JP2006236758A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池システムにおいて、システム全体の熱効率の低下を招くことなく、加湿制御の安定性、精度、応答性を向上し、また十分な加湿能力を保持したままでシステムを小型化、低コストとする。
【解決手段】 燃料電池システムは、酸化剤ガスを加湿して酸化剤極に供給する加湿器14を備えている。加湿器14は、燃料電池10から排出される排熱および/または改質器20にて発生する排熱を少なくとも回収した液体である熱媒体が循環する凝縮冷媒循環回路75上に設けられ、回収した熱を利用して熱媒体を水蒸気化することにより酸化剤ガスを加湿する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスによって発電する燃料電池と、燃料電池へ供給する燃料ガスを生成する改質器と、酸化剤ガスを加湿して酸化剤極に供給する加湿器と、を備えた燃料電池システムに関する。
この燃料電池システムとして、燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスによって発電する燃料電池と、燃料電池へ供給する燃料ガスを生成する改質器と、酸化剤ガスを加湿して酸化剤極に供給する加湿器と、を備えたものはよく知られている。
このような燃料電池システムの一形式として、特許文献1「燃料電池用加湿システム」に示されているものが知られている。特許文献1の図1に示されているように、燃料電池用加湿システムは、反応に使用される反応ガスを、反応後に排出されるオフガス内の水分により加湿する水分透過型の加湿装置6を備えたものであり、燃料電池1の要求加湿量に応じて加湿量を制御している。また、反応ガス供給路3であって加湿装置6と燃料電池1のガス入口2との間には燃料電池1内に供給される乾燥エアの露点を測定する露点計19が設けられている。また、加湿装置6を経て燃料電池1に至る反応ガス供給路3に、加湿装置6をバイパスする反応ガスバイパス路21が設けられている。ここでこの反応ガスバイパス路21には、反応ガスのバイパス流量を調整可能な流量調整弁22が取り付けられ、この流量調整弁22と前記露点計19と電圧計20とが制御装置23を介して接続されている。露点計19によって測定された露点に基づいて反応ガスバイパス路21を流れる乾燥空気の量を調整することで加湿装置6に流れる乾燥空気の量を増減させて、常に最適な露点(要求露点)を維持し、燃料電池1内において結露が生じ発電能力が低下しないよう、最適な状態で燃料電池1が作動するのである。
また、他の形式として、特許文献2「燃料電池システム」に示されているものが知られている。特許文献2の図2に示されているように、燃料電池システムは、熱回収用熱媒容器及び酸化剤ガス加湿器を回収容器1で兼用し、燃料電池6で生成した純水を含む燃料電池より排出される酸化剤排気を凝縮器9を介し凝縮水を回収容器1に回収し、同時に燃料電池6の熱回収用の冷却ポンプ10を常時動作させる事で常に燃料電池6に導入する酸化剤ガスの加湿状態を燃料電池6の温度での水の飽和状態の酸化性ガスとして導入するようになっている。なお、回収容器1内に溜めた凝縮水の中を酸化性ガスをバブリング(気泡状に)して通過させて加湿している。
また、他の形式として、特許文献3「燃料電池のガス加湿システム及びガス加湿方法」に示されているものが知られている。特許文献3の図1に示されているように、燃料電池のガス加湿システムは、燃料電池22を冷却して得られた温水を用いて反応ガス20の加湿を行う加湿器21が備えられている。
特開2001−216984号公報(第3−4頁、第1図) 特開2004−171974号公報(第4−6頁、第2図) 特開平09−55218号公報(第2−4頁、第1図)
上述した特許文献1に記載の燃料電池用加湿システムにおいては、反応に使用される反応ガスを、反応後に排出されるオフガス内の水分により加湿しており、すなわちオフガスが加湿源である。しかし、気体であるオフガスの水蒸気分圧によって加湿能力が決まってしまうため、オフガスの水蒸気分圧が変動すると加湿能力も変動するので、加湿源が不安定となるおそれがあり、ひいては加湿精度、応答性が悪化するおそれがあった。また、加湿装置6をバイパスする反応ガスバイパス路21、および反応ガスのバイパス流量を調整可能な流量調整弁22が必要となり、部品点数が増大しコストアップとなるという問題があった。
上述した特許文献2に記載の燃料電池システムにおいては、回収容器1内に溜めた凝縮水の中を酸化性ガスをバブリング(気泡状に)して通過させて加湿しているが、低温の酸化性ガスが供給される場合などこの形式では酸化性ガスが適切に加湿・加温されない場合もあった。また、バブリングのためのエアの圧損が著しく増大し、補機の消費電力が増大しひいては発電効率の低下が考えられる。また、燃料電池6の熱回収用熱媒から熱を奪って酸化性ガスが加湿されるので、それに伴って熱回収用熱媒の温度が低下し燃料電池を適切な温度に制御できなくなり適切に発電できなくなるおそれがあった。
上述した特許文献3に記載の燃料電池のガス加湿システムにおいては、燃料電池22の冷却水23から熱を奪って反応ガス20が加湿されるので、それに伴って冷却水23の温度が低下し燃料電池22を適切な温度に制御できなくなり適切に発電できなくなるおそれがあった。しかし、燃料電池のガス加湿システムは、熱交換器24が備えられているので、加湿器21で冷却水23の温度が低下しても熱交換器24によって加熱され燃料電池22を適切な温度に制御できるが、その加熱分だけ熱量を損失することとなり、システム全体の熱効率が悪くなるという問題があった。
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムにおいて、システム全体の熱効率の低下を招くことなく、加湿制御の安定性、精度、応答性を向上し、また十分な加湿能力を保持したままでシステムを小型化、低コストとすることを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスによって発電する燃料電池と、この燃料電池へ供給する燃料ガスを生成する改質器と、酸化剤ガスを加湿して酸化剤極に供給する加湿器と、を備えた燃料電池システムにおいて、加湿器は、燃料電池から排出される排熱および/または改質器にて発生する排熱を少なくとも回収した液体である熱媒体が循環する熱媒体循環回路上に設けられ、回収した熱を利用して熱媒体を水蒸気化することにより酸化剤ガスを加湿することである。
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、燃料電池から排出される排熱および/または改質器にて発生する排熱が、燃料電池から排出されるオフガス、改質器で生成された燃料ガス、改質器の燃焼器から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガス中の水蒸気を凝縮させたときに発生する凝縮熱であることである。
また請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、熱媒体循環回路の熱媒体として、燃料電池から排出されるオフガス、改質器で生成された燃料ガス、改質器の燃焼器から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガスから回収した凝縮水を利用することである。
また請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、貯湯水を貯湯する貯湯槽と、熱媒体循環回路とは独立して設けられ、貯湯水が循環する貯湯水循環回路と、貯湯水と熱媒体との間で熱交換が行われる第1熱交換器と、をさらに備え、熱媒体として純水を使用することである。
また請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、熱媒体として当該燃料電池システムで使用される純水を利用し、熱媒体循環回路に純水が自動的に補給可能な構成となっていることである。
また請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項4において、熱媒体循環回路上に、燃料電池と熱交換する燃料電池冷却水と熱媒体との間で熱交換が行われる第2熱交換器を設けたことである。
また請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項6の何れか一項において、熱媒体循環回路上に設けられ熱媒体を循環する循環手段をさらに備え、循環手段の送出量を制御して、熱媒体の温度を目標温度に調整するか、または加湿器の酸化剤ガスの出口温度を目標温度に調整することにより酸化剤ガスを所望の湿度とすることである。
また請求項8に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項7の何れか一項において、熱媒体循環回路上に設けられ加湿器をバイパスするバイパス路と、加湿器を流れる熱媒体の流量と加湿器をバイパスしてバイパス路を流れる熱媒体の流量を調整する流量調整手段とをさらに備えたことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、加湿器は、燃料電池から排出される排熱および/または改質器にて発生する排熱を少なくとも回収した熱媒体が循環する熱媒体循環回路上に設けられ、回収した熱を利用して熱媒体を水蒸気化することにより酸化剤ガスを加湿する。これにより、燃料電池の発電による排熱を回収した燃料電池熱媒体から熱を奪うことなく、熱回収効率の低下を招くことなく、燃料電池を適切な温度に制御でき、適切に発電することができるとともに、酸化剤ガスを加湿することができる。また、液体である熱媒体が加湿源となるので、従来のごとく加湿源がオフガスである場合と比べると、水蒸気分圧を極めて高く維持することができるので、水蒸気化する部位の面積を小さくすることができ、装置を小型化することができる。また水蒸気分圧を一定に維持することができるので、加湿性能の精度向上、加湿能力の安定性、応答性向上を図ることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、請求項1に係る発明において、燃料電池から排出される排熱および/または改質器にて発生する排熱が、燃料電池から排出されるオフガス、改質器で生成された燃料ガス、改質器の燃焼器から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガス中の水蒸気を凝縮させたときに発生する凝縮熱であるので、従来の構成を有効利用することにより大型化することなく簡単な構成かつ確実に凝縮熱を利用して熱媒体を水蒸気化することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項1に係る発明において、熱媒体循環回路の熱媒体として、燃料電池から排出されるオフガス、改質器で生成された燃料ガス、改質器の燃焼器から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガスから回収した凝縮水を利用することにより、凝縮水を加湿水として利用するので、加湿で使用した水量を各ガス中の水蒸気を凝縮した水量でまかなうことができるため、外部から大量に水を投入することなく加湿が可能となる。
上記のように構成した請求項4係る発明においては、請求項1乃至請求項3の何れか一項に係る発明において、貯湯水を貯湯する貯湯槽と、熱媒体循環回路とは独立して設けられ、貯湯水が循環する貯湯水循環回路と、貯湯水と熱媒体との間で熱交換が行われる第1熱交換器と、をさらに備えることにより、貯湯槽が水道水が直接補給される密閉式である場合、貯湯槽、貯湯水循環回路には高圧の水道水圧がかかるが、熱媒体循環回路は貯湯水循環回路から独立しているため、熱媒体循環回路上に配設される加湿器には直接水道水圧がかからないので、加湿器の寿命を延ばすことができる。また、熱媒体として純水を使用するので、加湿器や燃料電池に不純物や異物が混入することを抑止でき、これによって加湿器や燃料電池の寿命を延ばすことができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、請求項4に係る発明において、熱媒体として当該燃料電池システムで使用される純水を利用し、熱媒体循環回路に純水が自動的に補給可能な構成となっているため、加湿によって熱媒体が少なくなったとき、自動的に補給されるので、ユーザが加湿用の液体を補給する手間を省くことができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、請求項4に係る発明において、熱媒体循環回路上に、燃料電池と熱交換する燃料電池冷却水と熱媒体との間で熱交換が行われる第2熱交換器を設けたため、燃料電池から排出される排熱および/または改質器にて発生する排熱を少なくとも回収した熱媒体は、燃料電池の発電による排熱をさらに回収するので、より高温の熱媒体となり、この高温の熱媒体を加湿器で利用できる。このため、加湿制御範囲をより拡張し、制御性をより向上することができる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、請求項1乃至請求項6の何れか一項に係る発明において、熱媒体循環回路上に設けられ熱媒体を循環する循環手段をさらに備え、循環手段の送出量を制御して、熱媒体の温度を目標温度に調整することにより酸化剤ガスを所望の湿度とするので、確実かつ的確に湿度を調整できる。また、既存の構成のままで制御可能であるので、十分な加湿能力を保持したままでシステムを小型化、低コストとすることができる。また、循環手段の送出量を制御して、酸化剤ガスの加湿器の出口温度を目標温度に調整することにより酸化剤ガスを所望の湿度とするので、確実かつ的確に湿度を調整でき、さらに雰囲気温度の変動など外乱の影響を低減し、かつ、フラッディングを確実に防止することができる。
上記のように構成した請求項8に係る発明においては、請求項1乃至請求項7の何れか一項に係る発明において、熱媒体循環回路上に設けられ加湿器をバイパスするバイパス路と、加湿器を流れる熱媒体の流量と加湿器をバイパスしてバイパス路を流れる熱媒体の流量を調整する流量調整手段とをさらに備えているため、加湿に必要十分な熱量に相当する流量となるように熱媒体を加湿器に供給することができるので、酸化剤ガスを最適加湿することができる。また、熱媒体を必要以上に加湿器に供給しないので、熱媒体の温度を必要以上に冷却することを抑制し熱媒体温度を高温に維持して燃料電池システムの熱回収効率を高く維持することができる。
1)第1実施形態
以下、本発明による燃料電池システムの第1実施形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは燃料電池10とこの燃料電池10に必要な水素ガスを含む改質ガス(燃料ガス)を生成する改質器20を備えている。
燃料電池10は、燃料極11と酸化剤極である空気極12と両極11,12間に介在された電解質13を備えており、燃料極11に供給された改質ガスおよび空気極12に供給された酸化剤ガスである空気(カソードエア)を用いて発電するものである。燃料電池10の空気極12には、空気を供給する供給管61およびカソードオフガスを排出する排出管62が接続されており、供給管61の途中には、空気を加湿するための加湿器14(後述する)が設けられている。なお、空気の代わりに空気の酸素富化したガスを供給するようにしてもよい。
改質器20は、燃料を水蒸気改質し、水素リッチな改質ガスを燃料電池10に供給するものであり、燃焼器であるバーナ21、改質部22、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)23および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)24から構成されている。燃料としては天然ガス、LPG、灯油、ガソリン、メタノールなどがあり、本実施の形態においては天然ガスにて説明する。
バーナ21は、起動時に外部から燃焼用燃料および燃焼用空気が供給され、または定常運転時に燃料電池10の燃料極11からアノードオフガス(燃料電池に供給され使用されずに排出された改質ガス)が供給され、供給された各ガスを燃焼して燃焼ガスを改質部22に導出するものである。この燃焼ガスは改質部22を(同改質部22の触媒の活性温度域となるように)加熱し、その後燃焼ガス用凝縮器34を通ってその燃焼ガス(燃焼排ガス)に含まれている水蒸気が凝縮されて外部に排気される。
改質部22は、外部から供給された燃料に蒸発器25からの水蒸気(改質水)を混合した混合ガスを改質部22に充填された触媒により改質して水素ガスと一酸化炭素ガスを生成している(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気を水素ガスと二酸化炭素とに変成している(いわゆる一酸化炭素シフト反応)。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)はCOシフト部23に導出される。
COシフト部23は、この改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気をその内部に充填された触媒により反応させて水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度が低減されてCO選択酸化部24に導出される。
CO選択酸化部24は、改質ガスに残留している一酸化炭素と外部からさらに供給されたCO酸化用の空気(エア)とをその内部に充填された触媒により反応させて二酸化炭素を生成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)燃料電池10の燃料極11に導出される。
蒸発器25は、一端が貯水器50内に配置され他端が改質部22に接続された改質水供給管68の途中に配設されている。改質水供給管68には改質水ポンプ53が設けられている。このポンプ53は制御装置90によって制御されており、貯水器50内の改質水として使用する回収水を蒸発器25に圧送している。蒸発器25は例えばバーナ21から排出される燃焼ガス、改質部22、COシフト部23などの熱によって加熱されており、これにより圧送された改質水を水蒸気化する。
改質器20のCO選択酸化部24と燃料電池10の燃料極11とを連通する配管64の途中には、凝縮器30が設けられている。この凝縮器30(図面上は分離しているが)は改質ガス用凝縮器31、アノードオフガス用凝縮器32、カソードオフガス用凝縮器33および燃焼ガス用凝縮器34が一体的に接続された一体構造体である。改質ガス用凝縮器31は配管64中を流れる燃料電池10の燃料極11に供給される改質ガス中の水蒸気を凝縮する。アノードオフガス用凝縮器32は、燃料電池10の燃料極11と改質器20のバーナ21とを連通する配管65の途中に設けられており、その配管65中を流れる燃料電池10の燃料極11から排出されるアノードオフガス中の水蒸気を凝縮する。カソードオフガス用凝縮器33は、排出管62の加湿器14の下流に設けられており、その排出管62中を流れる燃料電池10の空気極12から排出されるカソードオフガス中の水蒸気を凝縮する。燃焼ガス用凝縮器34はバーナ21の下流に設けられており、燃焼排ガスの顕熱とともに水蒸気を凝縮させた潜熱を回収する。
上述した凝縮器31〜34は配管66を介して純水器40に連通しており、各凝縮器31〜34にて凝縮された凝縮水は、純水器40に導出され回収されるようになっている。純水器40は、凝縮器30から供給された凝縮水すなわち回収水を内蔵のイオン交換樹脂によって純水にするものであり、純水化した回収水を貯水器50に導出するものである。なお、貯水器50は純水器40から導出された回収水を改質水として一時的に溜めておくものである。また、純水器40には水道水供給源(例えば水道管)から供給される補給水(水道水)を導入する配管が接続されており、純水器40内の貯水量が下限水位を下回ると水道水が供給されるようになっている。
燃料電池システムは、貯湯水を貯湯する貯湯槽71と、凝縮冷媒循環回路75とは独立して設けられ貯湯水が循環する貯湯水循環回路72と、燃料電池10と熱交換する燃料電池熱媒体が循環する燃料電池熱媒体循環回路であるFC冷却水循環回路73と、貯湯水と燃料電池熱媒体との間で熱交換が行われる第2熱交換器76と、燃料電池10から排出される排熱および/または改質器20にて発生する排熱を少なくとも回収した液体である熱媒体(凝縮冷媒)が循環する熱媒体循環回路である凝縮冷媒循環回路75と、貯湯水と凝縮冷媒との間で熱交換が行われる第1熱交換器74と、が備えられている。これにより、燃料電池10の発電にて発生した排熱(熱エネルギー)は、FC冷却水に回収され、第2熱交換器76を介して貯湯水に回収されて、この結果貯湯水を加熱(昇温)する。また、燃料電池10から排出されるオフガスの排熱(熱エネルギー)および改質器20にて発生した排熱(熱エネルギー)は、凝縮器30を介して凝縮冷媒に回収され、第1熱交換器74を介して貯湯水に回収されて、この結果貯湯水を加熱(昇温)する。なお、本明細書中および添付の図面中の「FC」は「燃料電池」の省略形として記載している。
貯湯槽71は、1つの柱状容器を備えており、その内部に温水が層状に、すなわち上部の温度が最も高温であり下部にいくにしたがって低温となり下部の温度が最も低温であるように貯留されるようになっている。貯湯槽71の柱状容器の下部には水道水などの水(低温の水)が補給され、貯湯槽71に貯留された高温の温水が貯湯槽71の柱状容器の上部から導出されるようになっている。また、貯湯槽71は密閉式であり、水道水の圧力がそのまま内部、ひいては貯湯水循環回路72にかかる形式のものである。
貯湯水循環回路72の一端および他端は貯湯槽71の下部および上部に接続されている。貯湯水循環回路72上には、一端から他端に順番に貯湯水循環手段である貯湯水循環ポンプP1、第1熱交換器74、および第2熱交換器76が配設されている。貯湯水循環ポンプP1は、貯湯槽71の下部の貯湯水を吸い込んで貯湯水循環回路72を通水させて貯湯槽71の上部に吐出するものであり、制御装置90によって制御されてその流量(送出量)が制御されるようになっている。
FC冷却水循環回路73上には、FC冷却水循環手段であるFC冷却水循環ポンプP3が配設されており、このFC冷却水循環ポンプP3は、制御装置90によって制御されてその流量(送出量)が制御されるようになっている。また、FC冷却水循環回路73上には、第4および第5温度センサ73a,73bが配設されており、第4および第5温度センサ73a,73bは、それぞれFC冷却水の燃料電池10の入口温度T4および出口温度T5を検出し、それら検出結果を制御装置90に出力するものである。さらに、FC冷却水循環回路73上には第2熱交換器76が配設されている。
凝縮冷媒循環回路75上には、凝縮冷媒循環手段である凝縮冷媒循環ポンプP2が配設されており、この凝縮冷媒循環ポンプP2は、制御装置90によって制御されてその流量(送出量)が制御されるようになっている。また、凝縮冷媒循環回路75上には、上流から順番にアノードオフガス用凝縮器32、燃焼ガス用凝縮器34、カソードオフガス用凝縮器33および改質ガス用凝縮器31が配設されている。また、凝縮冷媒循環回路75上には、第2および第3温度センサ75a,75bが配設されている。第2温度センサ75aは、加湿器14の凝縮冷媒入口温度T2を検出し、その検出結果を制御装置90に出力するものである。第3温度センサ75bは、加湿器14の凝縮冷媒出口温度T3を検出し、その検出結果を制御装置90に出力するものである。さらに、凝縮冷媒循環回路75上には第1熱交換器74が配設されている。なお、各凝縮器31〜34の配置は上述した順番に限らないし、また、各凝縮器31〜34は一本の配管に直列に配置する場合に限らず、凝縮冷媒循環回路75を複数に分岐して各分岐路に並列に配置するようにしてもよい。また、凝縮冷媒循環回路75上には少なくとも改質ガス用凝縮器31が配置されるようになっている。
また、凝縮冷媒循環回路75には、第1熱交換器74の直下流に凝縮冷媒を冷却する冷却手段であるラジエータ77が配置されている。ラジエータ77は、制御装置90の指令によってオン・オフ制御されており、オン状態のときには凝縮冷媒を冷却し、オフ状態のときには冷却しない。
さらに、凝縮冷媒循環回路75には、改質ガス用凝縮器31の下流、かつ第1熱交換器74の上流に加湿器14が配置されている。この加湿器14は、水蒸気のみを透過する膜(例えば、中空糸膜、イオン交換膜などの水透過膜)を挟んで水(例えば純水)と加湿したい気体を流通させ水を加湿源として気体を加湿する膜透過型加湿器である。本実施の形態においては、加湿源は凝縮冷媒である純水であり、加湿したい気体はカソードエア(酸化剤ガス)である。このように、液体である熱媒体が加湿源となるので、従来のごとく加湿源がオフガスである場合と比べると、水蒸気分圧を極めて高くかつ一定に維持することができる。これにより、加湿器14は、回収した熱を利用して熱媒体を水蒸気化することによりカソードエアを加湿する。なお、上述した各凝縮器31〜34における各ガスの投入温度は、それぞれ100℃前後、70℃前後、70℃前後、100℃前後であるので、加湿器14は、改質ガス用凝縮器31または燃焼ガス用凝縮器34の直下流に設けるのが望ましい。また、凝縮器30(または各凝縮器31〜34のいずれか一つ)をバイパスするバイパス路を設け、そのバイパス路に加湿器14を設けるようにしてもよい。
さらに、凝縮冷媒循環回路75には、加湿器14をバイパスするバイパス路78が設けられるとともに、加湿器14を流れる熱媒体の流量と加湿器14をバイパスしてバイパス路78を流れる熱媒体の流量を調整する流量調整器79(流量調整手段)が設けられている。バイパス路78の分岐点から合流点までの凝縮冷媒循環回路75上には、上流から順番に流量調整器79である電磁バルブ、加湿器14および第3温度センサ75bが配設されている。流量調整器(電磁バルブ)79は、制御装置90の指令によって凝縮冷媒循環回路75を開閉するとともに熱媒体の流量を調整するものである。この流量調整器79は、エアバルブのようなガス系のバルブでなく、水系のバルブである。
燃料電池10から排出される排熱には、燃料電池10から排出されるオフガス(アノードおよびカソードオフガス)の排熱だけでなく、燃料電池10の発電で発生する排熱が含まれている。燃料電池10の発電で発生する排熱は、燃料電池10のFC冷却水を介する排熱であり、FC冷却水、第2熱交換器76、貯湯水および第1熱交換器74を介して凝縮冷媒に熱を与えている(凝縮冷媒に回収されている)。また、改質器20にて発生する排熱には、改質ガスの排熱、バーナ21からの燃焼排ガスの排熱、および改質器20と熱交換する排熱(改質器自身の排熱)が含まれている。
また、凝縮冷媒循環回路75には凝縮冷媒として純水を流通(使用)している。凝縮冷媒循環回路75上には、補給器75cが配設されている。この補給器75cは貯水器50内の純水を給水管67を介して凝縮冷媒循環回路75に自動的に補給するものであり、例えば、自動車のエンジンのラジエータに設けられているラジエータキャップと同様な構造をしている。これにより、加湿によって凝縮冷媒循環回路75の純水が低減しても、自動的に純水を補給することができる。また、当該燃料電池システムで使用される純水を利用している。
また、供給管61には、第1温度センサ61aが配設されており、第1温度センサ61aは、加湿器14のカソードエア出口温度T1を検出し、その検出結果を制御装置90に出力するものである。
また、上述した各温度センサ61a,73a,73b,75a,75b、各ポンプP1〜P3,53、および流量調整器79は制御装置90に接続されている(図2参照)。制御装置90はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、図3のフローチャートに対応したプログラムを実行して、各温度センサ61a,73a,73b,75a,75bが検出した温度に基づいて各ポンプP1〜P3、流量調整器79を制御して燃料電池10を適切に制御している。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
次に、上述した燃料電池システムの作動について図3に示したフローチャートを参照しながら説明する。制御装置90は、図示しないスタートスイッチがオンされると、所定の短時間毎に、上記フローチャートに対応したプログラムを繰り返し実行する。制御装置90は、図9のステップ100にてプログラムの実行を開始する毎に、加湿器14の凝縮冷媒入口温度T2(または加湿器14の凝縮冷媒出口温度T3)を第2温度センサ75a(または第3温度センサ75b)によって検出し(ステップ102)、検出した加湿器14の凝縮冷媒入口温度T2(または加湿器14の凝縮冷媒出口温度T3)が目標温度T2*となるように凝縮冷媒循環ポンプP2を流量制御している(ステップ104)。目標温度T2*は、熱回収効率等から決定される目標値である。
制御装置90は、燃料電池10のFC冷却水入口温度T4およびFC冷却水出口温度T5をそれぞれ第4および第5温度センサ73a,73bによって検出し(ステップ106)、検出した燃料電池10のFC冷却水入口温度T4(または燃料電池10のFC冷却水出口温度T5)が目標温度T4*(またはT5*)となるように貯湯水循環ポンプP1を流量制御している(ステップ108)。目標温度T4*およびT5*は、燃料電池10の最適運転温度である。
そして、制御装置90は、燃料電池10のFC冷却水入口温度T4およびFC冷却水出口温度T5の差ΔTを算出し(ステップ110)、その差ΔTが所定温度差ΔT*(例えば3〜5℃)となるようにFC冷却水循環ポンプP3を流量制御している。所定温度差ΔT*は、燃料電池10の改質ガス流路または空気流路内の水蒸気を最適加湿条件に維持することができるように設定されている。その後、プログラムをステップ114に進めて一旦終了する。
また、制御装置90は、上述した制御と並行に、加湿器14のカソードエア出口温度T1が目標温度T1*となるように流量調整器79を制御して加湿器14への凝縮冷媒の流量を制御している。これにより、加湿に必要十分な熱量に相当する流量となるように凝縮冷媒を加湿器14に供給することができるので、カソードエアを最適加湿することができる。なお、加湿量は燃料電池10の出力電流、カソードエア流量、カソードオフガス出口温度(水蒸気量)にて決定される。また、凝縮冷媒を必要以上に加湿器14に供給しないので、凝縮冷媒の温度を必要以上に冷却することを抑制し凝縮冷媒温度を高温に維持してその熱を第1熱交換器74を介して貯湯水に回収することができ、燃料電池システムの熱回収効率を高く維持することができる。
上述の説明から明らかなように、この実施の形態においては、加湿器14は、燃料電池10から排出される排熱および/または改質器20にて発生する排熱を少なくとも回収した熱媒体が循環する凝縮冷媒循環回路75上に設けられ、回収した熱を利用して熱媒体を水蒸気化することにより酸化剤ガスを加湿する。これにより、燃料電池10の発電による排熱を回収した燃料電池熱媒体から熱を奪うことなく、熱回収効率の低下を招くことなく、燃料電池10を適切な温度に制御でき、適切に発電することができるとともに、酸化剤ガスを加湿することができる。また、液体である熱媒体が加湿源となるので、従来のごとく加湿源がオフガスである場合と比べると、水蒸気分圧を極めて高く維持することができるので、水蒸気化する部位の面積を小さくすることができ、装置を小型化することができる。また水蒸気分圧を一定に維持することができるので、加湿性能の精度向上、加湿能力の安定性、応答性向上を図ることができる。
また、流量調整器79としては、エアバルブのようなガス系のバルブでなく、水系のバルブを使用することができるので、すなわち従来技術のごとく流量の多いガス系のバルブを使用する場合と比べて、流量が少なくてすむ小型で低コストである水系のバルブを使用することができるので、燃料電池システムの小型化、低コスト化を図ることができる。また、小型化という観点から、ガス系のバルブを小型化するという考えもあるが、そうすると圧損が大きくなり高発電効率が要求される燃料電池システムにおいては好ましくない。したがって、高発電効率の観点からも水系のバルブを使用するメリットがある。
また、燃料電池10から排出される排熱および/または改質器20にて発生する排熱が、燃料電池10から排出されるオフガス、改質器20で生成された燃料ガス、改質器20のバーナ21から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガス中の水蒸気を凝縮させたときに発生する凝縮熱であるので、従来の構成を有効利用することにより大型化することなく簡単な構成かつ確実に凝縮熱を利用して熱媒体を水蒸気化することができる。
また、凝縮冷媒循環回路75の熱媒体として、燃料電池10から排出されるオフガス、改質器20で生成された燃料ガス、改質器20のバーナ21から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガスから回収した凝縮水を利用することにより、凝縮水を加湿水として利用するので、加湿で使用した水量を各ガス中の水蒸気を凝縮した水量でまかなうことができるため、外部から大量に水を投入することなく加湿が可能となる。
また、貯湯水を貯湯する貯湯槽71と、凝縮冷媒循環回路75とは独立して設けられ、貯湯水が循環する貯湯水循環回路72と、貯湯水と熱媒体との間で熱交換が行われる第1熱交換器74と、をさらに備えることにより、貯湯槽71が水道水が直接補給される密閉式である場合、貯湯槽71、貯湯水循環回路72には高圧の水道水圧がかかるが、凝縮冷媒循環回路75は貯湯水循環回路71から独立しているため、凝縮冷媒循環回路75上に配設される加湿器14には直接水道水圧がかからないので、加湿器14の寿命を延ばすことができる。また、熱媒体として純水を使用するので、加湿器14や燃料電池10に不純物や異物が混入することを抑止でき、これによって加湿器14や燃料電池10の寿命を延ばすことができる。
また、熱媒体として当該燃料電池システムで使用される純水を利用し、凝縮冷媒循環回路75に純水が自動的に補給可能な構成となっているため、加湿によって熱媒体が少なくなったとき、自動的に補給されるので、ユーザが加湿用の液体を補給する手間を省くことができる。
また、上述した第1実施形態においては、凝縮冷媒循環ポンプP2の送出量を制御して、熱媒体の温度T2を目標温度T2*に調整することにより、凝縮器30の熱回収効率を向上することができるとともに、流量調整器79を制御し加湿器14への凝縮冷媒の流量を制御して、加湿器14のカソードエア出口温度T1を目標温度T1*に調整することにより、カソードエアの加湿を最適に制御することができる。
なお、上述した第1実施形態においては、凝縮冷媒として凝縮器30にて回収された凝縮水を使用したが、これに限らず、燃料電池システムで使用される純水を使用するようにしてもよい。
また、上述した第1実施形態においては、凝縮冷媒として純水器40により精製した純水を用いるようにしたが、これに限らず、凝縮器30にて回収された凝縮水を直接使用するようにしてもよい。
また、上述した第1実施形態においては、バイパス路78および流量調整器79を設けないようにしてもよい。この場合、凝縮冷媒循環回路75上に設けられ熱媒体を循環する循環手段である凝縮冷媒循環ポンプP2の送出量を制御して、カソードエア出口温度T1を目標温度T1*に調整することにより酸化剤ガス(カソードエア)を所望の湿度とする。すなわち、加湿器14のカソードエア出口温度T1を第1温度センサ61aによって検出し、検出した加湿器14のカソードエア出口温度T1が目標温度T1*となるように凝縮冷媒循環ポンプP2を流量制御する。これにより、確実かつ的確に酸化剤ガスの湿度を保持したままシステムを小型化、低コストとすることができる。
さらに、この実施の形態においては、加湿器14のカソードエア出口温度T1を第1温度センサ61aによって検出し、検出した加湿器14のカソードエア出口温度T1が目標温度T1*となるように凝縮冷媒循環ポンプP2を流量制御するようにしたが、これに代えて、加湿器14のカソードエア出口温度T1と相関関係があると考えられるその他の温度例えば熱媒体の温度T2またはT3を目標温度T2*またはT3*となるように凝縮冷媒循環ポンプP2を流量制御するようにしてもよい。すなわち、加湿器14の凝縮冷媒入口温度T2(または加湿器14の凝縮冷媒出口温度T3)を第2温度センサ75a(または第3温度センサ75b)によって検出し(ステップ102)、検出した加湿器14の凝縮冷媒入口温度T2(または加湿器14の凝縮冷媒出口温度T3)が目標温度T2*(またはT3*)となるように凝縮冷媒循環ポンプP2を流量制御する。これによれば、凝縮冷媒温度を凝縮冷媒循環ポンプP2の制御対象としているので、制御性を向上できる。
2)第2実施形態
次に、本発明による燃料電池システムの第2実施形態について説明する。図4は第2実施形態にかかる燃料電池システムのうち貯湯水循環回路72、FC冷却水循環回路73および凝縮冷媒循環回路75の周辺の概要を示す概要図である。上述した第1実施形態においては、第2熱交換器76は貯湯水循環回路72に設けられていたが、図4に示すように本第2実施形態においては、第2熱交換器76は凝縮冷媒循環回路75に設けられている。なお、第1実施形態と同一の構成部材については同一符号を付してその説明を省略する。これによれば、凝縮冷媒循環回路75上に、燃料電池10と熱交換する燃料電池冷却水と熱媒体との間で熱交換が行われる第2熱交換器76を設けたため、燃料電池10から排出される排熱および/または改質器20にて発生する排熱を少なくとも回収した熱媒体は、燃料電池10の発電による排熱をさらに回収するので、より高温の熱媒体となり、この高温の熱媒体を加湿器14で利用できる。このため、加湿制御範囲をより拡張し、制御性をより向上することができる。
なお、この場合、凝縮冷媒循環回路75に、加湿器14をバイパスするバイパス路78を設けるとともに、加湿器14を流れる熱媒体の流量と加湿器14をバイパスしてバイパス路78を流れる熱媒体の流量を調整する流量調整器79を設けるのが望ましい。流量調整器79としては、バイパス路78の分岐点に流量比制御可能な三方弁79を設けるのが望ましい。この場合、凝縮冷媒循環ポンプP2の送出量を制御して、熱媒体の温度T2を目標温度T2*に調整することにより、凝縮器30の熱回収効率を向上することができるとともに、流量調整器79を制御し加湿器14への凝縮冷媒の流量を制御して、加湿器14のカソードエア出口温度T1を目標温度T1*に調整することにより、カソードエアの加湿を最適に制御することができる。また、貯湯水循環ポンプP1を流量制御して、燃料電池10のFC冷却水入口温度T4(または燃料電池10のFC冷却水出口温度T5)を目標温度T4*(またはT5*)に調節する。これにより、加湿器14への凝縮冷媒の流量を確実に制御することができ、より的確にカソードエアを加湿することができる。また、第2熱交換機76の配置場所は、加湿器14の下流でもよい。
3)第3実施形態
次に、本発明による燃料電池システムの第3実施形態について説明する。図5は第3実施形態にかかる燃料電池システムの概要を示す概要図である。上述した第1実施形態においては、貯湯水循環回路72と凝縮冷媒循環回路75とを独立して設けたが、図5に示すように本第3実施形態においては、これら循環回路72,75を一つの循環回路(貯湯水循環回路72)としている。この場合、第1熱交換器74、凝縮冷媒循環ポンプP2は削除され、貯湯水循環回路72上には、貯湯槽71の出口から下流に順番に、貯湯水循環ポンプP1、ラジエータ77、各凝縮器32,34,33,31、第2熱交換器76、第2温度センサ75a、加湿器14、および第3温度センサ75bが配設されている。また、この場合、貯湯水循環回路72に加湿器14をバイパスするバイパス路78を設けるとともに、加湿器14を流れる熱媒体の流量と加湿器14をバイパスしてバイパス路78を流れる熱媒体の流量を調整する流量調整器79を設けている。流量調整器79としては、第2実施形態と同様にバイパス路78の分岐点に流量比制御可能な三方弁79を設けるのが望ましい。なお、第1実施形態と同一の構成部材については同一符号を付してその説明を省略する。
この場合、制御装置90は、第4温度センサ73a(または第5温度センサ73b)によって検出した燃料電池10のFC冷却水入口温度T4(または燃料電池10のFC冷却水出口温度T5)が目標温度T4*(またはT5*)となるように貯湯水循環ポンプP1を流量制御する。また、制御装置90は、燃料電池10のFC冷却水入口温度T4およびFC冷却水出口温度T5の差ΔTを算出し、その差ΔTが所定温度差ΔT*(例えば3〜5℃)となるようにFC冷却水循環ポンプP3を流量制御する。
さらに、制御装置90は、加湿器14のカソードエア出口温度T1が目標温度T1*となるように流量調整器79を制御して加湿器14への貯湯水の流量を制御している。これにより、加湿に必要十分な熱量に相当する流量となるように貯湯水を加湿器14に供給することができるので、カソードエアを最適加湿することができる。なお、加湿器14のカソードエア出口温度T1と相関関係があると考えられるその他の温度例えば熱媒体の温度T3を目標温度T3*となるように流量調整器79を制御して加湿器14への貯湯水の流量を制御するようにしてもよい。
これによれば、貯湯水を貯湯する貯湯槽71をさらに備え、熱媒体循環回路である貯湯水循環回路72には熱媒体として貯湯水が循環する。これにより、燃料電池10の発電による排熱を回収した燃料電池熱媒体から熱を奪うことなく、熱回収効率の低下を招くことなく、燃料電池10を適切な温度に制御でき、適切に発電することができるとともに、酸化剤ガスを加湿することができる。また、液体である熱媒体が加湿源となるので、従来のごとく加湿源がオフガスである場合と比べると、水蒸気分圧を極めて高く維持することができるので、水蒸気化する部位の面積を小さくすることができ、装置を小型化することができる。また水蒸気分圧を一定に維持することができるので、加湿性能の精度向上、加湿能力の安定性、応答性向上を図ることができる。
また、熱媒体循環回路である貯湯水循環回路72上に、燃料電池10と熱交換する燃料電池冷却水と熱媒体との間で熱交換が行われる第2熱交換器76を設けたため、燃料電池10から排出される排熱および/または改質器20にて発生する排熱を少なくとも回収した熱媒体は、燃料電池10の発電による排熱をさらに回収するので、より高温の熱媒体となり、この高温の熱媒体を加湿器14で利用できる。このため、加湿制御範囲をより拡張し、制御性をより向上することができる。なお、第2熱交換機76の配置場所は、加湿器14の下流でもよい。
本発明による燃料電池システムの第1実施形態の概要を示す概要図である。 図1に示す燃料電池システムを示すブロック図である。 図2に示した制御装置にて実行される制御プログラムのフローチャートである。 本発明による燃料電池システムの第2実施形態の主要部分の概要を示す概要図である。 本発明による燃料電池システムの第3実施形態の概要を示す概要図である。
符号の説明
10…燃料電池、11…燃料極、12…空気極、13…電解質、14…加湿器、20…改質器、21…バーナ、22…改質部、23…一酸化炭素シフト反応部(COシフト部)、24…一酸化炭素選択酸化反応部(CO選択酸化部)、25…蒸発器、30…凝縮器、31…改質ガス用凝縮器、32…アノードオフガス用凝縮器、33…カソードオフガス用凝縮器、34…燃焼ガス用凝縮器、40…純水器、50…貯水器、53…改質水ポンプ、61〜66…配管、67…給水管、68…改質水供給管、71…貯湯槽、72…貯湯水循環回路、73…FC冷却水循環回路、74…第1熱交換器、75…凝縮冷媒循環回路、75c…補給器、76…第2熱交換器、77…ラジエータ、78…バイパス路、79…三方弁、P1〜P3,53…ポンプ、61a、75a,75b,73a,73b…第1〜第5温度センサ、90…制御装置。

Claims (8)

  1. 燃料極および酸化剤極にそれぞれ供給された燃料ガスおよび酸化剤ガスによって発電する燃料電池と、
    該燃料電池へ供給する前記燃料ガスを生成する改質器と、
    前記酸化剤ガスを加湿して前記酸化剤極に供給する加湿器と、を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記加湿器は、前記燃料電池から排出される排熱および/または前記改質器にて発生する排熱を少なくとも回収した液体である熱媒体が循環する熱媒体循環回路上に設けられ、回収した熱を利用して前記熱媒体を水蒸気化することにより前記酸化剤ガスを加湿することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 請求項1において、
    前記燃料電池から排出される排熱および/または前記改質器にて発生する排熱が、前記燃料電池から排出されるオフガス、前記改質器で生成された燃料ガス、前記改質器の燃焼器から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガス中の水蒸気を凝縮させたときに発生する凝縮熱であることを特徴とする燃料電池システム。
  3. 請求項1において、
    前記熱媒体循環回路の前記熱媒体として、前記燃料電池から排出されるオフガス、前記改質器で生成された燃料ガス、前記改質器の燃焼器から排出される燃焼排ガスの少なくとも一つのガスから回収した凝縮水を利用することを特徴とする燃料電池システム。
  4. 請求項1乃至請求項3の何れか一項において、
    貯湯水を貯湯する貯湯槽と、
    前記熱媒体循環回路とは独立して設けられ、前記貯湯水が循環する貯湯水循環回路と、
    前記貯湯水と前記熱媒体との間で熱交換が行われる第1熱交換器と、をさらに備え、
    前記熱媒体として純水を使用することを特徴とする燃料電池システム。
  5. 請求項4において、前記熱媒体として当該燃料電池システムで使用される純水を利用し、前記熱媒体循環回路に前記純水が自動的に補給可能な構成となっていることを特徴とする燃料電池システム。
  6. 請求項4において、前記熱媒体循環回路上に、前記燃料電池と熱交換する燃料電池冷却水と前記熱媒体との間で熱交換が行われる第2熱交換器を設けたことを特徴とする燃料電池システム。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか一項において、
    前記熱媒体循環回路上に設けられ前記熱媒体を循環する循環手段をさらに備え、
    前記循環手段の送出量を制御して、前記熱媒体の温度を目標温度に調整するか、または前記加湿器の前記酸化剤ガスの出口温度を目標温度に調整することにより前記酸化剤ガスを所望の湿度とすることを特徴とする燃料電池システム。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項において、
    前記熱媒体循環回路上に設けられ前記加湿器をバイパスするバイパス路と、
    前記加湿器を流れる前記熱媒体の流量と前記加湿器をバイパスして前記バイパス路を流れる前記熱媒体の流量を調整する流量調整手段とをさらに備えたことを特徴とする燃料電池システム。

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