JP3555160B2 - 燃料電池装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水素ガスを燃料ガスとする燃料電池を備え、該燃料電池に前記水素ガスを供給する燃料電池装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、水素ガスを燃料ガスとする燃料電池は、水素イオンをHO)の水和状態で透過する電解質と電極とを有し、電極反応を促進させるための触媒層を介在させてこの電解質を電極で挟持して備える。このような燃料電池は、用いる電解質の種類により種々のもの(例えば、固体高分子型燃料電池,りん酸型燃料電池等)があるが、陽陰の電極において進行する電極反応に差はなく、各極で進行する電極反応は、以下の通りである。
陰極(水素極):
2H→4H+4e …▲1▼
陽極(酸素極):
4H+4e+O→2HO …▲2▼
【0003】
そして、陰極に燃料ガスである水素ガスが供給されると、陰極では▲1▼の反応式が進行して水素イオンが生成する。この生成した水素イオンがHO)の水和状態で電解質(固体高分子型燃料電池であれば固体高分子電解質膜)を透過(拡散)して陽極に至り、この陽極に酸素含有ガス、例えば空気が供給されていると、陽極では▲2▼の反応式が進行する。この▲1▼,▲2▼の電極反応が各極で進行することで、燃料電池は起電力を呈することになる。
【0004】
燃料電池の電解質は、水素イオンが上記した水和状態で陰極側から陽極側に電解質を透過(拡散)する都合上、陰極側で水分が不足する状態となる。また、固体高分子型燃料電池に用いられる固体高分子電解質膜は、適度な湿潤状態にあれば良好な電気伝導性(イオン導電性)を発揮するが、含水率が低下するとイオン導電性が悪化して電解質として機能しなくなり、場合によっては電極反応を停止させてしまう。また、含水率が高すぎてもイオン導電性が悪化する傾向がある。このため、陰極には、燃料ガスとしての水素ガスを供給するとともに、適当な量の水を常時補給する必要がある。従って、燃料電池には、水蒸気にて加湿した水素ガスが供給されている。
【0005】
蒸気加湿された水素ガスを燃料電池に供給するには、種々の方法があり、最も単純な方法として、次のような技術がよく知られている。つまり、メタノール等の炭化水素化合物を水蒸気改質して水素ガスを生成するに当たり、メタノールと水との改質反応応は等モル反応であるため、メタノールに対して若干余剰の水を供給して改質反応を起こさせ、余剰の水に相当する量の水蒸気で水素ガスを加湿する方法である。また、特開平3−269955では、生成した水素ガスを熱交換して降温し、降温後の水素ガス中に燃料電池の手前で水蒸気を添加し、水蒸気添加により加湿した水素ガスを燃料電池に供給する技術が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、メタノールに対して若干余剰の水を供給し水分過多の状態で改質反応を起こさせ加湿する場合には、次のような不具合がある。例えば、余剰水の量を固定する場合、燃料電池の加湿不足を回避するためには、燃料電池の発電時に最大限必要とされる水分を水蒸気で供給する必要がある。よって、定量の余剰水を供給して改質反応を起こさせる必要があるが、改質反応の進行程度によっては水素ガス中の水蒸気量が変動したり、燃料電池の発電状態によっては水分過多となって電解質膜がいわゆる濡れすぎとなるため、電極反応が低下し電池性能の低下を招くことがある。
【0007】
また、改質反応に用いる水の量の増減調節を通して水素ガス中の水蒸気量、即ち燃料電池の加湿程度を調節することも可能であるが、次のような理由から現実的ではない。即ち、供給水量の調節を減少側に行なう場合には、メタノールに対して水のモル数が少なくなるため、改質反応の中間生成物である一酸化炭素の発生頻度が増し、この一酸化炭素が燃料電池の陰極に供給されることになる。このように一酸化炭素が陰極に至ると、電極反応を促進させるために設けられている触媒層の触媒が一酸化炭素により被毒され、触媒としての機能が低下してしまう。このため、電極反応の停止、延いては燃料電池の運転停止を招く。
【0008】
一方、特開平3−269955に提案されているように、改質ガスの温度を燃料電池の温度と略同じ程度に下げ、その下げた改質ガスに別途水を添加する技術では、温度を下げるための熱交換器と、水を添加する加湿器との両方が必要となり、システムのコンパクト化を図ることが困難であった。また、単純に熱交換器を省くと、加湿器に供給される改質ガスの温度が高温(約250〜300℃)であることに起因して、所望の加湿状態に制御することが困難になるという問題があった。例えば、一般的な加湿器であるバブラーを用いた場合、バブラー内の水によって改質ガスが急激に冷却されるために、改質ガスが保有している水分がバブラー内に添加されバブラーの水管理が難しくなるほか、改質ガスによってバブラー内の水自体の温度が影響を受け、加湿量をコントロールし難くなるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされ、水素ガスを燃料ガスとする燃料電池の出力の安定化を図ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するため本発明の燃料電池装置で採用した手段は、
水素ガスを燃料ガスとする燃料電池を備え、該燃料電池に前記水素ガスを供給する燃料電池装置であって、
炭化水素化合物を水蒸気改質して、水素ガスを水蒸気の混在状態で生成する改質手段と、
該生成された水素ガスを前記水蒸気とともに前記燃料電池に供給する供給手段と、
該供給される水素ガスの経路において前記水蒸気を除去し、前記燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節する水蒸気混在量調節手段と
前記燃料電池が運転されている運転状態を判断する運転状態判断手段と、
該判断した運転状態に基づいて、前記燃料電池内部の湿潤状態を判定する湿潤状態判定手段と、
該判定した湿潤状態に応じて前記水蒸気混在量調節手段を制御する制御手段とを備えること
をその要旨とする。
【0012】
この本発明の燃料電池装置では、
前記水蒸気混在量調節手段は、
前記水素ガスの経路に設けられ、水素ガスが水蒸気とともに流入するようにして、該流入した水素ガス中の水蒸気混在量を調節するための緩衝容器と、
該緩衝容器の内部温度を制御する温度制御部とを有する。
【0013】
この場合、前記緩衝容器は、前記燃料電池に供給される酸素含有ガスが通過する流体経路を容器内部との間で熱交換が行なえるように構成され、
前記温度制御部は、前記流体経路を通過する前記酸素含有ガス量を制御するものである。
【0014】
【作用】
上記構成を有する本発明の燃料電池装置では、まず、改質手段により炭化水素化合物を水蒸気改質し、水蒸気の混在状態で水素ガスを生成する。この生成された水素ガスは、供給手段により水蒸気とともに燃料電池に供給されるが、その経路において水蒸気混在量調節手段による水蒸気の除去を通して、水素ガス中の水蒸気混在量が確実に調節される。よって、燃料電池に供給される水素ガス中の水分は水滴化することなく水蒸気として混在するので、燃料電池には水滴として水が水素ガスとともに供給されることはない。
【0015】
しかも、運転状態判断手の判断した燃料電池の運転状態に基づいて、湿潤状態判定手段により燃料電池内部の湿潤状態を判定する。そして、水素ガス中の水蒸気混在量を調節する水蒸気混在量調節手段を、制御手段により、燃料電池内部の湿潤状態に応じて制御するので、燃料電池内部の湿潤状態に応じて水素ガス中の水蒸気混在量を調節できる。よって、燃料電池内部の湿潤状態が水分過多であれば水蒸気混在量を少なく調節することで、水分過多を水蒸気としての水分で解消することができる。一方、水分不足であれば水蒸気混在量を多く調節することで、水分不足を水蒸気としての水分で解消することができる。
【0016】
また、こうした燃料電池装置では、水素ガスの経路に設けられた緩衝容器の内部温度を温度制御部により制御するので、緩衝容器に水蒸気とともに流入する水素ガス中の水蒸気を、この緩衝容器内で除去し、燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節する。
【0017】
更に、こうした緩衝容器を、燃料電池に供給される酸素含有ガスが通過する流体経路を緩衝容器内部との間で熱交換が行なえるように構成したものとし、温度制御部により、流体経路を通過する酸素含有ガス量を制御する。よって、酸素含有ガスとの熱交換を通して緩衝容器の内部温度を制御し、燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節する。このため、水素ガス中の水蒸気混在量の調節とともに、酸素含有ガスの温度をも調節できる。
【0018】
【実施例】
次に、本発明に係る燃料電池装置の好適な実施例について、図面に基づき説明する。図1は、実施例の燃料電池装置を適用した燃料電池システムのブロック図である。
【0019】
実施例の燃料電池システム10は、固体高分子型燃料電池(以下、PEFCと略称する)12を中心に備え、PEFC12には、酸素ガス供給管路14からは酸素含有ガスである空気が、水素ガス供給管路16からはメタノールを水蒸気改質して得られた水素ガスが、それぞれ供給される。水素ガス供給管路16の管路には、水素ガス中の水蒸気混在量を調節するバッファータンク18と、メタノール改質装置20とが設けられている。なお、上記の両管路には適宜な箇所に逆流防止弁が設けられているが、本発明の要旨とは直接関係しないので図示されていない。
【0020】
PEFC12は、固体高分子電解質膜を陽陰の電極で挟持して備え、陽極への空気と陰極への水素ガスとの供給を受けて陽陰の電極において上記の▲1▼,▲2▼の電極反応を進行させる。そして、PEFC12は、当該電極反応を経て得られた起電力により、配線22,24を介して外部の駆動機器、例えば電気自動車におけるモータを駆動する。
【0021】
メタノール改質装置20は、メタノールタンク26から圧送ポンプ28によりメタノールの供給を受け、水タンク30から圧送ポンプ32により水の供給を受ける。そして、メタノール改質装置20は、改質触媒を介してメタノールと水との改質反応を250〜300℃の温度で進行させてメタノールを水蒸気改質し、高温(約260℃前後)の水素ガスを水蒸気の混在状態で生成する。この生成された水素ガスは、その下流のバッファータンク18に送り出される。
【0022】
このように水タンク30からメタノール改質装置20に水を供給するに当たっては、以下に説明するように、メタノールに対してやや過多の量の水が供給されている。つまり、メタノール改質装置20に供給された水がメタノール改質装置20で水蒸気改質されて生成する水素ガス中に水蒸気として残存し、しかも残存量(水蒸気混在量)がPEFC12の駆動時(発電時)に必要となり得る最大水蒸気量よりも若干多くなるよう、メタノール改質装置20への水の供給量が定められている。換言すれば、水素ガス温度が約260℃からPEFC12の運転温度(80〜100℃)に近似した温度、例えば80℃に降下しても、その温度における水素ガス中の水蒸気が飽和状態となり得る程度に、メタノールに対してやや過多の量の水が供給されている。
【0023】
メタノール改質装置20から水素ガスが送り出されるバッファータンク18は、タンク内部の温度を調節する温度調節機構を有し、後述する電子制御装置によるこの温度調節機構の運転制御を通して、タンク内部温度を制御する。この場合、バッファータンク18には、メタノール改質装置20から高温(約260℃前後)の水素ガスが送られており、バッファータンク18からPEFC12に供給する水素ガス温度は、PEFC12の運転温度(80〜100℃)に近似した温度であることが望ましい。このため、バッファータンク18は、水,空気等の冷却媒体を用いた温度調節機構として、次のような構成を備える。
【0024】
図2に示すように、バッファータンク18は、金属製の本体容器部40の上下端を、上部カバー部42,下部カバー部44で塞ぎ、これらをOリング46を介在させてボルト48により水密に締め付けて形成されている。上部カバー部42にはガス導入ポート50が設けられており、当該ポートはメタノール改質装置20と接続されている。また、上部カバー部42にはガス排出ポート52が設けられており、当該ポートはPEFC12と接続されている。このため、バッファータンク18内部には、ガス導入ポート50を経てメタノール改質装置20から高温の水素ガスが水蒸気の混在状態で流入し、タンク内に流入した水素ガスはガス排出ポート52を経てPEFC12に供給されることになる。更に、上部カバー部42には、バッファータンク18内部の温度を検出するタンク側温度センサ53が取付固定されている。なお、このタンク側温度センサ53は、後述の電子制御装置70に接続されている。
【0025】
一方、下部カバー部44には、バッファータンク内部で凝結して液化した水54を排出するための水排出ポート56が設けられおり、この水排出ポート56は、図1に示すように循環用ポンプ58を介在させて水循環管路60により水タンク30と接続されている。このため、バッファータンク18内部に滞留した水54は、循環用ポンプ58により、水タンク30に返送され、メタノール改質装置20に供給する水として循環する。なお、上記した水の循環は、所定時間毎の循環用ポンプ58の間歇駆動により、間歇的に行なわれている。
【0026】
本体容器部40の側壁には、水や空気等の冷却媒体が通過する冷却媒体流路62が容器内部を取り囲むよう形成されている。従って、図示しない流入口から冷却媒体が外部配管63を経て冷却媒体流路62に流入し、当該流路を冷却媒体が通過すれば、当該冷却媒体とバッファータンク18内部の水素ガスとの間で熱交換が起きる。このため、冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の温度や通過量(単位時間当たり流量)の制御を通して、タンク内部温度を制御すること、即ち水素ガス温度を制御することが可能である。なお、この冷却媒体流路62は、隣合う流路から独立して個別に形成しても良く、また、螺旋状に形成しても良い。
【0027】
本体容器部40の内部には、タンク内部を上下に区画する多孔の隔壁64が設けられており、この隔壁64で区画された上部空間には、熱伝導率の高い金属またはセラミックの球状充填物66が充填されている。このため、ガス導入ポート50を経て流入した水蒸気混在状態の高温の水素ガスと冷却媒体流路62を通過する冷却媒体との熱交換は、隔壁64上方の上部空間の球状充填物66を介して効率よく行なわれる。また、本体容器部40は、その外周において断熱材68により被覆されており、本体容器部40側壁から外部への熱の放出は遮断されている。
【0028】
従って、上記構造を有するバッファータンク18に高温(約260℃前後)の水素ガスが水蒸気の混在状態で流入すると、この高温の水素ガスは、冷却媒体との熱交換を経てバッファータンク18内部において冷却され、冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の温度やその通過量で規定される温度とされる。この水素ガスの冷却により、水素ガス中の水蒸気は、冷却後の水素ガス温度(タンク内部温度)における飽和水蒸気量を越える分についてバッファータンク18内部において凝結して水滴となり、水素ガス中には、水蒸気が飽和状態で存在することになる。冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量は、電子制御装置からの制御信号により定まり、バッファータンク18の冷却媒体流路62に接続された外部配管63に設けられた流量調整バルブ65を駆動制御することで流量調整、即ちタンク内温度調節がなされる。なお、凝結した水滴は、隔壁64の孔を通過して隔壁64下方の下部空間に落下し、水排出ポート56から水タンク30に返送される。
【0029】
燃料電池システム10は、この他、バッファータンク18におけるタンク内部温度を制御するための電子制御装置70と、PEFC12における固体高分子電解質膜と電極(陰極)との接合部近傍の温度を検出する電池側温度センサ72と、PEFC12の出力電圧を検出する電圧計74と、インピーダンスを検出するインピーダンス計76とを備える。この電子制御装置70は、CPU,ROM,RAMを中心に論理演算回路として構成され、これらとコモンバスを介して相互に接続された入力ポート及び出力ポートにより外部との入出力を行う。本実施例の燃料電池システム10では、電子制御装置70は、タンク側温度センサ53,電池側温度センサ72,電圧計74およびインピーダンス計76から、バッファータンク18のタンク内部温度TTANK,PEFC12の電解質膜近傍温度TPEFC,PEFC12の出力電圧VおよびPEFC12のインピーダンスZの入力を受け、バッファータンク18の内部温度を調節すべく、バッファータンク18の流量調整バルブ65を駆動制御する。
【0030】
次に、上記した構成を備える本実施例の燃料電池システム10において行なわれる燃料電池システム運転制御(ルーチン)について、図3のフローチャートに基づき説明する。図示するように、この燃料電池システム運転ルーチンは、まず、燃料電池システム10のメインスイッチがONであるかOFFであるかを判断する(ステップS100)。なお、このメインスイッチのON/OFFは、例えばバッテリの蓄電状態等に応じて制御用コンピュータから出力される指令信号で代用できるので、メインスイッチは機械的なスイッチに限定されるものではない。
【0031】
このステップS100で肯定判断が下される場合には、この燃料電池システム10がメインスイッチのONを受けて当初のON状態に至ったシステムの立上げの場合と、このON状態が継続している定常運転継続中の場合とがある。よって、ステップS100での肯定判断に続いては、燃料電池システム10のON状態は既に所定期間に亘り継続している旨を示すフラグ(ON状態継続フラグFON)の値が1であるか否かを判断する(ステップS105)。なお、このON状態継続フラグFONは、最初の本ルーチンの実行に先立つ初期処理にて初期値0とされ、後述の本ルーチンの処理にて値0或いは値1とされる。
【0032】
ここで、ON状態継続フラグFON≠1であれば、燃料電池システム10がメインスイッチのONを受けて当初のON状態に至ったシステム立上げ時なので、以下に記す複数の処理からなるシステム立上げ過渡期処理(ステップS110)に移行する。そして、当該処理が終了すれば「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。
【0033】
このステップS110のシステム立上げ過渡期処理では、図4に示すように、タンク側温度センサ53と電池側温度センサ72からバッファータンク18のタンク内部温度TTANKとPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCを入力し(ステップS112)、その後、両温度を比較する(ステップS114)。即ち、タンク内部温度TTANKが電解質膜近傍温度TPEFCより高い温度であるか否かを判断する。
【0034】
ここで、肯定判断すれば、バッファータンク18の内部温度の制御目標温度をステップS112で入力したPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCとし、電解質膜近傍温度TPEFCとタンク内部温度TTANKとの差に応じてバッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65を流量増大側に駆動制御する(ステップS116)。この際、流量調整バルブ65にはTPEFCとTTANKとの温度差に応じた制御信号が出力され、温度差が大きいほど流量調整バルブ65は多くの流量となるよう駆動制御される。このため、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量が温度差に応じて増大するので、タンク内部温度TTANKは降下することになる。なお、ステップS116に続いては、後述のステップS122が実行される。
【0035】
一方、ステップS114で否定判断した場合には、TPEFCとTTANKとの差が所定値α以下であるか否かを判断する(ステップS118)。つまり、ステップS114で否定判断すればTTANK≦TPEFCであるが、その温度差が適正であるか、より詳細に説明すればタンク内部温度TTANKが電解質膜近傍温度TPEFCに比べて低すぎないかを判断する。このステップS118で肯定判断すれば、タンク内部温度TTANKは電解質膜近傍温度TPEFC以下でありその温度差は適正であるためにタンク内部温度TTANKを変更制御する必要がないとして、後述のステップS122に移行する。
【0036】
これに対して、ステップS118で否定判断すれば、タンク内部温度TTANKは電解質膜近傍温度TPEFC以下であるもののTTANKはTPEFCに比べて低すぎることになる。よって、タンク内部温度TTANKを電解質膜近傍温度TPEFCに近づくよう昇温させるべく、バッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65を流量減少側に駆動制御する(ステップS120)。この際、流量調整バルブ65にはTPEFCとTTANKとの温度差に応じた制御信号が出力され、温度差が大きいほど流量調整バルブ65は流量減となるよう駆動制御される。このため、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量が温度差に応じて減少するので、タンク内部温度TTANKは上昇することになる。
【0037】
そして、ステップS116,118およびステップS120に続いては、燃料電池システム10がシステム立上げ過渡期にあるか或いは定常運転の継続中にあるか否かをメインスイッチがONとされてからの経過時間等に基づき判断する(ステップS122)。ここで、否定判断すればいまだシステム立上げ過渡期であるとして、新たな処理を行なうことなく「リターン」を抜け、上記した各処理を繰り返す。
【0038】
一方、ステップS122で肯定判断すれば、燃料電池システム10はシステム立上げ過渡期を脱して定常運転の継続中にあることになるので、ON状態継続フラグFONに値1をセットする(ステップS124)。このようにFON=1とされると、その後の本ルーチンのステップS105で肯定判断されるので(図3参照)、このステップS124でFONに値1がセットされるまでの間に亘って、上記したステップS112〜124までの処理からなるシステム立上げ過渡期処理が繰り返し実行される。
【0039】
燃料電池システム10がシステム立上げ過渡期にある間は、電解質膜近傍温度TPEFCはPEFC12の運転に伴って昇温する。よって、この間にステップS112〜124からなるシステム立上げ過渡期処理を繰り返すことにより、バッファータンク18は、そのタンク内部温度TTANKがPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCより所定温度(α)だけ低い温度となるよう、当初の温度から昇温制御される。このため、燃料電池システム10がシステム立上げ過渡期にある場合には、バッファータンク18に流入した水素ガス(約260℃前後)は、冷却媒体との熱交換を経てPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCより所定温度(α)だけ低い温度であるタンク内部温度TTANKとされるとともに、電解質膜近傍温度TPEFCの上昇に併せて上昇したタンク内部温度TTANKとされる。よって、バッファータンク18において、水素ガス中の水蒸気は、TPEFC以下の温度における飽和状態とされ、過剰な水蒸気は凝結してバッファータンク18内で水滴となる。また、PEFC12に供給される水素ガス中の水蒸気量は、電解質膜近傍温度TPEFCの上昇に併せて増加することになる。
【0040】
従って、バッファータンク18のガス排出ポート52からは、水蒸気を飽和状態で混在した水素ガスがPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCより所定温度(α)だけ低い温度でPEFC12に供給される。このため、燃料電池システム10のシステム立上げ過渡期には、水分が水滴としてPEFC12に供給されることがないとともに、電池内部で水蒸気が凝結して水滴化することもない。しかも、PEFC12の昇温に併せてバッファータンク18内のタンク内部温度TTANKを高めていくことができる。
【0041】
このようにシステム立上げ過渡期処理のステップS124においてFON=1とされると、システム立上げ過渡期処理の終了時にあってもシステムONであることと相俟って、次回の本ルーチンでは、ステップS100の肯定判断に続くステップS105で肯定判断される。そして、この肯定判断を受けて、燃料電池システム10はON状態が継続している定常運転継続中の状態にあるといえる。よって、この場合には、以下に記す複数の処理からなるシステム定常運転時処理(ステップS130)に移行し、当該処理が終了すれば「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。
【0042】
このステップS130のシステム定常運転時処理では、図5に示すように、まず、電圧計74とインピーダンス計76からPEFC12の出力電圧VとインピーダンスZを入力する(ステップS132)。
【0043】
PEFC12の固体高分子電解質膜は適度な湿潤状態にあれば良好な電気伝導性(イオン導電性)を発揮することから、固体高分子電解質膜の含水率が過多となると、PEFC12の出力は低下する。また、この電解質膜に接合する電極表面が水滴で閉塞されても、膜への水素ガスの透過が阻害されるのでやはりPEFC12の出力は低下する。つまり、この両者の場合は、電池内部の湿潤状態が水分過多の場合であり、この水分過多の状態に至るとPEFC12の出力電圧Vは低下する。しかも、このように水分過多となると、PEFC12のインピーダンスZは低下することが知られている。その反面、電池内部の湿潤状態が水分不足となって固体高分子電解質膜の含水率が低下すると、PEFC12の出力電圧Vは低下するとともに、インピーダンスZは上昇することが知られている。
【0044】
従って、ステップS132で入力したPEFC12の出力電圧VとインピーダンスZとから、ステップS132に続くステップS134では、PEFC12内部の湿潤状態が適正であるか、水分過多(濡れすぎ)或いは水分不足(乾きすぎ)であるか否かを判断する。このステップS134で、電池内部の湿潤状態が適正であると判断すると、PEFC12が適正な運転を継続していくためには、バッファータンク18内のタンク内部温度TTANKの変更は必要ないとして、バッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65の流量を固定維持する(ステップS136)。よって、タンク内部温度TTANKは、電池内部の湿潤状態が適正状態にあると判断したときの温度に維持される。このため、バッファータンク18においては、流入する水素ガス中の水蒸気は一定量が凝結して水滴化し、水素ガス中に混在する水蒸気量は定量となる。その後は、「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。
【0045】
一方、ステップS134で出力電圧VとインピーダンスZとからPEFC12内部の湿潤状態が上記した水分過多であると判断した場合には、バッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65を流量増大側に駆動制御する(ステップS138)。この際、流量調整バルブ65には、電池内部の湿潤状態が適正状態にあるときの出力電圧VおよびインピーダンスZと、ステップS132で入力した出力電圧VおよびインピーダンスZとを対比して得られる制御信号が出力され、水分過多の程度が大きいほど流量調整バルブ65は多くの流量となるよう駆動制御される。このため、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量が水分過多の程度に応じて増大するので、タンク内部温度TTANKは降下することになる。この結果、バッファータンク18においては、流入する水素ガス中の水蒸気は多くの量が凝結して水滴化し、水素ガス中に混在する水蒸気量は減少するので水素ガスにおける水蒸気量は以前より少なくなる。そして、ステップS136の後には、「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。
【0046】
このようにタンク内部温度TTANKを降下させるに当たっては、冷却媒体の流量増に伴うタンク内部温度TTANKの温度変化が電解質膜近傍温度TPEFCに対して最大−10℃程度になるよう、冷却媒体流量が増大制御される。
【0047】
また、ステップS134で出力電圧VとインピーダンスZとからPEFC12内部の湿潤状態が上記した水分不足であると判断した場合には、バッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65を流量減少側に駆動制御する(ステップS140)。この際、流量調整バルブ65には、電池内部の湿潤状態が適正状態にあるときの出力電圧VおよびインピーダンスZと、ステップS152で入力した出力電圧VおよびインピーダンスZとを対比して得られる制御信号が出力され、水分不足の程度が大きいほど流量調整バルブ65は流量減少側に駆動制御される。このため、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量が水分不足の程度に応じて減少するので、タンク内部温度TTANKは上昇することになる。この結果、バッファータンク18においては、流入する水素ガス中の水蒸気は少量しか凝結して水滴化せず、水素ガス中に混在する水蒸気量はあまり減少しない。つまり、水素ガスにおける水蒸気量は以前より多くなる。そして、ステップS140の後には、「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。
【0048】
このようにタンク内部温度TTANKを上昇させるに当たっては、冷却媒体の流量増に伴うタンク内部温度TTANKの温度変化が電解質膜近傍温度TPEFCに対して最大+5℃程度になるよう、冷却媒体流量が減少制御される。
【0049】
従って、PEFC12が定常運転にある場合には、ステップS132〜140からなる定常運転時処理が繰り返されるので、バッファータンク18のタンク内部温度TTANKは、電池内部の湿潤状態に応じて温度制御される。このため、PEFC12が定常運転状態にある場合には、バッファータンク18に流入した水素ガス(約260℃前後)は、バッファータンク18における冷却媒体との熱交換を経て温度制御されるので、水素ガス中の水蒸気は、バッファータンク18における凝結を経てその混在量が電池内部の湿潤状態に応じて調節される。
【0050】
よって、バッファータンク18のガス排出ポート52からは、電池内部の湿潤状態が水分過多であれば、水蒸気混在量が以前より少ない水素ガスがPEFC12に供給されて水分過多が解消されることになる。また、水分不足であれば、水蒸気混在量が以前より多い水素ガスがPEFC12に供給されて水分不足が解消されることになる。そして、水分過多或いは水分不足が解消されれば、一定量の水蒸気を混在する水素ガスが継続してPEFC12に供給されることになる。
【0051】
しかも、このような水蒸気混在量の調節は、バッファータンク18において水素ガス中の水蒸気の凝結・水滴化を経た水蒸気の除去を通して行なわれるので、PEFC12に供給される水素ガス中には水分が水蒸気として混在し、PEFC12には水分が水滴として水素ガスとともに供給されることはない。
【0052】
燃料電池システム10がシステムのON状態にある時には、当該システムに含まれるPEFC12やメタノール改質装置20,バッファータンク18は上記したように駆動制御されているが、メインスイッチのOFFや非常停止スイッチ等のON等を受けて、燃料電池システム10はシステムのON状態からOFF状態に至る。すると、図3に示すように、本ルーチンのステップS100では否定判断され、次のステップS145に移行する。
【0053】
燃料電池システム10がOFF状態にある場合には、燃料電池システム10が上記したON状態からOFF状態に推移した場合とシステムのOFF状態が継続している場合とがあり、この両者の場合であっても、ステップS100で否定判断が下される。そこで、いずれのOFF状態であるかを判断すべく、ステップS100の否定判断に続くステップS145では、ON状態継続フラグFONの値が1であるか否かを、再度判断する。なお、システムがOFF状態にある場合には、システムを構成する総ての機器がOFFとなっている場合の他、各機器、例えばPEFC12やメタノール改質装置20,バッファータンク18等がOFF状態にある場合も該当する。
【0054】
そして、このステップS145で否定判断(FON=0)すれば、このON状態継続フラグFONはシステムのONの後のシステム立上げ過渡期処理においてしか値1とされないので、当初からFON=0のまま、即ち燃料電池システム10のOFF状態は継続している場合である。よって、ステップS145で否定判断した場合には、「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。
【0055】
しかし、ステップS145で肯定判断した場合(FON=1)には、燃料電池システム10の状態がON状態からOFF状態に推移した場合であるので、以下に記す複数の処理からなるシステム停止過渡期処理(ステップS150)に移行する。そして、当該処理が終了すれば「リターン」を抜けて上記処理を繰り返す。このシステム停止過渡期処理は、メインスイッチのOFF後に、それまで運転中であった燃料電池システム10をその再起動時を考慮して良好な状態で停止させることを目的とするものであり、このシステム停止過渡期にある間はPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCはメインスイッチのOFF後に徐々に降温(降下)することも考慮されている。
【0056】
より詳しく説明すると、PEFC12やメタノール改質装置20,バッファータンク18等の燃料電池システム10の各構成機器をメインスイッチのOFF後に総て一律にOFFとするのではない。そして、各構成機器を一律にOFFとしないことで、当該スイッチのOFFに連動して停止するメタノール改質装置20から水蒸気を混在した残ガスがPEFC12に流入してPEFC12内で水蒸気が凝結することを防止するとともに、その残ガス中の余分な水蒸気の除去を図るために、メインスイッチのOFF後もしばらくの間、バッファータンク18のタンク内部温度TTANKをPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCの低下に併せて低下させるよう制御するのである。
【0057】
即ち、このステップS150のシステム停止過渡期処理では、図6に示すように、システム立上げ過渡期処理におけるステップS112〜120までと同様、タンク内部温度TTANKを電解質膜近傍温度TPEFCの降下に追従して制御する。まず、タンク内部温度TTANKと電解質膜近傍温度TPEFCを入力し(ステップS152)、その後、両温度を比較して(ステップS154)、タンク内部温度TTANKが電解質膜近傍温度TPEFCより高い温度であるか否かを判断する。
【0058】
ここで、肯定判断すれば、バッファータンク18の内部温度の制御目標温度をステップS152で入力したPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCとし、電解質膜近傍温度TPEFCとタンク内部温度TTANKとの差に応じてバッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65を流量増大側に駆動制御する(ステップS156)。この際、流量調整バルブ65にはTPEFCとTTANKとの温度差に応じた制御信号が出力され、温度差が大きいほど流量調整バルブ65は多くの流量となるよう駆動制御される。このため、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量が温度差に応じて増大するので、タンク内部温度TTANKは降下することになる。なお、ステップS156に続いては、後述のステップS162が実行される。
【0059】
一方、ステップS154で否定判断した場合には、TPEFCとTTANKとの差が所定値α以下であるか否かを判断する(ステップS158)。つまり、ステップS154で否定判断すればTTANK≦TPEFCであるが、その温度差が適正であるか、より詳細に説明すればタンク内部温度TTANKが電解質膜近傍温度TPEFCに比べて低すぎないかを判断する。このステップS158で肯定判断すれば、タンク内部温度TTANKは電解質膜近傍温度TPEFC以下でありその温度差は適正であるためにタンク内部温度TTANKを変更制御する必要がないとして、後述のステップS162に移行する。
【0060】
これに対して、ステップS158で否定判断すれば、タンク内部温度TTANKは電解質膜近傍温度TPEFC以下であるもののTTANKはTPEFCに比べて低すぎることになる。よって、タンク内部温度TTANKを電解質膜近傍温度TPEFCに近づくよう昇温させるべく、バッファータンク18の冷却媒体の流量調整バルブ65を流量減少側に駆動制御する(ステップS160)。この際、流量調整バルブ65にはTPEFCとTTANKとの温度差に応じた制御信号が出力され、温度差が大きいほど流量調整バルブ65は流量減となるよう駆動制御される。このため、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却媒体の流量が温度差に応じて減少するので、タンク内部温度TTANKは上昇することになる。
【0061】
そして、ステップS156,158およびステップS160に続いては、燃料電池システム10がシステム停止過渡期にあるか或いは停止継続中にあるか否かをメインスイッチがOFFとされてからの経過時間等に基づき判断する(ステップS162)。ここで、否定判断すればいまだシステム停止過渡期であるとして、新たな処理を行なうことなく「リターン」を抜け、上記した各処理を繰り返す。
【0062】
一方、ステップS162で肯定判断すれば、燃料電池システム10はシステム停止過渡期を脱して停止継続中に至ったこと或いは当初から停止継続中であることになるので、ON状態継続フラグFONに値0をセットする(ステップS164)。このようにFON=0とされると、その後の本ルーチンのステップS105では否定判断されるので(図3参照)、このステップS164でFONに値0がセットされるまでの間に亘って、上記したステップS152〜164までの処理からなるシステム停止過渡期処理が繰り返し実行される。
【0063】
従って、燃料電池システム10がシステム停止過渡期にある間には、ステップS152〜164からなるシステム停止過渡期処理が繰り返されこの間は電解質膜近傍温度TPEFCは徐々に低下するので、バッファータンク18は、そのタンク内部温度TTANKがPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCより所定温度(α)だけ低い温度となるよう運転継続中の温度から降温制御される。このため、メインスイッチのOFF等を受けてシステムがOFF状態とされた場合には、バッファータンク18に流入した残ガスは、冷却媒体との熱交換を経てPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCより低い温度であるタンク内部温度TTANKとされる。しかも、この場合には、電解質膜近傍温度TPEFCは徐々に降下する。よって、バッファータンク18に流入した残ガスは、電解質膜近傍温度TPEFCの降下に併せて降下したタンク内部温度TTANKとされる。この結果、バッファータンク18において、残ガス中の水蒸気は、TPEFCより低い温度における飽和状態とされ、過剰な水蒸気は凝結してバッファータンク18内で水滴となり水素ガス供給管路16の経路外に除去される。また、PEFC12に供給される残ガス中の水蒸気量は、電解質膜近傍温度TPEFCの降下に併せて減少することになる。
【0064】
よって、バッファータンク18のガス排出ポート52からは、水蒸気を飽和状態で混在した残ガスがその時のPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCより所定温度(α)だけ低い温度でPEFC12に供給される。このため、システム停止の場合には、水分が水滴として供給されることがないとともに、TPEFC>TTANKであることから電池内部で水蒸気が凝結して水滴化することもない。従って、システム停止の場合には、電池内部に水分が水滴として残存することがない。
【0065】
以上説明したように本実施例の燃料電池システム10では、PEFC12に水分を水蒸気として供給する水素ガス中の水蒸気混在量の調節を、バッファータンク18のタンク内部温度TTANKの調節を経た水蒸気の除去を通して行なう。この結果、本実施例の燃料電池システム10によれば、水素ガス中の水蒸気混在量の調節を確実に行なうことができ、燃料電池の出力の安定化を図ることができる。
【0066】
また、本実施例の燃料電池システム10では、システム停止の場合に、PEFC12に水分を水滴として供給せず、しかもPEFC12におけるガス中の水蒸気の凝結を回避する。このため、本実施例の燃料電池システム10によれば、システム停止の場合に、電池内部に水分が水滴として残存することがなくPEFC12の固体高分子電解質膜/電極接合体の界面に塗布された触媒の劣化や、PEFC12におけるガス配管の腐食等を確実に回避することができる。
【0067】
また、システム停止の場合にあっても、水蒸気として水分を供給する。よって、本実施例の燃料電池システム10によれば、不用意な固体高分子電解質膜のいわゆるドライアップを回避し、再起動時における始動特性を向上させることができる。
【0068】
更に、本実施例の燃料電池システム10では、システムの立上げ過渡期に、PEFC12に水分を水滴として供給せず、しかもPEFC12における水素ガス中の水蒸気の凝結を回避する。このため、本実施例の燃料電池システム10によれば、PEFC12の固体高分子電解質膜に接合する電極表面を水滴で閉塞することがなく膜への水素ガスの透過を阻害しないので、始動特性を向上させることができるとともに、起動初期から早期のうちに適正な出力電圧を得ることができる。
【0069】
また、システムの立上げ過渡期には、水素ガス中の水蒸気を飽和状態でかつその量を電解質膜近傍温度TPEFCの上昇に併せて増加させる。よって、本実施例の燃料電池システム10によれば、電解質膜近傍温度TPEFCの上昇の間に亘っての電池内部の湿潤状態の適正化を通して、PEFC12をより速く定常運転にすることができる。
【0070】
加えて、本実施例の燃料電池システム10では、PEFC12が定常運転にある場合にあっても、PEFC12には水分を水滴として供給せず、PEFC12の固体高分子電解質膜への水分補給を飽和状態の水蒸気で賄う。このため、本実施例の燃料電池システム10によれば、PEFC12の固体高分子電解質膜に接合する電極表面を水滴で閉塞することがなく膜への水素ガスの透過を阻害しないので、定常運転時における電極反応の円滑な進行を通して安定した出力を得ることができる。
【0071】
また、本実施例の燃料電池システム10では、PEFC12が定常運転にある場合に、水素ガス中の水蒸気の混在量を電池内部の湿潤状態に応じて調節する。このため、本実施例の燃料電池システム10によれば、電池内部が水分過多や水分不足に至ってPEFC12の出力が低下しても、水素ガス中の水蒸気混在量の調整を通してこの水分過多や水分不足を解消し、安定した出力を得ることができる。
【0072】
ここで、上記した本実施例の燃料電池システム10と水蒸気混在量の調節を行なわず水蒸気混在量が一定(定常状態に必要な水蒸気混在量)の水素ガスを供給する従来例の装置との評価試験について説明する。この評価試験は、PEFC12の定常運転時の出力(電流値)を100とした場合、その出力を起動からの経過時間毎に測定することで行なった。その結果を図7に示す。
【0073】
この図7から明らかなように、本実施例の燃料電池システム10によれば、起動時からスムースに出力が上昇し、15分を経過すれば定常時の約90%の出力を得ることができた。しかも、30分経過後にはほぼ100%の出力を継続して得ることができた。しかしながら、従来例では、起動初期には急激に出力が立ち上がるものの10分経過後からは徐々に出力が低下した。しかも、10分経過時点の出力は定常時の約67%に過ぎなかった。よって、本実施例の燃料電池システム10によれば、安定した出力を得ることができることが判明した。なお、従来例の装置で観察された出力の様子は、以下のように説明できる。
【0074】
従来例では、水蒸気混在量が調節されていないので、燃料電池にはその温度が低いものの大量の水蒸気が供給される。このため、一時的にセル抵抗が低下して急激に出力が上がる。しかし、その後は、過剰な水蒸気が燃料電池内部で凝結して水滴化し、電極を閉塞したりセル抵抗の上昇を招く。このため、定常時の出力まで上昇することなく徐々に出力が低下する。
【0075】
また、本実施例の燃料電池システム10によれば、次のような利点がある。即ち、本実施例の燃料電池システム10では、バッファータンク18で水蒸気が水滴化した水を、循環用ポンプ58により水循環管路60を経て水タンク30に返送し、メタノール改質装置20に供給する水として循環させる。このため、本実施例の燃料電池システム10によれば、水の利用効率を高めることができる。
【0076】
次に、他の実施例について説明する。まず、第2実施例について説明する。この第2実施例の燃料電池システムは、上記した燃料電池システム10におけるバッファータンク18の冷却媒体を酸素ガス供給管路14を経てPEFC12に供給される酸素含有ガス(空気)とした点で、その構成が相違する。即ち、図8に示すように、PEFC12に空気を供給する酸素ガス供給管路14には、その上流側から空気の圧送ポンプ80が設けられており、当該ポンプの下流においては、この酸素ガス供給管路14は、バッファータンク18の下流で合流する分岐管路14a,14bとされている。各分岐管路14a,14bには、当該管路を通過する流量を調整する流量調整バルブ81,82が設けられている。なお、圧送ポンプ80としてはコンプレッサーによる大気加圧供給装置を例示することができる。また、圧送ポンプ80の外には、例えば高圧空気ガスボンベや液体空気タンクを用いたガス供給装置を用いることもできる。
【0077】
流量調整バルブ82が設けられた側の分岐管路14bは、バッファータンク18の外部配管63(図2参照)と接続されており、この分岐管路14bを通過する空気がバッファータンク18の冷却媒体流路62を通する間に水素ガスとの熱交換に供される。また、この酸素ガス供給管路14には、管路を通過する空気を加湿する加湿器83が各分岐管路の合流点下流に設けられている。なお、この加湿器83は、管路を通過する空気を加湿することができればいかような構成でも良く、バブリング法による加湿器の他、水を直接ガス気流中で霧化する方式の加湿器や、気体状の水(水蒸気)は通すが液体状の水は通さない多孔質膜を用いて加湿する方式の加湿器など、いずれの加湿器を採用しても良い。このように加湿器83により加湿することで空気温度が低下する場合には、加熱手段を加湿器と併用することにより、PEFC12には所定温度まで昇温させた空気を供給することができる。
【0078】
上記構成の第2実施例の燃料電池システムでは、電子制御装置70からの制御信号により各分岐管路14a,14bの流量調整バルブ81,82を駆動制御することで、例えばその流量比を制御することで、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する空気の流量を調節できる。このため、第2実施例の燃料電池システムによれば、バッファータンク18のタンク内部温度の調節を通した水素ガス中の水蒸気混在量の調節による燃料電池出力の安定化に加え、PEFC12にはバッファータンク18で昇温させた空気を供給できる。よって、空気温度の昇温調節を通して、より一層電極反応を円滑化させて安定した出力を得ることができる。また、PEFC12に供給する空気を昇温させるための特別な装置を必要とせず、構成の簡略化を図ることができる。
【0079】
次に、第3実施例について説明する。この第3実施例の燃料電池システムは、上記した燃料電池システム10におけるバッファータンク18の冷却媒体をPEFC12の冷却水とした点で、その構成が相違する。即ち、図9に示すように、PEFC12の図示しない冷却水流路に冷却水を循環供給する冷却水循環管路84には、電池側温度センサ72(図1参照)の検出したPEFC12の電解質膜近傍温度TPEFCに応じて冷却水循環管路84の冷却水流量を調整する冷却水ポンプ85と、当該管路の冷却水を放熱を通して所定温度に冷却(維持)する放熱器86とが設けられている。また、冷却水循環管路84には、バッファータンク18の外部配管63(図2参照)に接続されたタンク冷却水循環管路87が、冷却水ポンプ85の下流で冷却水循環管路84から分岐し放熱器86の上流で冷却水循環管路84と合流するよう設けられている。そして、このタンク冷却水循環管路87には、当該管路を通過する流量を調整する流量調整バルブ88が設けられている。
【0080】
従って、タンク冷却水循環管路87を通過する燃料電池冷却水がバッファータンク18の冷却媒体流路62を通する間に水素ガスとの熱交換に供される。このため、第3実施例の燃料電池システムでは、電子制御装置70からの制御信号によりタンク冷却水循環管路87の流量調整バルブ88を駆動制御することで、バッファータンク18の冷却媒体流路62を通過する冷却水の流量を調節できる。この結果、第3実施例の燃料電池システムによれば、既述した第1実施例と同様に、バッファータンク18のタンク内部温度の調節を通して水素ガス中の水蒸気混在量を調節し、燃料電池出力の安定化を図ることができる。また、バッファータンク18における熱交換媒体の供給を行なうためだけの特別な装置を必要とせず、構成の簡略化を図ることができる。
【0081】
次に、第4実施例の燃料電池システムについて説明する。この第4実施例の燃料電池システムは、熱交換により水素ガス中の水蒸気を凝結・水滴化して水素ガス中の水蒸気混在量を調整するバッファータンク18に代わり、吸水性高分子樹脂や多孔質体粒子等を内蔵しこれらにガス中の水蒸気を吸着して水素ガス中の水蒸気を除去する除湿装置を用いた点で、その構成が相違する。即ち、図10に示すように、PEFC12に水素ガスを供給する水素ガス供給管路16は、メタノール改質装置20とPEFC12との間において、メタノール改質装置20の下流で分岐しPEFC12手前で合流する分岐管路16a,16bとされている。各分岐管路16a,16bには、当該管路を通過する流量を調整する流量調整バルブ89,90が設けられている。そして、分岐管路16bには、流量調整バルブ90の下流にガス中の水蒸気を吸着して水素ガス中の水蒸気を除去する除湿装置91が設けられている。この除湿装置91は、内蔵する吸水性高分子樹脂等の量や性質により、当該装置を通過する水素ガスの単位流量当たり一定の水蒸気を除湿する能力を有する。このため、除湿装置91を通過する水素ガスの流量を変えることで、水蒸気除去量を調節することができる。
【0082】
上記構成の第4実施例の燃料電池システムでは、電子制御装置70からの制御信号により各分岐管路16a,16bの流量調整バルブ89,90を駆動制御することで、例えばその流量比を制御することで、各分岐管路が合流してPEFC12に至る水素ガス中の水蒸気混在量を除湿装置91による水蒸気除去を通して調節できる。このため、第4実施例の燃料電池システムによれば、燃料電池出力の安定化を図ることができる。なお、分岐管路16aにも、流量調整バルブ89の下流に分岐管路16bの除湿装置91と異なる除湿能力を有する除湿装置を設け、電子制御装置70からの制御信号により各分岐管路16a,16bの流量調整バルブ89,90を駆動制御するよう構成することもできる。
【0083】
以上本発明の一実施例について説明したが、本発明はこの様な実施例になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0084】
例えば、システム停止過渡期処理において、タンク内部温度TTANKを電解質膜近傍温度TPEFC以下でその温度差が適正(α)となるよう降温制御したが(ステップS158,160)、タンク内部温度TTANKを電解質膜近傍温度TPEFC以下の温度となるよう降温制御するよう構成することもできる。つまり、システム停止過渡期処理におけるステップS158を省略し、ステップS154で否定判断した場合にはステップS160に移行すればよい。
【0085】
なお、上記した実施例では、水素ガス中の水蒸気混在量を水素ガス管路中から除去することで調節したが、燃料電池の出力の安定化を図るには、水蒸気除去と水蒸気混入を併用して次のように構成することもできる。
【0086】
即ち、水素ガスを燃料ガスとする燃料電池を備え、該燃料電池に前記水素ガスを供給する燃料電池装置であって、
炭化水素化合物を水蒸気改質して、水素ガスを水蒸気の混在状態で生成する改質手段と、
該生成された水素ガスを前記水蒸気とともに前記燃料電池に供給する供給手段と、
前記燃料電池の運転状態を判断する運転状態判断手段と、
該判断した運転状態に基づいて前記燃料電池内部の湿潤状態を判定する湿潤状態判定手段と、
前記燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を、前記判定した湿潤状態に応じて増減調節する水蒸気混在量増減調節手段とを備える。
【0087】
この場合、水蒸気混在量を増減調節する水蒸気混在量増減調節手段は、上記した各実施例におけるバッファータンク18や除湿装置91等の水蒸気除去装置と、加湿装置等の水蒸気混入装置を併用することで実現される。
【0088】
この燃料電池装置では、燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節するに当たり、水素ガス中に水蒸気を混入したり除去することで水蒸気混在量を増減調節する。そして、この増減調整を燃料電池の運転状態に基づいて判定した燃料電池内部の湿潤状態に応じて行なう。このため、燃料電池内部の湿潤が過多であれば、供給される水素ガス中の水蒸気混在量を、水蒸気の除去により少なめに調節して湿潤過多を回避することができる。一方、燃料電池内部の湿潤が不足していれば、供給される水素ガス中の水蒸気混在量を、水蒸気の添加により多めに調節して湿潤不足を回避することができる。この結果、常に燃料電池内部を好適な湿潤状態におくことを通して、安定した出力を得ることができる。
【0089】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明の燃料電池装置では、燃料電池に水分を水蒸気として供給する水素ガス中の水蒸気混在量の調節を水蒸気の除去を通して確実に行なう。この結果、本発明の燃料電池装置によれば、燃料電池内部を好適な湿潤状態におくことができ、燃料電池の出力の安定化を図ることができる。また、加湿器等を別途必要としないので、その構成の簡略化を図ることもできる。
【0090】
しかも、本発明の燃料電池装置では、燃料電池には水分を水滴として供給せず、燃料電池への水分補給を飽和状態の水蒸気で賄う。この結果、本発明の燃料電池装置によれば、燃料電池における電極を水滴で閉塞することがなく、電解質膜への水素ガスの透過を阻害しないので、電極反応の円滑な進行を通して安定した出力を得ることができる。
【0091】
しかも、本発明の燃料電池装置では、燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気の混在量を燃料電池内部の湿潤状態に応じて調節する。このため、本発明の燃料電池装置によれば、電池内部が水分過多や水分不足に至って出力が低下しても、水素ガス中の水蒸気混在量の調整を通してこの水分過多や水分不足を解消し、安定した出力を得ることができる。
【0092】
また、本発明の料電池装置では、燃料電池に供給される酸素含有ガスとの熱交換を通して緩衝容器の内部温度を制御し、燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節する。このため、本発明の燃料電池装置によれば、水素ガス中の水蒸気混在量の調節に加え、酸素含有ガスの温度をも調節することができるので、電極反応のより一層の円滑化を通して出力の安定化を図ることができる。また、燃料電池に供給する酸素含有ガスを昇温させるための特別な装置を必要とせず、構成の簡略化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の燃料電池装置を適用した燃料電池システムのブロック図。
【図2】第1実施例の燃料電池システムにおけるバッファータンク18の概略断面図。
【図3】燃料電池システム10において行なわれる燃料電池システム運転ルーチンのフローチャート。
【図4】燃料電池運転ルーチンにおけるシステム立上げ過渡期処理の詳細フローチャート。
【図5】燃料電池運転ルーチンにおける定常運転時処理の詳細フローチャート。
【図6】燃料電池運転ルーチンにおけるシステム停止過渡期処理の詳細フローチャート。
【図7】実施例の燃料電池システム10と従来例の装置との評価の結果を示すグラフ。
【図8】第2実施例の燃料電池システムの要部ブロック図。
【図9】第3実施例の燃料電池システムの要部ブロック図。
【図10】第4実施例の燃料電池システムの要部ブロック図。
【符号の説明】
10…燃料電池システム
12…PEFC
14…酸素ガス供給管路
14a,14b…分岐管路
16…水素ガス供給管路
16a,16b…分岐管路
18…バッファータンク
20…メタノール改質装置
26…メタノールタンク
28…圧送ポンプ
30…水タンク
32…圧送ポンプ
53…タンク側温度センサ
58…循環用ポンプ
60…水循環管路
62…冷却媒体流路
63…外部配管
65…流量調整バルブ
66…球状充填物
70…電子制御装置
72…電池側温度センサ
74…電圧計
76…インピーダンス計
80…圧送ポンプ
81,82…流量調整バルブ
83…加湿器
84…冷却水循環管路
85…冷却水ポンプ
86…放熱器
87…タンク冷却水循環管路
88…流量調整バルブ
89,90…流量調整バルブ
91…除湿装置

Claims (3)

  1. 水素ガスを燃料ガスとする燃料電池を備え、該燃料電池に前記水素ガスを供給する燃料電池装置であって、
    炭化水素化合物を水蒸気改質して、水素ガスを水蒸気の混在状態で生成する改質手段と、
    該生成された水素ガスを前記水蒸気とともに前記燃料電池に供給する供給手段と、
    該供給される水素ガスの経路において前記水蒸気を除去し、前記燃料電池に供給される水素ガス中の水蒸気混在量を調節する水蒸気混在量調節手段と
    前記燃料電池が運転されている運転状態を判断する運転状態判断手段と、
    該判断した運転状態に基づいて、前記燃料電池内部の湿潤状態を判定する湿潤状態判定手段と、
    該判定した湿潤状態に応じて前記水蒸気混在量調節手段を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池装置。
  2. 請求項1記載の燃料電池装置であって、
    前記水蒸気混在量調節手段は、
    前記水素ガスの経路に設けられ、水素ガスが水蒸気とともに流入するようにして、該流入した水素ガス中の水蒸気混在量を調節するための緩衝容器と、
    該緩衝容器の内部温度を制御する温度制御部とを有する燃料電池装置。
  3. 請求項2記載の燃料電池装置であって、
    前記緩衝容器は、前記燃料電池に供給される酸素含有ガスが通過する流体経路を容器内部との間で熱交換が行なえるように構成され、
    前記温度制御部は、前記流体経路を通過する前記酸素含有ガス量を制御するものである燃料電池装置。
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