JP4300455B2 - 固体高分子型燃料電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細孔を備えた多孔質の酸化剤ガスセパレータをもつタイプの固体高分子型燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境保護、エネルギ等の面から固体高分子型燃料電池が着目されている。固体高分子型燃料電池は、一般に、酸化剤及び燃料に基づいて発電を行うものである。固体高分子型燃料電池は、イオン伝導性をもつ電解質膜と、電解質膜の厚み方向の片側に設けられた燃料極と、電解質膜の厚み方向の他の片側に設けられた酸化剤極と、燃料極に燃料を供給する燃料通路を形成する燃料セパレータと、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータとを備えている。MEAは、電解質膜と燃料極と酸化剤極とで形成される。一般的には、酸化剤ガスセパレータ及び燃料セパレータは、ガスリークが生じないように緻密体で形成されている。
【0003】
上記した固体高分子型燃料電池によれば、イオン伝導性をもつ電解質膜が過剰乾燥すると、電解質膜のイオン伝導性が低下する。そこで電解質膜の過剰乾燥を抑える必要がある。上記した従来の固体高分子型燃料電池によれば、固体高分子型燃料電池に供給される酸化剤ガス、燃料を加湿することが行われている。
【0004】
また、近年、細孔をもつ多孔質体で酸化剤ガスセパレータ、燃料セパレータを装備した方式の固体高分子型燃料電池も開発されている。このものによれば、液相としての水を細孔に浸透させてMEAに供給することができる利点をもつ。
【0005】
上記したように細孔をもつ多孔質体をもつ固体高分子型燃料電池として、特許文献1には、水透過材で形成された燃料セパレータを多孔質体で形成した燃料電池が開示されている。このものによれば、各通水路の水を多孔質の燃料セパレータの細孔を介してMEA側に供給することができ、電解質膜の過剰乾燥を抑制することができる。このものでは、水透過材で形成された燃料セパレータのうち燃料極側は、高い気孔率をもつ多孔質層で形成されていると共に、燃料セパレータのうち通水路側は、低い気孔率をもつ多孔質層で形成されている。
【0006】
また特許文献2には、反応ガスの入口側に親水性処理を施すと共に、反応ガスの出口側に撥水性処理を施した固体高分子型の燃料電池が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−185169号公報
【特許文献2】
特開平11−135132号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記した固体高分子型燃料電池によれば、酸化剤ガス(一般的には、酸素を含む空気)の流れの下流領域では、発電反応に基づいて生成された水が溜まるため、電解質膜の乾燥の不具合は生じにくい。しかしながら酸化剤ガスの流れの上流領域では、発電反応に基づいて生成された水が溜まりにくいため、多孔質体の細孔を介して水を電解質膜に供給しているといえども、酸化剤ガスの流れの上流領域では、運転条件によっては、電解質膜の乾燥の不具合が生じるおそれがある。一方、酸化剤ガス通路の下流領域では生成水が余剰に滞留して、フラッディング現象が生じるおそれがある。フラッディング現象とは、水が酸化剤ガスや燃料の流路を水が閉鎖するため、MEAに対して酸化剤ガスや燃料の供給が制約されることをいう。
【0009】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、第1発明は、酸化剤ガスセパレータの厚み方向に沿った断面において酸化剤ガスセパレータの表裏における細孔の細孔径を変化させることにより、上流領域において電解質膜の乾燥の不具合を抑制するのに効果的に寄与することができる固体高分子型燃料電池を提供することを課題とする。第2発明は、酸化剤ガスセパレータの厚み方向に沿った断面面において酸化剤ガスセパレータの表裏における細孔の細孔径を変化させることにより、酸化剤ガス通路の下流領域における水の吸収性を高め、下流領域におけるフラッディング現象を抑制するのに寄与することができる固体高分子型燃料電池を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1発明に固体高分子型燃料電池は、イオン伝導性をもつ電解質膜と、電解質膜の厚み方向の片側に設けられた燃料極と、電解質膜の厚み方向の他の片側に設けられた酸化剤極と、燃料極に燃料を供給する燃料通路を形成する燃料セパレータと、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータと、酸化剤ガスセパレータのうち前記酸化剤極に背向する位置に通水路を形成する通水板とを具備する固体高分子型燃料電池において、
酸化剤ガスセパレータは多数の細孔をもつ多孔質性を有しており、
酸化剤ガスが流れる上流を上流領域とし、酸化剤ガスが流れる下流を下流領域とすると、
酸化剤ガスセパレータのうち前記上流領域では、酸化剤ガス通路に対向すると共に前記下流領域よりも疎水性が強い疎水性領域が設けられ、
酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径は、通水路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
【0011】
第1発明に係る固体高分子型燃料電池によれば、酸化剤ガスセパレータの上流領域の細孔は疎水性をもつため、細孔内の水を液相よりも水蒸気として存在させるのに有利となり、酸化剤ガスセパレータの上流領域においては、細孔内の水蒸気によって酸化剤ガス通路の酸化剤ガスを加湿させ易くなる。
【0012】
更に、酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径は、通水路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されている。このためKelvinの式に基づけば、酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤ガス通路に対向する側の細孔内の水蒸気圧を高くできる。故に、乾燥しがちの上流領域において、酸化剤ガスセパレータの細孔の水蒸気によって酸化剤ガス通路の酸化剤ガスを加湿させる加湿性が増加する。
【0013】
数式1で示されるKelvinの式は、細孔における水蒸気分圧を示す。ここで、Pは細孔内の液体の平衡蒸気圧、Poはその液体の飽和蒸気圧、σはその液体の表面張力、Mはその液体の分子モル質量、θはその液体の接触角、ρはその液体の密度、Rは気体定数、Tは絶対温度を示す。一般的には、親水性はθが0〜90度以下とされ、疎水性はθが90度越え〜180度とされる。
【0014】
【数1】
Figure 0004300455
【0015】
Kelvinの式によれば、細孔の内壁面が疎水性である場合には、θが90度越え〜180度とされるため、cosθは負の値となり(cosθ<0)、PはPoよりも大きくなる(P>Po)。更に、Kelvinの式によれば、細孔の内壁面が疎水性である場合には、細孔径rが小さければ小さいほど、細孔の水蒸気分圧Pを大きくできる。これにより第1発明のように上流領域について、酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径を相対的に小さくし、通水路に対向する側の細孔径が大きくなるように設定すれば、乾燥しがちの上流領域において、酸化剤ガスセパレータの細孔内の水蒸気分圧が高まり、酸化剤ガスに対する加湿性が向上し、電解質膜の過剰乾燥を抑制できる。
【0016】
第2発明に係る固体高分子型燃料電池用の酸化剤ガスセパレータは、イオン伝導性をもつ電解質膜と、電解質膜の厚み方向の片側に設けられた燃料極と、電解質膜の厚み方向の他の片側に設けられた酸化剤極と、燃料極に燃料を供給する燃料通路を形成する燃料セパレータと、酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータと、酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤極に背向する位置に通水路を形成する通水板とを具備する固体高分子型燃料電池において、
酸化剤ガスセパレータは多数の細孔をもつ多孔質性を有しており、
酸化剤ガスが流れる上流を上流領域とし、酸化剤ガスが流れる下流を下流領域とすると、酸化剤ガスセパレータのうち下流流域では、
酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、通水路に対向する側の細孔の細孔径は、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
【0017】
第2発明に係る固体高分子型燃料電池によれば、下流領域では、酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、通水路に対向する側の細孔の細孔径は、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されている。このように下流領域では、酸化剤ガスセパレータの通水路に対向する側の細孔の細孔径は小さいため、毛細管圧を高くでき、従って、酸化剤ガスセパレータの下流領域は毛細管圧により水を引き込む能力が高くなり、下流領域における余剰の水を吸収できる能力が高まる。
【0018】
【発明の実施の形態】
・酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤ガス通路に対向する対向面については、上流領域において疎水性が強く設定されており、上流領域から下流領域に向かうにつれて、疎水性が弱くなるように、あるいは、親水性が強くなるように設定されている形態を採用することができる。この場合、上流領域から下流領域に向かうにつれて、疎水性を連続的に変化させても良いし、段階的に変化させても良い。上記したように酸化剤ガスセパレータの上流領域の細孔は疎水性をもつため、細孔内の水を液相よりも水蒸気として存在させるのに有利となる。このため、酸化剤ガスセパレータの上流領域においては、水蒸気によって酸化剤ガスを加湿させ易くなり、フラッティング現象の抑制に有効である。
【0019】
・酸化剤ガスセパレータの厚み方向に沿った断面で、酸化剤ガスセパレータのうち通水路に対向する側は、上流領域から下流領域にかけて、親水性を有する形態を採用することができる。通水路では水は主として液相として存在する。通水路に存在する液相としての水は、親水性により、酸化剤ガスセパレータの細孔に浸透し易くなる。よって、水による細孔封止を期待でき、酸化剤ガス通路の酸化剤ガスが通水路に洩れることが抑えられる。
【0020】
・酸化剤ガスセパレータの厚み方向に沿った断面において、酸化剤ガスセパレータは、通水路に対向する第1層と、酸化剤ガス通路に対向する第2層とを有する複数積層構造をもつ形態を採用することができる。この場合、第1層の細孔の細孔径と第2層の細孔の細孔径とを異ならせれば、酸化剤ガスセパレータの表裏での細孔径を変化させ得る。
【0021】
・上記したように酸化剤ガスセパレータは細孔を有する。細孔径としては適宜選択できるが、1〜200μm、1〜100μm、殊に2〜30μm、2〜15μm、更に3〜4μmを例示することができる。酸化剤ガスセパレータの気孔率としては適宜選択できるが、体積比で10〜90%、15〜60%、殊に20〜40%とすることができる。但し細孔径、気孔率は上記した範囲に限定されるものではない。なお、固体高分子型燃料電池としては、車載用、定置用、ポータブル用、家庭用、業務用等を問わない。
【0022】
【実施例】
以下、本発明の第1実施例について図1〜図13を参照して説明する。図1は本実施例に係る固体高分子型燃料電池の概念図を模式的に示し、電解質膜11の厚み方向に沿った断面を模式的に示す。図1に示すように、本実施例に係る固体高分子型燃料電池のMEA1は、プロトン伝導性を有する電解質膜11と、電解質膜11の厚み方向の片側に設けられアノードとも呼ばれる燃料極12と、電解質膜11の厚み方向の他の片側に設けられカソードとも呼ばれる酸化剤極15とを有する。
【0023】
更に、固体高分子型燃料電池は、MEA1の外側に配置され燃料極12にガス状の燃料を供給する溝状の燃料通路21を形成する燃料セパレータ2と、MEA1の外側に配置され酸化剤極15に酸化剤ガス(一般的には空気)を供給する溝状の酸化剤ガス通路31を形成する酸化剤ガスセパレータ3と、酸化剤ガスセパレータ3のうち酸化剤極15に背向する位置に通水路41を形成する通水板4とを有する。
【0024】
図1に示すセル構造が積層されて固体高分子型燃料電池が形成される。図1ではMEA1、燃料セパレータ2、酸化剤ガスセパレータ3等は縦方向に沿って図示されているが、図1はあくまでも概念図であり、水平方向に沿って配置されていても良い。
【0025】
図1において、酸化剤極15は、多孔質性及び導電性をもつカーボン系の第1ガス拡散層16と、触媒を主要成分とする多孔質性及び導電性をもつ第1触媒層17とを有する。燃料極12は、多孔質性及び導電性をもつカーボン系の第2ガス拡散層13と、触媒を主要成分とする多孔質性及び導電性をもつ第2触媒層14とを有する。触媒としては、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム等の少なくとも1種を例示できる。
【0026】
燃料セパレータ2は、導電性をもつ材料(カーボン材料)で形成されており、封止用の樹脂を含浸させた緻密体とされている。従って燃料通路21からの燃料リークは抑制される。
【0027】
酸化剤ガスセパレータ3は、これの厚み方向に連通する連通孔となりうる多数の細孔をもつ多孔質体で形成されており、多孔質性及び導電性を有する。酸化剤ガスセパレータ3は、水蒸気を利用した加湿機能を有する。酸化剤ガス通路31において、酸化剤ガス(一般的には空気)が流れる上流を上流領域91とする。酸化剤ガスが流れる下流を下流領域93とする。
【0028】
本実施例に係る固体高分子型燃料電池は、酸化剤ガスセパレータ3の細孔から放出される水蒸気による加湿機能を利用して、酸化剤ガス通路31の酸化剤ガス(一般的には空気)を積極的に加湿させるものである。
【0029】
図1,図2,図3は、酸化剤ガスパレータ3の厚み方向に沿った断面を示す。酸化剤ガスセパレータ3は、溝状の酸化剤ガス通路31を形成し、酸化剤ガス通路31と通水路41とを仕切るものである。ここで図2は酸化剤ガスセパレータ3の上流領域91の細孔構造の概念をモデル化して示す。図2に示すように、酸化剤ガスセパレータ3の疎水性とされている上流領域91においては、酸化剤ガス通路3に対向する側の細孔の細孔径DAは、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DBよりも相対的に小さく設定されている。
【0030】
図3は酸化剤ガスセパレータ3の下流領域93の細孔構造の概念をモデル化して示す。図3に示すように、酸化剤ガスセパレータ3の下流領域93においては、酸化剤ガス通路3に対向する側の細孔の細孔径DA’は、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DB’よりも相対的に大きく設定されている。
【0031】
かかる酸化剤ガスセパレータ3の製造について説明を加える。図4〜図6は細孔の粗密状態をモデル化したものである。図4(A)に示すように細孔径が相対的に大きい多数の細孔をもつ第1の多孔質シート8Xを用意すると共に、図4(B)に示すように細孔径が相対的に小さい多数の細孔をもつ第2の多孔質シート8Yを用意する。多孔質シート8X,8Yは、導電性をもつ材料(カーボン材料等)を基材として形成されている。そして図5に示すように、上流領域91では、細孔径が大きい第1の多孔質シート8Xが通水路41に対向すると共に、細孔径が小さい第2の多孔質シート8Yが酸化剤ガス通路31に対向するように、双方の多孔質シート8X,8Y(第1層,第2層)を厚み方向に重さねる。
【0032】
また図6に示すように、下流領域93では、細孔径が小さい第2の多孔質シート8Yが通水路41に対向すると共に、細孔径が大きい第1の多孔質シート8Xが酸化剤ガス通路31に対向するように、双方の多孔質シート8X,8Y(第1層,第2層)を厚み方向に重さねる。
【0033】
図7は、酸化剤ガスセパレータ3のうち酸化剤ガス通路31に対向する対向面34における疎水性の強さの変化を模式的に示す。図7の横軸は酸化剤ガスセパレータ3の上流端91aから下流端93aまでの位置を示す。図7の縦軸は疎水性の強さを示す。図7の特性線S1,S2に示すように、酸化剤ガスセパレータ3のうち酸化剤ガス通路31に対向する対向面34については、上流領域91の疎水性が相対的に強く設定され、疎水性領域X2とされている。換言すれば、酸化剤ガスセパレータ3のうち上流領域91の上流端91aの疎水性が最も強く設定されており、上流領域91から下流領域93の下流端93aに向かうにつれて、疎水性が次第に傾斜的にまたは段階的に弱くなるように設定されている。
【0034】
図1に示すように、酸化剤ガス通路31の酸化剤ガス入口35は、搬送源47に繋がれている。燃料通路21の燃料入口25は燃料搬送源28に繋がれている。図1に示すように、通水路41は、給水源45に繋がる給水口43と、吐水口44とをもつ。更に給水源45からの水を通水路41に供給する通水駆動部49が設けられている。通水駆動部49は例えばポンプで形成できる。通水駆動部49は、通水路41の給水口43の上流側に設けられている。
【0035】
固体高分子型燃料電池を運転する際には、酸化剤ガス(一般的にはガス状の空気)が搬送源47により酸化剤極15用の酸化剤ガスセパレータ3の溝状の酸化剤ガス通路31に供給される。この酸化剤ガスは、酸化剤ガス通路31から酸化剤極15の第1ガス拡散層16、第1触媒層17に向けて矢印E1方向(図1参照)に流入する。更に、ガス状の燃料(純水素ガスや改質ガス等の水素含有ガス)は、燃料搬送源28により、燃料セパレータ2の溝状の燃料通路21に供給される。ガス状の燃料は、燃料通路21から燃料極12の第2ガス拡散層13及び第2触媒層14に向けて矢印E2方向(図1参照)に流入する。
【0036】
そして、第2触媒層14の触媒作用により、燃料に含まれている水素からプロトン(水素イオン)と電子(e-)とが生成される。生成されたプロトンは、電解質膜11を厚み方向に透過して酸化剤極15に至る。電子は導電経路60を流れ、導電経路60の負荷61で電気的仕事を行った後に、酸化剤極15に至る。そして酸化剤極15では、酸化剤極15の第1触媒層17の触媒作用により、酸化剤極15に供給された酸化剤ガス(一般的に空気)とプロトンと電子とが反応して水が生成される。このような発電反応により熱が発生するが、通水路41の水により固体高分子型燃料電池は冷却される。
【0037】
上記した発電反応に基づいてMEA1では水が生成され、その生成水が下流領域93に移送される等の理由により、酸化剤ガスの上流領域91よりも下流領域93の方が生成水が相対的に多くなる傾向となる。上記したMEA1では、上流領域91では乾燥が生じるおそれがあり、下流領域93では余剰水が滞留するおそれがある。
【0038】
なお固体高分子型燃料電池の酸化剤ガス通路31の酸化剤ガス入口35に供給される酸化剤ガスとしては、加湿されていないものでも良いし、加湿されているものでも良い。固体高分子型燃料電池の燃料通路21に供給される燃料についても、同様に、加湿されていないものでも良いし、加湿されているものでも良い。
【0039】
図8は酸化剤ガスセパレータ3を示す。図8に示すように、酸化剤ガスセパレータ3には、酸化剤ガスが流れる凹状の酸化剤ガス通路31が案内凸部37と共に形成されている。酸化剤ガスセパレータ3の一辺部3a(下辺部)に、酸化剤ガス入口35、酸化剤ガス出口36が隣設して形成されている。酸化剤ガス通路31は、上下方向に延設された仕切壁38で仕切られている。酸化剤ガスセパレータ3のうち一辺部3aに対向する他辺部3b(上辺部)には、中間口39が形成されている。酸化剤ガスセパレータ3は、酸化剤ガス入口35から酸化剤ガス通路31に流入し、上流領域91→中間口39→下流領域93→酸化剤ガス出口36のように、矢印K1方向に流れる。
【0040】
図8に示すように、酸化剤ガス入口35から導入された酸化剤ガスは、中間口39に至るまでは上向きに流れ、中間口39から酸化剤ガス出口36までは下向きに流れる。即ち、酸化剤ガスセパレータ3においては、酸化剤ガスは逆U字形状に流れる。このため図8、図9に示すように、下流領域93では、酸化剤ガスは下向きに流れるため、重力を利用して生成水を酸化剤ガス出口36に排出させ易くなり、下流領域93におけるフラッディング現象を抑制するのに一層寄与することができる。
【0041】
なお、図8に示すように、酸化剤ガス通路31の通路幅は、仕切壁38によって、上流側の通路幅L1と下流側の通路幅L2として仕切り、且つ、L1>L2に設定されているため、下流側を流れる酸化剤ガスの流速を増加させるのに寄与でき、余剰水を酸化剤ガス出口36に排出させ易くなる効果を期待できる。
【0042】
図8に示すように、酸化剤ガスセパレータ3のうち一辺部3aに隣設する隣設辺部3cには、燃料入口25及び吐水口44が隣設して形成されている。酸化剤ガスセパレータ3のうち他辺部3bに隣設する隣設辺部3dには、燃料出口26及び給水口43が隣設して形成されている。
【0043】
ここで、酸化剤ガスセパレータ3は多孔質であり、細孔をもつため、燃料入口25及び燃料出口26を流れるガス状の燃料が細孔を介して酸化剤ガス通路31に混入するおそれがある。そこで本実施例によれば、図9に示すように、酸化剤ガスセパレータ3のうち燃料入口25及び燃料出口26の付近に緻密体部分3r(図9においてハッチングで示す領域)を設けており、緻密体部分3rにより上記した燃料の混入が抑えられている。緻密体部分3rは、酸化剤ガス入口35,酸化剤ガス出口36,中間口39付近にも設けられてる。緻密体部分3rは樹脂を含浸させて、当該部分3rにおける細孔を封止してガスシール性を高めることにより形成できる。なお必要に応じて、仕切壁38にも樹脂を含浸させて、仕切壁38の細孔を封止させて緻密体とすることができる。
【0044】
図10は燃料セパレータ2を示す。図10に示すように、燃料セパレータ2には、ガス状の燃料が流れる凹状の燃料通路21が案内凸部27と共に形成されている。燃料セパレータ2の一辺部に燃料入口25、吐水口44が形成されている。燃料セパレータ2の他辺部には燃料出口26、給水口43が形成されている。図10において、燃料は燃料入口25→燃料通路21→燃料出口26に向けて矢印K3方向に流れる。なお、図10において、燃料セパレータ2のうち一辺部に対向する他辺部には、中間口39が形成されている。燃料セパレータ2には、酸化剤ガス入口35、酸化剤ガス出口36が形成されている。
【0045】
図10に示すように、燃料通路21において燃料は矢印K3方向に流れる。図10及び図8を比較すれば、燃料が流れる矢印K3方向における上流は、酸化剤ガスの流れの下流領域93に相当するといえる。また、燃料が流れる矢印K3方向における下流は、酸化剤ガス入口35の近傍に配置されており、酸化剤ガスの流れの上流領域91に相当するといえる。この結果本実施例によれば、燃料通路21における燃料の主流れ方向と、酸化剤ガス通路31における酸化剤ガスの主流れ方向とは、基本的には、逆の配向性をもつ。
【0046】
図11は通水板4を示す。図11に示すように、通水板4には、冷却兼加湿用の水が流れる凹状の通水路41が案内凸部47と共に形成されている。通水板4の一辺部に燃料入口25、吐水口44が形成されている。通水板4の他辺部には燃料出口26、給水口43が形成されている。図11において、水は給水口43→通水路41→吐水口44に向けて、蛇行しつつ矢印K4方向に流れる。なお、図11において、通水板4のうち一辺部に対向する他辺部には、中間口39が形成されている。通水板4には、酸化剤ガス入口35、酸化剤ガス出口36が形成されている。
【0047】
図11に示すように、通水路41において、冷却兼加湿用の水は矢印K4方向に流れる。図11及び図8を比較すれば、水が流れる矢印K4方向における上流は、酸化剤ガス入口35の近傍に配置されており、酸化剤ガスの流れの上流領域91に相当するといえる。また、水が流れる矢印K4方向における下流は、酸化剤ガス出口36の近傍に配置されており、酸化剤ガスの流れの下流領域93に相当するといえる。この結果本実施例によれば、通水路41における水の主流れ方向と、酸化剤ガス通路31における酸化剤ガスの主流れ方向とは、基本的には、同じ配向性を有する。
【0048】
以上説明したように本実施例によれば、酸化剤ガスセパレータ3は多数の細孔をもつ多孔質性を有する。酸化剤ガスセパレータ3の上流領域91は疎水性を有する。このため酸化剤ガスセパレータ3に浸透した水は、対向面34において、液相としてよりも水蒸気として存在し易い。更に、酸化剤ガスセパレータ3の上流領域91については、酸化剤ガスパレータ3の厚み方向に沿った断面である図2,図5に示すように、酸化剤ガス通路31に対向する側の細孔の細孔径DAは、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DBよりも小さく設定されている(DA<DB)。このため、Kelvinの式に基づけば、酸化剤ガス通路31に対向する対向面34側の細孔内の水蒸気圧は高くなる。故に上流流域91において、酸化剤ガスセパレータ3のの細孔が酸化剤ガス通路31の酸化剤ガスを加湿する加湿性が増加する。これにより上流領域91における過剰乾燥の問題を改善するのに寄与できる。
【0049】
更に本実施例によれば、下流領域93では、酸化剤ガスパレータ3の厚み方向に沿った断面(図3,図6参照)において、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DB’は、酸化剤ガス通路31に対向する側の細孔の細孔径DA’よりも小さく設定されている(DB’<DA’)。このように下流領域93では、酸化剤ガスセパレータ3のうち通水路41に対向する側の細孔の細孔径DB’は相対的に小さいため、酸化剤ガスセパレータ3の下流領域93の細孔は、毛細管圧により水を引き込む能力が高くなり、下流領域93における余剰の水を吸収することができ、フラッティング現象の抑制に有利である。
【0050】
更に本実施例によれば、酸化剤ガスセパレータ3のうち通水路41側の対向面30の全体は親水性を有するため、親水性領域X1とされ、通水路41に存在する液相としての水を、毛細管圧により酸化剤ガスセパレータ3において矢印A1方向(図1参照)に向けて浸透させて、酸化剤ガスセパレータ3の細孔の封孔シールを行うことができ、酸化剤ガス通路31の酸化剤ガスが通水路41に洩れることを抑制できる。
【0051】
更に本実施例によれば、図1において、酸化剤ガス通路31のうち上流領域91の酸化剤ガスの圧力をPaとし、通水路41のうち上流領域91に背向する上流通水路部分41uの水の圧力をPwとすると、水の圧力Pwと細孔の毛細管圧αとを加えた圧力(Pw+α)は、基本的には、酸化剤ガス通路31の酸化剤ガスの圧力Paよりも大きくなるように、酸化剤ガス通路31の溝構造、通水路41の溝構造、通水条件、酸化剤ガス供給条件等が設定されている(Pw+毛細管圧α>Pa)。この結果、上流領域91では、酸化剤ガスセパレータ3の対向面30の親水性領域X1の細孔に存在する液相としての水を、対向面34の細孔に一層浸透させにくくなる。この意味においても、酸化剤ガスセパレータ3の対向面34において水蒸気化が一層促進され、酸化剤ガス通路31の酸化剤ガスを水蒸気により一層効果的に加湿させることができる。
【0052】
また図1において、酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス通路31の下流領域93の酸化剤ガスの圧力をPa’とし、通水路41のうち下流領域93に背向する下流通水路部分41dの水の圧力をPw’とする。本実施例によれば、圧力Pa’は圧力Pw’よりも大きくなるように、酸化剤ガス通路31の溝構造、通水路41の溝構造、通水条件、酸化剤ガス供給条件等が設定されている(Pa’>Pw’)。このため、酸化剤ガスセパレータ3のうち下流領域93においては、下流領域93に滞留する余剰の水を、酸化剤ガスセパレータ3の細孔を経て、通水路41へと矢印A2方向に押し出すことを期待できる。これにより下流領域93において液相としての水が余剰に滞留するときであっても、下流領域93における余剰水を通水路41に戻すのに寄与することができる。この結果、酸化剤ガスの下流領域93における水の余剰滞留を一層抑制することができ、下流領域93におけるフラッディング現象の抑制に寄与することができる。即ち、本実施例に係る酸化剤ガスセパレータ3は、上流領域91では、酸化剤ガス通路31の酸化剤ガスを加湿できる加湿機能を有し、下流領域93では、酸化剤ガス通路31の水分を吸収する吸水機能を有することを期待できる。
【0053】
ところで、酸化剤ガス通路31の上流領域91では、酸化剤ガス通路31の下流領域93よりも湿度が低いため、乾燥が生じるおそれがある。これに対して、燃料通路21の下流領域21dでは、燃料通路21の上流領域21uよりも湿分が多くなりがちである。この点本実施例によれば、図1に示すように、燃料通路21における燃料の主流れ方向と、酸化剤ガス通路31における酸化剤ガスの主流れ方向とは、基本的には逆の配向性をもつ。従って、図1に示すように、電解質膜11、燃料極12、酸化剤極15を膜・接合体であるMEA1としたとき、酸化剤ガスセパレータ3の厚み方向に沿った断面(図1)において、酸化剤ガス通路31の上流領域91は、燃料通路21の下流領域21dとはMEA1を介して対向するように設定されている。このため、燃料通路21の下流領域21dにおける湿分を酸化剤ガス通路31の上流領域91に矢印B1方向(図1参照)に移行させるのに貢献でき、電解質膜11の過剰乾燥を抑制するのに有利である。
【0054】
図12は、酸化剤極15に用いられる第1ガス拡散層16が親水性及び疎水性を有する形態を模式的に示す。図12に示すように、第1ガス拡散層16においては、上流領域91は親水性処理されており、親水性物質を有する親水性領域200(図12においてハッチングで示す領域)を有する。下流領域93は疎水性処理されており、疎水性物質を有する疎水性領域210を有する。
【0055】
図12に示すように、酸化剤ガスが透過する第1ガス拡散層16においては、上流領域91が親水性領域200とされているため、水蒸気が第1ガス拡散層16をこれの厚み方向に透過するとき、第1ガス拡散層16の親水性領域200において凝縮し易くなり、多孔質性をもつ第1ガス拡散層16の細孔による毛細管現象を利用して、その水をMEA1の電解質膜11に迅速に供給することができるため、電解質11の過剰乾燥の抑制に有効である。また図12に示すように、酸化剤ガスが透過する第1ガス拡散層16については、下流領域93が疎水性領域210とされているため、水が余剰となりがちの下流領域93において水がはじかれ、フラッディング現象を抑制するのに寄与できる。
【0056】
また酸化剤ガスの酸化剤(酸素)は発電反応により消費されるため、酸化剤ガス通路31の上流領域91では酸化剤ガスの酸化剤(酸素)の濃度が相対的に高く、下流領域93では酸化剤ガスの酸化剤(酸素)の濃度が低い傾向がある。この点本実施例によれば、前述したように、第1ガス拡散層16のうち上流領域91の親水性で凝縮水の生成を促進させて酸化剤ガスの透過性を抑えると共に、第1ガス拡散層16のうち下流領域93を疎水性として酸化剤ガスの透過性を高めれば、第1ガス拡散層16において上流領域91と下流領域93との間における発電ムラの低減に寄与できることが期待される。
【0057】
なお、酸化剤ガスが透過する第1ガス拡散層16における疎水性及び親水性の状況については、図13の特性線M1に示すように、第1ガス拡散層16の上流端91aで親水性を最も強くし、上流端91aから離れるにつれて親水性が傾斜的に弱くなる共に、第1ガス拡散層16の下流端93aに向かうにつれて疎水性が次第に強くなるように設定することができる。あるいは、図13の特性線M2に示すように、第1ガス拡散層16の上流領域91において親水性の強さをほぼ一定の強さとし、第1ガス拡散層16の下流領域93において疎水性をほぼ一定の強さとしても良い。
【0058】
(第2実施例)
図14,図15は第2実施例を示す。第2実施例は第1実施例と基本的には同様の構成であり、基本的には同様の作用効果を奏する。図14は本実施例に係る固体高分子型燃料電池の概念図を模式的に示し、電解質膜11の厚み方向に沿った断面を模式的に示す。図14に示すように、本実施例に係る固体高分子型燃料電池のMEA1は、プロトン伝導性を有する電解質膜11と、電解質膜11の厚み方向の片側に設けられアノードとも呼ばれる燃料極12と、電解質膜11の厚み方向の他の片側に設けられカソードとも呼ばれる酸化剤極15とを有する。
【0059】
更に、固体高分子型燃料電池は、MEA1の外側に配置され燃料極12にガス状の燃料を供給する溝状の燃料通路21を形成する燃料セパレータ2と、MEA1の外側に配置され酸化剤極15に酸化剤ガス(一般的には空気)を供給する溝状の酸化剤ガス通路31を形成する酸化剤ガスセパレータ3Cと、酸化剤ガスセパレータ3のうち酸化剤極15に背向する位置に通水路41を形成する通水板4とを有する。
【0060】
図15は、酸化剤ガスセパレータ3Cのうち酸化剤ガス通路31に対向する対向面34における疎水性、親水性の状況を示す。図15の特性線S11に示すように、酸化剤ガスセパレータ3Cの上流領域91を疎水性に設定すると共に酸化剤ガスセパレータ3Cの下流領域93を親水性に設定しており、且つ、酸化剤ガスセパレータ3Cの上流領域91の上流端91aで疎水性を最も強くし、上流端91aから離れるにつれて疎水性が傾斜的に弱くなる共に、酸化剤ガスセパレータ3Cの下流領域93の下流端93aに向かうにつれて親水性が次第に強くなるように設定している。
【0061】
あるいは、図15の特性線S12に示すように、酸化剤ガスセパレータ3Cの上流領域91において疎水性の強さをほぼ一定の強さとし、酸化剤ガスセパレータ3Cの下流領域93において親水性をほぼ一定の強さとしても良い。いずれにしても、酸化剤ガスセパレータ3の上流領域91は疎水性として設定されていると共に、下流領域93は親水性として設定されている。
【0062】
第2実施例においても、図2に細孔構造をモデル化して示すように、酸化剤ガスセパレータ3Cの疎水性とされている上流領域91においては、酸化剤ガス通路31に対向する側の細孔の細孔径DAは、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DBよりも小さく設定されている。
【0063】
更に図3に細孔構造をモデル化して示すように、酸化剤ガスセパレータ3Cの親水性とされている下流領域93においては、酸化剤ガス通路31に対向する側の細孔の細孔径DA’よりも、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DB’は小さく設定されている。
【0064】
第2実施例によれば、酸化剤ガスセパレータ3Cの上流領域91は疎水性を有する。このため酸化剤ガスセパレータ3Cに浸透した水は、液相としてよりも水蒸気として、疎水性をもつ細孔に進入しやすい。更に、酸化剤ガスセパレータ3Cの上流領域91については、酸化剤ガスパレータ3Cの厚み方向に沿った断面である図2,図5に示すように、酸化剤ガス通路31に対向する側の細孔の細孔径DAは、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DBよりも小さく設定されている(DA<DB)。このため、Kelvinの式に基づけば、前述したように酸化剤ガス通路31に対向する対向面34側の細孔内の水蒸気圧は高くなる。故に、上流流域91においては、酸化剤ガスセパレータ3Cの細孔が酸化剤ガス通路31の酸化剤ガスを加湿する加湿性が増加する。これにより上流領域91における過剰乾燥の問題を改善できる。
【0065】
また親水性をもつ下流流域93については、図3に示すように、通水路41に対向する側の細孔の細孔径DB’は、酸化剤ガス通路31に対向する側の細孔の細孔径DA’よりも小さく設定されている(DB’<DA’)。このため下流流域93については、酸化剤ガスセパレータの細孔が水を引き込む能力が高くなり、下流領域93における余剰水を低減するのに有利となり、フラッディング現象の問題を改善できる。更にDB’<DA’とされているため、親水性とされている下流流域93においては、Kelvinの式に基づけば、酸化剤ガス通路31に対向する対向面34側の細孔の水蒸気分圧を高くでき、吸湿性が一層増加する。
【0066】
本実施例においても、酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス通路31の下流領域93の圧力をPa’とし、通水路41のうち下流領域93に対向する水の圧力をPw’とすると、圧力Pa’は圧力Pw’よりも大きく設定されている(Pa’>Pw’)。このため、酸化剤ガスセパレータ3Cのうち下流領域93においては、下流領域93に滞留する水を、酸化剤ガスセパレータ3Cの細孔→通水路41へと、矢印A2方向に押し出して循環させることも期待できる。これにより酸化剤ガス通路31における下流領域93において液相としての水が余剰に滞留するときであっても、その余剰水を通水路41に移行させるのに寄与できる。この結果、酸化剤ガスの下流領域93における水の余剰滞留を抑制することができ、フラッディング現象の抑制に一層寄与することができる。
【0067】
(製造例)
上記した多孔質な酸化剤ガスセパレータ3,3Cを構成する多孔質シート8X,8Yは、次のように形成できる。即ち、カーボン系材料(天然黒鉛、人造黒鉛等)とバインダ(熱硬化性樹脂、例えばフェノール樹脂)と消失可能な造孔材(セルロース系有機質材)とを混合した混合材料を用いる。この混合材料を成形型のキャビティ型面でプレス成形して成形体とし、その成形体を焼成温度(例えば500〜600℃)において焼成し、成形体の造孔材を消失させることにより、造孔材の消失跡を細孔とし、多数の細孔をもつ酸化剤ガスセパレータ3,3Cとなる多孔質シート8X,8Yを形成することができる。造孔材のサイズを変化させれば、多孔質シート8X,8Yの細孔径を大きくしたり、小さくしたりできる。細孔径を大きくするには、造孔材のサイズを大きくすればよい。細孔径を小さくするには、造孔材のサイズを小さくすればよい。
【0068】
酸化剤ガスセパレータ3の細孔径としては加湿性及び吸湿性等を考慮して適宜選択することができ、例えば1〜100μm、2〜30μm、2〜15μm、殊に3〜4μmとすることができる。気孔率としては体積比で10〜90%、15〜60%、殊に20〜40%とすることができる。
【0069】
酸化剤ガスセパレータ3,3Cに疎水性を与える疎水性物質としては、フッ素原子,CF2基,CF3基,CH3基,CH2基等を有するものがあげられ、フッ素、フッ素樹脂(PTFE、FEP、PFA、PVDF等)、フッ化黒鉛、疎水性カーボン、シラン化合物、パラフィン等を例示できる。
【0070】
疎水性処理の代表例としては、酸化剤ガスセパレータ3,3Cの上流領域91では、疎水処理時間を長めとし、上流領域91から下流領域93にかけて疎水処理時間を次第に短くすることができる。これにより上流領域91から下流領域93にかけて疎水性に強さの勾配を与えることができる。
【0071】
例えば次のように行うことができる。図16に示すように、疎水処理を行う処理容器100の処理室101を、仕切部材102により疎水処理室103と隔離室104とに仕切る。仕切部材102としてはゴムシール材等の可撓性材料を採用できる。疎水処理室103には、疎水処理を行う疎水性物質を含む改質ガスが供給される。隔離室104への改質ガスの供給は、仕切部材102により制約される。そして、酸化剤ガスセパレータ3をこれの先端3xから疎水処理室103に向けて矢印W1方向に所定の速度で移動させる。酸化剤ガスセパレータ3の先端3xでは、疎水処理室103で改質ガスにより改質される改質時間が長くなるため、疎水処理が進行して、疎水性物質が多く付着し、酸化剤ガスセパレータ3の疎水性が強めとなる。この結果、酸化剤ガスセパレータ3の上流領域91で疎水性を強くでき、上流領域91から下流領域93に向かうにつれて疎水性を次第に低下させることができ、疎水性の強さの勾配をつけることができる。
【0072】
疎水処理を行う改質ガスとしては、フッ素ガス、あるいは、フッ素ガスと不活性ガス(窒素等)とを主要成分とするガスを用いることができる。疎水処理室103の雰囲気温度としては適宜選択できるが、一般的には、室温から400℃程度とすることができる。
【0073】
親水処理としては、親水性物質を液状媒体(水、アルコール等)に溶解または分散させた溶液を用い、その溶液と酸化剤ガスセパレータ3とを接触させることにより行い得る。親水性物質としては、過酸化水素水、二酸化珪素の粉末、酸化アルミニウムの粉末等を例示することができ、その表面に水酸基やカルボキシル基等の親水性の官能基を多量に含むものを例示することができる。更に、吸水性の樹脂である、デンプン・アクリル酸共重合体、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール等を用いることもできる。また、イオン交換樹脂、吸水性多糖類を親水性物質として例示できる。いずれもその構造内に、水酸基、カルボキシル基、アルデヒド基、アミノ基、スルホ基等の親水性の官能基のうちの少なくとも1種を有するものを例示することができる。酸化剤ガスセパレータ3の親水性の勾配をつける場合には、酸化剤ガスセパレータ3の先端3xから溶液に所定の速度で浸漬させる。酸化剤ガスセパレータ3の先端3xでは、親水性物質をもつ溶液に接触する時間が長くなるため、親水処理が進行して、親水性が強くなる。親水性物質をもつ溶液に接触する時間が短い部位では、親水性が弱くなる。この結果、酸化剤ガスセパレータ3に親水性の勾配をつけることができる。
【0074】
(その他)
上記した実施例によれば、2枚の多孔質シート8X,8Yを積層させることにしているが、積層される多孔質シートしては3枚でも、4枚でも良い。上記した実施例によれば、燃料セパレータ2は緻密体とされているが、これに限らず、細孔をもつ多孔質体とすることもでき、その細孔を水で封止してシールすることができる。第1触媒層17及び第2触媒層14は電解質膜11の表裏に直接的に被覆されていても良い。上記した実施例によれば、酸化剤ガスは逆U字形状に流れるが、これに限らず、U字形状に流れても良いし、横U字形状に流れても良い。上記した実施例ではPw+毛細管圧α>Paとされているが、必要に応じて、Pw=Pa、Pw≒Pa、Pw>Pa、Pw<Paとすることができる。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0075】
上記した記載から次の技術的思想を把握できる。
(付記項1)各請求項において、酸化剤ガスセパレータは、上流領域では、酸化剤ガス通路を加湿できる加湿機能を有し、下流領域では、酸化剤ガス通路の水分を吸収する吸湿機能を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。通水路における水の循環に寄与できる。
(付記項2)固体高分子型燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータにおいて、酸化剤ガスセパレータは多数の細孔をもつ多孔質性を有しており、酸化剤ガスが流れる上流を上流領域とし、酸化剤ガスが流れる下流を下流領域とすると、酸化剤ガスセパレータのうち上流領域では、酸化剤ガス通路に対向すると共に下流領域よりも疎水性が強い疎水性領域が設けられ、酸化剤ガスセパレータの上流領域では、
酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径は、通水路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池用の酸化剤ガスセパレータ。
(付記項3)固体高分子型燃料電池の酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータにおいて、酸化剤ガスセパレータは多数の細孔をもつ多孔質性を有しており、酸化剤ガスが流れる上流を上流領域とし、酸化剤ガスが流れる下流を下流領域とすると、酸化剤ガスセパレータのうち下流領域では、酸化剤ガス通路に対向すると共に上流領域よりも親水性が強い親水性領域が設けられ、酸化剤ガスセパレータの下流領域では、
酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、通水路に対向する側の細孔の細孔径は、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池用の酸化剤ガスセパレータ。
(付記項4)細孔径が相対的に大きい多数の細孔をもつ第1の多孔質シートと、細孔径が相対的に小さい多数の細孔をもつ第2の多孔質シートとを厚み方向に重ねることにより、表裏で細孔径が異なる酸化剤ガスセパレータを製造する固体高分子型燃料電池用の酸化剤ガスセパレータの製造方法。
(付記項5)上流領域が親水性を有すると共に下流領域が疎水性を有する酸化剤極用のガス拡散層。上流領域における電解質膜の乾燥を抑制でき、下流領域におけるフラッディング現象を抑制できる。
【0076】
【発明の効果】
第1発明に係る固体高分子型燃料電池によれば、酸化剤ガスセパレータの上流領域について、酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径は、通水路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されている。このため上流領域については、酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤ガス通路に対向する側の細孔内の水蒸気圧は高くなる。故に、酸化剤ガスセパレータの上流流域の細孔が酸化剤ガス通路の酸化剤ガスを加湿する加湿性を増加させることができる。これにより上流領域における過剰乾燥を抑制できる。
【0077】
第2発明に係る固体高分子型燃料電池用によれば、酸化剤ガスセパレータの下流領域について、酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、通水路に対向する側の細孔の細孔径は、酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されている。このように通水路に対向する側の細孔は細孔径が小さいため、酸化剤ガスセパレータの下流領域は毛細管圧により酸化剤ガス通路の水を引き込む能力が高くなり、酸化剤ガス通路の下流領域における余剰の水を吸収でき、下流領域におけるフラッディグ現象を抑制するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係り、固体高分子型燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図2】酸化剤ガスセパレータの上流領域における細孔構造をモデル化して示す断面図である。
【図3】酸化剤ガスセパレータの下流領域における細孔構造をモデル化して示す断面図である。
【図4】(A)は細孔径が大きい細孔をもつ多孔質シートを模式化した断面図であり、(B)は細孔径が小さい細孔をもつ多孔質シートを模式化した断面図である。
【図5】酸化剤ガスセパレータの上流領域における細孔構造をモデル化して示す断面図である。
【図6】酸化剤ガスセパレータの下流領域における細孔構造をモデル化して示す断面図である。
【図7】酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤ガス通路に対向する対向面における疎水性の強さの状況を模式化して示すグラフであるる。
【図8】酸化剤ガス通路をもつ酸化剤ガスセパレータの正面図である。
【図9】シール用の緻密体部分を有する酸化剤ガスセパレータの正面図である。
【図10】燃料通路をもつ燃料セパレータの正面図である。
【図11】通水路をもつ通水板の正面図である。
【図12】酸化剤ガスが通過するガス拡散層の正面図である。
【図13】酸化剤ガスが通過するガス拡散層における疎水性及び親水性の強さの変化を示すグラフである。
【図14】第2実施例に係り、固体高分子型燃料電池の概念を模式的に示す断面図である。
【図15】第2実施例に係り、酸化剤ガスセパレータのうち酸化剤ガス通路に対向する対向面における疎水性及び親水性の強さの変化を示すグラフである。
【図16】酸化剤ガスセパレータに疎水性処理を行う代表的な工程を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
図中、1はMEA、11は電解質膜、12は燃料極、15は酸化剤極、2は燃料セパレータ、21は燃料通路、3は酸化剤ガスセパレータ、31は酸化剤ガス通路、32は第1層、33は第2層、4は通水板、41は通水路、43は給水口、44は吐水口、49は通水駆動部、91は上流領域、91aは上流端、93は下流領域、93aは下流端、8Xは多孔質シート、8Yは多孔質シートを示す。

Claims (8)

  1. イオン伝導性をもつ電解質膜と、前記電解質膜の厚み方向の片側に設けられた燃料極と、前記電解質膜の厚み方向の他の片側に設けられた酸化剤極と、前記燃料極に燃料を供給する燃料通路を形成する燃料セパレータと、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータと、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記酸化剤極に背向する位置に通水路を形成する通水板とを具備する固体高分子型燃料電池において、
    前記酸化剤ガスセパレータは多数の細孔をもつ多孔質性を有しており、
    酸化剤ガスが流れる上流を上流領域とし、酸化剤ガスが流れる下流を下流領域とすると、
    前記酸化剤ガスセパレータのうち前記上流領域では、前記酸化剤ガス通路に対向すると共に前記下流領域よりも疎水性が強い疎水性領域が設けられ、
    前記酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、前記酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径は、前記通水路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  2. 請求項1において、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記下流領域では、前記酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、前記通水路に対向する側の細孔の細孔径は、前記酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  3. イオン伝導性をもつ電解質膜と、前記電解質膜の厚み方向の片側に設けられた燃料極と、前記電解質膜の厚み方向の他の片側に設けられた酸化剤極と、前記燃料極に燃料を供給する燃料通路を形成する燃料セパレータと、前記酸化剤極に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス通路を形成する酸化剤ガスセパレータと、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記酸化剤極に背向する位置に通水路を形成する通水板とを具備する固体高分子型燃料電池において、
    前記酸化剤ガスセパレータは多数の細孔をもつ多孔質性を有しており、
    酸化剤ガスが流れる上流を上流領域とし、酸化剤ガスが流れる下流を下流領域とすると、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記下流領域では、
    前記酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、前記通水路に対向する側の細孔の細孔径は、前記酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  4. 請求項3において、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記下流領域の少なくとも一部では、前記酸化剤ガス通路に対向すると共に前記上流領域よりも親水性が強い親水性領域が設けられていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  5. 請求項3または請求項4において、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記上流領域では、前記酸化剤ガスパレータの厚み方向に沿った断面において、前記酸化剤ガス通路に対向する側の細孔の細孔径は、前記通水路に対向する側の細孔の細孔径よりも小さく設定されていることを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  6. 請求項1〜請求項5のうちのいずれか一項において、前記酸化剤ガスセパレータの厚み方向に沿った断面において、前記酸化剤ガスセパレータのうち前記通水路に対向する対向面は親水性をもつことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  7. 請求項1〜請求項6のうちのいずれか一項において、前記酸化剤ガスセパレータの厚み方向に沿った断面において、前記酸化剤ガスセパレータは、前記通水路に対向する第1層と、前記酸化剤ガス通路に対向する第2層とを有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
  8. 請求項1〜請求項7のうちのいずれか一項において、前記酸化剤極のガス拡散層は、前記上流領域では親水性を有すると共に、前記下流領域では疎水性を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池。
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