JP5187481B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、水素と酸素との電気化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムに係り、特に、大気温が氷点下となる寒冷地において、車両、船舶等の移動体に搭載される燃料電池システムの、運転停止要求時における掃気処理(乾燥処理)の制御方法に関する。
車両、船舶等の移動体用の駆動源として、水素と酸素(空気)との電気化学反応を利用して発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムでは、0℃以下の低温状態において、電極近傍に存在している水分が凍結して反応ガスの拡散を阻害したり電解質膜の電気伝導率が低下したりする。即ち、0℃以下の低温環境下では、燃料電池を起動する際、凍結による反応ガス経路の目詰まりや、電解質膜への反応ガス(水素および空気)の進行・到達が阻害されることにより、燃料電池に燃料ガスを供給しても電気化学反応が進行せず、燃料電池を起動できず、さらに、反応ガス経路内で結露した水分が凍結することにより、ガス経路に閉塞が生ずることがあった。
従来の上記課題を解決する方法として、例えば、特開2002−246053号公報には、低温環境下で使用される燃料電池システムにおいて、運転停止時の環境温度に基づいて燃料電池内部の水分を除去する技術が開示されている(特許文献1)。この従来技術によって、運転停止時の環境温度に基づいて燃料電池内部の水分を除去することで、燃料電池の起動時のトラブルを除去することができていた。
一方、燃料電池の出力は、燃料電池の内部状態、例えば、電解質膜の湿潤度に影響を受けることが知られている。この電解質膜の湿潤度は、燃料電池の複素インピーダンスと相関があることから、従来、燃料電池の出力に交流信号を印加し、電圧に対する電流の振幅比と位相のずれの両方を検出することにより、複素インピーダンスを演算し、さらに、この結果を用いて含水量を推定することで、燃料電池の動作状態を監視することが提案されていた(交流インピーダンス測定による含水量推定法)。具体的には、例えば、特開2003−86220号公報には、燃料電池の出力信号に周波数を高周波から低周波まで変化させながら制限波信号を印加した場合の燃料電池の複素インピーダンスを求め、燃料電池の内部水分量不足時に増加する抵抗成分R1と、内部水分量過剰時に増加する抵抗成分R2とから燃料電池の水分状態を推定する燃料電池システムが記載されている(特許文献2)。抵抗成分R1は高周波の正弦波信号を印加することで測定され、抵抗成分R2は低周波の正弦波信号を印加することで測定されるものとされていた。
同様の技術として、特開2003−297408号公報には、電気化学セルの電圧あるいは電流の一方から被測定ガスの含水量を検出するよう構成された燃料電池システムが記載されている(特許文献3)。
特開2002−246053号公報(段落0034〜0036等) 特開2003−86220号公報(段落0007、0004等) 特開2003−297408号公報(段落0007等)
しかしながら、従来の燃料電池システムにあっては、システム運転停止要求時に燃料電池の含水量を確認するためのインピーダンス計測を実施しなければならず、インピーダンス計測の実施には電力が必要となり、その電力を供給するための燃料電池の発電は必然的に水分発生を伴うので、その水分を除去するため掃気処理時間が必要となり運転停止までの時間短縮を妨げることになっていた。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、短時間で燃料電池を停止させることが可能な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池と該燃料電池の内部を乾燥させる掃気処理手段とを備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池の運転停止要求が指令された場合に、前記燃料電池の運転中の計測に対応した最新の含水量推定値を初期値とし、前記初期値に、前記燃料電池に対して流入・流出する水分量の収支を積算した結果に基づいて前記運転停止要求指令時における前記燃料電池の含水量を推定し、前記運転停止要求指令時の前記含水量推定値に基づいて前記掃気処理の実行の可否を判定すること、を特徴とする。
このように構成することにより、燃料電池の運転停止要求が指令された際に、掃気処理実行の有無を確認するための発電をすることなく、最新の含水量推定値とその後の水分量の収支に基づき運転停止要求指令時の含水量が正しく推定されるので、燃料電池停止要求時の含水量推定のための発電が不要となり、不要となった発電に対応した掃気処理時間を短縮することができる。
また、前記燃料電池システムにおいて、前記水分量の収支は、酸化ガス供給経路から前記燃料電池に流入する水分量、前記燃料電池から酸化オフガス排出経路に流出する水分量、燃料ガス供給経路から前記燃料電池に流入する水分量、および前記燃料電池から酸化ガス排出経路に流出する水分量を含めて推定されることを特徴とする。
燃料電池における含水量は燃料電池の流入する水分量と燃料電池から流出する水分量に大きく依存しているので、これら水分量の収支を参照すれば最新の含水量推定値に基づき燃料電池の運転停止要求指令時の含水量が正しく推定される。
なお、最新の含水量推定後に燃料電池の発電に伴う電気化学反応により生じた水分量を上記水分量の収支に加えて燃料電池の運転停止要求指令時の含水量推定演算をすることは好ましい。このように構成されば、さらに正確な運転停止要求指令時の含水量推定が可能となる。
また、本発明は、燃料電池の運転中に、一定の周期で前記燃料電池の含水量を推定する一定周期含水量推定手段と、前記燃料電池の運転停止要求が指令された時に、前記燃料電池の運転中における直前の含水量推定値を初期値とし、前記初期値に、前記燃料電池に対して流入・流出する水分量の収支を積算した結果に基づいて、前記運転停止要求指令時における前記燃料電池の含水量を推定する現時点含水量推定手段と、前記運転停止要求指令時の前記含水量推定値に基づいて前記掃気処理手段の実行の可否を判定する掃気処理実施有無判定手段と、前記掃気処理を実行すべきと判定された場合に、前記燃料電池の前記掃気処理の実行を指令する掃気処理手段と、を備えたことを特徴とする。
このように構成することにより、燃料電池の運転停止要求が指令された際に、掃気処理実行の有無を確認するための発電をすることなく、最新の含水量推定値とその後の水分量の収支に基づき運転停止要求指令時の含水量が正しく推定されるので、燃料電池停止要求時の含水量推定のための発電が不要となり、不要となった発電に対応した掃気処理時間を短縮することができる。
さらに、前記燃料電池システムにおいて、前記燃料電池の運転中における含水量の推定は、前記燃料電池の交流インピーダンス法に基づいて演算されるものであることを特徴とする。このように構成することにより、燃料電池の運転中における含水量の推定を、簡単な構成で、正確に行うことを可能にしている。
本発明によれば、燃料電池の運転停止要求が指令された際に、掃気処理実行の有無を確認するための発電をすることなく、最新の含水量推定値とその後の水分量の収支に基づき運転停止要求指令時の含水量が正しく最新の含水量推定値に基づき運転停止要求時の含水量が推定されるので、燃料電池停止要求時の含水量推定のための発電が不要となり、不要となった発電に対応した掃気処理時間を短縮することができる。
以下、本発明の燃料電池システム最良の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態は、燃料電池システムを、燃料電池を電源として走行する電気自動車(燃料電池車両)に適用したものである。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムを搭載した電気自動車の主要部の構成を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、燃料ガス(例えば水素ガス)と酸化ガス(例えば酸素を含む空気)との電気化学反応を利用して電力を発生する燃料電池10を備えている。本実施形態では燃料電池は、固体高分子電解質膜を酸素極(正極:カソード電極)10aおよび水素極(負極:アノード電極)10bで挟んだ基本構造であるセルが複数積層されたスタック構造を有している。以下、この燃料電池のスタック構造をFCスタックとも称する。
FCスタック10では、以下の酸素極10a側と水素極10b側の電気化学反応が起こり電気エネルギが発生するようになっている。
(酸素極側)2H++1/2O2+2e-→H2
(水素極側)H2→2H++2e-
燃料電池システムには、FCスタック10の酸素極10a側に空気を供給するための空気経路20、およびFCスタック10の水素極10b側に水素を供給するための水素経路30が設けられている。
空気経路20には空気供給用の空気圧送用の送風機(コンプレッサ)21が設けられている。空気経路20には、空気のFCスタック10への入口(図3に示すA点)にシャットバルブ22が、空気の出口(図3に示すB点)にシャットバルブ23が設けられている。これらのシャットバルブ22、23を閉じることで、FCスタック10内部および空気経路20内部を外気から遮断可能に構成されている。
水素経路30には水素供給装置31が設けられており、水素供給装置31により水素が供給されるようになっている。水素経路30には、水素のFCスタック10への入口(図3に示すC点)にシャットバルブ32が、出口(図3に示すD点)にはシャットバルブ33が設けられている。これらのシャットバルブ32、33を閉じることで、FCスタック10への水素供給を遮断可能に構成されている。
さらに空気経路20および水素経路30には図示しない加湿装置を備える。加湿装置により空気経路20の空気および水素経路30の水素に加湿が行われ、FCスタック10には加湿された空気および水素が供給される。これにより、FCスタック10内部は湿潤状態で作動することとなる。また、酸素極10a側では上記電気化学反応により水分が生成する。
但し、後述する掃気処理時には、FCスタック10には、加湿されない乾燥空気と加湿されない乾燥水素が供給されるようになっている。これらの乾燥したガスは、FCスタック10内に残留する水分を除去するために、できるだけ低湿度であることが望ましく、少なくともFCスタック10内の湿度より低湿度であることが必要である。
また、FCスタック10への空気入口(図3に示すA点)と出口(図3に示すB点)、及びFCスタック10への水素入口(図3に示すC点)と出口(図3に示すD点)には、流通水分量を検出するための水分量センサ(いずれも図示は省略している)が設けられている。
またFCスタック10には冷却システム40〜45が設けられている。冷却システムには、FCスタック10に冷却液(熱媒体)を循環させる冷却液経路40、冷却液を循環させるウォータポンプ41、ファン43を備えたラジエータ42が設けられている。ラジエータ42およびファン43で冷却部を構成している。また、冷却液経路40には、冷却液を、ラジエータ42をバイパスさせるためのバイパス経路44がラジエータ44と並列的に設けられている。冷却液の流路は、冷却液切替弁45によってラジエータ43側とバイパス通路44側に切り替えられるようになっている。
上記冷却システムは、ウォータポンプ41による循環流量制御、ラジエータ42およびファン43による風量制御、冷却液切替弁45によるバイパス流量制御でFCスタック10の冷却量制御により、燃料電池の発電に伴って生じた熱を除去して燃料電池の作動温度が電気化学反応に適温(80℃程度)となるように制御可能に構成されている。
またFCスタック10は、車両走行用の電動モータ(負荷)11や2次電池12等の電気機器に電力を供給するように構成されている。FCスタック10と2次電池12との間にはFCスタック10の出力電圧値を調整するDC/DCコンバータ(出力電流制御手段)13が設けられている。さらにFCスタック10には、FCスタック本体の温度を検出するための温度センサ14、および外気温を検出する外気温センサ15が設けられている。
図2は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおけるFCスタック10の出力電圧と出力電流との関係を示すグラフ図である。図2に示すようにFCスタック10の出力電圧と出力電流との間には相関関係があり、FCスタック10は出力電流の増加とともに出力電圧が低下し、出力電流の低下とともに出力電圧が増加するという特性を持っている。従って、DC/DCコンバータ13にてFCスタック10の出力電圧を制御することにより、FCスタック10の出力電流を任意に制御することが可能に構成されている。
FCスタック10の出力には、FCスタック10内部の酸素極10aおよび水素極10bに存在する残留水分を検出する交流インピーダンス計測のために電流センサ34および電圧センサ24が接続されている。
さらに本実施形態の燃料電池システムには各種制御を行う制御部(ECU)50が設けられている。制御部50には、負荷11からの要求電力信号、温度センサ14からの温度信号、外気温センサ15からの外気温信号、電流センサ24、電圧センサ34からの検出信号等が入力される。さらに、制御部50には、前述したFCスタック10への空気入口・出口および水素入口・出口に設けられた水分量センサからの流通水分量信号が入力される。また、制御部50は、2次電池12、DC/DCコンバータ13、送風機21、ウォータポンプ41、ラジエータファン43、冷却液切替弁45等に制御信号を出力するように構成されている。
図3は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおけるFCスタック10に流入しまた流出する水分量を計測する水分量センサの設置位置を示す説明図である。
FCスタック10に対し流入し流出する水分量は、図3に示すA点、B点、C点、及びD点で計測される。そのため、図示しない水分量センサが、シャットバルブ22の出口(A点)とシャットバルブ23の入口(B点)、及びシャットバルブ32の出口(C点)とシャットバルブ33の入口(D点)に設置されている。
図4は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおける制御部50の主要な機能ブロックを示すブロック構成図である。
図4に示すように、制御部50には、主要な機能ブロックとして、一定周期含水量推定部501、現時点含水量推定部502、掃気処理実施有無判定部503および掃気処理部504を備えている。
一定周期含水量推定部501は、本発明の一定周期含水量推定手段に相当し、一定の周期で燃料電池(FCスタック)10の含水量を推定する。具体的に、FCスタック10の出力には交流インピーダンス計測に適する1以上の交流信号が重畳されており、一定周期含水量推定部501は、電流センサ24および電圧センサ34において検出された、この交流信号成分を抽出し、電圧と電流との位相差および振幅に基づいてFCスタック10の交流インピーダンスを演算する。燃料電池の交流インピーダンスはFCスタック10の内部における電解質膜の含水量に対応した関係を有しているので、一定周期含水量推定部501は計測された交流インピーダンスに基づいて燃料電池の含水量を推定する。なおこの含水量は、FCスタックに含まれるセルの平均的な含水量(湿度)となる。
なお、計測のための一定の周期は任意な周期であり、必ずしもインターバル期間が常に一定である必要はない。タイマーにより一定の時間間隔毎に計測してもよいし、システム上の何らかの事象の発生(契機)に対応して計測してもよい。
現時点含水量推定部502は、本発明の現時点含水量推定手段に相当し、現時点(より具体的にはシステムの停止要求指令処理を当該手段が引き受けた時であってソフトウェアプログラムの構成と処理装置の速度に応じて定まる時点)におけるFCスタック10の含水量を推定する。現時点含水量推定部502は、上記現時点におけるFCスタック10の含水量を推定するに際し、一定周期含水量推定部501による最新の含水量推定結果、すなわち直前に計測された交流インピーダンスに対応する含水量推定値を初期値とし、その後のFCスタック10に対する水分量の収支に基づいて、現時点の含水量を推定する。
FCスタック10に流入する水分量としては、空気極10a側のシャットバルブ22を経てFCスタック10の入口(図3に示すA点)から流入する水分量q1と、水素極10b側のシャットバルブ32を経てFCスタック10の入口(図3に示すC点)から流入する水分量q3とがある。またFCスタック10から流出する水分量としては、シャットバルブ23が設けられた、空気極10a側のFCスタック10の出口(図3に示すB点)へ流出する水分量q2と、シャットバルブ33が設けられた、水素極10b側のFCスタック10の出口(図3に示すD点)へ流出する水分量q4とがある。これらの水分量q1〜q4は、流通水分を検出するための水分量センサにより検出され、現時点含水量推定部502に入力される。これら水分量q1〜q4は単位時間毎に検出される水分量とする。
現時点含水量推定部502は、一定周期含水量推定部501による含水量推定が終了する度に、その時に推定された含水量を初期値q0として記憶し、その時から単位時間毎に水分量q1〜q4を検出し積算していく。そしてシステムの停止要求指令が通知された時点(前記参照)において、FCスタック10に対する直前の含水量推定からの水分量収支を計算し、現時点の含水量Qとして推定する。
具体的には、現時点までの新たな流入水分量は、(A点から入る水分量−B点から出る水分量)+(C点から入る水分量−D点から出る水分量)の積算値(時間積分)として求められるので、FCスタック10における現時点の含水量推定Qは、初期値q0と水分量q1〜q4の積算値とから次のように示すことが可能である。
現時点の含水量推定Q=q0+Σ((q1−q2)+(q3−q4))…(1)
掃気処理実施有無判定部503は、本発明の掃気処理実施有無判定手段に相当し、前記現時点におけるFCスタック10の含水量推定値に基づいて掃気処理の可否を判定する。この判定は種々の方法が適用可能であるが、例えば掃気処理をせずに停止させても問題ない含水量の臨界値をしきい値qthとして設定しておき、現時点の含水量推定値Qがこのしきい値qthより大きいか否かにより決定することが可能である。
掃気処理部504は、本発明の掃気処理手段に相当し、FCスタック10の掃気処理を指令する。特に掃気処理部504は、現時点の含水量推定値Qがしきい値qthより大きい場合に、掃気処理を実施する。掃気処理は、例えば送風機21を強制駆動して、乾燥した空気をFCスタック10の空気極10a側に所定時間供給する処理である。水素極10b側に水素ポンプのような強制駆動装置が存在する場合にはその装置を駆動してもよい。加湿装置の動作を制御可能な場合には、加湿されない乾燥空気や加湿されない乾燥水素が供給されるように制御する。
図5は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおいて、FCスタック10の掃気処理に至る制御の流れを示すフローチャート図である。
まずステップS1において、制御部50の一定周期含水量推定部501は、交流インピーダンス法に基づいてFCスタック10の含水量を推定し、その結果を初期値q0として制御部50の現時点含水量推定部502に送出する。現時点含水量推定部502は、初期値q0の出力後、FCスタック10に対し流入または流出する含水量q1〜q4を積算していく。FCスタック10に対して運転停止要求が指令されない限り(ステップS2/NO)、現時点含水量推定部502は水分量の積算を継続する。
また、運転停止要求が指令されない限り(ステップS2/NO)、一定周期含水量推定部501は、次の推定タイミングまで待って(S3)、含水量の推定(S1)を繰り返す。
ステップS2において、FCスタック10の停止要求が指令されると(YES)、現時点含水量推定部502は、ステップS3に移行し、一定周期含水量推定部501における前回(直前)の含水量推定値に対するその後の水分量の収支を勘案して現時点の含水量Qを推定する。すなわち、初期値q0(制御の流れがステップS3に移された時点における含水量)と含水量q1〜q4の積算値とに基づき、式(1)の演算を実施して、演算結果を現時点の含水量推定値Qとして出力する。
次にステップS4において、制御部50の掃気処理実施有無判定部503が、前記推定されたFCスタック10の現時点の含水量Qがしきい値(規定値)qthを超えているか否かを判定する。前記含水量が規定値を超えている場合は(YES)、制御部50の掃気処理部504は掃気処理を実行するものと判断し、所定期間の掃気処理を実行する。また、前記含水量が規定値を超えていない場合は(NO)、含水量が少なく掃気処理は不要と判断し、そのまま処理を終了する(ステップS5)。
図6は、本発明の実施形態に係る燃料電池システムの制御部50における掃気処理の制御例を説明するタイミングチャートである。
図6において、時刻t0で一定周期含水量推定部501による直前の含水量推定が行われ、時刻t1で燃料電池の停止要求が指令されたものとする。ケース1およびケース2は、本発明を適用した場合である。ケース1は、FCスタック10の運転停止要求が出された時刻t1における現時点含水量推定部502による含水量推定値Qがしきい値(規定値)qthを超えている場合であり、ケース2は、しきい値qth以下であった場合である。また、比較例1および比較例2は、本発明を適用しない従来の場合であって、比較例1は掃気処理を行った場合、比較例2は掃気処理を行わない場合である。
本発明では、時刻t1において停止要求が指令されると、交流インピーダンスを計測することなくその時点における含水量推定値Qが即時に演算され、掃気処理を実施するか否かの判定のしきい値qthと比較される。ケース1では、時刻t1における含水量推定値Qがしきい値qthを超えているため、必要な掃気処理時間T1が計算され、掃気処理がT1の期間実施された後の時刻t4にシステムを完全に停止することができる。
一方、従来の比較例1では、時刻t1において停止要求が指令されると、まずその時点における含水量を推定するために交流インピーダンスを計測し含水量の推定処理を実施しなければならない。この所要時間が存在するため、掃気処理の必要がありと判定されるまでに既に時間T3が経過している。また、この交流インピーダンスの計測により燃料電池の発電処理を継続することにより、新たな水分が発生する。この余分な水分量は停止要求指令時の含水量に加えて除去しなければならない。このため、比較例1では、本発明を適用した場合に停止可能な時刻t4からさらに時間T4が経過した時刻t5にならなければ、システムを完全に停止することができない。この時間T4は、交流インピーダンスの計測および含水量推定に必要な所要時間T3に、さらに交流インピーダンス計測のための発電によって発生した水分除去の時間αを加えた時間(T4=T3+α)となる。
また、ケース2では、時刻t1における含水量推定値Qがしきい値qth以下であったため、時刻t1から極短時間経過後の時刻t2にシステムを完全に停止することができる。
一方、従来の比較例2では、時刻t1において停止要求が指令された場合に、掃気処理が不要な結果となるにも拘わらず、停止要求時の含水量推定のための交流インピーダンス計測および含水量の推定処理を実施しなければならないことには変わりはない。交流インピーダンス計測のための発電によって生成する水分を考慮しても、システム完全停止時の含水量がしきい値qthを超えることがないと推定できる場合であっても、本発明を適用した場合に比べ、時間T3だけ遅い時刻t3にしかシステムを完全に停止させることができないのである。
ましてや、交流インピーダンスを計測したためにその発明で増える水分量によりしきい値qthを超えることになると判断される場合には、しきい値qthを超えた分の水分量を除去する時間をさらに加えなければならないのである。
以上、本実施形態によれば、燃料電池の運転停止要求が指令された際に、最新の含水量推定値q0とその後の水分量収支Σq1〜q4に基づき運転停止要求時の含水量Qが推定されるので、燃料電池停止要求時の交流インピーダンス計測に基づく含水量推定処理にかかる時間を短縮できる。
また本実施形態によれば、停止要求時の交流インピーダンス計測が不要となるのでその発電が不要となり、不要となった発電に対応して生成される水分の除去に必要な掃気処理時間をも短縮することができる。
(他の実施の形態)
本発明は上記実施形態に限定されることなく種々に変更して実施することが可能である。
例えば、前述の実施形態では、FCスタック10の掃気処理が行われる期間は、FCスタック10に運転停止要求が指令された時点からFCスタック10が運転停止するまでの期間としたが、この期間をさらに延長し、FCスタック10が運転停止した後にも掃気処理を行うことが可能である。
また上記実施形態では、現時点の含水量推定値は直前の交流インピーダンス計測に基づく含水量推定値にその後の水分量収支を加えて算出していたが、さらに燃料電池内部で電気化学反応によって発生する水分量を収支演算に加えてもよい。燃料電池内部で発生する水分量は、供給される空気および水素の流量によって推測演算できる。燃料電池内部で発生する水分量をも考慮して現時点の含水量を推定すれば、推定値の精度が高くなる。
また本発明は、燃料ガス(水素等)と酸化ガス(エア等)との化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池を備えた燃料電池システムの構築に適用可能であり、特に、大気温が氷点下となる寒冷地において、車両、船舶等の移動体に搭載される燃料電池システムの構築に好適である。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムを搭載した電気自動車の主要部の構成を示す構成図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおけるFCスタック10の出力電圧と出力電流との関係を示すグラフ図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおける制御部50の入出水分量を計測する水分量センサの設置位置を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおける制御部50の主要な機能ブロックを示すブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムにおいて、FCスタック10の掃気処理に至る制御の流れを示すフローチャート図である。 本発明の実施形態に係る燃料電池システムの制御部50における掃気処理の制御例を説明するグラフ図である。
符号の説明
10 燃料電池(FCスタック)、12 2次電池、13 DC/DCコンバータ、20 空気通路、22,23,32,33 シャットバルブ、24,34 湿度センサ、30 水素通路、50 制御部、501 一定周期含水量推定部、502 現時点含水量推定部、503 掃気処理実施有無判定部、503 掃気処理部

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化ガスとの電気化学反応により電気エネルギーを発生させる燃料電池と該燃料電池の内部を乾燥させる掃気処理手段とを備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池の運転停止要求が指令された場合に、前記燃料電池の運転中の計測に対応した最新の含水量推定値を初期値とし、前記初期値に、前記燃料電池に対して流入・流出する水分量の収支を積算した結果に基づいて前記運転停止要求指令時における前記燃料電池の含水量を推定し、
    前記運転停止要求指令時の前記含水量推定値に基づいて前記掃気処理の実行の可否を判定すること、
    を特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記水分量の収支は、酸化ガス供給経路から前記燃料電池に流入する水分量、前記燃料電池から酸化オフガス排出経路に流出する水分量、燃料ガス供給経路から前記燃料電池に流入する水分量、および前記燃料電池から酸化ガス排出経路に流出する水分量を含めて推定されることを特徴とする請求項記載の燃料電池システム。
  3. 燃料電池の運転中に、一定の周期で前記燃料電池の含水量を推定する一定周期含水量推定手段と、
    前記燃料電池の運転停止要求が指令された時に、前記燃料電池の運転中における直前の含水量推定値を初期値とし、前記初期値に、前記燃料電池に対して流入・流出する水分量の収支を積算した結果に基づいて、前記運転停止要求指令時における前記燃料電池の含水量を推定する現時点含水量推定手段と、
    前記運転停止要求指令時の前記含水量推定値に基づいて前記掃気処理の実行の可否を判定する掃気処理実施有無判定手段と、
    前記掃気処理を実行すべきと判定された場合に、前記燃料電池の掃気処理の実行を指令する掃気処理手段と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池の運転中における含水量の推定は、前記燃料電池の交流インピーダンスに基づいて推定されるものであることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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