JP2007255808A - 加湿装置および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水蒸気透過膜における水蒸気透過効率の部分的な低下を抑え、加湿装置全体での加湿効率を向上させる。
【解決手段】ガス加湿装置25は、内部に空間を形成する外殻容器28を備える。また、外殻容器内に配置される膜であって、外殻容器内の空間を、被加湿ガスが流れる第1の空間と高湿度ガスが流れる第2の空間とに分けると共に、高湿度ガス側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜30と、を備える。水蒸気透過膜30は、第1の空間と第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、厚さが薄く形成されている。
【選択図】図2

Description

この発明は、水透過膜を備える加湿装置、および、該加湿装置を備える燃料電池システムに関する。
気体を加湿するための加湿器の一種として、従来、水蒸気分圧の高い側から低い側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜を備えた加湿器が用いられてきた。このような加湿器を用いるシステムの一例として、燃料電池システムにおいて、燃料電池から排出された湿度の高いガスと、燃料電池に供給すべき湿度の低いガスとを、水蒸気透過膜のそれぞれの面に対して供給し、上記湿度の高いガスを用いて上記燃料電池に供給すべきガスを加湿する構成が知られている(例えば、引用文献1参照)。
特開2001−351660号公報 特開平5−3918号公報
このような水蒸気透過膜を用いた加湿の効率は、水蒸気を与える側である高湿度ガスと、水蒸気を受け取る側である低湿度ガスとの間の、水蒸気分圧差に応じたものとなる。水蒸気透過膜の一方の面に高湿度ガスを供給し、他方の面に低湿度ガスを供給すると、水蒸気透過膜上において、高湿度ガスの水蒸気分圧は次第に低下すると共に、低湿度ガスの水蒸気分圧は次第に上昇する。そのため、水蒸気透過膜においては、両面間の水蒸気分圧差が場所によって異なることになり、水蒸気透過効率(単位面積当たりの水蒸気透過量)が、面内で不均一となる。すなわち、水蒸気透過膜の両面間の水蒸気分圧差が比較的小さい場所では、水蒸気透過効率が低くなり、水蒸気透過膜全体での加湿効率の向上を妨げる要因となっていた。
同様の問題は、水蒸気透過膜を介して液水とガスとを接触させてガスの加湿を行なう場合にも起こり得るものであり、ガス流れの下流側では、ガスの水蒸気分圧が上昇するに従って水蒸気透過が起こり難くなるため、加湿効率の向上が望まれていた。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、水蒸気透過膜における水蒸気透過効率の部分的な低下を抑え、加湿装置全体での加湿効率を向上させることを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1のガス加湿装置は、
内部に空間を形成する外殻容器と、
前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて低湿度な被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて前記被加湿ガスよりも湿度の高い高湿度ガスが流れる第2の空間と、に分けると共に、高湿度ガス側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜と
を備え、
前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間と前記第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、厚さが薄く形成されていることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第1のガス加湿装置によれば、第1の空間と第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、水蒸気透過膜の厚さが薄く形成されているため、上記水蒸気分圧差が小さくなる領域においても水蒸気透過量をより多くして、加湿装置全体としての加湿効率を向上させることができる。また、このとき、上記水蒸気分圧差が小さくなる領域では水蒸気透過膜の膜厚が比較的薄いものの、水蒸気分圧差が大きくなる領域では膜厚が比較的厚いため、水蒸気透過膜全体としての強度を確保することが可能になる。
本発明の第1のガス加湿装置において、
前記水蒸気透過膜は、前記第2の空間に供給された一定量の前記高湿度ガスが流れる領域において、前記高湿度ガスの流れの下流側に対応する領域ほど、厚さが薄く形成されていることとしても良い。
第2の空間を一定量の高湿度ガスが流れる際には、下流側ほど高湿度ガス中の水蒸気分圧が低下し、水蒸気透過膜の両面間の水蒸気分圧差を確保し難くなる。しかしながら、このような場合であっても、水蒸気分圧差を確保し難くなる領域において水蒸気透過膜の厚さをより薄くすることで、このような領域における水蒸気透過効率を向上させることができる。
本発明の第2のガス加湿装置は、
内部に空間を形成する外殻容器と、
前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて低湿度な被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて前記被加湿ガスよりも湿度の高い高湿度ガスが流れる第2の空間と、に分けると共に、高湿度ガス側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させ、多数の微細孔を有する水蒸気透過膜と
を備え、
前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間と前記第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかであることとしても良い。
以上のように構成された本発明の第2のガス加湿装置によれば、第1の空間と第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、多数の微細孔を有する水蒸気透過膜において、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかとなっているため、上記水蒸気分圧差が小さくなる領域においても水蒸気透過量をより多くして、加湿装置全体としての加湿効率を向上させることができる。また、このとき、水蒸気透過膜における開孔比が比較的高いか、あるいは水蒸気透過膜が有する微細孔の細孔径が比較的大きくなっている領域が、水蒸気分圧差が小さくなる領域に限られるため、水蒸気透過膜全体としての強度を確保することが可能になる。
本発明の第2のガス加湿装置において、
前記水蒸気透過膜は、前記第2の空間に供給された一定量の前記高湿度ガスが流れる領域において、前記高湿度ガスの流れの下流側に対応する領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかであることとしても良い。
第2の空間を一定量の高湿度ガスが流れる際には、下流側ほど高湿度ガス中の水蒸気分圧が低下し、水蒸気透過膜の両面間の水蒸気分圧差を確保し難くなる。しかしながら、このような場合であっても、水蒸気分圧差を確保し難くなる領域の水蒸気透過膜において、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかとなっていることにより、このような領域における水蒸気透過効率を向上させることができる。
本発明の第1または第2のガス加湿装置において、
前記第2の空間では、前記外殻容器に形成された単一のガス供給口から、前記外殻容器に形成された単一のガス排出口へと、一定方向に前記高湿度ガスが流れることとしても良い。
このような場合には、本発明の第1のガス加湿装置では、ガス排出口の近傍ほど、水蒸気透過膜の厚さを薄く形成すればよい。また、本発明の第2のガス加湿装置では、ガス排出口の近傍ほど、水蒸気透過膜における開孔比をより高くするか、水蒸気透過膜における微細孔の細孔径をより大きくするかの少なくともいずれかとすればよい。
本発明の第1または第2のガス加湿装置において、
前記第1の空間における前記被加湿ガスの流れの向きと、前記第2の空間における前記高湿度ガスの流れの向きとは、対向する向きであることとしても良い。
このような構成とすれば、水蒸気透過膜のより広い範囲で、高湿度ガス側と低湿度ガス側との間の水蒸気分圧差を確保することができるため、加湿効率を向上させることができる。
本発明の第3のガス加湿装置は、
内部に空間を形成する外殻容器と、
前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて加湿用流体が流れる第2の空間と、に分けると共に、加湿用流体側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜と
を備え、
前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域ほど、厚さが薄く形成されていることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第3のガス加湿装置によれば、第1の空間における水蒸気分圧が高く、第1の空間と第2の空間との間の水蒸気分圧差が確保し難くなる領域ほど、水蒸気透過膜の厚さが薄く形成されている。したがって、上記水蒸気分圧が高くなる領域においても水蒸気透過量をより多くして、加湿装置全体としての加湿効率を向上させることができる。また、このとき、上記水蒸気分圧が高くなる領域では水蒸気透過膜の膜厚が比較的薄いものの、水蒸気分圧が低くなる領域では膜厚が比較的厚いため、水蒸気透過膜全体としての強度を確保することが可能になる。
本発明の第3のガス加湿装置において、前記加湿用流体は、液水であることとしても良い。このような構成とすれば、第2の空間側は、水蒸気分圧が飽和蒸気圧に維持される状態と同様であるため、第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域ほど水蒸気分圧差は小さくなる。従って、このような領域ほど水蒸気透過膜の膜厚を薄くすることで、加湿装置全体の加湿効率を向上させることができる。
本発明の第3のガス加湿装置において、
前記第1の空間では、前記外殻容器に形成されたガス供給口から、前記外殻容器に形成されたガス排出口へと、一定方向に前記被加湿ガスが流れ、
前記水蒸気透過膜は、前記ガス排出口に近い領域ほど、厚さが薄く形成されていることとしても良い。
このような構成とすれば、第1の空間では、ガス排出口に近い領域ほど水蒸気分圧が高くなる。したがって、水蒸気透過膜において、ガス排出口に近い領域ほど厚さを薄くすることで、第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域での水蒸気透過効率を向上させることができる。
本発明の第4のガス加湿装置は、
内部に空間を形成する外殻容器と、
前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて加湿用流体が流れる第2の空間と、に分けると共に、加湿用流体側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させ、多数の微細孔を有する水蒸気透過膜と
を備え、
前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかであることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第4のガス加湿装置によれば、第1の空間における水蒸気分圧が高く、第1の空間と第2の空間との間の水蒸気分圧差が確保し難くなる領域ほど、多数の微細孔を有する水蒸気透過膜において、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかとなっている。したがって、上記水蒸気分圧が高くなる領域においても水蒸気透過量をより多くして、加湿装置全体としての加湿効率を向上させることができる。また、このとき、水蒸気透過膜における開孔比が比較的高いか、あるいは水蒸気透過膜が有する微細孔の細孔径が比較的大きくなっている領域が、第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域に限られるため、水蒸気透過膜全体としての強度を確保することが可能になる。
本発明の第4のガス加湿装置において、前記加湿用流体は、液水であることとしても良い。このような構成とすれば、第2の空間側は、水蒸気分圧が飽和蒸気圧に維持される状態と同様であるため、第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域ほど水蒸気分圧差は小さくなる。従って、このような領域ほど水蒸気透過膜の開孔比をより高くするか細孔径をより大きくすることで、加湿装置全体の加湿効率を向上させることができる。
本発明の第4のガス加湿装置において、
前記第1の空間では、前記外殻容器に形成されたガス供給口から、前記外殻容器に形成されたガス排出口へと、一定方向に前記被加湿ガスが流れ、
前記水蒸気透過膜は、前記ガス排出口に近い領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかであることとしても良い。
このような構成とすれば、第1の空間では、ガス排出口に近い領域ほど水蒸気分圧が高くなる。したがって、水蒸気透過膜において、ガス排出口に近い領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかとなっていることにより、第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域での水蒸気透過効率を向上させることができる。
本発明の第1の燃料電池システムは、
請求項1ないし12いずれか記載のガス加湿装置と、
固体高分子電解質型燃料電池と
を備え、
前記被加湿ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供するための反応ガスを用いることとを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第1の燃料電池システムによれば、電気化学反応に供するための反応ガスを加湿するために、本発明の加湿装置を用いているため、燃料電池システムを構成する加湿装置の耐久性を向上させることができる。
本発明の第2の燃料電池システムは、
請求項1ないし6いずれか記載のガス加湿装置と、
固体高分子電解質型燃料電池と
を備え、
前記被加湿ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供するための反応ガスを用い、
前記高湿度ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供された後に排出された排出ガスを用いることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の第2の燃料電池システムによれば、電気化学反応に供するための反応ガスを加湿するために、本発明の加湿装置を用いているため、燃料電池システムを構成する加湿装置の耐久性を向上させることができる。このとき、電気化学反応で生じた生成水を含有する排出ガスを用いて反応ガスを加湿するため、加湿のための流体を別途用意する必要がなく、装置構成を簡素化することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、ガスの加湿方法などの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例の装置の全体構成:
B.加湿装置の構成:
C.第2実施例:
D.第1実施例及び第2実施例の変形例:
E.第3実施例:
F.変形例:
A.第1実施例の装置の全体構成:
図1は、本発明の第1実施例における燃料電池システム10の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に供給する水素を貯蔵する水素タンク23と、燃料電池22に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ24と、を備えている。ここで、水素タンク23は、水素供給路60によって燃料電池22のアノードと接続されており、水素タンク23に貯蔵される水素が、燃料ガスとして燃料電池22のアノードに供給される。また、エアコンプレッサ24は、酸化ガス供給路67によって燃料電池22のカソードに接続されており、エアコンプレッサ24によって取り込まれた空気が、酸化ガスとして燃料電池22のカソードに供給される。また、燃料電池22は、固体高分子型燃料電池であり、電解質層として、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子電解質膜を備えている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。以下に、燃料電池システム10を構成する各部および燃料電池システム10におけるガスの流れについて、さらに説明する。
水素タンク23は、例えば、高圧水素を貯蔵する水素ボンベである。あるいは、水素吸蔵合金を内部に備え、水素吸蔵合金に吸蔵させることによって水素を貯蔵するタンクとしても良い。水素タンク23に貯蔵された水素ガスは、水素タンク23に接続された水素供給路60に放出された後、圧力調整弁62によって所定の圧力に調整(減圧)されて、燃料ガスとして燃料電池22を構成する各単セルのアノードに供給される。
燃料電池22のアノードから排出されるアノード排ガスは、アノード排ガス路63に導かれて再び水素供給路60に流入する。このように、アノード排ガス中の残余の水素は、水素供給路60の一部とアノード排ガス路63と燃料電池22内の流路とから成る流路(以下、循環流路と呼ぶ)内を循環して再度電気化学反応に供される。負荷要求に応じた電気化学反応が進行可能となるように、循環流路内の圧力は圧力調整弁62によって調節され、電気化学反応の進行に伴って、圧力調整弁62を介して水素タンク23から循環流路へと水素が補充される。循環流路内でアノード排ガスを循環させるために、アノード排ガス路63には水素ポンプ65が設けられている。
また、アノード排ガス路63には、気液分離器27が設けられている。電気化学反応の進行に伴ってカソードでは水が生じるが、生じた水は、燃料電池22の電解質膜を介して、アノード側に供給される燃料ガス内にも導入される。また、アノード側を流れるガスにおいては、電解質膜を介して、カソード側から窒素などの不純物も導入される。気液分離器27では、アノード排ガス中に含まれる水蒸気が凝縮されると共に、気液分離器27に設けられたバルブ27aを開状態とすることで、上記凝縮された水および不純物を含むアノード排ガスの一部が、外部に排出される。
エアコンプレッサ24は、加圧した空気を酸化ガスとして酸化ガス供給路67を介して燃料電池22のカソードに供給する。カソードから排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路68に導かれて外部に排出される。ここで、本実施例では、酸化ガス供給路67およびカソード排ガス路68は、加湿装置25を経由している。加湿装置25では、水蒸気透過性の膜によって酸化ガス供給路67とカソード排ガス路68とが隔てられており、水蒸気を含有するカソード排ガスを用いて、カソードに供給する加圧空気の加湿を行なっている。このように、燃料電池22への供給に先立って酸化ガスを加湿することで、本実施例の燃料電池22では、電解質層である固体高分子電解質膜の湿潤状態を確保している。加湿装置25の構成については、後に詳しく説明する。
さらに、燃料電池システム10は、燃料電池システム10の各部の動きを制御する図示しない制御部を備えている。この制御部は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、CPU、ROM、RAMおよび入出力ポート等を備える。そして、燃料電池システム10が備える各種センサの検出信号や、燃料電池22に対する負荷要求に関する情報などを取得すると共に、圧力調整弁62、エアコンプレッサ24、水素ポンプ65、あるいはバルブ27aのような燃料電池22の発電に関わる各部に駆動信号を出力する。
B.加湿装置の構成:
図2は、加湿装置25の概略構成を表わす説明図である。加湿装置25は、内部に空間を形成する外殻容器28と、外殻容器28内に配置されて、外殻容器28内の空間を2つの空間に分けると共に、水蒸気を一方の面側から他方の面側へと透過させる水蒸気透過膜30と、を備えている。ここで、水蒸気透過膜30の一方の面側に形成される空間は、湿度がより高い高湿度ガスが流れる高湿度ガス流路32となり、水蒸気透過膜30の他方の面側に形成される空間は、湿度がより低い低湿度ガスであって、加湿すべき被加湿ガスが流れる被加湿ガス流路34となる。
水蒸気透過膜30の一方の面側の高湿度ガス流路32を形成する外殻容器壁面には、ガス供給口36およびガス排出口37が形成されている。ガス供給口36からガスが供給されることにより、このガスは、高湿度ガス流路32内をガス排出口37に向かって一定の方向に流れる。既述したように、加湿装置25は、カソード排ガス路68の途中に接続されているため、燃料電池22から排出されたカソード排ガスは、高湿度ガスとして、ガス供給口36を介して高湿度ガス流路32内に流入する。そして、ガス排出口37を介して高湿度ガス流路32から排出される。
また、水蒸気透過膜30の他方の面側の被加湿ガス流路34を形成する外殻容器壁面には、ガス供給口39およびガス排出口38が形成されている。ガス供給口39からガスが供給されることにより、このガスは、被加湿ガス流路34内をガス排出口38に向かって一定の方向に流れる。既述したように、加湿装置25は、酸化ガス供給路67の途中に接続されているため、エアコンプレッサ24によって取り込まれた空気は、被加湿ガスとして、ガス供給口39を介して被加湿ガス流路34内に流入する。そして、ガス排出口38を介して被加湿ガス流路34から排出されて、燃料電池22へと供給される。
ここで、本実施例の加湿装置25では、被加湿ガス流路34側のガス供給口39は、高湿度ガス流路32側のガス排出口37の近傍に設けられており、被加湿ガス流路34側のガス排出口38は、高湿度ガス流路32側のガス供給口36の近傍に設けられている。したがって、高湿度ガス流路32と被加湿ガス流路34とでは、ガスの流れの向きが対向流となる。このように、高湿度ガスの流れと被加湿ガスの流れとを対向流とすることによって、水蒸気透過膜において、膜の両面間の水蒸気分圧差が水蒸気透過可能な程度に確保される領域を、より広くすることができる。
水蒸気透過膜30は、両面の間で、水蒸気分圧差に従って、水蒸気分圧が高い側から低い側へと水蒸気を透過させる性質を有する膜である。本実施例の水蒸気透過膜30は、高い吸湿性を有する均質膜によって構成されている。この均質膜は、1nm以上の微細孔を有しない実質的に緻密な膜であり、水分子を内部に保持すると共に水分子を透過させることができるが、酸素や窒素などの他の気体は実質的に透過させない性質を有している。具体的には、均質膜は、例えば、水蒸気を吸収して湿潤状態で高いプロトン伝導性を示すフッ素系あるいは炭化水素系の固体高分子電解質や、吸湿性を有するポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、デンプン等の非電解質高分子によって構成することができる。ここで、高湿度ガス流路32および被加湿ガス流路34のそれぞれに所定のガスを流すと、水蒸気透過膜30は高湿度ガス中の水蒸気を吸収して吸湿状態になると共に、水蒸気透過膜30の両面間では水蒸気分圧差が生じ、高湿度ガス流路側から被加湿ガス流路側へと水蒸気が透過する。
特に、本実施例の加湿装置25が備える水蒸気透過膜30は、その膜厚が、面内で変化することを特徴としている。具体的には、水蒸気透過膜30は、高湿度ガス流路32におけるガス流れの上流に対応する領域ほど膜厚が厚く形成されており、ガス流れの下流側に対応する領域にかけて、膜厚が次第に薄くなるように形成されている。
水蒸気透過膜30を介した高湿度ガス流路32側から被加湿ガス流路34側への水蒸気の透過は、既述したように、水蒸気分圧差に従って行なわれる。カソード排ガスが高湿度ガス流路32内に流入する際には、カソード排ガスは、電気化学反応で生じた生成水を多く含んでいるため極めて高い湿度となっており、通常は略飽和蒸気圧となっている。そして、カソード排ガスが、水蒸気透過膜30を介して、湿度がより低い空気と接することで、水蒸気透過膜30の両面間で大きな水蒸気分圧差が生じ、カソード排ガスから空気へと活発に水蒸気が透過する。このとき、被加湿ガス流路34側へと水蒸気を与えながらカソード排ガスが高湿度ガス流路32内を流れることで、カソード排ガス中の水蒸気含有量は低下する。これにより、高湿度ガス流路32では、下流側ほど、カソード排ガス中の水蒸気分圧が低くなり、被加湿ガス流路34側との間の水蒸気分圧差を充分に確保し難くなる。
ここで、水蒸気透過膜30は、水蒸気透過の駆動力となる両面間の水蒸気分圧差が大きいほど水蒸気透過量が多くなると共に、膜厚が薄いほど水蒸気透過効量が多くなるという性質を有している。したがって、高湿度ガス流路32の下流側に対応する領域ほど膜厚が薄く形成された本実施例の水蒸気透過膜30では、このような領域において水蒸気分圧差がより小さくなっても、水蒸気透過量の低下を抑えることができる。なお、均質膜である水蒸気透過膜30においては、以下の式が成り立つ。ここで、水蒸気透過係数とは、膜における水蒸気の透過し易さを表わす定数であり、膜内での水の拡散し易さを表わす拡散係数と、膜内への水の溶解し易さを表わす溶解度係数との積として表わされる。この水蒸気透過係数は、水蒸気透過膜を構成する材料によって定まる値である。
水蒸気透過量(透過流束)=(水蒸気透過係数)×(水蒸気分圧差)/(膜厚)
図2では、高湿度ガス流路32から被加湿ガス流路34へと、水蒸気透過膜30を介して水蒸気が透過する際の面全体での透過効率の分布の様子を、矢印の大きさによって概念的に表わしている。図2に示すように、高湿度ガス下流領域ほど膜厚が薄い水蒸気透過膜30を備える加湿装置25では、水蒸気分圧差が小さくなる高湿度ガス下流領域においても、水蒸気透過効率は高いレベルに保たれる。
これに対して、膜厚が全面で略均一に形成された水蒸気透過膜130を備える加湿装置125において、水蒸気透過膜130を介して水蒸気が透過する際の面全体での透過効率の分布の様子を、図2と同様にして図3に概念的に表わす。図3では、図2の加湿装置25と共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略している。水蒸気透過膜の膜厚が全面で略均一である場合には、水蒸気分圧差が小さくなる高湿度ガス下流領域ほど水蒸気透過率は低下する。ここで、高湿度ガスと被加湿ガスとを対向流とする加湿装置では、高湿度ガス下流領域は、被加湿ガス上流領域に相当する。被加湿ガスは、下流側へと流れるに従って加湿されるため、上流側ほど水蒸気分圧は低く、このように被加湿ガスの水蒸気分圧がより低いことは、高湿度ガスと被加湿ガスとの間の水蒸気分圧差を大きくするために寄与し得る。しかしながら、このような加湿装置では、水蒸気分圧の高い高湿度ガスが流入する高湿度ガス上流領域で水蒸気透過が活発に進行することにより、高湿度ガス下流領域における高湿度ガス中の水蒸気分圧が大きく低下してしまう。その結果、高湿度ガス下流領域は、被加湿ガスの水蒸気分圧が比較的低いにも関わらず、水蒸気分圧差がより小さくなって、水蒸気透過率が低下してしまう。
以上のように構成された本実施例の加湿装置25によれば、高湿度ガス流路32側と被加湿ガス流路34側との間の水蒸気分圧差が小さくなる高湿度ガス下流領域ほど、水蒸気透過膜30の膜厚を薄く形成しているため、高湿度ガス下流領域における水蒸気透過率をより高くして、加湿装置25全体としての加湿効率を向上させることができる。
また、このとき、高湿度ガス下流領域においては水蒸気透過膜30の膜厚をより薄く形成するものの、高湿度ガス上流領域では膜厚をより厚く形成するため、水蒸気透過膜全体としての強度の低下を抑制することができる。ここで、水蒸気透過膜全体の膜厚を薄くすることによって、加湿装置における加湿効率を向上させる方策も考えられるが、水蒸気透過膜の両面には高いガス圧が加わるため、水蒸気透過膜全体の膜厚が薄いと、水蒸気透過膜の強度を確保し難くなる可能性がある。これに対して、本実施例では、特に膜厚を薄くしなくても水蒸気透過効率を確保できる領域、すなわち大きな水蒸気分圧差が生じる高湿度ガス上流領域では、膜厚を特に薄くすることなく膜強度を確保し、下流側のみ膜厚を薄くすることにより、水蒸気透過膜の強度維持と、装置としての加湿効率の向上とを、両立させることが可能になる。
なお、実施例では、水蒸気透過膜30として、高分子均質膜を用いたが、異なる構成としても良い。例えば、気孔率が5〜90%となり、細孔径が0.001〜10μmである微細孔を有する多孔質膜(例えばポリエチレン等から成る高分子多孔質膜や無機多孔質膜)によって水蒸気透過膜30を構成しても良い。あるいは、上記多孔質膜から成る膜基材と、膜基材上に形成されて既述した均質膜から成る吸湿層とによって構成され、吸湿層側から膜基材側へと水蒸気を一方向に透過させる複合膜によって水蒸気透過膜30を構成しても良い。これらの膜を用いる場合にも、水蒸気透過効率は、膜両面間の水蒸気分圧差と共に膜厚の影響を受けるため、高湿度ガス流路下流側領域において膜厚をより薄く形成することで、第1実施例と同様の効果を得ることができる。なお、水蒸気透過膜30として上記複合膜を用いる場合には、多孔質膜から成る膜基材と、均質膜から成る吸湿層とのうちの、少なくともいずれかの層について、高湿度ガス下流領域において層厚をより薄く形成すればよい。
ここで、水蒸気透過膜の膜厚、および膜厚の変化の程度は、用いる膜の種類や水蒸気透過膜を介した両流路を流れるガス間における水蒸気分圧差や両流路を流れるガスのガス圧の変化の様子等に応じて、水蒸気透過膜に要求される強度を考慮して、水蒸気透過膜のより広い範囲で充分な水蒸気透過効率が実現可能となるように適宜設定すればよい。水蒸気透過膜の膜厚は、例えば、10〜1000μmの範囲で、高湿度ガス上流側から下流側へと次第に薄くなるように設定すればよい。
また、膜厚を次第に(一様に)薄くした水蒸気透過膜を用いる代わりに、膜厚を段階的に薄くした水蒸気透過膜を用いることとしても良い。すなわち、高湿度ガス流れ方向に一定の範囲は、均一な膜厚であって、高湿度ガス流れの下流側ほど、段階的に、膜厚が薄くなる水蒸気透過膜を用いても良い。高湿度ガス流れ下流側の領域ほど膜厚が薄い水蒸気透過膜であれば、同様の効果が得られる。
C.第2実施例:
図4は、第2実施例の加湿装置225の概略構成を表わす説明図である。加湿装置225は、例えば、第1実施例と同様の燃料電池システム10において、加湿装置25に代えて用いることができる。以下の説明では、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
第2実施例の加湿装置225は、第1実施例の加湿装置25と同様の構成を有しているが、水蒸気透過膜30に代えて水蒸気透過膜230を備える点が異なっている。水蒸気透過膜230は、例えばポリエチレン等の高分子材料や無機材料によって構成される多孔質膜である。図5は、水蒸気透過膜230に形成されている微細孔の分布の様子を模式的に表わす平面図である。水蒸気透過膜230は、高湿度ガス流れの下流領域ほど、開孔比(孔面積/膜面積)が高く形成されている。なお、水蒸気透過膜230では、微細孔の密度(単位面積当たりの微細孔の数)を高めることによって、開孔比を高めている。多孔質膜から成る水蒸気透過膜では、開孔比が高いほど、水蒸気透過効率が高くなるという性質を有しているため、水蒸気透過膜230では、開孔比を高めた領域においては、水蒸気透過が促進される。
以上のように構成された第2実施例の加湿装置225によれば、水蒸気分圧差がより小さくなる高湿度ガス下流領域ほど、多孔質膜である水蒸気透過膜230における開孔比を高めているため、水蒸気分圧差が小さいことによって水蒸気透過が進行し難くなる領域において、水蒸気透過量を増加させることができる。したがって、加湿装置225全体での加湿効率を高めることができる。なお、図4では、高湿度ガス流路32から被加湿ガス流路34へと、水蒸気透過膜230を介して水蒸気が透過する際の面全体での透過効率の分布の様子、すなわち、面全体で水蒸気透過効率が均一化されている様子を、矢印の大きさによって概念的に表わしている。
また、このとき、高湿度ガス下流領域においては水蒸気透過膜230における開孔比をより高く形成しているものの、高湿度ガス上流領域では開孔比をより低く形成しているため、水蒸気透過膜全体としての強度の低下を抑制することができる。ここで、水蒸気透過膜全体の開孔比をより高くすることによって、加湿装置における加湿効率を向上させる方策も考えられるが、水蒸気透過膜の両面には高いガス圧が加わるため、水蒸気透過膜全体で開孔比を高めると、水蒸気透過膜の強度を確保し難くなる可能性がある。これに対して、本実施例では、特に開孔比を高くしなくても水蒸気透過効率を確保できる領域、すなわち大きな水蒸気分圧差が生じる高湿度ガス上流領域では、開孔比を特に高くすることなく膜強度を確保し、下流側のみ開孔比を高くすることにより、水蒸気透過膜の強度維持と、装置としての加湿効率の向上とを、両立させることが可能になる。
上記第2実施例では、水蒸気透過膜230における開孔比を面内で変化させているが、水蒸気透過膜が備える微細孔の細孔径を面内で変化させることとしても良い。図6は、加湿装置225と同様の加湿装置において水蒸気透過膜230に代えて用いられ、微細孔の細孔径を面内で変化させた水蒸気透過膜330に形成された微細孔の様子を模式的に表わす平面図である。図6に示すように、水蒸気透過膜330は、高湿度ガス下流領域ほど、微細孔の細孔径が大きく形成されている。このように、細孔径の大きな微細孔を設けることによっても、水蒸気透過膜における水蒸気透過効率を向上させることができる。そのため、高湿度ガス下流領域ほど微細孔の細孔径を大きくすることで、水蒸気分圧差が小さい領域における水蒸気透過量を増加させ、加湿装置における加湿効率を向上させることができる。また、このとき、水蒸気透過膜が有する微細孔の細孔径が比較的大きくなっている領域が、高湿度ガス下流領域に限られるため、水蒸気透過膜全体としての強度を確保することが可能になる。
なお、水蒸気透過膜330では、微細孔の密度は膜全体で略均等にして、微細孔の細孔径を変化させているため、高湿度ガス下流領域においては、開孔比も大きくなっている。これに対して、微細孔の密度は高湿度ガス下流領域ほど低くすることによって開孔比は膜全体で略均等にしつつ、高湿度ガス下流領域において微細孔の細孔径を大きくしても良い。水蒸気透過膜において、開孔比をより高くするか、細孔径をより大きくするか、少なくともいずれか一方にすることによって、水蒸気透過効率を向上させることができる。このように、開孔比あるいは細孔径を変化させる際には、例えば、開孔比(気孔率)が5〜90%となり、細孔径が0.001〜10μmの範囲で、水蒸気透過効率が向上する程度や、膜強度、あるいは水蒸気が選択的に膜透過する程度等を考慮して、適宜、細孔の分布状態(開孔比や細孔径の分布状態)を面内で異ならせればよい。
水蒸気透過膜における細孔の分布状態は、例えば、電子顕微鏡による膜の表面観察により検出することができる。あるいは、水蒸気透過膜を、加湿装置内で水蒸気分圧差が異なる状態となる複数の領域に分割し、ガス吸着法や水銀圧入法による計測を行なうことで、それぞれの領域毎に開孔比や細孔分布を求めることができる。
第2実施例では、水蒸気透過膜として多孔質膜を用いたが、多孔質膜から成る膜基材上に均質層を形成した複合膜を用いても良い。この場合にも、複合膜を構成する膜基材において、高湿度ガス下流領域ほど、開孔比を高くしたり細孔径を大きくすることで、同様の効果が得られる。
また、開孔比や細孔径を次第に(一様に)変化させた水蒸気透過膜を用いる代わりに、開孔比や細孔径を段階的に変化させた水蒸気透過膜を用いても良い。すなわち、高湿度ガス流れ方向に一定の範囲は、開孔比および細孔径が一定であって、高湿度ガス流れの下流側ほど、段階的に、開孔比が高くなる、および/または細孔径が大きくなる水蒸気透過膜を用いても良い。このような構成としても、第2実施例と同様の効果が得られる。
D.第1実施例及び第2実施例の変形例:
(D−1)変形例1:
第1および第2実施例では、加湿装置の高湿度ガス流路32に対して、ガス供給口36からのみ高湿度ガスを供給しているため、ガス排出口37に近い下流側ほど、高湿度ガス中の水蒸気濃度は低下する。これに対し、加湿装置において、高湿度ガスの流れ方向に複数のガス供給口を設け、高湿度ガスのガス流れの途中において高湿度ガスを追加供給することも可能である。このような加湿装置の一例である加湿装置425を、変形例1として図7に示す。この加湿装置425は、例えば、第1実施例と同様の燃料電池システム10において加湿装置25に代えて用いることができる。以下の説明では、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
加湿装置425の外殻容器28には、第1実施例の加湿装置25と同様のガス供給口36に加えて、高湿度ガス流れの途中に開口する2つのガス供給口45,46が設けられている。ここで、ガス供給口36に接続するカソード排ガス路68からは、第1分岐路40が分岐しており、第1分岐路40は、さらに第2分岐路41,42へと分岐している。第2分岐路41はガス供給口45へと接続されると共に、第2分岐路42はガス供給口46へと接続されている。そのため、加湿装置425では、カソード排ガスの一部がガス供給口36から高湿度ガス流路32内へ供給されると共に、残りのカソード排ガスは、ガス供給口45,46から、高湿度ガス流路32におけるガス流れの途中へと供給される。このような加湿装置425では、上流側のガス供給口から、隣接する下流側のガス供給口の近傍までは、第1および第2実施例と同様に、高湿度ガス流路32側から被加湿ガス流路34側へと水蒸気が透過するに従って、水蒸気透過膜430の両面間の水蒸気分圧差は次第に低下する。しかしながら、高湿度ガスのガス流れの途中にカソード排ガスを追加供給することにより、高湿度ガス流路における水蒸気分圧が、上記追加供給したガス供給口の近傍で上昇する。
図8は、上記加湿装置425で用いる多孔質膜から成る水蒸気透過膜430における微細孔の様子を模式的に表わす平面図である。水蒸気透過膜430は、高湿度ガス下流側に向かって次第に微細孔の密度が高くなることによって開孔比が大きくなるが、高湿度ガスが追加供給される途中のガス供給口の近傍において、再び開孔比が小さくなる。このように、ガス流れの途中で水蒸気分圧差が大きくなる場合であっても、高湿度ガス流路32に供給された一定量の高湿度ガスが流れて水蒸気分圧差が次第に小さくなる領域では、水蒸気透過膜における開孔比を次第に大きくすることで、水蒸気分圧差が小さくなる領域における水蒸気透過量をより多くして、加湿装置全体としての加湿効率を向上させることができる。図7では、高湿度ガス流路32から被加湿ガス流路34へと水蒸気が透過する際の透過効率を、水蒸気透過膜面全体について、矢印の大きさによって概念的に表わしている。図7に示すように、水蒸気透過膜430を備える加湿装置425では、隣り合うガス供給口間で一定量のガスが流れる領域であって、水蒸気分圧差が次第に小さくなる領域においても、水蒸気透過効率は高いレベルに保たれる。
なお、図8では、水蒸気透過膜430において、ガス供給口36とガス供給口45との間の領域と、ガス供給口45とガス供給口46との間の領域と、ガス供給口46とガス排出口37との間の領域とは、同じパターンで微細孔が形成されているように表わしているが、異なる構成としても良い。水蒸気透過膜430の両面間における水蒸気分圧差の分布状態は、ガス供給口36,45,46からカソード排ガスを供給する際のカソード排ガスの分割比によって変わる。また、水蒸気透過効率(水蒸気透過量)は、水蒸気分圧差の他に、水蒸気透過膜430の両面におけるガス圧やガス温度によって変化する。そのため、これらの要因を適宜考慮して、水蒸気透過効率を低下させる要因影響を強く受ける領域ほど開孔比を大きくして、膜全体で水蒸気透過量を増大させればよい。
(D−2)変形例2:
既述した第1および第2実施例の加湿装置では、高湿度ガスと被加湿ガスとは、それぞれ流路中を一定の方向に流れることとしたが、異なる構成としても良い。例えば、流路内における高湿度ガスや被加湿ガスの流れを流路の途中で反転させ、高湿度ガスや被加湿ガスをU字形に流しても良い。このような加湿装置の一例である加湿装置525を、変形例2として 図9に示す。この加湿装置525は、例えば、第1実施例と同様の燃料電池システム10において加湿装置25に代えて用いることができる。以下の説明では、第1実施例と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明は省略する。
加湿装置525は、外殻容器28内に水蒸気透過膜530を備え、これによって、外殻容器28内の空間を、高湿度ガス流路532になる空間と、被加湿ガス流路534になる空間とに分割している。ここで、外殻容器28の壁面には、互いに近接する位置にガス供給口536とガス排出口537とが設けられると共に、互いに近接する位置にガス供給口539とガス排出口538とが設けられている。そのため、高湿度ガス流路532内、および被加湿ガス流路534内では、供給されたガスは、略U字形に流れる。また、加湿装置525では、高湿度ガスが流入するガス供給口536と被加湿ガスが流出するガス排出口538とが近接して設けられると共に、高湿度ガスが流出するガス排出口537と被加湿ガスが流入するガス排出口538とが近接して設けられている。従って、高湿度ガス流路32内の高湿度ガスの流れと、被加湿ガス流路34内の被加湿ガスの流れとは、互いに対向流となっている。
図10は、このような加湿装置525が備える多孔質膜から成る水蒸気透過膜530における細孔分布の様子を模式的に表わす平面図である。図10では、高湿度ガスの流れの向きを、破線に付した矢印の向きによって表わしている。水蒸気透過膜530は、第2実施例の水蒸気透過膜230と同様に、高湿度ガス下流領域ほど、微細孔の密度を高くすることによって開孔比が大きく形成されている。したがって、水蒸気分圧差が小さくなる高湿度ガス下流領域における水蒸気透過量を増加させ、加湿装置全体の加湿効率を向上させることができる。
(D−3)変形例3:
加湿装置525では、ガス供給口とガス排出口とを互いに近接する位置に設けることで、ガス流路内における高湿度ガスや被加湿ガスの流れの向きをU字形としているが、このような場合には、水蒸気透過膜面上において、高湿度ガス下流側領域ほど水蒸気分圧差が小さいとは一概にいえない可能性がある。すなわち、ガス供給口とガス排出口とを近接する位置に設けることで、ガス流路を形成する空間の奥にまで流れ込まずにガス流路から排出されるガスが生じるため、流れるガス流量が相対的に少ないガス流路奥部では、高湿度ガス流れのより下流側よりも水蒸気分圧が低くなる可能性がある。このように水蒸気分圧が低くなるガス流路奥部では、高湿度ガス下流領域よりも、さらに水蒸気透過効率が低くなってしまう。図9の加湿装置525において、水蒸気透過膜530に代えて、開孔比および細孔径が一様である水蒸気透過膜を備えさせ、この加湿装置に対して所定のガス流量で高湿度ガスおよび被加湿ガスを供給し、単位面積当たりの透過水分量を水蒸気透過膜全体で調べた結果の一例を、図11に模式的に示す。図11では、単位面積当たりの透過水分量が等しい部位を線で結ぶことによって、水蒸気透過膜における透過水分量の分布状態を表わしている。図11は、ガス給排口手前側であって高湿度ガス上流領域ほど透過水分量が多く、ガス給排口奥側であって高湿度ガス下流領域ほど透過水分量が少ない様子を表わす。なお、図11では、水蒸気透過膜面上における高湿度ガス流量の分布状態を、矢印を付した破線の太さによって概念的に表わしている。
水蒸気透過膜における透過水分量の分布状態が、図11に示す状態となる場合には、単位面積当たりの透過水分量がより少なくなる領域ほど、水蒸気分圧差がより小さくなる領域であるため、このような領域ほど開孔比をより高くした水蒸気透過膜を用いればよい。このような水蒸気透過膜の一例を、水蒸気透過膜630として図12に示す。このように、単に高湿度ガス下流領域であることだけでなく、例えば実際の透過水分量の分布状態を調べ、実際のガス流れの状態に即して開孔比の分布状態を設定することで、水蒸気透過膜全体で水蒸気透過効率を向上させる効果を高めることができる。
なお、変形例1ないし3では、水蒸気透過膜における開孔比の分布によって、水蒸気分圧差が小さくなる領域における水蒸気透過効率を向上させているが、異なる構成としても良い。例えば、第1実施例のように、水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、水蒸気透過膜の厚さをより薄く形成しても良い。あるいは、水蒸気透過膜において、水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、開孔比をより大きくすることに加えて、あるいは開孔比をより大きくすることに代えて、細孔径をより大きく形成しても良い。
E.第3実施例:
図13は、第3実施例の加湿装置725の概略構成を表わす説明図である。加湿装置725は、第1実施例の燃料電池システム10と同様の燃料電池システムにおいて、加湿装置25に代えて備えられている。加湿装置725は、加湿装置25と類似する構成を有するため、共通する部分には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
加湿装置725は、内部に空間を形成する外殻容器28と、外殻容器28内に配置されて、外殻容器28内の空間を2つの空間に分ける水蒸気透過膜730と、を備えている。ここで、水蒸気透過膜730の一方の面側に形成される空間は、加湿されるべき被加湿ガス、すなわち酸化ガスとなる空気が流れる被加湿ガス流路34となり、水蒸気透過膜730の他方の面側に形成される空間は、上記被加湿ガスを加湿するための加湿用液水が流れる加湿用液水流路732となる。
水蒸気透過膜730の一方の面側の被加湿ガス流路34を形成する外殻容器壁面には、ガス供給口39およびガス排出口38が形成されている。加湿装置725では、ガス供給口39から空気が供給されると、この空気は、被加湿ガス流路34内をガス排出口38に向かって一定の方向に流れる。被加湿ガス流路34を経由して加湿された空気は、燃料電池22へと供給される。
また、水蒸気透過膜730の他方の面側の加湿用液水流路732を形成する外殻容器壁面には、液水供給口736および液水排出口737が形成されている。加湿装置725では、液水供給口736から液水が供給されると、この液水は、加湿用液水流路732内を液水排出口737に向かって一定の方向に流れる。本実施例の燃料電池システムは、液水供給口736に対して液水供給路768によって接続されている図示しない液水タンクを備えている。液水排出口737に達した液水は、液水排出路769を介して外部に排出、あるいは、上記液水タンクに回収される。
なお、用いる液水は、水蒸気透過膜730を透過する他の成分を考慮する必要がなく、液水からの何らかの成分の析出を考慮する必要がないことから、純水を用いることが望ましい。また、図13の加湿装置725では、液水は被加湿ガスと対向する向きに流れることとしたが、同じ向きに流れることとしても良い。さらに、加湿用液水としては、液水タンクに対して外部から補充した液水を用いても良いし、燃料電池から排出されるガスから水分を凝縮器により回収して得た液水を用いても良い。
加湿装置725が備える水蒸気透過膜730は、第1実施例の水蒸気透過膜30と同様の膜であるが、被加湿ガス上流側から下流側へと、次第に膜厚が薄くなる点が異なっている。本実施例のように、加湿のために、被加湿ガスよりも水蒸気分圧が高い高湿度ガスを用いる代わりに液水を用いる場合には、液水側は、常に飽和蒸気圧である場合と同様の状態と考えることができ、加湿用液水側の水蒸気分圧の低下を考慮する必要がない。したがって、加湿装置725における水蒸気透過効率は、水蒸気透過膜の状態が膜全体で均一である場合には、加湿によって水蒸気分圧が上昇した被加湿ガスが流れる被加湿ガス下流領域ほど低下することになる。本実施例では、被加湿ガス下流領域ほど、水蒸気透過膜730の厚さを薄くしているため、被加湿ガス下流領域においては、水蒸気透過が、より促進されることになる。
以上のように構成された第3実施例の加湿装置725によれば、被加湿ガスの水蒸気分圧が上昇する(すなわち、水蒸気分圧差が小さい状態となる)被加湿ガス下流領域ほど、水蒸気透過膜730の厚さを薄くしているため、被加湿ガス下流領域における水蒸気透過量を増加させ、加湿装置全体としての加湿効率を上昇させることができる。
ここで、加湿装置725で用いる水蒸気透過膜は、第1実施例と同様の均質膜によって構成する他、既述した多孔質膜や複合膜によって構成しても良い。いずれの膜を用いる場合にも、被加湿ガス下流領域ほど水蒸気透過膜の厚さを薄くすることにより、被加湿ガス中の水蒸気分圧が高くなる領域における水蒸気透過量を増加させる同様の効果が得られる。
あるいは、加湿装置725において、水蒸気透過膜730に代えて、第2実施例と同様に、開孔比と細孔径の内の少なくとも一方を面内で異ならせた多孔質膜、あるいは複合膜である水蒸気透過膜を用いることとしても良い。この場合には、被加湿ガス下流領域、すなわち、被加湿ガスにおける水蒸気分圧が高い領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかにすることで、同様の効果が得られる。
なお、第3実施例では、被加湿ガス流路34に対向する流路を、液水が流れる加湿用液水流路732としたが、第1および第2実施例と同様に高湿度ガスが流れる高湿度ガス流路32としても良い。この場合であっても、被加湿ガス下流領域ほど膜厚を薄くすることで、あるいは、水蒸気透過膜において被加湿ガス下流領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかにすることで、装置全体の水蒸気透過量を増加させることが可能になる。例えば、被加湿ガス下流領域(高湿度ガス上流領域)側の膜厚を薄くすると、このように元々被加湿ガスの水蒸気分圧は高いが水蒸気分圧差も大きい領域において、さらに水蒸気透過量が増加する。このとき、高湿度ガス上流領域で水蒸気透過量が増加すると、高湿度ガス下流領域では高湿度ガスの水蒸気分圧がさらに低下して水蒸気分圧差がより小さくなるが、高湿度ガス下流領域(被加湿ガス上流領域)では元々水蒸気透過量が少ないため水蒸気透過量減少の影響が少なく、全体としては水蒸気透過量増加の効果が得られる。あるいは、水蒸気透過膜において被加湿ガス下流領域(高湿度ガス上流領域)ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかにする場合であっても、同様である。ただし、第1および第2実施例のように、高湿度ガス下流領域(被加湿ガス上流領域)ほど膜厚を薄くする、あるいは、水蒸気透過膜において被加湿ガス下流領域(高湿度ガス上流領域)ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかにする方が、通常は、装置全体の水蒸気透過量を増加させる効果がより大きく得られる。これは、元々水蒸気分圧差が大きく水蒸気透過量が多い領域での水蒸気透過量はそのまま確保されると共に、元々水蒸気分圧差が小さく水蒸気透過量が少ない領域における水蒸気透過量がさらに増大するためである。
F.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
F1.変形例1:
第1ないし第3実施例では、被加湿ガスとして空気を用い、燃料電池に供給するための酸化ガスの加湿を行なったが、異なる構成としても良い。たとえば、燃料電池に供給するための燃料ガスを被加湿ガスとして用い、この燃料ガスを、高湿度ガスとしてのアノード排ガスや液水を用いて加湿しても良い。あるいは、燃料電池に供給するための反応ガスを加湿するために、反応ガスに対応する排ガス以外の水蒸気含有ガスを高湿度ガスとして用いても良い。また、燃料電池システム以外に本発明の加湿装置を適用し、燃料電池に供給する反応ガス以外のガスの加湿を行なっても良い。被加湿ガスに対して、水蒸気透過膜を介して高湿度ガスや液水から水蒸気を供給する加湿装置であれば、本発明を適用することができる。
F2.変形例2:
第1ないし第3実施例では、水蒸気透過膜は、平坦な面を成す膜としたが、異なる形状の水蒸気透過膜を用いても良い。例えば、水蒸気透過膜を、プリーツ状に折り畳んだ形状と成し、水蒸気が透過し得る表面積をより広く確保しても良い。
あるいは、シート状以外の形状の水蒸気透過膜を用いても良い。例えば、水蒸気透過膜として中空糸を用いることができる。この場合には、内部に空間を形成する所定の外殻容器内に中空糸の束を収納して加湿装置を構成し、中空糸の内側の空間と外側の空間のいずれか一方に被加湿ガスを流すと共に、他方に高湿度ガスまたは加湿用液水を流せば良い。その際に、被加湿ガス等の流れ方向に応じて、中空糸における膜厚や開孔比、あるいは細孔径を変化させることで、本願構成を実現することが可能となる。
実施例の燃料電池システムの概略構成を表わすブロック図である。 加湿装置25の概略構成を表わす説明図である。 膜厚が全面で略均一に形成された水蒸気透過膜における水蒸気透過効率の分布の様子を概念的に表わす説明図である。 第2実施例の加湿装置225の概略構成を表わす説明図である。 水蒸気透過膜230に形成された微細孔の分布の様子を模式的に表わす平面図である。 加湿装置225と同様の加湿装置において水蒸気透過膜230に代えて用いられ、微細孔の細孔径を面内で変化させた水蒸気透過膜330に形成された微細孔の様子を模式的に表わす平面図である。 加湿装置425の概略構成を表わす説明図である。 水蒸気透過膜430における微細孔の様子を模式的に表わす平面図である。 加湿装置525の概略構成を表わす説明図である。 水蒸気透過膜530における細孔分布の様子を模式的に表わす平面図である。 開孔比および細孔径が一様である水蒸気透過膜における単位面積当たりの透過水分量を調べた結果の一例を表わす説明図である。 水蒸気透過膜630における細孔分布の様子を模式的に表わす平面図である。 第3実施例の加湿装置725の概略構成を表わす説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム
22…燃料電池
23…水素タンク
24…エアコンプレッサ
25,125,225,425,525,725…加湿装置
27…気液分離器
27a…バルブ
28…外殻容器
30,130,230,330,430,530,630,730…水蒸気透過膜
32,532…高湿度ガス流路
34,534…被加湿ガス流路
36,39,45,46,536,539…ガス供給口
37,38,537,538…ガス排出口
40…第1分岐路
41,42…第2分岐路
45,46…ガス供給口
60…水素供給路
62…圧力調整弁
63…アノード排ガス路
65…水素ポンプ
67…酸化ガス供給路
68…カソード排ガス路
732…加湿用液水流路
736…液水供給口
737…液水排出口
768…液水供給路
769…液水排出路

Claims (14)

  1. ガスを加湿するガス加湿装置であって、
    内部に空間を形成する外殻容器と、
    前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて低湿度な被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて前記被加湿ガスよりも湿度の高い高湿度ガスが流れる第2の空間と、に分けると共に、高湿度ガス側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜と
    を備え、
    前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間と前記第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、厚さが薄く形成されている
    加湿装置。
  2. 請求項1記載のガス加湿装置であって、
    前記水蒸気透過膜は、前記第2の空間に供給された一定量の前記高湿度ガスが流れる領域において、前記高湿度ガスの流れの下流側に対応する領域ほど、厚さが薄く形成されている
    加湿装置。
  3. ガスを加湿するガス加湿装置であって、
    内部に空間を形成する外殻容器と、
    前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて低湿度な被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて前記被加湿ガスよりも湿度の高い高湿度ガスが流れる第2の空間と、に分けると共に、高湿度ガス側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させ、多数の微細孔を有する水蒸気透過膜と
    を備え、
    前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間と前記第2の空間との間の水蒸気分圧差が小さくなる領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかである
    加湿装置。
  4. 請求項3記載のガス加湿装置であって、
    前記水蒸気透過膜は、前記第2の空間に供給された一定量の前記高湿度ガスが流れる領域において、前記高湿度ガスの流れの下流側に対応する領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかである
    加湿装置。
  5. 請求項2または4記載のガス加湿装置であって、
    前記第2の空間では、前記外殻容器に形成された単一のガス供給口から、前記外殻容器に形成された単一のガス排出口へと、一定方向に前記高湿度ガスが流れる
    加湿装置。
  6. 請求項1ないし5いずれか記載のガス加湿装置であって、
    前記第1の空間における前記被加湿ガスの流れの向きと、前記第2の空間における前記高湿度ガスの流れの向きとは、対向する向きである
    加湿装置。
  7. ガスを加湿するガス加湿装置であって、
    内部に空間を形成する外殻容器と、
    前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて加湿用流体が流れる第2の空間と、に分けると共に、加湿用流体側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜と
    を備え、
    前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域ほど、厚さが薄く形成されている
    加湿装置。
  8. 請求項7記載のガス加湿装置であって、
    前記加湿用流体は、液水である
    加湿装置。
  9. 請求項7または8記載のガス加湿装置であって、
    前記第1の空間では、前記外殻容器に形成されたガス供給口から、前記外殻容器に形成されたガス排出口へと、一定方向に前記被加湿ガスが流れ、
    前記水蒸気透過膜は、前記ガス排出口に近い領域ほど、厚さが薄く形成されている
    加湿装置。
  10. ガスを加湿するガス加湿装置であって、
    内部に空間を形成する外殻容器と、
    前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて被加湿ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて加湿用流体が流れる第2の空間と、に分けると共に、加湿用流体側から被加湿ガス側へと水蒸気を透過させ、多数の微細孔を有する水蒸気透過膜と
    を備え、
    前記水蒸気透過膜は、前記第1の空間における水蒸気分圧が高くなる領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかである
    加湿装置。
  11. 請求項10記載のガス加湿装置であって、
    前記加湿用流体は、液水である
    加湿装置。
  12. 請求項10または11記載のガス加湿装置であって、
    前記第1の空間では、前記外殻容器に形成されたガス供給口から、前記外殻容器に形成されたガス排出口へと、一定方向に前記被加湿ガスが流れ、
    前記水蒸気透過膜は、前記ガス排出口に近い領域ほど、より高い開孔比を有するか細孔径のより大きな微細孔を有するかの少なくともいずれかである
    加湿装置。
  13. 燃料電池システムであって、
    請求項1ないし12いずれか記載のガス加湿装置と、
    固体高分子電解質型燃料電池と
    を備え、
    前記被加湿ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供するための反応ガスを用いる
    燃料電池システム。
  14. 燃料電池システムであって、
    請求項1ないし6いずれか記載のガス加湿装置と、
    固体高分子電解質型燃料電池と
    を備え、
    前記被加湿ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供するための反応ガスを用い、
    前記高湿度ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供された後に排出された排出ガスを用いる
    燃料電池システム。
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