弁
25 エゼクタポンプ
26 水素循環ポンプ
27 水素圧力制御部
28 水素供給温度センサ
29 水素圧力センサ
30 水素入口温度センサ
31 パージ弁
32 流量センサ
33 希釈ブロア
41 コンプレッサ
42 空気圧力センサ
43 空気調圧弁
44 空気圧力制御部
51 純水タンク
52 純水ポンプ
53,54,55 純水回収弁
56 純水シャット弁
57 純水回収部
61 冷却水ポンプ
62 冷却水温度センサ
63 三方弁
64 ラジエタ
65 ラジエタファン
66 冷却水温度制御部
71 パワーマネージャ
72 電圧センサ
73 酸素消費部
81 ダミー抵抗
82 開閉器
110 加算器
120 制御演算変更部
121 オンオフ切替演算部
122 PI制御演算部
123 演算切換部

Claims (7)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスを燃料電池に供給して発電させる場合に、前記燃料ガスの圧力を調整する制御弁の開度を調整する燃料電池システムの制御装置において、
    前記燃料電池内の実燃料ガス圧力を、前記燃料電池に要求される発電電力に応じた目標燃料ガス圧力とするように、前記実燃料ガス圧力と前記目標燃料ガス圧力との圧力偏差の正負に応じて、前記制御弁の開度を演算する第1演算手段と、
    前記燃料電池内の実燃料ガス圧力を、前記燃料電池に要求される発電電力に応じた目標燃料ガス圧力とするように、目標燃料ガス圧力と実燃料ガス圧力との圧力偏差及びゲインパラメータを使用したゲイン演算を行って、前記制御弁の開度を演算する第2演算手段と、
    前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御と、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御との間で変更する圧力偏差閾値を、前記燃料電池への燃料ガス供給状態の変化に応じて変更する制御演算変更手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 前記制御演算変更手段は、
    前記第2演算手段によって求めた開度に前記制御弁を制御している場合に、圧力偏差が第1圧力偏差閾値を超えた場合に、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御から、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御に移行させ、
    前記第1演算手段によって求めた開度に前記制御弁を制御している場合に、前記第2演算手段のゲイン演算で使用するゲインパラメータを変更し、圧力偏差が前記第1圧力偏差閾値よりも小さい第2圧力偏差閾値以内となった場合に、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御から、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御に移行させること
    を特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記制御演算変更手段は、前記燃料電池に燃料ガスを供給開始した時であって、前記燃料電池で発電した電力を消費させている時に、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御から、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御に変更する圧力偏差閾値を前記第1圧力偏差閾値よりも小さく変更することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記制御演算変更手段は、前記燃料電池から排出された燃料ガスを前記燃料電池に循環させる燃料循環手段による燃料ガス循環量を変更する前に、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御から、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御に変更するための圧力偏差閾値を第1圧力偏差閾値より小さく変更することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記制御演算変更手段は、前記燃料電池から排出された燃料ガスを外部に排出するパージ流量制御弁の開度を変更する前に、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御から、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御に変更するための圧力偏差閾値を第1圧力偏差閾値より小さく変更することを特徴とする請求項2〜請求項4の何れかに記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 前記制御演算変更手段は、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御から、前記第2演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御に変更するに際して、前記第1演算手段によって求めた開度を所定の変化率で減少させた開度と、前記第2演算手段によって求めた開度を前記所定の変化率で増加させた開度とを加算した開度とするように前記制御弁を駆動させることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の燃料電池システムの制御装置。
  7. 前記制御演算変更手段は、前記燃料電池への燃料ガスの供給を停止する場合に前記制御弁を全閉状態とした後に、前記燃料電池への燃料ガスの供給を開始する場合には、前記第1演算手段によって求めた開度とするように前記制御弁を駆動させる制御を行わせることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の燃料電池システムの制御装置。
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