JP4831938B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、電解質膜を有する燃料電池を用いて発電する燃料電池システムに関し、特に、電解質膜の湿潤状態の判断技術に関する。
近年、電気自動車の電源として燃料電池が注目されている。燃料電池は、固体高分子膜等の電解質膜を挟んでアノードとカソードが配置された構造を有し、アノードに水素を含む燃料ガスが接触しカソードに空気などの酸素を含む酸化ガスが接触することにより両電極で電気化学反応が起こり、起電力が発生する仕組みになっている。その際、カソードでは、アノード側から電解質膜を透過してきた水素イオンと酸素が反応して水が生成される。反応により生成された水は、燃料電池の運転時にはカソードオフガスに含まれて大気中に放出されるが、燃料電池の運転停止時には、燃料電池内のガス流路やカソードの拡散層、触媒層に残留する。車載用燃料電池システムの場合、使用環境が氷点下になることも想定される。このため、燃料電池内に残留水が存在する状態で長時間放置されると、氷点下での残留水の凍結によって燃料電池の始動性能を悪化させてしまう可能性がある。
残留水の凍結による始動性能の悪化を防止するためには、燃料電池の停止時に乾燥空気をカソードに導入する等して燃料電池内の不要な水分を除去してやればよい。ただし、燃料電池は電解質膜が過剰乾燥状態になってしまうと内部抵抗の増大によって出力が低下するため、安定した性能を得るためには電解質膜を常に適度な湿潤状態に保持しておかなければならない。このような課題に対する解決策としては、例えば、特許文献1に記載される技術がある。この従来技術では、燃料電池への乾燥空気の供給時に燃料電池の入口部の露点と出口部の露点を計測し、その差が所定値よりも小さくなったら燃料電池内から十分に水分が除去されたものと判断して乾燥空気の供給を停止することで、電解質膜の過剰乾燥の防止を図っている。
特開2002−343398号公報 特開2002−208421号公報
しかしながら、上記の従来技術のように入口部と出口部の露点の差から電解質膜の湿潤状態を判断する手法では、電解質膜の湿潤状態を正確に判断することは困難である。燃料電池に乾燥空気を導入すると、燃料電池の内部は入口側から次第に乾燥していき燃料電池内の乾燥具合にはむらができる。燃料電池内に水分が十分にある場合には、一部が乾燥しても空気の露点は変化しないため、出口部の露点が変化するのは出口部が乾燥し始めてからになる。このため、入口部と出口部の露点の差が所定値よりも小さくなったときには、燃料電池の入口側の電解質膜は既に過剰乾燥状態になっている可能性がある。電解質膜の湿潤状態を適正に保つためには、現時点における電解質膜の湿潤状態を正確に判断することが重要であり、そのためには、燃料電池内での乾燥の進行状況を正確に検出し、それに基づいて湿潤状態を判断する必要がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、燃料電池の電解質膜の湿潤状態を正確に判断できるようにした燃料電池システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、電解質膜を有する燃料電池と、前記燃料電池に供給されるガスが流れるガス流路と、を有する燃料電池システムにおいて、
前記ガス流路の内部に配置された温度センサと、
前記燃料電池の運転停止時に前記ガス流路に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給手段と、
乾燥ガスの供給に伴う前記温度センサの検出温度の変化に基づいて前記電解質膜の湿潤状態を判断する湿潤状態判断手段とを備え、
前記湿潤状態判断手段は、乾燥ガスの供給により前記温度センサの検出温度が低下していき、やがて前記温度センサの検出温度の単位時間当たりの低下率が所定値よりも小さくなったら前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断することを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、前記燃料電池における水分の気化が生じない部位の温度を参照温度として取得し、前記参照温度によって前記温度センサの検出温度を補正する温度補正手段をさらに備えることを特徴としている。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記乾燥ガス供給手段は、前記湿潤状態判断手段により前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断されたら乾燥ガスの供給を停止することを特徴としている。
第4の発明は、電解質膜を有する燃料電池と、前記燃料電池に供給されるガスが流れるガス流路と、を有する燃料電池システムにおいて、
前記ガス流路の出口側に配置された温度センサと、
前記燃料電池の運転停止時に前記ガス流路に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給手段と、
乾燥ガスの供給に伴う前記温度センサの検出温度の変化に基づいて前記電解質膜の湿潤状態を判断する湿潤状態判断手段とを備え、
前記湿潤状態判断手段は、乾燥ガスの供給により前記温度センサの検出温度が低下し、その低下量が所定値よりも大きくなったら前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断することを特徴としている。
第5の発明は、第4の発明において、前記燃料電池における水分の気化が生じない部位の温度を参照温度として取得し、前記参照温度によって前記温度センサの検出温度を補正する温度補正手段をさらに備えることを特徴としている。
第6の発明は、第4又は第5の発明において、前記乾燥ガス供給手段は、前記湿潤状態判断手段により前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断されたら乾燥ガスの供給を停止することを特徴としている。
水分が気化する際には熱が必要となり、気化した水分の量に応じてガス流路内の温度は変化する。したがって、本発明によれば、乾燥ガスの供給に伴う温度センサの検出温度の変化を電解質の湿潤状態を判断するための指標とすることで、気化した水分量を正確に把握することができ、電解質の湿潤状態を正確に判断することが可能になる。
以下、図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1としての燃料電池システムの全体を示す概略構成図である。本燃料電池システムは、燃料電池自動車に搭載される車両用燃料電池システムとして構成されている。ただし、他の用途の燃料電池システムへの適用も勿論可能である。
燃料電池自動車は図示しないモータを原動機として搭載しており、モータの駆動用電源として燃料電池1が搭載されている。燃料電池1は、燃料電池セルが複数枚積層されたスタック構造を有している。各燃料電池セルは、図示は省略するが、プロトン伝導性の電解質膜の両側を触媒電極であるアノード及びカソードで挟まれ、さらにその両側を導電性のセパレータによって挟まれて構成されている。セパレータとアノードとの間には水素が流れる水素流路1aが形成され、セパレータとカソードとの間には空気が流れる空気流路1bが形成されている。
燃料電池1には、水素流路1aに水素を供給するための水素供給管10と水素流路1aからアノードオフガスを排出するためのオフガス排気管14が接続されている。水素供給管10の上流端は高圧水素タンク16に接続され、高圧水素タンク16と燃料電池1との間には調圧弁11が配置されている。高圧水素タンク16から供給される水素は調圧弁11で減圧され所望の圧力に調整されてから燃料電池1に供給される。アノードで消費されなかった水素は、カソード側から透過してきたエアとともに、アノードオフガスとして水素流路1aからオフガス排気管14に排気される。オフガス排気管14にはパージ弁15が配置されるとともに、パージ弁15の上流側ではオフガス排気管14から分岐して水素循環管13が接続されている。水素循環管13は、水素供給管10における調圧弁11の下流側にエジェクタ等の水素循環装置12を介して接続されており、アノードオフガスは水素循環装置12を介して再び水素供給管10に送り出される。パージ弁15は所定のタイミングで開かれ、パージ弁15が開くことで循環系内に滞留している窒素等の不純物が外部に放出されるようになっている。
また、燃料電池1には、空気流路1bに空気を供給するための空気供給管3と空気流路1bからカソードオフガスを排出するためのオフガス排気管6が接続されている。空気供給管3には空気コンプレッサ2が配置されており、空気コンプレッサ2の作動によって外部から空気供給管3に空気が取り込まれ空気流路1bに供給される。オフガス排気管6は大気開放され、その管路の途中には空気圧を調整するための調圧弁8が設けられている。オフガス排気管6の調圧弁8よりも上流側と空気供給管3の空気コンプレッサ2よりも下流側とは加湿器7によって接続されている。カソードオフガスに含まれる水分の一部は加湿器7により回収され、空気流路1bに供給される空気に付与される。空気供給管3には、加湿器7を迂回する空気バイパス管4が加湿器7と並列に接続されている。空気バイパス管4にはバイパス弁5が設けられており、バイパス弁5が閉じているときには加湿器7を通った空気が空気流路1bに供給され、バイパス弁5が開いているときには、より圧力損失の低い空気バイパス管4側を通った空気が空気流路1bに供給される。
本燃料電池システムは、燃料電池1の運転を制御する制御装置20を備えている。制御装置20は空気コンプレッサ2、バイパス弁5、調圧弁8,11、パージ弁15等の機器を総合制御することで、燃料電池1の運転を制御している。まず、通常運転時には、制御装置20は、高圧水素タンク16から水素を供給するとともに、バイパス弁5を閉じた状態で空気コンプレッサ2を作動させ、加湿器7を通った湿り空気を空気流路1bに供給する。空気コンプレッサ2の回転数は燃料電池1の発電負荷に応じて制御され、アイドルのような低負荷時には小流量になるように、高負荷時には大流量になるように制御される。空気と水素の供給を受けて燃料電池1の各単セルでは発電が行われ、特にカソードでは、アノード側から電解質膜を透過してきた水素イオンと空気中の酸素が反応して水が生成される。
燃料電池1は高温(比較的低温で運転される固体高分子型燃料電池でも約80℃)で運転されるので、生成された水の多くは蒸発して水蒸気となり、カソードオフガスに含まれて空気流路1bからオフガス排気管6に排気される。しかし、一部の生成水は空気流路1b内に残留する。空気流路1b内に水が残留した状態で運転を停止すると、氷点下まで気温が下がった場合には残留した水が凍り、次回始動時における燃料電池1の始動性を悪化させてしまう。
このため、制御装置20は、運転停止時には、高圧水素タンク16からの水素供給を停止するとともに、空気コンプレッサ2を作動させたままバイパス弁5を開く。バイパス弁5が開かれることで、加湿器7を通らずに空気バイパス管4を通った乾燥空気が空気流路1bに供給される。乾燥空気が供給されることで空気流路1b内の残留水は気化していき、余分な水分は除去されていく。ただし、過剰に乾燥空気を供給してしまうと、空気流路1b内の余分な水分のみならず電解質膜に含まれる必要な水分も除去されてしまう。そこで、制御装置20は、電解質膜の過剰乾燥を防止すべく、以下に説明するような方法によって電解質膜の湿潤状態を判断する。
図2A,図2Bは乾燥空気の供給開始からの燃料電池1の所定部位の温度変化を示したグラフである。燃料電池1には、二つの温度センサ22,24が設置されている。一方の温度センサ22は空気流路1bに設置され、他方の温度センサ24は空気流路1bの温度変化の影響を受けない部位(例えば、ターミナルプレート)に設置されている。制御装置20には、これら温度センサ22,24から各設置部位において検出された温度情報が供給される。各図中、実線が空気流路1bに設置された温度センサ22の検出温度T1であり、破線が空気流路1bの温度変化の影響を受けない部位に設置された温度センサ22の検出温度T2である。
各図に示す空気流路1bの温度の変化は、空気流路1b内の水分の気化により消費される熱量の変化を示している。乾燥空気の供給により空気流路1b内の水分は気化するが、水分が気化する際には気化熱が必要となるため、気化した水分の量に応じて周囲から熱が奪われる。熱が奪われることで空気流路1bの温度は低下し、その低下温度は気化に伴う熱の消費量にほぼ比例する。したがって、空気流路1bの温度変化から水分の気化により消費される熱量の変化を検出することができ、ひいては電解質膜の湿潤状態を判断することができる。具体的には、例えば図2Aのグラフからは、空気流路1bの温度は乾燥空気の供給開始後、直ぐに低下し始め、温度の低下が進むとやがてその低下速度が遅くなることが分かる。空気流路1bの温度が低下するのは水分の気化に伴う熱の消費によるものであり、温度の低下が始まったことは水分の気化、すなわち、空気流路1b内の乾燥が始まったことを示している。また、温度の低下速度が遅くなったのは消費される熱量が減少したからであり、空気流路1b内の乾燥が進んだことを示している。
なお、図2Aに示す空気流路1bの温度変化と図2Bに示す空気流路1bの温度変化との違いは、温度センサ22の設置場所の違いによるものである。図1では空気流路1bの中央に温度センサ22を設置しているが、空気流路1bの入口側に温度センサ22を設置した場合には、その検出温度は図2Aに示すような変化を示し、空気流路1bの出口側に温度センサ22を設置した場合には、その検出温度は図2Bに示すような変化を示す。これは、乾燥空気が導入される入口側から空気流路1bの乾燥が進むため、水分の気化による温度低下も入口側から始まることによる。
制御装置20は、このように空気流路1bの温度の変化から判断される電解質膜の湿潤状態に基づき、乾燥空気の供給/停止を行う。図3及び図4は制御装置20により実行される乾燥空気の供給/停止制御の手順を示すフローチャートである。空気流路1bの温度T1を検出する温度センサ22の設置位置に応じて図3に示すルーチンと図4に示すルーチンの何れかが選択される。
まず。図3に示すルーチンについて説明する。図3に示すルーチンは、温度センサ22が空気流路1bの入口側に設置されている場合に好適な制御ルーチンである。このルーチンでは、まず、空気コンプレッサ2を作動させたままバイパス弁5が開かれることで、加湿器7を通らない乾燥空気が燃料電池1の空気流路1bへ供給される(ステップ100)。
次に、ステップ102において、各温度センサ22,24によるi回目の温度検出が行われ、検出された各温度T1i,T2iはメモリに記憶される。メモリには、今回の検出温度T1i,T2iと前回の検出温度T1i-1,T2i-1が記憶され、それぞれの記憶内容は毎回更新される。なお、各温度センサ22,24による温度検出は、所定の周期で行われるようになっている。
次のステップ104では、今回の検出が1回目の検出であるか否か判定される。ステップ104の判定で1回目の検出であると判定されたときには、ステップ114に進んで検出回数iが1加算され、ステップ102に戻って各温度センサ22,24による次回の温度検出が行われる。
一方、ステップ104の判定で1回目の検出でないと判定されたときには、ステップ106の処理が行われる。ステップ106では、今回の各温度センサ22,24による検出温度T1i,T2i間の温度差TTiと、前回の検出温度T1i-1,T2i-1間の温度差TTi-1がそれぞれ算出される。温度差TTを算出するのは、気化熱による温度変化量を正確に検出するためである。空気流路1bの温度T1は気化熱のみならず自然冷却によっても低下する。ここでは、発電停止後は燃料電池1の全体が一様に自然冷却されていくと仮定し、空気流路1bの温度T1から空気流路1bの温度変化の影響を受けない部位の温度T2を差し引いている。これにより、自然冷却による温度低下分が排除される。
次のステップ108では、ステップ106で算出された今回温度差TTiと前回温度差TTi-1の差ΔTT(ΔTT=TTi-1−TTi)が算出される。そして、ステップ110では、その差ΔTTと所定値Aが比較される。温度差TTは気化熱による温度変化を示し、温度検出は所定の周期で行われているので、上記の差ΔTTは、気化熱による温度変化の所定周期あたりの変化率を示している。温度センサ22が空気流路1bの入口側に設置されている場合、温度センサ22により検出される温度T1は、図2Aに示すような温度変化を示す。ステップ110では、図2A中に示すように温度の変化率ΔTTが所定値A以下になる時点taを検出している。温度変化率ΔTTの低下は、温度センサ22の設置部位における乾燥が進んだことで水分が減少し、気化に伴い消費される熱量が減少したことを意味している。
ステップ110の判定の結果、温度変化率ΔTTが未だ所定値Aよりも大きい場合には、ステップ114に進んで検出回数iが1加算され、ステップ102に戻って各温度センサ22,24による次回の温度検出が行われる。
一方、ステップ110の判定の結果、温度変化率ΔTTが所定値A以下の場合には、ステップ112に進み空気コンプレッサ2の作動が停止され、乾燥空気の空気流路1bへの供給が停止される。乾燥空気の供給が停止されることで空気流路1bの乾燥は終了する。上記の所定値Aは、電解質膜の湿潤状態が燃料電池1の始動性を確保できる状態になったときの温度変化率に相当しており、実験等によって定められている。
以上のような乾燥空気の供給/停止制御ルーチンが実行されることで、空気流路1bの入口側の電解質膜を適正な湿潤状態に調整することができる。空気流路1bは乾燥空気の供給により入口側から乾燥していくため、入口側の電解質膜は過剰乾燥状態になりやすい。しかし、上記の制御ルーチンによれば、空気流路1bの入口側の温度変化率に基づき乾燥空気の供給停止が行われるので、空気流路1b内の残留水は除去しつつ電解質膜の過剰乾燥による電解質膜抵抗の増大を防止することができる。
なお、図3に示すルーチンにおいて、制御装置20によるステップ102、ステップ108及びステップ110の処理の実行により、第1の発明にかかる「湿潤状態判断手段」が実現されている。また、制御装置20によるステップ102及びステップ106の処理の実行により、第2の発明にかかる「温度補正手段」が実現され、ステップ100及びステップ112の処理の実行により、第1の発明及び第3の発明にかかる「乾燥ガス供給手段」が実現されている。
次に、図4に示すルーチンについて説明する。図4に示すルーチンは、温度センサ22が空気流路1bの出口側に設置されている場合に好適な制御ルーチンである。このルーチンでも、まず、空気コンプレッサ2を作動させたままバイパス弁5が開かれることで、加湿器7を通らない乾燥空気が燃料電池1の空気流路1bへ供給される(ステップ200)。
次に、ステップ202において、各温度センサ22,24によるi回目の温度検出が行われ、検出された各温度T1i,T2iはメモリに記憶される。メモリには、今回の検出温度T1i,T2iと1回目の検出温度T11,T21が記憶され、今回の検出温度T1i,T2iは毎回更新される。なお、各温度センサ22,24による温度検出は、所定の周期で行われるようになっている。
次のステップ204では、今回の検出が1回目の検出であるか否か判定される。ステップ204の判定で1回目の検出であると判定されたときには、ステップ214に進んで検出回数iが1加算され、ステップ202に戻って各温度センサ22,24による次回の温度検出が行われる。
一方、ステップ204の判定で1回目の検出でないと判定されたときには、ステップ206の処理が行われる。ステップ206では、今回の各温度センサ22,24による検出温度T1i,T2i間の温度差TTiと、1回目の検出温度T11,T21間の温度差TT1がそれぞれ算出される。温度差TTを算出するのは、図3に示すルーチンの場合と同様、気化熱による温度変化量を正確に検出するためであり、これにより、自然冷却による温度低下分が排除される。
次のステップ208では、ステップ206で算出された今回温度差TTiと初回温度差TT1の差ΔTT0(ΔTT0=TT1−TTi)が算出される。ステップ210では、その差ΔTT0と所定値Bが比較される。温度差TTは気化熱による温度変化を示しているので、上記の差ΔTT0は乾燥開始からの気化熱による温度の変化量を示している。温度センサ22が空気流路1bの出口側に設置されている場合、温度センサ22により検出される空気流路1bの温度T1は、図2Bに示すような温度変化を示す。ステップ208では、図2B中に示すように温度変化量ΔTT0が所定値B以上になる時点tbを検出している。温度変化量ΔTT0が生じたことは、温度センサ22の設置部位における乾燥が始まり、水分の気化に伴い熱が奪われ始めたことを意味示している。なお、上記の所定値Bは温度変化が生じたか否か判定するための判定値であり、外乱等による温度センサ22,24の検出値の変動を考慮して設定されている。
ステップ210の判定の結果、温度変化量ΔTT0が未だ所定値Bよりも小さい場合には、ステップ214に進んで検出回数iが1加算され、ステップ202に戻って各温度センサ22,24による次回の温度検出が行われる。
一方、ステップ210の判定の結果、温度変化量ΔTT0が所定値B以上の場合には、ステップ212に進み空気コンプレッサ2の作動が停止され、乾燥空気の空気流路1bへの供給が停止される。乾燥空気の供給が停止されることで空気流路1bの乾燥は終了する。
以上のような乾燥空気の供給/停止制御ルーチンが実行されることで、空気流路1bの入口側の電解質膜の過剰乾燥を防止することができる。空気流路1bは乾燥空気の供給により入口側から乾燥していくため、出口側が乾燥し始めたときには入口側は既に十分に乾燥している可能性が高い。上記の制御ルーチンによれば、空気流路1bの出口側の温度変化量に基づき出口側の乾燥開始が判定され乾燥空気の供給停止が行われるので、空気流路1b内の残留水は除去しつつ電解質膜の過剰乾燥による電解質膜抵抗の増大を防止することができる。
なお、図4に示すルーチンにおいて、制御装置20によるステップ202、ステップ208及びステップ210の処理の実行により、第4の発明にかかる「湿潤状態判断手段」が実現されている。また、制御装置20によるステップ202及びステップ206の処理の実行により、第5の発明にかかる「温度補正手段」が実現され、ステップ200及びステップ212の処理の実行により、第4の発明及び第6の発明にかかる「乾燥ガス供給手段」が実現されている。
その他.
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、次のように変形して実施してもよい。
図3,図4に示すルーチンは空気流路1bの入口側、或いは出口側に温度センサ22を配置した場合の例として説明したが、空気流路1bの中央部等に温度センサ22が配置されている場合にも適用できる。また、空気が流れるガス流路であれば、空気流路1b内のみならずオフガス排気管6内に温度センサ22を配置してもよい。その場合、何れのルーチンを採用するかは、温度センサ22の設置位置における温度変化と電解質膜の湿潤状態の変化とを照らし合わせて決めればよい。また、温度変化と電解質膜の湿潤状態の変化との関係に応じて、各ルーチンにおける所定値A,Bの値を変えてもよい。さらに、温度センサ22の設置位置の温度変化(変化率或いは変化量)と電解質膜の湿潤状態を適合させるマップを用いて、マップから電解質膜の湿潤状態を判断するようにしてもよい。なお、上述の実施の形態では、空気流路1bの温度変化の影響を受けない部位の温度T2を参照温度として用いているが、自然冷却による温度変化が小さい場合には参照温度T2は用いなくてもよい。
また、水分除去手段としては乾燥空気の供給によって空気流路1bの残留水を除去するものに限定されない。例えば、加熱装置によって空気流路1bを加熱することで残留水を除去してもよい。この場合、加熱に用いた熱量と空気流路1bの温度上昇に用いられた熱量との差を水分の気化により消費された熱量とみなすことができる。また、オフガス排気管6に負圧を作用させ空気流路1b内の水蒸気分圧を低下させることで、水分の気化を促すようにしてもよい。
また、乾燥開始から温度がほとんど変化しない等、電解質膜が過剰乾燥状態にあると判断できる場合には、適正な湿潤状態になるように電解質膜に水分を与えて加湿するようにしてもよい。図1に示す構成では、バイパス弁5を閉じて加湿器7に空気を通すことで、水分を含んだ湿り空気を空気流路1bに供給するようにすればよい。
また、上述の実施の形態では、ガス流路の温度の変化によって水分の気化により消費される熱量の変化を表しているが、熱量の変化を表すことが可能なものであれば温度以外の他の物理量を用いてもよい。
本発明の実施の形態としての燃料電池システムの概略構成図である。 乾燥空気を供給したときの空気流路の入口側における温度変化を示す図である。 乾燥空気を供給したときの空気流路の出口側における温度変化を示す図である。 本発明の実施の形態において実行される乾燥空気の供給/停止制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態において実行される乾燥空気の供給/停止制御ルーチンのフローチャートである。
1 燃料電池
1a 水素流路
1b 空気流路
3 空気供給管
4 バイパス管
5 バイパス弁
6 オフガス排気管
7 加湿器
8 調圧弁
10 水素供給管
11 調圧弁
12 水素循環装置
13 水素循環管
14 オフガス排気管
15 パージ弁
16 高圧水素タンク
20 制御装置
22,24 温度センサ

Claims (6)

  1. 電解質膜を有する燃料電池と、前記燃料電池に供給されるガスが流れるガス流路と、を有する燃料電池システムにおいて、
    前記ガス流路の内部に配置された温度センサと、
    前記燃料電池の運転停止時に前記ガス流路に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給手段と、
    乾燥ガスの供給に伴う前記温度センサの検出温度の変化に基づいて前記電解質膜の湿潤状態を判断する湿潤状態判断手段とを備え、
    前記湿潤状態判断手段は、乾燥ガスの供給により前記温度センサの検出温度が低下していき、やがて前記温度センサの検出温度の単位時間当たりの低下率が所定値よりも小さくなったら前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記燃料電池における水分の気化が生じない部位の温度を参照温度として取得し、前記参照温度によって前記温度センサの検出温度を補正する温度補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記乾燥ガス供給手段は、前記湿潤状態判断手段により前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断されたら乾燥ガスの供給を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
  4. 電解質膜を有する燃料電池と、前記燃料電池に供給されるガスが流れるガス流路と、を有する燃料電池システムにおいて、
    前記ガス流路の出口側に配置された温度センサと、
    前記燃料電池の運転停止時に前記ガス流路に乾燥ガスを供給する乾燥ガス供給手段と、
    乾燥ガスの供給に伴う前記温度センサの検出温度の変化に基づいて前記電解質膜の湿潤状態を判断する湿潤状態判断手段とを備え、
    前記湿潤状態判断手段は、乾燥ガスの供給により前記温度センサの検出温度が低下し、その低下量が所定値よりも大きくなったら前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 前記燃料電池における水分の気化が生じない部位の温度を参照温度として取得し、前記参照温度によって前記温度センサの検出温度を補正する温度補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記乾燥ガス供給手段は、前記湿潤状態判断手段により前記電解質膜が適正な湿潤状態になったものと判断されたら乾燥ガスの供給を停止することを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
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