JP2005174649A - 燃料電池の加湿装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池を長期間停止していた場合、湿度交換型熱交換器の多孔質隔膜が乾燥し、その状態で燃料電池を起動すると湿度交換隔膜が正常に機能せず、クロスリークが生じて加湿効果および燃料電池の運転効率を低下させるという不具合が生じる。
【解決手段】多孔質隔膜20の湿潤状態を除湿部18でのガスリーク量に基づいて判定し、多孔質隔膜が低湿潤状態であるときには湿潤状態が上昇するように水ポンプ24により多孔質隔膜に水分を供給して適度な湿潤状態に管理する。
【選択図】図2

Description

本発明は燃料電池装置に関し、特に固体高分子型燃料電池システムに好適な加湿装置の改良に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子材からなる電解質膜を挟んで配置された燃料極と空気極とを備え、燃料極に水素を含む燃料ガスを、酸素極に酸素を含む空気(酸化剤ガス)をそれぞれ供給して両電極間に起電力を発生させる。固体高分子型燃料電池では、電解質内のプロトン伝導抵抗を減らすために電解質を水で濡れた状態にしておく必要があり、燃料ガスと空気とはそれぞれ水蒸気飽和状態に近い状態で供給され、燃料電池内で生じた水とあわせて水蒸気飽和状態で排出される。
一方、燃料電池システムを運転するには改質部や燃料電池に水を供給する必要があり、その水供給源として燃料電池から排出される水蒸気飽和ガス中の水分を回収する装置がいくつか提案されており、その一つに特許文献1に示したようなものがある。これは燃料電池排気ガス中の水蒸気を湿度交換型熱交換器を用いて回収し、燃料電池に供給する空気の加湿に用いるようにしたものである。湿度交換型熱交換器は多孔板、中空糸膜などからなる隔膜に燃料電池からの水蒸気飽和空気と乾燥供給空気を導き、それぞれのガスの水蒸気分圧差を駆動力として供給空気を加湿する。
特開2000-156236号公報
しかし、燃料電池システムを長期間停止していた場合など、前記隔膜が乾燥している状態下で燃料電池システムを再起動すると、湿度交換隔膜が正常に機能せず、燃料電池の排出ガスまたは供給空気が湿度交換隔膜を透過して他方側に漏れ出す現象(「クロスリーク」という。)を起こし、加湿効果および燃料電池の運転効率を低下させるという不具合が生じる。
本発明は、第1には湿度交換隔膜の湿潤状態に基づき、湿度交換隔膜が低湿潤状態であるときには湿潤状態が上昇するように水供給等により湿潤状態を調整する手段を制御する。
本発明は、第2には湿度交換隔膜の湿潤状態に基づき、湿度交換隔膜が低湿潤状態であるときには除湿側と加湿側の圧力差が小さくなるように圧力制御弁等からなる圧力調整手段を介して除湿ガスおよび/または加湿ガスの圧力を制御する。
本発明によれば、湿度交換型熱交換器の湿度交換隔膜の状態を適切に維持して、クロスリークによる性能低下を回避し、燃料電池を常に効率よく運転させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。図1に第1の実施形態に係る燃料電池のシステム構成を示す。
図中、1は改質器7に供給する水を蓄える水タンク、2はガソリンやメタノールなどの改質原燃料を蓄える燃料タンク、3は前記燃料タンク2から蒸発器6および起動用燃焼器4に液体改質原燃料を供給する燃料ポンプである。前記起動用燃焼器4は燃料電池のシステム起動時に高温ガスを発生させ改質器7およびCO除去部8に供給することで、改質器内部の触媒を活性温度まで昇温する。前記蒸発器6は熱源として排水素燃焼器11から排気される熱を用いることで液体改質原燃料および水を蒸発させる。前記排水素燃焼器11は系外に水素を排出しないために燃料電池で消費しない水素を含むアノード排ガスを燃焼させる。
5は前記水タンク1から前記蒸発器6へ水を圧送する水ポンプ、7は供給される燃料蒸気、水蒸気および空気から水素リッチな改質ガスを生成する改質器、8は前記改質ガス中に含まれるCOを燃料電池内部の触媒を破損しない濃度まで低減させるCO除去部、9は水素リッチ改質ガスをカソード電極、空気をアノード電極に供給し、電極反応を行わせ両電極間に起電力を発生させる燃料電池スタックである。
10はシステムの排圧または流量を調整する圧力制御弁、12は湿度交換型熱交換器15の下流に設置され、起動用燃焼器4、改質器7、CO除去器8、燃料電池9および湿度交換型熱交換器15に空気を供給する空気供給源としてのブロワ、13と14は前記熱交換器15へ供給される水蒸気飽和ガスの温度と流量を計測する流量計と温度センサである。湿度交換型熱交換器15は系外から供給される乾燥空気と前記燃料電池アノード、カソードから排出される水蒸気飽和ガスの間で水交換および熱交換を行う。16と17は前記湿度交換型熱交換器15から排出される排ガスの温度と流量を計測する流量計と温度センサである。
図2に前記湿度交換型熱交換器15とその制御系の概略構成を示す。湿度交換型熱交換器15は、水蒸気飽和状態の排水素ガス(除湿ガス)が通過する除湿部18、外部から供給される乾燥した加湿ガス(空気)が通過する加湿部19、これら除湿部18と加湿部19との間を連通することなく水蒸気のみを交換可能とする湿度交換隔膜として機能する多孔質隔膜20、除湿部18の圧力を計測する圧力計21、加湿部19の圧力を計測する圧力計22、前記多孔質隔膜20が運転に十分なだけ水を蓄えていない場合、該多孔質隔膜に水を供給する水を蓄える水タンク23、熱交換器内壁および多孔質隔膜に形成された水チャンネルに水タンク23の水を循環させる水ポンプ24から構成される。
30は本実施形態における制御手段となるコントローラであり、CPUおよびその周辺装置からなるマイクロコンピュータにより構成されている。コントローラ30は、前述の流量計13,16、圧力計21,22からの信号に基づき制御弁10および水ポンプ24の作動を制御する。
次にこの燃料電池システムの動作について説明する。システム起動時、改質器7、CO除去器8および燃料電池スタック9を運転最適温度まで暖めるため起動用燃焼器4に燃料および空気を供給し、高温燃焼ガスを発生させる。高温燃焼ガスは改質器7、CO除去部8および燃料電池スタック9を加熱したのち、80℃程度の温度となって湿度交換型熱交換器15に達する。流量計13、16により燃焼ガスが湿度交換型熱交換器15に達したと判断されたところで前記コントローラ30により、図3に示した多孔質隔膜の湿潤状態を制御する処理を周期的に実行する。なお以下の流れ図および説明中で符号Sは処理ステップ番号を表している。
この制御では、まず圧力計21,22の出力を監視しながら制御弁10の開度を調整し、湿度交換型熱交換器15の多孔質隔膜20を介した差圧を規定の差圧ΔPに調整する(S101〜103)。差圧が規定の範囲に調節された時点で多孔質隔膜20のリーク量を流量計13、16での測定値F1、F2により判定する(S104〜105)。その際、温度センサ14、17で計測された温度によりそれぞれの流量を標準状態での流量に較正して比較する。この場合、湿度交換型熱交換器15の入口流量F1と出口流量F2が一致するときをリーク判定の基準とする。ただし、ある程度のリークを許容する、つまりF1−F2<ΔFO(ΔFO:リーク許容値)となるときをリーク判定の基準としてもよい。
リーク判定の結果、F1≠F2、すなわち多孔質隔膜20が湿潤状態にあると判定された場合には、湿度交換型熱交換器15の定常運転を始める。このとき多孔質隔膜20への水供給は停止状態を維持する(S106)。ただしS105の判定処理において多孔質隔膜20が湿潤状態にないと判断された場合には、水ポンプ24を駆動して水タンク23から多孔質隔膜内に設けられた水チャンネルに水を循環させる(S107)。前記の水供給後、F1=F2となった時点で水供給を停止し、定常運転を開始する。ここでは、燃料電池システム起動時のリーク判定について述べたが、定常運転開始後も常に同様のリーク判定、多孔質隔膜湿潤操作を行い多孔質隔膜20の湿潤状態を保つ。この実施形態で、多孔質隔膜20の湿潤状態を除湿部出入口間のガスリークにより判定しているので、湿潤状態の判定および調整を的確に行うことができる。
また、この実施形態では湿潤状態調整のための水供給手段として水ポンプ24設けたことにより、必要時に必要量の水を速やかに熱交換器15に供給することができる。ただし、このような水供給手段に代えて、水タンク23を熱交換器15よりも高位置に設け、水タンク23から重力により熱交換器15に流入する水量を流量制御弁の開度または遮断部の開閉により制御するものとしてもよく、これにより水供給手段の構造を簡潔にすることができる。
また、この実施形態では水チャンネルに水を循環または供給する構成としたことにより熱交換器15内および多孔質隔膜20にむらなく水分を供給することができる。これに対して、熱交換器15のガス導入部上流位置または加湿部19に水噴射弁を設け、多孔質隔膜20の表面に水噴霧を行うものとしてもよく、これにより多数の水チャンネルを巡らすことなく比較的簡易に水供給を行うことができる。
多孔質隔膜20の湿潤度調整は加湿ガスである空気への加湿の停止または実施を切り換えることによっても可能であり、そのためには例えば熱交換器15に加湿部19を迂回して空気を流すバイパス通路と、このバイパス通路または加湿部へと空気の流れを切り換える切換弁とを設け、多孔質膜20の湿潤度が低いときには該バイパス通路へ空気を迂回させて除湿部18からの水分の移動を抑制することで加湿を促すことが可能である。この場合、除湿ガスである排水素中の水分の大部分を加湿のために活用することができる。
一方、燃料電池の定常運転中は除湿部18の圧力をP(ただしP>1atm)に設定し、加湿部19の圧力を1atmに設定することにより、湿度交換型熱交換器15のサイズを小さくできる。この理由について図4を用いて説明する。図中の特性線Aはシステムに供給される温度Tair_inの乾燥空気が持つ熱量(潜熱、顕熱の合計)と水蒸気飽和状態における任意温度の空気が持つ熱量の差と前記任意温度の1atmにおけるプロットである。特性線Bは湿度交換型熱交換器15に供給される燃料電池オフガスの温度TFC_outの水蒸気飽和排気ガスが持つ熱量と任意温度の水蒸気飽和状態ガスが持つ熱量の差と前記任意温度の圧力1atmにおけるプロットである。特性線Cは湿度交換型熱交換器15に供給される燃料電池オフガスの温度TFC_outの水蒸気飽和排気ガスが持つ熱量と任意温度の水蒸気飽和状態ガスが持つ熱量の差と前記任意温度のP1atmにおけるプロットである。これらのプロットは、仮定された燃料電池システムにある一定量の燃料を投入したときの燃料電池の排水素ガス成分とその排水素ガスの持つ全熱量を計算し、模式的にグラフ化したものである。
燃料電池システムが水収支を保っている場合、定常時にシステムから放出される単位時間当たりの水の量はシステムによって一義的に決定される。システムからの排水素ガスは水蒸気飽和状態であるので、該排ガスの圧力により、そのときの水収支温度も一義的に決まる。システムからの排ガスの水蒸気以外の気体成分と水蒸気のモル比は圧力によらず一定であるので、圧力が高ければ高いほど飽和蒸気圧も高くなり、水収支温度も高く設定される。図4のTsys_out1、Tsys_out2はそれぞれ、除湿部18圧力が1atm、Pのときの水収支温度である。
燃料電池オフガス温度TFC_outにおいて水蒸気飽和ガスが持つ熱量と、除湿部18圧力が1atm、Pのときのそれぞれの水収支温度Tsys_out1、Tsys_out2において水蒸気飽和ガスが持つ熱量との差は点aとbでの熱量Q、Qで表される。この図から明らかなように燃料電池オフガスの圧力が高い方が湿度交換型熱交換器15において交換する熱量が小さい。また、熱量QとQと特性線Aとの交点から湿度交換型熱交換器加湿部19から排出される空気の温度Tair_out1、Tair_out2がわかる。これによると加湿部19の空気出口温度と除湿部18のガス入口温度のマージンおよび加湿部19の空気入口温度と除湿部18のガス出口温度のマージンはどちらもPのときの方が大きい。熱交換量が小さく、温度マージンが大きいほど、湿度交換型熱交換器15を小さくすることが可能であるので、多孔質隔膜20両側に圧力差をつけることを前提とすることで湿度交換型熱交換器15のサイズを小さく抑えることができる。
次に、本発明の第2の実施形態につき図5以下の図面を使用して説明する。主に前記第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明し、相互に共通する部分は説明を省略する。
本実施形態は、湿度交換型熱交換器15前後の流量計および温度センサを備えない点で第1の実施形態と異なる。なお、第1の実施形態と同様に湿度交換型熱交換器15のサイズは除湿部圧力P(>1atm)、加湿部圧力1atmを前提として設計されている。
図6に前記湿度交換型熱交換器15の概略構成を示す。ただし制御系については図示省略してある。第1実施形態のものと異なる点は、水タンク23、水ポンプ24を備えず、多孔質隔膜20の湿潤状態を検知する手段として、電流計25と多孔質隔膜20に電場をかける電源26を設けたことにある。
以下、本燃料電池システムの動作について説明する。システム起動時、改質器7、CO除去器8および燃料電池スタック9を運転最適温度まで暖めるため起動用燃焼器4に燃料および空気を供給し、高温燃焼ガスを発生させる。高温燃焼ガスは改質器7、CO除去部8および燃料電池スタック9に熱を与え、80℃程度となって湿度交換型熱交換器15に達する。また、起動と同時に電源26をONする。
図7は本実施形態の多孔質隔膜の湿潤状態を制御する処理を表した流れ図である。この制御では、まず、電流計25により電流値iを計測し、電流値iが所定の基準値i以下であるかどうかで多孔質隔膜20の湿潤状態を判断する(S201〜202)。これは多孔質隔膜20の乾燥度が高いほどつまり湿潤状態が低いほど電流は流れにくくなることによる。
電流値iが基準値iを超えているときは十分な湿潤状態であると判断し、ブロワ起動状態下での湿度交換型熱交換器15の除湿部18、加湿部19の圧力をそれぞれP(ただしP>1atm)、1atmに設定し、定常運転を開始する(S203)。電流計25の電流値iが基準値i以下であるときには、除湿部18の圧力を、圧力制御弁10を用いて1atmに設定し、これにより多孔質隔膜20の加湿を可能とする。前記圧力制御による加湿作用につき図8を用いて説明する。
図8の左2本の棒グラフは除湿部入口より供給されるガスの全圧のうち、水蒸気が占める割合を示したものである。燃料電池スタック9からの排出ガスは水蒸気飽和状態であるので、全圧がPのときも1atmのときも水蒸気分圧PW1atmは一定である。この図から、全圧がP1atmのとき、除湿側18に供給される水蒸気とそれ以外のガス(N2、O2、CO2、H2)のモル数の比はPW1:P-PW1となることがわかる。同様に全圧が1atmのときは1:1-PW1となる。このとき、除湿部18に流入する水蒸気以外のガスのモル数は圧力に関わらず一定であるので、全圧がP1atmのときと1atmのときの流入する水蒸気のモル数の比はP-PW1:1-PW1となる。つまり、1atmのときの方が、流入する水蒸気が多い。
図8の左2本の棒グラフは除湿部出口から排出されるガス圧力のうち、水蒸気が占める割合を示したものである。除湿部出口では加湿側との熱交換の結果、入口よりガス温度が低下している。それに伴って、水蒸気圧も下がっておりPW2となっている。
除湿部入口と同様の理由で全圧が1atmのときの方がP1atmのときに比べて、流出水蒸気量が多く、その比は全圧がP1atmのときと1atmのときでP-PW2:1-PW2となる。
既述したように除湿部18の全圧が1atmのときの方が流入、流出する水量共に多い。全圧がP1atmのときに除湿部18に流入、流出する水蒸気モル量をそれぞれnwin、nwoutとすると1atmの際の流入、流出水蒸気モル量は、
(P-PW1/1-PW1)nwin、(P-PW2/1-PW2)nwout
と表される。
多孔質隔膜20で凝縮する水量は(流入する水蒸気モル量−流出する水蒸気モル量)であるので、全圧がP1atmのときは、nwin−nwout
全圧が1atmのときは、(P-PW1/1-PW1)nwin−(P-PW2/1-PW2)nwout
と表される。
ここで、図8から明らかなように(P-PW1/1-PW1)>(P-PW2/1-PW2)であるので、
{(P-PW1/1-PW1)nwin−(P-PW2/1-PW2)nwout}−(nwin−nwout)>0
となる。つまり同じ湿度交換型熱交換器15において、除湿側18の全圧をP1atmから1atmに変化させると除湿側18でより多くの水が凝縮される。加湿部19から流出する水量は一定であるので結果として多孔質隔膜20が加湿される。
この実施形態では、電流値iが既定の電流値iを超えるまで以上の作用を利用して湿度交換型熱交換器15内の多孔質隔膜を加湿するための運転を行う。電流値がiを超えた時点で再度圧力調整を行い、除湿部圧力をP、加湿部圧力を1atmとして定常運転に移行する。
ここでは、システム起動時のリーク判定について述べたが、定常運転開始後も常に同様のリーク判定、多孔質隔膜湿潤操作を行い多孔質隔膜の湿潤状態を保つようにする。
この実施形態では多孔質隔膜20の湿潤状態を電流値により計測するようにしているので、圧力計や温度センサを要することなく必要十分な精度で定量的に湿潤状態を管理することが出来る。また、この実施形態では圧力制御弁10の開度制御により除湿部−加湿部間の差圧を精度よく制御することができるが、このような圧力検出の構成に加え、またはこれに代えて加湿部19の圧力を制御することで差圧制御を行うようにしてもよい。そのためには、例えばブロワ12を加湿部19の上流側に設けて加湿部19に供給する空気量に応じて加湿部圧力を加減する構成、あるいは加湿部19の下流側に圧力制御弁(図示せず)を設けて加湿部19の内圧を加減する構成とする。また、除湿部18または加湿部19の圧力を制御する手段として、それぞれのガスが通過する流路を、オリフィス等により互いに流量特性が異なるようにした複数の通路で構成し、切換弁によりいずれかの通路を選択することで圧力変化を生じるようにしてもよく、これにより構成および制御の単純化を図ることができる。
図9と図10に、多孔質隔膜20の湿潤状態を検知する処理に関する他の実施形態を示す。これらは主として燃料電池システムの起動時に、前述の図3の制御の前処理として実施することを想定している。
図9は、燃料電池の停止時間が大であるほど湿度交換隔膜が低湿潤状態であると推定する推定論理によるものである。すなわち、まず燃料電池システムの起動時に、それまでの停止時間Toffを計測する(S301)。このためには例えばバックアップ電源により作動するタイマを用いてシステム停止から再起動までの時間を計測する。次いで停止時間Toffが所定の基準値T0よりも大であるか否かを判定する(S202)。Toff>T0のときには停止時間が長く、その間の水分の蒸発により多孔質隔膜20の湿潤度が低下していると判断されるところから、既述した水供給手段により水の供給を行う。Toff≦Toのときには湿潤度は十分であると判定して水供給は行わない。
図10は、熱交換器15の加湿部に空気を導入したときの温度交換隔膜の表面温度の低下量が小であるほど低湿潤状態であると推定する推定論理によるものである。すなわち、まず温度センサにより多孔質隔膜20の加湿部側の表面温度ts1を計測する(S401)。次いでブロワ12を起動して加湿部19に空気を導入し、さらに導入後の表面温度ts2を計測する(S402〜403)。このとき多孔質隔膜20の湿潤度が高いほど水分の蒸発気化潜熱による表面温度低下が大となる。そこで、前記計測温度の差(ts1-ts2)を求め、これを所定の基準値t0と比較し、t0よりも大であれば湿潤度は十分であると判定し、水供給をせずに今回の処理を終了、t0以下であれば湿潤度は低いと判定し、水供給をしたのち今回の処理を終了する(S404〜405)。
前記図9または図10の湿潤度の判定処理によれば、燃料電池システム起動時の多孔質隔膜の湿潤状態を比較的容易に判定することができ、起動後の定常運転へと円滑に移行することができる。なおこれらの処理において、より判定精度を高めるために、外気温や湿度、季節等の雰囲気条件により前記推定結果もしくは基準値T0またはt0を補正するようにしてもよい。
以上の各実施形態は燃料電池装置として改質器7を備えた改質型燃料電池システムを例示したが、本発明はこれに限られず、燃料ガスである水素をその貯溜容器から燃料電池スタックに供給するようにした燃料電池システムにも有効である。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池装置装置のシステム構成図。 第1の実施形態に係る湿度交換型熱交換器の概略構成図。 第1の実施形態のリーク判定の流れ図。 湿度交換型熱交換器のサイズと除湿部圧力の相関を示す説明図。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池装置装置のシステム構成図。 第2の実施形態に係る湿度交換型熱交換器の概略構成図。 第2の実施形態のリーク判定の流れ図。 多孔質隔膜加湿と隔膜間圧力差の相関を示す説明図。 湿潤状態判定処理に関する他の実施形態を表した流れ図。 湿潤状態判定処理に関する他の実施形態を表した流れ図。
符号の説明
9 燃料電池スタック
10 圧力制御弁
12 ブロワ(空気供給源)
13、16 流量センサ
14、17 温度センサ
15 湿度交換型熱交換器
18 除湿部
19 加湿部
20 多孔質隔膜(湿度交換隔膜)
21、22 圧力計
23 水タンク
24 水ポンプ
30 コントローラ(制御手段)

Claims (15)

  1. 固体高分子型燃料電池の空気供給源に接続した空気通路の途中に加湿部を、前記燃料電池の燃料極に接続した排ガス通路の途中に除湿部を設け、前記加湿部と除湿部とを画成する湿度交換隔膜を介して除湿部の排ガス中から加湿部の空気へと水分を供給する燃料電池の加湿装置を備えた燃料電池装置において、
    前記湿度交換隔膜の湿潤状態を検知する湿潤状態検知手段と、
    前記湿度交換隔膜の湿潤状態を調整する湿潤状態調整手段と、
    前記検知した湿潤状態に基づいて前記湿度交換隔膜の湿潤状態を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記湿度交換隔膜が低湿潤状態であるときには湿潤状態が上昇するように前記湿潤状態調整手段を制御するように構成したことを特徴とする燃料電池装置。
  2. 前記湿潤状態調整手段は、前記加湿部における加湿の実施または停止を切り換えることで湿潤状態を調整する請求項1に記載の燃料電池装置。
  3. 前記湿潤状態調整手段は、前記加湿部を迂回して加湿ガスを流通させるバイパス通路と、該バイパス通路と前記加湿部とを切り換える切換弁とを備える請求項1に記載の燃料電池装置。
  4. 前記湿潤状態調整手段は、前記湿度交換隔膜が、湿潤状態にある場合には除湿部の圧力が加湿部に比べて高くなるように、乾燥状態にある場合には該圧力差が小さくなるように、前記圧力差を調整する圧力調整手段を有する請求項1に記載の燃料電池装置。
  5. 前記湿潤状態調整手段は、水タンクと、該水タンクに蓄えた水を前記湿度交換隔膜に供給する水供給手段を備える請求項1に記載の燃料電池装置。
  6. 前記水供給手段は、前記加湿部および/または除湿部の上流部へ水を噴霧する噴射弁を備えている請求項5に記載の燃料電池装置。
  7. 前記水供給手段は、前記湿度交換隔膜へ水を供給する流路として、該湿度交換隔膜内部および/または熱交換器内側壁に形成したチャンネルを備える請求項5に記載の燃料電池装置。
  8. 固体高分子型燃料電池の空気供給源に接続した空気通路の途中に加湿部を、前記燃料電池の燃料極に接続した排ガス通路の途中に除湿部を設け、前記加湿部と除湿部とを画成する湿度交換隔膜を介して除湿部の排ガス中から加湿部の空気へと水分を供給する燃料電池の加湿装置を備えた燃料電池装置において、
    前記湿度交換隔膜の湿潤状態を検知する湿潤状態検知手段と、
    前記除湿ガスと加湿ガスの圧力差を調整する圧力調整手段と、
    前記検知した湿潤状態に基づいて前記圧力差を制御する制御手段とを備え、
    該制御手段は、前記湿度交換隔膜が低湿潤状態であるときには前記圧力差が小となるように前記圧力調整手段を制御するように構成したことを特徴とする燃料電池装置。
  9. 前記圧力調整手段は、前記制御手段からの指令に応じて前記加湿部および/または除湿部への導入ガス圧力を加減する圧力制御弁で構成されている請求項4または請求項8に記載の燃料電池装置。
  10. 前記圧力調整手段は、前記加湿部および/または除湿部に接続する複数の互いに流量特性の異なる流路と、前記複数の流路を前記制御手段からの指令に応じて切り換える切換弁からなる請求項4または請求項8に記載の燃料電池装置。
  11. 前記圧力調整手段は、前記加湿部の圧力を大気圧に調整するように設定されている請求項4または請求項8に記載の燃料電池装置。
  12. 前記湿潤状態検知手段は、前記湿度交換隔膜の電気伝導度を計測する電気伝導度計測手段を有し、該電気伝導度が小であるほど低湿潤状態であると推定する推定論理に基づいて湿潤状態を検知するように構成されている請求項1または請求項8に記載の燃料電池装置。
  13. 前記湿潤状態検知手段は、燃料電池の停止時間を計測する停止時間計測手段を有し、該停止時間が大であるほど低湿潤状態であると推定する推定論理に基づいて湿潤状態を検知するように構成されている請求項1または請求項8に記載の燃料電池装置。
  14. 前記湿潤状態検知手段は、前記湿度交換隔膜の表面温度を計測する温度計測手段を有し、前記加湿部に空気を導入したときの前記表面温度の低下量が小であるほど低湿潤状態であると推定する推定論理に基づいて湿潤状態を検知する請求項1または請求項8に記載の燃料電池装置。
  15. 前記湿潤状態検知手段は、前記湿度交換隔膜の気体リーク量を検出するリーク量計測手段を有し、該計測リーク量が大であるほど低湿潤状態であると推定する推定論理に基づいて湿潤状態を検知する請求項1または請求項8に記載の燃料電池装置。
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