JP2003068337A - 燃料電池システム - Google Patents

燃料電池システム

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JP2003068337A
JP2003068337A JP2001254001A JP2001254001A JP2003068337A JP 2003068337 A JP2003068337 A JP 2003068337A JP 2001254001 A JP2001254001 A JP 2001254001A JP 2001254001 A JP2001254001 A JP 2001254001A JP 2003068337 A JP2003068337 A JP 2003068337A
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fuel cell
water
amount
humidifying
cell system
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JP2001254001A
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English (en)
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Hiroki Ogawara
裕記 大河原
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池に供給するガスを加湿する際に、加
湿量を、所望の量により近づける制御を行なう技術を提
供する。 【解決手段】 燃料電池システム10では、燃料電池2
0と第1熱交換器32との間を循環する冷却水は、燃料
電池20を冷却することで昇温すると共に、第1熱交換
器32において降温する。加湿器30と第2熱交換器3
4との間を循環する加湿水は、第2熱交換器34におい
て昇温すると共に、改質器30において酸化ガスの加湿
に用いられる。伝熱流路64は、第1熱交換器32で冷
却水と熱交換して昇温した水を、第2熱交換器34に導
く。第2熱交換器34においてこの水は、上記加湿水と
熱交換して加湿水を昇温させる。第2熱交換器34で加
湿水との熱交換する水のうち、第1熱交換器32を経由
しない水の量を調節することで、加湿器30における加
湿量を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、水素と酸素の供
給を受け、電気化学反応により起電力を得る燃料電池を
備える燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、プロトン導電
性を有する固体高分子膜を電解質層に備える燃料電池で
ある。この固体高分子膜は、湿潤状態にあるときに高い
プロトン導電性を示すので、効率的に発電を行なうため
には、固体高分子膜を充分な湿潤状態に保つことが重要
である。固体高分子膜を湿潤状態に保つために、一般的
に、燃料電池に供給するガスの加湿が行なわれる。
【0003】燃料電池に供給するガスを加湿する方法の
一つとして、燃料電池から排出されるカソードオフガス
を用いて、燃料電池のカソード側に供給する酸化ガス
(空気)を加湿する方法が知られている(例えば、特開
2000−156236号公報等)。カソードオフガス
は、電気化学反応によって生じた生成水が気化した水蒸
気を含有し、ほぼ飽和蒸気圧に達した湿度の高い気体で
ある。また、カソードオフガスは、燃料電池内部で昇温
されて燃料電池の内部温度に略等しい温度となって排出
される。したがって、カソードオフガスを用いて、外部
から取り込んだ空気を加湿することができる。このよう
な構成とすれば、ガスの加湿を行なうために特別に熱源
を設ける必要が無く、燃料電池システム全体のエネルギ
効率の低下を抑えることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、カソー
ドオフガスを利用して酸化ガスを加湿する際には、酸化
ガスの加湿量を所望の値に制御することが困難であると
いう問題が生じる。すなわち、加湿量は、加湿のために
用いる湿潤気体の温度や流量に応じた量となるが、カソ
ードオフガスの温度は燃料電池の運転温度によって定ま
り、カソードオフガスの流量は燃料電池における発電量
に応じて定まる。したがって、加湿のための湿潤気体と
してカソードオフガスを用いる場合には、加湿量の制御
が困難となる。
【0005】なお、カソードオフガスを用いる場合のよ
うに燃料電池で発生する熱を利用することなく、他に熱
源を設け、水蒸気を発生させて加湿する構成も考えられ
る。しかしながら、このような場合には、上記他の熱源
においてエネルギを消費することになるため、システム
全体のエネルギ効率が低下してしまう。
【0006】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、燃料電池に供給するガスを
加湿する際に、システム全体のエネルギ効率を低下させ
ることなく、加湿量を安定して制御可能となる技術を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するために、本発明の燃料電池システム
は、電気化学反応を進行して発電を行なう燃料電池を備
える燃料電池システムであって、前記燃料電池で発生し
た熱を用いて加湿用水を昇温する加熱部と、前記加湿用
水を用いて、該加湿用水の温度に応じた加湿量で、電気
化学反応に供するガスを加湿する加湿器と、前記加湿用
水の温度を調節して、前記加湿器における加湿量を制御
する制御部とを備えることを要旨とする。
【0008】このような燃料電池システムでは、燃料電
池で発生した熱を用いて昇温させた加湿用水を用いて、
加湿用水の温度に応じた加湿量でガスを加湿する際に、
加湿用水の温度を調節して、加湿器における加湿量を制
御する。このように、加湿に要する熱量を燃料電池から
得ているため、ガスを加湿することで燃料電池システム
全体のエネルギ効率が低下してしまうのを抑えることが
できる。また、加湿用水の温度を制御することにより、
燃料電池に供給するガスの加湿量を安定して制御するこ
とが可能となる。
【0009】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
加熱部は、第1の冷媒を用いて前記燃料電池を冷却する
電池冷却部と、前記第1の冷媒と、前記第1の冷媒とは
異なる第2の冷媒との間での熱交換を行なうことによっ
て前記第2の冷媒を加熱する第1の熱交換器と、前記第
2の冷媒と前記加湿用水との間で熱交換を行なうことに
よって前記加湿用水を加熱する第2の熱交換器と、前記
第2の冷媒を、前記第1の熱交換器と前記第2の熱交換
器の双方を経由して循環させる循環流路と、前記循環流
路に接続され、前記第1の熱交換器をバイパスさせて前
記第2の冷媒を循環させるバイパス流路と、前記循環流
路と前記バイパス流路の流量配分を調節するための流量
配分調節部と、を備え、前記制御部は、前記循環流路と
前記バイパス流路の流量配分を調節することによって前
記加湿量を制御することとしても良い。
【0010】あるいは、本発明の燃料電池システムにお
いて、前記加熱部は、冷媒として前記加湿用水を用いて
前記燃料電池を冷却する電池冷却部と、前記加湿用水
を、前記燃料電池と前記加湿器の双方を経由して循環さ
せる循環流路と、前記循環流路に接続され、前記燃料電
池をバイパスさせて前記加湿用水を循環させるバイパス
流路と、前記循環流路と前記バイパス流路の流量配分を
調節するための流量配分調節部と、を備え、前記制御部
は、前記循環流路と前記バイパス流路の流量配分を調節
することによって前記加湿量を制御することとしても良
い。
【0011】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
加湿器は、水蒸気透過性を有する膜を備え、該膜を介し
て前記ガスを加湿することとしても良い。
【0012】また、本発明の燃料電池システムにおい
て、前記制御部は、前記燃料電池の内部温度に基づいて
前記加湿量を制御することとしても良い。
【0013】燃料電池の内部温度が変化すると、燃料電
池内部の飽和水蒸気圧が変化し、ガスの加湿量が不足で
あるか過剰であるかの状態が変化する。したがって、燃
料電池の内部温度に基づいて加湿量を制御することによ
り、加湿量を望ましい量に的確に近づけることが可能と
なる。
【0014】このような本発明の燃料電池システムにお
いて、前記加湿器によって加湿された前記ガスの加湿量
を検出する湿度センサをさらに備え、前記制御部は、前
記ガスの加湿量が、前記燃料電池の内部温度に応じた所
定の目標値に近づくように、前記ガスの加湿量を制御す
ることとしても良い。
【0015】あるいは、本発明の燃料電池システムにお
いて、前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧計をさら
に備え、前記制御部は、前記燃料電池の出力電圧が、前
記燃料電池の内部温度に応じた所定の目標値に近づくよ
うに、前記ガスの加湿量を制御することとしても良い。
【0016】また、本発明の燃料電池システムにおい
て、前記電気化学反応に供された後に前記燃料電池から
排出される排ガス中の湿度を検出する湿度センサと、前
記燃料電池において前記電気化学反応に伴って生じる生
成水量を算出する算出部と、をさらに備え、前記制御部
は、前記加湿器における前記ガスの加湿量と、前記算出
部が算出した前記生成水量とが、前記湿度センサが検出
した前記湿度に基づいて求められる前記排ガス中の水蒸
気量と釣り合うように、前記加湿量を制御することとし
ても良い。
【0017】本発明の燃料電池システムにおいて、前記
電気化学反応に供された後に前記燃料電池から排出され
る排ガス中の水蒸気を水として回収する凝縮器をさらに
備え、前記凝縮器で回収した水を、前記加湿用水として
利用することとしても良い。
【0018】このような構成とすることで、ガスの加湿
に用いるために、燃料電池システムの外部から取り入れ
るべき水の量を削減、あるいは不要とすることができ
る。
【0019】本発明は、例えば、燃料電池システムにお
けるガスの加湿量の制御方法等、種々の形態で実現する
ことが可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.装置の全体構成: B.加湿と冷却に関わる構成: C.燃料電池の冷却に関わる水量制御: D.加湿量の制御: E.第2実施例: F.第3実施例: G.変形例:
【0021】A.装置の構成:図1は、本発明の一実施
例としての燃料電池システム10の構成を表わす説明図
である。まず、図1に基づいて、燃料電池に供給される
ガスの流れについて説明する。燃料電池システム10
は、改質燃料および水の昇温と混合を行なう蒸発・混合
部74、改質反応を促進する改質触媒を備える改質器7
5、改質ガス中の一酸化炭素濃度を低減するCO低減部
76、燃料電池20、ブロワ78を主な構成要素として
いる。なお、本実施例の燃料電池システム10は、燃料
電池が発電した電力を家庭内で利用する定置型のシステ
ムである。
【0022】蒸発・混合部74には、燃料流路72を介
して、改質器75で進行する改質反応に供するための改
質燃料が供給される。また、蒸発・混合部74には、水
流路73を介して、改質反応に供するための水が供給さ
れる。本実施例では、改質燃料として天然ガスを用いて
おり、燃料流路72は、天然ガスを供給する商用ガスラ
インと接続されている。同様に、水流路73は、水を供
給するライン(水道管)と接続されている。蒸発・混合
部74は、水流路73から供給された水を気化させると
共に、得られた水蒸気と、燃料流路72から供給された
改質燃料とを混合し、これらを昇温させる。
【0023】蒸発・混合部74から排出された改質燃料
と水との混合ガスは、改質器75において改質反応に供
されて改質ガス(水素リッチガス)を生成する。ここ
で、改質器75には、用いる改質燃料に応じた改質触媒
が備えられており、この改質燃料を改質する反応に適し
た温度となるように、改質器75の内部温度が制御され
る。また、改質器75で進行する改質反応は、水蒸気改
質反応や部分酸化反応、あるいは両者を組み合わせたも
のなど種々の態様を選択することができ、改質触媒は、
このように改質器75内で進行させる改質反応に応じた
ものを選択すればよい。
【0024】改質器75で生成された改質ガスは、CO
低減部76において一酸化炭素濃度が低減されて、燃料
電池20のアノード側に対して燃料ガスとして供給され
る。CO低減部76は、一酸化炭素と水蒸気とから二酸
化炭素と水素とを生じるシフト反応を促進する触媒を備
え、シフト反応によって水素リッチガス中の一酸化炭素
濃度を低減するシフト部とすることができる。あるい
は、水素に優先して一酸化炭素を酸化する選択酸化反応
を促進する触媒を備え、一酸化炭素選択酸化反応によっ
て水素リッチガス中の一酸化炭素濃度を低減する一酸化
炭素選択酸化部とすることができる。また、これらの両
方を備えることとしても良い。
【0025】燃料電池20のカソード側に対しては、ブ
ロワ78から圧縮空気が酸化ガスとして供給される。ブ
ロワ78が外部から取り込んだ空気は、加湿器30で加
湿された後に、燃料電池20に供給される。加湿器30
については、後にさらに説明する。これら燃料ガスおよ
び酸化ガスを利用して、燃料電池20では電気化学反応
によって起電力が生じる。
【0026】燃料電池20は、固体高分子型燃料電池で
ある。以下に、燃料電池20で進行する電気化学反応を
表わす式を示す。
【0027】 H2 → 2H++2e- …(1) 2H++2e-+(1/2)O2 → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0028】(1)式はアノード側における反応を示
し、(2)式はカソード側における反応を示し、(3)
式は燃料電池全体で行なわれる反応を示す。(2)式に
示すように、電気化学反応に伴ってカソード側には生成
水が生じるが、このような生成水を含めて、電解質膜が
保持する水分の一部は、酸化ガス中に気化して燃料電池
外に排出される。本実施例の燃料電池システム10で
は、加湿器30を用いて燃料電池20に供給する酸化ガ
スを予め加湿することによって、電解質膜の乾燥を防い
でいる。
【0029】B.加湿と冷却に関わる構成:図2は、燃
料電池システム10において、酸化ガスの加湿と燃料電
池20の冷却に関わる流路の流れを表わす説明図であ
る。電気化学反応に用いられる空気は、ブロワ78によ
って外部から取り込まれて酸化ガス流路40を流れ、既
述した加湿器30を経由して、燃料電池20に導かれ
る。加湿器30では、上記酸化ガス流路40と共に水流
路62がその内部を通過するように配設されており、両
者の間で水蒸気の交換が行なわれる。加湿器30内を通
過する水流路62には、所定の高温に昇温した加湿用の
水(加湿用水)が流れる。加湿器30において、酸化ガ
ス流路40と水流路62とが接する領域では、両者の壁
面の一部が水蒸気透過性を有する高分子からなる膜31
によって形成されている。すなわち、加湿器30内で
は、酸化ガスと加湿用水とが膜31を境にして接してお
り、この膜31を介して水流路62側から酸化ガス流路
40側に水蒸気が供給されて、酸化ガスの加湿が行なわ
れる。
【0030】なお、図2では、膜31を介して酸化ガス
流路40と水流路62とが接する様子を簡略化して表わ
したが、膜31と各流路とは種々の形状とすることが可
能である。膜31を中空子膜とする場合には、例えば、
中空子膜の内部の空隙を水流路62として加湿用水を流
し、中空子膜の外部の空間を酸化ガス流路40とするこ
とで、酸化ガスの加湿を行なうことができる。あるい
は、膜31を平膜状にして、所定の間隔をおいて複数の
膜31を重ね合わせることとしても良い。この場合に
は、重ね合わせた膜31の間に形成される複数の空間
に、加湿用水と空気とをそれぞれ交互に流し、水流路6
2と酸化ガス流路40とが積層された形状とすること
で、酸化ガスの加湿を行なうことができる。
【0031】酸化ガス流路40において、加湿器30と
燃料電池20との間には、加湿器30によって加湿され
た酸化ガスの湿度を検出する湿度センサ50が設けられ
ている。湿度センサ50は、後述する制御ユニット39
に接続されている。
【0032】酸化ガス流路40から燃料電池20に供給
された酸化ガスは、電気化学反応に供された後、カソー
ドオフガス流路42によって凝縮器38に導かれる。凝
縮器38では、カソードオフガスを冷却して気水分離す
る。水分を取り除いた残りのカソードオフガスは、排出
路44に導かれて外部に排出される。なお、凝縮器38
でカソードオフガスから取り除いた水は、後述するよう
に、加湿器30における加湿のために再び用いられる。
【0033】また、燃料電池システム10においては、
燃料電池20の内部を冷却水が通過するように、冷却水
流路60が設けられている。この冷却水流路60は、電
気化学反応に伴って発生する熱を除去して燃料電池20
の内部温度を所定の温度範囲(例えば60〜100℃)
に保ち、電気化学反応を効率良く進行させるためのもの
である。
【0034】燃料電池システム10は、さらに、燃料電
池20の冷却に関わる第1熱交換器32と第1ポンプ5
2とを備えている。上述した冷却水流路60は、燃料電
池20の内部と、第1熱交換器32との間で冷却水を循
環させる。燃料電池20内を通過して昇温した冷却水
は、第1熱交換器32において冷却され、冷却水流路6
0内を循環して再び燃料電池20の冷却に用いられる。
第1ポンプ52は、冷却水流路60内を冷却水が循環す
る駆動力を発生するものであり、後述する制御ユニット
39に接続している。なお、冷却水流路60内を流れる
冷却水としては、純水や水道水、あるいは不凍液など、
種々のものを用いることができる。
【0035】燃料電池20には、さらに、燃料電池20
の内部温度を検出する第2温度センサ59が設けられて
いる。第2温度センサ59は、制御ユニット39に接続
されている。なお、第2温度センサ59は、燃料電池2
0内部の所定の位置に配設することとしても良く、ある
いは、冷却水流路60において、燃料電池20から冷却
水が排出される出口部付近に配設し、燃料電池20から
排出される冷却水温度を検出することとしても良い。第
2温度センサ59は、燃料電池20の内部温度を反映す
る温度を検出可能であればよい。なお、燃料電池20に
は、燃料電池20における出力電流を検出する電流計6
8がさらに設けられている。電流計68もまた、制御ユ
ニット39に接続されている。
【0036】また、燃料電池システム10は、酸化ガス
の加湿に関わる第2熱交換器34と第2ポンプ53とを
備えている。第2熱交換器34と加湿器30との間に
は、加湿用水を循環させる水流路62が設けられてい
る。水流路62内を流れる加湿用水は、第2熱交換器3
4において昇温した後、加湿器30において酸化ガスの
加湿に用いられる。第2ポンプ53は、水流路62内を
加湿用水が循環する駆動力を発生するものであり、後述
する制御ユニット39に接続している。なお、本実施例
では、水流路62を通過する加湿用水として純水を用い
ており、これによって、加湿器30が備える膜31上に
不純物が蓄積するのを防止している。
【0037】水流路62内を循環する加湿用水は、加湿
器30において酸化ガスを加湿するのに消費されるた
め、水流路62に対しては、既述した凝縮器38および
外部から、水が補給される。凝縮器38と水流路62と
の間には、両者を接続する補水路65が設けられてお
り、補水路65に設けられた第4ポンプ55を駆動する
ことで、凝縮器38においてカソードオフガスから回収
された水が、水流路62に供給される。また、水流路6
2には、補水路66と純水器37とを介して外部の水道
管が接続されている。水道管から供給される水は、純水
器37によって純水となり、補水路66を介して水流路
62に供給される。補水路66を介して供給される水の
量は、補水路66に設けた弁58によって調節される。
なお、水流路62には、第2熱交換器34で昇温されて
加湿器30に供給される水の温度を検出する第1温度セ
ンサ51が配設されている。第1温度センサ51と、上
記第4ポンプ55および弁58は、制御ユニット39に
接続されている。
【0038】さらに、燃料電池システム10は、貯湯槽
36を備えている。貯湯槽36には第3ポンプ54が併
設されており、第3ポンプ54によって貯湯槽36から
汲み上げられた水は、伝熱流路64に導かれて、第1熱
交換器32および第2熱交換器34をこの順に経由して
流れる。伝熱流路64内を通過する水は、第1熱交換器
32では、冷却水流路60内を通過する冷却水との間で
熱交換を行なう。第1熱交換器32に導かれる冷却水
は、既述したように、燃料電池20と熱交換することで
昇温している。したがって、第1熱交換器32において
上記熱交換が行なわれることで、冷却水流路60内の冷
却水は降温すると共に、伝熱流路64内を通過する水は
昇温する。
【0039】第1熱交換器32において昇温した伝熱流
路64内の水は、第2熱交換器34では、水流路62内
を流れる加湿用水と熱交換して、これを昇温させる。第
2熱交換器34における熱交換で昇温した水流路62内
の加湿用水は、既述したように、加湿器30において酸
化ガスの加湿に用いられる。第2熱交換器34における
熱交換で降温した伝熱流路64内の水は、再び貯湯槽3
6に導かれる。このように、本実施例の燃料電池システ
ム10では、燃料電池20で生じた熱を、冷却水流路6
0内の冷却水および伝熱流路64内の水を介して、水流
路62内の加湿用水に伝えてこれを昇温させ、酸化ガス
の加湿を行なっている。
【0040】なお、貯湯槽36とは、伝熱流路64内を
通過する水が、第1熱交換器32および第2熱交換器3
4を経由して所定の高温となった後に、導入されるもの
である。燃料電池システム10は、既述したように、本
実施例の燃料電池20は、発電した電力を家庭内で利用
する定置型のシステムである。ここでは、貯湯槽36に
導入されて貯留される水(温水)を、家庭内の給湯や暖
房などに利用することによって、エネルギの有効利用を
図っている。
【0041】本実施例では、貯湯槽36に蓄えられて伝
熱流路64を循環する水として、水道水を用いた。上記
のように、貯湯槽36に導入される温水は、家庭内での
利用に供される一方、貯湯槽36へは、新たに水道水が
供給される。そこで、貯湯槽36からは、貯湯槽36内
に蓄えられて降温した水と共に、新たに供給された水
が、第3ポンプ54によって汲み出される。そのため、
貯湯槽36から汲み出される水は充分に低温となってお
り、第1熱交換器32における冷却水の冷却や、加湿用
水の温度調節を効果的に行なうことが可能となってい
る。
【0042】また、燃料電池システム10においては、
伝熱流路64から分岐するバイパス流路63が設けられ
ている。バイパス流路63は、第3ポンプ54によって
貯湯槽36から汲み出された水を、第1熱交換器32を
経由することなく第2熱交換器34に導く。伝熱流路6
4およびバイパス流路63には、両者が分岐する位置よ
りも下流側に、それぞれ、弁57および弁56が設けら
れている。これらの弁56,57は、制御ユニット39
に接続されており、弁56,57の開度を調節すること
で、第2熱交換器34に供給される水のうち、第1熱交
換器32を経由する水の量と経由しない水の量とが制御
される。第1熱交換器32を経由する水は、第1熱交換
器32で冷却水と熱交換することで昇温しており、経由
しない水は、温度が低いままである。したがって、これ
らの水の量を調節することで、第2熱交換器34で加湿
用水と熱交換する水の温度を制御することができる。ま
た、伝熱流路64において、上記弁57よりも下流側に
は、第1熱交換器32を経由する水の量を検出する流量
センサ67が設けられている。流量センサ67もまた、
制御ユニット39に接続されている。
【0043】制御ユニット39は、マイクロコンピュー
タを中心とした論理回路として構成され、詳しくは、予
め設定された制御プログラムに従って所定の演算などを
実行するCPUと、CPUで各種演算処理を実行するの
に必要な制御プログラムや制御データ等が予め格納され
たROMと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必
要な各種データが一時的に読み書きされるRAMと、既
述した各種センサからの検出信号を入力すると共にCP
Uでの演算結果に応じて信号を出力する入出力ポート等
を備える。
【0044】C.燃料電池の冷却の制御:燃料電池20
の温度制御は、冷却水流路60を通過する冷却水の流量
と、伝熱流路64内を通過して第1熱交換器32で上記
冷却水と熱交換する水の流量とを制御することによって
行なわれる。
【0045】燃料電池20が発電するときには、第2温
度センサ59が検出する燃料電池20の内部温度に応じ
て、第1ポンプ52の駆動量(回転数)が制御される。
また、第2温度センサ59が検出する燃料電池20の内
部温度に応じて、弁57の開度および第3ポンプ54の
駆動量が制御される。制御ユニット39は、燃料電池2
0の内部温度に応じたポンプ52,54の回転数の目標
値のマップを、予め記憶している。制御ユニット39
は、第2温度センサ59から検出信号を入力すると、こ
れらのマップを参照してポンプ52,54の回転数の目
標値をそれぞれ決定し、これに従ってポンプ52,54
に駆動信号を出力する。
【0046】ここで、上記第1ポンプ52および第3ポ
ンプ54の目標回転数のマップは、例えば、燃料電池2
0の内部温度が所定の温度となるまでは、内部温度の上
昇に応じて回転数が上昇することとし、所定の温度を超
えると所定の最大値をとることとすることができる。図
3に、第1ポンプ52の目標回転数のマップの一例を示
す。
【0047】なお、第3ポンプ54によって送り出され
る水は、弁57を経由して流れる他に、弁56を備える
バイパス流路63にも流れる。後述するように、バイパ
ス流路63を経由する水の量の制御は、加湿器30で酸
化ガスを加湿するために用いる水の温度を制御するため
に行なわれ、加湿量は燃料電池の内部温度を参照して決
定される。本実施例では、第3ポンプ54の回転数を決
定するための上記マップは、燃料電池20の内部温度に
応じてバイパス流路63を経由する水の流量が増加した
ときにも、弁57を経由する水の流量が充分に確保でき
るように予め定められている。
【0048】弁57の開度は、流量センサ67が検出す
る水の流量が、第2温度センサ59が検出する燃料電池
20の内部温度に応じた所望の流量となるように、制御
される。本実施例の燃料電池システム10では、燃料電
池20の内部温度に対応して、伝熱流路64内を流れる
水流量の目標値のマップを、予め制御ユニット39内に
記憶している。制御ユニット39は、第2温度センサ5
9から検出信号を入力すると、上記マップを参照して伝
熱流路64内を流れる水流量の目標値を決定する。そし
て、流量センサ67が検出する実際の水流量が、上記目
標値となるように、弁57に駆動信号を出力して弁57
の開度を調節する。
【0049】なお、伝熱流路64内を流れる水流量の目
標値は、第1ポンプ52を燃料電池の内部温度に応じて
マップに従い駆動したときに、燃料電池20の温度が所
望の範囲に収まるように設定されている。すなわち、貯
湯槽36から汲み上げられる水の温度や、第1熱交換器
32における熱交換効率を考慮して、第1熱交換器32
において伝熱流路64内の水によって冷却水を充分に冷
却可能となるように、水流量の目標値が定められてい
る。
【0050】上記のように、第1ポンプ52の回転数や
流量センサ67が検出する流量は、燃料電池20の内部
温度の検出値に基づいて、内部温度を所望の範囲内に維
持できるように制御することとしたが、負荷変動量をさ
らに考慮することとしても良い。燃料電池20における
発電量が多いほど発熱量は多くなる。そこで、負荷が大
きく増大するときには、現在の燃料電池20の内部温度
に見合った冷却量よりも、冷却量が多くなるように第1
ポンプ52の回転数および上記流量を制御することで燃
料電池の急激な温度上昇を防止することができる。ある
いは、負荷が大きく減少するときには、現在の燃料電池
20の内部温度に見合った冷却量よりも、冷却量が少な
くなるように第1ポンプ52の回転数および上記流量を
制御することで燃料電池の急激な温度低下を防止するこ
とができる。
【0051】D.加湿量の制御:水蒸気透過性を有する
膜31を用いて酸化ガスの加湿を行なう際には、その加
湿量は、膜31の面積や、膜31の透過係数、加湿され
る酸化ガス中の水蒸気分圧、加湿に用いる水流路62内
の加湿用水の温度に依存する。ここで、膜31の面積や
膜31の透過係数は、加湿器30を組み立てる際に定ま
るものであり、加湿される酸化ガス中の水蒸気分圧も、
ブロワ78によって取り込む空気中の水蒸気量によって
定まる。そこで本実施例の燃料電池システム10は、加
湿に用いる水流路62内の加湿用水の温度を調節するこ
とで、加湿量の制御を行なっている。
【0052】図4は、水流路62内を流れて加湿器30
に供給される加湿用水の温度と、酸化ガスの加湿量との
関係を表わす説明図である。図4は、加湿器30に供給
される酸化ガスの湿度が一定のときに、水流路62内を
流れて加湿器30に供給される加湿用水の温度が高くな
るほど、加湿器30から排出される酸化ガスの湿度が高
くなることを示している。本実施例では、加湿器30に
供給される加湿用水を加熱するために、第2熱交換器3
4において、この加湿用水と伝熱流路64内を流れる水
との間で熱交換を行なわせている。その際、バイパス流
路63に設けた弁56の開度を調節することで、伝熱流
路64内を流れて第2熱交換器34に供給される水のう
ち、第1熱交換器32を経由しない水の量を調節してい
る。これによって、伝熱流路64内を流れて第2熱交換
器34に供給される水の温度を調節している。さらに、
第2熱交換器34に供給される水の温度を調節すること
によって、第2熱交換器34で加熱される加湿用水の温
度を制御し、最終的に酸化ガスの加湿量を制御してい
る。
【0053】酸化ガスの加湿量の最適値は、燃料電池2
0の内部温度や、燃料電池20における発電量によって
定まる。燃料電池20の内部温度が低いときには、燃料
電池20の内部において飽和水蒸気圧が低くなるため、
供給する酸化ガス中の湿度をより低くして、燃料電池2
0内の酸化ガスの流路で水蒸気が凝縮するのを防止する
ことが求められる。また、燃料電池20の内部温度が高
いときには、電解質膜からの水の気化が促進されるた
め、供給する酸化ガス中の湿度をより高くして、電解質
膜が乾燥するのを防止することが求められる。
【0054】燃料電池20における発電量が少ないとき
には、電気化学反応に伴って生じる生成水量が少なくな
り、電解質膜が乾燥しやすくなるため、酸化ガスの加湿
量を増加させることが求められる。また、燃料電池20
における発電量が多いときには、電気化学反応に伴って
生じる生成水量が多くなり、湿度が過剰となりやすいた
め、酸化ガスの加湿量を抑えることが求められる。
【0055】本実施例の燃料電池システム10は、燃料
電池20の内部温度と燃料電池20における発電量と
に、酸化ガスの加湿量(湿度)の目標値を対応させたマ
ップを、予め制御ユニット39内に記憶している。この
マップは、燃料電池20内の飽和蒸気圧を考慮して、上
記のように燃料電池20の内部温度や発熱量に応じて、
電解質膜の乾燥や水蒸気の凝縮を防止可能となるように
設定されている。このマップを参照することで、酸化ガ
スの加湿量を、最適値により近づくように制御してい
る。図5は、酸化ガスの加湿量を制御するために実行さ
れる湿度制御処理ルーチンを表わすフローチャートであ
る。本ルーチンは、燃料電池システム10が起動される
と、所定の時間ごとに制御ユニット39において実行さ
れる。
【0056】本ルーチンが開始されると、制御ユニット
39のCPUは、第2温度センサ59から燃料電池20
の内部温度に関わる検出信号を入力すると共に、電流計
68から燃料電池20の出力電流(発電量)を読み込む
(ステップS100)。次に、上記マップを参照して、
ステップS100で読み込んだ内部温度と出力電流とに
基づいて、酸化ガスの湿度の目標値H0 を決定する(ス
テップS110)。その後、湿度センサ50から、酸化
ガスの実際の湿度H1 を読み込んで(ステップS12
0)、この実際の湿度H1 と湿度の目標値H0 とを比較
する(ステップS130)。
【0057】湿度の目標値H0 の方が実際の湿度H1
りも高い場合には、弁56の開度を減らすように弁56
に対して駆動信号を出力して本ルーチンを終了する(ス
テップS140)。弁56の開度を減らすことで、伝熱
流路64内を流れて第2熱交換器34に供給される水の
温度が上昇し、これによって加湿用水が昇温し、酸化ガ
スの加湿量が増加する。
【0058】湿度の目標値H0 と実際の湿度H1 とが略
等しい場合には、弁56の開度をそのまま維持して本ル
ーチンを終了する(ステップS150)。これによっ
て、酸化ガスの加湿量は維持される。
【0059】湿度の目標値H0 の方が実際の湿度H1
りも低い場合には、弁56の開度を増やすように弁56
に対して駆動信号を出力して本ルーチンを終了する(ス
テップS160)。弁56の開度を増やすことで、伝熱
流路64内を流れて第2熱交換器34に供給される水の
温度が低下し、これによって加湿用水が降温し、酸化ガ
スの加湿量が減少する。
【0060】なお、ステップS140およびステップS
160で行なう弁56の開度の増減の動作は、例えば、
弁56の開度を予め定めた所定量だけ増減することとす
ればよい。あるいは、弁56の開度の増減量は、湿度の
目標値H0 と実際の湿度H1との差に応じた量としても
良い。また、ステップS100においては、電流計68
から燃料電池20の出力電流を読み込むこととしたが、
これに代えて、燃料電池20に対する負荷指令値を読み
込むこととしても良い。
【0061】以上のように構成された本実施例の燃料電
池システム10によれば、酸化ガスの湿度を常に適正に
保つことができる。従って、酸化ガスの加湿量が不足し
て電解質膜が乾燥したり、酸化ガスの加湿量が多すぎて
燃料電池内で凝縮水が生じ、フラッディング(水滴がガ
ス流路内に滞留する)などの不都合が生じることがな
い。このような制御は、燃料電池20の内部温度や酸化
ガスの実際の加湿量に基づいて行なわれるため、定常運
転時のみならず、起動・停止時、負荷変動時にも、加湿
量を適正に保つことができる。
【0062】また、本実施例では、酸化ガスを加湿する
ために加湿用の水を加熱するための熱源として、燃料電
池20で発生する熱を利用している。したがって、酸化
ガスの加湿のために特別に熱源を用意する必要が無いこ
とに加えて、燃料電池システム10全体のエネルギ効率
を向上させることができる効果が得られる。
【0063】このように、燃料電池で生じる熱を利用し
て加湿用の水を加熱する際に、本実施例では、燃料電池
20を冷却する冷却水の流路と、加湿用水の流路とを分
離し、伝熱流路64と2つの熱交換器によって両者間で
熱の受け渡しを行なっている。したがって、燃料電池2
0は適正温度に制御しつつ、燃料電池20の温度制御と
は独立して、酸化ガスの加湿量を適正な量に制御するこ
とができる。
【0064】また、本実施例では、水蒸気透過性を有す
る膜を用いてガスを加湿する際に、昇温させた水を用い
ている。水は気体に比べて熱交換による温度制御が容易
であり、加湿のために湿潤気体を用いる場合に比べて、
加湿量の制御をより正確に行なうことが可能となる。ま
た、ガスの加湿の際に、単位膜面積当たりの水蒸気透過
量は、湿潤気体を用いる場合よりも昇温した水を用いた
方が多くなる。したがって、加湿のために湿潤気体を用
いる場合に比べて、加湿器をより小型化することが可能
となる。
【0065】なお、燃料電池20における発電量が変化
するときには、これに応じてブロワ78の駆動量が調節
されて、燃料電池20に供給される酸化ガス量が増減さ
れる。このように加湿器30に供給される酸化ガスの流
量が変化すると、加湿器30における加湿の効率も変化
する。したがって、弁56の開度を調節して酸化ガスの
加湿量を制御するときには、ブロワ78から加湿器30
に供給される酸化ガスの流量をさらに考慮することが望
ましい。
【0066】E.第2実施例:上記第1実施例では、酸
化ガスの加湿量の目標値は、燃料電池20の内部温度や
発熱量に対応して、温度ごとの飽和蒸気圧を踏まえ、電
解質膜の乾燥やフラッディングを防止可能となるよう
に、予め定めることとした。これに対して、加湿量と燃
料電池20の出力電圧との関係に基づいて、酸化ガスの
加湿量を制御することも可能である。このような制御を
第2実施例として以下に説明する。
【0067】図6は、酸化ガスの加湿量と燃料電池20
の出力電圧(FC電圧)との関係を表わす説明図であ
る。図6に示すように、酸化ガスの加湿量を徐々に増や
すに従って、電解質膜の乾きが改善されて電池性能が向
上することによりFC電圧が上昇し、FC電圧はやがて
最大値に達する。その後さらに加湿量を増加させると、
フラッディングの問題が生じて電池性能が低下すること
により、FC電圧は次第に低下する。なお、図6は、燃
料電池20の運転温度を所定の温度に設定したときの様
子を表わしており、燃料電池20の運転温度ごとに、図
6に示すように最適加湿量HA を定めることができる。
したがって、燃料電池20が取りうる運転温度に対応し
て、FC電圧が最も高くなる最適加湿量HA のマップを
予め記憶し、これを参照して加湿量を制御することとし
ても良い。なお、最適加湿量HA は、FC電圧が充分に
高くなる加湿量の範囲において、燃料電池システムで加
湿量の制御を行なう際の応答性を考慮して、適宜設定す
ればよい。
【0068】このような制御は、図2に示した燃料電池
システム10と同様のシステムにおいて、図5に示した
湿度制御処理ルーチンと同様の処理によって行なうこと
ができる。すなわち、ステップS100に対応する工程
で第2温度センサ59から燃料電池20の内部温度を読
み込み、ステップS110に対応する工程で、上記FC
電圧に基づくマップを参照して湿度の目標値H0 を決定
する。その後、ステップS120以降の処理を行ない、
実際の酸化ガスの湿度H1 と湿度の目標値H0とを比較
した結果に基づいて弁56の開度を調節することで、湿
度を最適値に近づける制御を行なう。
【0069】このような構成とすれば、第1実施例と同
様の効果を得ることができる。また、湿度の目標値を、
FC電圧が充分に高くなるように設定しているため、酸
化ガスの加湿量を制御することで効果的に燃料電池の電
池性能を確保することができる。
【0070】なお、加湿量と出力電圧との関係に基づい
て加湿量を制御する際には、予め定めた最適加湿量と実
際の加湿量との差に基づく方法の他に、出力電圧が最大
値(予め定めた設計電圧)となるように制御する方法を
採ることもできる。すなわち、図6に示すように、燃料
電池ではその運転温度ごとに、加湿量が所定の値(最適
加湿量HA )のときにFC電圧は最大電圧VA を示すた
め、FC電圧がこの最大電圧VA に近づくように加湿量
を制御することができる。
【0071】FC電圧に基づいて加湿量を制御するに
は、例えば図2に示した燃料電池システム10におい
て、燃料電池20の電圧を検出する電圧計をさらに設け
ればよい。ここでは、制御ユニット39内において、燃
料電池20の各運転温度に対応して出力電圧の最大値を
マップとして記憶している。このような燃料電池システ
ムにおいて、FC電圧に基づいて加湿量を制御する際に
実行される湿度制御処理ルーチンを図7に示す。本ルー
チンは、燃料電池システム10が起動されると、所定の
時間ごとに制御ユニット39において実行される。
【0072】本ルーチンが開始されると、制御ユニット
39のCPUは、第2温度センサ59から燃料電池20
の内部温度に関わる検出信号を入力すると共に、上記電
圧計から燃料電池20の出力電圧V1 を読み込む(ステ
ップS200)。次に、上記マップを参照して、ステッ
プS200で読み込んだ内部温度における出力電圧の最
大値を、設計電圧V0 として読み込む(ステップS21
0)。その後、設計電圧V0 と出力電圧V1 との差D1
を算出し(ステップS220)、差D1 が略0であるか
否かを判断する(ステップS230)。
【0073】ステップS230において、差D1 が略0
である、すなわち実際の出力電圧V 1 が設計電圧V0
略等しいと判断されるときには、弁56の開度をそのま
ま維持して(ステップS290)、本ルーチンを終了す
る。
【0074】ステップS230において、差D1 が略0
ではないと判断されるときには、弁56の開度を減らす
ように弁56に対して駆動信号を出力して(ステップS
240)、その後再び電圧計から出力電圧V2 を読み込
む(ステップS250)。さらに、設計電圧V0 と出力
電圧V2 との差D2 を算出し(ステップS260)、差
2 が差D1 よりも小さいかどうかを判断する(ステッ
プS270)。既述したように、弁56の開度を減らす
ことで酸化ガスの加湿量が増加するため、加湿量不足が
原因で出力電圧が設計電圧よりも低かった場合には、差
2 が差D1 よりも小さくなる。加湿量不足が軽減され
て、ステップS270で差D2 が差D1よりも小さいと
判断されたときには、弁56の開度をそのまま維持して
(ステップS290)、本ルーチンを終了する。
【0075】出力電圧が設計電圧よりも低い原因が加湿
量過剰である場合には、ステップS240で弁56の開
度を減らすことで加湿量過剰が進行してしまう。したが
って、ステップS270において差D2 が差D1 よりも
小さくならない。このような場合には、弁56の開度
が、ステップS240で開度を減らす以前よりも増すよ
うに、弁56に対して駆動信号を出力して(ステップS
280)、本ルーチンを終了する。これによって、酸化
ガスの加湿量が減少し、加湿量過剰が軽減される。
【0076】なお、ステップS240およびステップS
280で行なう弁56の開度の増減の動作は、例えば、
弁56の開度を予め定めた所定量だけ増減することとす
れば良い。あるいは、弁56の開度の増減量は、差D2
や差D1 の大きさに応じて設定することとしても良い。
【0077】また、図7の湿度制御処理ルーチンでは、
ステップS230において差D1 が略0ではないと判断
されたときに、まず弁56の開度を減らすこととした
が、弁56の開度を増やす動作を先に行なっても良い。
あるいは、燃料電池20における発電量や負荷指令値な
どに基づいて、加湿不足と加湿過剰のどちらの傾向にあ
るかを予測し、弁56の開度を減らす動作と増やす動作
のどちらを先に行なうかを決定しても良い。
【0078】F.第3実施例:酸化ガスの加湿量の目標
値を、燃料電池における水の収支に基づいて決定するこ
とも可能である。ここで、水の収支に基づいて加湿量の
目標値を決定するとは、燃料電池で生じる生成水量と酸
化ガスの加湿量の合計が、カソードオフガス中の水蒸気
量に釣り合うように、酸化ガスの加湿量を決定すること
を指す。このような加湿量の制御方法を第3実施例とし
て以下に説明する。本実施例では、図2に示した燃料電
池システム10と同様のシステムにおいて、このような
水の収支に基づいた制御を実行することとし、図2に示
した各部を用いて説明する。
【0079】図9は、図2と同様の燃料電池システム1
0において、水の収支に基づいて加湿量を制御する際に
実行される湿度制御処理ルーチンである。本ルーチン
は、燃料電池システム10が起動されると、所定の時間
ごとに制御ユニット39において実行される。
【0080】本ルーチンが開始されると、制御ユニット
39のCPUは、カソードオフガス中の水蒸気量を求め
る(ステップS300)。このカソードオフガス中の水
蒸気量とは、燃料電池システム10において、カソード
オフガス流路42に湿度計を設け、カソードオフガス中
の湿度を実際に測定することによって求めることができ
る。あるいは、カソードオフガス流路42に温度センサ
を設けてカソードオフガスの温度を測定し、その温度で
の飽和蒸気圧に対応する水蒸気量をカソードオフガスが
含有するものとして求めても良い。実際に、燃料電池内
部が充分な湿潤状態にあるときには、カソードオフガス
中の水蒸気はほぼ飽和蒸気圧に対応する量となるため、
カソードオフガス中の水蒸気量としてこのような値を用
いることができる。なお、カソードオフガス中の水蒸気
量をこのように飽和蒸気圧に対応する量に設定すること
は、電解質膜の乾燥を確実に防止可能となって望まし
い。
【0081】次に、燃料電池20における生成水量を算
出する(ステップS305)。生成水は、(1)式ない
し(3)式に示したように、進行した電気化学反応の量
に応じて生成する。進行する電気化学反応の量として、
電流計68が検出した出力電流値、あるいは負荷指令値
を入力することで、生成水量を算出することができる。
【0082】次に、湿度の目標値H0 を決定する(ステ
ップS310)。湿度の目標値H0は、ステップS20
0で求めたカソードオフガス中の水蒸気量と、ステップ
S205で算出した生成水量との差として決定される。
すなわち、酸化ガスの湿度をこのように求めた目標値と
等しくすることで、燃料電池20に供給する酸化ガス中
の水蒸気量と燃料電池20内で生じる生成水量の合計
が、カソードオフガス中の水蒸気量と釣り合うことにな
る。
【0083】このように湿度の目標値を決定すると、そ
の後、図5のステップS120ないしステップS160
と同様の工程であるステップS320ないしステップS
360の工程を実行して、本ルーチンを終了する。すな
わち、湿度の目標値と、実際の酸化ガスの加湿量とを比
較して、上記目標値に実際の湿度が近づくように、弁5
6の開度を調節する。
【0084】G.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0085】G1.変形例1:既述した実施例では、燃
料電池システム10は、燃料電池が発生した電力を家庭
内で利用する定置型のシステムとしたが、異なる目的で
用いても良い。店舗やオフィスビルのように、より規模
の大きなシステムに適用することもできる。また、燃料
電池システムを定置型のシステムとする代わりに、移動
体の駆動用電源として用いることとしても良い。このよ
うに本発明を移動用電源に適用する場合には、貯湯槽に
代えてラジエータを設ければよい。例えば、図2に示し
た燃料電池システム10を移動用電源として用いる場合
には、伝熱流路64内を流れる水は、第2熱交換器34
を経由した後はラジエータで冷却し、その後は第1熱交
換器32に供給して、冷却水の冷却のために用いること
とすればよい。
【0086】また、燃料電池システムを移動用電源とし
て用いる場合には、図1に示した燃料電池システム10
において、改質燃料を貯蔵する燃料タンクや、改質に要
する水を貯蔵する水タンクを設けることとすればよい。
すなわち、燃料流路72を天然ガス供給ラインと接続す
る代わりに燃料タンクと接続し、水流路73を水供給ラ
イン(水道管)と接続する代わりに水タンクと接続すれ
ばよい。
【0087】G2.変形例2:上記実施例では、燃料電
池20を冷却する冷却水の流路と、酸化ガスの加湿に用
いる加湿用水の流路とを分離し、伝熱流路64内の水に
よって、燃料電池20で発生し冷却水が回収した熱を、
加湿用水に伝えた。これに対して、冷却水の流路と加湿
用水の流路とを共通化することも可能である。図8は、
冷却水の流路と加湿用水の流路とを共通化した燃料電池
システム110の構成を表わす説明図である。図8で
は、図2に示した燃料電池システム10と共通する部分
には同じ参照番号を付しており、詳しい説明は省略す
る。
【0088】燃料電池システム110では、燃料電池2
0を冷却する冷却水が流れる冷却水流路160は、燃料
電池20を経由して加湿器30に接続しており、燃料電
池20で昇温した冷却水は、加湿器30において加湿用
水として用いられる。加湿器30で酸化ガスの加湿に用
いられた残りの冷却水は、熱交換器136で冷却され、
その後再び燃料電池20に導かれて燃料電池20を冷却
するために用いられる。
【0089】このように、燃料電池20と加湿器30と
熱交換器136との間で冷却水を循環させる冷却水流路
160には、バイパス流路163が分岐して設けられて
いる。バイパス流路163は、熱交換器136から排出
された冷却水を、燃料電池20を経由することなく加湿
器30に導く流路であり、バイパス流路163を通過す
る冷却水量を調節するための第2ポンプ153を備えて
いる。燃料電池システム110では、第2ポンプ153
の駆動量を調節することで、燃料電池20を経由するこ
となく加湿器30に導かれる冷却水量を制御して、加湿
器30に供給される冷却水温度を調節し、酸化ガスの加
湿量を制御している。なお、燃料電池システム110で
は、冷却水として純水を用いることで、加湿器30にお
いて膜31上に不純物が堆積するのを防止している。
【0090】加湿器30に供給される冷却水温度の調節
は、既述した実施例と同様に行なうことができる。例え
ば、第1実施例と同様に、燃料電池20の内部温度に応
じた加湿量の目標値をマップとして制御ユニット39内
に記憶し、図5の湿度制御処理ルーチンと同様の処理を
行なえばよい。この場合には、ステップS140ないし
ステップS160では、弁56の開度を調節する代わり
に、第2ポンプ153の駆動量を調節する。
【0091】また、第2実施例と同様に、燃料電池20
の出力電圧が最大値(設計電圧)となるように制御する
こととしても良い。その際、図7に示した湿度制御処理
ルーチンと同様の処理を行なう場合には、燃料電池20
にさらに電圧計を設けると共に、弁56の開度を調節す
る代わりに第2ポンプ153の駆動量を調節する。
【0092】また、第3実施例と同様に、燃料電池で生
じる生成水量と酸化ガスの加湿量の合計が、カソードオ
フガス中の水蒸気量に釣り合うように、酸化ガスの加湿
量を決定することとしても良い。その際、図9に示した
湿度制御処理ルーチンと同様の処理を行なう場合には、
弁56の開度を調節する代わりに第2ポンプ153の駆
動量を調節する。
【0093】このように冷却水の流路と加湿用水の流路
とを共通化したシステムにおいても、冷媒によって燃料
電池から取り出された熱のうち、加湿用水に伝えられる
熱の量を調節して加湿量を制御することができる。これ
によって、既述した実施例と同様の効果を奏することが
できる。
【0094】なお、熱交換器136に貯水槽を併設して
降温した冷却水の一部を貯留可能としてもよい。これに
よって、冷却水流路160内を流れる冷却水量を増減す
ることが可能となる。また、第4ポンプ55によって、
凝縮器38から補水路65を経由して冷却水流路160
に供給する水の量を調節することができる。あるいは、
弁58によって、純水器37をから冷却水流路160に
供給される水の量を調節することができる。このよう
に、冷却水流路160内の冷却水流量を調節すること
で、燃料電池20に供給される冷却水流量と冷却水温
度、さらに、加湿器30に供給される冷却水(加湿用
水)流量と冷却水温度を、望ましい値に制御することが
より容易となる。したがって、燃料電池20の内部温度
および酸化ガスの加湿量を、より正確に所望の温度に制
御可能となる。
【0095】G3.変形例3:実施例の燃料電池システ
ムでは、改質燃料として天然ガスを用いたが、改質燃料
としては種々のものを用いることができる。天然ガス
(メタン)等の気体炭化水素の他、ガソリンなどの液体
炭化水素や、メタノールなどのアルコールやアルデヒド
類など、改質反応によって水素を生成可能な種々の炭化
水素系燃料を選択することができる。
【0096】G4.変形例4:また、システムが備える
燃料電池も、固体高分子型燃料電池に限るものではな
く、他種の燃料電池を用いることもできる。燃料電池で
生じた熱を冷媒によって回収し、回収した熱をガスの加
湿のために用いるシステムであれば、本発明を適用する
ことができる。
【0097】GF5.変形例5:上記実施例では、燃料
電池に供給する酸化ガスを加湿するために本発明を適用
したが、アノード側に供給する燃料ガスの加湿において
本発明を適用することとしても良い。例えば、燃料ガス
として、水素ボンベに貯蔵した水素ガスや水素吸蔵合金
に吸蔵させて貯蔵した水素ガスを用いる場合に本発明を
適用し、実施例と同様の加湿器を用いて燃料ガスを加湿
することで、電解質膜の乾燥を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システム10の構成を表わす説明図で
ある。
【図2】燃料電池システム10において、酸化ガスの加
湿と燃料電池20の冷却に関わる流路の流れを表わす説
明図である。
【図3】第1ポンプ52の目標回転数のマップの一例を
示す説明図である。
【図4】加湿用水の温度と酸化ガスの加湿量との関係を
表わす説明図である。
【図5】湿度制御処理ルーチンを表わすフローチャート
である。
【図6】酸化ガスの加湿量とFC電圧との関係を表わす
説明図である。
【図7】湿度制御処理ルーチンを表わすフローチャート
である。
【図8】燃料電池システム110の構成を表わす説明図
である。
【図9】湿度制御処理ルーチンを表わすフローチャート
である。
【符号の説明】
10,110…燃料電池システム 20…燃料電池 30…加湿器 31…膜 32…第1熱交換器 34…第2熱交換器 36…貯湯槽 37…純水器 38…凝縮器 39…制御ユニット 40…酸化ガス流路 42…カソードオフガス流路 44…排出路 50…湿度センサ 51…第1温度センサ 52…第1ポンプ 53,153…第2ポンプ 54…第3ポンプ 55…第4ポンプ 56,57,58…弁 59…第2温度センサ 60,160…冷却水流路 62…水流路 63,163…バイパス流路 64…伝熱流路 65,66…補水路 67…流量センサ 68…電流計 72…燃料流路 73…水流路 74…混合部 75…改質器 76…CO低減部 78…ブロワ 136…熱交換器

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気化学反応を進行して発電を行なう燃
    料電池を備える燃料電池システムであって、 前記燃料電池で発生した熱を用いて加湿用水を昇温する
    加熱部と、 前記加湿用水を用いて、該加湿用水の温度に応じた加湿
    量で、電気化学反応に供するガスを加湿する加湿器と、 前記加湿用水の温度を調節して、前記加湿器における加
    湿量を制御する制御部とを備える燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記加熱部は、 第1の冷媒を用いて前記燃料電池を冷却する電池冷却部
    と、 前記第1の冷媒と、前記第1の冷媒とは異なる第2の冷
    媒との間での熱交換を行なうことによって前記第2の冷
    媒を加熱する第1の熱交換器と、 前記第2の冷媒と前記加湿用水との間で熱交換を行なう
    ことによって前記加湿用水を加熱する第2の熱交換器
    と、 前記第2の冷媒を、前記第1の熱交換器と前記第2の熱
    交換器の双方を経由して循環させる循環流路と、 前記循環流路に接続され、前記第1の熱交換器をバイパ
    スさせて前記第2の冷媒を循環させるバイパス流路と、 前記循環流路と前記バイパス流路の流量配分を調節する
    ための流量配分調節部と、を備え、 前記制御部は、前記循環流路と前記バイパス流路の流量
    配分を調節することによって前記加湿量を制御する燃料
    電池システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記加熱部は、 冷媒として前記加湿用水を用いて前記燃料電池を冷却す
    る電池冷却部と、 前記加湿用水を、前記燃料電池と前記加湿器の双方を経
    由して循環させる循環流路と、 前記循環流路に接続され、前記燃料電池をバイパスさせ
    て前記加湿用水を循環させるバイパス流路と、 前記循環流路と前記バイパス流路の流量配分を調節する
    ための流量配分調節部と、を備え、 前記制御部は、前記循環流路と前記バイパス流路の流量
    配分を調節することによって前記加湿量を制御する燃料
    電池システム。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の燃料電
    池システムであって、 前記加湿器は、水蒸気透過性を有する膜を備え、該膜を
    介して前記ガスを加湿する燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電
    池システムであって、 前記制御部は、前記燃料電池の内部温度に基づいて前記
    加湿量を制御する燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記加湿器によって加湿された前記ガスの加湿量を検出
    する湿度センサをさらに備え、 前記制御部は、前記ガスの加湿量が、前記燃料電池の内
    部温度に応じた所定の目標値に近づくように、前記ガス
    の加湿量を制御する燃料電池システム。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の燃料電池システムであっ
    て、 前記燃料電池の出力電圧を検出する電圧計をさらに備
    え、 前記制御部は、前記燃料電池の出力電圧が、前記燃料電
    池の内部温度に応じた所定の目標値に近づくように、前
    記ガスの加湿量を制御する燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし4いずれか記載の燃料電
    池システムであって、 前記電気化学反応に供された後に前記燃料電池から排出
    される排ガス中の湿度を検出する湿度センサと、 前記燃料電池において前記電気化学反応に伴って生じる
    生成水量を算出する算出部と、 をさらに備え、 前記制御部は、前記加湿器における前記ガスの加湿量
    と、前記算出部が算出した前記生成水量とが、前記湿度
    センサが検出した前記湿度に基づいて求められる前記排
    ガス中の水蒸気量と釣り合うように、前記加湿量を制御
    する燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8いずれか記載の燃料電
    池システムであって、 前記電気化学反応に供された後に前記燃料電池から排出
    される排ガス中の水蒸気を水として回収する凝縮器をさ
    らに備え、 前記凝縮器で回収した水を、前記加湿用水として利用す
    る燃料電池システム。
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