JP6173282B2 - 燃料電池システムの停止方法 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池システムの停止方法に関する。より詳しくは、燃料電池による発電を停止してから次回起動されるまでの間における燃料電池の内部の水分の状態を適切に調整する燃料電池システムの停止方法に関する。
燃料電池スタックは、燃料電池セルを複数積層して構成される。各燃料電池セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持したもので構成される。膜電極構造体は、アノード電極及びカソード電極の2つの電極と、これら電極に教示された固体高分子電解質膜とで構成される。この燃料電池スタックは、アノード電極側に形成されたアノード流路に水素ガスが供給され、カソード電極側に形成されたカソード流路に空気が供給されると、これらの反応によって発電するとともに水が生成される。生成された水は、電解質膜を湿潤にするとともに、上記空気や水素ガス等が流れるガス流路にも流れ出す。
燃料電池による発電を停止した時にガス流路の内部に水(以下、このような水を「滞留水」ともいう)が存在したままであると、例えば低温環境下では滞留水が凍結してしまい、その後の起動時における発電が不安定になるおそれがある。また、燃料電池による発電が停止している間(所謂、ソーク中)にガス流路内に滞留水が存在したままであると、セパレータからの溶出物に起因した劣化が生じる場合もある。
このような課題を解決するため、特許文献1には、イグニッションスイッチがオフにされ、燃料電池による発電を停止する際に、燃料電池への新たな水素ガスの供給を停止するとともに、燃料電池の内部に掃気ガスを供給することによって滞留水の量を減らす技術が開示されている。
特開2008−21479号公報
特許文献1の発明では、滞留水の量とスタック電圧との間にある相関関係に基づいて滞留水の量を推定し、滞留水の量が所定値以下になるまで掃気処理を行う。これにより、少なくとも掃気処理の終了直後における滞留水の量は、目的とする量まで減らすことができる。
しかしながら上述のような掃気処理は、主にガス流路に存在する滞留水を掃気ガスの圧力によって外に押し出すことを目的とした処理であり、電解質膜に含まれる水(以下、このような水を滞留水と区別して「膜含水」ともいう)の量を適切に調整することはできない。したがって特許文献1の発明によれば、停止時に滞留水を適切な量に調整できたとしても、その後、電解質膜に含まれていた水が徐々に染み出してしまい、ソーク中及び再起動時にはガス流路の内部に余分な量の水が存在してしまう場合がある。
本発明は、燃料電池による発電を停止してから次回再起動されるまでの間における燃料電池の内部の水分の状態を適切に調整できる燃料電池システムの停止方法を提供することを目的とする。
(1)燃料電池システム(例えば、後述の燃料電池システム1)は、酸化剤ガス及び燃料ガスが供給されると発電する燃料電池(例えば、後述の燃料電池スタック2)と、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置(例えば、後述のカソード系4)と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置(例えば、後述のアノード系3)と、前記燃料電池に供給される酸化剤ガスを加湿する加湿器(例えば、後述の加湿器46)と、を備える。本発明の燃料電池システムの停止方法は、前記燃料電池システムに対する停止指令信号を検出する停止指令信号検出工程と、前記停止指令信号が検出された後に、第1発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続する含水量調整工程(例えば、後述の図3の乾燥発電処理)と、前記含水量調整工程が終了した後に、第2発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続する滞留水除去工程(例えば、後述の図3の排水発電処理)と、を有し、前記第1発電条件は、前記第2発電条件よりも前記加湿器による加湿量が少なくなるように定められることを特徴とする。
(2)この場合、前記燃料電池システムは、前記燃料電池に接続された燃料ガス循環路内で燃料ガスを循環させる燃料ガス循環装置(例えば、後述の水素ポンプ341)を備え、前記第2発電条件は、前記第1発電条件よりも前記燃料ガス循環装置による燃料ガスの循環量が大きくなるように定められることが好ましい。
(3)この場合、前記第1発電条件は、前記第2発電条件よりも前記燃料電池の出力電流が小さくなるように定められることが好ましい。
(4)この場合、前記燃料電池システムは、前記燃料電池を流路に含む冷媒循環路内で冷媒を循環させる冷媒循環装置(例えば、後述のウォータポンプ52)を備え、前記含水量調整工程では、前記燃料電池の温度が所定の停止時判定温度よりも高い場合には所定の第1流量で前記冷媒を循環させ、前記燃料電池の温度が前記停止時判定温度よりも低い場合には前記第1流量より少なくかつ前記燃料電池の温度が低くなるほど少なくなるように定められた第2流量で前記冷媒を循環させることが好ましい。
(5)この場合、前記燃料電池システムは、起動指令信号を検出したことに応じて前記燃料電池の暖機制御を開始する暖機装置(例えば、後述のECU6及びウォータポンプ52等)を備え、前記停止方法は、前記停止指令信号を検出した時に前記暖機制御が終了していなかった場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行うことが好ましい。
(6)この場合、前記燃料電池システムは、起動指令信号を検出してから停止指令信号を検出するまでの間における前記燃料電池の出力電流値の変化を記録する運転履歴記録装置(例えば、後述のECU6及び運転履歴記録装置61等)を備え、前記停止方法は、前記停止指令信号を検出した時から所定時間前までの間に、前記運転履歴記録装置によって前記出力電流値が所定値以上となる高負荷運転の履歴が記録されていた場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行うことが好ましい。
(7)この場合、前記停止方法は、起動指令信号を検出してから前記停止指令信号を検出するまでの間の前記燃料電池の内部における総生成水量を算出し、当該総生成水量が前記燃料電池の膜の含水量が過剰となる量よりも少ない場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行わないことが好ましい。
(1)本発明では、停止指令信号が検出された後、第1発電条件の下で発電を継続する含水量調整工程を行い、これが終了したら第2発電条件の下で発電を継続する滞留水除去工程を行う。ところで、燃料電池の内部に存在する水分を膜に含まれるもの(膜含水)とガスの流路内に含まれるもの(滞留水)とに分けた場合、滞留水は膜の保水限界を超えた膜含水がセパレータを介して徐々に時間をかけて流路内にしみ出したもの、と考えることができる場合がある。本発明ではこのような滞留水の生成モデルを考慮して、第1発電条件は、第2発電条件よりも加湿器による加湿量が少なくなるように定める。これにより、含水量調整工程では燃料電池の膜の含水量が低下しやすい乾燥条件下で発電を行うことができる。すなわち、本発明では比較的乾燥条件下で含水量調整工程を行い、膜の含水量を適切に調整してから滞留水除去工程を行い、流路内の滞留水量を適切に調整することにより、滞留水除去工程を終えた後に膜に含まれる水分が流路内にしみ出てしまい、適切に調整した滞留水量が増加してしまうのを防止できる。またこのように含水量と滞留水量とを適切に調整することにより、セパレータからの溶出物に起因するソーク中の劣化を抑制することができる。
また本発明では、含水量調整工程及び滞留水除去工程を燃料電池による発電を継続しながら行う。このため本発明では、酸化剤ガスの流路と燃料ガスの流路とを接続する特別な配管を用いることなく、酸化剤ガスの流路と燃料ガスの流路との両方の滞留水の量を調整することができる。従来では、燃料電池による発電が停止しているソーク中に、酸化剤ガスの流路と燃料ガスの流路との両方の滞留水の量を調整する場合、酸化剤ガスを酸化剤ガスの流路と燃料ガスの流路との両方に供給するため、これら2つの流路を接続する配管が必要であった。これに対し本発明では、このような配管が必須ではなくなる。
(2)本発明では、第2発電条件は、第1発電条件よりも燃料ガスの循環量が大きくなるように定める。これにより、第2発電条件の下で発電を行う滞留水除去工程では、燃料電池の燃料ガス流路内の水分を積極的に排出することができる。またこのように燃料ガスで滞留水を排出することにより、膜内で燃料ガスと酸化剤ガスが混合してしまい、膜が劣化するのを防止できる。
(3)本発明では、第1発電条件は、第2発電条件よりも出力電流が小さくなるように定める。含水量調整工程では第1発電条件の下で発電を継続するが、その目的は発電そのものよりも主に燃料電池の膜の含水量を減少させることである。よって本発明では、第1発電条件を上述のように定めることにより、無駄な電流が引き出されるのを防止できるので、燃料電池システム全体の効率を向上することができる。また、燃料電池の出力電流を小さくすることにより、発電に伴って新たに生成される水の量を少なくできる。よって第1発電条件をこのように定めることにより、含水量調整工程における膜の乾燥能力を高くできるので、含水量調整工程を短い時間で終えることができ、ひいてはその後の滞留水除去工程も短い時間で終えることができる。
(4)上述のように含水量調整工程では、主に燃料電池の膜の含水量を減少させることを目的として発電を継続する。このような目的を達成する場合、飽和水蒸気圧を考慮して燃料電池の温度はできるだけ高くし、かつ面内の温度分布の偏りはできるだけ小さい方が好ましい。本発明では、含水量調整工程では、燃料電池の温度が停止時判定温度よりも高い場合には、第1流量で冷媒を循環させることによって温度分布の偏りを小さくし、一方燃料電池の温度が停止時判定温度よりも低い場合には、第1流量よりも少なくかつ温度が低くなるほど少なくなるように定められた第2流量で冷媒を循環させることによって温度分布の偏りを小さくしながら燃料電池の温度の低下を防止する。これにより、そのときの燃料電池の温度の状態に応じた適切な態様で含水量調整工程を行い、ひいては含水量を適切な量に調整することができる。
(5)含水量調整工程及び滞留水除去工程は、何れも停止指令後に行われる工程でありまた燃料電池による発電を伴う工程であるため、必要な時にのみ行う方が好ましい。一方、暖機制御を行っている間は、それまで低温環境下にあった燃料電池システムの始動を開始してからさほど時間が経っておらず、燃料電池の内部の水分の量は、適切な量よりもやや多めになっている場合が多いため、上記2工程を行う方が好ましいと言える。本発明では、暖機制御を行っている間に停止指令信号を検出した時(例えば、始動後に直ちに停止された場合)には、含水量調整工程及び滞留水除去工程を行うことにより、適切なタイミングでこれらの工程を行うことができる。なお、停止指令後にこれらの工程を行う必要があるかどうかは、その都度、燃料電池の内部の水分状態を把握した上で判断することが好ましいものの、燃料電池の内部の水分状態を精度良く把握するのは様々な装置が必要となる。これに対して暖機制御中か否かの判断は、例えば、暖機制御を行うECUの通信を利用すれば容易である。よって本発明では、燃料電池の内部の水分状態を把握するための装置を用いることなく適切なタイミングでこれらの工程を行うことができる。
(6)停止指令信号を検出した時から所定時間までの間に高負荷運転の履歴が記録されていた場合とは、具体的には燃料電池システムが搭載された車両が加速後、減速に転じ、車速が0となってから直ちに停止指令操作が行われた場合が想定される。このような場合、燃料電池の内部の水分の量は、適切な量よりもやや多めになっている場合が多いため、上記2工程を行う方が好ましいと言える。本発明では、上記のようなタイミングで高負荷運転の履歴が記録されていた場合には、含水量調整工程及び滞留水除去工程を行うことにより、適切なタイミングでこれらの工程を行うことができる。また、上記(5)の発明と同じ理由により、燃料電池の内部の水分状態を把握するための装置を用いることなく適切なタイミングでこれらの工程を行うことができる。
(7)例えば、燃料電池システムの起動後アイドル運転しか行わずに短時間で停止された場合のように、起動から停止までの間の総生成水量が少なく、したがって燃料電池の膜が上記含水量調整工程や滞留水除去工程が必要な程度に湿っていないと判断できる場合がある。本発明では、総生成水量が燃料電池の膜の含水量が過剰となる量よりも少ない場合には、含水量調整工程及び滞留水除去工程を行わない。これにより、燃料電池の内部の水分状態を把握するための装置を用いることなく、これら含水量調整工程及び滞留水除去工程の実行の可否を適切に判断できる。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 燃料電池システムの始動時における暖機制御の手順を示すフローチャートである。 燃料電池システムの停止時におけるシステム停止処理の手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る燃料電池システムの停止時におけるシステム停止処理の手順を示すフローチャートである。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る燃料電池システム1の構成を示す図である。
燃料電池システム1は、燃料電池スタック2と、燃料電池スタック2に反応ガスとしての水素を供給するアノード系3と、燃料電池スタック2に反応ガスとしての酸素を含んだ空気を供給するカソード系4と、燃料電池スタック2を冷却する冷却装置5と、燃料電池スタック2で発電した電力を蓄えるバッテリBと、燃料電池スタック2及びバッテリBからの電力の供給によってタイヤ(図示せず)を駆動する走行モータMと、これらの電子制御ユニットであるECU6と、を備える。なお、この燃料電池システム1は、上記タイヤを駆動輪とした燃料電池車両(図示せず)に搭載される。
燃料電池スタック(以下、単に「スタック」という)2は、例えば、数十個から数百個のセルが積層されたスタック構造である。各燃料電池セルは、膜電極構造体(MEA)を一対のセパレータで挟持して構成される。膜電極構造体は、アノード電極(陰極)及びカソード電極(陽極)の2つの電極と、これら電極に挟持された固体高分子電解質膜とで構成される。通常、両電極は、固体高分子電解質膜に接して酸化・還元反応を行う触媒層と、この触媒層に接するガス拡散層とから形成される。このスタック2は、アノード電極側に形成されたアノード流路21に水素が供給され、カソード電極側に形成されたカソード流路22に酸素を含んだ空気が供給されると、これらの電気化学反応により発電する。
発電中のスタック2から取り出される出力電流は、電流制御器29を介してバッテリBや負荷(走行モータM及びエアコンプレッサ41等)に入力される。ECU6は、アクセルペダルの開度を検出するアクセル開度センサからの出力信号に基づいて、スタック2の出力電流に対する要求値を算出する(図示せず)。電流制御器29は、ECU6によって算出された要求値を用いて発電中のスタック2の出力電流を制御する。
バッテリBは、スタック2で発電した電力や、走行モータMによって回生制動力として回収した電気エネルギーを蓄える。また、例えば燃料電池システム1の起動時において、スタック2の出力電流が制限されているときや車両の高負荷運転時等には、バッテリBに蓄えられた電力はスタック2の出力を補うようにして負荷に供給される。
アノード系3は、水素ガスを高圧で貯蔵する水素タンク31と、水素タンク31からスタック2のアノード流路21の導入部に至る水素供給管32と、アノード流路21の排出部からカソード系4に設けられた希釈器(図示せず)に至る水素排出管33と、水素排出管33から分岐し水素供給管32に至る水素還流管34と、を含んで構成される。水素を含んだガスの水素循環流路は、水素供給管32、アノード流路21、水素排出管33及び水素還流管34によって構成される。
水素供給管32には、水素タンク31側からスタック2側へ向かって順に、遮断弁321と、遮断弁321を介して供給された新たな水素ガスをスタック2へ向けて噴射するインジェクタ322と、水素還流管34から還流されたガスをスタック2へ循環させるイジェクタ323と、が設けられている。遮断弁321は、ECU6からの指令信号に応じて開閉する電磁弁である。インジェクタ322からの水素ガスの噴射量は、ECU6によるPWM制御によって制御される。
水素還流管34には、水素排出管33側から水素供給管32側へガスを圧送する水素ポンプ341が設けられている。水素排出管33には、スタック2側からカソード系4側へ向かって順に、アノード流路21からガスと共に排出された水を貯留するキャッチタンク331と、水素循環流路内のガスをカソード系4側へ排出するパージ弁332と、が設けられている。水素ポンプ341は、ECU6からの指令信号に応じて作動する。水素ポンプ341の回転数は、ECU6によって制御される。パージ弁332は、ECU6からの指令信号に応じて開閉する電磁弁である。
またキャッチタンク331には、溜まった水を排出するためのドレイン管35が設けられている。このドレイン管35は、キャッチタンク331から水素排出管33のうちパージ弁332の下流側に至る。ドレイン管35にはドレイン弁351が設けられている。このドレイン弁351を開くと、キャッチタンク331内に溜まった水は、水素排出管33を介してカソード系4の図示しない希釈器へ排出される。ドレイン弁351は、ECU6からの指令信号に応じて開閉する電磁弁である。
カソード系4は、エアコンプレッサ41と、エアコンプレッサ41からカソード流路22の導入部に至る空気供給管42と、カソード流路22の排出部から図示しない希釈器に至る空気排出管43と、空気排出管43から分岐し空気供給管42に至る空気還流管45と、空気排出管43と空気供給管42とを接続する加湿器46と、を含んで構成される。酸素を含んだガスの酸素循環流路は、空気供給管42、カソード流路22、空気排出管43及び空気還流管45によって構成される。
エアコンプレッサ41は、空気供給管42を介してスタック2のカソード流路22に外気を供給する。エアコンプレッサ41は、ECU6からの指令信号に応じて作動する。エアコンプレッサ41の回転数は、ECU6によって制御される。また空気排出管43には、カソード流路22内の圧力を調整するための背圧弁432が設けられている。背圧弁432は、ECU6からの指令信号に応じて開閉する電磁弁である。発電中のスタック2のカソード流路22内の圧力は、エアコンプレッサ41で空気を供給しながら背圧弁432の開度を調整することにより、スタック2の発電状態に応じた適切な大きさに制御される。
加湿器46は、カソード流路22から排出されたガスに含まれる水を回収し、回収した水を用いてエアコンプレッサ41から供給される空気を加湿する。この加湿器46の機能により、発電中のスタック2のMEAは発電に適した程度に湿潤な状態に維持される。
空気供給管42には、加湿器46をバイパスするバイパス管47が設けられている。このバイパス管47には、バイパス弁471が設けられている。バイパス弁471を開くと、エアコンプレッサ41から供給される空気の多くはバイパス管47を介して、すなわち加湿器46を迂回してスタック2に供給される。バイパス弁471は、ECU6からの指令信号に応じて開閉する電磁弁である。
また、空気供給管42及び空気排出管43には、それぞれ入口封止弁421及び出口封止弁431が設けられている。これら封止弁421,431を閉じると、スタック2のカソード流路22の内部は、外気から遮断される。これら封止弁421,431は、ECU6からの指令信号に応じて開閉する電磁弁である。
冷却装置5は、スタック2の内部を流路の一部として含む冷媒循環路51と、冷媒循環路51に設けられこの循環路51内で冷媒を循環させるウォータポンプ52と、冷媒循環路51の一部となるラジエタ53と、を備える。ウォータポンプ52は、ECU6からの指令信号に応じて作動する。ウォータポンプ52の回転数は、ECU6によって制御される。
冷却装置5は、ウォータポンプ52によって冷媒を循環しスタック2と冷媒との熱交換を促進するとともに、ラジエタ53によって冷媒を冷却することにより、スタック2を保護するために定められた上限温度を上回らないようにする。
ECU6には、インピーダンスセンサ24、カソード側温度センサ25、アノード側温度センサ26、冷媒温度センサ27、電流センサ28等の燃料電池システム1の状態を把握するための複数のセンサが接続されている。
インピーダンスセンサ24は、スタック2のインピーダンス抵抗値を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。スタック2のインピーダンス抵抗値は、スタック2の内部のMEAの含水状態と相関関係がある。より具体的には、MEAの含水量が減少するほどインピーダンス抵抗値は増加する傾向がある。ECU6は、インピーダンスセンサ24によって検出されたインピーダンス抵抗値を用いることによって、間接的にMEAの含水状態を取得することができる。電流センサ28は、スタック2の出力電流を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。
カソード側温度センサ25は、カソード流路22から排出されるガスの温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。アノード側温度センサ26は、アノード流路21から排出されるガスの温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。ECU6は、これら温度センサ25,26の検出値を用いることによって、スタック2の内部温度を算出する。冷媒温度センサ27は、循環路51のうちスタック2から排出される冷媒の温度を検出し、検出値に略比例した信号をECU6に送信する。
またECU6は、上記センサ24〜28等の各種センサの出力値の時間変化、及びエアコンプレッサ41、バイパス弁471、背圧弁432、インジェクタ322、水素ポンプ341、パージ弁332、ドレイン弁351、及びウォータポンプ52等の各種装置の運転履歴を電磁的手段によって記録する履歴記録装置61を備える。
スタック2のアノード流路21内の滞留水の量や、カソード流路22内の滞留水の量は、スタック2の発電態様によって変化する。ECU6は、この履歴記録装置61に記録された各種センサの出力値の履歴や各種装置の運転履歴を参照することによって、これらアノード流路21内の滞留水の量やカソード流路22内の滞留水の量を算出する。
図示しない車両の運転席には、燃料電池システム1を起動したり停止したりするために運転者が操作可能なイグニッションスイッチIGが設けられている。イグニッションスイッチIGは、運転者によってオフからオンにされると、燃料電池システム1の起動指令信号をECU6に出力する。ECU6は、この起動指令信号を受信したことを契機として、スタックによる発電を開始させるシステム起動処理(図示せず)やスタックの暖機を促進する暖機制御(後述の図2参照)等を開始する。イグニッションスイッチIGは、運転者によってオンからオフにされると燃料電池システム1の停止指令信号をECU6に出力する。ECU6は、この停止指令信号を受信したことを契機として、システム停止処理(後述の図3、図4参照)を開始する。
図2は、燃料電池システムの始動時における暖機制御の手順を示すフローチャートである。この処理は、イグニッションスイッチからの起動指令信号を受信したことを契機として、ECUによって実行される。
S1では、ECUは、スタックの発電に伴う昇温を促進すべくウォータポンプの回転を停止し、S2に移る。S2では、ECUは、温度センサの出力に基づいてスタックの温度を取得し、S3に移る。S3では、ECUは、取得したスタックの温度が暖気制御の終了を判定するために定められた暖気終了判定温度より高いか否かを判定する。S3の判定がNOである場合には暖気制御を継続すべくS1に戻り、S3の判定がYESである場合には、この処理を終了する。なおこの暖機制御では、必ずしも上述のようにウォータポンプを停止し、冷媒の循環を停止させなくてもよい。冷えた冷媒を循環させるとスタックの昇温が妨げられるものの、温度むらが小さくなる利点もある。従って暖機制御では、スタックの昇温を妨げない程度の流量で冷媒を循環すべく、ウォータポンプを低回転で駆動したり間欠駆動したりしてもよい。
図3は、燃料電池システムの停止時におけるシステム停止処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、イグニッションスイッチからの停止指令信号を受信したことを契機として、ECUによって実行される。
ところで、燃料電池の内部に存在する水分をMEAに含まれるもの(膜含水)とガスの流路内に含まれるもの(滞留水)とに分けた場合、滞留水はMEAの保水限界を超えた膜含水がセパレータを介して徐々に時間をかけて流路内にしみ出したもの、と考えることができる場合がある。図3のシステム停止処理は、このような滞留水の生成モデルを前提として構築されている。
S11では、ECUは、インピーダンスセンサの検出値に基づいてスタック内部の含水状態を推定しS12に移る。より具体的には、ECUは、スタック内部のMEAの総含水量[g]や、MEAの含水量の限界に相当する保水限界量に対する上記含水量の割合[%]等、スタック内部の含水状態を表すパラメータの具体的な値を算出する。MEAの総含水量は、スタックのインピーダンス抵抗値が小さくなるほど少なくなる傾向がある。ECUは、このようなMEAの総含水量とインピーダンス抵抗値との相関関係に基づいて予め設定されたマップを用いることによって、スタック内部の含水状態を推定する。
S12では、ECUは、S11における含水状態の推定結果に基づいて、乾燥発電処理を行う必要があるか否かを判定する。より具体的には、ECUは、S11において算出したMEAの総含水量や保水限界量に対する割合が、それぞれに対して設定された閾値より大きい場合には乾燥発電処理を行う必要があると判定し、それ以外の場合には乾燥発電処理を行う必要がないと判定する。この判定の結果、発電乾燥処理を行う必要がある場合にはS13に移り、発電乾燥処理を行う必要がない場合にはこの処理を行うことなくS15に移る。
S13では、ECUは、S11における含水状態の推定結果を用いて、発電乾燥処理を実行する時間(以下、「乾燥時間」という)を設定し、S14に移る。ECUは、S14の乾燥発電処理が終わった後の総含水量が所定の目標値になるように、含水状態が湿潤であるほど乾燥時間を長く設定する。S14では、ECUは、スタックの内部のうち特にMEAの乾燥が促進されるように定められた乾燥発電条件の下で乾燥時間にわたってスタックによる発電を継続する乾燥発電処理を行い、完了したらS15に移る。なお、この乾燥発電条件の具体的な内容については、後述の排水発電条件と比較しながら後に説明する。
S15では、ECUは、スタック内部の滞留水の状態を推定しS16に移る。より具体的には、ECUは、運転履歴記録装置によって記録された各種センサの出力値の履歴や各種装置の運転履歴を用いることによって、スタック内部のアノード流路及びカソード流路内の滞留水の量をそれぞれ別々に算出する。また、燃料電池システムがスタック内部のアノード流路及びカソード流路内の滞留水を直接検出する水センサを備える場合には、この水センサの出力値を用いることによって各流路内の滞留水の量を直接算出してもよい。
S16では、ECUは、S15における滞留水の状態の推定結果を用いて、水排出発電処理を行う必要があるか否かを判定する。より具体的には、ECUは、S15において算出した各流路の滞留水の量が、それぞれに対して設定された所定の閾値より大きい場合には水排出発電処理を行う必要があると判定し、それ以外の場合には水排出発電処理を行う必要がないと判定する。この判定の結果、水排出発電処理を行う必要がある場合にはS17に移り、水排出発電処理を行う必要がない場合にはこの処理を行うことなくS19に移る。なお、S16の判定では、アノード流路及びカソード流路のどちらかのみの滞留水の量が閾値より大きい場合には、水排出発電処理を行う必要があると判定することが好ましい。
S17では、ECUは、S15における滞留水の状態の推定結果を用いて、水排出発電処理を実行する時間(以下、「排水時間」という)を設定し、S18に移る。ECUは、S18の排水発電処理が終わった後の滞留水の量が所定の目標値になるように、滞留水の量が多いほど排水時間を長く設定する。なお、上述のようにS16においてアノード流路側とカソード流路側とで別々に滞留水の量を算出した場合、これらアノード流路側の滞留水量及びカソード流路側の滞留水量を用いて別々に排水時間を設定することができる。この場合、アノード流路側の滞留水量を用いて算出した時間と、カソード流路側の滞留水量を用いて算出した時間とのうち大きい方を排水時間として設定することが好ましい。S18では、ECUは、スタックの内部のうち特にアノード流路及びカソード流路内の滞留水の排出が促進されるように定められた排水発電条件の下で、排水時間にわたってスタックによる発電を継続する排水発電処理を行い、完了したらS19に移る。なお、この排水発電条件の具体的な内容については、上述の乾燥発電条件と比較しながら後に説明する。
S19では、エアコンプレッサの停止、遮断弁の閉弁、及び封止弁の閉弁等からなる所定の終了処理を行った後、このシステム停止処理を終了する。燃料電池システムは、これ以降、ソーク状態となる。
ここで、乾燥発電条件及び排水発電条件の具体的な内容について、これらを比較しながら説明する。ここで、発電条件とは、スタックによる発電を行うために必要な各種装置の制御態様をいう。ここで発電を行うために必要な各種装置とは、例えば、加湿器のバイパス弁471、水素ポンプ341、パージ弁332、ドレイン弁351、水素インジェクタ322、エアコンプレッサ41、背圧弁432、電流制御器29、及びウォータポンプ52等をいう。以下、これら装置の、乾燥発電条件及び排水発電条件の下での制御態様について説明する。
<加湿器のバイパス弁について>
乾燥発電条件は、排水発電条件よりも加湿器による空気の加湿量が少なくなるように定められる。なお、加湿器による空気の加湿量とは、具体的には、加湿器によって空気に供給される水の単位時間当たりの量をいうものとする。従って加湿器のバイパス弁の開度は、乾燥発電条件の下で発電を行う場合、排水発電条件の下で発電を行う場合よりも開弁側になるように制御される。これにより乾燥発電処理中は、排水発電処理中よりも乾燥した空気がスタックに供給されるので、スタックのMEAの乾燥が促進される。なお、特に乾燥発電条件の下では、加湿器のバイパス弁は全開とし、加湿器による空気の加湿量を最小にすることが好ましい。
<アノード系の装置について>
アノード系には、水素ポンプと、パージ弁、ドレイン弁、及び水素インジェクタが設けられている。これらを用いることによって水素ガスの循環量やパージ量を調整することができる。ここで水素ガスの循環量とは、具体的には水素ポンプを介して還流されるガスの単位時間当たりの量である。したがって、この水素ガスの循環量を多くするほど、スタック内のアノード流路内からの滞留水の排出が促進される。またパージ量とは、具体的には、パージ弁又はドレイン弁を介して水素循環路から外へ排出されるガスの単位時間当たりの量である。したがって、このパージ量を多くしてもスタック内のアノード流路内からの滞留水の排出を促進できる。
水素ポンプによる水素ガスの循環量に関しては、排水発電条件は、乾燥発電条件よりも大きくなるように定められる。従って水素ポンプの回転数は、排水発電条件の下で発電を行う場合、乾燥発電条件の下で発電を行う場合よりも大きくなるように制御される。これにより排水発電処理中は、乾燥発電処理中よりも多くの量の水素ガスがアノード流路を流れるので、スタック内のアノード流路内の滞留水の排出が促進される。
またパージ量に関しては、排水発電条件は、乾燥発電条件よりもパージ量が多くなるか又は同程度になるように定められることが好ましい。従ってパージ弁及びドレイン弁の閉弁時間に対する開弁時間の割合は、排水発電条件の下で発電を行う場合、乾燥発電条件の下で発電を行う場合よりも大きくなるか又は同程度になるように制御される。これにより排水発電処理中は、乾燥発電処理中よりもスタック内のアノード流路内の滞留水の排出が促進される。
なお、このようにパージ量について排水発電条件を乾燥発電条件よりも多くした場合、これに合わせて水素インジェクタからの水素噴射量についても排水発電条件を乾燥発電条件よりも多くすることが好ましい。なお、水素噴射量とは、具体的には、水素インジェクタから水素循環路内に新たに供給される水素ガスの単位時間当たりの量をいうものとする。上述のようにパージ量を増やした場合、スタックのアノード流路で発生する差圧は低くなってしまうため、アノード流路内の滞留水が排出されにくくなってしまう。したがって排水発電条件の下では、上述のようにパージ量を増やすとともに水素噴射量も増やすことにより、アノード流路の差圧を滞留水が排出される程度に維持する。
パージ量を増量するとアノード流路内の滞留水の排出が促進されるため、水素ガスの循環量の増加と組み合わせることによって排水発電処理における排水効率を向上できる。しかしながら上述のようにパージ量を増加すると、これに合わせて水素噴射量も増加させる必要があることから、燃料効率が低下する。したがって、燃料効率の向上を優先する場合にはパージ量は増量しない方がよく、排水効率の向上を優先する場合にはパージ量を増量した方がよい。
<カソード系の装置について>
カソード系には、エアコンプレッサと背圧弁が設けられている。これらを用いることによってカソード流路を流れる空気の体積流量を調整することができる。排水発電条件は、乾燥発電条件よりもスタックのカソード流路を流れる空気の体積流量が多くなるように定められる。従って、エアコンプレッサから新たに供給される空気の供給量(すなわち、エアコンプレッサの回転数)は、排水発電条件の下で発電を行う場合、乾燥発電条件の下で発電を行う場合よりも大きくなるように制御される。また同時に、スタックのカソード流路内の圧力を調整する背圧弁の開度は、排水発電条件の下で発電を行う場合、乾燥発電条件の下で発電を行う場合よりも開側(減圧側)へ大きくなるように制御される。これにより、排水発電処理中は、乾燥発電処理中よりもスタック内のカソード流路内の滞留水の排出が促進される。
<電流制御器について>
システム全体の効率を優先する場合、乾燥発電条件は、排水発電条件よりもスタックの出力電流が小さくなるように定められることが好ましい。これにより、乾燥発電条件の下で発電を行う場合、排水発電条件の下で発電を行う場合よりも、スタックで発電に伴って新たに生成される水の量を少なくできるので、スタックのMEAの乾燥がさらに促進される。また上述のように、乾燥発電条件の下で発電を行う場合、排水発電条件の下で発電を行う場合よりもスタックに供給する水素ガスや空気の量を少なくする。これに合わせて乾燥発電条件の下ではスタックの出力電流を少なくすることにより、システム全体の効率が低下するのを抑制できる。
ところで乾燥発電処理はMEAの乾燥の促進を主な目的とした処理である。従って、ある程度の乾燥効果を確保するためには、乾燥発電処理中におけるスタックの内部の飽和水蒸気圧をある程度高くする必要がある。例えば暖機制御の実行中はスタックの内部の温度が低く特にその必要性が高い。従って暖機制御が完了する前に停止指令信号を検出した場合には、上述のようにシステム全体の効率を優先する場合とは逆に、乾燥発電条件は、排水発電条件よりもスタックの出力電流が大きくなるように定めてもよい。これにより乾燥発電処理中におけるスタックの昇温を促進し、ひいては飽和水蒸気圧を高くできるので、MEAの乾燥も速やかにできる。
<ウォータポンプについて>
イグニッションスイッチがオフにされた後に行う乾燥発電処理及び排水発電処理は、何れも発電を継続することによってスタック内の水分の量を減らすことを目的とする。この際、スタックの内部で万遍なく水分の量を減らすためには、スタック内の温度はできるだけ均一であることが好ましい。したがって、イグニッションスイッチがオフにされた後の乾燥発電処理及び排水発電処理でも、イグニッションスイッチがオフにされる前と同様の方法によってウォータポンプを駆動し、冷媒を循環させることが好ましい。
しかしながら、図2を参照して説明した暖機制御が終了する前に、すなわちスタックの温度が所定の暖機終了判定温度に達する前にイグニッションスイッチがオフにされ、図3の処理が開始する場合もある。この場合、暖機制御に引き続き冷媒の循環を停止したままであると、スタックの内部の温度差が広がってしまい、スタックの内部で万遍なく水分の量を減らすことができなくなってしまう。よって、乾燥発電処理及び排水発電処理では、スタックの温度が暖機終了判定温度(図2参照)よりも低く設定された停止時判定温度よりも高い場合には、ウォータポンプを駆動し、0ではない所定の第1流量で冷媒を循環させることが好ましい。また、スタックの温度が上記停止時判定温度より低い場合には、ウォータポンプを駆動し、上記第1流量よりも少なくかつスタックの温度が低くなるほど少なくなるように定められた第2流量で冷媒を循環させることが好ましい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図4は、本実施形態に係る燃料電池システムの停止時におけるシステム停止処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、イグニッションスイッチからの停止指令信号を受信したことを契機として、ECUによって実行される。なお、本実施形態におけるシステム停止処理は、図3を参照して説明した第1実施形態におけるシステム停止処理と、乾燥発電処理及び排水発電処理の実行の可否を判定する手順が異なる。図4の処理においいて、S24、S25、S26、S27、S28、S29は、それぞれ図2の処理におけるS11、S13、S14、S15、S17、S18と同じであるので、詳細な説明は省略する。
S21では、ECUは、図2に示す暖機制御が終了しているか否かを判定する。S21の判定がYESである場合には、S22に移る。S22では、ECUは、スタックの出力電流値に関する過去の運転履歴を参照し、イグニッションスイッチがオフにされたことを検出した時から所定時間前までの間に、出力電流値が所定の閾値以上となる高負荷運転の履歴が記録されていたか否かを判定する。S22の判定がNOである場合には、乾燥発電処理及び排水発電処理を行うことなくS30に移り、システム停止処理を終了する。
S21の判定がNOである場合、すなわち暖機制御が終了していない場合には、S24に移り、乾燥発電処理及び排水発電処理を実行した後、S30に移り、システム停止処理を終了する。暖機制御が終了していない場合、スタックの内部の水分状態は、暖機制御が終了した後よりも湿潤である傾向が多い。
S22の判定がYESである場合、すなわちイグニッションスイッチがオフにされる直前に高負荷運転が行われた場合にもS24に移り、乾燥発電処理及び排水発電処理を実行した後、S30に移り、システム停止処理を終了する。ここで、S22の判定がYESとなる場合とは、より具体的には、加速後、減速し、直ちにイグニッションスイッチがオフにされた場合が該当する。このような場合もスタックの内部の水分状態は、通常の走行中と比較して湿潤である傾向が多い。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限るものではない。本発明の趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜変更してもよい。
例えば乾燥発電処理や排水発電処理の実行の可否について、第1実施形態では、停止指令信号を受信した時におけるインピーダンスセンサの検出値(S11参照)や滞留水の量(S15参照)に基づいて判定した。また第2実施形態では、暖機制御の完了状態(S21参照)や直前の運転履歴(S22参照)に基づいて判定した。乾燥発電処理や排水発電処理の実行の可否を判定する手段は、これらに限らない。例えば、今回の燃料電池システムの起動から停止までの間にスタックの内部で発電によって生成された水の総量に基づいて乾燥発電処理や排水発電処理の実行の可否を判定してもよい。例えば燃料電池システムを起動後アイドル運転しか行わずに短時間で停止された場合のように、起動から停止までの間の総生成水量が少なく、したがってMEAが乾燥発電処理や排水発電処理が必要な程度に湿っていないと判断できる場合がある。よって、停止指令信号を受信したことに応じて、今回のシステムの起動から停止までの間の総生成水量を算出し、この総生成水量がMEAの含水量が過剰となる量より少ない場合には、乾燥発電処理や排水発電処理を行わないようにしてもよい。なお、この総生成水量は、例えばスタックの起動から停止までの間の積算発電量に基づいて推定することができる。また起動から停止までの間の積算発電量は、スタックの出力電流値及び電圧値に関する過去の運転履歴を参照することによって算出できる。
1…燃料電池システム
2…燃料電池スタック
3…アノード系(燃料ガス供給装置)
341…水素ポンプ(燃料ガス循環装置)
4…カソード系(酸化剤ガス供給装置)
46…加湿器
52…ウォータポンプ(冷媒循環装置、暖機装置)
6…ECU(暖機装置、運転履歴記録装置)
61…運転履歴記録装置

Claims (11)

  1. 酸化剤ガス及び燃料ガスが供給されると発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    前記燃料電池に供給される酸化剤ガスを加湿する加湿器と、を備えた燃料電池システムの停止方法であって、
    前記燃料電池システムに対する停止指令信号を検出する停止指令信号検出工程と、
    前記停止指令信号が検出された後に、第1発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続する含水量調整工程と、
    前記含水量調整工程が終了した後に、前記燃料電池の内部のガス流路内の滞留水の状態を推定し、当該推定結果に基づいて設定した時間にわたって第2発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続する滞留水除去工程と、を有し、
    前記第1発電条件は、前記第2発電条件よりも前記加湿器による加湿量が少なくなるように定められることを特徴とする燃料電池システムの停止方法。
  2. 前記含水量調整工程では、前記停止指令信号が検出された後に、前記燃料電池の膜の含水状態を推定し、当該推定結果に基づいて設定した時間にわたって前記第1発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの停止方法。
  3. 前記燃料電池システムは、前記燃料電池に接続された燃料ガス循環路内で燃料ガスを循環させる燃料ガス循環装置を備え、
    前記第2発電条件は、前記第1発電条件よりも前記燃料ガス循環装置による燃料ガスの循環量が大きくなるように定められることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池システムの停止方法。
  4. 前記第1発電条件は、前記第2発電条件よりも前記燃料電池の出力電流が小さくなるように定められることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の燃料電池システムの停止方法。
  5. 前記燃料電池システムは、前記燃料電池を流路に含む冷媒循環路内で冷媒を循環させる冷媒循環装置を備え、
    前記含水量調整工程では、前記燃料電池の温度が所定の停止時判定温度よりも高い場合には所定の第1流量で前記冷媒を循環させ、前記燃料電池の温度が前記停止時判定温度よりも低い場合には前記第1流量より少なくかつ前記燃料電池の温度が低くなるほど少なくなるように定められた第2流量で前記冷媒を循環させることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の燃料電池システムの停止方法。
  6. 前記燃料電池システムは、起動指令信号を検出したことに応じて前記燃料電池の暖機制御を開始する暖機装置を備え、
    前記停止方法は、前記停止指令信号を検出した時に前記暖機制御が終了していなかった場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行うことを特徴とする請求項1から5に記載の燃料電池システムの停止方法。
  7. 前記燃料電池システムは、起動指令信号を検出してから停止指令信号を検出するまでの間における前記燃料電池の出力電流値の変化を記録する運転履歴記録装置を備え、
    前記停止方法は、前記停止指令信号を検出した時から所定時間前までの間に、前記運転履歴記録装置によって前記出力電流値が所定値以上となる高負荷運転の履歴が記録されていた場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行うことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の燃料電池システムの停止方法。
  8. 前記停止方法は、起動指令信号を検出してから前記停止指令信号を検出するまでの間の前記燃料電池の内部における総生成水量を算出し、当該総生成水量が前記燃料電池の膜の含水量が過剰となる量よりも少ない場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行わないことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の燃料電池システムの停止方法
  9. 前記燃料ガス供給装置は、燃料ガスを貯蔵するタンクと、前記タンクから前記燃料電池の燃料ガス流路の導入部に至る燃料ガス供給管と、前記燃料ガス供給管に設けられた遮断弁と、を備え、
    前記含水量調整工程では、前記遮断弁を開いた状態で前記第1発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続し、
    前記滞留水除去工程では、前記遮断弁を開いた状態で前記第2発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続することを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の燃料電池システムの停止方法。
  10. 前記燃料ガス供給装置は、前記燃料ガス供給管に設けられ前記遮断弁を介して前記タンクから供給された新たな燃料ガスを前記燃料電池へ供給するインジェクタをさらに備え、
    前記第2発電条件は、前記第1発電条件よりも前記インジェクタによる燃料ガスの新たな供給量が多くなるように定められることを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システムの停止方法。
  11. 酸化剤ガス及び燃料ガスが供給されると発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給装置と、
    前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給装置と、
    前記燃料電池に供給される酸化剤ガスを加湿する加湿器と、
    起動指令信号を検出したことに応じて前記燃料電池の暖機制御を開始する暖機装置と、を備えた燃料電池システムの停止方法であって、
    前記燃料電池システムに対する停止指令信号を検出する停止指令信号検出工程と、
    前記停止指令信号が検出された後に、第1発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続する含水量調整工程と、
    前記含水量調整工程が終了した後に、第2発電条件の下で前記燃料電池による発電を継続する滞留水除去工程と、を有し、
    前記第1発電条件は、前記第2発電条件よりも前記加湿器による加湿量が少なくなるように定められ、
    前記停止方法は、前記停止指令信号を検出した時に前記暖機制御が終了していなかった場合には、前記含水量調整工程及び前記滞留水除去工程を行うことを特徴とする燃料電池システムの停止方法。
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