JP2005251662A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池の冷却材の不純物濃度を低下させる高純度装置の有効処理寿命を延ばすと共に、凝縮水の移動を補助するポンプ等の動力機器の削減を目的とした、低価格で簡便な燃料電池システムの提供する。
【解決手段】 本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池1と、燃料電池1から排出されるガスから回収される水が蓄えられる凝縮水タンク6と、燃料電池1内に流す冷媒が蓄えられる冷媒タンク3と、凝縮水タンク6と冷媒タンク3とを接続する補給配管5とを備えいる。さらに、凝縮水タンク6に蓄えられている凝縮水の液面位置と、冷媒タンク3に蓄えられている冷媒の液面位置との差に起因して、凝縮水タンク6に蓄えられている凝縮水の一部が、補給配管5を介して、冷媒タンク3に供給される。
【選択図】図1

Description

この発明は、燃料電池システムに関する発明である。
従来の燃料電池システムとして、特許文献1に開示されているものがある。
特許文献1では、燃料電池から排出されるガスから凝縮水を取り出し、当該凝縮水を凝縮水タンク内に蓄えていた。そして、凝縮水タンクとイオン交換装置(高純度化装置)との間で凝縮水を循環させることにより、凝縮水の純度は高い状態に保たれている。そして、当該純度の高い凝縮水は、燃料ガスの生成に使用されると共に、燃料電池の冷媒としても使用されていた。
つまり、特許文献1では、燃料ガスの生成に使用される水も、燃料電池の冷媒と使用さえる水も、同じ凝縮水タンクから供給されており、同じ純度の水が、燃料ガスの生成、燃料電池の冷却のために、使用されていた。
また、特許文献1の第1図では、凝縮水タンク内の凝縮水の一部をポンプを用いて一旦冷却水タンクに移し、冷却水タンクと燃料電池との間に凝縮水(冷媒)を循環させる発明が開示されている。
特開2003−249255号公報
しかし、上記特許文献1に開示されている発明では、燃料電池から排出されるガスから回収される凝縮水の全部を、凝縮水タンクとイオン交換装置(高純度化装置)との間で循環させることにより、当該凝縮水の清浄化が行われていた。よって、イオン交換装置(高純度化装置)の有効処理寿命が短命となるという問題があった。
また、特許文献1の図1に開示されているように、凝縮水タンク内の凝縮水の一部を冷却水タンクに移すために、ポンプ等の動力機器を要していた。したがって、燃料電池システム全体の価格が効果とならざるを得ず、システム全体の構造の複雑化も避けられなかった。
そこで、この発明は、高純度化装置の有効処理寿命を長命化させることが可能な、安価で簡易な燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池から排出されるガスから回収される水が、蓄えられる第一のタンクと、前記燃料電池内に流す冷媒が蓄えられる第二のタンクと、前記第一のタンクと前記第二のタンクとを接続する第一の配管とを、備えており、前記第一のタンクに蓄えられている前記水の液面位置と、前記第二のタンクに蓄えられている前記冷媒の液面位置との差を利用して、前記第一のタンクに蓄えられている前記水を、前記第一の配管を介して、前記第二のタンクに供給する。
本発明の請求項1に記載の燃料電池システムは、燃料電池と、前記燃料電池から排出されるガスから回収される水が、蓄えられる第一のタンクと、前記燃料電池内に流す冷媒が蓄えられる第二のタンクと、前記第一のタンクと前記第二のタンクとを接続する第一の配管とを、備えており、前記第一のタンクに蓄えられている前記水の液面位置と、前記第二のタンクに蓄えられている前記冷媒の液面位置との差を利用して、前記第一のタンクに蓄えられている前記水を、前記第一の配管を介して、前記第二のタンクに供給するので、例えば、第一のタンク内の水の純度と第二のタンク内の冷媒の純度とを、別個に管理処理することが可能となる。また、両タンク内の液面差に起因した水圧差を利用して、第一のタンクから第二のタンク内へ水の一部を補給している。よって、当該水の一部の移動に際して、ポンプ等の動力機器を要しない。つまり、低コストで、かつ簡便なシステム構成により、第一のタンクから第二のタンクへの水の補給を行うことができる。
以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る燃料電池システムの構成の要部(冷却水系およびその周辺構造)を表した模式図を示す。
図1に示すように、燃料電池1には、閉ループ状の冷媒ライン2が設けられている。閉ループ状の冷媒ライン2には、燃料電池1のほかに、冷媒が蓄えられている冷媒タンク(第二のタンクと把握できる)3、冷媒を燃料電池1と冷媒タンク3との間で循環させる冷媒ラインポンプ4とが、各々接続されている。
また、冷媒タンク3は、補給ライン(第一の配管と把握できる)5を介して、凝縮水が蓄えられる凝縮水タンク(第一のタンクと把握できる)6に接続されている。
また、冷媒タンク3には、閉ループ状の高純度化ライン7が接続されている。閉ループ状の高純度化ライン7には、冷媒タンク3のほかに、冷媒タンク3内の冷媒の純度を高める高純度化装置8と、冷媒タンク3と高純度化装置8との間で冷媒を循環させる高純度化ラインポンプ9とが、各々接続されている。さらに、冷媒タンク3内には、熱交換器10が設置されている。
なお、補給ライン5には、図示していないが配管開閉手段が配設されている。また、高純度化装置8としては、例えばイオン交換樹脂を充填したボンベ等が用いられる。
凝縮水タンク6には、補給ライン5とは別に、凝縮水ライン11、余分な凝縮水を排水するためのオーバーフローライン(第二の配管と把握できる)12、および燃料処理装置13に原料水となる凝縮水を供給するための原料水供給ライン14が、各々配設されている。
また、原料水供給ライン14上には、原料水供給ポンプ15が設けられている。なお、原料水供給ライン14内を流れる凝縮水を原料水と称する。
上記燃料電池システムにおいて、燃料電池1は、図示していないカソード側に空気が供給され、図示していないアノード側に燃料ガスが供給され、電気化学反応によって発電が行われるものである。当該発電のとき燃料電池1内で発熱が生じる。
したがって、燃料電池1の内部温度を70℃から80℃程度に保つために、冷媒ポンプ4を用いて冷媒タンク3中の冷媒を冷媒ライン2を通じて循環させる。これにより、燃料電池1は、所定の温度範囲(70℃から80℃程度)での運転を継続して行うことができる。
ここでは、燃料電池1および冷媒ライン2には、加湿器は含まれていないとする。なお、カソード側に供給する空気の加湿には、図示していないが温湿度交換型加湿器が用いられる。
ここで、温湿度交換型加湿器とは、燃料電池1から排出される高温高湿の空気と、燃料電池1に供給される低温低湿の空気(普通の空気)との間での、温湿度交換を可能とするための装置であり、当該温湿度交換型加湿器により、低温低湿の空気に対して、加湿を行うことができる。
また、本実施の形態では、冷媒として水を採用するが、その他にエチレングリコール等の不凍液を用いても良い。
冷媒は、燃料電池システム運転中あるいは停止中に蒸発によって総量が減少する。したがって、所定量の冷媒が、バッファとしての冷媒タンク3に貯留されている。また、要求される燃料電池1の運転温度は70℃ないし80℃程度であり、また燃料電池1全体にわたっての均温化が要求される。したがって、冷媒の温度は、要求される燃料電池1の運転温度に相応した温度に制御される必要がある。
具体的には、冷媒が燃料電池1に温度約70℃で流入し、燃料電池1内での熱交換により当該冷媒が約75℃にまで温度上昇して、燃料電池1から流出されたとする。
このとき、冷媒タンク3に約75℃の冷媒が流入され(冷媒ライン2内での放熱は無視できるものとする)、当該温度の冷媒が流入した分、冷媒タンク3内の冷媒の温度が上昇する。そして、上記冷媒の循環動作を続けているうちに、冷媒タンク内の冷媒の温度も約75℃程度まで上昇する。
しかし、70〜75℃範囲内で、燃料電池1全体を均温化させるためには、冷媒タンク3から燃料電池1に向かって流出させる冷媒の温度は、約70℃であることを要する。そこで、冷媒タンク3内に熱交換器10を設置する。当該熱交換器10により、冷媒タンク3内の冷媒の温度は、約70℃まで冷却される。
熱交換器10内には水道水が流されており、冷媒との熱交換により温水となった当該水道水は、熱交換器10から排出され、貯湯槽等に蓄えられる。当該貯湯槽等に蓄えられたお湯は、別の用途で利用しても良い。
なお、上記のように冷媒は、70℃ないし75℃程度の温度を有するが、燃料電池1全体にわたっての均温化という機能上、ここでは冷媒と呼ぶこととする。
ところで、燃料電池1からは、カソードオフガスおよびアノードオフガスが排出され、どちらのガス内にも水分が含まれている。カソードオフガス中の水分は、上記温湿度交換型加湿器により、燃料電池1に供給される空気の加湿に用いられる。しかし、カソードオフガスは、なお相当量の水分を含んだ状態で、温湿度交換型加湿器から排出される。当該水分を水回収器内(図示せず)で凝縮させることにより、凝縮水を得ることができる。そして、当該凝縮水は、凝縮水ライン11を通して凝縮水タンク6に貯留される。
凝縮水タンク6からは、凝縮水の一部が原料水として、原料水供給ライン14を経て、燃料処理装置13へ供給される。当該原料水の供給は、原料水供給ポンプ15によって、行われる。燃料処理装置13では、原料水および炭化水素あるいはアルコール類などの原燃料の供給を受けて、燃料電池1に供給される燃料ガスが生成される。
また、凝縮水タンク6の側面上部には、凝縮水の一部を排出するためのオーバーフローライン12が設けられている。また、凝縮水タンク6の別の側面上部には、凝縮水の一部を凝縮水タンク6から冷媒タンク3へ補給するための補給ライン5が設けられている。なお、上述の通り補給ライン5には、図1には図示していないが配管開閉手段が配設されている。
次に、図1を参照しながら、燃料電池システムの動作について説明する。
燃料電池1のカソード側に空気を供給し、アノード側に燃料ガスを供給し、当該燃料電池1内で電気化学反応を起こさせる。当該電気化学反応により、燃料電池1の発電が実現される。
燃料電池1の発電の結果、当該燃料電池1からは、カソードオフガスおよびアノードオフガスが排出される。これらのガスを水回収器(図示せず)内に回収し、当該水回収器内において、当該ガスに含まれている水分を凝縮させ、凝縮水の回収を行う。
上記回収された凝縮水は、凝縮水ライン11を通して凝縮水タンク6に貯留される。ここで、凝縮水ライン11を通して送られてくる凝縮水の導電率は、定常状態において10〜20μS/cm程である。
ここで、凝縮水には、燃料電池1の運転中にイオンが含有され、当該イオンが多く含有される程純度は低い。ところで、凝縮水中のイオンの量が増加すると、凝縮水自体の導電率は上昇する。よって、凝縮水の導電率が高いほど、当該凝縮水の純度は低いことを意味する。
凝縮水タンク6に貯留された凝縮水は、原料水として燃料処理装置10へ送られると共に、冷媒タンク3へと送られる。また、凝縮水タンク6内の凝縮水がオーバーフローしないように、オーバーフローライン11から凝縮水の一部を排出する。
よって、通常の運転または停止状態において、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面レベルは、オーバーフローライン11の接続位置に保たれる。
図2に、凝縮タンク6と当該凝縮水タンク6に接続されている各ラインとの断面図を示す。
図2に示すように、凝縮水ライン11は、凝縮水タンク6の上部において接続されている。また、オーバーフローライン12は、凝縮水タンク6の右側面上部において接続されている。また、補給ライン5は、凝縮水タンク6の左側面上部において接続されている。さらに、原料水供給ライン14は、凝縮水タンク6の右側面下方において接続されている。
ここで、補給ライン5の接続位置は、オーバーフローライン12の接続位置よりも下方である。
通常の燃料電池システムの運転では、凝縮水ライン11から凝縮水タンク6内に供給される凝縮水の量は、約13〜15cc/minである。また、凝縮水タンク6から燃料処理装置13へ送出される原料水の量は、約12cc/minである。また、燃料電池システム運転中あるいは停止中に、蒸発する冷媒の量は、平均0.1cc/min以下である。よって、冷媒タンク3内の冷媒の不足を補うためには、凝縮水タンク6から冷媒タンク3内に送出される凝縮水の量は、約0.1cc/min以下であることを要する。
凝縮水タンク6に対する上記各流量を見て分かるように、供給される凝縮水の量が、送出する凝縮水の量より上回っている。これは、燃料電池1の発電動作により水が発生するからである。よって、余剰の凝縮水を凝縮水タンク6から排出させるために、オーバフローライン12が凝縮水タンク6の側面の上部に接続されている。
このように、オーバーフローライン12を通して余分な凝縮水を排出することにより、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面レベルは、オーバフローライン12の接続位置に保たれる。
さて、凝縮水タンク6内の凝縮水の一部は、原料水供給ポンプ15により、原料水供給ライン14を通って燃料処理装置13内に供給される。ここで、凝縮水タンク6内の凝縮水は、高純度化処理が成されていない。したがって、燃料処理装置13内に供給される原料水の導電率は、凝縮水タンク6内の導電率と同じく、10〜20μS/cmである。
なお、当該導電率(つまり、純度が低い)の原料水が、燃料処理装置13内に供給されたとしても、燃料ガスの生成には、全く影響がないことが分かっている。
燃料処理装置13では、原料水および、炭化水素あるいはアルコール類などの原燃料の供給を受けて、燃料電池1に供給する燃料ガスを生成する。そして、当該生成された燃料ガスは、燃料電池1のアノード側に供給される。
一方、凝縮水タンク6内の凝縮水の一部は、補給ライン5を通って冷媒タンク3へ補給される。ここで、当該補給は、ポンプ等の動力機器を用いず、凝縮水タンク6に蓄えられている凝縮水の液面位置と、冷媒タンク3に蓄えられている冷媒の液面位置との差に起因して、行われる。
つまり、両液面の差が不均一の場合には、両端タンク3,6間において、当該液面差を解消する方向の圧力(水圧)が生じる。当該圧力(水圧)に従って、凝縮水タンク6から冷媒タンク3に凝縮水の一部が補給させるのである。したがって、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面位置は、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置よりも高いことを要する。
さて、冷媒タンク3に存する冷媒(本実施の形態では水)は、冷媒ポンプ4により、途中に燃料電池1を通り、冷媒ライン2内を循環する。冷媒が燃料電池1内に送り込まれることにより、燃料電池1全体にわたっての均温化が達成される。
また、冷媒タンク3内には、冷水を用いた熱交換器10が配設されており、当該熱交換器10により、冷媒タンク3内の冷媒の温度は、約70℃まで冷却させる(または、70℃付近で保たれている)。
ところで、燃料電池1の運転中に、冷媒を冷媒ライン2内を循環させることにより、燃料電池1、冷媒ライン2、あるいは冷媒タンク3等において生じる溶出イオン等の影響により、冷媒の導電率は、一時間当たり0.1〜0.3μS/cmの割合で上昇する。
冷媒の導電率上昇は、燃料電池1の発電性能低下および耐久性への悪影響を及ぼす。そのため、冷媒タンク3内において冷媒の導電率が5μS/cm程度以上となったら、高純度化ラインポンプ4を作動させて、高純度化装置8により冷媒を高純度化すなわち導電率の低減を行う。
冷媒が高純度化装置8を通ることにより、当該冷媒の導電率は、約1μS/cm以下にまで低下させられる。
当該導電率低減処理は、高純度化装置8が高温(70℃程度以上)の冷媒処理対応の場合には、随時行うことが可能である。また、高温の冷媒処理対応でない場合には、発電停止後、冷媒タンク3内の冷媒温度が低下してから行えば良い。
あるいは、高温の冷媒処理対応でない場合で、燃料電池システム運転中に行う場合には、高純度化ライン7内の高純度化装置8の上流位置に冷却部分(図示せず)を設けて、冷媒の温度を低下させてから、高純度化装置8に当該温度低下された冷媒を導入するなど種々の方法が用いることができる。
いずれにしても、燃料電池1の発電中には、冷媒の導電率は約5μS/cm以下に保たれていることを要する。
以上のように、本実施の形態に係る燃料電池システムを採用することにより、凝縮水タンク14内の凝縮水の液面と冷媒タンク3内の冷媒の液面との差に起因した力を用いて、凝縮水タンク14内の凝縮水の一部を、凝縮水タンク6から冷却タンク3内に補給することができる。
したがって、凝縮水タンク6内の凝縮水の一部を冷媒タンク3内に、ポンプなどの動力機器を用いずに供給することができるので、安価で簡易な燃料電池システムにより、冷媒タンク3への凝縮水の補給を行うことができる。
さらに、本実施の形態に係る燃料電池システムでは、冷媒タンク3のみに高純度化装置8が接続されているので、特許文献1に開示されている発明の様に、全ての凝縮水を高純度処理することなく、凝縮水タンク6から補給される一部の凝縮水を高純度化処理することができる。よって、高純度化装置8(詳しくは、消耗品であるイオン交換樹脂等)の寿命を長命化させることができる。
たとえば、特許文献1に係る発明では、導電率10〜20μS/cm程度の凝縮水の全て(約13〜15cc/minの割合で供給される凝縮水の量)と、冷媒ライン循環中に導電率上昇(一時間当たり0.1〜0.3μS/cm程度導電率上昇)した冷媒とを、高純度化装置により、導電率が約1μS/cm以下になるまで、当該凝縮水の高純度化処理をさせる必要があった。
しかし、本実施の形態では、導電率10〜20μS/cm程度の凝縮水の一部(0.1cc/minの割合で補給される凝縮水の量)と、冷媒ライン7循環中に導電率上昇(一時間当たり0.1〜0.3μS/cm程度導電率上昇)した冷媒とを、高純度化装置により、導電率が約1μS/cm以下になるまで、当該冷媒を高純度化させるだけでよい。
なお、凝縮水タンク6内の凝縮水のほとんどは、原料水として燃料処理装置13へと供給され、当該原料水の導電率は定常状態において10〜20μS/cmであるが、上記したように、当該原料水の導電率レベルは、燃料処理装置13での燃料ガスの生成には全く影響がない。
上記実施の形態においては、凝縮水は、燃料電池1のアノードオフガスおよびカソードオフガスから回収していたが、どちらか一方からの回収だけでもよく、あるいは改質器の燃焼排ガスからの回収と組み合わせてもよい。
また、冷媒ライン2あるいは燃料電池1に加湿器(水を蒸発させて、当該蒸気を燃料電池1に供給される気体に含有させる装置)を含まない構成としたが、これに限るものではなく、燃料電池1に加湿器が一体型に併設されているものでもよい(この場合は、加湿器の動作には水が必要となるので、冷媒には不凍液ではなく純水が用いられることになる)。
ただしこの場合は、冷媒タンク3内の冷媒(水)は加湿器の動作にも用いられるので、冷媒タンク3内に補給される凝縮水の量が、当該加湿器を併設した分だけ増加する。したがって、加湿器を併設した場合には、上述の温湿度交換型加湿器(燃料電池1から排出される空気を加湿に再利用する装置)を用いる構成の場合よりも、上記高純度化装置8の長寿命化という効果は、多少減殺される。
しかし、それでもなお、従来の技術と比較した場合には、高純度化装置8の長寿命化効果を有する。
<実施の形態2>
図3に、本実施の形態に係る冷媒タンク3内および凝縮水タンク6内の構成を表す断面図を示す。ここで、図1,2で説明した部材と同一または相当の部材は、図3において、図1,2で付した符号と同一の符号を付している。なお、両タンク3,6以外の燃料電池システムの構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
凝縮水タンク6において、補給ライン5の配設位置は、オーバフローライン12の配設位置よりも1〜2cm程度低くなっている。通常、燃料電池システム運転中は、凝縮水タンク6内の位置A(つまり、オーバーフローライン12の接続位置)に凝縮水の液面が存する。
その他の凝縮水タンク6に接続されている各ライン11,14等の構成は、実施の形態1で説明した通りなので、ここでの説明は省略する。
補給ライン5の一端は、冷媒タンク3内に配設されており、当該補給ライン5の一端の開口部は、下向きになっている。また、補給ライン5の他端は、凝縮水タンク6の側面部に接続されている。なお、通常の状態において、補給ライン5の一端は、冷媒タンク3内において冷媒の液面よりも上方に配置されている。
また、冷媒タンク3内には、らせん状の管が配設されており、当該管に水を流すことにより、水と冷媒との間で熱交換が行われ、冷媒の温度をさげる。つまり、らせん状の管により熱交換器10が構成されている。
その他の冷媒タンク3に接続されている各ライン2,7等の構成は、実施の形態1で説明した通りなので、ここでの説明は省略する。
本実施の形態では、配管開閉手段20は、冷媒タンク3内に設けられている。また、配管開閉手段20は、冷媒タンク3内の冷媒液面の上下変動に応じて浮動するフロートを用いたフロート式開閉手段である。図3に示すように、配管開閉手段20は、フロートガイド21とフロート22とで構成されている。
以下、配管開閉手段20について、具体的に説明する。
冷媒タンク3において、補給ライン5の一端は、フロートガイド21と接続している。フロートガイド21は中空であり、冷媒タンク3内において上下方向に延設されている。また、フロートガイド21の本体部は、円柱状である。
なお、フロートガイド21の本体部の内径は、補給ライン5の内径よりも大きい。また、フロートガイド21の補給ライン5との接続部分は、略円錐形状をなしており、補給ライン5の接続部に近づくに連れてフロートガイド21の内径は徐々に狭くなっている。最終的に、フロートガイド21の端部は、補給ライン5の一端と同じ径となって、補給ライン5の一端と接続している。
さらに、フロートガイド21の略円錐形状の部分は、シリコン等の弾性体で構成されている。
フロートガイド21の内部には、冷媒の液面の上下変動に応じて浮動するフロート22が存する。フロート22は、例えば中空の球形であり、その径の大きさは、補給ライン5の内径よりも大きい。また、フロート22は、例えばステンレス製である。
冷媒の液面が上昇すると、これに応じてフロート22は、フロートガイド21内を上方向へと浮動する。そして、フロートガイド21の円錐形状部分において、フロートガイド21とフロート22とのシール性が確保される。すなわち、フロートガイド21内でのフロート22の前記動作により、配管開閉手段20の機能を担保している。
また、フロートガイド21の外側側面部に、例えば磁気式のレベルセンサ検出部23を設けても良い。このとき、フロート22として磁性体を用いる。
冷媒タンク3内の冷媒の液面が下がり、これに伴ってフロート22がレベルセンサ検出部23の高さにまで下がった場合、レベルセンサ検出部23はフロート22の磁性に反応して、冷媒の液面がレベルセンサ検出部23の設置位置まで下がっていることを検出する。
レベルセンサ検出部23が、上記液面レベルを検出した場合には、例えば燃料電池システムの動作を停止させる。
次に、凝縮水タンク6から冷媒タンク3への凝縮水の補給、および配管開閉手段20等の動作について説明する。
冷媒タンク3内の冷媒の液面が位置Bにあり、フロート22がフロートガイド21の上部を閉止いる状態から、冷媒が蒸発していくと、冷媒の液面が位置Bの位置から低下し始める。ここで、凝縮水の液面の位置Aよりも、冷媒の液面の位置Bの方が下方に存する。
すると、当該冷媒の液面の低下に応じて、フロート22は、フロートガイド21の内部を下方向に浮動する。つまり、配管開閉手段20が補給ライン5を開くのである。
そうすると、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面位置と冷媒タンク3内での冷媒の液面位置との差(今の場合、冷媒の液面の方が凝縮水の液面より下方に存する)に起因して、凝縮水タンク6から冷媒タンク3内に、凝縮水の一部が補給ライン5を通って流れ込む(補給される)。
冷媒タンク3内に、凝縮水が補給されると、冷媒タンク3内の冷媒の液面は徐々に上昇する。当該冷媒の液面の上昇に伴い、フロートガイド21内のフロート22も徐々に上方向へと浮動していき、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置が位置Bに達した時点で、フロート22は、フロートガイド21の上部を閉止する。つまり、配管開閉手段20が補給ライン5を閉止するのである。
当該動作により、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は、位置Bで保たれる。
なお、配管開閉手段20の閉止性が良好となるよう、凝縮水の液面位置Aと冷媒の液面位置Bとの差は、数cm程度であることが望ましい。なぜなら、当該液面差が大きいと、フロート23の浮力よりも凝縮水の補給水圧の方が高くなり、補給ライン5の閉止性が保持できなくなるからである。
ところで、何かの不具合により、補給ライン5から正常に凝縮水が補給されない場合には、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は低下しつづける。ここで、冷媒の液面位置がレベルセンサ検出部23の配設位置にまで達すると、当該レベルセンサ検出部23は、フロート22を感知し、異常であると判断して燃料電池システムを停止させる。
なお、レベルセンサ検出部23の配設位置は、任意に選択することができる。例えば、熱交換器10による冷媒の冷却を重視する場合には、以下の位置にレベルセンサ検出部23を設置すればよい。
つまり、冷媒タンク3内の冷媒の液面が下がると、冷媒と熱交換器(らせん状の管)との接触面積が減少し、冷媒を所定の温度まで有効に低下させることが出来なくなる。これを防止するために、有効に冷媒の温度を低下させることができる最低限の位置にレベルセンサ検出部23を設置すれば、冷媒液面の当該設置レベル以下での燃料電池システムの運転の継続を防止することができる。
なお、レベルセンサ検出部23が動作した場合に、燃料電池システムの停止の代わりに、アラーム等でユーザに警告を促すようにしても良い。
以上のように、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面レベルが冷媒タンク3内の液面レベルよりも上位になるように燃料電池システムを構成し、冷媒タンク3内に上記構成の配管開閉手段20(フロートガイド21、フロート22)を設けたので、ポンプ等の動力機器を用いず、簡易で低コストのシステムにより、凝縮水タンク6から冷媒タンク3内への凝縮水の補給および補給の停止を実施することができる。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を有することは、言うまでもない。
また、フロート22の存在を感知することにより動作するレベルセンサ検出部23をフロートガイド21の側面部に設けたので、簡易な構成により、冷媒の液面レベルを的確に検出することができる。
なお、冷媒として水でなく不凍液を用いた場合には、凝縮水の補給によりその濃度は徐々に薄まるものの、その速度は非常に緩やかなので、冷媒の凍結防止効果を長時間奏することができる。
また、図3において、冷媒タンク3よりも凝縮水タンク6の方を上方の位置に配置させているが、凝縮水液面よりも冷媒液面の方が下方に位置しており、オーバーフローライン12の凝縮水タンク6での接続位置より補給ライン5の接続位置の方が下方に位置しているなら、両タンク3,6の配置位置は、上記に限る必要は無く、例えば両タンク3,6の底面が同一高さとなるように配置しても良い。
<実施の形態3>
図4に、本実施の形態に係る冷媒タンク3および凝縮水タンク6の断面図を示す。ここで、図1,2で説明した部材と同一または相当の部材は、図4において、図1,2で付した符号と同一の符号を付している。なお、両タンク3,6以外の燃料電池システムの構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施の形態に係る燃料電池システムの構成は、実施の形態2に係る燃料電池システムの構成とほぼ同じであるが、配管開閉手段の構成および配設位置等の点において異なる。その他の構成については、実施の形態2で説明した構成と同様である。
なお、図4には、簡略化のために、冷却タンク3内に配設されている熱交換器の図を省略している。
図4に示している様に、本実施の形態では、配管開閉手段31は、補給ライン5の中途の位置に配設されている。当該配管開閉手段31は、例えば電気制御可能な電磁弁である。
また、冷媒タンク4内側面の所定の高さには、レベルセンサ検出部32が設けられている。レベルセンサ検出部32は、電磁弁である配管開閉手段31と連動している。
つまり、配管開閉手段31が補給ライン5を閉止している状態において、レベルセンサ検出部32が配設されている位置(図4では、位置C)にまで冷媒の液面が低下すると、レベルセンサ検出部32はON状態となり、当該センサ32は、電磁弁である配管開閉手段31を制御し、補給ライン5をオープンの状態にする。
次に、凝縮水タンク6から冷媒タンク3への凝縮水の補給、および配管開閉手段31等の動作について説明する。
冷媒タンク3内の冷媒の液面が位置Bにあり、電磁弁である配管開閉手段31が補給ライン5を閉止している状態において、冷媒が蒸発していくと、冷媒の液面が位置Bの位置から低下し始める。ここで、凝縮水の液面の位置Aよりも、冷媒の液面の位置Bの方が下方に存する。
冷媒の蒸発が進み、冷媒の液面が位置Cにまで低下すると、レベルセンサ検出部32は、これを感知する。そして、当該レベルセンサ検出部32は、配管開閉手段31を制御し、補給ライン5をオープンの状態にする。
そうすると、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面位置と冷媒タンク3内での冷媒の液面位置との差(今の場合、冷媒の液面の方が凝縮水の液面より下方に存する)に起因して、凝縮水タンク6から冷媒タンク3内に、凝縮水の一部が補給ライン5を通って流れ込む(補給される)。
ところで、配管開閉手段31は、例えば時間制御により補給ライン5の閉止が可能である。
具体的に、配管開閉手段31は、外部の装置(図示せず)と連動しており、当該外部の装置は、時間設定可能となっている。したがって、外部の装置に対して、予めに、配管開閉手段31がオープンになってから補給ライン5を閉止するまでの時間を設定しておく(例えば、凝縮水が補給されて、冷媒の液面が位置Bにまで戻るまでの時間を、当該凝縮水の補給流量等を考慮して見積もっておき、当該時間を設定する)。
これにより、冷媒タンク3内に凝縮水が補給され、冷媒タンク3内の冷媒の液面は徐々に上昇し、外部の装置に予めに設定したおいた時間が経過すると(例えば位置Bにまで冷媒の液面が上昇すると)、当該外部の装置が配管開閉手段31の制御し、補給ライン5を閉止する。
当該動作により、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は、位置Bで保たつことが可能となる。
以上のように、本実施の形態では、電気制御可能な電磁弁である配管開閉手段31を、補給ライン5に対して設けたので、実施の形態1,2に記載の効果に加えて、以下の効果も有する。
すなわち、実施の形態2に係る配管開閉手段20を採用した場合には、配管開閉手段20の補給ライン5の閉止性を考慮すると、冷媒の液面と凝縮水の液面との差は、所定の範囲(数cm程度の範囲内)に設定される必要があった。
しかし、本実施の形態に係る電磁弁である配管開閉手段31を採用すると、冷媒の液面と凝縮水の液面との差は、任意の範囲に設定することができ(数cm以上の範囲でも設定可)、どの範囲内に設定したとしても、補給ライン5の閉止性は良好に保つことができる。
なお、両液面の液面差を利用した凝縮水の冷媒タンク3への補給を可能にするためには、本実施の形態においても、凝縮水の液面の方が、冷媒の液面よりも上方に位置しなければならないことは言うまでもない。
また、本実施の形態では、配管開閉手段31の閉止の制御を、予めに設定される時間に依存して、行っていた。しかし、これに限るものでなく、例えば別個のレベルセンサ検出部を冷媒タンク3の内側面の位置Bに設け、当該別個に設けたレベルセンサ検出部に連動して、配管開閉手段31の閉止の制御を行っても良い。
<実施の形態4>
図5に、本実施の形態に係る冷媒タンク3および凝縮水タンク6の断面図を示す。ここで、図1,2で説明した部材と同一または相当の部材は、図5において、図1,2で付した符号と同一の符号を付している。なお、両タンク3,6以外の燃料電池システムの構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
本実施の形態に係る燃料電池システムの構成は、実施の形態2に係る燃料電池システムの構成とほぼ同じであるが、補給ライン5の配設位置、配管開閉手段の構成および配設位置等の点において異なる。その他の構成については、実施の形態2で説明した構成と同様である。
なお、図5には、簡略化のために、冷却タンク3内に配設されている熱交換器の図を省略している。
図5に示している様に、本実施の形態では通常の運転あるいは停止状態において、補給ライン5は、両液面(凝縮水液面および冷媒液面)よりも下方の両タンク3,6間において接続されている。
また、配管開閉手段41は、補給ライン5の中途の位置に配設されている。当該配管開閉手段41は、一方の方向(順方向)にのみ液体の流通が可能な逆流防止弁であり、所定の水圧がかかった場合に順方向に流体を流し、当該所定の水圧が緩和された時点で順方向の流体の流れも閉止する。なお、いくらの水圧がかかったとしても、逆方向に流体が流れることはない。
ここで、順方向とは、凝縮水タンク6から冷媒タンク3に向かう方向であり、逆方向とは、冷媒タンク3から凝縮水タンク6に向かう方向である。
次に、凝縮水タンク6から冷媒タンク3への凝縮水の補給、および配管開閉手段41等の動作について説明する。
冷媒タンク3内の冷媒の液面が位置Bにあり、逆流防止弁である配管開閉手段31が補給ライン5を閉止している状態において(凝縮水の液面位置Aと冷媒の液面位置Bとの差から生ずる水圧では、配管開閉手段31の順方向の弁も開かない)、冷媒タンク3内の冷媒が蒸発していくと、冷媒の液面が位置が位置Bから低下し始める。ここで、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面位置Aよりも、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置Bの方が下方に存する。
冷媒タンク内3の冷媒の蒸発が進み、冷媒の液面位置が位置Cにまで低下する。すると、逆流防止弁である配管開閉手段41には、凝縮水の液面位置Aと冷媒の液面位置Cとの差に起因した所定の水圧がかかる。当該水圧により、配管開閉手段41の順方向の弁が開き、補給ライン5内を順方向に凝縮水が流れる(補給される)。
冷媒タンク3内に凝縮水が補給され、冷媒タンク3内の冷媒の液面が徐々に上昇し、冷媒の液面が位置Bにまで上昇する。すると、配管開閉手段41にかかる所定の水圧も完全に緩和され、順方向の弁が閉じる(補給ライン5が閉止される)。したがって、順方向に流れていた凝縮水もその流れが止められる。
当該動作により、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は、位置Bで保たつことが可能となる。
なお、燃料電池1内の冷媒の流路および冷媒ライン2の容積が、冷媒タンク3の容積と比較して無視できない程の大きさである場合には、両液面の上下位置関係が逆転する可能性がある。冷媒タンク3内の冷媒液面位置の方が、凝縮水タンク6内の凝縮水液面位置よりも上方に位置する可能性がある。
これは、燃料電池システムが停止すると、冷媒ライン2等内に存していた冷媒が冷媒タンク3内へと集約され、冷媒タンク3内の冷媒の液面が位置B以上のレベルとなり得るからである。
しかし、本実施の形態では、冷媒の液面位置の方が凝縮水の液面位置よりも上方に存することになったとしても、冷媒タンク3から凝縮水タンク6の方向(逆方向)へ冷媒が流れることを防止することができる。なぜなら、本実施の形態に係る配管開閉手段41は、逆流防止弁であるからである。
以上のように、本実施の形態では、配管開閉手段41として、逆方向の流体の流れを防止し、所定の水圧がかかった場合に順方向に流体を流すことができる逆流防止弁を採用している。したがって、ポンプ等の動力機器を用いずに、簡易で低コストのシステム構成により、凝縮水タンク6から冷媒タンク3内への凝縮水の補給および補給の停止を実施することができる。
なお、微差圧で動作する(順方向の圧力が少しあれが開となる)逆流防止弁は、気体用では実在しない。しかし、液体用では、動作圧力(クラッキング圧)が0.1kPaオーダーの逆流防止弁が存在する。このような液体用の逆流防止弁は、両タンク3,6間で1cm程度の水位差が生じれば、順方向に開状態となる。したがって、本用途に適している。
なお、本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果を有することは、言うまでもない。
また、図5に示した様に、補給ライン5は水平に配設されており、また冷媒タンク3および凝縮水タンク6の設置位置は同一高さにある。しかし、これに限るもので無くて良い。
例えば、通常の運転または停止状態において、補給ライン5の各タンク3,6との接続位置が、両液面(冷媒液面および凝縮水液面)よりも下方に位置していれば、斜めに補給ライン5を架橋してもかまわない。
また、通常の運転または停止状態において、補給ライン5の各タンク3,6との接続位置が、両液面(冷媒液面および凝縮水液面)よりも下方に位置していれば、各タンク3,6の底面の上下位置も同一にする必要はない。
また、本実施の形態においても、冷却タンク3の内部にレベルセンサ検出部を配設しても良い。
<実施の形態5>
図6に、本実施の形態に係る冷媒タンク3および凝縮水タンク6の断面図を示す。図6の構成は、図5の構成とほぼ同じであるが以下の点において相違する。なお、両タンク3,6以外の燃料電池システムの構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
相違点とは、実施の形態4に係る配管開閉手段41として逆流防止弁を用いたが、本実施の形態では、配管開閉手段51として、燃料電池システムの運転中は「開」となり、停止中は「閉」となるように制御されるものを採用する点である。補給ライン5の構成は、実施の形態4と同様である。
なお、図6には、簡略化のために、冷却タンク3内に配設されている熱交換器、冷却ライン、高純度化ライン、凝縮水ラインおよび原料水供給ライン等の図を省略している。
次に、凝縮水タンク6から冷媒タンク3への凝縮水の補給、および配管開閉手段51等の動作について説明する。
通常、燃料電池システム運転中は、これまでの実施の形態と同様、凝縮水タンク6の水位は、オーバーフローライン12の接続位置で決定され、位置Aに保たれる。
また、燃料電池システムの停止状態において、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は、位置Bである。当該冷媒タンク3から、冷媒ライン2の容積および燃料電池1内の冷媒の流路の容積分の冷媒を除去すれば、冷媒の液面位置は、凝縮水の液面位置Aと同一高さの位置Cに減少するものとする。
なお、当該初期設定は説明の便宜上のものであり、必ずしも当該初期設定が必要であるわけではない。
さて、当該状態において、燃料電池システムの運転を開始させると、配管開閉手段51は「開」状態となる。当該運転の開始と共に、冷媒タンク3内の冷媒の一部は、冷媒ライン2内等を循環することになる。したがって、冷媒タンク3内の冷媒の液面レベルは、位置Bから、ほぼ位置Cにまで低下する。
なお、冷媒タンク3内の液面位置が位置Cと多少異なる場合には、両液面差に起因して、液面差分量の液体(冷媒または凝縮水)が補給ライン5内を移動する。当該流体の移動により、図6から分かるように、平衡状態において、冷媒の液面位置は、凝縮水の液面位置Aと同じ高さの位置Cとなる。
さらに、燃料電池システムを運転中に、徐々に冷媒が蒸発し、冷媒タンク3内の冷媒位置が位置Cより下降したとする。これにより、両タンク3,5内の液面位置に差が生じる。したがって、当該液面位置の差に起因して、上記蒸発分の凝縮水が凝縮水タンク6から冷媒タンク3内に補給される。よって、冷媒の液面位置は、凝縮水の液面位置Aと同じ高さの位置Cになる。
さて、燃料電池システムの運転が終了すると、配管開閉手段51は「閉」状態となる。すると、冷媒ライン2内および燃料電池1の冷媒流露内の冷媒が、冷媒タンク3内に集約される。したがって、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置が位置Bにまで上昇する。つまり、冷媒の液面位置の方が、凝縮水の液面位置よりも上方に位置する。
しかし、配管開閉手段51は「閉」状態であるので、冷媒が冷媒タンク3から凝縮水タンク6内に移動することはない。つまり、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は、位置Bに保たれる。
燃料電池システムを長時間停止し、その間に冷媒タンク3内の冷媒が多少蒸発したとする。
この場合において、燃料電池システムの運転を再開させると、停止前の状態と比較して、停止期間中に蒸発した冷媒分だけ、冷媒の液面位置は下降する。つまり、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置が、位置Cよりも蒸発した分量だけ低下する。
しかし、配管開閉手段51は「開」状態であるので、両液面(凝縮水の液面および冷媒の液面)差に起因して、上記蒸発分量の凝縮水が補給ライン5を通って補給される。したがって、図6に示すように、平衡状態において、冷媒の液面位置は、凝縮水の液面位置Aと同じ高さの位置Cとなる。
なお、燃料電池システム運転中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環中)は、両タンク3,6間で液体の混合が多少発生する。しかし、当該混合は拡散によるものである。よって、冷媒タンク3内の冷媒の導電率が、凝縮水タンク6内の凝縮水の導電率レベルまで低下することはない。
以上のように、本実施の形態では、燃料電池システム運転中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環中)は、「開」状態となる配管開閉手段51を用いているため、当該燃料電池システム運転(または停止)中に冷媒が蒸発したとしても、当該蒸発分の凝縮水は凝縮水タンク6から補給される。つまり、ポンプ等の動力機器を用いず、低コストで簡易なシステムにより、冷媒タンク3への不足分の冷媒の補給を行うことができる。
なお、本実施の形態においても、蒸発した分量の凝縮水を冷媒タンク3に補給するだけであるので、当該補給分だけの高純度化処理を行うだけで済む。したがって、実施の形態1と同様に、全ての凝縮水を常に高純度化処理していた従来の技術よりも、高純度化装置8の長寿命化を図ることができる。
また、本実施の形態においても、冷却タンク3の内部にレベルセンサ検出部52を配設しても良い。
これにより、もし、燃料電池システムが運転中に、冷媒タンク3内の冷媒の液面レベルがレベルセンサ検出部52の位置にまで低下した場合には、当該レベルセンサ検出部52は起動し、燃料電池システムの停止またはユーザへの警告等を行うことができる。
また、本実施の形態では、冷媒タンク3内にレベルセンサ検出部52を設置するだけで、燃料電池システムが運転中に、冷媒の液面レベルの異常低下だけでなく、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面レベルの異常低下も同時に検知することができる。
また、補給ライン5内の凝縮水の移動を最小限に抑えるためには、配管開閉手段51の制御を以下のようにすることが望ましい。
すなわち、燃料電池システムが立上り、冷媒ライン2内および燃料電池1の冷媒流路内を完全に冷媒が循環し始めてから、配管開閉手段51を「開」状態にするように、当該配管開閉手段51を制御する。また、燃料電池システムが停止する直前に、配管開閉手段51を「閉」状態にするように、当該配管開閉手段51を制御する。
このように配管開閉手段51を制御することにより、補給ライン5内を移動する凝縮水の量を極力、燃料電池システムが運転中または停止中に蒸発した冷媒の分量だけに留めることができる。
<実施の形態6>
図7に、本実施の形態に係る冷媒タンク3および凝縮水タンク6の断面図を示す。図7の構成は、図6の構成とほぼ同じであるが以下の点において相違する。なお、両タンク3,6以外の燃料電池システムの構成は、実施の形態1と同様であるので、ここでの説明は省略する。
相違点とは、実施の形態5に係る配管開閉手段51としては、燃料電池システムが運転中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環中)に「開」状態になり、停止中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環していない)に「閉」状態となるものを採用したが、本実施の形態では、配管開閉手段61として、燃料電池システムの運転中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環中)は「閉」状態となり、停止中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環していない間)は「開」となるように制御されるものを採用する点である。補給ライン5の構成は、実施の形態5と同様である。
なお、図7には、簡略化のために、冷却タンク3内に配設されている熱交換器、冷却ライン、高純度化ライン、凝縮水ラインおよび原料水供給ライン等の図を省略している。
次に、凝縮水タンク6から冷媒タンク3への凝縮水の補給、および配管開閉手段61等の動作について説明する。
通常、燃料電池システム運転中は、これまでの実施の形態と同様、凝縮水タンク6の水位は、オーバーフローライン12の接続位置で決定され、位置Aに保たれる。
さて、燃料電池システムが停止状態の場合には、配管開閉手段61は「開」状態である。よって、冷媒の液面位置と凝縮水の液面位置との間に差がある場合には、当該液面差に起因して、補給ライン5内で液体の移動が起こる。そして、平衡状態において、冷媒の液面位置は、凝縮水液面位置Aと同じ高さの位置Bになる。
また、燃料電池システムの停止状態中に、冷媒タンク3内の冷媒が徐々に蒸発し、冷媒タンク3内の冷媒位置が位置Bより下降したとする。これにより、両タンク3,5内の液面位置に差が生じる。したがって、当該液面差に起因して、上記蒸発分の凝縮水が凝縮水タンク6から冷媒タンク3内に補給される。よって、冷媒の液面位置は、凝縮水の液面位置Aと同じ高さの位置Bになる。
次に、燃料電池システムの運転を開始すると、冷媒タンク3内の冷媒の一部は、冷媒ライン2内および燃料電池1内の冷媒流路内を循環する。したがって、当該冷媒ライン2等の容積分だけ、冷媒タンク3内の冷媒の液面レベルは低下する。図7において、冷媒の液面は、位置Cにまで低下する。
このとき、配管開閉手段61は「閉」状態である。したがって、両液面差に起因して、凝縮水タンク6内の凝縮水が冷媒タンク3内に移動することはない。
さて、燃料電池システムの運転を継続すると、当該運転中においても冷媒は、徐々に蒸発し、当該冷媒の液面レベルは、多少位置Cより低下する。
当該状態において、燃料電池システムの運転を停止する。すると、冷媒ライン2内および燃料電池1内の冷媒流露内の冷媒は、冷媒タンク3内に集約されるものの、冷媒タンク3内の冷媒の液面レベルは位置Bにまで達しない。これは、上記の通り、燃料電池システムの運転中に、冷媒タンク内3の冷媒の一部が蒸発したからである。
しかし、燃料電池システムの停止時には、配管開閉手段61は「開」状態である。したがって、両液面(冷媒の液面および凝縮水の液面)差に起因して、凝縮水の一部が凝縮水タンク6から冷媒タンク3内に補給される。
当該凝縮水の補給により、冷媒タンク3内の冷媒の液面位置は、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面位置Aと同一高さの位置Bに達する。つまり、運転期間中に蒸発した冷媒分の凝縮水が、停止中に補給されるのである。
なお、燃料電池システム停止中は、両タンク3,6間で液体の混合が多少発生する。しかし、当該混合は拡散によるものである。したがって、冷媒タンク3内の冷媒の導電率が、凝縮水タンク6内の凝縮水の導電率レベルまで低下することはない。
以上のように、本実施の形態では、燃料電池システム停止中(すなわち、冷媒が冷媒ライン2等を循環していない間)は「開」状態となる配管開閉手段61を用いている。したがって、当該燃料電池システム停止(または運転)中に冷媒が蒸発したとしても、当該蒸発分は凝縮水タンク6から補給される。つまり、ポンプ等の動力機器を用いず、低コストで簡易なシステムにより、冷媒タンク3への不足分の冷媒の補給を行うことができる。
なお、本実施の形態においても、蒸発した分量の凝縮水を冷媒タンク3に補給するだけであるので、当該補給分だけの高純度化処理を行うだけで済む。したがって、実施の形態1と同様に、全ての凝縮水を常に高純度化処理していた従来の技術よりも、高純度化装置8の長寿命化を図ることができる。
また、本実施の形態においても、冷却タンク3の内部にレベルセンサ検出部62を配設しても良い。
これにより、もし、燃料電池システムが運転中に、冷媒タンク3内の冷媒の液面レベルがレベルセンサ検出部62の位置にまで低下した場合には、当該レベルセンサ検出部62は起動し、燃料電池システムの停止またはユーザへの警告等を行うことができる。
なお、本実施の形態では、燃料電池システム運転中には、配管開閉手段61が「閉」状態である。したがって、当該運転中に、凝縮水タンク6内の凝縮水液面レベルが異常に低下したとしても、当該異常を感知することはできない。
しかし、本実施の形態では、冷媒タンク3内にレベルセンサ検出部62を設置するだけで、燃料電池システムが停止中の、冷媒の液面レベルの異常低下だけでなく、凝縮水タンク6内の凝縮水の液面レベルの異常低下も同時に検知することができる。
また、燃料電池システムが停止し、冷媒ライン2内および燃料電池1内の冷媒流路内の冷媒が、完全に冷媒タンク3に集約されてから、配管開閉手段61を「開」状態にするように、当該配管開閉手段61を制御することが望ましい。また、燃料電池システムが動作する直前に、配管開閉手段51を「閉」状態にするように、当該配管開閉手段61を制御することが望ましい。
このように配管開閉手段61を制御することにより、実施の形態5と同様に、補給ライン5内の凝縮水の移動を最小限に抑えることができる。
<実施の形態7>
実施の形態5,6では、燃料電池システムの運転中あるいは停止中に、常に、配管開閉手段51,61が「開」状態となるよう、当該配管開閉手段51,61が制御される場合について説明した。
しかし、本実施の形態に係る燃料電池システムは、燃料電池システムの運転中あるいは停止中、常に、配管開閉手段51,61が「開」状態となっているわけではない。つまり、燃料電池システムの運転中あるいは停止中の所定の時間、配管開閉手段51,61が「開」状態となるよう、当該配管開閉手段51,61が制御されることが特徴である。
なお、燃料電池システムの構成自体は、実施の形態5,6と同様であるので、ここでの説明は省略する。
例えば、燃料電池システム運転中(あるいは停止中)の1分間のみ、配管開閉手段51(あるいは61)を「開」となるように制御しても良い。
配管開閉手段51,61が「開」状態となる所定の時間は、任意に設定可能である。
例えば、システムの構成(例えば、補給ライン5の内径や両タンク3,6内の液体容積の差)等を考慮して、両タンク3,6内の液面が略同一になるのに要する時間を設定することができる。この場合において、システムの構成(条件)が変われば、時間設定も変更することが好ましい。
また、所定の時間は、経験則や、いくつかの実験データ等に基いて決定することもできる。
このように、燃料電池システムの運転中あるいは停止中の所定の時間のみ、配管開閉手段51,61を「開」状態となるように、当該配管開閉手段51,61を制御することにより、上記実施の形態5,6に記載した効果に加えて、以下の効果をも奏することができる。
つまり、実施の形態5,6のように、燃料電池システムの運転中あるいは停止中に、常に、配管開閉手段51,61を「開」状態にしておくと、両タンク3,6内の液面位置が平衡状態に達した後も、拡散により両タンク3,5間での液体の移動が生じてしまう。よって、冷媒タンク3内の冷媒の伝導率が多少上昇し得る。
しかし、本実施の形態では、燃料電池システムの運転中あるいは停止中の所定の時間のみだけ、配管開閉手段51,61を「開」状態にしている。これにより、両タンク3,6内の液面位置が平衡状態に達した後の、拡散による両タンク3,5間での液体の移動を抑制することができる。よって、冷媒タンク3内の冷媒の伝導率上昇をより抑制することができる。
当該冷媒の伝導率上昇の抑制は、高純度化装置8の延命に繋がる結果となることは、言うまでもない。
<実施の形態8>
本実施の形態に係る燃料電池システムは、構成自体は実施の形態5,6と同じである。しかし、配管開閉手段の「開閉」制御の時期が、実施の形態5,6に係る配管開閉手段のそれと異なる。
つまり、実施の形態5,6に係る配管開閉手段51,61は、燃料電池システムの動作に連動して、その開閉が制御されていた。
これに対して、本実施の形態では、所定の時間を経過した後毎に、配管開閉手段が「開」状態となるように、当該配管開閉手段の制御を行う。つまり、配管開閉手段の「開」のタイミングを、予めに設定可能なのである。なお、配管開閉手段の「閉」の制御は、両タンク3,6内の液面位置が同じになった時点で行えば良い。当該「閉」のタイミングは、例えば、経験則や実験データ等に基いて決定できる。
さて、上記所定の時間は、例えば、冷媒タンク3内の冷媒減少量データをいくつか取り、当該データに基いて設定しても良い。また、経験則に基いて、当該所定の時間を設定しても良い。
例えば、冷媒タンク3内に凝縮水の補給をせずに、燃料電池システムを放置したとする。当該場合において、3日程で冷媒タンク3内への凝縮水の補給を要することが、データや経験則等に基いて、予めに分かっているとする。この場合には、所定の時間として、3日を設定すれば良い。
上記のように時間設定すれば、3日に一度の割合で、配管開閉手段は「開」状態となり、そのときの両液面差に起因して、両タンク3,6間での液体の移動が生じる。
また、例えば、一日に一サイクル(例えば、午前中は、燃料電池システムは運転しており、午後は、停止している)で運転する燃料電池システムの場合には、各運転時、各停止時または、各起動前に、配管開閉手段が「開」状態となるように、所定の時間を設計しても良い。
なお、設定される所定の時間と燃料電池システムの運転の仕方によっては、あるときは、運転時に配管開閉手段が「開」となり、あるときは停止時に配管開閉手段が「閉」となる場合も生じる。
しかし、例えば、前回燃料電池システムの停止中に配管開閉手段が「開」状態であったとして、今回燃料電池システムが運転中に配管開閉手段が「開」状態となったとすれば、冷媒ライン2等内に冷媒が循環している分だけ、余分な凝縮水が冷媒タンク3内にに補給されてしまう。
これを避けるために、例えば、配設開閉手段が「開」となる時期を、燃料電池システムの運転時に限定しても良い。この場合、設定された所定の時間経過後に燃料電池システムが停止中なら、次の運転時に配管開閉手段を「開」となるように、当該配管開閉手段を制御する。また、所定時間経過後の時点で、燃料電池システムが運転状態なら、そのときに、配管開閉手段が「開」状態となるように、当該配管開閉手段を制御する。
同様に、配設開閉手段が「開」となる時期を、燃料電池システムの停止時に限定しても良い。この場合、設定された所定の時間経過後に燃料電池システムが運転中なら、次の停止時に配管開閉手段を「開」となるように、当該配管開閉手段を制御する。また、所定時間経過後の時点で、燃料電池システムが停止状態なら、そのときに、配管開閉手段が「開」状態となるように、当該配管開閉手段を制御する。
これにより、凝縮水タンク6からの凝縮水の補給は、専ら冷媒の蒸発に起因した分だけに限定することができる。よって、両タンク3,6間での、冷媒ライン2内等の容積に起因した分の液体の移動を防止することができる。
このように、所定の時間経過毎に、配管開閉手段を「開」状態にすることにより、不必要な配管開閉手段の「開」状態期間を、極力無くすことができる。よって、冷媒タンク3内の冷媒の導電率の上昇も最小限に抑えることができる。
当該冷媒の伝導率上昇を最小限に抑えることは、高純度化装置8の延命に繋がる結果となることは、言うまでもない。また、低コストおよび簡便なシステム構成により、凝縮水の冷媒タンク3への補給が可能であることは、上記の各実施の形態と同様である。
なお、上記各実施の形態では、冷媒として水を採用していたが、不凍液を採用してもよい。これにより、実施の形態2と同様に、他の実施の形態においても、冷媒の凍結防止効果を長時間奏することができる。
本発明に係る燃料電池システムの要部の構成を示す図である。 凝縮水タンクに対する、各配管(ライン)の接続の様子を示す断面図である。 実施の形態2に係る各タンクおよび配管開閉手段等の構成を示す断面図である。 実施の形態3に係る各タンクおよび配管開閉手段等の構成を示す断面図である。 実施の形態4に係る各タンクおよび配管開閉手段等の構成を示す断面図である。 実施の形態5に係る発明の構成および動作を説明するための断面図である。 実施の形態6に係る発明の構成および動作を説明するための断面図である。
符号の説明
1 燃料電池、2 冷媒ライン、3 冷媒タンク、4 冷媒ラインポンプ、5 補給ライン、6 凝縮水タンク、7 高純度化ライン、8 高純度化装置、9 高純度化ラインポンプ、10 熱交換器、11 凝縮水ライン、12 オーバーフローライン、13 燃料処理装置、14 原料水供給ライン、15 原料水供給ポンプ、20,51,61 配管開閉手段、21 フロートガイド、22 フロート、23,32,52,62 レベルセンサ検出部、31 電磁弁である配管開閉手段、41 逆流防止弁である配管開閉手段、A 凝縮水の液面位置、B,C 冷媒の液面位置。

Claims (12)

  1. 燃料電池と、
    前記燃料電池から排出されるガスから回収される水が、蓄えられる第一のタンクと、
    前記燃料電池内に流す冷媒が蓄えられる第二のタンクと、
    前記第一のタンクと前記第二のタンクとを接続する第一の配管とを、
    備えており、
    前記第一のタンクに蓄えられている前記水の液面位置と、前記第二のタンクに蓄えられている前記冷媒の液面位置との差を利用して、前記第一のタンクに蓄えられている前記水を、前記第一の配管を介して、前記第二のタンクに供給する、
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記第二のタンクに接続されており、前記冷媒に含まれている不純物を除去する高純度化装置を、さらに備えている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第一のタンクには、
    前記第一の配管よりも高い位置に、第二の配管が配設されている、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第一の配管を開閉する配管開閉手段を、さらに備えている、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の燃料電池システム。
  5. 前記配管開閉手段は、
    前記第二のタンク内に設けられ、前記冷媒の液面の上下変動に応じて浮動するフロートを用いたフロート式開閉手段である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第二のタンク内には、前記フロートの存在を感知するセンサが設けられている、
    ことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記配管開閉手段は、
    電気制御可能な電磁弁であり、前記第二のタンク内の前記冷媒の液面が第一の位置に達すると開き、前記第一の位置よりも高い第二の位置に達すると閉じる、ように制御される、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  8. 前記配管開閉手段は、
    前記第一のタンクから前記第二のタンクへの方向のみ、流体の流通が可能な逆流防止弁である、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  9. 前記冷媒は、前記第二のタンクと前記燃料電池との間を循環しており、
    前記配管開閉手段は、
    前記冷媒の循環動作の開始と終了に連動して、開閉が制御されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  10. 前記配管開閉手段は、
    開状態となってから、所定の時間経過後に閉状態となるように制御されている、
    ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システム。
  11. 前記配管開閉手段は、
    所定の時間経過毎に、開状態となるように制御されている、
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  12. 前記冷媒は、不凍液である、
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の燃料電池システム。



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