JP2008130471A - 燃料電池運転システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池運転システムにおいて、事前に電解質膜の乾燥を予測して、電解質膜の含水量を制御することである。
【解決手段】燃料電池運転システムにおいて、膜乾燥防止含水量制御の手順は次のように行われる。まず、冷却水温度θが予め設定された閾値水温θ0以下の範囲にあるか否かが判断される(S10)。冷却水温度θが、閾値水温θ0以下の範囲であると判断されると、酸化ガス圧は、予め定められた圧力P1に設定される(S12)。なお、酸化ガス圧力によって、MEAの含水率を制御できる。一方、冷却水温度θが、閾値水温θ0を超えると判断されると、含水量が低下し膜乾燥が予測されると判断され(S14)、酸化ガス圧は、S12における圧力P1よりも高い圧力P2に設定される(S16)。冷却水温度に代えて、外気温度、膜インピーダンスを用いることもできる。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池運転システムに係り、特に、燃料ガスと酸化ガスとが供給され燃料電池化学反応によって発電する燃料電池スタックの含水量の制御を行う燃料電池運転システムに関する。
環境に与える影響が少ないことから、車両に燃料電池の搭載が行われている。燃料電池は、例えば燃料電池スタックのアノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む反応ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての電池化学反応によって必要な電力を取り出す。
この電気化学反応においては、電解質膜の中をプロトン(H+)が移動し、その際、水を随伴して水和状態で移動する。したがって、アノード等の電極基材が乾燥しすぎると、随伴する水分子が不足し、電池化学反応が進まず、燃料電池の出力が低下する。そこで、例えば、加湿装置等が設けられ、電解質膜の含水量が適度となるように監視される。
例えば、特許文献1には、バブラ、ミスト発生器等の補機による加湿を不要とする燃料電池システムとして、燃料電池の空気極側の内部圧力と含水率監視変数との関係を用いて、含水率監視変数の変化に応じて空気極側の背圧弁を制御することが開示されている。ここで、含水率監視変数は、燃料電池の内部温度、出力電圧、内部抵抗、オフガス相対湿度を用いることができ、含水率監視変数と背圧弁の開度との関係は、制御マップまたは関係式を用いることが述べられている。
特開2002−175821号公報
特許文献1には、燃料電池の含水率監視変数の変化に応じて背圧弁の開度を調整して、含水率を制御することが述べられている。しかしながら、燃料電池は、電気化学反応の程度によって燃料電池の内部温度、出力電圧、内部抵抗、オフガス相対湿度等が変化するので、これらの変化に応じて対応しても、そのときには既にこれらの状態が変化してしまっていることも多く、事後的な対応を繰り返すことになる。
本発明の目的は、事前に電解質膜の乾燥を予測して、電解質膜の含水量を制御できる燃料電池運転システムを提供することである。
本発明に係る燃料電池運転システムは、燃料ガスと酸化ガスとが供給され燃料電池化学反応によって発電する燃料電池スタックと、燃料電池スタックに供給する酸化ガスの圧力を制御する制御弁と、燃料電池スタックの含水量に関連する観測量の検出に基づき制御弁の設定圧力を変更する制御部であって、検出された観測量が任意に設定された設定観測量の範囲内のときには制御弁の設定を酸化ガス第1圧力とし、設定観測量の範囲を超えるときには、燃料電池スタックの含水量の変化が予測されるとして、予測される含水量の変化に応じて制御弁の設定を酸化ガス第1圧力よりも高い高圧の酸化ガス圧力とする制御部と、を備えることを特徴とする。
また、制御部は、設定観測量の範囲を超えるときには、制御弁の設定を酸化ガス第1圧力よりも任意に設定される圧力差だけ高い酸化ガス第2圧力とすることが好ましい。
また、制御部は、燃料電池スタックの冷却水温または燃料電池スタックに関する外気温度を観測量とすることが好ましい。
また、制御部は、燃料電池スタックの膜インピーダンスを観測量とすることが好ましい。
上記構成により、燃料電池運転システムは、燃料電池スタックの含水量に関連する観測量を検出し、検出された観測量が設定観測量の範囲内のときには制御弁の設定を酸化ガス第1圧力とし、設定観測量の範囲を超えるときには、燃料電池スタックの含水量の変化が予測されるとして、予測される含水量の変化に応じて制御弁の設定を酸化ガス第1圧力よりも高い高圧の酸化ガス圧力とする。酸化ガス圧力によって、燃料電池スタックの含水量は制御できるので、設定観測量の範囲を、事前に電解質膜の含水量の変化による乾燥が予測できる範囲とすることで、事後的な対応を繰り返すことなく、電解質膜が乾燥する前に、電解質膜の含水量を適度なものに制御できる。
また、検出観測量が設定観測量の範囲を超えるときには、制御弁の設定を酸化ガス第1圧力よりも任意に設定される圧力差だけ高い酸化ガス第2圧力とする。酸化ガス第1圧力と酸化ガス第2圧力とは、所定の圧力差があるので、検出観測量が設定観測量の範囲を超えると、酸化ガス圧力は、ステップ状に変更される。これにより、電解質膜の乾燥を先取りして含水量を制御することができる。
また、観測量として燃料電池スタックの冷却水温または燃料電池スタックに関する外気温度を用いる。冷却水温が高くなると電解質膜は乾燥しやすくなり、また、外気温度が高くなる場合も電解質膜は乾燥しやすくなることが知られている。したがって、これらを観測量として、設定観測量の範囲を、事前に電解質膜の含水量の変化による乾燥が予測できる範囲とすることで、事後的な対応を繰り返すことなく、電解質膜が乾燥する前に、電解質膜の含水量を適度なものに制御できる。
また、観測量として燃料電池スタックの膜インピーダンスを用いる。電解質膜が乾燥気味になると膜インピーダンスが高くなることが知られている。そこでこれを観測量として、設定観測量の範囲を、事前に電解質膜の含水量の変化による乾燥が予測できる範囲とすることで、事後的な対応を繰り返すことなく、電解質膜が乾燥する前に、電解質膜の含水量を適度なものに制御できる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。図1は、燃料電池運転システム10の構成図である。燃料電池運転システム10は、運転システム本体部20と、運転システム本体部20の各要素をシステム全体として制御する制御部70とを含んで構成されている。
運転システム本体部20は、燃料電池セルが複数積層されて燃料電池スタック22と呼ばれる燃料電池本体及び、燃料電池スタック22のアノード側に配置される水素ガス供給のための各要素と、カソード側に配置される空気供給のための各要素を含んで構成される。
燃料電池スタック22は、電解質膜の両側に触媒電極層を配置したMEA(Membrane Electrode Assembly)の両外側にセパレータを配置して挟持した単電池を複数個組み合わせて積層したものである。燃料電池スタック22は、アノード側に水素等の燃料ガスを供給し、カソード側に酸素を含む酸化ガス、例えば空気を供給し、電解質膜を通しての電池化学反応によって発電し、必要な電力を取り出す機能を有する。なお、発電された電力は、FC発電電力検出部68によって検出され、検出された発電電力のデータは、制御部70に伝送される。
アノード側の水素ガス源24は、燃料ガスとしての水素を供給するタンクである。水素ガス源24に接続されるレギュレータ26は、水素ガス源24からのガスを適当な圧力と流量に調整する機能を有する。レギュレータ26の出力口に設けられる圧力計28は、供給水素圧力を検出する測定器である。レギュレータ26の出力口は燃料電池スタック22のアノード側入口に接続され、適当な圧力と流量に調整された燃料ガスが燃料電池スタック22に供給される。
燃料電池スタック22のアノード側出口に接続される分流器32は、アノード側出口からの排出ガスの不純物ガス濃度が高まってきたときに、排気バルブ34を通して希釈器64に流すためのものである。このときの排気ガスは、窒素の他に反応生成物の水も含む水素ガスである。また、分流器32の後でさらにアノード側入口との間に設けられる循環昇圧器30は、アノード側出口から戻ってくるガスの水素分圧を高めて再びアノード側入口に戻し再利用する機能を有する水素ポンプである。
カソード側の酸化ガス源40は、実際には大気を用いることができる。酸化ガス源40である大気はフィルタ42を通してからカソード側に供給される。フィルタ42の後に設けられる流量計44は、酸化ガス源40からの全供給流量を検出するフローメータである。また、フィルタ42の後に設けられる酸化ガス温度計46は、酸化ガス源40からのガスの温度を検出する機能を有する。
エアコンプレッサ(ACP)48は、モータ50によって酸化ガスを容積圧縮してその圧力を高める気体昇圧機である。またACP48は、制御部70の制御の下で、その回転速度(毎分当りの回転数)を可変して、所定量の酸化ガスを提供する機能を有する。すなわち、酸化ガスの所要流量が大きいときは、モータ50の回転速度を上げ、逆に酸化ガスの所要流量が小さいときは、モータ50の回転速度を下げる。ACP消費電力検出部52は、ACP48の消費電力、具体的にはモータ50の消費電力を検出する機能を有する測定器である。モータ50は、回転速度を上げると消費電力が大きくなり、回転速度を下げると消費電力が小さくなるので、消費電力は、モータの回転速度、あるいは酸化ガス流量に密接に関連する。
加湿器54は、酸化ガスを適度に湿らせ、燃料電池スタック22での燃料電池反応を効率よく行わせる機能を有するものである。加湿器54により適度に湿らせられた酸化ガスは、燃料電池スタック22のカソード側入口に供給され、カソード側出口から排気される。このときに、排気とともに反応生成物である水も排出される。燃料電池スタック22は反応により高温になるので、排出される水は水蒸気となっており、この水蒸気が加湿器54に供給され、酸化ガスを適度に湿らせる。このように、加湿器54は、酸化ガスに水蒸気の水分を適当に与える機能を有するもので、いわゆる中空糸を用いたガス交換器を用いることができる。
ここで、上記の酸化ガス源40と、燃料電池スタック22のカソード側入口とを接続する流路のことを入口側流路と呼ぶことができる。これに対応して、燃料電池スタック22のカソード側出口から排気側へ接続される流路を出口側流路と呼ぶことができる。酸化ガスの経路である酸化ガス経路66は、酸化ガス源40から加湿器54を経由して入口側流路より燃料電池スタック22の内部に入り、出口側流路から加湿器54を経由して外気へと延びる。
出口側流路のカソード側出口に設けられる圧力計56は、カソード側出口のガス圧を検出する機能を有する。また出口側流路に設けられる調圧弁60は、背圧弁とも呼ばれるが、カソード側出口のガス圧を調整し、燃料電池スタック22への酸化ガスの流量を調整する機能を有する弁で、例えばバタフライ弁のように流路の実効開口を調整できる弁を用いることができる。調圧弁60の出力口は、上記の加湿器54に接続されるので、調圧弁60を出たガスは加湿器54に水蒸気を供給した後、再び戻って、希釈器64に入り、その後外部に排出される。
希釈器64は、アノード側の排気バルブ34からの水素混じりの排水、及び、カソード側の水蒸気混じりでさらにMEAを通して漏れてくる水素混じりの排気を集め、適当な水素濃度として外部に排出するためのバッファ容器である。
また、図1には、燃料電池スタック22の冷却のための冷却水流路80が破線で示されている。冷却水流路80は、図示されていないラジエータと燃料電池スタック22との間に冷却水を循環させるための流路で、流路中に循環ポンプが設けられている。
冷却水温度計82は、冷却水流路80を流れる冷却水の温度を検出する温度検出手段である。冷却水温度計82は、冷却水流路80において、燃料電池スタックの下流側で、図示されていないラジエータの上流側のところに設けられている。冷却水温度計82の検出データは、MEAの膜乾燥予測のための観測量として、制御部70に伝送される。
また、外気温度計84は、燃料電池スタック22の周辺の外気温度Tを検出する温度検出手段である。燃料電池スタック22の外気温度Tの検出は、MEAの膜乾燥予測に用いられるので、膜乾燥に影響する箇所に外気温度計84を設けることが好ましい。例えば、燃料電池スタック22におけるガス出入口等の近くに設けることができる。また、複数の箇所に外気温度計84を配置するものとしてもよい。外気温度計84の検出データは、MEAの膜乾燥予測のための観測量として、制御部70に伝送される。
制御部70は、運転システム本体部20の上記の各要素をシステム全体として制御するもので、いわゆる燃料電池CPUと呼ばれることがある。例えば、制御部70は、要求発電量と、FC発電電力検出部68から伝送される発電電力のデータとに基づいて、ACP48の回転数制御を行い、また、調圧弁60の制御を行う機能を有する。ここでは、特に、観測量の検出結果に基づいてMEAの膜乾燥を予測し、調圧弁60の開度を調節する膜乾燥防止含水量制御の機能を有する。これらの機能はソフトウェアで実現でき、具体的には、対応する燃料電池運転プログラム等を実行することで実現できる。これらの機能の一部をハードウェアで実現することもできる。
上記構成の作用、特に制御部70の膜乾燥防止含水量制御の機能に付き、図2から図5を用いて説明する。なお、以下では、図1の符号を用いて説明する。図2は、膜乾燥防止含水量制御の手順を示すフローチャートである。各手順は、燃料電池運転プログラムの膜乾燥防止含水量制御部分の各処理手順に対応する。
膜乾燥防止含水量制御のための手順は、まず、観測量である冷却水温度θが予め設定された閾値水温θ0以下の範囲にあるか否かが判断される(S10)。冷却水温度θは、冷却水温度計82の検出データから得られる。閾値水温θ0は、MEAの含水量が低下して膜乾燥が予測できる温度に設定される。燃料電池スタック22の運転が進んで、発電電流が増加すると冷却水温度θが上昇し、含水量が低下し膜乾燥が予測されるので、発電電流が予め定めた目標値に達する少し前の値となるときの冷却水温度を閾値水温θ0とすることができる。発電効率がよい範囲であって発電電流が予め定めた目標値のときの水温を、例えば65℃とすると、閾値水温θ0を60℃とすることができる。もちろん、これ以外の水温を閾値水温θ0とすることができる。
そして、冷却水温度θが、閾値水温θ0以下の範囲であると判断されると、酸化ガス圧は、予め定められた圧力P1に設定される(S12)。一般的に、燃料電池スタック22に供給される酸化ガス圧力が低いほど、MEAの含水量が高くなり膜乾燥が生じにくいことが知られている。すなわち、酸化ガス圧力によって、MEAの含水率を制御できる。そこで、酸化ガス圧力P1は、閾値水温θ0の冷却水温度において、MEAの含水量が高く膜乾燥が生じることのない十分低い圧力に設定される。酸化ガス圧力の設定は、図1に関連して説明した調圧弁60の開度設定によって行われる。
一方、冷却水温度θが、閾値水温θ0を超えると判断されると、含水量が低下し膜乾燥が予測されると判断され(S14)、酸化ガス圧力は、S12における圧力P1よりも高い圧力P2に設定される(S16)。酸化ガス圧力P1を酸化ガス第1圧力と呼ぶことにすれば、酸化ガス圧力P2を酸化ガス第2圧力と呼ぶことができる。酸化ガス第2圧力P2は、冷却水温度θが閾値水温θ0をかなり超えても、MEAの含水量を適度な範囲に維持でき膜乾燥が生じることのない圧力に設定される。したがって、酸化ガス第2圧力P2は、酸化ガス第1圧力P1からステップ状に高い圧力に設定され、これによって、MEAの含水量が低下し膜乾燥の恐れのある冷却水温度をさらに高めに移動させ、膜乾燥予防に十分余裕を持たせることができる。
図3は、図2の処理の様子を示す図である。図3は、横軸に冷却水温度をとり、縦軸に酸化ガス圧力をとってある。図3には、冷却水温度が閾値水温θ0以下の範囲では酸化ガス圧力がP1で、冷却水温度が閾値水温θ0を超えると、酸化ガス圧力がステップ状に高くなってP2となることが示される。
これらの値の一例を示すと、閾値水温θ0は上記の例のように、60℃で、P1=140kPa、P2=200kPaである。この例では、P1=140kPaの酸化ガス圧力においては、冷却水温度が65℃まで燃料電池スタック22の発電効率が低下する程度の膜乾燥が生じない含水量を有し、また、P1=200kPaの酸化ガス圧力においては、冷却水温度が75℃まで燃料電池スタック22の発電効率が低下する程度の膜乾燥が生じない含水量を有するように、θ0、P1、P2の値が選ばれる。つまり、閾値水温θ0は、酸化ガス第1圧力P1の下で、膜乾燥に至る含水量の変化を予測する観測量の閾値で、まだその水温では、燃料電池スタック22が膜乾燥を生じない程度の含水量を有している状態の冷却水温度である。そして、酸化ガス第2圧力P2は、冷却水温度が閾値水温θ0に達した場合に、膜乾燥に至る含水量の変化を予測し、それに応じて、膜乾燥に至る含水量になることをさらに先送りにするために高めに設定された酸化ガス圧力である。したがって、酸化ガス第2圧力P2と酸化ガス第1圧力P1との圧力差=P2−P1は、含水量の変化による膜乾燥の予測に基づき、膜乾燥に至る含水量となる状態をどの程度先送りするかの基準で設定することができる。上記の例では、冷却水温度が75℃まで燃料電池スタック22の発電効率の低下がないように設定が行われていることになる。これらの値は説明のための例示であって、もちろんこれら以外の値にすることができる。
上記では、燃料電池スタック22のMEAの含水量に関連する観測量として、冷却水温度を用いている。MEAの含水量に関連する観測量として、冷却水温度に代えて、燃料電池スタック22に関する外気温度を用いることができる。燃料電池スタック22に関する外気温度としては、外気温度計84によって検出された外気温度Tを用いることができる。
図4は、MEAの含水量に関連する観測量として外気温度を用いるときの、膜乾燥防止含水量制御のための酸化ガス圧力制御の様子を示す図である。図4の縦軸は図3と同じで、横軸は外気温度である。図4に示されるように、外気温度についての閾値気温T0が設定され、外気温度が閾値気温T0以下の範囲では酸化ガス圧力がP1で、外気温度が閾値気温T0を超えると、酸化ガス圧力がステップ状に高くなってP2となることが示される。
閾値気温T0、酸化ガス圧力P1、酸化ガス圧力P2の設定の仕方は、観測量が冷却水温度の場合と同様で、冷却水温度を外気温度に置き換えればよいので、詳細な説明を省略する。なお、酸化ガス圧力P1、P2は、冷却水温度の場合の値と異なるものとしてもよい。
また、MEAの含水量に関連する観測量として、冷却水温度、外気温度に代えて、燃料電池スタック22のMEAの膜インピーダンスを用いることができる。膜インピーダンス測定には、公知の交流インピーダンス法を用いることができる。例えば、動作している燃料電池スタック22に対し、その出力電流に任意の正弦波信号を加え、出力電流と出力電圧とについてFFT変換を行って膜インピーダンスを算出することができる。インピーダンスは、実部、すなわち抵抗成分のみを算出してもよく、あるいは実部と虚部の二乗和の平方根である実効値で算出してもよい。
図5は、MEAの含水量に関連する観測量として膜インピーダンスを用いるときの、膜乾燥防止含水量制御のための酸化ガス圧力制御の様子を示す図である。図5の縦軸は図3、図4と同じで、横軸は膜インピーダンスである。図5に示されるように、膜インピーダンスについての閾値インピーダンスR0が設定され、外気温度が閾値インピーダンスR0以下の範囲では酸化ガス圧力がP1で、外気温度が閾値インピーダンスR0を超えると、酸化ガス圧力がステップ状に高くなってP2となることが示される。
閾値インピーダンスR0、酸化ガス圧力P1、酸化ガス圧力P2の設定の仕方は、観測量が冷却水温度または外気温度の場合と同様で、冷却水温度または外気温度を膜インピーダンスに置き換えればよいので、詳細な説明を省略する。なお、酸化ガス圧力P1、P2は、冷却水温度の場合の値と異なるものとしてもよい。
本発明に係る実施の形態における燃料電池運転システムの構成図である。 本発明に係る実施の形態において、膜乾燥防止含水量制御の手順を示すフローチャートである。 本発明に係る実施の形態において、MEAの含水量に関連する観測量として冷却水温度を用いるときの、膜乾燥防止含水量制御のための酸化ガス圧力制御の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、MEAの含水量に関連する観測量として外気温度を用いるときの、膜乾燥防止含水量制御のための酸化ガス圧力制御の様子を示す図である。 本発明に係る実施の形態において、MEAの含水量に関連する観測量として膜インピーダンスを用いるときの、膜乾燥防止含水量制御のための酸化ガス圧力制御の様子を示す図である。
符号の説明
10 燃料電池運転システム、20 運転システム本体部、22 燃料電池スタック、24 水素ガス源、26 レギュレータ、28 圧力計、30 循環昇圧器、32 分流器、34 排気バルブ、40 酸化ガス源、42 フィルタ、44 流量計、46 酸化ガス温度計、48 ACP、50 モータ、52 ACP消費電力検出部、54 加湿器、56 圧力計、60 調圧弁、64 希釈器、66 酸化ガス経路、68 FC発電電力検出部、70 制御部、80 冷却水流路、82 冷却水温度計、84 外気温度計。

Claims (4)

  1. 燃料ガスと酸化ガスとが供給され燃料電池化学反応によって発電する燃料電池スタックと、
    燃料電池スタックに供給する酸化ガスの圧力を制御する制御弁と、
    燃料電池スタックの含水量に関連する観測量の検出に基づき制御弁の設定圧力を変更する制御部であって、検出された観測量が任意に設定された設定観測量の範囲内のときには制御弁の設定を酸化ガス第1圧力とし、設定観測量の範囲を超えるときには、燃料電池スタックの含水量の変化が予測されるとして、予測される含水量の変化に応じて制御弁の設定を酸化ガス第1圧力よりも高い高圧の酸化ガス圧力とする制御部と、
    を備えることを特徴とする燃料電池運転システム。
  2. 請求項1に記載の燃料電池運転システムにおいて、
    制御部は、設定観測量の範囲を超えるときには、制御弁の設定を酸化ガス第1圧力よりも任意に設定される圧力差だけ高い酸化ガス第2圧力とすることを特徴とする燃料電池運転システム。
  3. 請求項1に記載の燃料電池運転システムにおいて、
    制御部は、燃料電池スタックの冷却水温または燃料電池スタックに関する外気温度を観測量とすることを特徴とする燃料電池運転システム。
  4. 請求項1に記載の燃料電池運転システムにおいて、
    制御部は、燃料電池スタックの膜インピーダンスを観測量とすることを特徴とする燃料電池運転システム。
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