JP2004349067A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】セル電圧が低下する前に燃料電池内部の加湿状態を正確に判定することができ、燃料電池の加湿状態を常に最適に制御し得る燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池スタック1の空気出口温度を温度センサ9により検出すると共に、燃料電池スタック1の冷却液出口温度を温度センサ10により検出する。そして、これらの温度差が大きいときは、燃料電池スタック1内部に加湿不足が生じているものと判断し、例えば、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御して、燃料電池スタック1内部における加湿状態を改善させる。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池スタック1の空気出口温度を温度センサ9により検出すると共に、燃料電池スタック1の冷却液出口温度を温度センサ10により検出する。そして、これらの温度差が大きいときは、燃料電池スタック1内部に加湿不足が生じているものと判断し、例えば、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御して、燃料電池スタック1内部における加湿状態を改善させる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガス及び空気の供給により発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムに関するものであり、特に、加湿制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題、特に自動車等の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気及び高エネルギ効率を可能とする燃料電池技術が注目を浴びている。燃料電池システムは、燃料となる水素及び空気を燃料電池の水素極及び空気極に供給して電気化学反応を起こし、化学エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換システムである。燃料電池システムでは、電気化学反応によって生成されるのは水のみであって、有害物質を含む排気ガスや二酸化炭素が排出されることはない。
【0003】
ところで、燃料電池は、電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、その一つとして、電解質に固体高分子電解質を用いる固体高分子電解質型燃料電池が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、低コストで小型化、軽量化が容易であり、しかも高い出力密度を有することから、例えば車両用電源としての用途が期待されている。
【0004】
ただし、この固体高分子電解質型燃料電池においては、水素イオンが電解質膜を移動するために、固体高分子電解質膜が含水した状態であることが必要である。固体高分子電解質膜の含水量が低下すると、電解質膜の電気抵抗が大きくなって、出力電圧の低下、出力電力の低下を招く。さらに含水量が低下して乾燥状態になると、固体高分子電解質膜が電解質膜として機能しなくなる。
【0005】
そこで、このような固体高分子電解質型燃料電池を用いた燃料電池システムでは、燃料ガスや空気を加湿した状態で燃料電池に供給する等、固体高分子電解質膜を積極的に加湿することが広く行われているが、加湿水や反応生成水の量が電解質膜の保水量を上回ると、これらが凝縮してガス流路へ水が溢れ出すフラッディングという現象を生ずる。フラッディングが発生すると、電極の発電面を水が覆って反応を抑制し、供給ガス流路を閉塞してガス通流を阻害するといった現象を招き、発電を安定して継続することが困難になる。
【0006】
したがって、この種の燃料電池システムでは、燃料電池の加湿状態の制御が必須の技術であり、例えば、セル電圧低下の起こり方により燃料電池の加湿状態を判断し、燃料電池の加湿状態が常に最適なものとなるように、加湿手段による加湿量を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0007】
この特許文献1記載の技術では、燃料電池の端部セルのみで電圧低下が生じている場合には燃料電池が水分過剰状態にあると判断し、燃料電池の端部以外のセルで電圧低下が生じている場合には燃料電池が水分不足の状態にあると判断して、これに応じて加湿手段による供給ガス加湿量を制御することで、燃料電池を適切な加湿状態に維持するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−184438号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、信頼性を高めるためには、燃料電池の全てのセル、若しくはそれに準じた数のセル電圧を計測する必要がある。さらに、燃料電池の端部セルとそれ以外のセルの電圧の挙動で加湿状態を判定する方法では、特に加湿不足についての判定の精度が低く、別の要因でセル電圧が低下している場合にも加湿不足と誤って判定される虞れがある。
【0010】
また、湿度交換型熱交換器等、加湿量を自在に調節するのが難しい加湿手段を搭載した燃料電池システムの場合、水分不足の場合に直ちに加湿量を調節して燃料電池に負担のかかる状態を回避するためには、状況をより早く知る必要があり、特許文献1記載の技術にようにセル電圧が低下してから判定するのでは遅い場合が多いという問題点もある。
【0011】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、セル電圧が低下する前に燃料電池内部の加湿状態を正確に判定することができ、燃料電池の加湿状態を常に最適に制御し得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガス及び空気の供給により発電を行う燃料電池を備え、当該燃料電池の温度を冷却液により制御するものであり、前記目的を達成するために、燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づいて、燃料電池内部の加湿状態を判定するようにしたものである。
【0013】
具体的には、本発明係る燃料電池システムでは、例えば、空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きいほど燃料電池内部の加湿量が低いと判定し、この判定結果に基づいて、加湿装置の動作、或いは、加湿状態と相関関係にある当該燃料電池システムの運転状態量を制御する。
【0014】
燃料電池内部で水分が不足している場合、燃料電池内部の電解質膜で水分の蒸発が起こり、その結果、蒸発潜熱による空気温度の低下が起こる。したがって、燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度とを比較すると、加湿不足の場合にはこれらの差が大きくなる。本発明の燃料電池システムでは、このような現象を利用して、燃料電池内部の加湿状態をいち早く正確に判定するようにしている。
【0015】
【発明の効果】
本発明の燃料電池システムによれば、セル電圧が低下する前に燃料電池内部の加湿状態を正確に判定することができ、燃料電池の加湿状態を常に最適に制御することが可能である。すなわち、本発明においては、加湿量が不足している場合に、空気出口温度と冷却液出口温度との差が通常の運転に比べて大きくなる現象に基づいて加湿状態を判断するので、セル電圧の低下が起こるよりも早く状況を把握することができ、従来技術よりも早く加湿不足を解消させる措置をとることができ、加湿不足による燃料電池への負担を減らすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した燃料電池システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の燃料電池システムの主要部分の構成を示すものである。図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、発電を行う燃料電池スタック(燃料電池)1と、この燃料電池スタック1に燃料ガスである水素を供給する水素供給系と、燃料電池スタック1に酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系と、燃料電池スタック1に冷却液を供給する冷却系とを備えている。
【0018】
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給されるアノード極1aと酸化剤ガスである空気が供給されるカソード極1bとが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。また、各発電セルには、冷却系からの冷却液が通過する経路であるクーラント流路1cが形成されており、このクーラント流路1cを通過する冷却液によって、燃料電池スタック1の動作温度が最適な状態に保たれるようになっている。
【0019】
この燃料電池スタック1の各発電セルでは、アノード極1aに供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソード極1bにそれぞれ移動する。カソード極1bでは、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
【0020】
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
【0021】
燃料電池スタック1に水素を供給する水素供給系は、例えば、図示しない水素タンクや圧力制御弁を有しており、水素供給源である水素タンクから取り出された水素が圧力制御弁で減圧されて、水素供給配管2を通って燃料電池スタック1のアノード極1aに送り込まれる構成となっている。また、燃料電池スタック1のアノード出口側から入口側に亘って水素循環配管3が設けられており、燃料電池スタック1のアノード極1aから排出される未使用の水素が、水素循環配管3を通って図示しないエゼクタによって水素供給配管2に合流され、新たに水素タンクから取り出された水素と混合されて再度燃料電池スタック1のアノード極1aに供給されるようになっている。
【0022】
一方、燃料電池スタック1に空気を供給する空気供給系は、例えば、図示しないコンプレッサや圧力制御弁を有しており、コンプレッサによって吸入、加圧された外気が、圧力制御弁の動作によって所定の圧力とされた上で、空気供給配管4を通って燃料電池スタック1のカソード極1bに送り込まれる構成となっている。また、燃料電池スタック1のカソード出口には空気排気配管5が接続されており、燃料電池スタック1のカソード極1bから排出される排空気は、この空気排気配管5を通って外部に排出されるようになっている。
【0023】
また、空気供給系の空気供給配管4及び空気排気配管5は、湿度交換型熱交換器等の加湿装置6にそれぞれ接続されている。この加湿装置6は、燃料電池スタック1の空気極1bに供給する空気を加湿することで、燃料電池スタック1内部の固体高分子電解質膜を加湿する加湿手段として設けられているものであり、加湿のための水分として、空気排気経路5を通って排気される排空気に含まれる水分を利用する。
【0024】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の水素出口側経路である水素循環配管3の一部と、空気入口側経路である空気供給配管4の一部とが、バイパス弁7を介して連通するようになっている。そして、燃料電池スタック1に供給される空気が加湿不足の場合には、このバイパス弁7を開いて未使用の水素の一部を空気供給配管4へと導き、燃料電池スタック1内部で水素と空気の直接反応で水を生成させることにより、加湿量の不足を補うことが可能な構成となっている。
【0025】
燃料電池スタック1に冷却液を供給する冷却系は、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した冷却液を燃料電池スタック1に循環供給する冷却液循環経路8を有している。そして、この冷却系は、冷却液循環経路8を流れる冷却液を燃料電池スタック1のクーラント流路1cに通過させて熱交換を行わせることで、燃料電池スタック1の温度を例えば80℃程度の適正温度に保つようにしている。
【0026】
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1のカソード極1b出口近傍に温度センサ9が設置されていると共に、燃料電池スタック1のクーラント流路1c出口近傍に温度センサ10が設置されている。これら温度センサ9,10は、前記設置点を温度計測点として、燃料電池スタック1の空気出口温度及び冷却液出口温度を計測するものである。
【0027】
以上のように構成される燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1内部において水分が不足して加湿量が低い状態となっている場合には、燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜で水分の蒸発が起こり、その結果、蒸発潜熱によって燃料電池スタック1の空気出口温度が低下することになる。一方、燃料電池スタック1の冷却液出口温度は、燃料電池スタック1内部の加湿状態に拘わらずほぼ一定である。したがって、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度とを比較して、その差が大きくなっているかどうかを判断することで、燃料電池スタック1の加湿不足を判定することが可能となる。
【0028】
そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の空気出口温度を計測する温度センサ9の計測値と、燃料電池スタック1の冷却液出口温度を計測する温度センサ10の計測値とを比較して、これらの差が大きいほど燃料電池スタック1内部の加湿量が低いと判定し、この判定結果に基づいて、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御するようにしている。ここで、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量の制御とは、例えば、加湿不足を解消するために、バイパス弁7を介して空気供給配管4へと導かれる水素流量の制御や、加湿過剰によるフラディング状態を解消するために、燃料電池スタック1のカソード極1bに供給する空気流量を増加させる等の制御を意味している。
【0029】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1内部における加湿状態の判定精度を更に良好なものとするために、以上のような本発明に特徴的な判定に加え、従来一般的に行われている燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定も併せて行い、本発明に特徴的な燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づく判定と、従来一般的に行われているセル電圧の低下による判定のうち少なくとも一方において加湿状態が不適と判定された場合に、加湿状態を改善するように、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御するようにしている。また、特に、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きく、且つセル電圧の低下が少ない場合には、加湿量を増加させるように、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御し、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が小さく、且つセル電圧の低下が多い場合は、加湿量を減少させるように、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御するようにしている。
【0030】
なお、本実施形態の燃料電池システムでは、加湿量を自在に調整するのが難しい温度交換型熱交換器を加湿装置6として用いるようにしているので、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御することで燃料電池スタック1の加湿状態を改善するようにしているが、加湿量の調整を容易に行える加湿装置を用いるようにした場合には、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との比較による判定結果に基づいて、加湿装置自体の動作を制御して加湿装置による加湿量を調整し、燃料電池スタック1内部における加湿状態を改善するようにしてもよい。
【0031】
この場合にも、燃料電池スタック1内部における加湿状態の判定精度を更に良好なものとするために、本発明に特徴的な燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づく判定と、従来一般的に行われている燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定も併せて行い、これらの判定のうち少なくとも一方において加湿状態が不適と判定された場合に、加湿状態を改善するように、加湿装置の動作を制御することが望ましい。また、特に、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きく、且つセル電圧の低下が少ない場合には、加湿量を増加させるように、加湿装置の動作を制御し、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が小さく、且つセル電圧の低下が多い場合は、加湿量を減少させるように、加湿装置の動作を制御することが望ましい。
【0032】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1内部における加湿状態を判定する具体的な処理の一例について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0033】
本実施形態の燃料電池システムは、キースイッチONにより起動され(ステップS1)、システム起動時には、出力制限を受けるアイドル状態に設定されて、システムの暖機運転が開始される(ステップS2)。そして、暖機運転が開始されると、セル電圧モニタが作動し始め、燃料電池スタック1の電圧監視が開始される(ステップS3)。
【0034】
次に、ステップS4では、燃料電池スタック1の最低セル電圧V1が所定の閾値Vx以上となっているか否かが判定される。この判定は、ステップS3においてセル電圧モニタが電圧監視を開始した後は常時行われ、最低セル電圧V1が閾値Vx未満の場合はステップS5へ進み、閾値Vx以上の場合はステップS8へ進む。
【0035】
ステップS5では、燃料電池スタック1内部が加湿過剰な状態でフラッディングが生じているものと判断されて、フラッディング解消運転へと移行し、燃料電池スタック1のカソード極1bに供給する空気流量を増加させるといったような、フラッディング状態を解消するための燃料電池システムの運転状態量の制御が行われる。次いで、ステップS6において、最低セル電圧V1の判定が再度行われ、最低セル電圧V1が所定電圧Vy以上の場合には、ステップS4へ戻って再度ステップS4の判定が行われる。一方、最低セル電圧V1が所定電圧Vyに満たない場合には、フラッディング状態の解消が不可能であると判断されてステップS7へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。
【0036】
ステップS8では、温度センサ10によって計測された燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と、温度センサ9によって計測された燃料電池スタック1の空気出口温度T2との温度差(T1−T2)が計算され、これらの温度差が所定の閾値Txと比較される。そして、これらの温度差が閾値Tx以上であれば、ステップS4へ戻って再度ステップS4の判定が行われる。一方、これらの温度差が閾値Txに満たない場合にはステップS9へ進む。通常、燃料電池システムの起動直後は燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との間には温度差があり、燃料電池スタック1に空気や冷却液がある流量である時間流れた後に、この温度差が閾値Tx以下となる。
【0037】
ステップS9では、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差の監視が開始される。そして、ステップS10では、ステップS9による温度差の監視開始をもってアイドル状態の暖機運転終了とされ、出力制限等の制約が解除されて、以降は自由なモードで運転可能な状態となる。
【0038】
次に、ステップS11では、キースイッチOFFによる停止処置が行われたか否かが判定され、停止処置が行われた場合はステップS12へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。一方、停止処置が行われていない場合は、ステップS13へ進む。
【0039】
ステップS13では、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差が、再度所定の閾値Txと比較され、これらの温度差が閾値Txを超えている場合にはステップS14へ進み、所定値Tx以下であればステップS19へ進む。
【0040】
ステップS14では、燃料電池スタック1内部が加湿不足の状態にあると判断されて、上述したバイパス弁7を開放して、バイパス弁7を介して空気供給配管4へと導かれる水素流量を増加させるといったような、燃料電池スタック1内部の加湿量を増加させるための燃料電池システムの運転状態量の制御が行われる。このステップS14の制御は、予め設定された所定時間T1が経過するまで継続される(ステップS15)。
【0041】
次に、ステップS16では、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差が再度閾値Txと比較され、これらの温度差が閾値Txに満たない場合には、燃料電池スタック1内部の加湿不足が解消されたと判断され、ステップS17においてバイパス弁7が閉塞されて加湿増加制御が終了し、ステップS11に戻って、停止処置が行われたか否かの判定が再度行われる。一方、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差が閾値Tx以上の場合には、燃料電池スタック1内部の加湿不足が解消されておらず、このまま運転を続けると燃料電池スタック1の劣化に繋がると判断されてステップS18へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。
【0042】
ステップS19では、燃料電池スタック1の最低セル電圧V1が所定の閾値Vx以上となっているか否かが再度判定される。そして、燃料電池スタック1の最低セル電圧V1が閾値Vx以上となっている場合には、ステップS11に戻って、停止処置が行われたか否かの判定が再度行われる。一方、最低セル電圧V1が所定の閾値Vxに満たない場合には、ステップS20に進む。
【0043】
ステップS20では、上述したステップS5と同様、燃料電池スタック1内部が加湿過剰な状態でフラッディングが生じているものと判断されて、フラッディング解消運転へと移行し、燃料電池スタック1のカソード極1bに供給する空気流量を増加させるといったような、フラッディング状態を解消するための燃料電池システムの運転状態量の制御が行われる。次いで、ステップS21において、最低セル電圧V1の判定が再度行われ、最低セル電圧V1が所定電圧Vy以上の場合には、ステップS19へ戻って再度ステップS19の判定が行われる。一方、最低セル電圧V1が所定電圧Vyに満たない場合には、フラッディング状態の解消が不可能であると判断されてステップS22へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。
【0044】
以上のように、本実施形態の燃料電子ステムでは、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に基づく加湿状態の判定と、燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定とを併用して、加湿状態の判定精度をより良好なものにしている。
【0045】
燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に基づく加湿状態の判定と、燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定との比較を、表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
燃料電池スタック1内部における加湿不足については、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に基づく加湿状態の判定と、燃料電池スタック1のセル電圧低下による判定とを比較した場合、温度差による判定の方が加湿不足より早く判定することが可能である。一方、燃料電池スタック1内部における加湿過剰については、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に変化が現れないので、セル電圧低下から判定する必要がある。そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、これらの特徴を生かして、両者を組み合わせることでより高精度な判定が行えるようにしている。
【0048】
燃料電池スタック1内部の加湿不足が発生した際の典型的な挙動を図3に示す。燃料電池スタック1内部に加湿不足が発生した場合、燃料電池スタック1のセル電圧の不安定状態が現れるよりも早く、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気出口温度との温度差が開き、加湿不足が燃料電池スタック1の許容範囲を越えると、その温度差が所定の閾値を越える。このような場合には、やがてセル電圧の低下が現れることになる。このように、燃料電池スタック1内部における加湿不足に対しては、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との温度差と所定の閾値と比較してその判定を行うことにより、従来一般的に行われていたセル電圧低下による判定のみの場合よりも早い段階での判定が可能となり、適切な対応をいち早く行うことが可能となる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が通常の運転に比べて大きくなる現象に基づいて加湿状態を判断するので、燃料電池スタック1内部に加湿不足が生じている場合に、セル電圧の低下が起こるよりも早く加湿不足の状況を把握することができる。したがって、セル電圧の低下のみから加湿不足を判定する場合に比べて、より早く加湿不足を解消させる措置をとることができ、加湿不足による燃料電池スタック1への負担を減らすことができる。
【0050】
また、以上のような燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との温度差に基づく判定と、従来一般的に行われていた燃料電池スタック1のセル電圧の低下による判定とを併せて燃料電池スタック1内部における加湿状態を判断することにより、より高精度な判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの主要部分の構成を示す図である。
【図2】前記燃料電池システムにおいて燃料電池スタック内部の加湿状態を判定する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】燃料電池スタック内部に加湿不足が発生したときの空気極出口温度と冷却液出口温度との温度差の挙動と最低セル電圧の挙動とを示す特性図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
6 加湿装置
7 バイパス弁
9,10 温度センサ
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ガス及び空気の供給により発電を行う燃料電池を備えた燃料電池システムに関するものであり、特に、加湿制御の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の環境問題、特に自動車等の排出ガスによる大気汚染や二酸化炭素による地球温暖化の問題等に対する対策として、クリーンな排気及び高エネルギ効率を可能とする燃料電池技術が注目を浴びている。燃料電池システムは、燃料となる水素及び空気を燃料電池の水素極及び空気極に供給して電気化学反応を起こし、化学エネルギを電気エネルギに変換するエネルギ変換システムである。燃料電池システムでは、電気化学反応によって生成されるのは水のみであって、有害物質を含む排気ガスや二酸化炭素が排出されることはない。
【0003】
ところで、燃料電池は、電解質の違い等により様々なタイプのものに分類されるが、その一つとして、電解質に固体高分子電解質を用いる固体高分子電解質型燃料電池が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、低コストで小型化、軽量化が容易であり、しかも高い出力密度を有することから、例えば車両用電源としての用途が期待されている。
【0004】
ただし、この固体高分子電解質型燃料電池においては、水素イオンが電解質膜を移動するために、固体高分子電解質膜が含水した状態であることが必要である。固体高分子電解質膜の含水量が低下すると、電解質膜の電気抵抗が大きくなって、出力電圧の低下、出力電力の低下を招く。さらに含水量が低下して乾燥状態になると、固体高分子電解質膜が電解質膜として機能しなくなる。
【0005】
そこで、このような固体高分子電解質型燃料電池を用いた燃料電池システムでは、燃料ガスや空気を加湿した状態で燃料電池に供給する等、固体高分子電解質膜を積極的に加湿することが広く行われているが、加湿水や反応生成水の量が電解質膜の保水量を上回ると、これらが凝縮してガス流路へ水が溢れ出すフラッディングという現象を生ずる。フラッディングが発生すると、電極の発電面を水が覆って反応を抑制し、供給ガス流路を閉塞してガス通流を阻害するといった現象を招き、発電を安定して継続することが困難になる。
【0006】
したがって、この種の燃料電池システムでは、燃料電池の加湿状態の制御が必須の技術であり、例えば、セル電圧低下の起こり方により燃料電池の加湿状態を判断し、燃料電池の加湿状態が常に最適なものとなるように、加湿手段による加湿量を制御する技術が提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0007】
この特許文献1記載の技術では、燃料電池の端部セルのみで電圧低下が生じている場合には燃料電池が水分過剰状態にあると判断し、燃料電池の端部以外のセルで電圧低下が生じている場合には燃料電池が水分不足の状態にあると判断して、これに応じて加湿手段による供給ガス加湿量を制御することで、燃料電池を適切な加湿状態に維持するようにしている。
【0008】
【特許文献1】
特開2002−184438号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、信頼性を高めるためには、燃料電池の全てのセル、若しくはそれに準じた数のセル電圧を計測する必要がある。さらに、燃料電池の端部セルとそれ以外のセルの電圧の挙動で加湿状態を判定する方法では、特に加湿不足についての判定の精度が低く、別の要因でセル電圧が低下している場合にも加湿不足と誤って判定される虞れがある。
【0010】
また、湿度交換型熱交換器等、加湿量を自在に調節するのが難しい加湿手段を搭載した燃料電池システムの場合、水分不足の場合に直ちに加湿量を調節して燃料電池に負担のかかる状態を回避するためには、状況をより早く知る必要があり、特許文献1記載の技術にようにセル電圧が低下してから判定するのでは遅い場合が多いという問題点もある。
【0011】
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、セル電圧が低下する前に燃料電池内部の加湿状態を正確に判定することができ、燃料電池の加湿状態を常に最適に制御し得る燃料電池システムを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガス及び空気の供給により発電を行う燃料電池を備え、当該燃料電池の温度を冷却液により制御するものであり、前記目的を達成するために、燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づいて、燃料電池内部の加湿状態を判定するようにしたものである。
【0013】
具体的には、本発明係る燃料電池システムでは、例えば、空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きいほど燃料電池内部の加湿量が低いと判定し、この判定結果に基づいて、加湿装置の動作、或いは、加湿状態と相関関係にある当該燃料電池システムの運転状態量を制御する。
【0014】
燃料電池内部で水分が不足している場合、燃料電池内部の電解質膜で水分の蒸発が起こり、その結果、蒸発潜熱による空気温度の低下が起こる。したがって、燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度とを比較すると、加湿不足の場合にはこれらの差が大きくなる。本発明の燃料電池システムでは、このような現象を利用して、燃料電池内部の加湿状態をいち早く正確に判定するようにしている。
【0015】
【発明の効果】
本発明の燃料電池システムによれば、セル電圧が低下する前に燃料電池内部の加湿状態を正確に判定することができ、燃料電池の加湿状態を常に最適に制御することが可能である。すなわち、本発明においては、加湿量が不足している場合に、空気出口温度と冷却液出口温度との差が通常の運転に比べて大きくなる現象に基づいて加湿状態を判断するので、セル電圧の低下が起こるよりも早く状況を把握することができ、従来技術よりも早く加湿不足を解消させる措置をとることができ、加湿不足による燃料電池への負担を減らすことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した燃料電池システムの実施形態について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本実施形態の燃料電池システムの主要部分の構成を示すものである。図1に示すように、本実施形態の燃料電池システムは、発電を行う燃料電池スタック(燃料電池)1と、この燃料電池スタック1に燃料ガスである水素を供給する水素供給系と、燃料電池スタック1に酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系と、燃料電池スタック1に冷却液を供給する冷却系とを備えている。
【0018】
燃料電池スタック1は、燃料ガスである水素が供給されるアノード極1aと酸化剤ガスである空気が供給されるカソード極1bとが電解質を挟んで重ね合わされて発電セルが構成されるとともに、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造を有しており、水素と空気中の酸素とを基にした電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換するものである。また、各発電セルには、冷却系からの冷却液が通過する経路であるクーラント流路1cが形成されており、このクーラント流路1cを通過する冷却液によって、燃料電池スタック1の動作温度が最適な状態に保たれるようになっている。
【0019】
この燃料電池スタック1の各発電セルでは、アノード極1aに供給された水素が水素イオンと電子とに分離される反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソード極1bにそれぞれ移動する。カソード極1bでは、供給された空気中の酸素と電解質を通って移動した水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
【0020】
燃料電池スタック1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
【0021】
燃料電池スタック1に水素を供給する水素供給系は、例えば、図示しない水素タンクや圧力制御弁を有しており、水素供給源である水素タンクから取り出された水素が圧力制御弁で減圧されて、水素供給配管2を通って燃料電池スタック1のアノード極1aに送り込まれる構成となっている。また、燃料電池スタック1のアノード出口側から入口側に亘って水素循環配管3が設けられており、燃料電池スタック1のアノード極1aから排出される未使用の水素が、水素循環配管3を通って図示しないエゼクタによって水素供給配管2に合流され、新たに水素タンクから取り出された水素と混合されて再度燃料電池スタック1のアノード極1aに供給されるようになっている。
【0022】
一方、燃料電池スタック1に空気を供給する空気供給系は、例えば、図示しないコンプレッサや圧力制御弁を有しており、コンプレッサによって吸入、加圧された外気が、圧力制御弁の動作によって所定の圧力とされた上で、空気供給配管4を通って燃料電池スタック1のカソード極1bに送り込まれる構成となっている。また、燃料電池スタック1のカソード出口には空気排気配管5が接続されており、燃料電池スタック1のカソード極1bから排出される排空気は、この空気排気配管5を通って外部に排出されるようになっている。
【0023】
また、空気供給系の空気供給配管4及び空気排気配管5は、湿度交換型熱交換器等の加湿装置6にそれぞれ接続されている。この加湿装置6は、燃料電池スタック1の空気極1bに供給する空気を加湿することで、燃料電池スタック1内部の固体高分子電解質膜を加湿する加湿手段として設けられているものであり、加湿のための水分として、空気排気経路5を通って排気される排空気に含まれる水分を利用する。
【0024】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の水素出口側経路である水素循環配管3の一部と、空気入口側経路である空気供給配管4の一部とが、バイパス弁7を介して連通するようになっている。そして、燃料電池スタック1に供給される空気が加湿不足の場合には、このバイパス弁7を開いて未使用の水素の一部を空気供給配管4へと導き、燃料電池スタック1内部で水素と空気の直接反応で水を生成させることにより、加湿量の不足を補うことが可能な構成となっている。
【0025】
燃料電池スタック1に冷却液を供給する冷却系は、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した冷却液を燃料電池スタック1に循環供給する冷却液循環経路8を有している。そして、この冷却系は、冷却液循環経路8を流れる冷却液を燃料電池スタック1のクーラント流路1cに通過させて熱交換を行わせることで、燃料電池スタック1の温度を例えば80℃程度の適正温度に保つようにしている。
【0026】
さらに、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1のカソード極1b出口近傍に温度センサ9が設置されていると共に、燃料電池スタック1のクーラント流路1c出口近傍に温度センサ10が設置されている。これら温度センサ9,10は、前記設置点を温度計測点として、燃料電池スタック1の空気出口温度及び冷却液出口温度を計測するものである。
【0027】
以上のように構成される燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1内部において水分が不足して加湿量が低い状態となっている場合には、燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜で水分の蒸発が起こり、その結果、蒸発潜熱によって燃料電池スタック1の空気出口温度が低下することになる。一方、燃料電池スタック1の冷却液出口温度は、燃料電池スタック1内部の加湿状態に拘わらずほぼ一定である。したがって、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度とを比較して、その差が大きくなっているかどうかを判断することで、燃料電池スタック1の加湿不足を判定することが可能となる。
【0028】
そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の空気出口温度を計測する温度センサ9の計測値と、燃料電池スタック1の冷却液出口温度を計測する温度センサ10の計測値とを比較して、これらの差が大きいほど燃料電池スタック1内部の加湿量が低いと判定し、この判定結果に基づいて、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御するようにしている。ここで、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量の制御とは、例えば、加湿不足を解消するために、バイパス弁7を介して空気供給配管4へと導かれる水素流量の制御や、加湿過剰によるフラディング状態を解消するために、燃料電池スタック1のカソード極1bに供給する空気流量を増加させる等の制御を意味している。
【0029】
また、本実施形態の燃料電池システムでは、燃料電池スタック1内部における加湿状態の判定精度を更に良好なものとするために、以上のような本発明に特徴的な判定に加え、従来一般的に行われている燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定も併せて行い、本発明に特徴的な燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づく判定と、従来一般的に行われているセル電圧の低下による判定のうち少なくとも一方において加湿状態が不適と判定された場合に、加湿状態を改善するように、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御するようにしている。また、特に、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きく、且つセル電圧の低下が少ない場合には、加湿量を増加させるように、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御し、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が小さく、且つセル電圧の低下が多い場合は、加湿量を減少させるように、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御するようにしている。
【0030】
なお、本実施形態の燃料電池システムでは、加湿量を自在に調整するのが難しい温度交換型熱交換器を加湿装置6として用いるようにしているので、加湿状態と相関関係にある燃料電池システムの運転状態量を制御することで燃料電池スタック1の加湿状態を改善するようにしているが、加湿量の調整を容易に行える加湿装置を用いるようにした場合には、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との比較による判定結果に基づいて、加湿装置自体の動作を制御して加湿装置による加湿量を調整し、燃料電池スタック1内部における加湿状態を改善するようにしてもよい。
【0031】
この場合にも、燃料電池スタック1内部における加湿状態の判定精度を更に良好なものとするために、本発明に特徴的な燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づく判定と、従来一般的に行われている燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定も併せて行い、これらの判定のうち少なくとも一方において加湿状態が不適と判定された場合に、加湿状態を改善するように、加湿装置の動作を制御することが望ましい。また、特に、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きく、且つセル電圧の低下が少ない場合には、加湿量を増加させるように、加湿装置の動作を制御し、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が小さく、且つセル電圧の低下が多い場合は、加湿量を減少させるように、加湿装置の動作を制御することが望ましい。
【0032】
次に、本実施形態の燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1内部における加湿状態を判定する具体的な処理の一例について、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0033】
本実施形態の燃料電池システムは、キースイッチONにより起動され(ステップS1)、システム起動時には、出力制限を受けるアイドル状態に設定されて、システムの暖機運転が開始される(ステップS2)。そして、暖機運転が開始されると、セル電圧モニタが作動し始め、燃料電池スタック1の電圧監視が開始される(ステップS3)。
【0034】
次に、ステップS4では、燃料電池スタック1の最低セル電圧V1が所定の閾値Vx以上となっているか否かが判定される。この判定は、ステップS3においてセル電圧モニタが電圧監視を開始した後は常時行われ、最低セル電圧V1が閾値Vx未満の場合はステップS5へ進み、閾値Vx以上の場合はステップS8へ進む。
【0035】
ステップS5では、燃料電池スタック1内部が加湿過剰な状態でフラッディングが生じているものと判断されて、フラッディング解消運転へと移行し、燃料電池スタック1のカソード極1bに供給する空気流量を増加させるといったような、フラッディング状態を解消するための燃料電池システムの運転状態量の制御が行われる。次いで、ステップS6において、最低セル電圧V1の判定が再度行われ、最低セル電圧V1が所定電圧Vy以上の場合には、ステップS4へ戻って再度ステップS4の判定が行われる。一方、最低セル電圧V1が所定電圧Vyに満たない場合には、フラッディング状態の解消が不可能であると判断されてステップS7へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。
【0036】
ステップS8では、温度センサ10によって計測された燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と、温度センサ9によって計測された燃料電池スタック1の空気出口温度T2との温度差(T1−T2)が計算され、これらの温度差が所定の閾値Txと比較される。そして、これらの温度差が閾値Tx以上であれば、ステップS4へ戻って再度ステップS4の判定が行われる。一方、これらの温度差が閾値Txに満たない場合にはステップS9へ進む。通常、燃料電池システムの起動直後は燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との間には温度差があり、燃料電池スタック1に空気や冷却液がある流量である時間流れた後に、この温度差が閾値Tx以下となる。
【0037】
ステップS9では、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差の監視が開始される。そして、ステップS10では、ステップS9による温度差の監視開始をもってアイドル状態の暖機運転終了とされ、出力制限等の制約が解除されて、以降は自由なモードで運転可能な状態となる。
【0038】
次に、ステップS11では、キースイッチOFFによる停止処置が行われたか否かが判定され、停止処置が行われた場合はステップS12へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。一方、停止処置が行われていない場合は、ステップS13へ進む。
【0039】
ステップS13では、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差が、再度所定の閾値Txと比較され、これらの温度差が閾値Txを超えている場合にはステップS14へ進み、所定値Tx以下であればステップS19へ進む。
【0040】
ステップS14では、燃料電池スタック1内部が加湿不足の状態にあると判断されて、上述したバイパス弁7を開放して、バイパス弁7を介して空気供給配管4へと導かれる水素流量を増加させるといったような、燃料電池スタック1内部の加湿量を増加させるための燃料電池システムの運転状態量の制御が行われる。このステップS14の制御は、予め設定された所定時間T1が経過するまで継続される(ステップS15)。
【0041】
次に、ステップS16では、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差が再度閾値Txと比較され、これらの温度差が閾値Txに満たない場合には、燃料電池スタック1内部の加湿不足が解消されたと判断され、ステップS17においてバイパス弁7が閉塞されて加湿増加制御が終了し、ステップS11に戻って、停止処置が行われたか否かの判定が再度行われる。一方、燃料電池スタック1の冷却液出口温度T1と空気出口温度T2との温度差が閾値Tx以上の場合には、燃料電池スタック1内部の加湿不足が解消されておらず、このまま運転を続けると燃料電池スタック1の劣化に繋がると判断されてステップS18へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。
【0042】
ステップS19では、燃料電池スタック1の最低セル電圧V1が所定の閾値Vx以上となっているか否かが再度判定される。そして、燃料電池スタック1の最低セル電圧V1が閾値Vx以上となっている場合には、ステップS11に戻って、停止処置が行われたか否かの判定が再度行われる。一方、最低セル電圧V1が所定の閾値Vxに満たない場合には、ステップS20に進む。
【0043】
ステップS20では、上述したステップS5と同様、燃料電池スタック1内部が加湿過剰な状態でフラッディングが生じているものと判断されて、フラッディング解消運転へと移行し、燃料電池スタック1のカソード極1bに供給する空気流量を増加させるといったような、フラッディング状態を解消するための燃料電池システムの運転状態量の制御が行われる。次いで、ステップS21において、最低セル電圧V1の判定が再度行われ、最低セル電圧V1が所定電圧Vy以上の場合には、ステップS19へ戻って再度ステップS19の判定が行われる。一方、最低セル電圧V1が所定電圧Vyに満たない場合には、フラッディング状態の解消が不可能であると判断されてステップS22へ進み、燃料電池システムの運転が停止される。
【0044】
以上のように、本実施形態の燃料電子ステムでは、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に基づく加湿状態の判定と、燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定とを併用して、加湿状態の判定精度をより良好なものにしている。
【0045】
燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に基づく加湿状態の判定と、燃料電池スタック1のセル電圧の低下による加湿状態の判定との比較を、表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
燃料電池スタック1内部における加湿不足については、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に基づく加湿状態の判定と、燃料電池スタック1のセル電圧低下による判定とを比較した場合、温度差による判定の方が加湿不足より早く判定することが可能である。一方、燃料電池スタック1内部における加湿過剰については、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との差に変化が現れないので、セル電圧低下から判定する必要がある。そこで、本実施形態の燃料電池システムでは、これらの特徴を生かして、両者を組み合わせることでより高精度な判定が行えるようにしている。
【0048】
燃料電池スタック1内部の加湿不足が発生した際の典型的な挙動を図3に示す。燃料電池スタック1内部に加湿不足が発生した場合、燃料電池スタック1のセル電圧の不安定状態が現れるよりも早く、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気出口温度との温度差が開き、加湿不足が燃料電池スタック1の許容範囲を越えると、その温度差が所定の閾値を越える。このような場合には、やがてセル電圧の低下が現れることになる。このように、燃料電池スタック1内部における加湿不足に対しては、燃料電池スタック1の冷却液出口温度と空気極出口温度との温度差と所定の閾値と比較してその判定を行うことにより、従来一般的に行われていたセル電圧低下による判定のみの場合よりも早い段階での判定が可能となり、適切な対応をいち早く行うことが可能となる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との差が通常の運転に比べて大きくなる現象に基づいて加湿状態を判断するので、燃料電池スタック1内部に加湿不足が生じている場合に、セル電圧の低下が起こるよりも早く加湿不足の状況を把握することができる。したがって、セル電圧の低下のみから加湿不足を判定する場合に比べて、より早く加湿不足を解消させる措置をとることができ、加湿不足による燃料電池スタック1への負担を減らすことができる。
【0050】
また、以上のような燃料電池スタック1の空気出口温度と冷却液出口温度との温度差に基づく判定と、従来一般的に行われていた燃料電池スタック1のセル電圧の低下による判定とを併せて燃料電池スタック1内部における加湿状態を判断することにより、より高精度な判定が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した燃料電池システムの主要部分の構成を示す図である。
【図2】前記燃料電池システムにおいて燃料電池スタック内部の加湿状態を判定する処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】燃料電池スタック内部に加湿不足が発生したときの空気極出口温度と冷却液出口温度との温度差の挙動と最低セル電圧の挙動とを示す特性図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
6 加湿装置
7 バイパス弁
9,10 温度センサ
Claims (8)
- 燃料ガス及び空気の供給により発電を行う燃料電池を備え、当該燃料電池の温度を冷却液により制御する燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づいて、前記燃料電池内部の加湿状態を判定することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きいほど、前記燃料電池内部の加湿量が低いと判定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池に供給する空気を加湿する加湿装置を備え、
前記燃料電池内部の加湿状態の判定結果に基づいて、前記加湿装置の動作を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池のセル電圧の低下により加湿状態を判断する判定手段を更に備え、
前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づく判定と、前記判定手段による判定のうち少なくとも一方において加湿状態が不適と判定された場合に、加湿状態を改善するように前記加湿装置の動作を制御することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きく、且つ前記セル電圧の低下が少ない場合は、加湿量を増加させるように前記加湿装置の動作を制御し、
前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差が小さく、且つ前記セル電圧の低下が多い場合は、加湿量を減少させるように前記加湿装置の動作を制御することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池内部の加湿状態の判定結果に基づき、加湿状態と相関関係にある当該燃料電池システムの運転状態量を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システム。
- 前記燃料電池のセル電圧の低下により加湿状態を判断する判定手段を更に備え、
前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差に基づく判定と、前記判定手段による判定のうち少なくとも一方において加湿状態が不適と判定された場合に、加湿状態を改善するように前記運転状態量を制御することを特徴とする請求項6に記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差が大きく、且つ前記セル電圧の低下が少ない場合は、加湿量を増加させるように前記運転状態量を制御し、
前記燃料電池の空気出口温度と冷却液出口温度との差が小さく、且つ前記セル電圧の低下が多い場合は、加湿量を減少させるように前記運転状態量を制御することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
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