〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本発明の第1実施形態による燃料電池システム1を示す概略図である。図2は、本発明の第1実施形態による改質水貯留装置500を示す概略図である。
図1に示すように、第1実施形態の燃料電池システム1は、燃料電池2と、燃焼器21と、熱交換器3と、貯湯タンク4と、改質水貯留装置500と、改質器7と、セパレータ51と、不純物除去部52と、制御部8と、を備える。
また、燃料電池システム1は、オフガスラインL1と、熱交換水ラインL2と、温水使用ラインL3と、貯湯タンク給水ラインL4と、改質水循環ラインL5と、燃料供給ラインL61と、空気供給ラインL62と、改質ガス供給ラインL63とを備える。本明細書における「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
オフガスラインL1は、燃焼前オフガスラインL111と、燃焼後オフガスラインL112と、下流側オフガスラインL12とを有する。
燃焼前オフガスラインL111の一端部は、燃料電池2に接続されており、燃焼前オフガスラインL111の他端部は、燃焼器21に接続されている。燃料電池2から排出されるオフガスG1は、オフガスラインL1を通じて燃焼器21に供給される。
燃焼後オフガスラインL112の一端部は、燃焼器21に接続されており、燃焼後オフガスラインL112の他端部は、熱交換器3に接続されている。燃焼器21においてオフガスG1が燃焼されて生成された高温の燃焼ガスG2は、燃焼後オフガスラインL112を通じて熱交換器3に供給される。
下流側オフガスラインL12の一端部は、熱交換器3に接続されており、下流側オフガスラインL12の他端部は、燃料電池システム1の外部へ解放されている。下流側オフガスラインL12の途中には、セパレータ(気水分離器)51が接続されている。燃焼ガスG2は、セパレータ(気水分離器)51を介して排気ガスとして、下流側オフガスラインL12を流通して燃料電池システム1の外部へ排出される。
熱交換水ラインL2は、高温側ラインL21と、低温側ラインL22と、を有する。高温側ラインL21の一端部は熱交換器3に接続されており、高温側ラインL21の他端部は、貯湯タンク4に接続されている。高温側ラインL21は、熱交換器3により熱交換された高温の温水W1を貯湯タンク4に流通させる。熱交換水ラインL2としての高温側ラインL21には、高温の温水W1が流通することに限られず、例えば、低温又は常温の水が流通してもよいし、水道水が流通してもよい。
低温側ラインL22の一端部は、貯湯タンク4に接続されており、低温側ラインL22の他端部は、熱交換器3に接続されている。低温側ラインL22の途中には、ポンプ43が接続されている。低温側ラインL22は、ポンプ43の駆動により、貯湯タンク4に貯留されている温水W1を熱交換器3に流通させる。低温側ラインL22には、貯湯タンク4に貯留されている水W1(温水W1)が流通することに限られず、例えば、水道水が流通してもよい。
温水使用ラインL3の一端部は、貯湯タンク4に接続されており、温水使用ラインL3の他端部は、温水使用設備(図示せず)に接続されている。また、温水使用ラインL3の途中には、ポンプ44が接続されている。温水使用ラインL3及びポンプ44は、貯湯タンク4内の温水W1を外部へ排出する温水排出手段を構成する。ポンプ44が駆動することにより、温水使用ラインL3は、貯湯タンク4に貯留されている温水W1を温水使用設備(図示せず)に流通させる。
貯湯タンク給水ラインL4の一端部は、供給水W2の供給源(図示せず)に接続されており、貯湯タンク給水ラインL4の他端部は、貯湯タンク4に接続されている。貯湯タンク給水ラインL4の途中には、ポンプ45が接続されている。貯湯タンク給水ラインL4は、供給水W2の供給源(図示せず)からの供給水W2を貯湯タンク4に流通させる。供給水W2は、低温、常温又は高温の水でもよいし、水道水でもよい。
改質水循環ラインL5は、凝縮水供給ラインL51と、改質水供給ラインL52と、バイパスラインL53と、補給水補給ラインL55と、を有している。
凝縮水供給ラインL51の一端部は、セパレータ51に接続されており、凝縮水供給ラインL51の他端部は、改質水貯留装置500に接続されている。凝縮水供給ラインL51は、燃焼ガスG2中に混在している水(ドレン水)を、セパレータ51により燃焼ガスG2から分離して凝縮水W3として改質水貯留装置500へ流通させる。即ち、凝縮水供給ラインL51には、オフガスG1から生成された燃焼ガスG2が熱交換器3において熱交換されて得られた凝縮水W3(改質水W3)が、流通する。
改質水供給ラインL52の一端部は、改質水貯留装置500に接続されており、改質水供給ラインL52の他端部は、改質器7に接続されている。また、改質水供給ラインL52の途中には、改質水供給ラインL52の一端部側から他端部側に向かって、圧力センサ53、不純物除去部52、ポンプ55がこの順でそれぞれ接続されている。ポンプ55の駆動により、改質水供給ラインL52は、改質水貯留装置500の改質水タンク510(貯留タンク部)に貯留された改質水W3を、改質器7に向けて送出し流通させる。
バイパスラインL53の一端部は、分岐部J3において、改質水供給ラインL52の改質水W3の流れにおける、不純物除去部52よりも上流側における改質水供給ラインL52の部分に接続されている。バイパスラインL53の他端部は、分岐部J4において、不純物除去部52よりも下流側における改質水供給ラインL52の部分に接続されている。
バイパスラインL53の途中には、流通切換え部としての電磁弁54が設けられている。電磁弁54は、制御部8による制御により、改質水供給ラインL52における改質水W3をバイパスラインL53に流通させるか、又は、不純物除去部52に流通させるか、の切換えを行う。具体的には、電磁弁54は、制御部8と電気的に接続されており、制御部8による制御により開閉することにより、バイパスラインL53における改質水W3の流通/遮断を切り替える。
補給水補給ラインL55の一端部は、供給水W4の供給源(図示せず)に接続されており、補給水補給ラインL55の他端部は、分岐部J1において、改質水供給ラインL52に接続されている。より具体的には、補給水補給ラインL55の他端部は、改質水供給ラインL52の部分であって、改質水貯留装置500の下流側且つ、不純物除去部52の上流側の部分に接続されている。
補給水補給ラインL55の途中には、ポンプ56が接続されている。補給水補給ラインL55は、ポンプ56の駆動により、供給水W4の供給源(図示せず)からの供給水W4を改質水貯留装置500に流通させる。供給水W4の供給源(図示せず)、補給水補給ラインL55、及び、ポンプ56は、凝縮水供給ラインL51及び改質水貯留装置500を介さずに改質水供給ラインL52に水を改質水として補給する補給水補給手段を構成する。また、補給水補給ラインL55は、ポンプ55と、改質水貯留装置500と、の間の改質水供給ラインL52の部分に接続されて水(供給水W4)を流通させる補給水補給ラインを構成する。供給水W4は、低温、常温又は高温の水でもよいし、水道水でもよい。
燃料供給ラインL61の一端部は、都市ガス等の燃料G3を供給可能な燃料供給部(図示せず)に接続されており、燃料供給ラインL61の他端部は、改質器7に接続されている。燃料供給ラインL61は、燃料供給部(図示せず)からの燃料G3を改質器7へ流通させる。
空気供給ラインL62の一端部は、空気A1を燃料電池2に供給するためのブロワ(図示せず)及びフィルタ(図示せず)に接続されている。空気供給ラインL62の他端部は、燃料電池2に接続されている。空気供給ラインL62は、ブロワ及びフィルタを通過した空気A1を、燃料電池2に流通させる。
改質ガス供給ラインL63の一端部は、改質器7に接続されており、改質ガス供給ラインL63の他端部は、燃料電池2に接続される。改質ガス供給ラインL63は、改質器7において生成された水素を含む改質ガスG4を、燃料電池2に向けて流通させる。
燃料電池2は、SOFC(固体酸化物形燃料電池)により構成されている。燃料電池2においては、改質器7から供給される水素を含む改質ガスG4と、空気供給ラインL62から供給される空気A1中の酸素とが反応することにより、発電が行われる。燃料電池2において発電を行うときの温度である運転温度は、700℃〜1000℃と高温である。燃料電池2によって発電された電気は、パワーコンディショナ(図示せず)に送られ、AC電圧に変換される。
燃焼器21は、バーナーや炉等により構成される。燃焼器21では、燃焼前オフガスラインL111を通して供給されたオフガスG1が燃焼されて、即ち、アノードオフガス及びカソードオフガスが燃焼されて、高温の燃焼ガスG2が生成される。
熱交換器3は、燃料電池2から排出されたオフガスG1から生成された燃焼ガスG2と、熱交換水ラインL2を流通する温水W1等との間で熱交換する。即ち、熱交換器3は、燃焼器21から供給される高温の燃焼ガスG2の熱を、低温側ラインL22を流通した貯湯タンク4からの温水W1に伝達させる。これにより、燃焼ガスG2中には、水(ドレン水)が混在した状態となる。セパレータ51は、熱交換器3における熱交換により生成され燃焼ガスG2中に混在している水を、燃焼ガスG2から分離し、改質水W3として改質水貯留装置500へ流通させる。
貯湯タンク4は、熱交換器3に熱交換水ラインL2を介して接続されている。貯湯タンク4は、熱交換水ラインL2を構成する高温側ラインL21を流通する、熱交換器3により熱交換された温水W1を貯留する。貯湯タンク4に貯留された温水W1は、ポンプ43により低温側ラインL22を通して熱交換器3に向けて送り出される。
改質水貯留装置500は、後述する改質器7に供給される水である改質水W3を貯留する。改質水貯留装置500は、図2に示すように、貯留タンク部としての改質水タンク510と、予備タンク部520と、予備タンク部520を開封する開封機構部530と、第1水位検出センサ501と、第2水位検出センサ502と、基準水位検出部としての開封水位検出センサ503と、制御部8と、を備える。制御部8は、改質水貯留装置500及び燃料電池システム1において共通の制御部である。
改質水タンク510は、改質水W3が貯留される貯留空間511を有する。改質水タンク510は、凝縮水供給ラインL51(図1参照)を介して流通した凝縮水を、貯留空間511に、改質水W3として貯留する。
予備タンク部520は、改質水タンク510の上部に配置される。予備タンク部520は、その下部に開口を有し、開口が下方を向いた状態で、改質水タンク510の上部に配置されている。
予備タンク部520は、改質水タンク510に、予備の改質水W31を補給する。予備タンク部520の内部には、改質水タンク510に補給する予備の改質水W31が収容されている。予備タンク部520に収容されている予備の改質水W31の水量は、燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了させるまでの発電を可能とする量である。
予備タンク部520は、例えば、合成樹脂製のペットボトル(PET(ポリエチレンテレフタラート)ボトル)や、金属製の飲料ボトル等である。予備タンク部520として、身近にあるボトル等を利用できるため、予備タンク部520を容易に準備することができる。
予備タンク部520は、その下部に、その内部と外部とを区画するシール部521を有する。予備タンク部520は、予備の改質水W31が収容されて、その内部に気体が実質的に存在しない状態で、シール部521により封止されている。シール部521は、例えば、予備タンク部520の開口の全域を塞ぐシート状の部材である。
第1水位検出センサ501は、フロートスイッチにより構成されており、改質水タンク510内の上部に配置されている。第1水位検出センサ501は、改質水タンク510の内部の第1水位H1を検出する。第1水位検出センサ501は、改質水タンク510に貯留された改質水W3の水位が、第1水位検出センサ501の配置されている位置である第1水位H1を上回っているか否かを検出する。
第2水位検出センサ502は、フロートスイッチにより構成されており、改質水タンク510内の下部に配置されている。第2水位検出センサ502は、改質水タンク510の内部の、第1水位H1よりも低い第2水位H2を検出する。第2水位検出センサ502は、改質水タンク510に貯留された改質水W3の水位が、第2水位検出センサ502の配置されている位置である第2水位H2を上回っているか否かを検出する。
第1水位検出センサ501及び第2水位検出センサ502は、制御部8と電気的に接続されている。第1水位検出センサ501及び第2水位検出センサ502により検出された改質水タンク510内の改質水W3の水位は、制御部8へ検出信号として送信される。
開封水位検出センサ503は、後述する開封機構部530のフロート部材110により構成されており、フロート部材110の上下方向の移動により、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことを検出でき、又は、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下ではなくなったことを検出できる。開封水位検出センサ503は、例えば、フロート部材110が水位の移動によって回転することによるフロート部材110の傾きを検出するセンサや、フロート部材110に接続される固定ワイヤー部材111(後述)の傾きを検出するセンサなどにより、水位が基準水位K以下になったことを検出でき、又は、水位が基準水位K以下ではなくなったことを検出できる。基準水位Kは、例えば、第2水位検出センサ502により検出される第2水位H2よりも低い水位である。
開封水位検出センサ503は、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことが検出された場合に、又は、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下ではなくなった場合に、その情報を制御部8へ検出信号として送信する。
開封機構部530は、貯留空間511の内部の水面に浮かぶフロート部材110と、シール部521を機械的に開封する開封部材120と、フロート部材110と開封部材120とを連結する連結機構部130と、を有する。開封機構部530は、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になった場合に、開封部材120がシール部521を突き破るように、各構成部材(フロート部材110、開封部材120、連結機構部130)の形状や長さや位置などが設定されている。
フロート部材110は、固定ワイヤー部材111により改質水タンク510の内部の側壁に接続されている。フロート部材110は、貯留空間511の内部の水面の上下方向の移動により上下方向に移動して、貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことを検出する基準水位検出部としての機能を有する。開封機構部530は、基準水位検出部としてのフロート部材110により貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことが検出された場合に、機械的に予備タンク部520を開封する。本実施形態においては、「機械的に予備タンク部520を開封する」における「機械的」とは、電気的な手段を用いないことを意味する。災害や事故等により、電気の供給が止まる可能性があるためである。
開封部材120は、例えば、先端側が尖った針状の針部材により構成される。開封部材120及びシール部521においては、開封部材120がシール部521に対して徐々に侵入しても、シール部521が一気に破けて、予備タンク部520の開口の全域から予備の改質水W31が補給されるように構成される。開封部材120がシール部521に対して徐々に侵入した場合にシール部521が一気に破ける構成は、例えば、開封部材120の侵入により裂けるゴム製の素材でシール部521を形成したり、開封部材120の先端を鋭利な刃物状に構成したりすることで実現される。
連結機構部130は、フロート部材110の上下方向の移動に連動して、開封部材120をシール部521に接近させる方向と、開封部材120をシール部521から離れる方向と、に移動可能に構成される。連結機構部130は、開封部材120をシール部521に接近させる場合には、フロート部材110の下降に連動して、シール部521が開封されるまで開封部材120をシール部521に接近させる。
連結機構部130は、紐部材131と、回動棒部材132と、上下移動ロッド部133と、を備える。
紐部材131は、紐状に形成され、上下方向に延びる。紐部材131の下端部は、フロート部材110に接続される。紐部材131の上端部は、回動棒部材132の一端部に接続される。
紐部材131は、フロート部材110が水面の上下方向の移動に連動して移動した場合に、連動して上下方向に移動する。紐部材131は、フロート部材110が下方に移動した場合には、回動棒部材132の紐部材131側の一端部側を下方に引っ張る。紐部材131は、フロート部材110が上方に移動した場合には、回動棒部材132の紐部材131側の一端部が上方に位置する側に付勢されているため、フロート部材110が水面上に位置した状態で、上方に引っ張られる。
回動棒部材132は、剛性を有する棒状に構成され、回動軸Jを中心に回動可能に構成される。回動棒部材132は、紐部材131側の一端部が上方に位置する側に付勢されている。回動棒部材132の一端部は、紐部材131の上端部に接続される。回動棒部材132の他端側は、上下移動ロッド部133の貫通孔134に挿入される。
上下移動ロッド部133は、回動棒部材132の回動運動を上下方向の直線運動に変更する。上下移動ロッド部133の貫通孔134には、回動棒部材132の他端側が挿入される。上下移動ロッド部133は、貫通孔134に貫通した回動棒部材132の回動に伴って、上下方向に移動する。上下移動ロッド部133の上端部には、開封部材120が取り付けられている。上下移動ロッド部133は、不図示のガイド部材により、上下方向に沿って移動可能にガイドされている。
開封部材120の後端部は、上下移動ロッド部133に接続される。開封部材120の先端側は、シール部521側において、シール部521に対向して配置される。
以上のように構成される連結機構部130においては、フロート部材110の上下方向の移動に連動して、紐部材131が上下方向に移動する。紐部材131の上下方向の移動に連動して、回動棒部材132が回動軸Jを中心に回動する。回動棒部材132の回動に連動して、上下移動ロッド部133が上下方向に移動する。上下移動ロッド部133の上下方向の移動に連動して、開封部材120が上下方向に移動する。これにより、開封部材120は、シール部521に接近する方向、又は、シール部521から離れる方向に移動可能である。
ここで、開封機構部530は、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になった場合に、開封部材120がシール部521を突き破るように、各構成部材(フロート部材110、開封部材120、連結機構部130)の形状や長さや位置などが設定されている。その結果、開封部材120は、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になった場合に、シール部521を突き破り、予備タンク部520を開封する。
不純物除去部52は、混床イオン交換樹脂(ポリッシャ)を有している。不純物除去部52は、改質水供給ラインL52を流通する改質水W3から不純物を除去して、改質水W3を浄化(純水化)する。
不純物除去部52においては、混床イオン交換樹脂(ポリッシャ)は、長手方向の長さが短い4本の柱状のカラム(容器)に収容されている。4本の柱状のカラムは、平行な位置関係を有して1つのカラム固定板に固定されてアッセイ化されている。改質水W3が4本のカラムの内部を順番に流通するように、4本の柱状のカラムは、直列的に接続されている。
圧力センサ53は、不純物除去部52へ流入する改質水W3の圧力を検出する。圧力センサ53は、制御部8と電気的に接続されており、検出した改質水W3の圧力は、制御部8へ検出信号として送信される。
改質器7は、触媒を有している。改質水供給ラインL52を通して供給される改質水W3と、燃料供給ラインL61を通して供給される燃料G3とは、改質器7の触媒上で反応する。この反応により、改質器7において、改質ガスG4が生成される。生成された改質ガスG4は、改質ガス供給ラインL63を通して燃料電池2に供給される。
報知装置58は、音や光等により報知を行うアラーム等により構成される。報知装置58は、制御部50による制御により駆動され報知を行う。
制御部8は、CPU(図示せず)と記憶媒体(図示せず)とを主として有している。記憶媒体には、前述のように、制御部8に電気的に接続された各部に対して、各種の制御を行うためにCPUを動作させるためのプログラムがそれぞれ記憶されている。また、制御部8は、ポンプ43、44、45、55、56、電磁弁54、及び、報知装置58等に電気的に接続されており、ポンプ43、44、45、55、56、電磁弁54、及び、報知装置58等に対して駆動及び駆動停止(電磁弁54の場合には、開閉)の制御を行う。
例えば、制御部8は、改質水供給ラインL52の改質水W3の流れにおける、不純物除去部52よりも上流側における改質水供給ラインL52の部分の改質水W3の圧力が所定の圧力よりも高い場合には、改質水供給ラインL52における改質水W3をバイパスラインL53に流通させるように、流通切換え部としての電磁弁54に対して制御を行う。
具体的には、制御部8は、圧力センサ53により検出された改質水W3の圧力が所定の圧力を超える場合には、電磁弁54を開いた状態として、改質水W3をバイパスラインL53に流通させる。制御部8は、圧力センサ53により検出された改質水W3の圧力が所定の圧力以下の場合には、電磁弁54を閉じた状態として、バイパスラインL53における改質水W3の流通を遮断する。
また、制御部8は、供給水W4を補給する制御を行う。具体的には、改質水タンク510の中の改質水W3の水位が第2水位H2を下回ったことを、第2水位検出センサ502が検知したときに、供給水W4を改質水供給ラインL52に補給するように補給水補給手段としてのポンプ56を制御する。
また、制御部8は、開封水位検出センサ503により貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことが検出された場合に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を行う。
制御部8は、開封水位検出センサ503により貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことが検出された後に、開封水位検出センサ503により貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下ではなくなったことが検出された場合に、停止処理をキャンセルする。
また、制御部8は、算出部81を有する。算出部81は、開封水位検出センサ503により貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことが検出された場合に、開封機構部530により予備タンク部520が開封されて予備の改質水W31が改質水タンク510に補給された後における燃料電池2の稼働可能期間を算出する。
制御部8は、算出部81により算出される稼働可能期間が完了する前に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了させるように、燃料電池システム1を制御する。
以下、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になった場合における改質水貯留装置500の動作及び制御部8による制御について、図3を参照して説明する。図3は、本発明の第1実施形態における改質水貯留装置500の動作及び制御部8による制御を示すフローチャートである。
ステップS101において、開封水位検出センサ503(フロート部材110)は、改質水W3の水位が基準水位K以下になったか否かを検出する。改質水W3の水位が基準水位K以下になったことを、開封水位検出センサ503が検出した場合(YES)には、処理は、ステップS102に移行する。改質水W3の水位が基準水位K以下になっていないことを、開封水位検出センサ503が検出した場合(NO)には、処理は、ステップS101を繰り返す。
ステップS102において、改質水W3の水位が基準水位K以下になっているため、改質水貯留装置500の開封機構部530は、機械的に予備タンク部520を開封する。具体的には、改質水W3の水位が基準水位K以下である場合には、フロート部材110は、改質水W3の水位が下降することに連動して下方に移動することにより、開封機構部530を介して、開封部材120を、予備タンク部520のシール部521を破る位置まで上方に移動させる。
これにより、開封部材120がシール部521を破り、予備タンク部520に収容された予備の改質水W31は、改質水タンク510に補給される。
ステップS103において、算出部81は、予備の改質水W31が改質水タンク510に補給された後における燃料電池2の稼働可能期間を算出する。
ステップS104において、制御部8は、燃料電池システム1の稼働の停止処理を行う。燃料電池システム1の稼働の停止処理とは、燃料電池システム1の稼働を直ちに停止させずに、燃料電池システム1の稼働の停止処理の開始を行うことである。
また、制御部8は、稼働設定時間に達した場合に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了させるために、内部のタイマによる計時を開始する。稼働設定時間は、例えば、算出部81により算出される稼働可能期間が完了するよりも所定時間前の時間である。制御部8は、内部のタイマによる計時が稼働設定時間に達した場合には、燃料電池システム1の停止処理を完了させる。
ステップS105において、開封水位検出センサ503(フロート部材110)は、改質水W3の水位が基準水位K以下ではなくなったか否かを検出する。改質水W3の水位が基準水位K以下でなくなったことを、開封水位検出センサ503が検出した場合(YES)には、処理は、ステップS106に移行する。改質水W3の水位が基準水位K以下でなくなっていないことを、開封水位検出センサ503が検出した場合(NO)には、処理は、ステップS107に移行する。
ステップS106において、燃料電池システム1の稼働の停止処理をキャンセルする。これにより、燃料電池システム1は、停止されずに、継続して運転される。この場合には、予備タンク部520の予備の改質水W31は、改質水タンク510に補給されて空になっている。そのため、作業者やメンテナンス装置(不図示)は、空になった予備タンク部520を予備の改質水W31が収容された新たな予備タンク部520に交換するか、又は、予備の改質水W31を予備タンク部520に再度収容して封止する。ステップ106の後に、処理は終了する。
ステップS107において、制御部8は、燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了したか否かを判定する。燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了した場合(YES)には、処理は、終了する。燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了していない場合(NO)には、処理は、ステップS105に戻る。
第1実施形態の改質水貯留装置500によれば、以下の効果を得ることができる。
第1実施形態の改質水貯留装置500は、燃料電池2と、燃料電池2に供給される改質ガスG4を生成する改質器7と、改質器7に供給される水である改質水W3を貯留する改質水貯留装置500と、改質水供給ラインL52と、改質ガス供給ラインL63と、を備える燃料電池システム1を構成する改質水貯留装置500であって、改質水W3が貯留される貯留空間511を有する改質水タンク510と、予備の改質水W31が収容されて封止されている予備タンク部520と、貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことを検出するフロート部材110と、フロート部材110により基準水位K以下になったことが検出された場合に、機械的に予備タンク部520を開封する開封機構部530と、を備える。
そのため、フロート部材110により基準水位K以下になったことが検出された場合に、予備タンク部520に収容される予備の改質水W31を、改質水タンク510に補給できる。これにより、改質水W3を貯留する改質水タンク510への給水が停止しても、改質器7に改質水W3を補給できる。従って、燃料電池2のセルスタック等の破損を抑制できる。
本実施形態においては、開封水位検出センサ503(フロート部材110)により基準水位K以下になったことが検出された場合に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を行う制御部8を備える。そのため、改質水タンク510の水位が基準水位K以下になっても、予備の改質水W31が改質水タンク510に補給されるため、燃料電池システム1は、即座に停止されない。これにより、燃料電池2のセルスタック等の破損を抑制した状態で、燃料電池システム1を安全に停止できる。
本実施形態においては、開封水位検出センサ503(フロート部材110)により基準水位K以下になったことが検出された後に、開封水位検出センサ503(フロート部材110)により貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下ではなくなったことが検出された場合に、制御部8は、停止処理をキャンセルする。これにより、貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下ではなくなった場合に、燃料電池システム1を停止させずに、継続して運転できる。
本実施形態においては、開封水位検出センサ503(フロート部材110)により基準水位K以下になったことが検出された場合に、開封機構部530により予備タンク部520が開封されて予備の改質水W31が改質水タンク510に補給された後における燃料電池2の稼働可能期間を算出する算出部81を、更に備え、制御部8は、算出部81により算出される稼働可能期間が完了する前に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了させるように、燃料電池システム1を制御する。
これにより、改質水タンク510に貯留される改質水W3の量を把握して、改質水W3がなくなる直前まで、燃料電池システム1を運転することができる。また、改質水W3がなくなる前までに、燃料電池システム1の停止処理を確実に完了できる。
本実施形態においては、予備タンク部520は、その下部に、その内部と外部とを区画するシール部521を有し、開封機構部530は、貯留空間511の内部の水面に浮かぶフロート部材110と、シール部521を機械的に開封する開封部材120と、フロート部材110と開封部材120とを連結し、フロート部材110の下降に連動してシール部521が開封されるまで開封部材120をシール部521に接近させる連結機構部130と、を有する。そのため、フロート部材110の上下方向の移動に連動して、開封部材120は、シール部521を破って、予備タンク部520を開封できる。これにより、簡易な構成で、予備タンク部520に収容される予備の改質水W31を、改質水タンク510に補給できる。
本実施形態においては、予備タンク部520に収容されている予備の改質水W31の水量は、燃料電池システム1の稼働の停止処理を完了させるまでの発電を可能とする量である。そのため、予備タンク部520に収容されている予備の改質水W31を改質水タンク510に補給することで、燃料電池システム1の稼働の停止処理の完了まで発電が可能である。これにより、燃料電池2のセルスタック等を破損させずに、燃料電池システム1の停止処理を安全に完了できる。
本実施形態においては、予備タンク部520は、その内部に気体が実質的に存在しない状態で、封止されている。そのため、予備タンク部520は、気体に触れない状態で、予備の改質水W31を保存することができる。これにより、予備の改質水W31の水質が良好な状態で、予備の改質水W31を保存できる。
燃料電池システム1は、燃料電池2から排出されたオフガスG1(燃焼ガスG2)と熱交換水ラインL2を流通する温水W1との間で熱交換する熱交換器3と、オフガスG1(燃焼ガスG2)が熱交換器3において熱交換されて得られた凝縮水W3が流通する凝縮水供給ラインL51と、を更に備え、改質水タンク510は、凝縮水供給ラインL51を介して供給される凝縮水W3を改質水W3として貯留する。そのため、凝縮水W3を改質水W3として改質器7で利用できるため、外部からの水の供給を必要としない燃料電池システム1を実現できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について、図4を参照して説明する。図4は、本発明の第2実施形態による改質水貯留装置500Aを示す概略図である。
第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。このため、第1実施形態と同一(又は同等)の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第2実施形態において特に説明しない点については、第1実施形態の説明が適宜に適用される。
第1実施形態においては、改質水貯留装置500は、予備タンク部520を1つ備えている。これに対して、第2実施形態においては、改質水貯留装置500Aは、予備タンク部520を複数備えている。
詳述すると、図4に示すように、第2実施形態の改質水貯留装置500Aは、第1実施形態の改質水貯留装置500が1つの予備タンク部520を備えているのに対して、第1予備タンク部520a、第2予備タンク部520b及び第3予備タンク部520cの3つの予備タンクを備えている。また、改質水貯留装置500Aは、第1予備タンク部520a、第2予備タンク部520b及び第3予備タンク部520cにそれぞれ対応して、第1フロート部材110aを有する第1開封機構部530a、第2フロート部材110bを有する第2開封機構部530b、及び、第3フロート部材110cを有する第3開封機構部530cを備える。
第2実施形態の第1フロート部材110a、第2フロート部材110b,第3フロート部材110cは、第1実施形態のフロート部材110と比べて、貯留空間511の内部の水位を検出する基準水位が異なる。
第1フロート部材110aは、貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下になったことを検出する。第1開封機構部530aは、基準水位検出部としての第1フロート部材110aにより貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下になったことが検出された場合に、機械的に第1予備タンク部520aを開封するように構成されている。具体的には、第2実施形態の第1開封機構部530aの開封部材120aの上下方向の長さは、貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下になったことが検出された場合に、機械的に第1予備タンク部520aを開封するような長さに設定されている。
第2フロート部材110bは、貯留空間511の内部の水位が第2基準水位K2以下になったことを検出する。第2開封機構部530bは、基準水位検出部としての第2フロート部材110bにより貯留空間511の内部の水位が第2基準水位K2以下になったことが検出された場合に、機械的に第2予備タンク部520bを開封するように構成されている。第2基準水位K2は、第1基準水位K1よりも低い水位である(第2基準水位K2<第1基準水位K1)。具体的には、第2実施形態の第2開封機構部530bの開封部材120bの上下方向の長さは、貯留空間511の内部の水位が第2基準水位K2以下になったことが検出された場合に、機械的に第2予備タンク部520bを開封するような長さに設定されている。
第3フロート部材110cは、貯留空間511の内部の水位が第3基準水位K3以下になったことを検出する。第3開封機構部530cは、基準水位検出部としての第3フロート部材110cにより貯留空間511の内部の水位が第3基準水位K3以下になったことが検出された場合に、機械的に第3予備タンク部520cを開封するように構成されている。第3基準水位K3は、第2基準水位K2よりも低い水位である(第3基準水位K3<第2基準水位K2)。具体的には、第2実施形態の第3開封機構部530cの開封部材120cの上下方向の長さは、貯留空間511の内部の水位が第3基準水位K3以下になったことが検出された場合に、機械的に第3予備タンク部520cを開封するような長さに設定されている。
また、第2開封機構部530bは、第2予備タンク用ロック板531bを有する。第2予備タンク用ロック板531bは、第2予備タンク部520bのシール部521と第2開封機構部530bの開封部材120bとの間に位置する防御位置と、第2予備タンク部520bのシール部521と第2開封機構部530bの開封部材120bとの間から退避する退避位置と、に移動可能に構成される。第2予備タンク用ロック板531bは、第1予備タンク部520aを開封する位置に移動した第1開封機構部530aの動作に連動して、防御位置から退避位置へ移動する。第2予備タンク用ロック板531bは、第1予備タンク部520aが開封されるまで開封されないように、防御位置に配置され、第1予備タンク部520aの開封後において、退避位置に移動される。
第2予備タンク用ロック板531bが第1開封機構部530aの動作に連動して移動する構成としては、第1予備タンク部520aを開封する位置に移動した場合に第1開封機構部530aから信号を出力するセンサを設けて、第1開封機構部530aから出力される信号に基づいて電気的に制御してもよいし、第1開封機構部530aの動作に機械的に連動させて移動させるように構成してもよい。
また、第3開封機構部530cは、第3予備タンク用ロック板531cを有する。第3予備タンク用ロック板531cは、第3予備タンク部520cのシール部521と第3開封機構部530cの開封部材120cとの間に位置する防御位置と、第3予備タンク部520cのシール部521と第3開封機構部530cの開封部材120cとの間から退避する退避位置と、に移動可能に構成される。第3予備タンク用ロック板531cは、第2予備タンク部520bを開封する位置に移動した第2開封機構部530bの動作に連動して、防御位置から退避位置へ移動する。第3予備タンク用ロック板531cは、第2予備タンク部520bが開封されるまで開封されないように、防御位置に配置され、第2予備タンク部520bの開封後において、退避位置に移動される。
第3予備タンク用ロック板531cが第2開封機構部530bの動作に連動して移動する構成としては、第2予備タンク部520bを開封する位置に移動した場合に第2開封機構部530bから信号を出力するセンサを設けて、第2開封機構部530bから出力される信号に基づいて電気的に制御してもよいし、第2開封機構部530bの動作に機械的に連動させて移動させるように構成してもよい。
以上のように構成される第2実施形態においては、第1フロート部材110a,第2フロート部材110b及び第3フロート部材110cが、第1基準水位K1、第2基準水位K2、第3基準水位K3の順に水位を検出することにより、3つの予備タンク部520a,520b,520cをこの順に開封することができる。
また、第2予備タンク用ロック板531bにより、第2予備タンク部520bは、第1予備タンク部520aが開封されるまでは、開封されないように構成されている。第3予備タンク用ロック板531cにより、第3予備タンク部520cは、第2予備タンク部520bが開封されるまでは、開封されないように構成されている。これにより、3つの予備タンク部520a,520b,520cを確実にこの順に開封することができる。
また、開封水位検出センサとして、第1フロート部材110aにより構成される第1開封水位検出センサ503aと、第2フロート部材110bにより構成される第2開封水位検出センサ503bと、第3フロート部材110cにより構成される第3開封水位検出センサ503cと、を有する。第1開封水位検出センサ503a,第2開封水位検出センサ503b及び第3開封水位検出センサ503cは、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下,第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になったことを検出でき、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下,第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下ではなくなったことを検出する。
また、制御部8は、第1開封水位検出センサ503a,第2開封水位検出センサ503b及び第3開封水位検出センサ503cにより貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下、第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になったことが検出された場合に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を行うことができる。
ここで、制御部8は、貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下、第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になったことが検出された場合に、第1基準水位K1以下、第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になった場合における制御を異ならせてもよい。
例えば、制御部8は、貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下及び第2基準水位K2以下になった場合に、報知装置58により報知を行うように制御され、貯留空間511の内部の水位が第3基準水位K3以下になった場合に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を行うように制御することもできる。
この場合には、貯留空間511の内部の水位が燃料電池システム1の稼働の停止処理を行う第3基準水位K3以下になる前において、第1基準水位K1以下及び第2基準水位K2以下の水位になった場合に、改質水タンク510の改質水W3の量が少なくなったことを、早めに報知させることができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の第3実施形態による改質水貯留装置500Bを示す概略図である。
第3実施形態では、主に第2実施形態との相違点について説明する。このため、第2実施形態と同一(又は同等)の構成については同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。また、第3実施形態において特に説明しない点については、第2実施形態の説明が適宜に適用される。
第3実施形態の改質水貯留装置500Bは、第2実施形態では3つのフロート部材110a,110b,110cを備えるのに対して、フロート部材としての統合フロート部材110dを1つ備える点において、第2実施形態の改質水貯留装置500Aとは異なる。
詳述すると、第3実施形態の改質水貯留装置500Bは、1つの統合フロート部材110dを備える。1つの統合フロート部材110dは、貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下、第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になったことを検出する(第1基準水位K1>第2基準水位K2>第3基準水位K3)。
具体的には、第2実施形態の改質水貯留装置500Aと同様に、第3実施形態の第1開封機構部530aの開封部材120aの上下方向の長さは、貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下になったことが検出された場合に、機械的に第1予備タンク部520aを開封するような長さに設定されている。第3実施形態の第2開封機構部530bの開封部材120bの上下方向の長さは、貯留空間511の内部の水位が第2基準水位K2以下になったことが検出された場合に、機械的に第2予備タンク部520bを開封するような長さに設定されている。第3実施形態の第3開封機構部530cの開封部材120cの上下方向の長さは、貯留空間511の内部の水位が第3基準水位K3以下になったことが検出された場合に、機械的に第3予備タンク部520cを開封するような長さに設定されている。
第3実施形態の改質水貯留装置500Bは、第2実施形態の3つの開封機構部530a,530b,530cの連結機構部130の紐部材131の下端部が接続される結合部材135と、結合部材135と統合フロート部材110dとを接続する結合紐部材136と、を備える。結合部材135は、水平方向に延びており、水平状態で上下方向に移動可能に、不図示のガイド部材によりガイドされている。
以上のように構成される第3実施形態においては、1つの統合フロート部材110dが、第1基準水位K1、第2基準水位K2、第3基準水位K3の順に水位を検出することにより、3つの予備タンク部520a,520b,520cをこの順に開封することができる。
また、第3実施形態においては、開封水位検出センサとして、1つの統合フロート部材110dにより構成される統合開封水位検出センサ503dを有する。統合開封水位検出センサ503dは、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下,第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になったことを検出でき、改質水タンク510の貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下,第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下ではなくなったことを検出する。
また、制御部8は、統合開封水位検出センサ503dにより貯留空間511の内部の水位が第1基準水位K1以下、第2基準水位K2以下又は第3基準水位K3以下になったことが検出された場合に、燃料電池システム1の稼働の停止処理を行うことができる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。
例えば、前記実施形態では、制御部8を燃料電池システム1の構成としたが、これに制限されない。制御部8を改質水貯留装置の構成としてもよい。
また、前記実施形態では、予備タンク部の数を1つ又は3つとしたが、これに制限されない。予備タンク部の数は、2つ又は4つ以上としてもよい。
また、前記第1実施形態では、開封水位検出センサ503をフロート部材110により構成して、貯留空間511の内部の水位が基準水位K以下になったことが検出された場合に、制御部8へ検出信号として送信するように構成したが、これに制限されない。フロート部材110が、開封機構部530が機械的に予備タンク部520を開封するために、基準水位K以下になったことを検出する基準水位検出部として機能する場合には、制御部8へ検出信号を送信するように構成しなくてもよい。即ち、フロート部材110の下方への移動のみで、制御部8からの制御なしで、開封機構部530は、機械的に予備タンク部520を開封することができる。