JP4027732B2 - 気体加湿装置 - Google Patents

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  • Air Humidification (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、固体高分子型燃料電池に供給される水素や酸素を含んだ反応ガスを加湿するために使用される、水蒸気透過性高分子膜を用いた気体加湿装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、小型軽量で高効率・高出力密度が期待できることから、電気自動車等の電源として注目されている。
上記燃料電池では、アノード(陽極)とカソード(陰極)との間に、プロトン(水素イオン)のみを透過させる電解質としてのイオン交換性高分子膜を介在させ、アノードに燃料として水素を含むガス、カソードに酸化剤として空気等の酸素を含むガスをそれぞれ供給することにより、両極においてPt等の触媒作用によって次式に示すような反応が行われる。
アノード:H2→2H++2e-
カソード:2H++1/2O2+2e-→H2
すなわち、アノードにおいて、水素をプロトンと電子とにする反応が行われ、該プロトンが水和状態(H+・xH2O)となって上記電解質膜を透過し、カソードにおいて、該プロトンと酸素及び電子とから水を生成する反応が行われている。そして、該カソードで生成された水を水蒸気として含むオフガスは、そのまま排気として大気に放出されている。
【0003】
ところで、上記電解質膜は湿潤状態でのみ高いプロトン導電性を示す性質を有しているため、上記反応を連続して行わせるためには、燃料電池本体の電解質膜に対して外部から水分を補給する必要性がある。そこで、上記水素を含むガス及び酸素を含むガスを、それぞれ個別に設けられた外部加湿装置において、燃料電池本体の冷却水等の加湿流体によって予め加湿してから、燃料電池本体の上記アノード及びカソードに供給することが試みられているが、被加湿ガスしての水素を含むガス及び酸素を含むガスの供給路に、外部加湿装置を個別に配置しているため、加湿流体の流路を複数設けたり分岐させたりする必要があり、配管が複雑になるばかりでなく、加湿装置全体が大形化し、コストも嵩むという問題点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の課題は、被加湿ガスを低コストにて効率良く加湿することを可能とする気体加湿装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る気体加湿装置は、中空のケース本体内に、加湿ガス導入口からケース本体内に導入された水蒸気を含む加湿ガスが順次流入する相互に連通した第1加湿領域及び第2加湿領域が形成され、これら加湿領域にそれぞれ、水蒸気透過性を有する高分子膜によって形成された被加湿ガス流路が架設されて成る気体加湿装置であって、上記ケース本体が、軸方向に延びる筒状に形成されて、その端部開口にエンドキャップが装着されて成り、上記第1加湿領域及び第2加湿領域が、上記ケース本体内で互いに隣接して、共に該ケース本体内面に沿って軸方向に延びており、上記エンドキャップには、上記各加湿領域に架設された被加湿ガス流路に被加湿ガスをそれぞれ導入する被加湿ガス導入口と、該被加湿ガス流路から被加湿ガスを排出する被加湿ガス排出口とが配設されており、上記加湿ガス導入口が、上記ケース本体の軸方向に延びる外周面に開設されて上記第1加湿領域の軸方向一端部に連通され、ケース本体内から加湿ガスを排出する加湿ガス排出口が、同じく上記ケース本体の軸方向に延びる外周面に開設されて上記第1加湿領域又は第2加湿領域の軸方向他端部に連通されており、上記第1加湿領域に架設された被加湿ガス流路が有する加湿能力を、第2加湿領域に架設された被加湿ガス流路が有するそれよりも低くしたことを特徴とするものである。
【0006】
本発明に係る気体加湿装置においては、加湿ガス導入口からケース本体内に供給され、ケース体内の第1加湿領域から第2加湿領域へと順次流入する加湿ガスによって、これら加湿領域にそれぞれ架設された被加湿ガス流路を流れる被加湿ガスが、上記第1加湿領域の被加湿ガス流路を流れるものから順次加湿されていく。
その際、上記加湿ガスは第1加湿流路から第2加湿流路へと順次流入していくに従って、被加湿ガスに水蒸気を奪われて徐々に湿度が低下していくが、水蒸気透過性高分子膜によって形成された被加湿ガス流路の加湿能力が、上記第1加湿領域に架設されたものの方がより低くなるように構成し、各加湿領域における被加湿ガス流路の加湿能力と加湿ガスの湿度とをバランスさせることにより、上記被加湿ガス流路を流れる被加湿ガスを上記加湿ガスによって均等に加湿することが可能となる。
【0007】
したがって、本発明に係る気体加湿装置によれば、1つのケース本体内において、2つの被加湿ガス流路を流れる被加湿ガスを、同時かつ均等に加湿することが可能となり、装置全体をコンパクトに形成することができるばかりでなく、上記被加湿ガスを低コストにて効率良く加湿することができる。
なお、本発明においては、上記被加湿ガス流路を、水蒸気透過性を有する高分子膜からなる中空糸の集合体によって形成することができる。
【0008】
本発明の実施態様においては、上第1加湿領域に架設された被加湿ガス流路を、固体高分子型燃料電池のアノードに供給される水素を含むガス(アノードガス)を流すためのアノードガス流路とし、第2加湿領域に架設された被加湿ガス流路を、該燃料電池のカソードに供給される酸素を含むガス(カソードガス)を流すためのカソードガス流路とすることができる。
その時、上記アノードガス流路を水蒸気選択透過性を有する非多孔質高分子膜によって形成すると、水素がアノードガス流路から外部へとリークする虞がなく安全性に優れ、しかも、加湿ガス中の水蒸気のみをアノードガス流路に供給することができるため、アノードガスの理想的な加湿が可能となる。
ここで、水蒸気選択透過性を有する非多孔質高分子膜とは、水蒸気を透過させるための物理的な孔が形成されておらず、溶解拡散により高分子間の間隙を通じて水蒸気のみを選択的に透過させる性質を有する高分子膜を意味している。そのような高分子膜としては、例えばフッ素系イオン交換膜等があげられる。
【0009】
なお、酸素を含むカソードガスについては水素を含むアノードガスほど気密性を問われないため、上記カソードガス流路を、水蒸気透過性を有する多孔質高分子膜又は微多孔質高分子膜によって形成すると、コストを抑えることもできてより好適である。
ここで、多孔質高分子膜とは、水蒸気を透過させるための孔が物理的に形成された高分子膜を意味しており、微多孔質高分子膜とは、同じく水蒸気を透過させるために、上記多孔質高分子膜の孔よりも小さい微小孔が物理的に形成された高分子膜を意味している。
また、上記加湿ガス導入口から導入される加湿ガスとしては、上記固体高分子型燃料電池のカソードにおいて生成された水を水蒸気として含むオフガスを利用することも可能である。そうすることによって、従来はそのまま排気として大気に放出されていた、水蒸気を含むカソードオフガスを、上記水素を含むアノードガス及び酸素を含むカソードガスの加湿ガスとして利用し、これら反応ガスをより効率的に加湿することが可能となる。
【0010】
なお、上記気体加湿装置においては、上記第1加湿領域と第2加湿領域との間を、複数の流通孔を備えて軸方向に延びる仕切り板によって仕切り、これら加湿領域が、共に該仕切り板と上記ケース本体内面との間に形成されているようにしても良い。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、図2,図3に示す上記本発明に係る気体加湿装置2A,2Bを用いて、固体高分子型燃料電池に供給される反応ガスを加湿する場合における、各ガスの流れを示す模式図である。図中1は、固体高分子型燃料電池本体で、アノード(陽極)1a及びカソード(陰極)1bからなる電極と、該電極間に介在させた高分子電解質膜1cとから構成されている。ここで、該高分子電解質膜1cは、フッ素系のイオン交換膜からなっており、プロトン(水素イオンH+)のみを透過させ、湿潤状態において高いプロトン導電性を示す性質を有している。
【0012】
そこで、上記電解質膜1cを湿潤状態に維持するため、反応ガス、すなわち上記アノード1aに燃料として供給される水素(H2)を含むガス(アノードガス)、及び、カソード1bに酸化剤として供給される空気等の酸素(O2)を含むガス(カソードガス)を、共に1つの気体加湿装置2A(2B)を通過させて加湿している。
そして、上記アノード1a及びカソード1bに、上記気体加湿装置2A(2B)で加湿されたアノードガス及びカソードガスをそれぞれ供給することにより、上記従来技術の欄で詳述したように、アノード1aにおいて、プラチナ(Pt)等の触媒作用によって水素をプロトンと電子とに分離する反応が行われ、該プロトンが水和状態(H+・xH20)となって上記電解質膜1cを透過し、更に、カソード1bにおいて、該電解質膜1cを透過してきたプロトンを酸素及び電子と結合させて水を生成する反応が行われる。
【0013】
従来においては、該カソード1bで生成された水を水蒸気として含むカソードオフガスは、そのまま排気として大気に排出されていたが、本実施例においては、そのカソードオフガスを加湿ガスとして利用して上記燃料電池本体1に供給されるアノードガス及びカソードガスを加湿している。すなわち、該オフガスを加湿ガスとして上記気体加湿装置2A(2B)に供給することにより、同じく該気体加湿装置2A(2B)に被加湿ガスとして供給される乾燥したアノードガス及びカソードガスを、上記オフガスに含まれる水蒸気で加湿し、上記燃料電池本体1に対して送り出している。
【0014】
このように、上記カソード1bにおいて生成される水を利用し、1つの気体加湿装置2A(2B)内において複数の反応ガスを同時に加湿できるようにしたため、各反応ガスを個別の気体加湿装置で加湿するための複雑な配管を施す必要がなくなり、気体加湿装置2A(2B)をコンパクトにまとめることができ、複数の反応ガスを効率良く低コストにて加湿することが可能となる。
【0015】
図2は、図1において採用されている本発明に係る気体加湿装置の第1実施例を示しており、気体加湿装置2Aは、中空のケース本体3と、その内部に形成された加湿ガス流路としてのオフガス流路8a、及び、複数の被加湿ガス流路としてのアノードガス流路20,カソードガス流路25とから構成されている。
そして、該ケース本体3には、水蒸気を含むカソードオフガスを上記オフガス流路8aに供給するためのオフガス導入口7、及び、被加湿ガスを加湿し終えた上記オフガスを、ケース本体3外へと排出するためのオフガス排出口9aと、被加湿ガスとしてのアノードガスを上記アノードガス流路20に供給するためのアノードガス導入口11、及び、上記オフガスによって加湿されたアノードガスを燃料電池本体1のアノード1aへと送り出すアノードガス排出口13と、同じく被加湿ガスとしてのカソードガスを上記カソードガス流路25に供給するためのカソードガス導入口15、及び、上記オフガスによって加湿されたカソードガスを燃料電池本体1のカソード1bへと送り出すカソードガス排出口17とが設けられている。
【0016】
また、上記ケース本体3の内部空間には、上記オフガス導入口7側から順に第1加湿領域10及び第2加湿領域12が配置形成されており、これらの加湿領域10,12を互いに連通させることにより、上記オフガス流路8aが形成されている。そして、該二つの加湿領域10,12にはそれぞれ、水蒸気透過性高分子膜によって形成された互いに加湿能力の異なるアノードガス流路20及びカソードガス流路25が、上記各導入口11,15と各排出口13,17とをそれぞれ連通させると共に、上記オフガス流路8aを横切って架設されている。ここで、上記オフガス導入口7により近接配置された第1加湿領域10の上記アノードガス流路20の方が、上記第2加湿領域12のカソードガス流路25よりも加湿能力が低くなっている。
【0017】
更に具体的に説明すると、上記ケース本体3は、外周面に上記オフガスの導入口7及び排出口9aが軸l方向に沿って並設開口されている両端開口の外筒5と、上記アノードガスの導入口11及び排出口13と上記カソードガスの導入口15及び排出口17とが開口され、上記外筒5の両端開口に複数のパッキン14を介してそれぞれ装着されたエンドキャップ4,6と、上記外筒5とエンドキャップ4,6とをそれぞれ互いに気密に締結するための締結リング18,19とから構成されている。
【0018】
該ケース本体3内は、その軸l方向に延びる仕切り板22によって、上記オフガスの導入口7及び排出口9aが開口された一方の第1加湿領域10と他方の第2加湿領域12とに区画されており、該二つの加湿領域10,12は、仕切り板22に穿設された複数の流通孔23によって互いに連通され、上記オフガス導入口7から供給されたオフガスが、上記第1加湿領域10から第2加湿領域12を経て再び第1加湿領域10へと戻り、上記オフガス排出口9aへと至るU字状のオフガス流路8aを形成している。なお、U字状のオフガス流路8aをより確実に形成させるために、上記第1加湿領域10におけるオフガス導入口7と排出口9aとの中間位置に、一点鎖線で示すような、該第1加湿領域10をオフガス導入口7側とオフガス排出口9a側とに区画する隔壁24を設けても良い。
【0019】
また、両エンドキャップ4,6における上記第1加湿領域10に対応する部位には、上記アノードガスの導入口11及び排出口13が、一方、両エンドキャップ4,6における上記第2加湿領域12に対応する部位には、上記カソードガスの導入口15及び排出口17が、それぞれ互いに対向するように開口されている。なお、図中においては、外筒5のオフガス排出口9a側開口に装着されたエンドキャップ4には、アノードガス導入口11及びカソードガス導入口15が、外筒5のオフガス導入口7側開口に装着されたエンドキャップ6には、アノードガス排出口13及びカソードガス排出口17が、それぞれ並設されている。そして、これらアノードガスの導入口11及び排出口13とカソードガスの導入口15及び排出口17は、上記両エンドキャップ4,6の内面側に凹設されたマニホールド部11a,13a,15a,17aにそれぞれ連通されている。
【0020】
更に、第1加湿領域10には、両端がそれぞれ上記マニホールド部11a,13aに開口され、上記アノードガス流路20を形成する水蒸気選択透過性の非多孔質高分子膜からなる多数の中空糸21の集合体が、第2加湿領域12には、両端がそれぞれ上記マニホールド部15a,17aに開口され、上記カソードガス流路25を形成する水蒸気透過性の多孔質高分子膜又は微多孔質高分子膜からなる多数の中空糸26の集合体が、それぞれ上記オフガス流路8aを横切って架設されている。
【0021】
ここで、非多孔質高分子膜とは、水蒸気を透過させるための物理的な孔が形成されておらず、溶解拡散により高分子間の間隙を通じて水蒸気のみを選択的に透過させる性質を有する高分子膜を意味している。そのような高分子膜としては、例えばフッ素系イオン交換膜等があげられる。また、多孔質高分子膜とは、水蒸気を透過させるための孔が物理的に形成された高分子膜を、微多孔質高分子膜とは、同じく水蒸気を透過させるために、上記多孔質高分子膜の孔よりも小さい微小孔が物理的に形成された高分子膜を、それぞれ意味しており、例えばフッ素系、ポリイミド系、ポリスルホン系、シリコン系、ポリオレフィン系等の高分子膜があげられる。
すなわち、加湿ガスとしてのカソードオフガスの導入口7が開設された第1加湿領域10のアノードガス流路20と比較して、上記オフガスが第1加湿領域10においてアノードガスを加湿した後に流入する第2加湿領域12のカソードガス流路25の方が、全体として水蒸気透過抵抗が少なく水蒸気透過性に優れており、加湿能力が高くなっている。
【0022】
そして、上記外筒5の両端部内面にはそれぞれ、ポッティングリング30,32が密に嵌合固定されており、該両ポッティングリング30,32内面における上記仕切り板22を挟んだ上記第1加湿領域10及び第2加湿領域12にはそれぞれ、上記中空糸21,26の両端部が埋設支持された熱硬化性樹脂からなるポッティング材34〜37が充填されている。また、上記中空糸21,26の両端開口は、上記ポッティング材34〜37の外側端面において、それぞれ上記マニホールド部11a,13a,15a,17aに対して開口されている。
なお、本第1実施例においては、第1加湿領域10におけるアノードガス流路20の下流側にオフガス導入口7を開設し、その上流側にオフガス排出口9aを開設したが、逆に、第1加湿領域10におけるアノードガス流路20の上流側にオフガス導入口7を開設し、その下流側にオフガス排出口9aを開設しても良いのはもちろんである。
【0023】
次に、このような構造を有する気体加湿装置2Aの作用について詳しく説明する。
上記オフガス導入口7からケース本体3内に加湿ガスとして導入された水蒸気を含むカソードオフガスは、まず第1加湿領域10を通り、仕切り板22の流通孔23を経て、第2加湿領域12へと流入する。
その一方で、アノードガス導入口11及びカソードガス導入口15からケース本体3内に被加湿ガスとして導入された乾燥したアノードガス及びカソードガスはそれぞれ、マニホールド部11a,15aを介して、上記アノードガス流路20及びカソードガス流路25を形成する多数の中空糸21,26内へと導かれる。
【0024】
その時、上記オフガスが最初に流入する第1加湿領域10においては、そこに架設された非多孔質高分子膜からなる中空糸21の集合体が、ケース本体3内に導入された直後のオフガスから水蒸気のみを選択的に透過させて、内部を流れるアノードガスを加湿する。また、オフガスが該第1加湿領域10の次に流入する第2加湿領域12においては、そこに架設された多孔質高分子膜又は微多孔質高分子膜からなる中空糸26の集合体が、アノードガスを加湿し終えたオフガスから水蒸気を無数に設けられた孔を介して取り込み、内部を流れるカソードガスを加湿する。
【0025】
そして、上記のようにして多数の中空糸21,26内で加湿されたアノードガス及びカソードガスはそれぞれ、マニホールド部13a,17aにおいて一旦合流した後、アノードガス排出口13及びカソードガス排出口17から、上記燃料電池本体1のアノード1a及びカソード1bへと送出される。
一方、オフガス導入口7から第1加湿領域10及び第2加湿領域12へと順次流入して、アノードガス及びカソードガスを加湿し終えたカソードオフガスは、図2の破線矢印で示すように、U字状に折り返して再度第1加湿領域10に流入し、該第1加湿領域10に開設されたオフガス排出口9aから気体加湿装置2Aの外部へと排出される。
【0026】
ところで、気体加湿装置2A内に導入されたオフガスは、最初に流入する第1加湿領域10に架設されたアノードガス流路20と接触した際に、水蒸気を奪われて湿度が低下するが、次に接触する第2加湿領域12に架設されたカソードガス流路25の方が、上記アノードガス流路20よりも加湿能力が高いため、アノードガス流路20及びカソードガス流路25の加湿能力とオフガスの湿度とがバランスして、これらの被加湿ガス流路20,25を流れるアノードガス及びカソードガスはそれぞれ均等に加湿される。
【0027】
このように、上記気体加湿装置2Aによれば、被加湿ガスとしてのアノードガス及びカソードガスを、加湿ガスとしてのカソードオフガスが流れる1つケース本体3内で、同時かつ均等に加湿することが可能となり、装置全体をコンパクトに形成することができるばかりでなく、上記両被加湿ガスを低コストにて効率良く加湿することができる。
また、水素を含むアノードガスが流れるアノードガス流路20を、水蒸気のみを選択的に透過させる非多孔質高分子膜によって形成することにより、水素がアノードガス流路20から外部へとリークする虞がなく安全性に優れ、しかも、オフガス中の水蒸気のみをアノードガスに供給することができるため、アノードガスの理想的な加湿が可能となる。また、酸素を含むカソードガスはアノードガス程の気密性が要求されないため、カソードガス流路25を多孔質高分子膜又は微多孔質高分子膜によって形成することができ、気体加湿装置2A全体としての製造コストも抑えることができる。
【0028】
図3は、図1において採用されている本発明に係る気体加湿装置の第2実施例を示している。ここでは、上記図2に示した第1実施例との説明の重複を避けるため、第1実施例と同じ構成部分についてには同じ符号を付してその説明を省略する。
上記第1実施例に係る気体加湿装置2Aにおいては、オフガス導入口7及びオフガス排出口9aを共に外筒5の第1加湿領域10側に開設することにより、オフガス流路8aを図2の破線矢印で示すようにU字状に往復形成したが、本第2実施例に係る気体加湿装置2Bにおいては、オフガス導入口7を外筒5の第1加湿領域10側に開設し、オフガス排出口9bを外筒5の第2加湿領域12側に開設することにより、オフガス流路8bを図3の破線矢印で示すように片道形成している。
【0029】
具体的には、第1加湿領域10におけるアノードガス流路20の下流側の外筒5にオフガス導入口7が開設され、第2加湿領域12におけるカソードガス流路25の上流側の外筒5にオフガス排出口9bが開設されている。
ただし、上記第1加湿領域10におけるアノードガス流路20の上流側にオフガス導入口7を開設し、上記第2加湿領域12におけるカソードガス流路25の下流側にオフガス排出口9bを開設しても良く、また、該オフガスの導入口7及び排出口9bをそれぞれ、各加湿領域10,12における外筒5の軸線l方向中央に開設しても良い。
【0030】
そうすることにより、上記オフガス導入口7から上記ケース本体3内に導入されたオフガスは、図3の破線矢印で示されるように、まず、該第1加湿領域10に架設された上記アノードガス流路20と接触して、該流路20内を流れるアノードガスを加湿し、次に、上記仕切り板22の多数の流通孔23を介して第2加湿領域12に流入し、該第2加湿領域12に架設された上記カソードガス流路25と接触して、該流路25内を流れるカソードガスを加湿しする。そして最後に、これら各加湿領域10,12において各被加湿ガスを加湿し終えたオフガスは、そのまま該第2加湿領域12に開設されたオフガス排出口9bから上記ケース本体3の外部へと排出される。
本第2実施例に係る気体加湿装置2Bにおけるその他の作用効果については、上記第1実施例に係る気体加湿装置2Aと同じであることから、重複を避けるため、ここではその記載を省略する。
【0031】
なお、上記第1実施例及び第2実施例においては、気体加湿装置2A,2Bを、燃料電池本体1に供給するアノードガス及びカソードガスを加湿するのに使用する場合を例にあげて説明したが、上記気体加湿装置2A,2Bは、複数の被加湿ガスを同時かつ均等に加湿する必要性がある他の用途にも使用できるのはもちろんである。
そして、被加湿ガス流路が架設され、上記加湿ガス導入口7から導入された加湿ガスが順次流入する加湿領域の数は、二つのみならず三つ以上であっても良く、その際、各加湿領域に互いに加湿能力の異なる被加湿ガス流路をそれぞれ架設し、加湿能力のより低い被加湿ガス流路が架設された加湿領域を、加湿ガス導入口7により近接させて配置して、加湿ガスの湿度と各被加湿ガス流路の加湿能力とをバランスさせることにより、これらの被加湿ガス流路を流れる被加湿ガスを、一つのケース体3内において同時かつ均等に加湿することが可能となる。
また、上記第1実施例及び第2実施例においては、各加湿領域10,12の間を仕切り板22で仕切っているが、該仕切り板22は必ずしも必要ではなく省略しても良い。
更に、上記第1実施例及び第2実施例においては、アノードガスとカソードガスを図中右側から左側へと同方向に流しているが、図中左側から右側へ或いは互いに逆方向に流しても良いのはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
以上のように本発明に係る気体加湿装置によれば、2つの被加湿ガス流路を流れる被加湿ガスを、同時かつ均等に加湿することが可能となり、2種類の被加湿ガスを低コストにて効率良く加湿することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気体加湿装置を用いた、固体高分子型燃料電池における反応ガスの加湿システムを示す模式図である。
【図2】本発明に係る気体加湿装置の第1実施例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る気体加湿装置の第2実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固体高分子型燃料電池本体
2A,2B 気体加湿装置
3 ケース本体
7 オフガス導入口(加湿ガス導入口)
10 第1加湿領域
12 第2加湿領域
20 アノードガス流路(被加湿ガス流路)
21 非多孔質高分子膜からなる中空糸
25 カソードガス流路(被加湿ガス流路)
26 多孔質高分子膜又は微多孔質高分子膜からなる中空糸

Claims (8)

  1. 中空のケース本体内に、加湿ガス導入口からケース本体内に導入された水蒸気を含む加湿ガスが順次流入する相互に連通した第1加湿領域及び第2加湿領域が形成され、これら加湿領域にそれぞれ、水蒸気透過性を有する高分子膜によって形成された被加湿ガス流路が架設されて成る気体加湿装置であって、
    上記ケース本体が、軸方向に延びる筒状に形成されて、その端部開口にエンドキャップが装着されて成り、
    上記第1加湿領域及び第2加湿領域が、上記ケース本体内で互いに隣接して、共に該ケース本体内面に沿って軸方向に延びており、
    上記エンドキャップには、上記各加湿領域に架設された被加湿ガス流路に被加湿ガスをそれぞれ導入する被加湿ガス導入口と、該被加湿ガス流路から被加湿ガスを排出する被加湿ガス排出口とが配設されており、
    上記加湿ガス導入口が、上記ケース本体の軸方向に延びる外周面に開設されて上記第1加湿領域の軸方向一端部に連通され、ケース本体内から加湿ガスを排出する加湿ガス排出口が、同じく上記ケース本体の軸方向に延びる外周面に開設されて上記第1加湿領域又は第2加湿領域の軸方向他端部に連通されており、
    上記第1加湿領域に架設された被加湿ガス流路が有する加湿能力を、第2加湿領域に架設された被加湿ガス流路が有するそれよりも低くした、
    ことを特徴とする気体加湿装置。
  2. 請求項1に記載の気体加湿装置において、上記被加湿ガス流路は、水蒸気透過性を有する高分子膜からなる中空糸の集合体であることを特徴とする気体加湿装置。
  3. 請求項1又は2に記載の気体加湿装置において、
    上記第1加湿領域に架設された被加湿ガス流路が、固体高分子型燃料電池のアノードに供給される水素を含むガスを流すためのアノードガス流路であり、
    上記第2加湿領域に架設された被加湿ガス流路が、該燃料電池のカソードに供給される酸素を含むガスを流すためのカソードガス流路であることを特徴とする気体加湿装置。
  4. 請求項3に記載の気体加湿装置において、上記アノードガス流路が水蒸気選択透過性を有する非多孔質高分子膜によって形成されていることを特徴とする気体加湿装置。
  5. 請求項4に記載の気体加湿装置において、上記非多孔質高分子膜がフッ素系イオン交換膜であることを特徴とする気体加湿装置。
  6. 請求項3〜5の何れかに記載の気体加湿装置において、上記カソードガス流路は、水蒸気透過性を有する多孔質高分子膜又は微多孔質高分子膜によって形成されていることを特徴とする気体加湿装置。
  7. 請求項3〜6の何れかに記載の気体加湿装置において、上記加湿ガス導入口から導入される加湿ガスが、上記固体高分子型燃料電池のカソードにおいて生成された水を水蒸気として含むオフガスであることを特徴とする気体加湿装置。
  8. 請求項1に記載の気体加湿装置において、上記第1加湿領域と第2加湿領域との間は、複数の流通孔を備えて軸方向に延びる仕切り板によって仕切られていて、これら加湿領域が、共に該仕切り板と上記ケース本体内面との間に形成されていることを特徴とする気体加湿装置。
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