JP2011204559A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】掃気手段を最適制御することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】電解質膜を有し、電解質膜に反応ガスを供給して発電を行う燃料電池と、電解質膜に連通する反応ガス流路に流体を導入することにより、反応ガス流路に滞留している反応ガスを排出する掃気手段と、掃気手段を制御する制御装置45と、を備えた燃料電池システムであって、制御装置は、電解質膜の膜含水率を推定する膜含水率推定部62と、推定された膜含水率が所定値以下か否かを判定する膜含水率判定部63と、掃気手段を制御して膜乾燥掃気を実行中に、推定された膜含水率が所定値以下の場合に掃気手段を停止する掃気判断部61と、を有している。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池システムに関するものである。
従来から、例えば車両に搭載される燃料電池として、固体高分子電解質膜をアノード電極およびカソード電極で両側から挟んで膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体の両側に一対のセパレータを配置して平板状の単位燃料電池(以下、単位セルという。)を構成し、この単位セルを複数積層して燃料電池スタック(以下、燃料電池という。)としたものが知られている。燃料電池自動車では、この燃料電池にアノードガスおよびカソードガスからなる反応ガスを供給することにより発電させ、この電力により車輪の駆動軸を回転させるためのモータを駆動することができるように構成されている。
具体的には、上述した燃料電池におけるアノード電極とセパレータとの間にアノードガス(燃料ガス)として水素ガスを供給するとともに、カソード電極とセパレータとの間にカソードガス(酸化剤ガス)として空気を供給する。これにより、アノード電極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を透過してカソード電極まで移動し、カソード電極で空気中の酸素と電気化学反応を起こし、発電が行われる。なお、この発電に伴って、燃料電池内部で水が生成される。
このような燃料電池を備える燃料電池システムでは、例えば氷点下環境で使用される場合にいくつかの問題を抱えている。例えば、燃料電池システムの停止中に低温環境に曝されると、燃料電池を構成するMEA(Membrane Electrode Assembly)の表面や内部において、残留した水分が凍結し、MEAの有効反応面積が狭くなるというおそれがある。このようにMEAの有効反応面積が狭くなっている状態で、燃料電池のOCV(Open Circuit Voltage:開回路電圧)が所定のOCV以上となったことにより、燃料電池の発電を許可し、発電を開始させてしまうと、MEAにおいてガス欠状態となり、燃料電池の発電性能および安定性が低下するという問題がある。
そこで、水分が凍結して反応ガスの流路を塞いでしまうのを防止するために、水分を除去する掃気手段を備えた燃料電池システムが提案されている。その一方で、固体高分子電解質膜は、水を介してイオンを移動(透過)させるために、所定の湿潤状態を保持しておく必要がある。
このような問題を解消することを目的として、特許文献1では、反応ガス流路を備えたセルが1以上積層された燃料電池スタックと、反応ガス流路に掃気ガスを供給する掃気手段と、燃料電池スタックの発電電流を制御する電流制御手段と、を備え、電流制御手段は、掃気手段によって掃気ガスが反応ガス流路に供給される際にセルの電解質膜の含水率が所定値以上に保たれるように発電電流を制御する燃料電池システムが提案されている。
また、特許文献2では、燃料電池の発電運転を停止させると、掃気運転制御を開始し、掃気運転制御では、燃料電池スタックの温度が所定値以下になると、乾燥空気を用いて、燃料電池スタック、燃料ガス系機器及び酸化ガス系機器への掃気運転を開始し、燃料電池スタックの面抵抗値が、所定値以上になると掃気運転を停止する燃料電池システムが提案されている。
特開2009−123512号公報 特開2009−266689号公報
ところで、特許文献1の燃料電池システムでは、電解質膜の膜含水率を所定値以上に保つために発電電流を制御しているため、制御が複雑化するとともに、膜含水率の検出精度が低く、掃気手段を最適制御するのが困難である。
また、特許文献2の燃料電池システムでは、燃料電池スタックの面抵抗値を検出し、該面抵抗値が所定値以上になった場合に掃気運転を停止するため、検出精度が低く、掃気不足や掃気過多になる虞がある。つまり、掃気手段を最適制御することができず、燃料電池スタックの劣化が促進されたり、無駄にエネルギーを消費してしまうという問題がある。
そこで、本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、掃気手段を最適制御することができる燃料電池システムを提供するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、電解質膜を有し、該電解質膜に反応ガスを供給して発電を行う燃料電池(例えば、実施形態における燃料電池11)と、前記電解質膜に連通する反応ガス流路(例えば、実施形態における反応ガス流路20)に流体を導入することにより、前記反応ガス流路に滞留している前記反応ガスを排出する掃気手段と、該掃気手段を制御する制御装置(例えば、実施形態における制御装置45)と、を備えた燃料電池システム(例えば、実施形態における燃料電池システム10)であって、前記制御装置は、前記電解質膜の膜含水率を推定する膜含水率推定部(例えば、実施形態における膜含水率推定部62)と、前記推定された膜含水率が所定値以下か否かを判定する膜含水率判定部(例えば、実施形態における膜含水率判定部63)と、前記掃気手段を制御して膜乾燥掃気を実行中に、前記推定された前記膜含水率が所定値以下の場合に前記掃気手段を停止する掃気判断部(例えば、実施形態における掃気判断部61)と、を有していることを特徴としている。
請求項2に記載した発明は、前記膜含水率推定部は、外部電源から前記燃料電池に所定の電流を流し、前記燃料電池から生ずる電圧値に基づいて前記膜含水率を推定することを特徴としている。
請求項3に記載した発明は、前記膜含水率推定部は、前記燃料電池の自己発電により生ずる電圧値に基づいて前記膜含水率を推定することを特徴としている。
請求項4に記載した発明は、前記制御装置は、少なくとも前記掃気手段を実行開始してからの経過時間を計時可能な計時部(例えば、実施形態における計時部64)を有し、前記膜含水率推定部による前記膜含水率の推定を所定時間ごとに実行することを特徴としている。
請求項1に記載した発明によれば、電解質膜の膜含水率を推定し、推定された膜含水率に基づいて掃気手段の運転・停止を判断するように構成したため、掃気手段を最適制御することができる。したがって、電解質膜が乾燥しすぎるのを防止することができ、燃料電池の劣化を抑制することができる。また、掃気手段の運転・停止を適切に制御することができ、エネルギー消費の無駄を省くことができる。
請求項2に記載した発明によれば、燃料電池から生ずる電圧値に基づいて膜含水率を推定するように構成したため、膜含水率の検出精度が向上し、掃気手段を最適制御することができる。したがって、電解質膜が乾燥しすぎるのを防止することができ、燃料電池の劣化を抑制することができる。また、掃気手段の運転・停止を適切に制御することができ、エネルギー消費の無駄を省くことができる。
請求項3に記載した発明によれば、燃料電池の自己発電により生ずる電圧値に基づいて膜含水率を推定するように構成したため、膜含水率の検出精度が向上し、掃気手段を最適制御することができる。したがって、電解質膜が乾燥しすぎるのを防止することができ、燃料電池の劣化を抑制することができる。また、掃気手段の運転・停止を適切に制御することができ、エネルギー消費の無駄を省くことができる。
請求項4に記載した発明によれば、所定時間ごとに膜含水率を推定するように構成したため、エネルギー消費の無駄をより効果的に省くことができる。
本発明の実施形態における燃料電池システムの概略構成図である。 本発明の実施形態における制御装置の概略ブロック図である。 本発明の実施形態における燃料電池システムの掃気方法を示すフローチャートである。 本発明の実施形態における燃料電池の電圧値と膜含水率との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態における外部電源から所定の電流値を印加したときの燃料電池の電流値、電圧値および膜含水率の関係を示すタイムチャートである。 本発明の実施形態における燃料電池を自己発電させたときの燃料電池の電流値、電圧値および膜含水率の関係を示すタイムチャートである。
次に、本発明に係る燃料電池システムの実施形態を図1〜図6に基づいて説明する。なお、本実施形態では燃料電池システムを車両に搭載した場合の説明をする。
(燃料電池システム)
図1は燃料電池システムの概略構成図である。
図1に示すように、燃料電池システム10の燃料電池11は、水素ガスなどのアノードガスと空気などのカソードガスとの電気化学反応により発電を行う固体高分子膜型燃料電池である。具体的に、燃料電池11は、固体高分子電解質膜をアノード電極およびカソード電極で両側から挟んで膜電極構造体を形成し、この膜電極構造体の両側に一対のセパレータを配置して平板状の単位セルを構成し、この単位セルを複数積層したものである。また、燃料電池11に形成されたアノードガス供給用連通孔13(アノードガス流路21の入口側)にはアノードガス供給配管23が連結され、その上流端部には水素タンク30が接続されている。また、燃料電池11に形成されたカソードガス供給用連通孔15(カソードガス流路22の入口側)にはカソードガス供給配管24が連結され、その上流端部にはエアコンプレッサ33が接続されている。また、燃料電池11に形成されたアノードオフガス排出用連通孔14(アノードガス流路21の出口側)にはアノードオフガス排出配管35が連結され、カソードオフガス排出用連通孔16(カソードガス流路22の出口側)にはカソードオフガス排出配管38が連結されている。ここで、本実施形態では、アノードガス供給配管23、アノードオフガス排出配管35、カソードガス供給配管24およびカソードオフガス排出配管38が反応ガス流路20を構成している。
また、水素タンク30からアノードガス供給配管23に供給された水素ガスは、レギュレータ(不図示)により減圧された後、エゼクタ26を通り、燃料電池11のアノードガス流路21に供給される。また、水素タンク30の下流側近傍には、電磁駆動式の電磁弁25が設けられており、水素タンク30からの水素ガスの供給を遮断することができるように構成されている。
また、アノードオフガス排出配管35は、エゼクタ26に接続され、燃料電池11を通過し排出されたアノードオフガスを再度燃料電池11のアノードガスとして再利用できるように構成されている。さらに、アノードオフガス排出配管35には、途中で3本の配管が分岐して設けられており、エア排出配管32、ドレイン排出配管36、およびパージガス排出配管37が接続されている。エア排出配管32、ドレイン排出配管36およびパージガス排出配管37は、それらの下流でともに希釈ボックス31に接続されている。そして、エア排出配管32には電磁駆動式のエア排出弁56が設けられており、ドレイン排出配管36には電磁駆動式のドレイン弁51が設けられており、パージガス排出配管37には電磁駆動式のパージ弁52が設けられている。また、アノードオフガス排出配管35とドレイン排出配管36との分岐地点には気液分離器としてキャッチタンク53が設けられている。
次に、空気(カソードガス)はエアコンプレッサ33によって加圧され、カソードガス供給配管24を通過した後、燃料電池11のカソードガス流路22に供給される。この空気中の酸素が酸化剤として発電に供された後、燃料電池11からカソードオフガスとしてカソードオフガス排出配管38に排出される。カソードオフガス排出配管38は希釈ボックス31に接続され、その後、車外へと排気される。なお、カソードオフガス排出配管38には背圧弁34が設けられている。また、カソードガス供給配管24とカソードオフガス排出配管38との間には加湿器39が架け渡して設けられている。加湿器39によりカソードガスはカソードオフガスに含まれる水分の移動が行われ加湿されるようになっている。
また、エアコンプレッサ33と燃料電池11との間を繋ぐカソードガス供給配管24において、配管が分岐され掃気ガス導入配管54の一端が接続されている。掃気ガス導入配管54は、アノードガス供給配管23におけるエゼクタ26と燃料電池11との間に他端が接続されている。つまり、エアコンプレッサ33にて加圧された空気を燃料電池11のアノードガス流路21に供給できるようになっている。なお、掃気ガス導入配管54には電磁駆動式の電磁弁55が設けられており、エアコンプレッサ33からの空気の供給を遮断できるように構成されている。
さらに、燃料電池11には発電電圧を検出可能な電圧センサ41が設けられている。また、燃料電池11には、該燃料電池11から出力される電流を検出可能な電流センサ42が設けられている。この電圧センサ41および電流センサ42からの検出結果(センサ出力)は、制御装置(ECU)45へ伝達され、その検出結果に基づいて、掃気実行などの各種制御(後に詳述する。)を行うことができるように構成されている。
そして、燃料電池11には、該燃料電池11で発電された電力を充電可能なバッテリ(外部電源)50が接続されている。
図2は制御装置45の概略ブロック図である。図2に示すように、制御装置45は、燃料電池11および反応ガス流路20に例えば空気を供給することで、燃料電池11および反応ガス流路20に滞留している水を排出する掃気手段の実行可否を判断する掃気判断部61と、燃料電池11の電解質膜の膜含水率を推定する膜含水率推定部62と、推定された膜含水率が所定値(燃料電池11の固体高分子膜において単位面積当たりに保持している水が凍結して流路を塞ぐのを抑制し、かつ、掃気後の再利用時にイオンの移動を妨げない程度の湿潤状態を維持する含水率値であり、固体高分子膜の種類などにより事前に設定される値)以下か否かを判定する膜含水率判定部63と、例えば燃料電池11の発電が停止されてからの経過時間を計測可能な計時部64と、燃料電池システム10のシステム停止中の現在時刻カウント機能であるRTC(Real Time Clock)を用いた制御を可能にするRTC制御部65と、を有している。
なお、本実施形態で実行する「掃気」は、燃料電池システム10停止時に実行する停止時掃気、RTC制御部65の制御により実行するRTC掃気(システム停止後に一定の時間経過ごとに状況により実施する掃気)およびカソード側を掃気するカソード乾燥掃気のいずれの掃気の場合にも適用することができる。
また、制御装置45は、燃料電池11に要求される出力に応じて、電磁弁25を制御して水素タンク30から所定量の水素ガスを燃料電池11に供給することができるようになっている。また、制御装置45は、燃料電池11に要求される出力に応じて、エアコンプレッサ33を駆動して所定量の空気を燃料電池11に供給するとともに、背圧弁34を制御してカソードガス流路22への空気の供給圧力を調整できるように構成されている。
さらに、制御装置45は、燃料電池システム10の掃気を実行する際に、掃気ガス導入配管54の電磁弁55を開閉制御して所定量の空気を供給することができるように構成されている。
(燃料電池システムの掃気方法)
次に、本実施形態における燃料電池システム10の掃気方法について説明する。
図3は燃料電池システム10の掃気方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、このフローチャートでは、燃料電池システム10のアノード乾燥掃気(小流量掃気)が開始された状態からフローチャートが始まる。
ステップS11では、アノード乾燥掃気が開始されてから所定時間(アノードが実際に乾燥すると予想される時間間隔であり、例えば5分)経過したか否かを計時部64において判定し、所定時間経過前であればステップS11を繰り返し、所定時間を経過したらステップS12へ進む。
ステップS12では、膜含水率推定部62において燃料電池11の電解質膜の膜含水率を推定し、ステップS13へ進む。
電解質膜の膜含水率を推定する方法を具体的に説明する。まず、バッテリ50などの外部電源から燃料電池11に所定の電流を印加し、その際に燃料電池11から生ずる電圧値を電圧センサ41にて検出する。このとき、膜含水率推定部62には、図4に示すグラフが記憶されており、燃料電池11の電圧値から膜含水率が推定できるように構成されている。
また、電解質膜の膜含水率を推定する別の方法を説明する。まず、燃料電池11の自己発電を行い、その際に燃料電池11から生ずる電圧値を電圧センサ41にて検出する。このとき、膜含水率推定部62には、図4に示すグラフが記憶されており、燃料電池11の電圧値から膜含水率が推定できるように構成されている。なお、燃料電池11を自己発電させる際には、燃料電池11にアノードガス(水素)を供給する。
ステップS13では、膜含水率判定部63において、ステップS12で推定された膜含水率推定値が予め設定された所定値以下になっているか否かを判定し、膜含水率推定値が所定値以下になっている場合はステップS14へ進み、所定値より大きい場合はステップS11へ戻る。
ステップS14では、膜含水率推定値が所定値以下になったと判定されたため、アノード乾燥掃気を停止して、処理を終了する。
図5は、バッテリ50などの外部電源から燃料電池11に所定の電流を印加し、その際に燃料電池11から生ずる電圧値を検出して膜含水率を推定する場合のタイムチャートである。図5に示すように、膜含水率推定値が予め設定された所定値より大きい場合は、アノード乾燥掃気を継続し、膜含水率推定値が所定値以下になった場合に、アノード乾燥掃気を停止している。なお、バッテリ50などの外部電源から所定の電流を流した際に、燃料電池11の電流値よりも電圧値を検出した方が精度良く検出でき、膜含水率推定値も精度良く推定することができる。
図6は、燃料電池11の自己発電を行い、その際に燃料電池11から生ずる電圧値を検出して膜含水率を推定する場合のタイムチャートである。図6に示すように、この場合も図5と同様に、膜含水率推定値が予め設定された所定値より大きい場合は、アノード乾燥掃気を継続し、膜含水率推定値が所定値以下になった場合に、アノード乾燥掃気を停止している。なお、燃料電池11の自己発電を行った際に、燃料電池11の電流値よりも電圧値を検出した方が精度良く検出でき、膜含水率推定値も精度良く推定することができる。
本実施形態によれば、電解質膜の膜含水率を推定し、推定された膜含水率に基づいて掃気手段の運転・停止を判断するように構成したため、掃気手段を最適制御することができる。したがって、電解質膜が乾燥しすぎるのを防止することができ、燃料電池11の劣化を抑制することができる。また、掃気手段の運転・停止を適切に制御することができ、エネルギー消費の無駄を省くことができる。
また、バッテリ50などの外部電源から所定の電流値を印加し、その際に燃料電池11から生ずる電圧値に基づいて膜含水率を推定するように構成したため、膜含水率の検出精度が向上し、掃気手段を最適制御することができる。
また、燃料電池11を自己発電させ、この自己発電により生ずる電圧値に基づいて膜含水率を推定するように構成したため、膜含水率の検出精度が向上し、掃気手段を最適制御することができる。
さらに、所定時間ごとに膜含水率を推定するように構成したため、エネルギー消費の無駄をより効果的に省くことができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や構成などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態において、計時部において燃料電池システムが停止してからの経過時間を計時し、所定時間ごとに膜含水率を推定するように構成したが、所定時間ごとに推定を行わずに常に膜含水率を推定するようにしてもよい。
また、本実施形態において、アノード乾燥掃気が実行されている場合について説明したが、RTC掃気やカソード乾燥掃気が実行されたときに同様のフローチャートにより掃気の停止判断をするように構成してもよい。
10…燃料電池システム 11…燃料電池 20…反応ガス流路 23…アノードガス供給配管(反応ガス流路) 24…カソードガス供給配管(反応ガス流路) 35…アノードオフガス排出配管(反応ガス流路) 38…カソードオフガス排出配管(反応ガス流路) 45…制御装置 61…掃気判断部 62…膜含水率推定部 63…膜含水率判定部 64…計時部

Claims (4)

  1. 電解質膜を有し、該電解質膜に反応ガスを供給して発電を行う燃料電池と、
    前記電解質膜に連通する反応ガス流路に流体を導入することにより、前記反応ガス流路に滞留している前記反応ガスを排出する掃気手段と、
    該掃気手段を制御する制御装置と、を備えた燃料電池システムであって、
    前記制御装置は、
    前記電解質膜の膜含水率を推定する膜含水率推定部と、
    前記推定された膜含水率が所定値以下か否かを判定する膜含水率判定部と、
    前記掃気手段を制御して膜乾燥掃気を実行中に、前記推定された前記膜含水率が所定値以下の場合に前記掃気手段を停止する掃気判断部と、を有していることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記膜含水率推定部は、外部電源から前記燃料電池に所定の電流を流し、前記燃料電池から生ずる電圧値に基づいて前記膜含水率を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記膜含水率推定部は、前記燃料電池の自己発電により生ずる電圧値に基づいて前記膜含水率を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御装置は、少なくとも前記掃気手段を実行開始してからの経過時間を計時可能な計時部を有し、前記膜含水率推定部による前記膜含水率の推定を所定時間ごとに実行することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池システム。
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