JP2008288147A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の運転状況に応じて燃料電池内部の水分量を適切に管理する燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本燃料電池システムは、アノードオフガスを燃料電池のカソード入口へ送る接続通路と、この接続通路に設けられた開閉弁と、燃料電池内部の湿度を検出する湿度検出手段と、この湿度検出手段により検出された湿度が所定の閾値よりも低い場合に上記開閉弁を開く制御手段と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池システムに関し、特に、燃料電池内部の水分管理の技術に関する。
図9は、固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)の単セルの構成例を示す斜視図である。この図9の例に示すように、燃料電池には、固体高分子電解質膜901を燃料ガス電極(アノード)902と酸化剤ガス電極(カソード)903とで挟み、更にそれら電極の両側をガス供給路の設けられたセパレータ904及び905で挟むように形成されるセル900が所定数積層されたセルスタックにより構成されるものがある。
セルスタックを構成する各セル900は、正面に、図9に示すような矩形状の端面をそれぞれ有し、各端面にはそれぞれ左右両端に縦に並ぶ3つずつの貫通孔(以降、マニホールドと表記する)が開いている。各セル900のそれぞれにおける各マニホールドは、セル900の積層方向に互いに繋がることによりそれぞれ通路を形成する。これら通路のうち、各端面の左上部のマニホールド921が繋がった通路には、燃料ガスが図9の右方向に向かって流れる。以降、この通路を燃料ガス供給通路と表記する。一方、この燃料ガス供給通路を形成するマニホールド921の対角線上(端面右下)に位置するマニホールド922が繋がることで形成される通路には、燃料ガスのうち発電に供しなかったもの(以降、アノードオフガスと表記する)が燃料ガスとは逆方向(図1の左方向)に流れる。以降、この通路をアノードオフガス排出通路と表記する。また、各端面の右上部のマニホールド911が繋がった通路には、酸化剤ガスが図1の右方向に向かって流れる。以降、この通路を酸化剤ガス供給通路と表記する。この酸化剤ガス供給通路を形成するマニホールド911の対角線上(端面左下)に位置するマニホールド912が繋がることで形成される通路には、酸化剤ガスのうち発電に供しなかったもの(以降、カソードオフガスと表記する)が酸化剤ガスとは逆方向(図1の左方向)に流れる。以降、この通路をカソードオフガス排出通路と表記する。
このような燃料電池のセル900では、アノード902に接合されるセパレータ904のガス供給路に燃料ガスが供給され、カソード903に接合されるセパレータ905のガス供給路に酸化剤ガスが供給される。燃料電池は、このように供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを固体高分子電解質膜901を介して反応させることにより発電を行う。
このとき、カソード903の触媒層では化学反応により水が生成される。この生成水は、逆拡散により、固体高分子電解質膜901を通じてアノード902へ移動する。更に、この固体高分子電解質膜901内では、アノード902側の水素イオンが水分子と共にカソード903側へ移動する電気浸透現象が起こる。よって、逆拡散によりカソード903からアノード902へ移動する水(以降、拡散水と表記する)の量と電気浸透現象によりアノード902からカソード903へ移動する水(以降、随伴水と表記する)の量との差に応じた水分量が電解質膜内を移動する。
ところで、セパレータに設けられるガス供給路の形態には様々ものがある。図10は、図9に示すセパレータ904及び905を正面から見た場合のガス供給路の構成例を示す図である。図10では、セパレータ904が背面でアノード902に接合するため、セパレータ904の背面に形成される燃料ガス供給路940が点線で示されている。一方、セパレータ905は正面でカソード903に接合するため、図10にはセパレータ905の正面に形成される酸化剤ガス供給路950が実線で示されている。
図10に示すように、セパレータ904及び905において、燃料ガス供給路940及び酸化剤ガス供給路950は、それぞれガス流路が対向するように形成されており、各供給路に酸化剤ガスと燃料ガスとが逆方向に流れるように形成される。このようなセパレータの形態をカウンターフロー型と呼ぶ。現在、このようなカウンターフロー型のセパレータが主流になりつつある。
図11は、カウンターフロー型のセパレータを備える単セルの部分断面図、すなわち、図9においてセル900をマニホールド921で形成される燃料ガス供給通路とマニホールド911で形成される酸化剤ガス供給通路とを結ぶ線で切断し上方から見た場合の部分断面図である。
図11に示すように、カウンターフロー型のセパレータでは、セパレータ904のガス供給路940に流れる燃料ガスとそれに対向するセパレータ905のガス供給路950に流れる酸化剤ガスとが逆行する。この場合に、各セルのカソードにおける水分量は、酸化剤ガス供給通路側(図11の右方向)(以降、セルの酸化剤ガス入口とも表記する)からカソードオフガス排出通路側(図11の左方向)(以降、セルの酸化剤ガス出口とも表記する)へ向けて徐々に多くなる。一方、各セルのアノード側では随伴水がアノード902からカソード903方向へ移動している。
従って、このようなセパレータを持つセルでは、随伴水としてアノード902の水分子がカソード903側へ移動するにも関わらず、カソード903の酸化剤ガス入口付近では生成水が少ないためアノード902側へ移動する拡散水が少ない。結果として、このようなセパレータを持つセルは、カソード903の酸化剤ガス入口付近及びアノード902の燃料ガス出口付近ではそれぞれ水分が不足するという現象が生じやすくなる。なお、このような現象は、カウンターフロー型のセパレータを持つセルに限らず、対向するセパレータに設けられたガス供給路間で酸化剤ガス入口付近と燃料ガス出口付近とが電極及び電解質膜を挟んで対向する構成を持つセルにおいても同様に発生すると考えられる。
このような現象が発生することによる電解質膜の劣化や出力電力の低下を防ぐために、外部加湿モジュールを設け、酸化剤ガス若しくは燃料ガスを加湿してセルに供給する構成が採られる。
この外部加湿モジュールを削減するために、燃料電池から排気されたアノードオフガスを酸化剤ガスと混合させた上でカソードへ導入する手法が開示されている(下記特許文献1及び2参照)。この手法によれば、カソードの触媒作用によってアノードオフガス中の水素を酸化させ水に転化させることができるため、電池反応による生成水とともに電解質膜を湿潤にすることができる。なお、下記特許文献2には、カソードへ略均等にアノードオフガスを供給するためにアノードオフガスの水素濃度を低減する手法が開示されている。
本願発明に係るその他の先行技術文献としては、以下のような文献が開示されている。
特開平11−185782号公報 特開2005−174757号公報 特開2004−71349号公報 特開2004−265684号公報 特開2004−47154号公報
上述したようなカソードの酸化剤ガス入口及びアノードの燃料ガス出口においてそれぞ
れ水分が不足するという現象は、外部加湿モジュールを持たないシステムにおいて燃料電池が高温になり酸化剤ガスの流量が大きい運転条件に発生しやすいと考えられる。
しかしながら、上述のような従来技術では、燃料電池から排気されたアノードオフガスを酸化剤ガスと混合させた上でカソードへ導入する構成を採ることにより外部加湿モジュールを削減することができたとしても、上述のような燃料電池の運転状況に応じて電解質膜の湿潤状態の過不足が変化する場合に対応できないという問題があった。
本発明の目的は、燃料電池の運転状況に応じて燃料電池内部の水分量を適切に管理する燃料電池システムを提供することにある。
本発明は、上述した課題を解決するために以下の手段を採用する。即ち、本発明に係る燃料電池システムは、アノードオフガスを燃料電池のカソード入口へ送る接続通路と、この接続通路に設けられた開閉弁と、燃料電池内部の湿度を検出する湿度検出手段と、この湿度検出手段により検出された湿度が所定の閾値よりも低い場合に上記開閉弁を開く制御手段と、を備える。
ここで、燃料電池内部の湿度とは、電解質膜の水分量を含む燃料電池内部の湿潤状態である。
本発明によれば、上記接続通路によりアノードオフガスが燃料電池のカソード入口へ供給される。これにより、カソードへ供給されたアノードオフガスがカソードの触媒反応により水に転化し透過水量が増すため酸化剤ガス入口付近を湿潤にすることができ、結果として、燃料電池内の電解質膜全体を湿潤に保つことができる。
更に、本発明によれば、燃料電池内部の湿度に応じてアノードオフガスのカソード入口への供給の要否が決定されるため、燃料電池の運転状況に応じて燃料電池内部(電解質膜を含む)の湿潤状態の過不足が変化する場合にも適切に燃料電池スタック内部の湿度調整を行うことができる。
また、上記制御手段は、燃料電池内部の湿度低い程、開閉弁の開度が大きくなるように制御するようにすれば、燃料電池内の湿潤状態を満たすのに必要な量のアノードオフガスがカソード入口に運ばれるため、より適切に燃料電池スタック内部の湿度調整を行うことができる。
また、好ましくは、上記湿度検出手段は、アノードオフガス通路に設置された露点計であり、上記制御手段は上記露点計で検出された露点が所定の閾値よりも低い場合に上記開閉弁を開くように制御する。
また、好ましくは、上記湿度検出手段は、燃料電池を構成する各セルの出力電圧の統計情報を燃料電池内部の湿度を示す情報として出力し、上記制御手段は、当該各セルの出力電圧の統計情報に基づいて、燃料電池内部の湿度が所定の閾値よりも低いと判断する。
このようにすれば、更に、露点計等の燃料電池内の湿度を計測する機器を備えることなく、燃料電池内の湿潤状態が把握されるため、システムの部品の削減及び低コスト化を図ることができる。
また、好ましくは、アノードオフガスの循環路と、当該循環路から上記接続通路へアノードオフガスを送出する送出弁と、上記接続通路に設けられアノードオフガスを排気路に
送出する排気弁と、を更に備えるようにし、上記制御手段は、当該排気弁を開くことにより当該送出弁を通過したアノードオフガスを排出路へ所定の時間送出した後、上記開閉弁を開くように制御する。
このようにすれば、当該循環路により長時間循環されたことによりアノードオフガスの水素以外の成分濃度が高くなっている場合においても、所定の時間排出されることによりアノードオフガスの水素以外の成分を除去し水素濃度が高まったアノードオフガスをカソード入口へ供給することができる。これにより、カソードに供給される酸化剤ガスの酸素濃度が低減することを防ぐことができ、ひいては、燃料電池の発電効率の低下を防ぐことができる。
また、好ましくは、上記循環路に設けられた循環ポンプを更に備えるようにし、上記制御手段は、当該循環ポンプの回転数に基づいて上記アノードオフガスを排出路へ送出する所定の時間を決定する。
このようにすれば、水素以外の成分濃度の高まったアノードオフガスを排出するのに要する時間を適切に決めることができる。
また、好ましくは、上記アノードオフガスの水素濃度を検出する濃度検出手段を更に備えるようにし、上記制御手段は、アノードオフガスの水素濃度が所定の閾値よりも低い場合に上記排気弁を開く。
このようにすれば、アノードオフガスの排出の要否が検出されたアノードオフガスの水素濃度により決定されるため、不必要なアノードオフガスの排出を防ぐことができ、有効にアノードオフガスを利用することができる。
本発明によれば、燃料電池の運転状況に応じて燃料電池内部の水分量を適切に管理する燃料電池システムを提供することができる。
以下、図面を参照して、それぞれ本発明の実施形態における燃料電池システムについて説明する。なお、以下に述べる実施形態の構成は例示であり、本発明は以下の実施形態の構成に限定されない。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態における燃料電池システムについて、以下に説明する。
〔システム構成〕
本発明の第一実施形態における燃料電池システムの構成について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第一実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。本実施形態における燃料電池システムは、固体高分子電解質型燃料電池(以下、単に燃料電池と表記する)スタック10、エアコンプレッサ12、圧力調整弁13、露点計15、気液分離器16、燃料ガス循環ポンプ17、流量調整弁18、排気排水弁21、三方弁22、ECU(Electric Control Unit)25等を備える。
エアコンプレッサ12は、例えばエアフィルタ等を介して大気から取り込まれる空気を酸化剤ガスとして所定量分圧縮して、酸化剤ガス供給用の配管31へ送り出す。なお、本発明は、エアコンプレッサ12から送り出される酸化剤ガスは、このような圧縮空気に限定されるものではない。
流量調整弁18は、燃料ガス供給装置(図示せず)からの燃料ガスを燃料電池スタック10の要求発電量等に応じて所定流量分送り出す。流量調整弁18を通過した燃料ガスは、燃料ガス供給用の配管35を通り燃料電池スタック10へ供給される。燃料ガスとしては、水素ガス又は水素混合ガス等が利用される。
燃料電池スタック10は、図9に示すような固体高分子電解質膜901をアノード902とカソード903とで挟み、更にそれら電極の両側をガス供給路の設けられたセパレータ904及び905で挟むように形成されるセルが所定数積層されたセルスタックにより構成される。また、燃料電池スタック10は、各マニホールドが積層方向にそれぞれ繋がることにより形成される、燃料ガス供給通路、酸化剤ガス供給通路、アノードオフガス供給通路、カソードオフガス供給通路を有している。上記流量調整弁18を通過した燃料ガスは、配管35を通り、燃料電池スタック10の燃料ガス供給通路へ流入し、セパレータのガス供給路940(図10参照)により各セルのアノード902に供給される。一方、エアコンプレッサ12から送り出される酸化剤ガスは、配管31を通り、燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給通路へ流入し、セパレータのガス供給路950(図10参照)により各セルのカソード903に供給される。
燃料電池スタック10は、各セルにおいてこのように供給される燃料ガスと酸化剤ガスとを固体高分子電解質膜を介してそれぞれ反応させることにより発電を行う。各セルのカソードでは、カソードを構成する触媒層において、酸素とプロトンと電子とによる還元反応により水が生成される。そして、アノードオフガスは燃料ガス排出通路を通り、カソードオフガスは酸化剤ガス排出通路を通り、それぞれ燃料電池スタック10から排出される。
圧力調整弁13は、燃料電池スタック10から排出されるカソードオフガスが通る配管32に配置され、配管32内、燃料電池スタック10内の酸化剤ガス及びカソードオフガスの気圧(エアコンプレッサ12の背圧)を調整する。
露点計15は、燃料電池スタック10から排出されるアノードオフガスが通る配管33に配置され、アノードオフガスの露点、すなわちアノードオフガスに含まれる水分量を計測する。アノードオフガスは、随伴水と拡散水とのバランスにより電解質膜を移動する水分を含み燃料電池スタック10から送出されるため、燃料電池スタック10内部の湿度が反映された状態となっている。本実施形態における燃料電池システムは、このアノードオフガスの露点を計測することにより、燃料電池スタック10内の湿度を把握する。
なお、本発明は、この露点計15の設置場所を限定するものではない。露点計15は、アノードオフガスに含まれる水分量を計測できればよいため、燃料電池スタック10内に配置されるようにしてもよい。また、本実施形態ではアノードオフガスに含まれる水分量を計測するために露点計15を利用する例を示したが、露点計15に限定するものではなく、湿度計等、燃料電池スタック10内部の湿度(電解質膜の水分量)が測れるものであればよい。露点計15からの出力信号(計測値)はECU25に送られる。
気液分離器16は、配管33を通るアノードオフガスから液層成分を除去する。気液分離器16は、機器内に取り込まれたアノードオフガスに含まれる水蒸気を壁面等で凝縮させることにより気液分離する。液層成分の除去されたアノードオフガスは、配管34を通り燃料ガス循環ポンプ17方向へ送り出される。
燃料ガス循環ポンプ17は、回転駆動用のモータ等を備え、配管34を通るアノードオフガスを燃料電池スタック10へ再供給するために、当該アノードオフガスを燃料ガス供
給用の配管35へ送り出す。このアノードオフガスは、燃料ガス供給装置(図示せず)から供給され流量調整弁18を通過した燃料ガスとこの配管35により混合され、再度燃料電池スタック10へ供給される。このように、本実施形態における燃料電池システムでは、燃料電池スタック10から排出されたアノードオフガスが再び燃料電池スタック10へ供給されるアノードオフガス循環経路が形成されている。
排気排水弁21は、気液分離器16と配管36との間に設けられている。排気排水弁21は、ECU25により開閉制御され(図示せず)、気液分離器16により液層成分の除去されたアノードオフガスの一部をアノードオフガス循環経路から排出する。
三方弁22は、配管36と排気路39とアノードオフガス供給路37との間に配置される。三方弁22は、排気排水弁21から排出され配管36を通過してきたアノードオフガスが流入する口とそのアノードオフガスを排気路39へ排出する口とそのアノードオフガスをアノードオフガス供給路37へ送る口とを有する。三方弁22は、ECU25により、アノードオフガスの流路制御に利用される。三方弁22としては、流路と共にその流量を調節することができるものであってもよいし、開又は閉で動作するオンオフ弁であってもよい。
三方弁22は、流量も制御可能な場合には、ECU25の制御により、排気路39へ排出されるアノードオフガスの量及びアノードオフガス供給路37へ送り出されるアノードオフガスの量が制御される。
アノードオフガス供給路37は、酸化剤ガス供給用の配管31と接続する。これにより、三方弁22から送出されたアノードオフガスは、アノードオフガス供給路37を通り、配管31でエアコンプレッサ12から送り出される酸化剤ガスと混合される。このアノードオフガスと酸化剤ガスとの混合ガスは燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給通路へ流入し、各セルのカソードへ供給される。カソードへ供給されたアノードオフガスは、カソードの触媒層上で燃焼し水に転化する。このような構造により、外部加湿モジュールを持たない燃料電池システムにおいても、図11に示した従来乾燥しやすい部分であった各セルのカソードの酸化剤ガス入口付近を湿潤に保つことが可能となる。これにより、カソードでアノードオフガスから転化された水は、拡散水として電解質膜を移動しようとするため、アノードの燃料ガス出口付近をも湿潤に保つことができる。
なお、本実施形態では、アノードオフガス供給路37が酸化剤ガス供給用の配管31と接続される例を示したが、本発明では、このアノードオフガスが各セルのカソードの触媒層において酸化剤ガスと燃焼されればよいため、アノードオフガス供給路37がどのように酸化剤ガスの流路と接続されてもよい。
ECU25は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インタフェース等
により構成されており、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することによって、燃料電池スタック内部の湿度制御を行う。この湿度制御では、上述の露点計15からの出力信号に基づき、燃料電池スタック内部の湿度、特に、各セルの乾燥しやすい部分としてカソードの酸化剤ガス入口付近及びアノードの燃料ガス出口付近の湿度が湿潤に保たれるように制御される。ECU25は、この湿度制御において露点計15からの計測露点と所定の下限値とを比較する。この所定の下限値は、予め調整可能にメモリ等に記憶される。このECU25による燃料電池スタック内部の湿度制御については、次の動作例の項において説明する。
〔動作例〕
以下、第一実施形態におけるECU25の燃料電池スタック内部の湿度制御について図
2を用いて説明する。図2は、第一実施形態における燃料電池スタック内部の湿度制御を示すフローチャートである。このECU25による湿度制御が実行する際には、本燃料電池システムは次のように作用している。
流量調整弁18から送り出される燃料ガスが、配管35を通り、燃料電池スタック10内の燃料ガス供給通路に送り込まれ、エアコンプレッサ12から送り出される酸化剤ガスが、配管31を通り、燃料電池スタック10の酸化剤ガス供給通路に送り込まれる。燃料電池スタック10内の各セルでは、供給された燃料ガスと酸化剤ガスとが固体高分子電解質膜を介してそれぞれ反応し発電が行われる。各セルのカソードでは、カソード触媒層による化学反応により水が生成されている。この生成水の量は、各セルのカソード903の酸化剤ガス出口が多く、カソード903の酸化剤ガス入口が少ないという傾向にある。従って、図10及び11のようなセパレータを持つ各セルでは、更に随伴水も伴うため、結果として、カソード903の酸化剤ガス入口付近及びアノード902の燃料ガス出口付近においてそれぞれ水分が不足するという現象が生じる。アノードオフガスは、このような随伴水と拡散水とのバランスにより電解質膜を移動する水分を含み、燃料電池スタック10内のアノードオフガス排出通路から配管33へ送出される。
露点計15は、このようなアノードオフガスの露点を計測している(S201)。露点計15の計測値は、出力信号としてECU25に送られる。
ECU25は、露点計15からの出力信号としてのアノードオフガスの露点計測値が下限値より低いか否か、すなわち、アノードオフガスに含まれる水分量が所定の量よりも少ないか否かを判断する(S202)。ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が下限値より低い場合に(S202;YES)、アノードオフガスがアノードオフガス供給路37へ送り出されるように三方弁22を制御する(S203)。この制御により、アノードオフガスは、アノードオフガス供給路37を通り配管31へ送られ、酸化剤ガスと混合され、燃料電池スタック10内に供給される。
また、三方弁22が流量も制御可能な弁である場合には、アノードオフガスの露点計測値が低くなる程、アノードオフガス供給路37に送られるアノードオフガスの量が大きくなるように三方弁22が制御されるようにすればよい。
一方、ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が下限値以上である場合に(S202;NO)、アノードオフガスが排気路39方向へ排出されるように三方弁22を制御する(S204)。この制御により、アノードオフガスは、燃料電池スタック10のカソード側へ供給されることなく(若しくは供給される量が減らされ)、排出路39へ排出される。
ECU25は、この図2に示す処理フローを繰り返し逐次実行する。ECU25は、この湿度制御を所定の周期で行うようにしてもよいし、逐次実行するようにしてもよい。
〈実施形態の作用及び効果〉
以下、上述した本発明の第一実施形態としての燃料電池システムの作用及び効果について述べる。
第一実施形態としての燃料電池システムは、燃料電池スタック10内部の湿度を適切に保つために、アノードオフガスをカソード入口に戻すアノードオフガス供給路37と共に、アノードオフガスの露点を計測する露点計15及びアノードオフガスの流路を排気路39方向か又はアノードオフガス供給路37方向かに切り替える三方弁22を備えている。
このような構成により、露点計15によりアノードオフガスの露点が計測され、このアノードオフガスの露点に基づいてアノードオフガスに含まれる水分量が所定量よりも低いと判断された際に、このアノードオフガス供給路37によりアノードオフガスがカソード入口へ供給される。逆に、アノードオフガスに含まれる水分量が所定量よりも多いと判断された場合には、アノードオフガスはカソード入口へ供給されず、排出路39へ排出される。
このように第一実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック内部の湿度を把握するために、アノードオフガスの露点、すなわちアノードオフガスに含まれる水分量が計測される。その計測結果に基づいてその水分量が少ないと判断された場合に、アノードオフガスがカソード入口に供給される。その結果、カソードへ供給されたアノードオフガスがカソードの触媒反応により水に転化し透過水量も増すため、各セルの電解質膜全体を湿潤に保つことができる。
これにより、本実施形態によれば、各セルにおけるカソードの酸化剤ガス入口及びアノードの燃料ガス出口ではそれぞれ水分が不足しやすいという問題点を、外部加湿モジュールを備えることなく解消することができる。
更に、燃料電池スタック10内の湿度に応じてアノードオフガスのカソード入口への供給の要否が決定されるため、燃料電池の運転状況に応じて電解質膜の湿潤状態の過不足が変化する場合にも適切に燃料電池スタック10内部の湿度調整を管理することができる。
[第二実施形態]
本発明の第二実施形態における燃料電池システムについて以下に説明する。先に説明した第一実施形態における燃料電池システムは、露点計15によりアノードオフガスの露点を計測し、その露点計測値に応じて、カソード入口へのアノードオフガスの供給を制御することにより、燃料電池スタック内部の湿度を適切に管理していた。第二実施形態における燃料電池システムは、各セルの出力電力を測定しその結果によりカソード入口へのアノードオフガスの供給を制御するようにしたものである。
〔システム構成〕
本発明の第二実施形態における燃料電池システムの構成について図3を用いて説明する。図3は、本発明の第二実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。第二実施形態における燃料電池システムは、第一実施形態における露点計15を省き、各セルの出力電圧を計測するセルモニタ41からの出力を利用する。それ以外の各機能部については第一実施形態と同様である。以下には、第一実施形態と相違する機能部としてセルモニタ41及びECU25についてのみ説明する。
セルモニタ41は、燃料電池スタック10の発電量等を計測するために、一般的な燃料電池システムにおいて備えられている。第二実施形態では、このセルモニタ41により測定されている各セルの出力電圧値を利用する。セルモニタ41は、CPU、メモリ、入出力インタフェース等により構成されており、各セルの出力電圧を入力して各セルの出力電圧値を測定している。第二実施形態では、この測定結果としての各セルの出力電圧値を燃料電池スタック10の湿度制御を行うECU25に送る。
燃料電池スタック10内の各セルでは、燃料ガスと酸化剤ガスとが固体高分子電解質膜を介してそれぞれ反応し発電が行われており、通常、要求発電量に応じていずれのセルにおいても略一定の電圧が出力されている。しかしながら、燃料電池スタック10内が乾燥し始めると、複数のセルからの出力電圧が徐々に低下してくる。第二実施形態における燃料電池システムでは、この現象を検知することにより、燃料電池スタック10内の湿度を
把握する。
具体的には、ECU25は、各セルの出力電圧情報に基づいて、最大出力電圧と最小出力電圧との差が所定の下限値よりも大きく、各セルの出力電圧の差がそれぞれ所定の上限値よりも小さくなっていることを検出する。ECU25は、このような現象を検出すると、燃料電池スタック10内が乾燥し始めていると判断する。このような判断内容としたのは、各セルの出力電圧が低下するその他の現象と区別するためである。例えばアノードに供給される燃料ガスの水素濃度が低下した場合には、そのセルの出力電圧は急激に低下する。また、電解質膜の水分が多くなり過ぎている場合には、そのような現象が発生しているセルのみにおいて出力電圧が徐々に低下し始めその後急激に低下する。最大出力電圧と最小出力電圧との差及び各セルの出力電力差を確認することにより、このような現象を検出対象として除外することができる。
ECU25は、このような手法により燃料電池スタック10内が乾燥し始めていると判断すると、第一実施形態と同様に、燃料電池スタック内部の湿度、特に、各セルの乾燥しやすい部分としてカソードの酸化剤ガス入口付近及びアノードの燃料ガス出口付近の湿度が湿潤に保たれるように制御する。上記所定の下限値及び所定の上限値は、予め調整可能にメモリ等に記憶される。この第二実施形態におけるECU25による燃料電池スタック内部の湿度制御については、次の動作例の項において説明する。
〔動作例〕
以下、第二実施形態におけるECU25の燃料電池スタック内部の湿度制御について図4を用いて説明する。図4は、第二実施形態における燃料電池スタック内部の湿度制御を示すフローチャートである。このECU25による湿度制御が実行される際の本燃料電池システムの作用は第一実施形態と同様であるため説明を省略する。
燃料電池スタック10内の各セルの出力電圧がセルモニタ41により計測されている(S401)。この各セルの出力電圧情報はそれぞれECU25に送られる。
ECU25は、セルモニタ41からの出力信号としての各セルの出力電圧情報を受け、最大出力電圧と最小出力電圧との差が所定の下限値よりも大きく、各セルの出力電圧の差がそれぞれ所定の上限値よりも小さくなっているか否かを判断する(S402)。ECU25は、このような条件を満たす場合に(S402;YES)、燃料電池スタック内が乾燥し始めていると判断し、アノードオフガスがアノードオフガス供給路37へ送り出されるように三方弁22を制御する(S403)。
一方、ECU25は、最大出力電圧と最小出力電圧との差が所定の下限値以下であるか又は各セルの出力電圧の差がそれぞれ所定の上限値以上である場合に(S402;NO)、燃料電池スタック内が湿潤状態が保たれていると判断し、アノードオフガスが排気路39方向へ排出されるように三方弁22を制御する(S404)。
ECU25は、この図4に示す処理フローを繰り返し逐次実行する。ECU25は、この湿度制御を所定の周期で行うようにしてもよいし、逐次実行するようにしてもよい。
〈実施形態の作用及び効果〉
以下、上述した本発明の第二実施形態としての燃料電池システムの作用及び効果について述べる。
第二実施形態としての燃料電池システムは、燃料電池スタック10内部の湿度を適切に保つために、第一実施形態における露点計15を省き、一般的な燃料電池システムにおい
え備えられているセルモニタ41により計測されている各セルの出力電圧を利用する。すなわち、第二実施形態における燃料電池システムでは、セルモニタ41により計測されている各セルの出力電圧をECU25に入力し、ECU25がこの各セルの出力電圧情報に基づいて、燃料電池スタック10内の湿潤状態を把握する。
これにより、第二実施形態によれば、第一実施形態における利点に加えて、更に、露点計15等の燃料電池スタック内の湿度を計測する機器を備えることなく、燃料電池スタック10内の湿潤状態が把握されるため、システムの部品の削減及び低コスト化を図ることができるという利点がある。
[第三実施形態]
本発明の第三実施形態における燃料電池システムについて以下に説明する。先に説明した第一実施形態及び第二実施形態における燃料電池システムは、露点計15により計測されたアノードオフガスの露点若しくは各セルの出力電力の関係に基づいて燃料電池スタック10内の湿度が把握され、乾燥し始めていると判断された場合に、カソード入口へアノードオフガスが供給されるように三方弁22を制御していた。第三実施形態における燃料電池システムは、カソード入口へアノードオフガスを供給する前に所定の時間アノードオフガスを排気することにより、アノードオフガスに含まれる窒素等の水素以外の成分を低減させるように制御するものである。
〔システム構成〕
本発明の第三実施形態における燃料電池システムの構成について図5を用いて説明する。図5は、本発明の第三実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。第三実施形態における燃料電池システムは、第一実施形態及び第二実施形態のいずれの構成を採用してもよく、燃料ガス循環ポンプ17に備えられるモータの回転数に関する情報をECU25に入力させるように構成されていればよい。図5には第一実施形態の機能構成を採る場合の例が示されている。以下には、第一実施形態及び第二実施形態と相違する機能部としてECU25について図5の構成例に基づいて説明する。
ECU25は、露点計15からのアノードオフガスの露点計測値と共に燃料ガス循環ポンプ17からモータの回転数に関する情報を取得する。ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が所定の下限値よりも低いと判断した場合には、燃料ガス循環ポンプ17からのモータの回転数に関する情報に基づいて所定の時間アノードオフガスを排出路39へ排出するように三方弁22を制御しアノードオフガスに含まれる水素濃度を高めた後、アノードオフガスをカソード入口(アノードオフガス供給路37)へ送り出すように三方弁22を制御する。アノードオフガスに含まれる水素濃度が低い場合すなわちアノードオフガスに含まれる水素以外の成分濃度が高い場合に、そのままアノードオフガスを酸化剤ガスと混合させると、酸化剤ガスの酸素濃度が低下し、燃料電池スタック10の発電効率が低下してしまうからである。
アノードオフガスには、発電に利用されなかった残留水素の他、カソードからアノード側に漏れてくる酸化剤ガス(圧縮空気)中の窒素 、水蒸気などが含まれる。窒素及び水
蒸気は発電時に消費されないため、アノードオフガスをアノードオフガス循環経路により長時間に渡って循環させ続けると、これらの成分濃度が高くなる場合がある。
ECU25は、燃料ガス循環ポンプ17のモータの回転数及びアノードオフガス循環経路の容積(循環され得るアノードオフガスの最大量)に基づいて、アノードオフガスを排出する時間を算出する。この場合、ECU25は、このアノードオフガス循環経路の容積について予めメモリ等に保持するようにする。また、ECU25は、燃料ガス循環ポンプ17のモータの回転数とアノードオフガスの排出時間との対応表を予めメモリ等に調整可
能に保持するようにし、この対応表を参照することによりアノードオフガスの排出時間を決定するようにしてもよい。
ECU25は、アノードオフガスをアノードオフガス供給路37へ送り出すように三方弁22を制御する前に、このように決定された排出時間でアノードオフガスを排出路39へ排出するように三方弁22を制御する。これにより、水素以外の成分濃度の高いアノードオフガスが排出路39方向へ排出されるため、以降、三方弁22へ流入するアノードオフガスの水素濃度は高くなる。従って、その後、アノードオフガスをカソード入口へ送出し、酸化剤ガスと混合させたとしても、水素以外の成分により酸素濃度が低下することは少ないため、燃料電池スタック10の発電効率の低下を防ぐことができる。
その他、アノードオフガスに含まれる水素濃度が高過ぎる場合にも水に転化する際に酸化剤ガスに含まれる酸素が多く消費されてしまうため、カソードへ供給される酸化剤ガスの酸素濃度が低下し、燃料電池スタック10の発電効率が低下する恐れがある。従って、ECU25は、露点計15からのアノードオフガスの露点計測値に基づいて、適量のアノードオフガスがカソード入口へ送り込まれるように制御するようにしてもよい。これには、ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が所定の値より高くなり湿潤になったと判断するとすぐにアノードオフガスがカソード入口へ送られないように三方弁22を閉めるように制御したり、アノードオフガスの露点計測値の低下度合に応じて三方弁22を開ける時間を決めておきその決められた時間の間、アノードオフガスがカソード入口へ送り込まれるように三方弁22を制御する。
〔動作例〕
以下、第三実施形態におけるECU25のアノードオフガス供給制御について図6を用いて説明する。図6は、第三実施形態におけるアノードオフガス供給制御を示すフローチャートである。このECU25による制御が実行される際の本燃料電池システムの作用は、第一実施形態及び第二実施形態と同様である。
燃料電池スタック10から排出されたアノードオフガスは、燃料ガス循環ポンプ17内のモータの回転数に応じた量及び圧力でアノードオフガス循環経路を通り、燃料ガス供給装置(図示せず)から供給され流量調整弁18を通過した燃料ガスと配管35により混合され、再度燃料電池スタック10へ供給されている。そして、このアノードオフガスが長い時間に渡り循環され続けると、それに含まれる水素以外の成分濃度が高まり、水素濃度が低下していく。
露点計15は、このようなアノードオフガスの露点を計測している(S601)。露点計15の計測値は、出力信号としてECU25に送られる。
ECU25は、露点計15からの出力信号としてのアノードオフガスの露点計測値が下限値より低いか否かを判断する(S602)。ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が下限値より低い場合に(S602;YES)、所定の時間、アノードオフガスが排気路39方向へ排出されるように三方弁22を制御する(S603)。このとき、ECU25は、燃料ガス循環ポンプ17からモータの回転数に関する情報を取得し、この情報に基づいてアノードオフガスの排出時間を決定する。この制御により、水素濃度の低下したアノードオフガスは排気路39方向へ排出され、水素濃度の高いアノードオフガスが三方弁22に流入する。
ECU25は、上記排出時間経過後、アノードオフガスがアノードオフガス供給路37へ送り出されるように三方弁22を制御する(S604)。この制御により、水素濃度の高いアノードオフガスが酸化剤ガスと混合され、燃料電池スタック10内に供給される。
一方、ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が下限値以上である場合に(S602;NO)、アノードオフガスが排気路39方向へ排出されるように三方弁22を制御する(S604)。この制御により、アノードオフガスは、燃料電池スタック10のカソード側へ供給されることなく(若しくは供給される量が減らされ)、排出路39へ排出される。ECU25は、この図6に示す処理フローを繰り返し逐次実行する。
〈実施形態の作用及び効果〉
以下、上述した本発明の第三実施形態としての燃料電池システムの作用及び効果について述べる。
第三実施形態としての燃料電池システムは、第一実施形態及び第二実施形態における燃料電池スタック10内部の湿度制御に加えて、カソード入口へ供給するアノードオフガスに含まれる水素以外の成分濃度の低減処理を行う。
この処理では、燃料ガス循環経路に設けられた燃料ガス循環ポンプ17のモータ回転数に関する情報に基づいてアノードオフガスの排出時間が決定される。続いて、この排出時間中、水素以外の成分濃度の高いアノードオフガスが排気路39へ排出された後、水素濃度の高いアノードオフガスがカソード入口へ供給されるように制御される。
これにより、第三実施形態によれば、第一実施形態及び第二実施形態における利点に加えて、更に、アノードオフガスをカソード入口へ供給することによる弊害としての酸化剤ガスの酸素濃度の低減を防ぐことができる。
[第四実施形態]
本発明の第四実施形態における燃料電池システムについて以下に説明する。先に説明した第三実施形態における燃料電池システムは、カソード入口へアノードオフガスを供給する前に燃料ガス循環ポンプ17の回転数に応じた時間中アノードオフガスを排気することにより、アノードオフガスに含まれる窒素等の水素以外の成分を低減させるというものであった。第四実施形態における燃料電池システムは、アノードオフガスのカソード入口供給前の排出の要否をそれの水素濃度に応じて決定するというものである。
〔システム構成〕
本発明の第四実施形態における燃料電池システムの構成について図7を用いて説明する。図7は、本発明の第四実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。第四実施形態における燃料電池システムは、第三実施形態の機能構成に加えて、アノードオフガス循環経路に水素センサ71を備える。以下には、第三実施形態と相違する機能部として水素センサ71及びECU25について図7の構成例に基づいて説明する。
水素センサ71は、例えば熱電式水素センサである。この場合には、水素センサ71は、表面に白金等の触媒を設けた検出素子を備え、水素が当該触媒に接触した際の発熱により生じた温度差を熱電変換膜等で電圧信号に変換し出力する。この水素センサ71から出力される電圧信号は、ECU25へ送られる。なお、本発明は、水素センサ71の実現手法を限定するものではないため、熱電式以外の他の方式により実現されるものであってもよい。
ECU25は、水素センサ71からの電圧信号に基づいてアノードオフガスの水素濃度を検出する。ECU25は、この検出された水素濃度が所定の下限値より低いと判断した場合に、アノードオフガスのカソード入口供給前の排出を決定する。ECU25のそれ以外の処理については、上述の第三実施形態と同様である。
〔動作例〕
以下、第四実施形態におけるECU25のアノードオフガス供給制御について図8を用いて説明する。図8は、第四実施形態におけるアノードオフガス供給制御を示すフローチャートである。このECU25による制御が実行される際の本燃料電池システムの作用は、第三実施形態と同様である。
露点計15は、アノードオフガスの露点を計測している(S801)。露点計15の計測値は、出力信号としてECU25に送られる。
ECU25は、露点計15からの出力信号としてのアノードオフガスの露点計測値が下限値より低いか否かを判断する(S802)。ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が下限値より低い場合に(S802;YES)、更に、水素センサ71からの電圧信号に基づいて検出されたアノードオフガスの水素濃度が所定の下限値より低いか否かを判断する(S803)。
ECU25は、アノードオフガスの水素濃度が所定の下限値より低い場合に(S803;YES)、排出時間中、アノードオフガスが排気路39方向へ排出されるように三方弁22を制御する(S804)。ECU25は、上記排出時間経過後、水素濃度の高いアノードオフガスがアノードオフガス供給路37へ送り出されるように三方弁22を制御する(S805)。この制御により、水素濃度の高いアノードオフガスが酸化剤ガスと混合され、燃料電池スタック10内に供給される。
一方、ECU25は、アノードオフガスの水素濃度が所定の下限値より高い場合には(S803;NO)、アノードオフガスの排出を行うことなく、アノードオフガスがアノードオフガス供給路37へ送り出されるように三方弁22を制御する(S805)。これは、アノードオフガスに含まれる水素以外の成分濃度が高くないため、各セルのカソードに供給される酸化剤ガスの酸素濃度が低下するおそれが少ないからである。
また、ECU25は、アノードオフガスの露点計測値が下限値以上である場合に(S802;NO)、アノードオフガスが排気路39方向へ排出されるように三方弁22を制御する(S806)。この制御により、アノードオフガスは、燃料電池スタック10のカソード側へ供給されることなく(若しくは供給される量が減らされ)、排出路39へ排出される。ECU25は、この図8に示す処理フローを繰り返し逐次実行する。
〈実施形態の作用及び効果〉
以下、上述した本発明の第四実施形態としての燃料電池システムの作用及び効果について述べる。
第四実施形態としての燃料電池システムは、第三実施形態におけるカソード入口へ供給するアノードオフガスに含まれる水素以外の成分濃度の低減処理の要否をアノードオフガスの水素濃度に応じて決定する。すなわち、アノードオフガスに含まれる水素以外の成分濃度が所定濃度より高い場合にのみ、アノードオフガスの排出を行う。
これにより、第四実施形態によれば、第三実施形態における利点に加えて、更に、アノードオフガスの排出の要否が実際に検出されたアノードオフガスの水素濃度により決定されるため、不必要な排出を防ぐことができ、有効にアノードオフガスを利用することができる。
本発明の第一実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。 第一実施形態における燃料電池スタック内部の湿度制御を示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。 第二実施形態における燃料電池スタック内部の湿度制御を示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。 第三実施形態におけるアノードオフガス供給制御を示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態としての燃料電池システムの構成例を示す図である。 第四実施形態におけるアノードオフガス供給制御を示すフローチャートである。 固体高分子電解質型燃料電池(PEFC)の単セルの構成例を示す斜視図である。 セパレータを正面から見た場合のガス供給路の構成例を示す図である。 カウンターフロー型のセパレータを備える単セルの部分断面図である。
符号の説明
10 固体高分子電解質型燃料電池スタック
12 エアコンプレッサ
15 露点計
16 気液分離器
17 燃料ガス循環ポンプ
18 流量調整弁
21 排気排水弁
22 三方弁
25 ECU(Electric Control Unit)
31、32、33、34、35、36、37、39 配管
41 セルモニタ
71 水素センサ

Claims (6)

  1. アノードオフガスを燃料電池のカソード入口へ送る接続通路と、
    前記接続通路に設けられた開閉弁と、
    前記燃料電池内部の湿度を検出する湿度検出手段と、
    前記湿度検出手段により検出された湿度が所定の閾値よりも低い場合に、前記開閉弁を開く制御手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記湿度検出手段は、アノードオフガス通路に設置された露点計であり、
    前記制御手段は、前記露点計で検出された露点が所定の閾値よりも低い場合に、前記開閉弁を開く、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記湿度検出手段は、前記燃料電池を構成する各セルの出力電圧の統計情報を前記燃料電池内部の湿度を示す情報として出力し、
    前記制御手段は、前記各セルの出力電圧の統計情報に基づいて、前記燃料電池内部の湿度が所定の閾値よりも低いと判断することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記アノードオフガスの循環路と、
    前記循環路から前記接続通路へアノードオフガスを送出する送出弁と、
    前記接続通路に設けられ前記アノードオフガスを排気路に送出する排気弁と、
    を更に備え、
    前記制御手段は、前記排気弁を開くことにより前記送出弁を通過したアノードオフガスを排出路へ所定の時間送出した後、前記開閉弁を開く、
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の燃料電池システム。
  5. 前記循環路に設けられた循環ポンプを更に備え、
    前記制御手段は、前記循環ポンプの回転数に基づいて前記所定の時間を決定する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記アノードオフガスの水素濃度を検出する濃度検出手段を更に備え、
    前記制御手段は、前記アノードオフガスの水素濃度が所定の閾値よりも低い場合に前記排気弁を開く、
    ことを特徴とする請求項4又は5に記載の燃料電池システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011113774A (ja) * 2009-11-26 2011-06-09 Toyota Motor Corp 燃料電池システム及びその制御方法

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