JP2006093157A - 固体高分子型燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】
固体高分子型燃料電池システムが有している既存の機器をそのまま使用しつつ、電極で使用される反応用のガスに簡便な機構で水分を与えて電極に供給することができる固体高分子型燃料電池システムを提供する。
【解決手段】
本発明の固体高分子型燃料電池システムGSは、燃料電池本体6と、燃料電池本体6に酸素を供給する酸素供給部11と、水素を生成するとともに燃料電池本体6に水素を供給する水素供給部3と、低電気伝導度を有する処理水を生成する水処理手段51と酸素供給部11に処理水を供給する第1の処理水供給手段53と水素供給部3に処理水を供給する第2の処理水供給手段22と燃料電池本体6を冷却する冷却手段6cとを有する処理水供給部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
固体高分子型燃料電池システムが有している既存の機器をそのまま使用しつつ、電極で使用される反応用のガスに簡便な機構で水分を与えて電極に供給することができる固体高分子型燃料電池システムを提供する。
【解決手段】
本発明の固体高分子型燃料電池システムGSは、燃料電池本体6と、燃料電池本体6に酸素を供給する酸素供給部11と、水素を生成するとともに燃料電池本体6に水素を供給する水素供給部3と、低電気伝導度を有する処理水を生成する水処理手段51と酸素供給部11に処理水を供給する第1の処理水供給手段53と水素供給部3に処理水を供給する第2の処理水供給手段22と燃料電池本体6を冷却する冷却手段6cとを有する処理水供給部と、を有することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、固体高分子型燃料電池の空気極に供給する反応空気(空気)を加湿する固体高分子型燃料電池システムに関する。
近年、燃料に電気化学反応を行わせ、この電気化学反応の際に発生する電子の流れにより直接電気エネルギを取り出そうとする燃料電池システムが開発されている。燃料電池システムは、天然ガス、都市ガス、メタノール、プロパンガス等の燃料(以下燃料ガスと称する)の有している化学エネルギを電気エネルギに変換するもので、燃料電池本体、燃料から水素を生成する装置、燃料電池本体で発電される直流出力を交流に変換する装置、燃料電池本体の動作や水素発生に適した温度に反応空気の温度を保つための熱交換器等により構成されている。
このような燃料電池システムでは、天然ガス、都市ガス、メタノール等の燃料ガスは、改質器内部に充填された改質触媒の作用により水蒸気改質(化学反応)され、水素を主成分とする改質ガスが生成される。この改質ガスはCO変成器に供給され、この改質ガスに含まれる一酸化酸素が二酸化酸素に変成され、さらに残留一酸化炭素がCO除去器内で所定濃度値以下に低減される。このようにして得られた水素は、燃料電池本体内で空気中の酸素と電気化学反応し、発電を行う。このような燃料電池システムで利用される燃料電池として、固体高分子型燃料電池が提案されている。
固体高分子型燃料電池の燃料電池本体は、改質ガスが供給される燃料極と、反応空気(空気)が供給される空気極と、燃料極と空気極との間に挟まれた電解質膜(イオン交換膜)とから構成されている。このように構成された固体高分子型燃料電池の燃料極側では、イオン化した水素がイオン電解質膜(イオン交換膜)を移動する際に、水の分子も僅かずつ電気浸透効果によってイオン交換膜を通過するので、膜の燃料極側は乾燥しがちになる。これを防ぐために、改質(水素)ガスに水分を含ませて電極に供給し、イオン交換膜を湿らせている。
また、膜の空気極側では、電気浸透による水の浸出に加えて、膜を通過してきた水素イオンと酸素との反応によって水が生成し、この生成水で電極が濡れて、酸素の拡散阻害を起こして発電性能が低下しがちである。このような水分は、空気極に供給する電極反応用のガス(以下反応空気という)によって除去することができるが、多量の空気流によって水の蒸発量が増え、イオン交換膜が乾燥するので、これを防ぐために、上記の空気にも水分与えて空気極に供給することによりイオン交換膜の乾燥を防止する専用の加湿器を燃料電池に特別に付設していた。
特開平08−315838号公報
特開平10−106593号公報
特開平06−333583号公報
特開2000−58092号公報
特開平05−041234号公報
特開平06−260198号公報
特開平09−007620号公報
特開平09−055218号公報
特開平10−003936号公報
特開平06−140066号公報
特開平09−231990号公報
特開平10−172598号公報
特開平05−315002号公報
特開平02−010664号公報
特願2001−524176号(特表2003−509831号公報)
このように、固体高分子型燃料電池では、使用される改質ガス、反応空気(空気)の水分の管理が必要である。従来は、このような電極反応用のガスの供給は、水をヒータで加熱してスチームを作る等の機構を有した専用の外部加湿器と相当量の加湿用の処理水が必要になったり、加湿器のための水回収用の熱交換器や処理水を加湿器に逐次補給していく専用の水補給装置も必要となる等の課題があった。
従って、本発明は、上述した従来の技術が有する課題を解消し、固体高分子型燃料電池システムが有している既存の機器をそのまま使用しつつ、電極で使用される反応用のガスに簡便な機構で水分を与えて電極に供給することができる固体高分子型燃料電池システムを提供することにある。
本発明の固体高分子型燃料電池システムは、水素と酸素との電気化学反応により発電を行う燃料電池本体と、前記燃料電池本体に前記酸素を供給する酸素供給部と、前記水素を生成するとともに前記燃料電池本体に水素を供給する水素供給部と、低電気伝導度を有する処理水を生成する水処理手段と前記酸素供給部に前記処理水を供給する第1の処理水供給手段と前記水素供給部に前記処理水を供給する第2の処理水供給手段と前記燃料電池本体を冷却する冷却手段とを有する処理水供給部と、を有することを特徴とする。
固体高分子型燃料電池やそのシステムで使用されている冷却水や電気伝導度の低い処理水を溜める処理水タンクの水を利用して固体高分子型燃料電池で使用される反応空気に水分を与え、このガスを電極に供給するようにしているので、反応空気を加湿するための専用の外部加湿器やこの外部加湿器を制御する特別な装置がなくても、簡単に反応空気に水分を添加して固体高分子型燃料電池に供給することができる。また、固体高分子型燃料電池の電極反応等に使用されるガス等に水分を補給するための処理水タンクと、固体高分子型燃料電池から生じる水を一旦貯えて処理水タンクに供給する供給タンクと、処理水タンク又は供給タンクに処理水を供給する処理水補給装置とを有し、固体高分子型燃料電池や固体高分子型燃料電池システムで生じる水を供給タンクに一旦貯え、供給タンクから処理水タンクに水を供給できるようにするとともに、このような水の供給機構では次第に不足してくる水量を処理水補給装置によって補うようにすることによって、必要な量の処理水の供給を行いつつ、水処理装置の使用時間等を減らして固体高分子型燃料電池の保守を簡易化することができる。
さらに、固体高分子型燃料電池やこのシステム等の冷却に使用される冷却水を溜めていた処理水タンクに温度調節装置や液面制御装置を付加し、このような処理水タンク内に反応空気を通すように構成することによって、反応空気加湿用として独立した専用の加湿器を別途に設けなくても、反応空気に水分を与えて燃料電池の電極に供給することができるようになる。また、ガスの加湿のための処理水の補給制御や処理水の回収装置も、従来のこの種の水タンクの装置が有していた冷却や熱回収のための水循環装置や水回収装置を殆どそのまま使用することができ、水蒸気を作るための気水分離装置と異なり、反応空気の加湿を簡便に行える加湿装置を備えた固体高分子型燃料電池を提供することができる。
また、固体高分子型燃料電池システムでは、発電と熱利用のコジェネレーションシステムの形態を取り易いので、発電単独の効率ばかりでなく、このシステムに供給される燃料のエネルギの高度な有効活用を図ることができ、高い総合熱効率が得られるので、原燃料の消費量が減少し、二酸化炭素の排出量が低減される。特に、貯湯タンクや処理水タンクのように熱を貯える機能を有したタンクが、適宜、各タンクの熱を相互に授受することができるように構成されているときは、固体高分子型燃料電池システムで発生する熱によって処理水タンクの水を加熱する機構を構成させることもでき、固体高分子型燃料電池システム系の熱を処理水タンクの加熱にも利用したり、処理水タンクの熱が余るときはこの熱を貯湯タンクに与える等、システム全体の熱を有効に活用しつつ、燃料電池本体の電極に供給する反応用のガスの簡便な加湿を実現できる。
また、燃料電池本体で生じる水の回収とこの水を固体高分子型燃料電池システムに再度使用する装置が、回収された水の水質を勘案しながら適宜、水処理をしつつ固体高分子型燃料電池システムに供給するようにしているので、イオン交換樹脂等の水処理装置の使用を最小必要限度に止めることができる。また、固体高分子型燃料電池システムで発生する水をできる限り再利用して、固体高分子型燃料電池システムにおける水処理を簡易化し、メンテナンスの手間等を少なくした固体高分子型燃料電池システムを提供することができる。更に、以上のような構成の固体高分子型燃料電池やそのシステムでは、固体高分子型燃料電池のメンテナンスが簡略化されるので、発電と熱利用のコジェネレーションシステムの形態を取り易く、燃料電池単独の発電効率ばかりでなく、このシステムで使用される水の有効な再利用及び供給される燃料のエネルギの有効活用に結びつけた固体高分子型燃料電池システムを提供することができる。
本発明に係る固体高分子型燃料電池システムによれば、固体高分子型燃料電池システムが有している既存の機器をそのまま使用しつつ、電極で使用される反応用のガスに簡便な機構で水分を与えて電極に供給することができる。
本発明をより詳細に詳述するために、添付の図面に従ってこれを説明する。本実施形態では、固体高分子型燃料電池(以下の説明中、水素生成系、電気化学反応系(燃料電池本体)、冷却系等を含めて燃料電池という)が、家庭用小型電源用の発電システムGS等に使用された例を中心に説明をする。また、本発明では、燃料電池本体に供給される電極反応用ガスとして、水素を含有する改質ガスと酸素を含有した空気を用いた例について説明する便宜上、電極に供給される空気を特に反応空気と称し、反応空気を供給する電極を空気極と称している。また、本発明では必ずしも電極反応用ガスを上述のものに限定するものではない。
以下、本発明の固体高分子型燃料電池の第一の実施形態を図1に基づいて説明する。図1で示されるように、本実施形態の燃料電池を用いた発電システムGSは、例えば、燃料電池のほかに熱回収装置RDを備えている。この熱回収装置RDと燃料電池とは、貯湯タンク50と、イオン交換樹脂等を用いた水処理装置51とを備えた水や熱媒の循環路等で連結されている。水処理装置51には市水が供給される。この市水は水処理装置51で燃料電池の絶縁に影響を与えないように、例えば低い電気伝導度に処理された水(本発明ではこれを処理水という)に改質されて、後述する水タンク21に処理水管152を通して供給される。
本実施形態の燃料電池は、脱硫器2、改質器3、CO変成器4、CO除去器5等からなる電極反応用の改質ガス(以下改質ガスという)供給装置と、燃料極、空気極およびこれらに挟まれたイオン交換膜とを備えた燃料電池本体6と、空気ポンプ11、水タンク21等からなる反応空気(空気)供給装置と、水タンク21、ポンプ48、冷却部6c等からなる燃料電池冷却装置とを有している。燃料電池で発電された電力はDC/DCコンバータ(図示省略)で昇圧され、配電系統連繋インバータ(図示省略)を介して商用電源に接続される、一方、ここから、家庭や事務所等の照明や空調機その他の電気機器用の電力として供給される。このような燃料電池を用いた発電システムGSでは、例えば、燃料電池による発電時に発生する熱を利用して市水から温水を回収し、この温水を貯湯タンク50に蓄えて、風呂や台所等に供給する等、燃料電池に使用される燃料が持つエネルギの有効利用を図っている。
上記の燃料電池の改質ガス供給装置では、天然ガス、都市ガス、メタノール、LPG、ブタン等の原燃料ガスが燃料管1を経て脱硫器2に供給され、ここで原燃料ガスから硫黄成分が除去される。この脱硫器2を経た原燃料ガスが、昇圧ポンプ10で昇圧されて改質器3に供給される際に、水タンク21から水ポンプ22を経て熱交換器17で加熱された水蒸気と合流して、改質器3に供給される。この改質器3では、水素、二酸化炭素及び一酸化炭素を含む改質ガスが生成される。この改質器3を経たガスは、CO変成器4に供給され、ここでは改質ガスに含まれる一酸化炭素が二酸化炭素に変成される。このCO変成器4を経たガスは、CO除去器5に供給され、ここではCO変成器4を経たガス中の未変成の一酸化炭素が酸化されて二酸化炭素になる。CO除去器5を経て、一酸化炭素濃度が10ppm以下に低減された水素濃度の高いガス(改質ガス)が、固体高分子型の燃料電池本体6の燃料極に供給される。
このような構成の燃料電池では、この高濃度の改質ガス中の水素と、空気ポンプ11、水タンク21等を経て、空気極6kに供給された空気中の酸素との電気化学反応によって発電が行われ、電気化学反応の熱が発生する。燃料電池の冷却装置は、この反応熱等で燃料電池本体6が過熱しないようにするために、燃料電池本体6の燃料極6a、空気極6kに並置されており、冷却部6cに水タンク21の処理水を冷却水として、ポンプ48で循環させ、この冷却水で、燃料電池本体6内の温度が、発電に適した温度に保たれるように制御している。
改質器3における化学反応は吸熱反応であるので、バーナ12によって常時加熱しながら化学反応を行う必要がある。この加熱手段としてバーナ12が備えられている。バーナ12には、燃料管13を介して原燃料ガスが供給され、さらにファン14を介して燃焼空気が供給され、また、パイプ15を介して、燃料極6aから排出される未反応水素ガス(オフガス)が供給される。なお、図1では、バーナ12に供給される原燃料は燃料管1から直接供給されているが、脱硫器2を介してバーナ12に供給されてもよい。システムGSの起動時には、バーナ12に、燃料管13を介して燃料ガスが供給されると共に、ファン14を介して燃焼空気が供給されて燃焼が行われる。起動後に燃料電池本体6の作動が安定したときには、燃料管13からの燃料ガスの供給が断たれ、パイプ15を介してバーナ12にオフガスが燃料ガスとして供給される。
一方、CO変成器4、CO除去器5で行われる化学反応は発熱反応であるので、例えばCO除去器5では、システム起動時のみバーナ(図示せず)を燃焼させて燃焼ガスを発生させ、このとき発生した燃焼ガスの熱でCO除去器5の温度を反応温度まで昇温させる。その後は、自らの発熱反応の熱により反応温度が維持される。外部からは、必要に応じてCO変成器4およびCO除去器5が反応温度以上に昇温しないように冷却制御される。一旦、反応温度まで昇温した後は、発熱反応の熱により反応温度以上に昇温しないように冷却制御が行われる。このようにして改質器3、CO変成器4、CO除去器5及び燃料電池本体6では、所定の化学反応と発電が継続されるように反応温度が維持される。
反応空気供給装置では、ポンプ11によって水タンク21に送出された反応空気が、燃料電池本体6の空気極6kへ供給される前に水タンク21で加湿される。29はこのような反応空気を空気極6kに供給する際の補助ポンプである。なお、補助ポンプ29は省略することも可能である。反応空気の加湿は、後述するように、気相部53を形成し、かつ、水温を設定範囲に保たれた水タンク21内の水中に、空気ポンプ11からの空気を供給し、水中で泡立てつつ気相部53に送出することによって行われる。このようにして、燃料電池本体における反応が適度に維持されるように水分を与えられた後の反応空気が水タンク21から燃料電池本体6の空気極6kに供給される。
なお、本発明による燃料電池本体6の燃料極6aに供給される改質ガスへの水分の添加は、水タンク21からポンプ22及び熱交換器17を経て改質器3に供給される処理水の量を調節することによって調整される。熱交換器17に供給された処理水は、水蒸気になるので、例えば、改質器3に供給される水蒸気の量と原燃料ガスの量との比(S/C比)を、従来のS/C比である2乃至3の値よりも高めの値、例えば、3乃至4のS/C比となるように設定して、改質器3を出た改質ガスに含まれる水分量を増大させるとともに、COを除去された高濃度の水素ガスから水分が失われないように、CO除去器5を出た改質ガスを水分を除くことなく直接に燃料電池6に供給するようにすると(すなわち、S/C比を高めにすると)、反応用燃料ガス加湿のための独立した加湿装置を特別に付設しないでも燃料電池本体の燃料極6aに供給する改質ガスに適度の水分を与えることができる。
なお、CO除去器5と燃料電池本体6との間の管路が短い構造の電池のように、改質ガスの温度がCO除去器5を出るガスの温度と殆ど変わらない高温度のままで燃料電池本体6に流入し、これにより燃料電池本体6が高温になり過ぎて発電機能が低下したり、電池の電極部等を損傷するおそれがあるときは、CO除去器5と燃料電池本体6との間の管路70に熱交換器(図示せず)を設け、この熱交換器に水タンク21の水を流す等して改質ガスと熱交換させて改質ガスの温度調節をするようにするのが好ましい。
このような熱交換器を用いて、燃料電池本体6に流入する改質ガスの温度を、例えば、80℃以下に保つようにすれば、改質ガスの湿度はこの温度の飽和水蒸気圧をほぼ保った状態で燃料電池本体6に供給され、より多くの種類の構造の燃料電池について、熱的な弊害を伴わずに改質ガスへの水分の付与(湿度調節)を実現できるものである。水タンク21には、燃料電池本体6を循環する冷却水が水管を経て流入するばかりでなく、後述するように、燃料電池本体6の燃料極6a、空気極6kから排出される水等も貯えられ、このような水で燃料電池本体6に供給される反応用の空気を加湿して空気極6kに供給したり、冷却部6cに循環させて燃料電池本体6を冷却するように構成してもよい。
なお、このようにして水タンク21へ戻る水は、必ずしも燃料電池本体6からの水に限らず、このような燃料電池を備えた発電システムから生じてくるほぼ処理水に近い水であれば、再び水タンク21に戻して反応空気の加湿用の水として再利用して空気極に供給するようにできるものである。このため、水タンク21には、タンク内の上部に常に空気部分(気相部)53が形成されるように処理水の水位を保つ液面制御装置LC及び水タンク21内の水温を設定範囲に保つ温度調節手段TCとを有している。
液面制御装置LCは、水位計54と電動弁56の制御装置を備え、上記のようにして水タンク21内の水量を常時監視しつつ、反応用空気が、水タンク21の中を通過する際に、適度に加湿されて燃料電池本体6に供給されるようにするために、水タンク21内に処理水を蓄え、且つ、水タンクの上部に気相部53が形成されるように処理水量を制御する装置である。この液面制御装置LCは、後述する温度調節手段TCと共に、燃料電池や燃料電池を使用した発電装置GSの熱交換器に水を循環させるポンプを制御することによって設定水位を維持し、このような制御では水タンク内の設定水位を維持できないときは、電動弁56の開度を調節し、水道管52を経て水道等から供給される市水をもとに処理装置51のイオン交換装置で加工された処理水を導入して水タンク21内の水位を設定範囲に保つようにしている。なお、55は、水タンク21内に取付けられた水位計54による水位の検出が、ポンプ11から水タンク21に供給された空気の水中放出等を原因とする水面の乱れによって不安定になるのを防止する消波板である。
温度調節手段TCは、燃料電池本体6の空気極6kに反応空気を供給する際に、該反応空気を水タンク21の中に通すことにより、水タンク21で適度に加湿が行なえるように、水タンク21内の処理水の温度を、その上限値が燃料電池の作動温度に応じて変動するように調節する装置である。例えば、処理水は、60℃乃至80℃の範囲の温度範囲(設定温度)に保たれる。この水温制御は、必要に応じて、水タンク21に備えられた電気ヒータ等の加熱装置63を制御する等して行われる。温度調節装置TCによる水温制御は、反応空気に多量の水分を与える必要があるときは、設定温度を高めに設定し、少量でも電池が作動するときは、水温を低くした設定温度にする等、燃料電池に使用されている電極構造やセル構造に適した水分が反応空気に与えられるように処理水の温度が制御される。
改質器3とCO変成器4との間、CO変成器4とCO除去器5との間には、それぞれ熱交換器18、19が接続され、各熱交換器18、19には水タンク21の処理水が、ポンプ23、24を介して循環されることにより、これらの水で、改質器3、CO変成器4を経たガスがそれぞれ冷却される。改質器3の排気系31には、熱交換器17が接続され、この熱交換器17で水タンク21から供給された水が水蒸気化され、この水蒸気が、ポンプ10を通った原燃料ガスと混合して改質器3に供給される。一方、該排気系31には、熱交換器17の他に、別の熱交換器32が接続され、この熱交換器32には、上記貯湯タンク50の水が、ポンプ33を介して循環し、排熱回収が行われる。
34はプロセスガス(PG)バーナである。このPGバーナ34では、本燃料電池を備えた発電システムGSの起動時に、改質器3、CO変成器4、CO除去器5を経て得られる改質ガスの組成が、燃料電池本体6の運転に適した安定した組成の状態のガスとして燃料電池本体6に供給することができるようになるまでの間、このガスを燃焼させ、各反応器の作動が安定した後、燃料電池本体6に導入して発電を行う。燃料電池本体6で発電に使用できなかったオフガスは、当初PGバーナ34に導いて燃焼させ、燃料電池本体6の温度が安定した後は、燃料電池本体6からのオフガスはパイプ15を通じて、改質器3のバーナ12に導入して燃焼させる。
ここで、PGバーナ34の制御系について説明する。本発電システムの起動後、各反応器が温度的に安定するまでは、開閉弁91が閉じられ、開閉弁36が開かれる。これによって、改質ガスは管路35及び開閉弁36を通じてPGバーナ34に供給される。各反応器が温度的に安定した場合、今度は、燃料電池本体6の温度が安定するまで、開閉弁91、39が開かれ、開閉弁36、92が閉じられて、改質ガスが管路38及び開閉弁39を通じてPGバーナ34に供給され、そこで燃焼される。具体的には、燃料電池本体6の温度が規定温度(例えば、60℃)以上となり、改質器3、CO変成器4、CO除去器5等が温度的に安定した場合、今度は、燃料電池本体6の温度が作動温度(例えば、70℃〜80℃)近くの温度域で安定するまで、開閉弁91、39が開かれ、開閉弁36、92が閉じられて、燃料ガスが管路38及び開閉弁39を通じてPGバーナ34に供給され、そこで燃焼される。
燃料電池6の温度が作動温度で安定し、連続して発電が行われる状態になったときに、開閉弁91、92が開かれ、開閉弁36、39が閉じられて、燃料電池本体6で発電が行われる。燃料電池本体6において反応しなかったオフガスは管路15を経てバーナ12に供給されここで燃焼される。PGバーナ34の排気系45には、熱交換器46が接続され、この熱交換器46には、ポンプ47を介して、貯湯タンク50の水が循環されて熱回収が行われる。貯湯タンク50には水道管61を経て市水が供給される。この貯湯タンク50に供給された市水は、燃料電池発電システム(固体高分子型燃料電池を用いた発電システム)GSの排熱を回収して所定温度まで昇温され、この昇温された温水は、温水供給管62を通じて外部に給湯される。
図2は、本発明による固体高分子型燃料電池を利用した発電システムの第二の実施形態を示す図である。本実施形態は、燃料電池本体6の空気極6kから排出される反応空気からの熱回収装置(熱交換器27)と、水タンク21と貯湯タンク50との間に相互に熱の授受をすることができる熱交換器41とを有している点で図1に示す第一の実施形態と異なる。他の構成は図1と同様なので、それらについては、同じ図番や記号を付して、その説明を省略する。図2の実施形態による排熱回収は、熱交換器18、19、27、32、41、46及びポンプ23、24、28、33、42、43、47等を有し、水タンク21の処理水や貯湯タンク50内の温水を、これらのポンプを介して上記の熱交換器に循環させることにより熱回収が行われる。
27は、燃料電池本体6の反応空気排気系26に設けられた排熱回収用の熱交換器である。該熱交換器27には、ポンプ28によって、貯湯タンク50からの市水が循環されており、空気極6kから排出される70乃至80℃のガスから熱を回収し、貯湯タンク50に貯えらると同時に燃料電池本体6から排出されるガスを冷却している。41は水タンク21に付設された熱交換器であり、該熱交換器には、ポンプ42によって水タンク21の処理水が循環される一方、この処理水と混じらないようにして、ポンプ43によって、貯湯タンク50からの市水が循環されており、貯湯タンクの市水は、熱交換器41を介して水タンク21の処理水と適宜、熱の授受を行なうことができるようになっている。この熱交換器41による熱交換を介して、水タンク21の処理水の温度を調節することができる。この場合、図1で示されている温度調節手段TCを省略することも可能である。
図2の実施形態においては、電極に供給する反応空気の加湿のためにも水タンク21を使用しているので、水タンク21を通って空気極6kに供給される空気の加湿が適度に維持されるように、水タンク内の水温を設定温度の範囲に保つことが優先され、水タンク21内の温度が高くなり過ぎるようなときには、ポンプ42を駆動して、貯湯タンク50へ熱の移動ができるように、ポンプ42やポンプ43等を制御するようにしている。
図3は、本発明による固体高分子型燃料電池を利用した発電システムの第三の実施形態を示す図である。図3の実施形態においては、燃料電池本体6の空気極6kからの排出ガスの熱回収装置が備えられ、燃料電池本体6の冷却に冷媒や有機溶媒等の冷却媒体を使用できるようにした点が図1に示す実施形態と異なる。その他の構成は図1と同様な構成なので、それらについては、同じ図番や記号を付して、その説明を省略する。図3の実施形態による熱回収装置は、熱交換器18、19、32、46、58、64及びポンプ23、24、33、47、59、66等を有し、水タンク21の処理水や貯湯タンク50内の温水をこれらのポンプを介して熱交換器に循環させることにより熱回収が行われる。
58は燃料電池本体6の冷却部6cに付設された熱交換器であり、該熱交換器58には、例えば、エチレングリコール等の有機冷却媒体が、ポンプ57によって循環されて冷却部6cを循環し燃料電池本体内を冷却している。また、熱交換器58には、この有機冷却媒体と混じらないようにして、水タンク21の処理水がポンプ59によって循環され、燃料電池の冷却部6cの熱が水タンク21に回収されるようになっている。このような有機冷却媒体を燃料電池の冷却に使用することによって、電池の電極を効率良く冷却して電池の作動温度を発電効率の良い状態に保つことができ、併せて、電極に供給するガス(空気)の加湿のために使用されている水タンク21の水の温度を設定温度の範囲に保たつように温度調節装置TCで制御するようにしている。64は燃料電池本体6の空気極6kから排出される排ガスから熱を回収するための熱交換器であり、該熱交換器64には、ポンプ66によって水タンク21からの処理水がパイプ65を経て循環され、この排ガス中の熱を水タンク21に回収するようになっている。
図4は、本発明の固体高分子型燃料電池を利用した発電システムの第四の実施形態を示したものである。図4の実施形態においては、図1で示される第一の実施形態と同一部分に対しては同一の参照番号を付している。また、同一部分に関しては重複説明を避け、異なった部分のみ説明する。以下に説明する本発明の実施形態では、上述した第一乃至第三の実施形態の固体高分子型燃料電池において、燃料電池本体の燃料極および空気極で発生した水を利用する機構がさらに備えられた構成を特徴とするものである。図4で示される第四の実施形態の燃料電池では、処理水タンク21には、ポンプ23、24、48によって熱交換器18、19を経て戻る水や燃料電池本体の冷却部6cを循環する冷却水が水管73を経て流入する一方、処理水タンク21に水を供給する処理水補給装置68が接続されている。処理水補給装置68は、電動弁56と供給タンク67及びポンプ74等から構成されている。
供給タンク67は、市水補給装置69及び燃料電池本体6から生じる水を一旦貯えて処理水タンク21に水を供給できるようにしたタンクである。燃料電池本体6から生じる水には、例えば、燃料電池本体6の空気極6kから排出された水蒸気を含むガスを熱交換器71に導き、この熱交換器中をポンプ72によって貯湯タンク50との間を循環する水で冷却することによって得られたドレン水や燃料極6aから排出されたガスに含まれていた水分が回収される。水供給タンク67に回収される水は、必ずしも燃料電池本体6からの水に限らず、このような燃料電池を備えた発電システムGSから生じてくるドレン水でもよく、いずれの水も、一旦供給タンク67に入れて処理水タンク21に供給するようにしたものである。市水補給装置69は、電動弁76を有する水道管52を介して水源(市水)78に接続されており、上述した燃料電池本体6等から供給タンク67に流入する水量よりも供給タンク67から処理水タンク21に供給される水量の方が多い等、供給タンク67の水量が減って水位が低下したことを水位計79が検知したときに、液面制御装置77が電動弁76を開き、水源78の水圧を利用して水道管52、水処理装置51を経て供給タンク67に市水を補給し、処理水タンク21に水を供給するのに支障のない水量を保持する装置である。
本実施形態では、液面制御装置LCは、水位計54と電動弁56の制御装置を備えて水タンク21内の水量を常時監視しつつ、反応空気が、水タンク21の中を通過する際に、適度に加湿されて燃料電池6に供給されるようにするために、タンク21内に処理水を蓄え、且つ、タンクの上部に気相部53が形成されるように処理水量を制御し、水タンク21内の設定水位を維持できないときは、ポンプ74の運転を開始し、電動弁56の開度を調節して供給タンク67から処理水を導入し、水タンク21内の水位を設定範囲に保つようにしている。
図5は、本発明による固体高分子型燃料電池を利用した発電システムの第五の実施形態を示す図である。図5の実施形態においては、燃料電池本体6の冷却に冷媒や有機溶媒等の冷却媒体を使用できるようにした点及び供給タンク67と処理水タンク21との間に水処理装置51を配設した点が図4に示す実施形態と異なる。その他の構成は図1と同様な構成なので、それらについては、同じ図番や記号を付して、その説明を省略する。図5の実施形態による処理水補給装置68を有した固体高分子型燃料電池6において、58は燃料電池本体6の冷却部6cに付設された熱交換器であり、該熱交換器58には、例えば、エチレングリコール等の有機冷却媒体が、ポンプ57によって循環されて冷却部6cを循環し燃料電池内を冷却している。
また、熱交換器58には、この有機冷却媒体と混じらないようにして、処理水タンク21の処理水がポンプ59によって循環され、燃料電池の冷却部6cの熱が処理水タンク21に回収されるようになっている。このような有機冷却媒体を燃料電池の冷却に使用することによって、電池の電極を効率良く冷却して電池の作動温度を発電効率の良い状態に保つことができる。71は燃料電池本体の空気極6kから排出されるガスから熱及び水を回収するための熱交換器である。熱交換器71には、ポンプ72によって貯湯タンク50の水が循環され、循環水によって得られた熱は貯湯タンク50に貯えられる一方、冷やされた排ガスから凝縮して出てきたドレン水は、パイプ170を経て供給タンク67に回収されるようになっている。
図5の実施形態における処理水補給装置68においては、水処理装置51が、供給タンク67と処理水タンク21との間、特に、ポンプ74と電動弁56との間に配設されているので、液面制御装置LCが処理水タンク21内の水量の不足を水位計54によって検知して、電動弁56を開き、ポンプ74の駆動を開始すると、供給タンク67から補給される水の全てが水処理装置51で必ず水質を改善され、その後に処理水タンク21に供給される。図5の実施形態の電池に使用されている処理水補給装置68では、燃料電池の運転によって多量の水が失われず、電池から十分に水が回収され、かつ、回収された水は殆ど汚染されていないような構造の燃料電池という前提で、処理水タンク21に供給される補給水を全て水処理装置51に通水するようにしたものであり、最も簡単な構造の水回収と補給をする処理水補給装置を構成している。なお、燃料電池6の運転に伴って燃料電池系或いは発電システム系からの水や回収ドレン水量が減少したときは、第4図の実施形態と同様に、供給タンク67の液面制御装置77が電動弁76を制御して水源78から市水を供給タンク67に補給し、これをドレン水と共に処理水タンク21に供給して電池系等の水の不足を補う。
図6は、本発明による固体高分子型燃料電池を利用した発電システムの第六の実施形態の水回収と供給の要部を示す図である。図6の実施形態においては、燃料電池等で生じた水をパイプ170を介して一旦貯える供給タンクを設け、この供給タンク67から処理水タンク21に供給される水の水質が低下したときだけ、水処理装置51に通水するようにした点が図4及び図5に示す実施形態と異なる。その他の構成は図4及び図5と同様な構成なので、それらについては、同じ図番や記号を付して、その説明を省略する。図6の実施形態による処理水補給装置68を有した固体高分子型燃料電池において、80は供給タンクの水出口管81に取付けられた水質センサ、82は電動弁56をバイパスして設けられた水処理装置51側への通水を制御する電動弁、83は処理水タンク21側の給水管84から水処理装置51側への水の逆流を防ぐ逆止弁であり、処理水タンク21の液面制御装置LCは、水位計54及び水質センサ80からの信号を受けて、燃料電池等で必要とされている水量の水を供給タンク67から供給するようにポンプ74、電動弁56、82の作動の制御をするものである。
図6の実施形態においては、供給タンク67から処理水タンク21に補給される水の水質が燃料電池の運転等に支障のない水質であるときは、液面制御装置LCは、水位計54からの信号を受けてポンプ74及び電動弁56を作動させ、水処理装置51をバイパスして、必要とされている水量の水を供給タンク67からタンク21に供給する。逆に、補給される水の水質が燃料電池の運転等に影響を及ぼす可能性があるような水質になったときは、液面制御装置LCは、水位計54からの信号を受けてポンプ74及び電動弁82を作動(電動弁56は閉止)させ、水処理装置51で水処理をした後に必要とされている水量の水を処理水タンク21に供給するように機器を制御する。この水質の判断は、水の電導度計(図示せず)や水質センサ80によって供給タンク67からの給水ごとに検定をしても良いが、機器の構造を簡単にする場合には、電導度計などのセンサの代わりに、燃料電池6の運転時間や他の制御データを基に、水質の改善処理が必要と予想される時間サイクルを決め、その時間ごとに運転時間を決めて電動弁82を開き、水処理装置51に通水するようにしてもよい。
この実施形態の固体高分子型燃料電池では、電池で生じるドレン水等は、そのまま空気加湿、燃料ガスの改質や電池の冷却用として再供給してもそのまま使えるほどの水質であるという前提で供給タンク67から処理水タンク21に供給し、何回かこのような供給循環をしている中に水処理が必要となったときに水処理装置51に通水し、その後に処理水タンク21に供給するものである。従って、固体高分子型燃料電池に使用される水処理装置の使用頻度やイオン交換樹脂への通水時間を極力減らし、その寿命を長くしてイオン交換樹脂等の取替えの手間や固体高分子型燃料電池のメンテナンスの手間を少なくすることができる。
このように、本発明に係る固体高分子型燃料電池においては、燃料電池やこの燃料電池を備えた発電システム等の冷却に使用される冷却水を溜めていた水タンクに温度調節装置や液面制御装置を付加し、このような水タンク内に反応空気を通すように構成することによって、反応空気加湿用として独立した専用の加湿器を別途に設けなくても、反応空気に水分を与えて燃料電池の電極に供給することができるようになる。また、本発明では、ガスの加湿のための処理水の補給制御や処理水の回収装置も、従来のこの種の水タンクの装置が有していた冷却や熱回収のための水循環装置や水回収装置を殆どそのまま使用することができ、水蒸気を作るための気水分離装置と異なり、反応空気の加湿を簡便に行える加湿装置を備えた固体高分子型燃料電池を提供することができる。
また、以上のような構成の固体高分子型燃料電池や該電池を備えた発電システムでは、発電と熱利用のコジェネレーションシステムの形態を取り易いので、発電単独の効率ばかりでなく、このシステムに供給される燃料のエネルギの高度な有効活用を図ることができ、高い総合熱効率が得られるので、原燃料の消費量が減少し、二酸化炭素の排出量が低減される。特に、貯湯タンクや水タンクのように熱を貯える機能を有したタンクが、適宜、各タンクの熱を相互に授受することができるように構成されているときは、燃料電池を備えた発電システムで発生する熱によって水タンクの水を加熱する機構を構成させることもでき、燃料電池を備えたシステム系の熱を水タンクの加熱にも利用したり、水タンクの熱が余るときはこの熱を貯湯タンクに与える等、システム全体の熱を有効に活用しつつ、燃料電池本体の電極に供給する反応用のガスの簡便な加湿を実現できる。
また、本発明の固体高分子型燃料電池においては、燃料電池本体で生じる水の回収とこの水を燃料電池に再度使用する装置が、回収された水の水質を勘案しながら適宜、水処理をしつつ燃料電池に供給するようにしているので、イオン交換樹脂等の水処理装置の使用を最小必要限度に止めることができる。また、燃料電池で発生する水をできる限り再利用して、燃料電池における水処理を簡易化し、メンテナンスの手間等を少なくした固体高分子型燃料電池を提供することができる。更に、以上のような構成の固体高分子型燃料電池や該電池を備えた発電システムでは、燃料電池のメンテナンスが簡略化されるので、発電と熱利用のコジェネレーションシステムの形態を取り易く、燃料電池単独の発電効率ばかりでなく、このシステムで使用される水の有効な再利用及び供給される燃料のエネルギの有効活用に結びつけた固体高分子型燃料電池を提供することができる。
なお、以上の実施形態においては、いずれも、水タンク21からの処理水のすべてが、改質器3、燃料電池本体の空気極6kへの反応空気の加湿用水、冷却部6cへの冷却水として直接に供給し、使用される構成として説明をしたが、処理水の供給は燃料電池本体の一部(例えば燃料極または空気極)とか改質器だけへの供給でも良いし、図3,5の実施形態に示された熱交換器58への冷却水の供給のように、間接的に供給される構造でも良いことはいうまでもない。
上記各実施例では固体高分子型燃料電池の場合について述べたが、これに限定されるのは言うまでもなく、リン酸型、アルカリ型などの低温で運転するタイプの燃料電池についても同様に実施することができる。
1…燃料管、2…脱硫器、3…改質器、4…CO変成器、5…CO除去器、6…燃料電池本体(6a…燃料極、6c…冷却部、6k…空気極)、10…昇圧ポンプ、11…空気ポンプ、12…バーナ、13…燃料管、14…ファン、15…パイプ、17…熱交換器、18…熱交換器、19…熱交換器、21…水タンク(処理水タンク)、22…水ポンプ、23…ポンプ、24…ポンプ、26…反応空気排気系、27…熱交換器、28…ポンプ、29…補助ポンプ、31…排気系、32…熱交換器、33…ポンプ、34…PGバーナ、35…管路、36…開閉弁、38…管路、39…開閉弁、41…熱交換器、42…ポンプ、43…ポンプ、45…排気系、46…熱交換器、47…ポンプ、48…ポンプ、50…貯湯タンク、51…水処理装置、52…水道管、53…気相部、54…水位計、55…消波板、56…電動弁、57…ポンプ、58…熱交換器、59…ポンプ、61…水道管、62…温水供給管、63…加熱装置、64…熱交換器、65…パイプ、66…ポンプ、67…供給タンク、68…処理水補給装置、69…市水補給装置、71…熱交換器、72…ポンプ、73…水管、74…ポンプ、76…電動弁、77…液面制御装置、78…水源(市水)、79…水位計、80…水質センサ、81…水出口管、82…電動弁、83…逆止弁、84…給水管、91…開閉弁、92…開閉弁、152…処理水管、170…パイプ、GS…発電システム、RD…熱回収装置、LC…液面制御装置、TC…温度調節手段
Claims (1)
- 水素と酸素との電気化学反応により発電を行う燃料電池本体と、
前記燃料電池本体に前記酸素を供給する酸素供給部と、
前記水素を生成するとともに前記燃料電池本体に水素を供給する水素供給部と、
低電気伝導度を有する処理水を生成する水処理手段と前記酸素供給部に前記処理水を供給する第1の処理水供給手段と前記水素供給部に前記処理水を供給する第2の処理水供給手段と前記燃料電池本体を冷却する冷却手段とを有する処理水供給部と、
を有することを特徴とする固体高分子型燃料電池システム。
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