JP2010146751A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】循環通路内の燃料分圧が低下し易い状況においても、安定した発電を行うことのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池1のアノード極から排出されたアノードオフガスを、エゼクタ8を介してアノード極に戻す循環通路9を設け、エゼクタ8に燃料ガス供給路5を接続する。熱交換器13を設け、燃料ガス供給路5内の燃料ガスと、燃料電池1で昇温された熱媒体との熱交換を行う。循環通路9内の燃料分圧が低下して発電が不安定になっていることを、燃料電池1の停止時間と温度を基にして検出する。発電が不安定になっていることが検出されたときには、熱交換器13による燃料ガスの昇温を所定時間停止する。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池1のアノード極から排出されたアノードオフガスを、エゼクタ8を介してアノード極に戻す循環通路9を設け、エゼクタ8に燃料ガス供給路5を接続する。熱交換器13を設け、燃料ガス供給路5内の燃料ガスと、燃料電池1で昇温された熱媒体との熱交換を行う。循環通路9内の燃料分圧が低下して発電が不安定になっていることを、燃料電池1の停止時間と温度を基にして検出する。発電が不安定になっていることが検出されたときには、熱交換器13による燃料ガスの昇温を所定時間停止する。
【選択図】図1
Description
この発明は、水素等の燃料ガスと酸素等の酸化剤ガスの電気化学反応によって発電を行う燃料電池システムに関するものである。
燃料電池システムにおいては、発電が行われる燃料電池部分と燃料ガス供給路部分では温度が大きく変化する。このため、この温度差を利用し、燃料ガスの温度を制御するシステムが案出されている(例えば、特許文献1,2参照)。
この燃料電池システムは、燃料電池内に冷媒通路が設けられるとともに、この冷媒通路に接続される熱交換器が燃料ガス通路に設けられている。そして、冷媒通路には、熱交換器に対する冷媒水の導入と遮断を制御する制御弁が設けられている。制御弁はシステムの運転状況に応じて制御され、燃料電池と燃料ガスとの間で適宜熱交換がなされるようになっている。
特開平11−162489号公報
特開平11−233129号公報
この燃料電池システムは、燃料電池内に冷媒通路が設けられるとともに、この冷媒通路に接続される熱交換器が燃料ガス通路に設けられている。そして、冷媒通路には、熱交換器に対する冷媒水の導入と遮断を制御する制御弁が設けられている。制御弁はシステムの運転状況に応じて制御され、燃料電池と燃料ガスとの間で適宜熱交換がなされるようになっている。
ところで、この種の燃料電池システムとして、燃料電池のアノード極から排出されたアノードオフガスを、エゼクタを介してアノード極に戻す循環通路を備えたものがある。この循環通路を備えた燃料電池システムにおいては、例えば、燃料電池の停止時のように燃料ガスの消費が長時間無いときに、カソード極からアノード極に透過した窒素ガスが循環通路内に流入する可能性が考えられる。
また、燃料電池システムにおいて、前述のように熱交換器によって燃料ガス通路内のガスを昇温すると、飽和水蒸気量の増大によって燃料ガス通路中の水蒸気分圧が高まる。
このため、エゼクタと循環通路を備えた燃料電池システムに熱交換器によるガス昇温機構を採用した場合には、昇温によって水蒸気分圧の高まった燃料ガスがエゼクタを通して循環通路に充填されることになり、循環通路に対する燃料(例えば、水素)の充填効率(ストイキ)が低くなる。
この燃料の充填効率の低下は、通常の運転下ではさして問題とならない場合であっても、燃料電池の長時間停止等で循環通路内の窒素ガス濃度が高まっている状況下では、循環通路内の燃料の分圧が大きく低下し、燃料電池の発電が不安定になることが懸念される。
この燃料の充填効率の低下は、通常の運転下ではさして問題とならない場合であっても、燃料電池の長時間停止等で循環通路内の窒素ガス濃度が高まっている状況下では、循環通路内の燃料の分圧が大きく低下し、燃料電池の発電が不安定になることが懸念される。
そこで、この発明は、循環通路内の燃料分圧が低下し易い状況においても、安定した発電を行うことのできる燃料電池システムを提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電を行う燃料電池(例えば、後述の実施形態における燃料電池1)と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路(例えば、後述の実施形態における燃料ガス供給路5)と、前記燃料電池のアノード極から排出されたアノードオフガスを、エゼクタ(例えば、後述の実施形態におけるエゼクタ8)を介して前記アノード極に戻す循環通路(例えば、後述の実施形態における循環通路9)と、前記燃料ガス供給路を流れる燃料ガスと前記燃料電池で昇温された熱媒体との熱交換を行う熱交換手段(例えば、後述の実施形態における熱交換器13)と、を備えた燃料電池システムにおいて、前記循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になっていることを検出する不安定状態検出手段(例えば、後述の実施形態における制御装置11及び温度センサー15)と、前記熱交換手段での熱交換を所定時間の間停止する熱交換停止手段(例えば、後述の実施形態における制御装置11及び熱交換弁13)と、を設け、前記熱交換停止手段は、前記不安定状態検出手段が不安定状態を検出したことを一つの制御判定要素として、前記熱交換の停止を実行することを特徴とする。
これにより、例えば、燃料電池を長時間停止した後のように循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になる状況では、熱交換手段での熱交換が所定時間停止し、その状態で燃料電池の運転が継続される。このとき、燃料ガス供給路内の燃料ガスは熱交換手段で昇温されることがないため、エゼクタを通して循環通路内に充填される燃料ガスの温度は低く維持される。この結果、エゼクタでの燃料の充填効率の低下は抑制される。
これにより、例えば、燃料電池を長時間停止した後のように循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になる状況では、熱交換手段での熱交換が所定時間停止し、その状態で燃料電池の運転が継続される。このとき、燃料ガス供給路内の燃料ガスは熱交換手段で昇温されることがないため、エゼクタを通して循環通路内に充填される燃料ガスの温度は低く維持される。この結果、エゼクタでの燃料の充填効率の低下は抑制される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、前記熱交換停止手段は、周囲温度が氷点下であるときには、前記熱交換の停止を実行しないことを特徴とする。
これにより、周囲温度が氷点下であるときには、熱交換手段で燃料ガスの昇温が行われ、ガス供給系統への凍結水の付着が早期に解消される。
これにより、周囲温度が氷点下であるときには、熱交換手段で燃料ガスの昇温が行われ、ガス供給系統への凍結水の付着が早期に解消される。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の燃料電池システムにおいて、前記熱交換停止手段は、現在の温度と、前回の燃料電池停止からの経過時間とに応じて前記熱交換の停止の実行を判定することを特徴とする。
燃料ガスや通路周囲の温度が高いほど循環通路内の燃料分圧が高まるため、現在の温度が高いほど発電が不安定になる可能性が高まる。また、前回の燃料電池停止からの経過時間が長いほどアノード極内の窒素ガス濃度が高まるため、前回の燃料電池停止からの経過時間が長いほど発電が不安定になる可能性が高まる。したがって、現在の燃料ガスや通路周囲の温度と、前回の燃料電池停止からの経過時間との兼ね合いから熱交換の停止の実行を判定するが好ましい。なお、現在の周囲温度が氷点下であるときには、ガス供給系統に凍結水が付着している可能性が高いため、熱交換の停止を実行しないものと判定することが望ましい。
燃料ガスや通路周囲の温度が高いほど循環通路内の燃料分圧が高まるため、現在の温度が高いほど発電が不安定になる可能性が高まる。また、前回の燃料電池停止からの経過時間が長いほどアノード極内の窒素ガス濃度が高まるため、前回の燃料電池停止からの経過時間が長いほど発電が不安定になる可能性が高まる。したがって、現在の燃料ガスや通路周囲の温度と、前回の燃料電池停止からの経過時間との兼ね合いから熱交換の停止の実行を判定するが好ましい。なお、現在の周囲温度が氷点下であるときには、ガス供給系統に凍結水が付着している可能性が高いため、熱交換の停止を実行しないものと判定することが望ましい。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記循環通路には、任意の間隔で当該循環通路内のガスを排出する排出弁(例えば、後述の実施形態におけるパージ弁10)を設け、前記熱交換を停止する所定時間は、燃料電池が起動してから前記排出弁を開いた積算時間として設定することを特徴とする。
燃料電池が起動してから排出弁を開いた積算時間は、循環通路の内のガスと新規な燃料ガスとの置換量とほぼ比例することになる。このため、この時間を、熱交換を停止する所定時間として設定することにより、循環通路内の窒素ガス濃度が充分に低下したところで熱交換を開始することが可能になる。
燃料電池が起動してから排出弁を開いた積算時間は、循環通路の内のガスと新規な燃料ガスとの置換量とほぼ比例することになる。このため、この時間を、熱交換を停止する所定時間として設定することにより、循環通路内の窒素ガス濃度が充分に低下したところで熱交換を開始することが可能になる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システムにおいて、前記熱交換手段での熱交換を所定時間の間停止するときには、前記燃料ガスの供給圧力を、熱交換を停止しない場合よりも高くすることを特徴とする。
これにより、循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になる状況では、熱交換手段による熱交換が停止することによってエゼクタでの燃料の充填効率の低下が抑制されるとともに、燃料ガスの供給圧力が高められることによってエゼクタに供給される燃料分子が増大する。
これにより、循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になる状況では、熱交換手段による熱交換が停止することによってエゼクタでの燃料の充填効率の低下が抑制されるとともに、燃料ガスの供給圧力が高められることによってエゼクタに供給される燃料分子が増大する。
請求項1に記載の発明によれば、循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になる状況では、熱交換手段での熱交換を所定時間停止して燃料ガスの昇温を行わないため、エゼクタを通して循環通路内に充填される燃料ガスの温度を低くし、エゼクタでの燃料ガスの充填効率の向上を図ることができる。したがって、燃料電池の安定した発電を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、周囲温度が氷点下であるときには熱交換手段での熱交換を停止しないため、ガス供給系統への凍結水の付着を早期に解消し、燃料電池の安定的な発電を速やかに得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、現在の温度と、前回の燃料電池停止からの経過時間とに応じて熱交換の停止の実行を判定するため、より適切な熱交換の停止を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、燃料電池が起動してから排出弁を開いた積算時間を、熱交換を停止する所定時間として設定するため、循環通路内の窒素ガス濃度が充分に低下した適切なタイミングで熱交換を開始することができる。
請求項5に記載の発明によれば、循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になる状況のときに、熱交換の停止によってエゼクタでの燃料ガスの充填効率の低下を抑制するとともに、燃料ガスの供給圧力の増大によってエゼクタに供給する燃料分子を増大するため、より迅速に安定した発電を得ることができる。
以下、この発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態における燃料電池システムは燃料電池車両に搭載される態様である。
図1は、燃料電池システムの概略構成図である。燃料電池1は、複数の電池セル(以下「セル」と呼ぶ)が積層されて成り、各セルは、固体高分子電解質膜の両側にアノード極とカソード極が設けられ、アノード極とカソード極の外側に反応ガスを供給するためのガス通路(図示せず)が設けられている。
図1は、燃料電池システムの概略構成図である。燃料電池1は、複数の電池セル(以下「セル」と呼ぶ)が積層されて成り、各セルは、固体高分子電解質膜の両側にアノード極とカソード極が設けられ、アノード極とカソード極の外側に反応ガスを供給するためのガス通路(図示せず)が設けられている。
燃料電池1は、アノード極に水素ガスを主成分とする燃料ガスが供給されるとともに、カソード極に酸素を含む空気が供給される。燃料電池1のアノード極では、触媒反応によって水素イオンが発生し、その水素イオンが電解質膜を透過してカソード極まで移動する。カソード極では、水素イオンが酸素と電気化学反応を起こすことで電力を発生する。
空気は、酸化剤ガス供給手段であるエアコンプレッサ2からエア供給路3を通して燃料電池1のカソード極に供給される。カソード極に供給された空気は、該空気中の酸素が酸化剤として供された後、燃料電池1からカソードオフガスとして排出される。
一方、燃料ガスは、燃料ガス供給手段である水素タンク4から燃料ガス供給路5を通して燃料電池1のアノード極に供給される。燃料ガス供給路5には、水素タンク4からの燃料ガスの供給を遮断する遮断弁6と、燃料ガスのガス圧力を任意に調整する電磁式の圧力制御弁7(燃料圧力調整手段)と、燃料電池1のアノード極から排出されるアノードオフガスを燃料ガス供給路5に合流してアノード極に戻すエゼクタ8と、が設けられている。エゼクタ8にはアノード極の排出側に接続される循環通路9が接続され、循環通路9には、循環通路9内の不要なガスを外部に排出するパージ弁10(排出弁)が設けられている。圧力制御弁7とパージ弁10は、エアコンプレッサ2や他の弁類とともに制御装置11によって制御される。
また、燃料電池1の内部には冷却水(熱媒体)の流通路が形成されており、その流通路は燃料電池1の外部の冷媒循環通路12に接続されている。冷媒循環通路12には、図示しない循環ポンプが設けられるとともに、燃料電池1内で昇温された冷却水と熱交換を行うための熱交換器13(熱交換手段)が設けられている。熱交換器13は、燃料ガス供給路5のうちの遮断弁6や圧力制御弁7よりも上流側(水素タンク4側)位置に配置され、燃料電池1内で昇温された冷却水と燃料ガス通路5に供給される燃料ガスとの間で熱交換を行うようになっている。
冷媒循環通路12には、熱交換器13の配置される熱交換配管12Aと、熱交換配管12Aと並列なバイパス配管12Bとが設けられ、熱交換配管12A中の熱交換器13よりも上流側位置には電磁式の開閉弁から成る熱交換弁14が設けられている。この熱交換弁14は制御装置11によって制御される。この実施形態の場合、制御装置11と熱交換弁14が熱交換停止手段を構成している。
また、この燃料電池システムには、燃料ガス供給路5の近傍部分の温度を検出するための温度センサー15が設けられ、その温度センサー15が制御装置11の入力側に接続されている。なお、この実施形態では、一つの温度センサー15によって燃料ガス供給路5の近傍部分の温度を検出しているが、燃料ガス通路5のガス温度を検出する温度センサーと、外部環境の温度を検出する温度センサーを別に設けるようにしても良い。
ところで、制御装置11内の熱交換弁14に対する制御部は、温度センサー15から温度検出信号を受けるとともに、内部のカウンタから経過時間信号を受け、これらの信号を基にして熱交換弁14に対する制御を実行する。具体的には、温度センサー15からは燃料ガス供給路5の近傍の現在の温度に関する信号を受け、内部のカウンタからは、燃料電池1が停止したときに、その停止から次に再起動するまで停止時間(ソーク時間)に関する信号を受ける。これらの信号は循環通路9内の燃料分圧(水素ガスの圧力)が低下して発電が不安定な状況になっていることを判定するためパラメータとなる。
即ち、燃料ガス供給路5内の温度が高くなると、飽和蒸気量の増大によって燃料ガス通路5内の水蒸気分圧が高まる(水素の分圧が低くなる)ため、エゼクタ8を通して燃料ガス通路5から循環通路9に充填される燃料の充填効率が低下する。このため、燃料ガス供給路5内の温度の上昇は燃料電池1のアノード極での燃料濃度の低下につながり、発電を不安定する原因となり易い。また、燃料電池1を停止してから次に再起動するまでの時間が長くなると、燃料電池1内のカソード極からアノード極に透過する窒素ガス量が増え、循環通路9内の窒素ガス濃度が高まる可能性が大きくなる。このため、燃料電池1の停止時間の増加は循環通路9内の窒素ガス濃度を増加させて燃料分圧の低下をもたらし、発電を不安定にする原因となり易い。したがって、制御装置11では、温度のパラメータと停止時間のパラメータを考慮して、発電が不安定になっていることを検出する。そして、発電が不安定になっていることが検出されたときには、熱交換弁14を閉弁制御し、熱交換配管12Aへの冷却水の流入を遮断して熱交換器13での燃料ガスの昇温を所定時間停止するとともに、圧力制御弁7を制御して燃料ガスの供給圧力を、熱交換を停止しない場合に比較して所定量増大させる。
燃料ガスの昇温停止時間は常に一定の時間であっても良いが、燃料電池1の停止時間と温度に応じて設定するようにしても良い。また、燃料ガスの供給圧力の増大量も常に一定の量であっても良いが、燃料電池1の停止時間と温度に応じて設定するようにしても良い。
なお、この実施形態においては、温度センサー15と制御装置11内のカウンタが不安定状態検出手段を構成している。
燃料ガスの昇温停止時間は常に一定の時間であっても良いが、燃料電池1の停止時間と温度に応じて設定するようにしても良い。また、燃料ガスの供給圧力の増大量も常に一定の量であっても良いが、燃料電池1の停止時間と温度に応じて設定するようにしても良い。
なお、この実施形態においては、温度センサー15と制御装置11内のカウンタが不安定状態検出手段を構成している。
この実施形態の制御装置11では、具体的には、燃料電池1の停止時間が短いほど熱交換弁14を閉弁制御する温度の閾値を低くし、逆に、燃料電池1の停止時間が長いほど熱交換弁14を閉弁制御する温度の閾値を高くしている。
図2は、燃料電池1の停止時間と温度閾値の関係を示すものであり、図中のクロスハッチングが入っている領域においては熱交換弁14が閉弁制御される。
なお、同図に示すように、この実施形態の場合、温度センサー15によって検出される温度が氷点下であるときには、燃料電池1の停止時間の長短に関わらず熱交換弁14の閉弁制御を行わないようにしている。これは、温度が氷点下であるときには、ガス供給系統に凍結水が付着している可能性が高いため、熱交換によって燃料ガスを昇温して凍結水を溶解した方が、安定した発電を早期に得るのに有利となるためである。
なお、同図に示すように、この実施形態の場合、温度センサー15によって検出される温度が氷点下であるときには、燃料電池1の停止時間の長短に関わらず熱交換弁14の閉弁制御を行わないようにしている。これは、温度が氷点下であるときには、ガス供給系統に凍結水が付着している可能性が高いため、熱交換によって燃料ガスを昇温して凍結水を溶解した方が、安定した発電を早期に得るのに有利となるためである。
つづいて、燃料電池1を再起動する場合における制御を図3のフローチャートに沿って説明する。
ステップS101においては、燃料電池1を前回停止してからの経過時間の情報を読み込むとともに、現在の燃料ガス供給路5の近傍の温度を検出する。
次のステップS102においては、ステップS101の情報を基にして発電が不安定な状態であるか否かと、温度が氷点下でないか否かを判定し、いずれもYESの場合には、ステップS103に進み、その他の場合には、ステップS104へと進む。
ステップS101においては、燃料電池1を前回停止してからの経過時間の情報を読み込むとともに、現在の燃料ガス供給路5の近傍の温度を検出する。
次のステップS102においては、ステップS101の情報を基にして発電が不安定な状態であるか否かと、温度が氷点下でないか否かを判定し、いずれもYESの場合には、ステップS103に進み、その他の場合には、ステップS104へと進む。
ステップS104に進んだ場合には、発電が不安定な状態ではない、若しくは、温度が氷点下であるときであるため、熱交換弁14を開き、かつ、燃料ガスの供給圧力を通常の圧力に設定する。これにより、熱交換配管12A側に冷却水が流れ、熱交換器13によって燃料ガス供給路5内の燃料ガスが昇温される。
一方、ステップS103に進んだ場合には、発電が不安定な状態で、かつ温度が氷点下でないときであるため、熱交換弁14を閉じ、かつ、燃料ガスの供給圧力を通常の圧力より所定量増大させる。これにより、熱交換器13に対する冷却水の流れが停止し、熱交換器13による燃料ガス供給路5内の燃料ガスの昇温が行われないことになるとともに、燃料ガス供給路5からエゼクタ8を通して循環通路9に充填される燃料(水素)分子が増大する。したがって、循環通路9には、水蒸気分圧の低い(相対的に燃料分圧の高い)燃料ガスが効率良く循環通路9に充填されることになる。
ステップS105においては、時間カウンタを加算し、つづくステップS106においては、時間カウンタでカウントした合計時間、つまり、熱交換弁14の閉弁制御を開始してからの経過時間が所定時間を越えるか否かを判定する。ここで、NOの場合には、ステップS103に戻り、YESの場合には、ステップS104に進む。ステップS104では、熱交換弁14を開き、かつ、燃料ガスの供給圧力を通常の圧力に設定する。
以上のように、この燃料電池システムにおいては、基本的に、燃料電池1の停止時間と燃料ガス供給路5の近傍の現在の温度を基にして発電が不安定になる状態であるか否かを判定し、発電が不安定になる状態であると判定したときに、熱交換器13による燃料ガスの昇温を所定時間の間停止するため、燃料電池1の再起動時に、エゼクタ8を通して循環通路9内に充填される燃料ガスの温度上昇を抑制し、エゼクタ8での燃料ガスの充填効率を高めることができる。したがって、長時間の燃料電池1の停止によって循環通路9内の窒素ガス濃度が高まっている状況においても、燃料ガス中の水蒸気分圧の低減によってエゼクタ8での充填効率を向上させ、アノード極回りに充分な燃料(水素)を行き渡らせることができる。
そして、この燃料電池システムにおいては、熱交換器13による燃料ガスの昇温を所定時間の間停止するときには、同時に燃料ガスの供給圧力を所定量増大させるため、燃料ガス供給路5からエゼクタ8を通して循環通路9に充填される燃料分子を増大させることができる。したがって、これにより燃料電池1のアノード極回りに充分な燃料を迅速に供給することができる。
よって、この燃料電池システムにおいては、迅速に、かつ安定的に燃料電池1を再起動させることができる。
よって、この燃料電池システムにおいては、迅速に、かつ安定的に燃料電池1を再起動させることができる。
また、この燃料電池システムにおいては、現在の温度と、前回の燃料電池1の停止からの経過時間とに応じて熱交換の停止の実行を判定するようにしているため、高価な専用機器を設けることなく、適切な熱交換の停止を行うことができる。
さらに、この燃料電池システムの場合、燃料ガス供給路5の近傍の温度が氷点下であるときに熱交換器13による燃料ガスの昇温を停止しないため、外気温の低下によってガス供給系統に凍結水が付着している状況にあっても、熱交換器13で昇温された燃料ガスによって凍結水を速やかに溶解することができる。したがって、氷点下の環境下においも、燃料電池1の安定的な発電を速やかに得ることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態は、燃料電池を一度停止して再起動する場合にこの発明による制御が実施されるものであるが、燃料消費の殆どない極低負荷状態での運転時等にも、温度に応じて燃料ガスの熱交換を停止するようにしても良い。
また、上記の実施形態においては、燃料電池の再起動時に熱交換を停止する時間を、燃料電池を停止してからの時間として制御装置内のタイマによって単純に計測したが、燃料燃料の運転時に設定間隔で開弁されるパージ弁(排出弁)の合計開弁時間を計測するようにしても良い。この場合には、パージ弁の合計開弁時間は循環通路内の窒素ガス濃度の排出具合にほぼ連動するため、より適切なタイミングで熱交換器による燃料ガスの昇温を開始することができる。
1…燃料電池
5…燃料ガス供給路
8…エゼクタ
9…循環通路
10…パージ弁
11…制御装置(不安定状態検出手段,熱交換停止手段)
13…熱交換器
14…熱交換弁(熱交換停止手段)
15…温度センサー(不安定状態検出手段)
5…燃料ガス供給路
8…エゼクタ
9…循環通路
10…パージ弁
11…制御装置(不安定状態検出手段,熱交換停止手段)
13…熱交換器
14…熱交換弁(熱交換停止手段)
15…温度センサー(不安定状態検出手段)
Claims (5)
- 燃料ガスと酸化剤ガスを反応させて発電を行う燃料電池と、
前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給路と、
前記燃料電池のアノード極から排出されたアノードオフガスを、エゼクタを介して前記アノード極に戻す循環通路と、
前記燃料ガス供給路を流れる燃料ガスと前記燃料電池で昇温された熱媒体との熱交換を行う熱交換手段と、
を備えた燃料電池システムにおいて、
前記循環通路内の燃料分圧が低下して発電が不安定になっていることを検出する不安定状態検出手段と、
前記熱交換手段での熱交換を所定時間の間停止する熱交換停止手段と、を設け、
前記熱交換停止手段は、前記不安定状態検出手段が不安定状態を検出したことを一つの制御判定要素として、前記熱交換の停止を実行することを特徴とする燃料電池システム。 - 前記熱交換停止手段は、周囲温度が氷点下であるときには、前記熱交換の停止を実行しないことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記熱交換停止手段は、現在の温度と、前回の燃料電池停止からの経過時間とに応じて前記熱交換の停止の実行を判定することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池システム。
- 前記循環通路には、任意の間隔で当該循環通路内のガスを排出する排出弁を設け、
前記熱交換を停止する所定時間は、燃料電池が起動してから前記排出弁を開いた積算時間として設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。 - 前記熱交換手段での熱交換を所定時間の間停止するときには、
前記燃料ガスの供給圧力を、熱交換を停止しない場合よりも高くすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
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JP (1) | JP2010146751A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016013333A1 (ja) * | 2014-07-24 | 2016-01-28 | 日産自動車株式会社 | 燃料電池システム及び燃料電池システムの制御方法 |
CN111816899A (zh) * | 2019-04-11 | 2020-10-23 | 丰田自动车株式会社 | 燃料电池系统 |
-
2008
- 2008-12-16 JP JP2008319770A patent/JP2010146751A/ja active Pending
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