JP5103930B2 - 燃料電池システム - Google Patents
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Description
前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池を構成する電解質膜の含水量を取得する含水量取得手段と、
前記含水量取得手段により取得された含水量に基づいて、前記燃料電池内部の水分を除去するための反応ガスが断続的に供給されるように前記供給手段の動作を制御する制御手段とを含む燃料電池システムである。
前記循環路上に配置され、循環路内の反応ガスを循環させる循環手段と、
前記循環路上に配置され、前記燃料電池から排出された反応ガスに含まれる水分を除去する除去手段と、
前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池を構成する電解質膜の含水量を取得する含水量取得手段と、
前記含水量取得手段により取得された含水量に基づいて、前記循環路内の反応ガスが前記燃料電池に断続的に供給されるように前記循環手段の動作を制御する制御手段と
を含む燃料電池システムである。
前記含水量取得手段は、前記反応ガスの供給が中断されてから一定時間が経過した後の前記電解質膜の含水量を取得し、
前記制御手段は、取得された含水量と前記目標値の差分が前記適正範囲に収まる場合に、前記中断時間経過後に前記反応ガスの供給を再開することなく断続的な供給を終了する
ことを判定する構成を採用することができる。
前記燃料電池中の電解質膜の、燃料極と接する面と空気極と接する面との間のインピーダンスを測定する測定手段と、
前記燃料電池の発電停止後に、前記測定手段で得られるインピーダンスの変化に応じて反応ガスが前記燃料電池に断続的に供給されるように、前記供給手段による反応ガスの供給開始及び供給停止を制御する制御手段と
を備える燃料電池システムである。
〈燃料電池システムの構成〉
図1は、本発明の実施形態1における燃料電池システムの構成例を示す図である。この燃料電池システムは、移動体(例えば車両)に搭載される。燃料電池1として、固体高分子型燃料電池(PEFC)が適用されている。燃料電池1は、複数のセルを積層してなるセルスタックで構成されている。但し、図1には、単セルの構成が図示されている。
ード)3及び空気極(酸化剤極:カソード)4と、燃料極3及び空気極4を挟む燃料極側セ
パレータ5及び空気極側セパレータ6とからなる。
水素イオン)と電子とに分離される。水素イオンは固体高分子電解質膜2を通って空気極
4に移動し、電子は外部回路7を通って空気極4に移動する。
り入れた空気を供給管10を介して空気極4に供給する。空気極4に供給された酸化剤ガスは、空気極4を通過した後、燃料電池1に接続された排気管11(燃料電池の外部)に排出される。また、電極反応により空気極4内で生じる水(生成水)は、空気極4を通過する酸化剤ガスによって排気管11内へ運ばれる。生成水の一部は、電解質膜2を通過して燃料極3に到達する。
制御信号)を出力するための入出力インタフェース等から構成されている。ECU12は
、プロセッサがプログラムを実行することによって、発電停止時における掃気制御を実現する制御手段として機能する。
次に、掃気時におけるECU12によるエアポンプ9の制御方法(掃気方法)について説明する。図2は、エアポンプ9から空気極4に供給される空気の流量(エア流量)と、スタック(空気極4)における水蒸気分圧と、時間との関係を示す説明図である。
にする。これによって、エアポンプ9の動力(電力)の浪費を抑える。
プS7)、タイマをリセットして所定時間T4の計時を開始し、この所定時間T4が経過
するまでの間、空気極4内に水蒸気が拡散するのを待つ状態となる(ステップS8)。
空気極4)の水蒸気分圧との関係が示されている。図5では、燃料電池1の発電が停止さ
れてから、4回の掃気時間t1(所定時間T1),t3(所定時間T3),t5(所定時間T
3)及びt7(所定時間T3)の間に、3回の中断時間t2(所定時間T2),t4(所定時間T4)及びt6(所定時間T4)が挟まれた例が示されている。中断時間t2,t4及びt
6において、水蒸気分圧は飽和分圧に近づくように上昇し、その後の掃気時間t3,t5及びt7において水蒸気が掃気時間t1よりも小さいエア流量で排出されている。
れた所定範囲(適正範囲より広い)に差分値が収まるか否かで行うことができる)場合に、
次の掃気時間終了後に掃気を完了するようにECU12が判断し、そのような判断に基づく制御を行う構成とすることができる。
以上説明した実施形態1によれば、制御手段たるECU12は、反応ガスの供給手段たるエアポンプ9の動作制御によって断続的な掃気を実行する。掃気用の空気を水分拡散を待って断続的に送ることで、掃気に使用するエネルギーの総和を抑えることができる。言い換えれば、掃気を連続的に実行し微少な水分を随時排出する場合に比べて、圧損も含めた水分排出量あたりの動力損失を小さくすることができる。
図1に示した燃料電池システムにおいて、膜抵抗計測部13の代わりに、図6に示すような湿度計(湿度センサ)を適用することができる。図6に示すように、湿度計14は、空気極4内の湿度を計測し、ECU12に伝達するように構成されている。空気極4内の湿度は、例えば、図7に示すように、掃気停止後、或る程度の勾配を以て上昇する。この勾配は、電解質膜2の含水量に依存し、含水量が多い程大きく(図7のグラフA参照)、含水量が小さくなると勾配も小さくなる(図7のグラフB参照)。従って、この湿度の上昇勾配から電解質膜2の含水量を一意に求める(推定する)ことができる。
相当)の長さを含水量に基づいて制御(調節)しても良い。また、ECU12は、中断時間(例えば、図5中のt2,t4,t6)の長さを含水量に基づいて制御(調節)しても良い。さ
らに、ECU12は、掃気時のエア流量(エア供給量)を含水量に基づいて制御(調節)しても良い。
次に、本発明の実施形態2について説明する。実施形態2は、実施形態1と共通の構成を有するので、主として異なる構成について説明し、共通点については説明を省略する。図8は、実施形態2に係る燃料電池システムの構成例を示す図である。
ク)からの反応ガスたる燃料ガスが三方弁21の第1入口及び出口並びに配管22を通っ
て供給される。燃料極3を通過した燃料ガスは、配管23に排出される。配管23には、三方弁24の入口が接続されており、三方弁24の第1出口には、配管25を介して排気弁26が接続されている。燃料ガスの排気時には、三方弁24の第1出口及び排気弁26が開かれ、配管23に排出された燃料ガスは、三方弁24及び排気弁26を通過し、図示せぬ希釈器によって希釈された後、外部に排出される。
燃料極3)の水蒸気分圧との関係が示されている。図5では、燃料電池1の発電が停止さ
れてから、時間t1〜t7が経過するまでの間に、3回の中断時間t2,t4及びt6が挟まれた例が示されている。中断時間t2,t4及びt6において、水蒸気分圧は飽和分
圧に近づくように上昇し、その後の掃気時間t3,t5及びt7において水蒸気が掃気時間t1よりも小さい循環量で排出され、除湿器8にて除去される。
次に、本発明の実施形態3について説明する。実施形態1及び2で説明したように、図10に示すような燃料電池システムで、蒸気拡散や、電解質膜2内の水分拡散の律速を前提にすると、電解質膜2内の水分拡散を待ってから掃気用の空気(エア)を断続的に送ることで、掃気に使うエネルギーを最小限にすることができる。即ち、空気の流量を増やして未飽和の蒸気を排出するよりも、水分が拡散するための時間を設けて断続的に掃気を行い、水分を排出すると、水分排出量あたりの動力損失を小さくすることができる。また、電解質膜の過度の乾燥を抑制することができる。
含水量)と電極間(膜内)の交流インピーダンスとの関係が、図11に示すようにほぼ一意
となる。従って、定常状態下における交流インピーダンス値は、電解質膜2の乾燥状態の指標として利用することができる。実施形態1では、掃気処理の終了判定(図4のステッ
プ9)において、この交流インピーダンス値を用いている。
予測線」と称する)。
の変化量(低下量)の傾きは、予測線の傾きよりも大きくなる(図12の実線直線で示す)。
解質膜2の抵抗(膜抵抗))を計測する、測定手段としての膜抵抗計測部(インピーダンス計測装置)13と、膜抵抗計測部13の計測結果に基づいてエアポンプ9の動作を制御する
制御装置(例えばECU)12Aとを備えている。
」と称する)が予め格納されている。このような水分排出予測データは実験等によって得
ることができる。
ステップS13)。
NO)には、制御装置12Aは、処理をステップS11に戻し、エアポンプ9を再度駆動
させる。このとき、燃料電池1の温度を再度測定して、それに応じた飽和蒸気圧でのエア流量で掃気を行うようにすることができる。この場合、エア流量及び飽和蒸気圧に応じた水分排出予測データが、その後の掃気中断判定、掃気終了判定にて用いられる。
及びS15の処理)を示し、黒丸印は、図15に示した掃気処理における掃気中断判定タ
イミング(ステップS12)を示す。
とも、掃気開始からΔt毎の交流インピーダンス変化量の予測値)を予めメモリに格納し
ておき、交流インピーダンスの測定値から求まる変化量と、交流インピーダンスの変化予測データから求まるΔtあたりの予測変化量とを比較することで、ステップS12及びS14の判定処理が行われるようにしても良い。この場合は、交流インピーダンス値から含水量推定値を求める処理が省略される。
2・・・固体高分子電解質膜
3・・・燃料極(アノード)
4・・・空気極(カソード)
5・・・燃料極側セパレータ
6・・・空気極側セパレータ
9・・・エアポンプ
10・・・供給管
11・・・排気管
12・・・ECU
12A・・・制御装置
13・・・膜抵抗計測部
14・・・湿度計
21,24・・・三方弁
22,23,27,29,31・・・配管
28・・・除湿器
30・・・ポンプ
Claims (8)
- 固体高分子電解質膜形の燃料電池に反応ガスを供給する供給手段と、
前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池を構成する電解質膜の含水量を取得する含水量取得手段と、
前記含水量取得手段により取得された含水量に基づいて、前記燃料電池内部の水分を除去するための反応ガスを供給する処理と一時的に反応ガスの供給を中断する処理と反応ガスの供給を再開する処理を繰り返すことにより、反応ガスが断続的に供給されるように前記供給手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
反応ガスを供給する処理の実行中に前記含水量取得手段により取得される含水量の所定時間あたりの変化量が反応ガスの供給量と水分の飽和蒸気圧から推定される変化量を超えたときに、一時的に反応ガスの供給を中断し、
一時的に反応ガスの供給を中断する処理の実行中に前記含水量取得手段により取得される含水量の所定時間あたりの変化量が所定の閾値より小さくなったときに、その時点で前記含水量取得手段により取得される含水量が目標値より大きければ反応ガスの供給を再開する
燃料電池システム。 - 固体高分子電解質膜形の燃料電池を経由する反応ガスの循環路と、
前記循環路上に配置され、循環路内の反応ガスを循環させる循環手段と、
前記循環路上に配置され、前記燃料電池から排出された反応ガスに含まれる水分を除去する除去手段と、
前記燃料電池の発電停止後に、前記燃料電池を構成する電解質膜の含水量を取得する含水量取得手段と、
前記含水量取得手段により取得された含水量に基づいて、前記循環路内の反応ガスを前記燃料電池に供給する処理と一時的に反応ガスの供給を中断する処理と反応ガスの供給を再開する処理を繰り返すことにより、反応ガスが断続的に供給されるように前記循環手段の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、
反応ガスを供給する処理の実行中に前記含水量取得手段により取得される含水量の所定時間あたりの変化量が反応ガスの供給量と水分の飽和蒸気圧から推定される変化量を超えたときに、一時的に反応ガスの供給を中断し、
一時的に反応ガスの供給を中断する処理の実行中に前記含水量取得手段により取得される含水量の所定時間あたりの変化量が所定の閾値より小さくなったときに、その時点で前記含水量取得手段により取得される含水量が目標値より大きければ反応ガスの供給を再開する
燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記含水量取得手段により取得された含水量に応じて前記反応ガスの断続的な供給の終了を判定する請求項1又は2記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記含水量取得手段により取得された含水量に応じて前記反応ガスの断続的な供給の開始を判定する請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 前記含水量取得手段は、前記電解質膜のインピーダンスから前記電解質膜の含水量を推定する請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 前記含水量取得手段は、前記反応ガスが流れる電極中の湿度から前記電解質膜の含水量を推定する請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、一時的に反応ガスの供給を中断する処理の実行中に前記含水量取得手段により取得される含水量の所定時間あたりの変化量が所定の閾値より小さくなったときに、その時点で前記含水量取得手段により取得される含水量が目標値以下であれば、反応ガスの供給を再開する処理を実行することなく反応ガスの断続的な供給を終了することを判定する請求項3,5,6のいずれかに記載の燃料電池システム。
- 前記適正範囲よりも広い所定範囲が記憶装置上にさらに予め保持されており、
前記制御手段は、前記含水量取得手段で取得された含水量と前記目標値の差分が前記適正範囲に収まらないが前記所定範囲に収まる場合に、前記反応ガスの供給を所定時間行い、この所定時間が経過した時点で反応ガスの断続的な供給を終了することを判定する請求項7に記載の燃料電池システム。
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