JP2007212018A - 加湿装置および燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素透過膜において、水蒸気透過効率を均一化し、局所的な膜の劣化を抑制する。
【解決手段】ガス加湿装置25は、外殻容器28を備える。また、外殻容器内に配置されて、外殻容器内の空間を、高湿度ガスが流れる第1の空間と低湿度ガスが流れる第2の空間とに分けると共に、高湿度ガス側から低湿度ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜30を備える。外殻容器28は、高湿度ガスの一部が第1の空間へと流入するガス供給口36と、第1の空間から高湿度ガスが流出するガス排出口37と、ガス供給口36からガス排出口37へと第1の空間内を高湿度ガスが流れる途中に開講し、第1の空間へと高湿度ガスの他の一部が流入する1以上のガス導入口と、を備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、加湿器および該加湿器を備える燃料電池システムに関する。
気体を加湿するための加湿器の一種として、従来、水蒸気分圧の高い側から低い側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜を備えた加湿器が用いられてきた。このような加湿器を用いるシステムの一例として、燃料電池システムにおいて、燃料電池から排出された湿度の高いガスと、燃料電池に供給すべき湿度の低いガスとを、水蒸気透過膜のそれぞれの面に対して供給し、上記湿度の高いガスを用いて上記湿度の低いガスを加湿する構成が知られている(例えば、引用文献1参照)。
特開2001−351660号公報 特開2000−164231号公報 特開2004−356001号公報
水蒸気透過膜においては、一般に、水蒸気透過の動作が進行するに従って水蒸気透過膜の劣化が進行するという問題が生じるが、特に上記加湿器においては、水蒸気透過膜の膜面内で水蒸気透過の効率にばらつきが生じるため、水蒸気透過膜の劣化が局所的に進行し得るという問題があった。具体的には、加湿に用いるための高湿度気体の上流側に対応する領域において、より活発に水蒸気の透過が進行するため、このような高湿度気体の上流側の領域で、水蒸気透過膜の劣化が局所的に進行することになる。そのため、結果的に、水蒸気透過膜を備える加湿器全体の耐久性が損なわれる可能性があった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、水蒸気透過膜における水蒸気透過の際の膜全体の透過効率を均一化し、局所的な水蒸気透過膜の劣化を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、ガスを加湿するガス加湿装置であって、
内部に空間を形成する外殻容器と、
前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて高湿度ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて前記高湿度ガスよりも湿度の低い低湿度ガスが流れる第2の空間と、に分けると共に、高湿度ガス側から低湿度ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜と
を備え、
前記外殻容器は、
前記第1の空間を形成する壁面に開口し、前記高湿度ガスの一部が前記第1の空間へと流入するガス供給口と、
前記第1の空間を形成する壁面に開口し、前記第1の空間から前記高湿度ガスが流出するガス排出口と、
前記第1の空間を形成する壁面において、前記ガス供給口から前記ガス排出口へと前記第1の空間内を一定方向に前記高湿度ガスが流れる途中に開口し、前記第1の空間へと前記高湿度ガスの他の一部が流入する1以上のガス導入口と
を備えることを要旨とする。
以上のように構成された本発明のガス加湿装置によれば、高湿度ガスを第1の空間に供給する際に、高湿度ガスの流れ方向に分割して供給するため、高湿度ガスが流入する上流領域の水蒸気透過膜において水蒸気透過の局所的な集中を抑えると共に、水蒸気透過効率が高くなる領域を分散させることができる。したがって、水蒸気透過に起因する水蒸気透過膜の経時的な劣化の局所的な進行を抑制することができる。このように、水蒸気透過に起因する水蒸気透過膜の経時的な劣化の進行を、水蒸気透過膜のより広い範囲に分散させることにより、水蒸気透過膜全体の劣化を抑制し、加湿装置の耐久性を向上させることができる。
本発明の加湿装置において、
前記第1の空間における前記高湿度ガスの流れの向きと、前記第2の空間における前記低湿度ガスの流れの向きとは、対向する向きであることとしても良い。
このような構成とすれば、水蒸気透過膜全体で、高湿度ガス側と低湿度ガス側との間で水蒸気分圧差を確保して、加湿効率を向上させることができる。
本発明の加湿装置において、
前記ガス供給口と前記ガス導入口と前記ガス排出口との間の距離は、前記高湿度ガスの流れ方向に対して最も上流側に形成された前記ガス導入口と前記ガス供給口との距離が最も短く、前記高湿度ガスの流れ方向に対して最も下流側に形成された前記ガス導入口と前記ガス排出口との距離が最も長く形成されており、前記ガス導入口が複数形成される場合には、隣り合う前記ガス導入口間の距離は、前記高湿度ガスの流れ方向に対して下流側ほど長く形成されていることとしても良い。
このような構成とすれば、水蒸気透過膜において、高湿度ガスの全圧が高くなって水蒸気透過の効率が低下する高湿度ガス下流側の領域ほど、水蒸気透過のための膜面積が広く確保される。したがって、加湿装置全体の水蒸気透過量を、より充分に確保することが可能になる。
本発明の燃料電池システムは、
請求項1ないし3いずれか記載の加湿装置と、
固体高分子電解質型燃料電池と
を備え、
前記低湿度ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供するための反応ガスを用いることを要旨とする。
以上のように構成された本発明の燃料電池システムによれば、電気化学反応に供するための反応ガスを加湿するために、本発明の加湿装置を用いているため、燃料電池システムを構成する加湿装置の耐久性を向上させることができる。
本発明の燃料電池システムにおいて、
前記高湿度ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供された後に排出された排出ガスを用いることとしても良い。
このような構成とすれば、電気化学反応で生じた生成水を含有する排出ガスを用いて、反応ガスを加湿することができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、ガスの加湿方法などの形態で実現することが可能である。
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.加湿装置の構成:
C.変形例:
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の実施例である燃料電池システム10の概略構成を表わすブロック図である。燃料電池システム10は、発電の本体である燃料電池22と、燃料電池22に供給する水素を貯蔵する水素タンク23と、燃料電池22に圧縮空気を供給するためのエアコンプレッサ24と、を備えている。ここで、水素タンク23は、水素供給路60によって燃料電池22のアノードと接続されており、水素タンク23に貯蔵される水素が、燃料ガスとして燃料電池22のアノードに供給される。また、エアコンプレッサ24は、酸化ガス供給路67によって燃料電池22のカソードに接続されており、エアコンプレッサ24によって取り込まれた空気が、酸化ガスとして燃料電池22のカソードに供給される。また、燃料電池22は、固体高分子型燃料電池であり、電解質層として、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す固体高分子電解質膜を備えている。この燃料電池22は、複数の単セルを積層したスタック構造を有している。以下に、燃料電池システム10を構成する各部および燃料電池システム10におけるガスの流れについて、さらに説明する。
水素タンク23は、例えば、高圧水素を貯蔵する水素ボンベである。あるいは、水素吸蔵合金を内部に備え、水素吸蔵合金に吸蔵させることによって水素を貯蔵するタンクとしても良い。水素タンク23に貯蔵された水素ガスは、水素タンク23に接続された水素供給路60に放出された後、圧力調整弁62によって所定の圧力に調整(減圧)されて、燃料ガスとして燃料電池22を構成する各単セルのアノードに供給される。
燃料電池22のアノードから排出されるアノード排ガスは、アノード排ガス路63に導かれて再び水素供給路60に流入する。このように、アノード排ガス中の残余の水素は、水素供給路60の一部とアノード排ガス路63と燃料電池22内の流路とから成る流路(以下、循環流路と呼ぶ)内を循環して再度電気化学反応に供される。負荷要求に応じた電気化学反応が進行可能となるように、循環流路内の圧力は圧力調整弁62によって調節され、電気化学反応の進行に伴って、圧力調整弁62を介して水素タンク23から循環流路へと水素が補充される。循環流路内でアノード排ガスを循環させるために、アノード排ガス路63には水素ポンプ65が設けられている。
また、アノード排ガス路63には、気液分離器27が設けられている。電気化学反応の進行に伴ってカソードでは水が生じるが、生じた水は、燃料電池22の電解質膜を介して、アノード側に供給される燃料ガス内にも導入される。また、アノード側を流れるガスにおいては、電解質膜を介して、カソード側から窒素などの不純物も導入される。気液分離器27では、アノード排ガス中に含まれる水蒸気が凝縮されると共に、気液分離器27に設けられたバルブ27aを開状態とすることで、上記凝縮された水および不純物を含むアノード排ガスの一部が、外部に排出される。
エアコンプレッサ24は、加圧した空気を酸化ガスとして酸化ガス供給路67を介して燃料電池22のカソードに供給する。カソードから排出されるカソード排ガスは、カソード排ガス路68に導かれて外部に排出される。ここで、本実施例では、酸化ガス供給路67およびカソード排ガス路68は、加湿装置25を経由している。加湿装置25では、水蒸気透過性の膜によって酸化ガス供給路67とカソード排ガス路68とが隔てられており、水蒸気を含有するカソード排ガスを用いて、カソードに供給する加圧空気の加湿を行なっている。このように、燃料電池22への供給に先立って酸化ガスを加湿することで、本実施例の燃料電池22では、電解質層である固体高分子電解質膜の湿潤状態を確保している。加湿装置25の構成については、後に詳しく説明する。
さらに、燃料電池システム10は、燃料電池システム10の各部の動きを制御する図示しない制御部を備えている。この制御部は、マイクロコンピュータを中心とした論理回路として構成され、CPU、ROM、RAMおよび入出力ポート等を備える。そして、燃料電池システム10が備える各種センサの検出信号や、燃料電池22に対する負荷要求に関する情報などを取得すると共に、圧力調整弁62、エアコンプレッサ24、水素ポンプ65、あるいはバルブ27aのような燃料電池22の発電に関わる各部に駆動信号を出力する。
B.加湿装置の構成:
図2は、加湿装置25の概略構成を表わす説明図である。加湿装置25は、内部に空間を形成する外殻容器28と、外殻容器28内に配置されて、外殻容器28内の空間を2つの空間に分ける水蒸気透過膜30と、を備えている。ここで、水蒸気透過膜30の一方の面側に形成される空間は、湿度がより高い高湿度ガスが流れる高湿度ガス流路32となり、水蒸気透過膜30の他方の面側に形成される空間は、湿度がより低い低湿度ガスが流れる低湿度ガス流路34となる。
水蒸気透過膜30は、両面の間で、水蒸気分圧差に従って、水蒸気分圧が高い側から低い側へと水蒸気を透過させる性質を有する膜である。本実施例の水蒸気透過膜30は、無数の微細な孔を有する膜基材と、膜基材の高湿度ガス流路32側の表面に設けられて、高い吸湿性を有すると共に、ガス不透過性を有する吸湿層と、から成る複合膜によって構成されている。膜基材は、例えば、無数の微細孔(例えば、気孔率が5〜90%となり、細孔径が0.001〜10μmである微細孔)を有するポリエチレン膜によって形成することができる。このような膜基材は、膜基材の一方の面上に高湿度ガスが供給されると、微細孔に液膜が形成され、両面間の水蒸気分圧差に従って、分圧の高い側から低い側へと水蒸気を透過させる性質を有している。吸湿層は、水分子を内部に保持すると共に水分子を透過させることができるが、酸素や窒素などの他の気体は実質的に透過させない性質を有している。具体的には、吸湿層は、例えば、水蒸気を吸収して湿潤状態で高いプロトン伝導性を示すフッ素系あるいは炭化水素系の固体高分子電解質や、吸湿性を有するポリエチレンオキサイド、ポリビニルアルコール、セルロースエーテル、デンプン等の非電解質高分子によって構成することができる。このような水蒸気透過膜30上の高湿度ガス流路に高湿度ガスを流すと、高湿度ガス中の水蒸気を吸湿して吸湿層は湿潤状態となり、このとき膜基材の両面間では水蒸気分圧差が生じるため、膜基材において高湿度ガス流路側から低湿度ガス流路側へと水蒸気が透過する。その際に、酸素など他の気体は吸湿層を透過することができないため、実質的に、水蒸気分圧差に応じて一方向に水蒸気を特異的に透過させることができる。
水蒸気透過膜30の一方の面側に形成される高湿度ガス流路32には、ガス供給口36およびガス排出口37が形成されており、ガス供給口36からガスが供給されることにより、このガスは、高湿度ガス流路32内をガス排出口37に向かって一定の方向に流れる。すなわち、高湿度ガス流路32において、ガス供給口36は、ガス流れの最も上流に位置し、ガス排出口37は、ガス流れの最も下流に位置する。既述したように、加湿装置25は、カソード排ガス路68の途中に接続されており、燃料電池22から排出されたカソード排ガスは、ガス供給口36を介して高湿度ガス流路32内に流入すると共に、ガス排出口37を介して高湿度ガス流路32から排出される。
さらに、加湿装置25では、ガス供給口36との接続部よりも上流側のカソード排ガス路68から分岐して、カソード排ガス分岐路40が設けられている。このカソード排ガス分岐路40は、さらに、第1分岐路41、第2分岐路42および第3分岐路43に分岐している。高湿度ガス流路32の壁面には、開口部として、第1のガス導入口45および第2のガス導入口46が形成されており、第1分岐路41は第1のガス導入口45に接続され、第2分岐路42は第2のガス導入口46に接続されている。ここで、第1のガス導入口45は、第2のガス導入口46に比べて、高湿度ガス流路32におけるガス流れの上流側の位置に設けられている。また、第3分岐路43は、ガス排出口37との接続部よりも下流の位置で、カソード排ガス路68に接続している。従って、燃料電池22から排出されたカソード排ガスは、一部がガス供給口36を介して高湿度ガス流路32内に供給されると共に、他の一部は、第1のガス導入口45あるいは第2のガス導入口46を介して、高湿度ガス流路32の途中に導入され、また、残りの一部は、高湿度ガス流路32をバイパスするよう導かれる。ここで、第1分岐路41、第2分岐路42および第3分岐路43の各々には、既述した制御部によって駆動制御される流量調整弁51、52、53が設けられており、各分岐路を介した供給ガス量を調節可能となっている。
また、既述したように、加湿装置25は、酸化ガス供給路67の途中に接続されており、エアコンプレッサ24によって取り込まれた空気は、水蒸気透過膜30の他方の面側に形成される低湿度ガス流路34を経由して、燃料電池22へと供給される。ここで、本実施例の加湿装置25では、低湿度ガス流路34内へと空気が流入するガス供給口39は、高湿度ガス流路32におけるガス排出口37の近傍に設けられており、低湿度ガス流路34から空気が流出するガス排出口38は、高湿度ガス流路32におけるガス供給口36の近傍に設けられている。したがって、高湿度ガス流路32と低湿度ガス流路34とでは、ガスの流れの向きが対向流となる。このように、高湿度ガスの流れと低湿度ガスの流れとを対向流とすることによって、水蒸気透過膜全体で、高湿度ガスと低湿度ガスとの間の水蒸気分圧差をより大きく確保して、加湿装置25における加湿効率を高めることができる。すなわち、水蒸気を与える側である高湿度ガスは、上流側ほど水蒸気分圧が高く、下流側ほど水蒸気分圧が低い。また、水蒸気を受け取る側である低湿度ガスは、下流側ほど水蒸気分圧が高く、上流側ほど水蒸気分圧が低い。このように、水蒸気透過膜を介して、高湿度ガスの上流側と低湿度ガスの下流側とを接触させると共に、高湿度ガスの下流側と低湿度ガスの上流側とを接触させることで、高湿度ガスと低湿度ガスとの間で、水蒸気透過が可能な程度の水蒸気分圧差をより広い範囲で確保することが可能となる。
水蒸気透過膜30を介した高湿度ガス流路32側から低湿度ガス流路34側への水蒸気の透過は、既述したように、水蒸気分圧差に従って行なわれる。カソード排ガスが高湿度ガス流路32内に流入する際には、カソード排ガスは、電気化学反応で生じた生成水を多く含んでいるため極めて高い湿度となっており、通常は略飽和蒸気圧となっている。そして、カソード排ガスが、水蒸気透過膜30を介して、湿度がより低い空気と接することで、カソード排ガスから空気へと水蒸気が透過する。このとき、低湿度ガス流路34側へと水蒸気を与えながらカソード排ガスが高湿度ガス流路32内を流れることで、カソード排ガス中の水蒸気含有量は次第に低下する。これにより、高湿度ガス流路32の下流側領域では、低湿度ガス流路側との間で水蒸気分圧差を充分に確保し難くなって、水蒸気透過膜30では、高湿度ガス流路32の下流側領域ほど水蒸気の透過効率が低下することになる。
本実施例の加湿装置25では、第1分岐路41および第2分岐路42を介して、高湿度ガス流路32におけるガス流れの途中から、さらにカソード排ガスを供給可能となっている。このように、ガス流れの途中からさらにカソード排ガスを供給することにより、高湿度ガスのガス流れの途中で水蒸気濃度が上昇し、高湿度ガス流路32と低湿度ガス流路34との間の水蒸気分圧差が再び大きくなって、水蒸気透過膜30における水蒸気透過効率が再上昇する。水蒸気透過膜30における水蒸気透過効率効率が、下流側に向けて低下すると共に、途中でカソード排ガスが追加供給されることにより再び上昇する様子を、図2において、高湿度ガス流路32から低湿度ガス流路34へと向かう矢印の大きさで示している。
図3は、高湿度ガス流路32を流れるカソード排ガス中の水蒸気分圧と、低湿度ガス流路34を流れる空気中の水蒸気分圧の変化の様子を模式的に表わす説明図である。図3(A)は、本実施例の加湿装置25において、ガス供給口36と第1のガス導入口45と第2のガス導入口46とから、略等しい流量でカソード排ガスを高湿度ガス流路32内へと供給した場合の水蒸気分圧変化を表わす。また、図3(B)は、すべてのカソード排ガスを、最も上流のガス供給口36からのみ供給した場合の水蒸気分圧変化を表わす。図3(A)に示すように、ガス流れに沿って複数箇所から高湿度ガスを供給する場合には、各供給口近傍でカソード排ガス中の水蒸気分圧が上昇することにより、水蒸気分圧差が大きくなり、各供給口近傍で水蒸気透過効率が上昇(水蒸気透過量が増加)する。これに対して、図3(B)に示すように、上流の一箇所のみから高湿度ガスを供給する場合には、上流のガス供給口の近傍のみで水蒸気分圧差が大きくなり、高い水蒸気透過効率(水蒸気透過量)を示す。
なお、本実施例の加湿装置25では、流量調整弁53を備える第3分岐路43を介して、カソード排ガスの一部を、加湿装置25を経由させることなく外部に排出することができる。そのため、燃料電池22における発電量が変動して、カソード排ガスの流量や温度が変化したときに、カソード排ガスの一部を第3分岐路43を介して排出させることで、加湿装置25による空気の加湿過剰を抑制することができる。加湿装置25における加湿過剰を考慮する必要がなければ、第3分岐路43は設けなくても良い。
以上のように構成された本実施例の燃料電池が備える加湿装置によれば、高湿度ガスであるカソード排ガスを高湿度ガス流路32内に供給する際に、高湿度ガスの流れ方向に分割して供給するため、高湿度ガスが流入する上流領域の水蒸気透過膜において水蒸気透過の局所的な集中を抑えると共に、高湿度ガスを分割供給する下流側の箇所の近傍においても、水蒸気透過膜における水蒸気透過効率を上昇(水蒸気透過量を増加)させることができる。したがって、水蒸気透過膜において、水蒸気透過に起因する水蒸気透過膜の経時的劣化の局所的な(具体的には高湿度ガスが流入する上流領域)進行を抑制することができる。このように、水蒸気透過に起因する水蒸気透過膜の経時的な劣化の進行を、水蒸気透過膜のより広い範囲に分散させることにより、水蒸気透過膜全体で劣化が進行する速度を抑制し、加湿装置の耐久性を向上させることができる。
また、本実施例の加湿装置25によれば、高湿度ガス流路32内に対してカソード排ガスを分割して供給するため、カソード排ガスの全量をガス供給口36から供給する場合に比べて、高湿度ガス流路32をガスが流れる際の圧力損失を低減することができる。すなわち、カソード排ガスの全量をガス供給口36から供給する場合には、ガス供給口36近傍においてカソード排ガス流量は最大となり、大きな圧力損失が生じる。これに対して、分割供給する場合には、高湿度ガス流路32の下流領域でカソード排ガス流量が最大となるが、下流領域を流れる際には、多くの水蒸気が膜を透過することによりカソード排ガス流量が既に減少しているため、圧力損失はより少なくなる。上記のように圧力損失が低減されることにより、カソード排ガスの全量をガス供給口36から供給する場合に比べて、高湿度ガス流路32の流路断面積をより小さくすることができ、加湿装置25全体を小型化することが可能になる。このように高湿度ガス流路32の流路断面積を小さくすることで、分割供給によって上流のガス供給口36から供給するガス流量が減少しても、ガス供給口36近傍の上流領域における水蒸気分圧をより高く維持することができ、上流領域における水蒸気透過効率を確保することができる。
ここで、カソード排ガスの分割割合、すなわち、ガス供給口36から供給するガス量と、第1のガス導入口45から供給するガス量と、第2のガス導入口46から供給するガス量とは、任意に設定することができる。水蒸気透過膜全体で、水蒸気透過効率が高い(水蒸気透過量が多い)領域を分散させるためには、ガス流量が増加する結果として水蒸気分圧が低下して水蒸気透過効率が低下する下流側ほど、供給ガス流量を多くして、水蒸気分圧を確保することが望ましい。すなわち、ガス供給口36からの供給ガス量よりも、第1のガス導入口45からの供給ガス量を多くし、さらに、第2のガス導入口46からの供給ガス量をより多くすることが望ましい。また、既述した複合膜からなる本実施例の水蒸気透過膜30は、高湿度ガス流路側の全圧が高いほど、水蒸気を透過させ難くなるという性質を有しているため、ガス流量が多く全圧が高くなる下流側ほど、高湿度なカソード排ガスの供給量を多くすることとしても良い。これにより、全圧が高く水蒸気透過が進行し難い下流側における水蒸気透過を促進し、水蒸気透過効率が高い領域を、膜全体に分散させる効果を高めることができる。このように、カソード排ガスを分割供給する際には、水蒸気透過効率が高い領域を分散させる効果が得られる程度や、加湿装置25全体において実現可能となる加湿量等を考慮して、分割割合を適宜設定すればよい。
また、カソード排ガスの分割割合は、燃料電池の発電中に固定としても良く、また、変動させても良い。本実施例の加湿装置25のように、第1分岐路41および第2分岐路42に流量調整弁51,52を設けるならば、燃料電池22における発電量が変動してカソード排ガス量が変動する場合にも、カソード排ガスの分割割合を所望の値に調節することができる。なお、カソード排ガスの分割割合を固定の値にする場合には、流量調整弁51,52を設けることなく、例えば、カソード排ガス路68と、このカソード排ガス路68に接続するカソード排ガス分岐路40、第1分岐路41および第2分岐路42等の各配管の圧力損失が所定値となるように各配管を形成しておくことで、特別な制御を行うことなく所定の分割割合とすることが可能になる。
また、本実施例では、ガス流れの途中からカソード排ガスを供給するためのガス導入口を2つ設けているが、ガス導入口は2つである必要はなく、1以上のガス導入口を設けるならば、水蒸気透過効率の高い領域を分散させる同様の効果が得られる。
あるいは、全圧が高いほど水蒸気透過が進行し難いことから、加湿装置25全体における加湿量を確保するためには、ガス流れに沿って設けられたガス供給口間の距離が、下流側ほど長くなるように、各ガス供給口を配置することとしても良い。具体的には、本実施例では、ガス供給口36と第1のガス導入口45との距離よりも、第1のガス導入口45と第2のガス導入口46との距離を長くし、また、第2のガス導入口46とガス排出口37との距離をさらに長くしても良い。これにより、全圧が高くなり、水蒸気透過が進行し難くなる下流側において、供給されたカソード排ガスから水蒸気を透過させるための膜面積を確保することができ、装置全体の水蒸気透過量を確保することが可能となる。
C.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
C1.変形例1:
実施例では、高湿度ガスとしてカソード排ガスを用い、燃料電池に供給するための酸化ガスの加湿を行なったが、異なる構成としても良い。たとえば、燃料電池から排出されたアノード排ガスを高湿度ガスとして用い、燃料電池に供給するための燃料ガスを加湿するために、本発明の加湿装置を用いても良い。この場合には、例えば、気液分離器27よりも上流側の部位において、アノード排ガス路63を高湿度ガス流路32に接続し、水素供給路60を、低湿度ガス流路34に接続すればよい。あるいは、燃料電池に供給する反応ガスに対応する排ガス以外の水蒸気含有ガスを高湿度ガスとして用いて、反応ガスの加湿を行なっても良い。また、燃料電池システム以外に本発明の加湿装置を適用し、燃料電池に供給する反応ガス以外のガスの加湿を行なっても良く、水蒸気透過膜を介して、高湿度ガスから低湿度ガスへと水蒸気を透過させる加湿装置であれば、本発明を適用することができる。
C2.変形例2:
実施例では、水蒸気透過膜30は、水蒸気を一方向に特異的に透過させる複合膜としたが、異なる構成としても良い。例えば、緻密層である吸湿層と、多孔質支持層である微細孔を有する膜基材とを、異なる材料によって形成した複合膜とする代わりに、緻密層と多孔質支持層とを同じ材料によって形成した非対称膜としても良い。また、実施例の水蒸気透過膜30を構成する微細孔を有する膜基材や、膜基材上に形成した吸湿層を、それぞれ単独で、水蒸気透過膜30として用いても良い。水蒸気分圧差に応じて高湿度ガス流路側から低湿度ガス流路側へと水蒸気を透過させる膜であれば、水蒸気透過膜として用いることができる。また、高湿度ガスと低湿度ガスとが、水蒸気以外には分圧差を生じる気体成分を含有しない場合や、水蒸気以外の気体成分が分圧差に応じて透過しても差し支えない場合には、水蒸気以外の気体も、分圧差に応じて透過する膜を用いても良い。
C3.変形例3:
実施例では、水蒸気透過膜は、平坦な面を成す膜としたが、異なる形状の水蒸気透過膜を用いても良い。例えば、水蒸気透過膜を、プリーツ状に折り畳んだ形状と成し、水蒸気が透過し得る表面積をより広く確保しても良い。
あるいは、シート状以外の形状の水蒸気透過膜を用いても良い。例えば、水蒸気透過膜として中空糸を用いることができる。この場合には、内部に空間を形成する所定の外殻容器内に中空糸の束を収納して加湿装置を構成し、中空糸の内側を低湿度ガス流路にすると共に、外側を高湿度ガス流路とすればよい。そして、外殻容器と中空糸との間の空間において、中空糸の長手方向に高湿度ガスを流すと共に、外殻容器壁面の1以上の箇所から高湿度ガスの流れの途中へと、高湿度ガスをさらに加えることにより、本願構成を実現することが可能となる。
実施例の燃料電池システムの概略構成を表わすブロック図である。 加湿装置25の概略構成を表わす説明図である。 高湿度ガス流路を流れるガス中の水蒸気分圧と、低湿度ガス流路を流れるガス中の水蒸気分圧の変化の様子を模式的に表わす説明図である。
符号の説明
10…燃料電池システム
22…燃料電池
23…水素タンク
24…エアコンプレッサ
25…加湿装置
27…気液分離器
27a…バルブ
28…外殻容器
30…水蒸気透過膜
32…高湿度ガス流路
34…低湿度ガス流路
36,39…ガス供給口
37,38…ガス排出口
40…カソード排ガス分岐路
41…第1分岐路
42…第2分岐路
43…第3分岐路
45…第1のガス導入口
46…第2のガス導入口
51〜53…流量調整弁
60…水素供給路
62…圧力調整弁
63…アノード排ガス路
65…水素ポンプ
67…酸化ガス供給路
68…カソード排ガス路

Claims (5)

  1. ガスを加湿するガス加湿装置であって、
    内部に空間を形成する外殻容器と、
    前記外殻容器内に配置される膜であって、前記外殻容器内の空間を、一方の面側に形成されて高湿度ガスが流れる第1の空間と、他方の面側に形成されて前記高湿度ガスよりも湿度の低い低湿度ガスが流れる第2の空間と、に分けると共に、高湿度ガス側から低湿度ガス側へと水蒸気を透過させる水蒸気透過膜と
    を備え、
    前記外殻容器は、
    前記第1の空間を形成する壁面に開口し、前記高湿度ガスの一部が前記第1の空間へと流入するガス供給口と、
    前記第1の空間を形成する壁面に開口し、前記第1の空間から前記高湿度ガスが流出するガス排出口と、
    前記第1の空間を形成する壁面において、前記ガス供給口から前記ガス排出口へと前記第1の空間内を一定方向に前記高湿度ガスが流れる途中に開口し、前記第1の空間へと前記高湿度ガスの他の一部が流入する1以上のガス導入口と
    を備える
    加湿装置。
  2. 請求項1記載の加湿装置であって、
    前記第1の空間における前記高湿度ガスの流れの向きと、前記第2の空間における前記低湿度ガスの流れの向きとは、対向する向きである
    加湿装置。
  3. 請求項1または2記載の加湿装置であって、
    前記ガス供給口と前記ガス導入口と前記ガス排出口との間の距離は、前記高湿度ガスの流れ方向に対して最も上流側に形成された前記ガス導入口と前記ガス供給口との距離が最も短く、前記高湿度ガスの流れ方向に対して最も下流側に形成された前記ガス導入口と前記ガス排出口との距離が最も長く形成されており、前記ガス導入口が複数形成される場合には、隣り合う前記ガス導入口間の距離は、前記高湿度ガスの流れ方向に対して下流側ほど長く形成されている
    加湿装置。
  4. 燃料電池システムであって、
    請求項1ないし3いずれか記載の加湿装置と、
    固体高分子電解質型燃料電池と
    を備え、
    前記低湿度ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供するための反応ガスを用いる
    燃料電池システム。
  5. 請求項4記載の燃料電池システムであって、
    前記高湿度ガスとして、前記燃料電池における電気化学反応に供された後に排出された排出ガスを用いる
    燃料電池システム。
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