JP2004362825A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】全運転領域において水素の循環流量を確保すると共に、制御のハンチングを防止し、且つ無駄なポンプ駆動を抑制することができる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】燃料電池システムにおいては、循環経路を介したイジェクタ28への水素供給量が所定値以下である期間に、当該イジェクタ28と並列に設けられた循環ポンプ32を駆動するように、コントローラ2によって制御する。これにより、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1による発電量が所定値以上であっても循環ポンプ32を駆動するので、全運転領域において水素の循環量を確保することができ、また、イジェクタ28への水素供給量に基づいて循環ポンプ32を制御するので、制御のハンチングを防止し、且つ無駄なポンプ駆動も抑制することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば燃料電池車両に搭載され、当該燃料電池車両の駆動トルクを発生させるために燃料電池を発電させるときに、燃料ガスとなる水素ガス等を循環させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃料電池の燃料極(水素極)に水素を多量に含む燃料ガスを供給すると共に、空気極に酸化剤ガスとしての空気を供給し、所定の電解質膜を介してこれら水素と酸素とを電気化学的に反応させて発電電力を得る燃料電池システムが知られている。
【0003】
このような燃料電池を用いた燃料電池システムにおいては、通常、下記の特許文献1に記載されているように、燃料電池から排出される反応ガスを循環させることが行われている。
【0004】
この特許文献1には、燃料電池の発電に用いた燃料ガスのうち、残存した燃料ガスを循環させて再利用する燃料電池システムが開示されている。この特許文献1では、水素を含むアノードガスと酸素を含むカソードガスとが供給されて発電を行う燃料電池スタックと、アノードにアノードガスを供給する流路の途中に設けられた動力不要のイジェクタと、アノードから排出されるアノード排ガスをイジェクタに導入する循環流路と、この循環流路に設けられる循環ポンプとを備えた燃料電池システムが開示されている。
【0005】
そして、この特許文献1には、燃料電池から取り出す電力を低くして発電させるアイドル運転時等には、燃料電池スタックから排出される未使用ガスも少なくなりイジェクタでの循環効果が低くなるので、排出される未使用ガスの流量を流量計で検出し、この流量が少なくてイジェクタでの循環効果が低い場合には循環ポンプを動作させることが開示されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−352825号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した特許文献1に記載された燃料電池システムにおいては、排出される未使用ガスの流量が少ない場合に循環ポンプを動作させるので、アイドル運転時等の低負荷での運転時にのみ循環ポンプが動作することになる。
【0008】
したがって、この燃料電池システムにおいては、運転負荷に応じて圧力制御する場合には、運転負荷が高負荷から中負荷等に急減した場合のように、燃料電池スタックに供給する燃料ガス圧力を急低下させる場合には、イジェクタに供給する燃料ガス量がゼロとなり、イジェクタによる燃料ガスの循環が不可能となる場合がある。
【0009】
しかしながら、この燃料電池システムにおいては、このようなイジェクタでの循環が不可能となる場合であっても、未使用ガスの流量のみによって循環ポンプを動作させているので循環ポンプが動作せず、その後に、未使用ガスを全く循環させることができなくなるという問題があった。
【0010】
また、この燃料電池システムにおいては、排出される未使用ガスの流量で循環ポンプを制御するので、循環ポンプを動作させると、排出される未使用ガスの流量が即座に増加することになる。
【0011】
したがって、この燃料電池システムにおいては、制御の応答性を上げようとすると、循環ポンプの動作を開始した後に即座に循環ポンプを停止させることになり、循環ポンプ制御のハンチングを起こすおそれがある。
【0012】
ここで、このようなハンチングは、循環ポンプを所定時間だけ動作させるといった制御を行うことによって防止することができるが、この場合、循環ポンプを無駄に駆動させる必要性が増加し、エネルギのロスが多くなるという問題があった。
【0013】
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、全運転領域において燃料ガスの循環流量を確保することができると共に、制御のハンチングを防止し、且つ燃料ガスの循環に際して無駄なポンプ駆動を抑制することができる燃料電池システムを提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池と、燃料電池に接続された燃料ガス供給経路を有し、燃料ガスを燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、燃料電池の燃料ガス出口と燃料ガス供給経路とを接続する循環経路と、燃料ガス供給経路から燃料電池に供給する燃料ガスと、循環経路を介して送られる燃料ガスとを混合して燃料電池の燃料ガス入口に還流させるイジェクタと、イジェクタの上流側の燃料ガス供給経路に設けられ、制御手段の制御に従って開閉されて燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を制御する調圧弁とを備える。また、この燃料電池システムでは、循環経路にイジェクタと並列して設けられた循環ポンプを更に備え、燃料電池の燃料ガス出口からのガスを循環経路によってイジェクタに供給して燃料電池に還流すると共に、循環ポンプによって燃料電池の燃料ガス出口からのガスを燃料電池に還流することが可能な構成となっている。
【0015】
このような燃料電池システムは、上述の課題を解決するために、燃料電池に要求される目標発電量に相当するパラメータを演算し、演算したパラメータ及び圧力検出手段により検出された燃料ガスの実圧力に基づいて調圧弁の開度を制御しているときに、制御手段により、燃料ガス供給経路からイジェクタへの燃料ガスの供給量が所定供給量以下であると判定した期間に、循環ポンプを駆動して、循環ポンプによって燃料電池の燃料ガス出口からのガスを燃料電池に還流する。
【0016】
【発明の効果】
本発明に係る燃料電池システムによれば、燃料ガス供給経路からイジェクタへの燃料ガスの供給量が所定供給量以下であると判定した期間に、循環ポンプを駆動して、循環ポンプによって燃料電池の燃料ガス出口からのガスを燃料電池に還流するようにしたので、全運転領域において燃料ガスの循環量を確保することができる。また、本発明に係る燃料電池システムによれば、イジェクタへの燃料ガスの供給量に基づいて循環ポンプを制御するので、制御のハンチングを防止し、且つ無駄なポンプ駆動も抑制することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
この実施の形態は、例えば燃料電池車両に搭載され、負荷として搭載された駆動モータや燃料電池スタックを発電させるための補機類等に電力供給することにより、車両走行するための駆動トルクを発生させる燃料電池システムについて説明するものである。
【0019】
[第1実施形態]
まず、本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。
【0020】
[燃料電池システムの構成]
第1実施形態に係る燃料電池システムは、図1に示すように、当該燃料電池システムの主電源であって、発電反応を発生させるための水素を多量に含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとが供給されることによって発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を挟んで、酸化剤ガスが供給される空気極と燃料ガスが供給される水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層することによって構成されている。すなわち、この燃料電池スタック1による発電は、水素極にて水素が電子を放出してイオン化し、生成された水素イオン(H)が高分子電解質膜を通過して空気極に到達し、この水素イオンが空気極にて酸素と結合して水(HO)を生成することによって行われる。この燃料電池スタック1によって発電されて得られた電流(電力)は、後述する駆動ユニット36を含む車両を構成する外部システムへと供給される。
【0021】
また、燃料電池システムは、各部の動作を制御して燃料電池スタック1の発電反応を制御する制御手段であるコントローラ2を備える。このコントローラ2は、例えば図示しないROM(Read Only Memory)等の記憶部に、燃料電池システムを起動して負荷に対して電力供給を行う一連の処理手順を記述した燃料電池制御プログラムを格納し、後述する各種センサからの信号を読み込み、当該燃料電池制御プログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって実行して各部へと指令を送ることにより、駆動ユニット36を含む各種アクチュエータを駆動制御する。
【0022】
より具体的には、コントローラ2は、図2に示すような機能構成を有する。すなわち、コントローラ2は、目標発電量相当パラメータ演算部11により、燃料電池スタック1に要求される目標発電量相当のパラメータを演算すると共に、運転状態検出部12により、各種センサからのセンサ信号に基づいて燃料電池スタック1の運転状態を検出する。そして、コントローラ2では、ガス目標動作点演算部13により、目標発電量相当パラメータ演算部11の出力に基づいて燃料電池スタック1のガスの目標動作点を演算し、ガス動作点制御部14により、運転状態検出部12及びガス目標動作点演算部13の出力に基づいてガスの動作点の制御を行う。これにより、コントローラ2では、循環ポンプ制御部15により、目標発電量相当パラメータ演算部11、運転状態検出部12、ガス目標動作点演算部13、及びガス動作点制御部14の出力に基づいて循環ポンプ32の制御を行う。
【0023】
このようなコントローラ2は、燃料電池スタック1から取り出して駆動ユニット36に供給する出力(電流値)が指令されると、燃料電池スタック1による目標発電量に基づいて決定される燃料ガス及び酸化剤ガスに関する目標値と、実際に実現されている空気圧力及び空気流量、並びに水素圧力及び水素流量とに応じて、燃料電池システムを構成する各部を制御することになる。
【0024】
さらに、燃料電池システムは、図1に示すように、燃料電池スタック1に酸素を含む空気を供給する空気供給系、燃料電池スタック1に燃料ガスとしての水素ガスを供給する水素供給系、空気及び水素ガスを加湿するための純水循環系を備える。
【0025】
空気供給系は、空気供給経路L1にコンプレッサ21、加湿器22が設けられて燃料電池スタック1に空気を供給すると共に、燃料電池スタック1の空気排出側に空気供給制御弁23が設けられて構成されている。また、この空気供給系は、燃料電池スタック1に供給する空気流量を検出する空気流量センサ24、燃料電池スタック1に供給している空気圧力を検出する空気圧力センサ25が空気供給経路L1に設けられている。
【0026】
このような空気供給系は、燃料電池スタック1を発電させるに際して、コントローラ2の制御信号に応じて、コンプレッサ21により外気を取り込み、加湿器22を介して空気を供給し、燃料電池スタック1から排出された空気を空気供給制御弁23を介して外気に排出する。このとき、コントローラ2では、空気流量センサ24のセンサ信号を読み込んでコンプレッサ21の回転数を制御することにより空気流量を調整すると共に、空気圧力センサ25のセンサ信号を読み込んで図示しないアクチュエータを制御することにより空気供給制御弁23の開度を制御して空気圧力を調整する。
【0027】
水素供給系は、水素供給経路L2に高圧水素貯蔵タンク26、水素調圧弁27、イジェクタ28、加湿器22が設けられて燃料電池スタック1に水素ガスを供給すると共に、燃料電池スタック1の水素ガス排出側にパージ弁29が設けられて構成されている。また、この水素供給系は、燃料電池スタック1に供給する水素流量を検出する水素流量センサ30、燃料電池スタック1に供給している水素圧力を検出する水素圧力センサ31が、イジェクタ28の燃料電池スタック1側の水素供給経路L2に設けられている。
【0028】
このような水素供給系は、燃料電池スタック1を発電させるに際して、コントローラ2の制御信号に応じて、図示しないアクチュエータを制御することにより水素調圧弁27を開状態にして、高圧水素貯蔵タンク26に高圧状態で貯蔵されている水素ガスをイジェクタ28及び加湿器22を介して燃料電池スタック1に供給する。このとき、コントローラ2では、水素流量センサ30及び水素圧力センサ31のセンサ信号を読み込んで、水素調圧弁27の開度を制御することにより水素流量及び水素圧力を調整する。また、コントローラ2は、必要に応じてパージ弁29のアクチュエータを制御して、燃料電池スタック1内のガスを排出させる。
【0029】
更に、この水素供給系は、燃料電池スタック1の水素排出側とパージ弁29との間の水素供給経路L2と、イジェクタ28とを接続する水素循環経路L3を備える。これにより、水素供給系では、水素調圧弁27から燃料電池スタック1に供給する水素ガスによって水素循環経路L3の水素ガスをイジェクタ28によって取り込み、高圧水素貯蔵タンク26からの水素ガスと燃料電池スタック1から排出された水素ガスとを混合して燃料電池スタック1に供給する。
【0030】
更に、この水素供給系は、水素循環経路L3から分岐してイジェクタ28から燃料電池スタック1側の水素供給経路L2に接続された分岐経路L4を備える。この分岐経路L4には、水素循環経路L3内のガスを取り込んで水素供給経路L2に供給するための循環ポンプ32が、水素循環経路L3の水素ガスを取り込むイジェクタ28と並列関係となるように設けられている。この循環ポンプ32は、コントローラ2からの制御信号により駆動され、水素循環経路L3のガスを取り込んで空気供給経路L1に吐出することにより、燃料電池スタック1から排出された水素ガスを燃料電池スタック1に供給する。
【0031】
純水循環系は、純水循環経路L5に、純水ポンプ33及び加湿器22が設けられて構成されている。この純水循環系は、燃料電池スタック1を発電させるに際して、コントローラ2の制御信号に応じて純水ポンプ33が駆動されることにより、純水循環経路L5に純水を循環させる。これにより、純水循環系は、加湿器22を通過する空気及び水素ガスを加湿させて、燃料電池スタック1の固体高分子電解質膜を加湿させる。
【0032】
更に、この燃料電池システムでは、燃料電池スタック1の電力供給ラインに、燃料電池スタック1から取り出す電圧を検出する電圧センサ34、燃料電池スタック1から取り出す電流を検出する電流センサ35、燃料電池スタック1からの電力により駆動する駆動ユニット36が設けられている。
【0033】
このような燃料電池システムにおいて、コントローラ2は、空気流量センサ24及び空気圧力センサ25によって検出された検出値が、そのときの燃料電池スタック1による目標発電量に基づいて決定される所定の目標値となるように、コンプレッサ21の駆動量、空気供給制御弁15の開度、純水ポンプ33の駆動量等を制御することになる。
【0034】
また、コントローラ2は、水素流量センサ30及び水素圧力センサ31によって検出された検出値が、そのときの燃料電池スタック1による目標発電量に基づいて決定される所定の目標値となるように、水素調圧弁27の開度や純水ポンプ33の駆動量等を制御することになる。
【0035】
更に、コントローラ2は、電圧センサ34及び電流センサ35によって検出された検出値に基づいて、燃料電池スタック1の出力を制御し、駆動ユニット36に供給する電力を決定する。
【0036】
[燃料電池システムの動作]
つぎに、上述したように構成された燃料電池システムにおいて、コントローラ2による水素供給制御処理の処理内容について説明する。
【0037】
ここで、燃料電池スタック1から取り出す負荷(電流)に対するイジェクタ28による循環率の特性例を図3に示す。通常、イジェクタ28による循環率の特性は、燃料電池スタック1の出力電流が所定値以下である極低負荷領域から急激に循環率が増加し、目標循環率まで到達するものとなる。このように、電流が所定値以下である極低負荷領域では、イジェクタ28のみを用いて所望の循環率を実現することが困難となる。したがって、燃料電池システムにおいては、イジェクタ28を用いて循環率を確保するのが困難である運転領域において、循環ポンプ32を用いる制御をコントローラ2によって行う。
【0038】
これに対し、燃料電池システムにおいては、より低負荷までイジェクタ28を用いた循環を実現しようとして当該イジェクタ28を低流量に対応したものにした場合には、低負荷から高負荷までの広いレンジの水素流量を流すことが不可能であるので、使用流量域の異なる複数のイジェクタ28を設け、これら複数のイジェクタ28を領域に応じて使い分けるといったように、複雑な制御が必要となってしまう。
【0039】
したがって、燃料電池システムにおいては、極低負荷領域と以下に示すような運転状態との両方の運転状態において循環ポンプ32を駆動し、水素ガスの循環を実現する。
【0040】
また、燃料電池システムにおいては、水素ガス流量を変更する過渡時には、燃料電池スタック1の出力電流が極低負荷領域よりも高い領域であっても、イジェクタ28に供給される水素流量が低下して循環率が低下することがあり、この場合であってもコントローラ2により循環ポンプ32を用いる制御を行う。
【0041】
具体的には、燃料電池システムにおいては、コントローラ2の制御により、図4に示す一連の処理を経ることにより、水素の適切な循環を実現する。この図4に示す一連の処理は、例えば燃料電池システムが起動しているときにおいて、10msといった所定時間毎に実行される。
【0042】
まず、コントローラ2は、ステップS1において、先に図2に示した目標発電量相当パラメータ演算部11によって、燃料電池スタック1の発電量の目標とする目標発電量TPOWERを演算する。
【0043】
続いて、コントローラ2は、ステップS2において、目標発電量相当パラメータ演算部11によって、ステップS1にて求めた目標発電量TPOWERの発電量を発電させるときに、燃料電池スタック1の出力電流の目標とする目標電流値TCURRENTを演算する。
【0044】
続いて、コントローラ2は、ステップS3において、ガス目標動作点演算部13によって、ステップS2にて求めた目標電流値TCURRENTを燃料電池スタック1から出力するときに必要な空気圧力及び水素ガス圧力を目標ガス圧力TPRとして求める演算をする。このとき、ガス目標動作点演算部13は、負荷に対する目標ガス圧力を示す例えば図5に示すようなテーブルデータを用いて目標ガス圧力TPRを演算する。なお、この演算に用いるテーブルデータは、負荷(目標電流値TCURRENT)が大きくなるのにともない目標ガス圧力が非線形的に増加するデータであり、目標ガス圧力が常に大気圧よりも大きい値とされるデータである。
【0045】
そして、コントローラ2は、ステップS4において、運転状態検出部12によって、水素圧力センサ31からのセンサ信号を読み込み、燃料電池スタック1に供給している水素ガスの実圧力PRを検出する。
【0046】
また、コントローラ2は、ステップS5において、運転状態検出部12によって、燃料電池スタック1を冷却するための冷却水の温度を検出する図示しないセンサからの信号を読み込み、冷却水温度TFCを検出する。
【0047】
続いて、コントローラ2は、ステップS6において、ステップS3にて求めた目標ガス圧力TPR及びステップS4にて検出した水素の実圧力PRに基づいて、ガス動作点演算部54によって、燃料電池スタック1に供給する水素ガス圧力を目標ガス圧力TPRとするように水素調圧弁27の開度を調整して水素の圧力制御を実行する。なお、このステップS6では、水素ガス圧力のみならず、空気圧力も空気供給制御弁23の開度及びコンプレッサ21の回転数を制御して目標ガス圧力TPRとすることが望ましい。
【0048】
そして、コントローラ2は、ステップS7において、パージ弁29による水素ガスのパージを実行するパージ実行判断処理を行う。
【0049】
具体的には、コントローラ2は、このパージ実行判断処理として、図6に示す一連の処理を行う。なお、この図6に示す処理において、パージ弁29の開閉状態を表すパージ弁開閉フラグfPURGEHは、パージ弁29が閉塞されている状態を“1”で表し、パージ弁29が開放されている状態を“0”で表すものとする。
【0050】
まず、コントローラ2は、パージ実行判断処理を行う際には、ステップS11において、運転状態検出部12によって電圧センサ34からのセンサ信号を読み込むことにより燃料電池スタック1のセル電圧CVを検出し、ステップS12において、燃料電池スタック1における水素極内の窒素蓄積量N2の推定演算を行う。ここで、コントローラ2は、燃料電池スタック1における水素極と空気極との差圧が大きくなるほど窒素蓄積量N2を大きくし、また、パージ弁29を閉塞してからの経過時間が長くなるほど窒素蓄積量N2を大きくする。
【0051】
続いて、コントローラ2は、ステップS13において、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が「1」か否かを判断することにより、現在パージが行われていないか否かを判断する。
【0052】
ここで、コントローラ2は、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”である、すなわち、パージ弁29が閉塞されておりパージ中でないと判断した場合には、ステップS14へと処理を移行して、最低セル電圧min(CV)が、予め設定しておいた所定の下限値CVLIMITよりも小さいか否かを判断する。
【0053】
そして、コントローラ2は、最低セル電圧min(CV)が所定の下限値CVLIMITよりも小さいと判断した場合には、ステップS15へと処理を移行し、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値を「0」に設定する。すなわち、コントローラ2は、パージ弁29を開放する制御信号を出力して、一連のパージ実行判断処理を終了する。
【0054】
一方、コントローラ2は、ステップS14にて最低セル電圧min(CV)が所定の下限値CVLIMITよりも小さくないと判断した場合には、ステップS16へと処理を移行して、ステップS12にて演算した窒素蓄積量N2が、予め設定した所定の上限値N2LIMITよりも大きいか否かを判断する。
【0055】
ここで、コントローラ2は、窒素蓄積量N2が所定の上限値N2LIMITよりも大きいと判断した場合には、ステップS15へと処理を移行し、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値を「0」に設定して、すなわち、パージ弁29を開放するように指令し、一連のパージ実行判断処理を終了する一方で、水素極の窒素蓄積量N2が所定の上限値N2LIMITよりも大きくないと判断した場合には、そのままパージ弁29を開放することなく、一連のパージ実行判断処理を終了する。
【0056】
また、コントローラ2は、ステップS13にてパージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”でない、すなわち、パージ弁29が開放されておりパージ中であると判断した場合には、ステップS17へと処理を移行し、例えばパージ弁29の開放時刻からの所定時間経過や、セル電圧の回復といったパージ弁29を閉塞させる条件が成立しているか否かを判断する。
【0057】
ここで、コントローラ2は、パージ弁29を閉塞させる条件が成立していると判断した場合には、ステップS18において、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値を“1”と設定し、パージ弁29を閉塞する制御をして、一連のパージ実行判断処理を終了する。一方、コントローラ2は、パージ弁29を閉塞させる条件が成立していないと判断した場合には、パージ弁29を開放したまま、一連のパージ実行判断処理を終了する。
【0058】
コントローラ2は、このような一連のパージ実行判断処理を終了すると、図4中のステップS8へと処理を移行する。すなわち、コントローラ2は、ステップS8において、先に図2に示した循環ポンプ制御部55によって循環ポンプ32の駆動指令値を演算する。
【0059】
具体的には、コントローラ2は、この循環ポンプ32の駆動指令値演算処理として、図7に示す一連の処理を行う。
【0060】
まず、コントローラ2は、循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を行う際には、同図に示すように、ステップS21において、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”である、すなわち、パージ弁29が閉塞されておりパージ中でないか否かを判断する。
【0061】
ここで、コントローラ2は、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”であると判断した場合には、ステップS22へと処理を移行して、イジェクタ28による水素ガスの循環が成立していることを判定するための燃料電池スタック1の出力電流の下限値である下限電流値CEJMINを演算する。
【0062】
なお、この下限電流値CEJMINは、図4中のステップS5にて検出した燃料電池スタック1の冷却水温度TFCや、図6中のステップS12にて求めた燃料電池スタック1における水素極の窒素蓄積量N2からコントローラ2により求める。すなわち、燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1の冷却水温度が高い場合には循環ガス中の水蒸気分圧が大きくなり、燃料電池スタック1から排出される循環ガス中の水素ガスに対する水蒸気割合が増加するので、イジェクタ28による水素ガスの循環効率が低下する。そのため、コントローラ2は、冷却水温度TFCが高い程、下限電流値CEJMINを大きくするように、当該下限電流値CEJMINの演算を行う。また、燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1における水素極の窒素蓄積量Nが多い場合には、やはりイジェクタ28による水素ガスの循環効率が低下する。そのため、コントローラ2は、窒素蓄積量N2が大きくなる程、下限電流値CEJMINを大きくするように、当該下限電流値CEJMINの演算を行う。
【0063】
続いて、コントローラ2は、ステップS23において、図4中ステップS2にて求めた目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さいか否かを判断する。
【0064】
ここで、コントローラ2は、目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さいと判断した場合には、ステップS24において、循環ポンプ32を駆動させ、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。一方、コントローラ2は、目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さくないと判断した場合には、ステップS25へと処理を移行する。
【0065】
コントローラ2は、ステップS25において、運転状態検出部12によって水素調圧弁27の開度を示す指令値を読み込み、ステップS26において、水素調圧弁27の開度を示す指令値が全閉相当であるか否かを判断する。
【0066】
そして、コントローラ2は、水素調圧弁27の開度を示す指令値が全閉相当であると判断した場合には、ステップS24へと処理を移行し、循環ポンプ32を駆動させて、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。一方、コントローラ2は、水素調圧弁27の開度を示す指令値が全閉相当でないと判断した場合には、ステップS27へと処理を移行し、循環ポンプ32を非駆動として、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0067】
また、コントローラ2は、ステップS21にてパージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”でないと判断した場合には、パージ弁29が開放されている状態であるので、ステップS28へと処理を移行し、循環ポンプ32を非駆動として、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0068】
つぎに、本発明を適用した燃料電池システムに対する比較例の動作を図8を参照して説明すると共に、図4,図6及び図7に示す処理を行った場合の燃料電池システムの動作を図9を参照して説明する。ここで、比較例に係る燃料電池システムは、燃料電池スタックによる発電量が所定値以下である場合のみ循環ポンプを駆動し、中負荷時には循環ポンプを駆動しないようにした場合において、中負荷から出力が低下したときの動作を示している。
【0069】
この場合、時刻T1で燃料電池スタックによる目標発電量が急激に減少した際には(図8(a)、図9(a))、目標水素圧力も急激に減少する(図8(b)、図9(b))。しかしながら、水素供給系は循環系で構成されているので、実水素圧力は、低下した後の燃料電池スタックの出力、すなわち、取り出し電流に応じて、徐々に低下する(図8(b)、図9(b))。したがって、この状態では、高圧水素貯蔵タンク26側の上流から水素を供給する必要がないので、水素調圧弁27は全閉状態となり(図8(c)、図9(c))、その結果、高圧水素貯蔵タンク26からイジェクタ28への水素流量もゼロとなる(図8(d)、図9(d))。
【0070】
これにより、イジェクタ28による循環量もゼロとなってしまうので(図8(e)、図9(e))、その結果、実水素圧力が低下する時刻T1〜時刻T2の期間では、水素のストイキ比(供給流量/消費流量)が目標値を下回ってしまう状態となる(図8(g))。
【0071】
これに対して、本発明を適用した燃料電池システムにおいては、図9に示すように、燃料電池スタック1による発電量が所定値以上であっても、水素調圧弁27が全閉若しくは極低開度とされることによって水素流量がゼロ若しくは極低流量とされる期間には循環ポンプ32を駆動する(図9(f))。これにより、燃料電池システムにおいては、水素のストイキ比がほぼ目標値となるように制御することができる(図9(g))。
【0072】
このように、燃料電池システムにおいては、コントローラ2の制御のもとに、イジェクタ28への水素供給量が所定値よりも小さい期間に、循環ポンプ32を駆動するように制御することにより、イジェクタ28とあわせた水素の適切な循環を実現することができる。
【0073】
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第1実施形態に係る燃料電池システムによれば、水素調圧弁27の開度が全閉相当であって高圧水素貯蔵タンク26からイジェクタ28への水素の供給量が所定値以下である期間も、当該イジェクタ28と並列に設けられた循環ポンプ32を駆動することにより、下限電流値CEJMINよりも目標電流値TCURRENTが大きく燃料電池スタック1による発電量が所定値以上であっても、循環ポンプ32を駆動することになる。そのため、この燃料電池システムによれば、全運転領域において水素ガスの循環量を確保することができる。また、この燃料電池システムにおいては、高圧水素貯蔵タンク26からイジェクタ28への水素供給量に基づいて循環ポンプ32を制御するので、循環ポンプ32制御のハンチングを防止し、且つ無駄なポンプ駆動も抑制することができる。
【0074】
また、この燃料電池システムにおいては、水素調圧弁27の開度が全閉相当である期間に循環ポンプ32を駆動することにより、燃料電池スタック1による発電量が所定値以上であっても、容易に水素ガスの循環量を確保することができる。
【0075】
さらに、この燃料電池システムにおいては、目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さく、燃料電池スタック1から取り出す出力の目標値が所定値よりも小さい期間には循環ポンプ32を駆動するように、コントローラ2によって制御することにより、何らかのトラブルによって高圧水素貯蔵タンク26からイジェクタ28に供給する水素ガス流量の推定を行うことができなくなった場合であっても、最低限の水素ガスの循環量を確保することができる。
【0076】
ここで、この燃料電池システムにおいては、冷却水温度が高くなるのにともない値が大きくなるように、下限電流値の演算を行うので、燃料電池スタック1の温度が高くて当該燃料電池スタック1から排出されるガス中に水蒸気が多く、イジェクタ28による水素ガスの循環が困難な運転状態であっても、循環ポンプ32を駆動して確実に水素ガスの循環を実現することが可能となる。
【0077】
また、この燃料電池システムにおいては、燃料電池スタック1における水素極と空気極との差圧が大きくなるほど、また、パージ弁29を閉塞してからの経過時間が長くなるほど値が大きくなるように、下限電流値の演算を行う。これにより、燃料電池システムでは、燃料電池スタック1から排出されるガス中に蓄積した窒素量が多く、イジェクタ28による水素ガスの循環が困難な運転状態であっても、循環ポンプ32を駆動して確実に水素ガスの循環を実現することが可能となる。
【0078】
さらにまた、この燃料電池システムにおいては、パージ弁29を開放している期間に循環ポンプ32を非駆動として停止させることにより、燃料電池スタック1の内部での水素ガス流量が十分に確保できている場合には、循環ポンプ32を停止して余計な電力を消費することを防止することができる。
【0079】
[第2実施形態]
つぎに、第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、この第2実施形態の説明では、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号を付することによってその詳細な説明を省略する。
【0080】
この第2実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池スタック1による発電量が所定値以下である場合、或いは、所定値以上の場合であっても、燃料電池スタック1に供給する水素ガス流量を示す同一の演算値に基づいて、循環ポンプ32の駆動を制御するものである。
【0081】
[燃料電池システムの動作]
第2実施形態に係る燃料電池システムにおいては、循環ポンプ32の駆動指令値演算処理として、図7に示した一連の処理に代えて、図10に示す一連の処理を行う。
【0082】
すなわち、コントローラ2は、同図に示すように、ステップS31において、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”である、すなわち、パージ弁29が閉塞されておりパージ中でないか否かを判断する。ここで、コントローラ2は、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”であると判断した場合には、ステップS32へと処理を移行し、ステップS22と同様に下限水素流量QH2EJMINを演算する。
【0083】
続いて、コントローラ2は、ステップS33において、高圧水素貯蔵タンク26と水素調圧弁27との間の水素供給経路L2に設けられた図示しない水素圧力センサからのセンサ信号から、水素調圧弁27上流の水素圧力PH2Mを読み込み、ステップS34において、運転状態検出部12によって水素調圧弁27の開度を示す指令値を読み込み、さらにステップS35において、運転状態検出部12によって水素圧力センサ31からのセンサ信号を読み込み、水素の実圧力PRH2を検出する。
【0084】
続いて、コントローラ2は、ステップS36において、ステップS33にて検出した水素調圧弁27上流の水素圧力PH2Mと、ステップS34にて検出した水素調圧弁27の指令値と、ステップS35にて検出した水素の実圧力PRH2とに基づいて、高圧水素貯蔵タンク26からイジェクタ28に供給している水素流量QH2を演算する。
【0085】
そして、コントローラ2は、ステップS37において、ステップS36にて求めた水素流量QH2がステップS32にて求めた下限水素流量QH2EJMINよりも小さいか否かを判断する。ここで、コントローラ2は、水素流量QH2が下限水素流量QH2EJMINよりも小さいと判断した場合には、ステップS38へと処理を移行し、循環ポンプ32を駆動させ、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0086】
一方、コントローラ2は、水素流量QH2が下限水素流量QH2EJMINよりも小さくないと判断した場合には、ステップS39へと処理を移行して、循環ポンプ32を非駆動に制御して、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0087】
また、コントローラ2は、ステップS31にてパージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”でないと判断した場合には、パージ弁29が開放されている状態であるので、ステップS40へと処理を移行し、循環ポンプ32を非駆動とし、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0088】
燃料電池システムにおいては、コントローラ2の制御のもとに、このような一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を行うことによって循環ポンプ32を制御する。燃料電池システムにおいては、この第2実施形態として示した制御を行う場合であっても、先に図9に示したように循環ポンプ32を駆動することとなり、燃料電池スタック1の運転状態に拘わらず水素のストイキ比がほぼ目標値となるように制御することができ、イジェクタ28とあわせた水素の適切な循環を実現することができる。
【0089】
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、少なくとも水素調圧弁27の開度と水素の実圧力とに基づいて演算した高圧水素貯蔵タンク26からイジェクタ28に供給している水素流量を、燃料電池スタック1に供給する水素ガス流量を示す同一の演算値として使用し、当該水素流量が下限水素流量QH2EJMINとして設定した所定流量よりも小さい期間に循環ポンプ32を駆動するので、イジェクタ28による水素循環が困難な運転状態を的確に把握した上で循環ポンプ32を駆動することが可能となり、無駄なポンプ駆動を抑制することができ、少ない消費電力で効率よく水素の循環量を確保することができる。
【0090】
[第3実施形態]
つぎに、第3実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、この第3実施形態の説明では、上述の実施形態と同様の部分については同一の符号を付することによってその詳細な説明を省略するものとする。
【0091】
この第3実施形態に係る燃料電池システムは、燃料電池スタック1による発電量が所定値以上である場合には、燃料電池スタック1に供給する水素ガスの目標圧力と、水素ガスの実圧力との関係に基づいて、循環ポンプ32の駆動を制御するものである。
【0092】
[燃料電池システムの動作]
第3実施形態に係る燃料電池システムにおいては、循環ポンプ32の駆動指令値演算処理として、図7又は図10に示した一連の処理に代えて、図11に示す一連の処理を行う。
【0093】
すなわち、コントローラ2は、同図に示すように、ステップS51において、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”であるか否か、すなわち、パージ弁29が閉塞されておりパージ中でないか否かを判断する。ここで、コントローラ2は、パージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”であると判断した場合には、ステップS52へと処理を移行して、下限電流値CEJMINを演算する。
【0094】
続いて、コントローラ2は、ステップS53において、図4中ステップS2にて求めた目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さいか否かを判断する。
【0095】
ここで、コントローラ2は、目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さいと判断した場合には、ステップS54において、循環ポンプ32を駆動させ、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。一方コントローラ2は、目標電流値TCURRENTが下限電流値CEJMINよりも小さくないと判断した場合には、ステップS55へと処理を移行する。
【0096】
コントローラ2は、ステップS55において、図4中ステップS3にて求めた目標ガス圧力TPRを読み込み、ステップS56において、運転状態検出部12によって水素圧力センサ31からのセンサ信号を読み込み、水素の実圧力PRH2を検出する。
【0097】
そして、コントローラ2は、ステップS57において、ステップS56にて検出した水素ガスの実圧力PRH2と、ステップS55にて読み込んだ目標ガス圧力TPRとの差分(PRH2−TPR)が、所定値αよりも大きいか否かを判断する。
【0098】
ここで、コントローラ2は、差分(PRH2−TPR)が所定値αよりも大きいと判断した場合には、ステップS54へと処理を移行し、循環ポンプ32を駆動させ、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0099】
一方、コントローラ2は、差分(PRH2−TPR)が所定値αよりも大きくないと判断した場合には、ステップS58へと処理を移行し、循環ポンプ32を非駆動とするように指令し、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0100】
また、コントローラ2は、ステップS51にてパージ弁開閉フラグfPURGEHの値が“1”でないと判断した場合には、パージ弁29が開放されている状態であるので、ステップS59へと処理を移行し、循環ポンプ32を非駆動とし、一連の循環ポンプ32の駆動指令値演算処理を終了する。
【0101】
このような燃料電池システムにおいては、先に図9に示したように、燃料電池スタック1による発電量が所定値以上であっても、水素の実圧力が目標圧力よりも所定圧力以上大きい期間には循環ポンプ32を駆動することにより、燃料電池スタック1の運転状態に拘わらず水素のストイキ比をほぼ目標値とするように制御することができ、水素の適切な循環を実現することができる。
【0102】
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、第3実施形態に係る燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1から取り出す出力の目標値が所定値よりも小さくない場合には、水素ガスの実圧力と目標ガス圧力との差分が所定圧力よりも大きい期間に循環ポンプ32を駆動することにより、実際にイジェクタ28に供給する水素ガス流量を求めることなく循環ポンプ32の制御が可能となるので、簡便な制御で水素の循環量を確保することができる。
【0103】
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
【0104】
例えば、上述の実施形態では、コントローラ2による制御内容として、循環ポンプ32の駆動又は非駆動の別までしか述べていないが、この循環ポンプ32の駆動内容としては、水素流量や目標ガス圧力と水素の実圧力との偏差の大きさに基づいて求める可変流量となるように、当該循環ポンプ32を駆動するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムが備えるコントローラが有する制御系の機能を示すブロック図である。
【図3】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムが備える燃料電池スタックから取り出す電流に対するイジェクタによる循環率の特性例を説明するための図である。
【図4】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、循環ポンプを制御して水素の適切な循環を実現する際の一連の処理を示すフローチャートである。
【図5】目標ガス圧力を演算する際に用いるデータ例を示す図であって、負荷に対する目標ガス圧力の特性例を説明するための図である。
【図6】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、図4に示すパージ実行判断処理を行う際の一連の処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、図4に示す循環ポンプの駆動指令値演算処理を行う際の一連の処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムに対する比較例における中負荷での出力低下の動作を示すタイミングチャートであって、(a)は燃料電池スタックによる発電量、(b)は水素圧力、(c)は水素調圧弁の開度、(d)は水素流量、(e)はイジェクタによる循環量、(f)は循環ポンプによる流量、(g)は水素のストイキ比の時系列変化を示す図である。
【図9】本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムの動作を説明するためのタイミングチャートであって、(a)は燃料電池スタックによる発電量、(b)は水素圧力、(c)は水素調圧弁の開度、(d)は水素流量、(e)はイジェクタによる循環量、(f)は循環ポンプによる流量、(g)は水素のストイキ比の時系列変化を示す図である。
【図10】本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムにおいて、図4に示す循環ポンプの駆動指令値演算処理を行う際の一連の処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムにおいて、図4に示す循環ポンプの駆動指令値演算処理を行う際の一連の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック
2 コントローラ
11 目標発電量相当パラメータ演算部
12 運転状態検出部
13 ガス目標動作点演算部
14 ガス動作点制御部
15 循環ポンプ制御部
21 コンプレッサ
22 加湿器
23 空気供給制御弁
24 空気流量センサ
25 空気圧力センサ
26 高圧水素貯蔵タンク
27 水素調圧弁
28 イジェクタ
29 パージ弁
30 水素流量センサ
31 水素圧力センサ
32 循環ポンプ
33 純水ポンプ
34 電圧センサ
35 電流センサ
36 駆動ユニット

Claims (8)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを用いて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池に接続された燃料ガス供給経路を有し、燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、
    前記燃料電池の燃料ガス出口と前記燃料ガス供給経路とを接続する循環経路と、
    前記燃料ガス供給経路から前記燃料電池に供給する燃料ガスと、前記循環経路を介して送られる燃料ガスとを混合して前記燃料電池の燃料ガス入口に還流させるイジェクタと、
    前記循環経路に前記イジェクタと並列して設けられた循環ポンプと、
    前記イジェクタの上流側の前記燃料ガス供給経路に設けられ、開閉動作して前記燃料電池に供給する燃料ガスの圧力を制御する調圧弁と、
    前記燃料電池に供給する燃料ガスの実圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記燃料電池に要求される目標発電量に相当するパラメータを演算し、演算したパラメータ及び前記圧力検出手段により検出された燃料ガスの実圧力に基づいて前記調圧弁の開度を制御し、前記燃料ガス供給経路から前記イジェクタへの燃料ガスの供給量が所定供給量以下であると判定した期間に、前記循環ポンプを駆動するように制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記制御手段は、前記調圧弁の開度が全閉相当であるか否かを判定することにより、前記燃料ガス供給経路から前記イジェクタへの燃料ガスの供給量が所定供給量以下であるか否かを判定し、前記調圧弁の開度が全閉相当であると判定した期間に、前記循環ポンプを駆動するように制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記制御手段は、前記燃料電池に要求される目標発電量に相当するパラメータが所定発電量に相当するパラメータよりも小さいか否かを判定し、前記燃料電池に要求される目標発電量に相当するパラメータが所定発電量に相当するパラメータよりも小さいと判定した期間に、前記循環ポンプを駆動するように制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記制御手段は、前記燃料電池を冷却する冷却水の温度が高いほど、前記所定発電量に相当するパラメータを大きくすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記循環経路に設けられ、前記制御手段の制御に従って開閉されて前記燃料電池内部のガスを当該燃料電池の外部へと排出する排出弁を更に備え、
    前記制御手段は、前記燃料電池における燃料極と空気極との差圧が大きくなるほど前記所定発電量に相当するパラメータを大きくし、前記排出弁を閉塞してからの経過時間が長くなるほど前記所定発電量に相当するパラメータを大きくすることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 前記制御手段は、前記調圧弁の開度と燃料ガスの実圧力とに基づいて演算した水素流量が所定流量よりも小さい期間に、前記循環ポンプを駆動するように制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  7. 前記制御手段は、前記燃料電池に要求される目標発電量が所定値よりも小さくない場合には、燃料ガスの実圧力と、前記燃料電池に要求される目標発電量に応じた目標ガス圧力との差分が所定圧力よりも大きい期間に、前記循環ポンプを駆動するように制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  8. 前記循環経路に設けられ、前記制御手段の制御に従って開閉されて前記燃料電池内部のガスを当該燃料電池の外部へと排出する排出弁を更に備え、
    前記制御手段は、前記排出弁を開放している期間は前記循環ポンプを非駆動とするように制御することを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の燃料電池システム。
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