JP5875444B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムとして、ヒドラジンなどの液体燃料を燃料電池に供給するものが知られている。
燃料電池は、アノード(燃料極)およびカソード(酸素極)が電解質膜を挟んで対向配置された構造を有している。アノードには、燃料循環路が接続されている。すなわち、燃料循環路の一端がアノードの燃料供給口に接続され、その他端がアノードの燃料排出口に接続されている。アノードには、燃料循環路から液体燃料が供給され、アノードを通過した液体燃料は、燃料循環路に排出される。一方、カソードには、空気が供給される。
アノードでは、窒素ガス(N)、水(HO)および電子(e)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソードに移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料循環路に排出される。一方、カソードでは、アニオン(OH)が生成される。アニオンは、電解質膜を透過して、アノードに移動する。その結果、アノードとカソードとの間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
特開2011−216341号公報
このような燃料電池システムでは、液体燃料が水とともにアノードから電解質膜を透過してカソードに移動する、いわゆるクロスリーク(クロスオーバ)が発生する。
クロスリークした液体燃料を燃料循環路に戻すことができれば、クロスリークによる液体燃料の浪費を抑制することができる。ところが、クロスリークした液体燃料を燃料循環路に戻すために、ポンプを設けると、コストおよびシステムサイズが増大してしまう。
本発明の目的は、コストアップを抑制しつつ、アノードからカソードにクロスリークした液体燃料を燃料循環路に戻すことができる、燃料電池システムを提供することである。
前記の目的を達成するため、本発明に係る燃料電池システムは、電解質膜を挟んで対向配置されるアノードおよびカソードを有する燃料電池と、前記アノードを経由して液体燃料が循環する燃料循環路と、前記カソードに空気を供給する空気供給手段と、前記カソードから気体を排出するための排出路と、前記排出路内の圧力を調整するための背圧調整弁と、前記排出路における前記背圧調整弁よりも気体の流通方向の上流側に介装され、前記カソードから排出される気体とその気体に含まれる液体とを分離する気液分離器と、前記気液分離器で分離された液体を前記燃料循環路に戻すための再循環路と、前記再循環路に介装された開閉弁と、前記背圧調整弁および前記開閉弁を制御して、前記開閉弁を閉じた状態で、前記背圧調整弁の開度を小さくして、前記気液分離器内の圧力が上昇した後、前記開閉弁を開く弁制御手段とを含む。
燃料電池は、アノードおよびカソードが電解質膜を挟んで対向配置された構造を有している。アノードには、燃料循環路を循環する液体燃料が供給される。カソードには、空気が供給される。これにより、燃料電池では、発電反応が生じ、発電反応による起電力が発生する。
発電反応の生成物として、アノードで水が生成される。この水および未反応の液体燃料の大部分は、アノードから燃料循環路に排出され、その一部は、アノードから電解質膜を透過してカソードにクロスリークする。そのため、カソードから排出路に排出される気体には、液体が含まれる。この液体を含む気体は、気液分離器に流入し、気液分離器において、その気体から液体が分離される。
気液分離器は、再循環路を介して、燃料循環路に接続されている。これにより、気液分離器で分離された液体を再循環路を通して燃料循環路に戻すことができる。再循環路には、開閉弁が介装されている。また、排出路には、気液分離器よりも気体の流通方向の下流側に、排出路内の圧力を調整する背圧調整弁が介装されている。
気液分離器で分離された液体が燃料循環路に戻される際には、開閉弁が開かれる前に、背圧調整弁が制御されて、背圧調整弁の開度が小さくされる。これにより、排出路内および気液分離器内の圧力が高まる。そして、その圧力の上昇後に、開閉弁が開かれる。開閉弁が開かれると、気液分離器内の圧力により、気液分離器内の液体が再循環路に送り出される。そのため、気液分離器内の液体を燃料循環路に戻すために、ポンプなどを必要としない。
よって、コストアップを抑制しつつ、クロスリークした液体燃料を燃料循環路に戻すことができる。
本発明によれば、コストアップを抑制しつつ、クロスリークした液体燃料を燃料循環路に戻すことができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 図2は、燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。 図3は、液量管理制御の流れを示すフローチャートである。 図4は、液体回収制御の流れを示すフローチャートである。 図5Aは、気液分離タンク内の液量の変化を図解的に示す図であり、気液分離タンク内の液量が回収しきい値よりも少ない状態を示す。 図5Bは、気液分離タンク内の液量の変化を図解的に示す図であり、気液分離タンク内の液量が回収しきい値に達した状態を示す。 図5Cは、気液分離タンク内の液量の変化を図解的に示す図であり、気液分離タンク内の液体が燃料循環路に送られている状態を示す。 図6は、液量低減制御の流れを示すフローチャートである。
以下では、本発明の実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。
燃料電池システム1は、液体燃料を用いる燃料電池システムであり、たとえば、自動車に駆動源として搭載される。液体燃料は、たとえば、水加ヒドラジン(N・HO)である。
燃料電池システム1は、燃料電池2を備えている。燃料電池2は、アノード(燃料極)3およびカソード(酸素極)4が電解質膜5を挟んで対向配置された構造のセルを複数備えている。複数のセルは、各セルの間にセパレータを介在させて積層され、セルスタックを構成している。電解質膜5は、たとえば、アニオン(OH)を透過させる性質を有する固体高分子膜である。
アノード3には、燃料流路が形成されている。燃料流路は、燃料入口6と燃料出口7とに接続され、たとえば、燃料入口6と燃料出口7との間で葛折り状に屈曲している。
燃料入口6には、燃料循環路8の一端が接続されている。燃料循環路8の他端は、燃料出口7に接続されている。
燃料循環路8の一端部および他端部には、それぞれ燃料入口弁9および燃料出口弁10が介装されている。燃料入口弁9および燃料出口弁10は、たとえば、電磁弁からなる。
燃料循環路8における燃料入口弁9と燃料出口弁10との間の部分には、燃料循環ポンプ11が介装されている。
燃料入口弁9および燃料出口弁10が開かれた状態で、燃料循環ポンプ11が駆動されると、液体燃料を含む液体が燃料循環路8を燃料出口7から燃料入口6に向かう方向に流れる。燃料循環路8を流れる液体は、燃料入口6からアノード3の燃料流路に流入する。燃料流路に流入した液体は、燃料流路を流通し、燃料出口7から燃料循環路8に排出される。このようにして、液体燃料を含む液体が燃料流路および燃料循環路8を循環する。
燃料循環路8における燃料出口弁10と燃料循環ポンプ11との間の部分には、燃料サブタンク12が介装されている。燃料循環路8を循環する液体は、燃料サブタンク12で一時的に貯留される。燃料サブタンク12には、燃料サブタンク12内に貯留されている液量(液体量)を検出するための燃料サブタンク液量センサ13が設けられている。
燃料サブタンク12には、燃料供給管14を介して、燃料タンク15が接続されている。燃料タンク15には、液体燃料が貯留されている。燃料補給管12の途中部には、燃料供給ポンプ16が介装されている。燃料供給ポンプ16が駆動されると、燃料タンク15から燃料供給管14を通して燃料サブタンク12に液体燃料が供給される。
また、燃料循環路8における燃料出口弁10と燃料サブタンク12との間の部分には、気液分離器17が介装されている。気液分離器11は、燃料循環路8を流通する液体からその液体中に含まれる気体(たとえば、ヒドラジンを燃料とする場合には、発電時に生成されるNガス)を分離して、液体のみを燃料循環路8に戻すために設けられている。
気液分離器17には、パージ管18が接続されている。パージ管18の先端は、排気処理器19に接続されている。パージ管18の途中部には、パージ弁20が介装されている。パージ弁20は、たとえば、電磁弁からなる。パージ弁20が開かれると、気液分離器17内の気体がパージ管18を通して排気処理器19に送られる。排気処理器19に送られた気体は、有害成分が除去された後、大気に放出される。
カソード4には、エア流路が形成されている。エア流路は、エア入口21とエア出口22とに接続され、たとえば、エア入口21とエア出口22との間で葛折り状に屈曲している。
エア入口21には、エア供給路23が接続されている。
エア供給路23の途中部には、エアコンプレッサ24が介装されている。
また、エア供給路23におけるエアコンプレッサ24とエア入口21との間の部分には、エア入口弁25が介装されている。エア入口弁25は、たとえば、電磁弁からなる。
エア出口22には、エア排出路26が接続されている。エア排出路26の先端は、排気処理器19に接続されている。
エア排出路26の途中部には、気液分離タンク27およびエア背圧調整弁28が介装されている。
エア入口弁25およびエア背圧調整弁28が開かれた状態で、エアコンプレッサ24が駆動されると、エア(大気)がエアクリーナを通してエア供給路23内に取り込まれる。エア供給路23内に取り込まれたエアは、エア入口21からカソード4のエア流路に流入する。エア流路に流入したエアは、エア流路を流通し、エア出口22からエア排出路26に排出される。
燃料電池システム1では、水および液体燃料がアノード3から電解質膜5を透過してカソード4に移動する、いわゆるクロスリークが発生する。そのため、エア排出路26に排出されるエアには、アノード3からカソード4にクロスリークした液体燃料および水を含む液体が含まれる。そのため、エア排出路26には、気液分離タンク27が介装されている。気液分離タンク27において、エア排出路26から流入するエアから液体が分離され、気液分離タンク27からエアのみがエア排出路26に戻される。エア排出路26に戻されたエアは、排気処理器19に送られて、有害成分が除去された後、大気に放出される。
気液分離タンク27には、エアから分離された液体が貯留される。気液分離タンク27の底部には、再循環路29の一端が接続されている。再循環路29の他端は、燃料循環路8に介装された気液分離器17に接続されている。再循環路29の途中部には、気液分離タンク弁30が介装されている。気液分離タンク弁30は、たとえば、電磁弁からなる。
また、気液分離タンク27には、気液分離タンク27内に貯留されている液量(液体量)を検出するための気液分離タンク液量センサ31が設けられている。
さらに、エア排出路26におけるエア出口22の近傍、気液分離タンク27よりもエアの流通方向の上流側の部分には、エア排出路26内の圧力を検出するためのエア出口圧力センサ32が接続されている。
また、燃料電池システム1は、冷却水循環路33を備えており、冷却水循環路33を循環する冷却水により、燃料電池2が冷却されるようになっている。冷却水循環路33の途中部には、冷却水を冷却水循環路33に循環させるためのウォータポンプ34が介装されている。また、冷却水循環路33の途中部には、ラジエータファン35からの送風により、冷却水を冷却するためのラジエータ36が介装されている。さらにまた、冷却水循環路33におけるウォータポンプ34とラジエータ36との間には、三方弁37が介装されている。三方弁37の残り1つのポートには、冷却水循環路33における燃料電池2の冷却水出口とラジエータ36との間の部分から分岐した分岐管38が接続されている。
図2は、燃料電池システムの電気的構成を示すブロック図である。
燃料電池システム1は、CPUおよびメモリを含む構成のFC−ECU(電子制御ユニット)41が備えられている。
FC−ECU41には、燃料サブタンク液量センサ13、気液分離タンク液量センサ31およびエア出口圧力センサ32の検出信号が入力される。
FC−ECU41は、メモリに格納されたプログラムに従い、燃料サブタンク液量センサ13、気液分離タンク液量センサ31およびエア出口圧力センサ32の検出信号に基づいて、燃料電池システム1の各部を制御する。すなわち、FC−ECU41は、燃料循環ポンプ11、燃料供給ポンプ16、エアコンプレッサ24、ウォータポンプ34およびラジエータファン35の駆動を制御する。また、FC−ECU41は、燃料入口弁9、燃料出口弁10、パージ弁20、エア入口弁25および気液分離タンク弁30の開閉を制御する。さらに、FC−ECU41は、エア背圧調整弁28の開度を制御する。
通常の発電制御では、燃料入口弁9および燃料出口弁10が開かれ、燃料循環ポンプ11が駆動されて、アノード3の燃料流路に液体燃料が供給される。その一方で、エアコンプレッサ24が駆動されるとともに、エア入口弁25が開かれ、エア背圧調整弁28の開度が調整されて、カソード4のエア流路に空気が供給される。
これにより、燃料電池2において、電気化学反応が生じ、その電気化学反応による起電力が発生する。
具体的には、アノード3において、反応式(1)で示される反応が生じ、窒素ガス(N)、水(HO)および電子(e)が生成される。電子は、外部回路(図示せず)を介して、カソード4に移動する。窒素ガスおよび水は、未反応の液体燃料とともに、燃料流路から燃料排出口10を介して燃料循環路8に排出される。一方、カソードでは、反応式(2)で示される反応が生じ、アニオン(OH)が生成される。アニオンは、電解質膜5を透過して、アノード3に移動する。
NHNH+4OH→N+4HO+4e ・・・(1)
+2HO+4e→4OH ・・・(2)
この結果、アノード3とカソード4との間に、発電反応(電気化学反応)による起電力が発生する。
燃料供給ポンプ16は、燃料循環路8に液体燃料を補給する必要が生じたときに駆動される。
パージ弁20は、通常、開かれている。
図3は、液量管理制御の流れを示すフローチャートである。
通常の発電制御が実行されている間、その発電制御と並行して、FC−ECU41により、図3に示される液量管理制御が実行される。この液量管理制御が実行されることにより、燃料サブタンク12内の液量が適正範囲内に保持され、結果として、燃料循環路8上の液量が適正範囲に保持される。
液量管理制御では、まず、燃料サブタンク液量センサ13の検出信号が参照される。燃料サブタンク液量センサ13には、たとえば、燃料サブタンク12内に備えられたフロートの上下量をポテンショメータによって抵抗値に変換して出力する構成のものが採用されている。燃料サブタンク液量センサ13の検出信号に基づいて、燃料サブタンク12内の液量(液面の位置)が検出される。そして、燃料サブタンク12内の液量が所定の適正範囲内であるか否か、つまり所定の適正範囲下限値Pminよりも大きく、かつ、所定の適正範囲上限値Pmaxよりも小さい範囲内であるか否かが判断される(ステップS1)。
アノード3からカソード4にクロスリークした水および液体燃料は、カソード4のエア流路を流通するエアとともにエア排出路26に排出される。そのエア排出路26への水および液体燃料の排出量、とくにエア排出路26に蒸気で排出される水の排出量(排出蒸気量)は、エア排出路26内のエア出口22の近傍での圧力(エア背圧)が小さいほど多くなる。したがって、エア背圧を調整することにより、カソード4からエア排出路26に排出される蒸気量を調整することができる。エア背圧は、エア背圧調整弁28の制御によって調整が可能である。
そこで、燃料サブタンク12内の液量が所定の適正範囲外である場合(ステップS1のNO)、エア背圧調整弁28が制御される(ステップS2)。
具体的には、燃料サブタンク12内の液量が適正範囲下限値Pmin以下である場合には、エア背圧調整弁28の開度が通常の発電制御における開度よりも小さい所定の開度に変更される。これにより、エア背圧が上昇し、カソード4からエア排出路26に排出される蒸気量が減少する。そして、発電反応に伴って、アノード3で水が生成され、その水が燃料循環路8に排出されることにより、燃料サブタンク12内の液量が増加する。
一方、燃料サブタンク12内の液量が適正範囲上限値Pmax以上である場合には、エア背圧調整弁28の開度が通常の発電制御における開度よりも大きい所定の開度に変更される。これにより、エア背圧が低下し、カソード4からエア排出路26に排出される蒸気量が増加する。その結果、アノード3からカソード4にクロスリークする水および液体燃料の量が増加し、燃料サブタンク12内の液量が減少する。
その後、燃料サブタンク12内の液量が所定の目標範囲内であるか否か、つまり所定の目標範囲下限値Tminよりも大きく、かつ、所定の目標範囲上限値Tmaxよりも小さい範囲内であるか否かが判断される(ステップS3)。目標範囲は、適正範囲内に設定されている。すなわち、目標範囲下限値Tminは、適正範囲下限値Pminよりも大きく(Tmin>Pmin)、目標範囲上限値Tmaxは、適正範囲上限値Pmaxよりも小さい(Tmax>Pmax)。
燃料サブタンク12内の液量が目標範囲内に収まるまでは(ステップS3のNO)、エア背圧調整弁28の制御が続けられる(ステップS2)。
燃料サブタンク12内の液量が目標範囲内に収まると(ステップS3のYES)、エア背圧調整弁28の制御が終了され、エア背圧調整弁28の開度が通常の発電制御における開度に戻されて、液量管理制御が終了される。
液量管理制御の開始時点で、燃料サブタンク12内の液量が適正範囲内である場合には(ステップS1のYES)、液量管理制御が直ちに終了される。
図4は、液体回収制御の流れを示すフローチャートである。図5A,5B,5Cは、気液分離タンク内の液量の変化を図解的に示す図である。
通常の発電制御が実行されている間、その発電制御と並行して、FC−ECU41により、図4に示される液体回収制御が実行される。この液体回収制御は、気液分離タンク27に貯留された液体を再循環路29を通して燃料循環路8に回収するための制御である。
図5Aに示されるように、エア排出路26から気液分離タンク27に流入するエアに含まれる液体は、気液分離タンク27内に設けられた多孔質金属体51に捕獲されて、気液分離タンク27内の底部に溜められる。気液分離タンク27内の液量が一定値に達するまでは、液体の水面が気液分離タンク液量センサ31のフロートの位置まで上昇しておらず、気液分離タンク液量センサ31の検出信号がオフである。このとき、気液分離タンク弁30は、閉じられている。
気液分離タンク27内の液量が所定の回収しきい値以上になると、図5Bに示されるように、液体の水面が気液分離タンク液量センサ31のフロートの位置まで上昇し、気液分離タンク液量センサ31の検出信号がオンになる。
気液分離タンク液量センサ31の検出信号がオンになると(ステップS11のYES)、エア背圧調整弁28が制御されて、エア背圧調整弁28の開度が通常の発電制御における開度よりも小さい所定の開度に変更される(ステップS12)。このとき、気液分離タンク弁30は、閉じられたままである。そのため、エア背圧調整弁28の制御が開始されると、気液分離タンク27内を含め、エア排出路26におけるエア背圧調整弁28よりもエアの流通方向の上流側の内圧が上昇する。
その後、エア出口圧力センサ32によって検出される圧力、つまりエア排出路26内のエア出口22の近傍での圧力(エア背圧)が所定圧力以上に上昇したか否かが調べられる(ステップS13)。
エア背圧が所定圧力以上に上昇するまで、気液分離タンク弁30が閉じられたままでのエア背圧調整弁28の制御が続けられる。
エア背圧が所定圧力以上に上昇すると(ステップS13のYES)、気液分離タンク弁30が開かれる(ステップS14)。これにより、図5Cに示されるように、エア背圧により、気液分離タンク27内の液体が再循環路29に押し出される。そして、その液体は、再循環路29を通して、燃料循環路8に介装された気液分離器17に流入する。
気液分離タンク弁30が開かれてから所定時間が経過すると(ステップS15のYES)、気液分離タンク弁30が閉じられる(ステップS16)。
そして、エア背圧調整弁28の制御が終了され(ステップS17)、エア背圧調整弁28の開度が通常の発電制御における開度に戻されて、液体回収制御が終了される。
また、気液分離タンク27内の液量が回収しきい値に達していない場合であっても(ステップS11のNO)、気液分離タンク27に貯留された液体を燃料循環路8に回収する動作(ステップS12〜S17)が前回実行されてから一定時間が経過した場合には(ステップS18のYES)、その気液分離タンク27に貯留された液体を燃料循環路8に回収する動作が実行される(ステップS12〜S18)。これにより、たとえ気液分離タンク液量センサ31が故障していても、一定時間間隔で気液分離タンク27に貯留された液体を燃料循環路8に回収することができるので、気液分離タンク27内に液体が溜まりすぎることを防止できる。
図6は、液量低減制御の流れを示すフローチャートである。
図3に示される液量管理制御が実行されても、燃料サブタンク12内の液量が増え続けた場合に、燃料サブタンク12内の液量を低減させるために、図6に示される液量低減制御がフェイルセーフ的に実行される。
燃料サブタンク液量センサ13によって検出される燃料サブタンク12内の液量が適正範囲上限値Pmax以上に上昇し、図3に示される液量管理制御が開始された後(ステップS21)、燃料サブタンク12内の液量が増え続けて、その液量が適正範囲上限値Pmaxよりも大きい一定値以上に増加すると(ステップS22のYES)、燃料電池2の温度を一時的に上昇させる温度制御が行われる(ステップS23)。
この温度制御では、たとえば、ウォータポンプ34およびラジエータファン35が停止される。これにより、冷却水循環路33における冷却水の循環が停止し、燃料電池2の冷却が停止される。その一方で、燃料電池2の発電が続けられることにより、燃料電池2の温度が上昇する。燃料電池2の温度が上昇すると、電解質膜5が熱膨張し、電解質膜5に形成されている孔が広がる。そのため、アノード3から電解質膜5を透過してカソード4にクロスリークする水および液体燃料の量が増加する。その結果、燃料循環路8上の液量が減少し、燃料サブタンク12内の液量が減少する。
燃料サブタンク12内の液量が一定値以下に低下すると(ステップS24のYES)、温度制御が終了されて(ウォータポンプ34およびラジエータファン35の駆動が再開されて)、液量低減制御が終了される。
以上のように、燃料電池2は、アノード3およびカソード4が電解質膜5を挟んで対向配置された構造を有している。アノード3には、燃料循環路8を循環する液体燃料が供給される。カソード4には、エアが供給される。これにより、燃料電池2では、発電反応が生じ、発電反応による起電力が発生する。
発電反応の生成物として、アノード3で水が生成される。この水および未反応の液体燃料の大部分は、アノード3から燃料循環路8に排出され、その一部は、アノード3から電解質膜5を透過してカソードにクロスリークする。そのため、カソード4からエア排出路26に排出されるエアには、液体が含まれる。この液体を含むエアは、気液分離タンク27に流入し、気液分離タンク27において、そのエアから液体が分離される。
気液分離タンク27は、再循環路29を介して、燃料循環路8に接続されている。これにより、気液分離タンク27で分離された液体を再循環路29を通して燃料循環路8に戻すことができる。再循環路29には、気液分離タンク弁30が介装されている。また、エア排出路26には、気液分離タンク27よりもエアの流通方向の下流側に、エア排出路26内の圧力を調整するエア背圧調整弁28が介装されている。
気液分離タンク27で分離された液体が燃料循環路8に戻される際には、気液分離タンク弁30が開かれる前に、エア背圧調整弁28が制御されて、エア背圧調整弁28の開度が小さくされる。これにより、エア排出路26内および気液分離タンク27内の圧力が高まる。そして、その圧力の上昇後に、気液分離タンク弁30が開かれる。気液分離タンク弁30が開かれると、気液分離タンク27内の圧力により、気液分離タンク27内の液体が再循環路29に送り出される。そのため、気液分離タンク27内の液体を燃料循環路8に戻すために、ポンプなどを必要としない。
よって、コストアップを抑制しつつ、クロスリークした液体燃料および水を燃料循環路8に戻すことができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の実施形態では、エア背圧の調整により、カソード4から排出される蒸気量を調整する場合を例にとった。しかしながら、カソード4から排出される蒸気量は、エア背圧だけでなく、燃料電池2の温度およびカソード4のエア流路に供給されるエアの流量によっても変化する。具体的には、燃料電池2の温度が高いほど、カソード4から排出される蒸気量が多くなる。また、カソード4のエア流路に供給されるエアの流量が多いほど、カソード4から排出される蒸気量が多くなる。
そこで、エア背圧調整弁28の制御に加えて、燃料電池2を冷却するためのウォータポンプ34およびラジエータファン35が制御されて、燃料電池2の温度が調整されてもよい。また、エア背圧調整弁28の制御に加えて、エアコンプレッサ24が制御されて、カソード4のエア流路に供給されるエアの流量が調整されてもよい。さらには、エア背圧調整弁28の制御に加えて、ウォータポンプ34およびラジエータファン35の制御とエアコンプレッサ24の制御との両方が行われてもよい。これらにより、カソード4から排出される蒸気量をより細かく調整することができ、燃料循環路8上の液量を一層良好に管理することができる。
なお、エア背圧を変更しても、燃料電池システム1の全体としての発電出力は、ほぼ変動しない。エア背圧が上がると、燃料電池2における発電効率が上がる一方で、エアコンプレッサ24の消費電力が増え、エア背圧が下がると、エアコンプレッサ24の消費電力が減るが、燃料電池2における発電効率が下がるからである。よって、エア背圧の調整によるカソード4からの排出蒸気量の調整は、燃料電池システム1の発電出力への影響が小さい点で優れている。
また、燃料サブタンク12内の液量を検出するために、ポテンショメータを含む燃料サブタンク液量センサ13が備えられた構成を取り上げた。しかしながら、燃料サブタンク12内を含む燃料循環路8上の液量は、たとえば、特開2011−216341号公報で提案されている手法によって算出されてもよい。
すなわち、その提案に係る手法では、燃料循環路8が外部から閉止された状態で、燃料電池2における発電が行われる。そして、一定時間に燃料電池2から発生した電流量が算出され、その電流量に基づいて、一定時間における液体燃料の消費量である燃料消費量、一定時間にアノード3で生成されるNガスの量である生成窒素量、および一定時間にアノード3で生成される水の量である生成水量が算出される。これらに基づいて、一定時間の終了時における燃料循環路8(アノード3および気液分離器17を含む。)内の空隙体積が算出され、燃料循環路8内の全容積からその算出された空隙体積が減算されることにより、燃料循環路8内の液量が算出される。
また、燃料電池2の温度を一時的に上昇させるための温度制御において、燃料電池2の発電が続けられながら、ウォータポンプ34およびラジエータファン35が停止されるとした。これに代わる制御として、燃料電池2の温度を一時的に上昇させるために、燃料電池2の発電が続けられながら、ウォータポンプ34が停止されずに、三方弁37が切り替えられて、燃料電池2の冷却水出口から排出される冷却水が分岐管38を通されることにより、その冷却水がラジエータ36を経由せずに燃料電池2に再度送り込まれてもよい。
その他、前述の構成には、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 アノード
4 カソード
5 電解質膜
8 燃料循環路
23 エア供給路(空気供給手段)
24 エアコンプレッサ(空気供給手段)
26 エア排出路(排出路)
27 気液分離タンク(気液分離器)
28 エア背圧調整弁(背圧調整弁)
29 再循環路
30 気液分離タンク弁(開閉弁)
41 FC−ECU(弁制御手段)

Claims (1)

  1. 電解質膜を挟んで対向配置されるアノードおよびカソードを有する燃料電池と、
    前記アノードを経由して液体燃料が循環する燃料循環路と、
    前記カソードに空気を供給する空気供給手段と、
    前記カソードから気体を排出するための排出路と、
    前記排出路内の圧力を調整するための背圧調整弁と、
    前記排出路における前記背圧調整弁よりも気体の流通方向の上流側に介装され、前記カソードから排出される気体とその気体に含まれる液体とを分離する気液分離器と、
    前記気液分離器で分離された液体を前記燃料循環路に戻すための再循環路と、
    前記再循環路に介装された開閉弁と、
    前記背圧調整弁および前記開閉弁を制御して、前記開閉弁を閉じた状態で、前記背圧調整弁の開度を小さくして、前記気液分離器内の圧力が上昇した後、前記開閉弁を開く弁制御手段とを含む、燃料電池システム。
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