JP2009245818A - 燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水素流路と空気流路とを有すると共に、水素流路と空気流路との境に電解質膜を有する燃料電池スタック10と、空気流路の一方に連通して設けられた第1マニホールド75と、空気流路の他方に連通して設けられた第2マニホールド77と、大気を空気流路に取り込み気流を生じさせると共に、気流の方向を変えるファン71とを備えたものである。
【選択図】 図1
Description
一方、固体高分子型燃料電池を効率よく発電させるためには、加湿器等を用いて電解質膜を十分に湿潤させる必要がある。
無加湿で発電する場合、導入空気は気化した生成水を取り込み水蒸気圧が増大する。空気入り口側の方が出口側より生成水を取り込むことが可能となる。よって、空気入り口側の電解質膜がより乾燥し、発電分布が生じ性能が低下する。乾燥空気で運転した場合、生成水は気化し、空気中に取り込まれる。気化できる量は入り口側が多く、出口側が少ない。導入空気により、入り口の生成水が気化し易く、電解質膜が乾燥する。気化不可能な水は、空気極流路側に排出又は、水素極側へ移動する。このため、電解質膜の湿潤が一様でないため、燃料電池の性能低下をもたらすという課題があった。
水素流路と空気流路とを有すると共に、前記水素流路と前記空気流路との境に電解質膜を有する燃料電池を複数連接してなるスタックと、
前記スタックを構成する燃料電池の各空気流路の一方に連通して設けられた第1マニホールドと、
前記各空気流路の他方に連通して設けられた第2マニホールドと、
大気を常圧で前記第1マニホールドへ取込み、前記空気流路を流通させて前記第2マニホールドから排出する気流発生手段と、
前記気流発生手段で発生される気流の流れを切り替えて、大気を常圧で前記第2マニホールドへ取込み、前記空気流路を流通させて前記第1マニホールドから排出する気流切り替え手段と、
前記第1マニホールドの内部に設けられると共に、湿度を検出して第1検出信号を発生する第1湿度検出手段と、
前記第2マニホールドの内部に設けられると共に、湿度を検出して第2検出信号を発生する第2湿度検出手段と、
前記第1検出信号及び前記第2検出信号に基づいて前記気流切り替え手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池装置。
一方、空気流路が導入される側から排出される側に向かって電解質膜に生じる液体が乾燥し易くなる。これに対し、気流切り替え手段によりこの導入側と排出側とを切り替えることにより燃料電池スタック内の空気流路側の電解質膜の湿潤をほぼ一様することができる。したがって、燃料電池の性能低下が大幅に軽減される。
また、気流切り替え手段により気流の方向を変えるタイミングは燃料電池スタックの特性に応じて任意に設定可能なものである。例えば、一定時間毎に切り替えることができる。
更には、第1及び第2マニホールド内の湿度を検出して制御手段が気流発生手段を制御して気流の方向を変えるので、より円滑な燃料電池スタック内の水分制御ができる。
第1の局面で規定の燃料電池装置において、前記気流発生手段は、羽根を有するファンから成り、
前記気流切り替え手段は前記羽根の回転方向を変えることにより前記気流の方向を切り替える。
また、この発明の第3の局面は次のように規定される。即ち、第1の局面で規定の燃料電池装置において、前記気流発生手段は、羽根を有するファンから成り、
前記気流切り替え手段は前記羽根の向きを変えることにより前記気流の方向を変更する。
このように規定される第2又は第3の局面の燃料電池装置によれば、簡易に空気流路の気流の流れを変更できるので、安価な燃料電池装置の提供が可能となる。
第1〜第3のいずれかの局面で規定の燃料電池装置において、水素ガスを前記水素流路に流すと共に、前記水素ガスの流れる方向を切り替える水素流切り替え手段を備え、前記気流切り替え手段及前記水素流切り替え手段を用いて前記空気流路に流れる前記気流と、前記水素流路に流れる前記水素ガスとの向きを反対にする。
このように規定される第4の局面の燃料電池装置によれば、空気流路に流れる空気流と水素流路に流れる水素ガス流とが互い違いになる。従って、比較的乾燥環境にある空気流路入口側と比較的湿潤環境になる水素流路出口側とが対向し、かつ比較的湿潤環境にある空気流路出口側と比較的乾燥環境にある水素流路入口側とが対向するので、燃料電池の電解質膜の湿潤状態が均一に保たれる。よって、燃料電池の出力が安定する。
しかしながらこの発明では、気流の方向を切り替えて第2マニホールドから大気を取り込むことがあるので、当該気流の流れ方向が生じているときにも、燃料電池内に塵芥が入り込むことを防止しなければならない。
そこで、第1マニホールドと第2マニホールドの各開口部へフィルタを配設することが好ましい。
本発明の一実施の形態を図1によって説明する。図1は本発明の実施例の燃料電池装置の全体構成を説明し、続いて各要素を詳細に説明する。図1に示すように、燃料電池装置は、燃料電池スタック10、燃料供給系30、空気供給系70、第1制御部100から大略構成される。
一方、図2(b)に示すように、空気を空気流路16bに下から上へ流すと、MEA15の空気流路16b側が一点鎖線のように下から上に行くにしたがい水分が増加する。水素ガスを水素流路17bに空気とは逆に上から下に流すと、MEA15の水素流路17b側が一点鎖線のように上から下に行くにしたがい水分が増加する。
このように、空気と水素ガスとが流れる方向を反対にするのは、空気流路16bの最も湿度が高くなる空気の出口付近と対向する側から、乾燥している水素ガスを流して空気極から逆拡散水を水素極に引き込み、水素側入口の乾燥を防ぐためである。
第1切り替え弁39は、切り替え弁制御部60からの第1通路信号により第1通路41を選択して水素供給路33と連通し、第2通路42を遮断すると共に、切り替え弁制御部60からの第2通路信号により第2通路42を選択し水素供給路33と連通し、第1通路41を遮断する。第2切り替え弁51は、第1切り替え弁39と同期して動作する。
これにより、第1通路41が選択されると、図3(a)に示す矢印のように主水素流路17m、水素流路17bに水素ガスを流し、第2通路42が選択されると、図3(a)に示す矢印と逆の方向に水素ガスを流すように形成されている。
ファン71が正回転の場合、実線の矢印A1のように吸い込んだ空気を、第1フィルター73を介して第1空気マニホールド75から燃料電池スタック10の空気流路16bに供給して、燃料電池スタック10から排出された空気を第2マニホールド77と第2フィルター79とを介して実線の矢印A1のように排出する。さらに、ファン71が逆回転の場合、点線の矢印A2のように吸い込んだ気流を、第2フィルター79を介して第2空気マニホールド77から燃料電池スタック10の空気流路16bに供給して、燃料電池スタック10から排出された空気を第1マニホールド75と第1フィルター73とを介して点線の矢印A2のように排出する。
なお、気流発生手段は、ファン71と回転方向制御部80とから成っている。
同時に時間t0で、第1制御部100からの切り替え弁制御部60に第1指令信号を与えると、切り替え弁制御部60からの第1通路信号により第1及び第2切り替え弁39,51は、第1通路41を選択し、水素供給路33及び水素排気路50と連通して第2通路42を遮断する。これにより、図2(a)に示すように、水素ガスを水素流路17bに空気とは逆に下から上へ時間t1まで流す。
同時に時間t1で、切り替え弁制御部60に第2指令信号を与えると、切り替え弁制御部60からの第2通路信号により第1及び第2切り替え弁39,51は、第2通路42を選択し、水素供給路33及び水素排気路50と連通して第1通路41を遮断する。これにより、図2(b)に示すように水素ガスを水素流路17bに空気とは逆に上から上へ時間t2まで流す。
なお、ファン71のモータを回転してファン71から気流を吸い込んだり、排出したりしたが、ファン71の羽根の向きを変えてファン71から気流を吸い込んだり、排出したりしても良い。
本発明の他の実施の形態を図6によって説明する。図6中、図1と同一符号は同一部分を示し、説明を省略する。図6において、燃料電池装置は、第1マニホールド75の内部に設けられると共に、湿度を検出して第1検出信号を発生する第1湿度検出器201と、第2マニホールド77の内部に設けられると共に、湿度を検出して第2検出信号を発生する第2湿度検出器203とを備えている。
すなわち、Δeが上限範囲以下では、図6に示す実線の矢印A1から大気を吸い込んで気流を生じ、第1フィルター73を介して第1空気マニホールド75から燃料電池スタック10の空気流路16bに供給して、燃料電池スタック10から排出された空気を第2マニホールド77と第2フィルター79とを介して実線の矢印A1のように排出する。
同時に、切り替え弁制御部60からの第1通路信号により第1及び第2切り替え弁39,51は、第1通路41を選択し、水素供給路33及び水素排気路50と連通して第2通路42を遮断する。これにより、図2(a)に示すように、空気を空気流路16bに上から下へ流して水素ガスを水素流路17bに空気とは逆に下から上へ流す。これにより、燃料電池スタック10のMEA15の水分をほぼ、均一にする。
同時に、切り替え弁制御部60に制御指令を与えると、切り替え弁制御部60からの第2通路信号により第1及び第2切り替え弁39,51は、第2通路42を選択し、水素供給路33及び水素排気路50と連通して第1通路41を遮断する。これにより、図2(b)に示すように、空気を下から上へ流して水素ガスを空気とは逆に上から下へ流す。
これにより、図2(b)に示すように、空気を空気流路16bに上から下へ流して水素ガスを水素流路17bに空気とは逆に下から上へ流す。したがって、燃料電池スタック10のMEA15の水分をほぼ、均一にする。
このような燃料電池装置によれば、図7に示すように点線で示す従来例に比較して経時変化に伴う出力低下を抑制できる。
Claims (4)
- 水素流路と空気流路とを有すると共に、前記水素流路と前記空気流路との境に電解質膜を有する燃料電池を複数連接してなるスタックと、
前記スタックを構成する燃料電池の各空気流路の一方に連通して設けられた第1マニホールドと、
前記各空気流路の他方に連通して設けられた第2マニホールドと、
大気を常圧で前記第1マニホールドへ取込み、前記空気流路を流通させて前記第2マニホールドから排出する気流発生手段と、
前記気流発生手段で発生される気流の流れを切り替えて、大気を常圧で前記第2マニホールドへ取込み、前記空気流路を流通させて前記第1マニホールドから排出する気流切り替え手段と、
前記第1マニホールドの内部に設けられると共に、湿度を検出して第1検出信号を発生する第1湿度検出手段と、
前記第2マニホールドの内部に設けられると共に、湿度を検出して第2検出信号を発生する第2湿度検出手段と、
前記第1検出信号及び前記第2検出信号に基づいて前記気流切り替え手段を制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする燃料電池装置。 - 前記気流発生手段は、羽根を有するファンから成り、
前記気流切り替え手段は前記羽根の回転方向を変えることにより前記気流の方向を切り替える、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。 - 前記気流発生手段は、羽根を有するファンから成り、
前記気流切り替え手段は前記羽根の向きを変えることにより前記気流の方向を変更する、
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池装置。 - 水素ガスを前記水素流路に流すと共に、前記水素ガスの流れる方向を切り替える水素流切り替え手段を備え、前記気流切り替え手段及前記水素流切り替え手段を用いて前記空気流路に流れる前記気流と、前記水素流路に流れる前記水素ガスとの向きを反対にする、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池装置。
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2008
- 2008-03-31 JP JP2008092405A patent/JP2009245818A/ja active Pending
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