JP2007250418A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】補機の消費電力を精度よく算出することにより、電力取出と、ガス供給との間のストイキずれを抑制する。
【解決手段】制御部40は、燃料電池スタック1が発電すべき第1の目標発電電力Ptgに基づいて、燃料電池スタック1に供給する反応ガスの目標状態量を算出する。制御部40は、算出された目標状態量に基づいて、燃料電池スタック1が目標発電電力Ptgを発電するために必要な補機の動作量を示す動作量パラメータを推定する。そして、この推定された動作量パラメータに基づいて、補機消費電力を算出し、この算出された補機消費電力を用いて目標発電電力Ptgが算出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、反応ガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池を備える燃料電池システムに係り、特に、システムに備えられたアクチュエータの制御手法に関する。
従来より、燃料極に燃料ガス(例えば、水素)が供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガス(例えば、空気)が供給されることにより、これらのガスを電気化学的に反応させて発電を行う燃料電池が知られている。この燃料電池は、酸化剤ガスを供給するコンプレッサといったように、燃料電池を動作させる種々の補機を備えることで、燃料電池システムとして構成されている。燃料電池システムは、車両を駆動するモータの電源といったように、外部システムに適用されていることが一般的な形態である。
燃料電池の制御を行う際には、外部システムからの要求発電電力に、この要求発電電力を燃料電池で発電するために必要な補機(例えば、コンプレッサ)の消費電力を加味した値を目標発電電力として演算している。そして、この目標発電電力に基づいて、燃料電池の発電電力制御と、ガス供給制御とが行われる。ここで、発電電力制御の演算において、燃料電池の発電電力制御に用いる目標発電電力を算出する際には、その消費電力を直接的に算出し得る補機の負荷パラメータ(例えば、コンプレッサの回転数やトルク)を検出し、これをフィードバックして、補機の消費電力を演算している。一方で、ガス供給制御に用いる目標発電電力を算出する際には、燃料電池の定常特性を考慮したマップを用い、要求発電電力を入力して補機の消費電力を演算することにより、目標発電電力を演算している。ガス供給制御にマップを用いる理由としては、制御対象である補機の負荷パラメータをフィードバックすると、自己の状態を入力とした制御ループとなるため(ポジティブフィードバック)、制御が振動的になってしまうからである。
特開2002−34769号公報
しかしながら、要求発電電力を入力としたマップを用いて補機の消費電力を求めると、経時劣化や燃料電池の電流−電圧特性の変化によって、燃料電池からの電力取出と、ガス供給との間にストイキずれが生じてしまう可能性ある。また、コンプレッサの消費電力は、大気圧、吸入空気温度変化による吸入空気密度変化に応じて変化するため、これらの要因に対応することができない可能性がある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、補機の消費電力を精度よく算出することにより、電力取出と、ガス供給との間のストイキずれを抑制することである。
かかる課題を解決するために、本発明は、燃料電池と、補機と、目標発電電力演算手段と、目標状態量演算手段と、補機制御手段とを有する燃料電池システムを提供する。ここで、燃料電池は、反応ガスが供給されることにより、反応ガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。補機は、反応ガスを燃料電池に供給する。目標発電電力演算手段は、補機において消費される補機消費電力と、外部システムから燃料電池に要求される発電電力の目標値である要求発電電力とに基づいて、燃料電池が発電すべき電力である第1の目標発電電力を算出する。目標状態量演算手段は、燃料電池に供給する反応ガスの状態量の目標値である目標状態量を演算する。補機制御手段は、演算された目標状態量に基づいて、補機を制御するための制御量を算出するとともに、この算出された制御量に基づいて、補機を制御する。この場合、目標発電電力演算手段は、算出された目標状態量に基づいて、燃料電池が第1の目標発電電力を発電するために必要な補機の動作量を示す動作量パラメータを推定し、この推定された動作量パラメータに基づいて、補機消費電力を算出するとともに、この算出された補機消費電力を用いて第1の目標発電電力を算出する。
本発明によれば、目標発電電力を求めるための反応ガスの目標状態量に基づいて、補機の消費電力が算出される。これにより、ポジティブフィードバックが発生し難くなり、制御系を安定させることができるとともに、電力取出と、ガス供給との間のストイキずれを抑制することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる燃料電池システムを示す構成図である。燃料電池システムは、例えば、車両を駆動する電動モータの電源として、車両に搭載されている。
燃料電池システムは、固体高分子電解質膜を挟んで酸化剤極と燃料極とを対設した燃料電池構造体(燃料電池セル)をセパレータで挟持して、これを複数積層して構成される燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、燃料極に燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤極に酸化剤ガスが供給されることにより、これらのガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。本実施形態では、燃料ガスとして水素を、酸化剤ガスとして酸素を用いるケースについて説明する。
燃料電池システムには、燃料電池スタック1に水素を供給するための水素系と、燃料電池スタック1に空気を供給するための空気系と、燃料電池スタック1を冷却するための冷却系とが備えられている。
水素系において、燃料ガスである水素は、燃料供給装置10(例えば、高圧水素ボンベ)に貯蔵された状態から、水素供給流路L1を介して燃料電池スタック1に供給される。具体的には、燃料タンク10には燃料タンク元弁(図示せず)が設けられており、この燃料タンク元弁が開状態となると、燃料タンク10からの高圧水素ガスは、その下流に設けられた減圧弁(図示せず)によって機械的に所定の圧力まで減圧される。減圧された水素は、減圧弁よりも下流に設けられた水素調圧バルブ11によって更に減圧された後に、燃料電池スタック1に供給される。水素調圧バルブ11は、燃料電池スタック1へ供給される水素圧力が所望の値となるように、後述する制御部40によってその開度が制御される。
燃料電池スタック1の燃料極側から排出されるガス(未使用の水素を含むガス)は、水素循環流路L2へと排出される。この水素循環流路L2は、他方の端部が水素調圧バルブ11よりも下流側の水素供給流路L1に接続されている。水素循環流路L2には、例えば、エゼクタ12といった水素循環手段が設けられている。この水素循環手段により、燃料極側からの排出ガスはその供給側へと循環され、燃料電池スタック1における反応効率の向上を図ることができる。
ところで、酸化剤ガスとして空気を用いた場合、空気中の窒素が酸化剤極から燃料極に透過するため、水素系におけるガスの窒素濃度が増加し、水素分圧が減少する傾向となる。そのため、水素循環流路L2には、水素系内のガスを排出する水素排出流路L3が接続されている。水素排出流路L3には、パージバルブ13が設けられており、このパージバルブ13の開閉状態を切り替えることにより、水素循環流路L2を流れる排出ガス(窒素、未使用な水素等を含むガス)が外部に排出される。パージバルブ13は、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、その開閉状態が制御部40によって制御される。パージバルブ13は、基本的に閉状態に制御されているが、燃料極における窒素濃度を推定して、或いは、所定の周期毎に、必要に応じて閉状態から開状態へと切り替えられる。これにより、未反応な水素とともに窒素が水素系からパージされ、水素分圧の減少を抑制することができる。
空気系において、酸化剤ガスである空気は、例えば、大気がコンプレッサ20によって加圧され、空気供給流路L4を介して燃料電池スタック1に供給される。この空気供給流路L4には、加湿装置(図示せず)が設けられており、燃料電池スタック1に供給される空気は、燃料電池スタック1の発電性能を低下させない程度に加湿される。燃料電池スタック1の酸化剤極側から排出されるガス(酸素が消費された空気)は、空気排出流路L5を介して外部(大気)に排出される。この空気排出流路L5には、空気調圧バルブ21が設けられている。空気調圧バルブ21は、燃料電池スタック1に供給される空気圧力と空気流量とが所望の値となるように、その開度が、コンプレッサ20の駆動量(回転数)とともに制御部40によって制御される。
冷却系は、燃料電池スタック1を冷却する冷媒(本実施形態では、冷却水)が循環するスタック冷却流路L6,L7を有しており、このスタック冷却流路L6,L7には、冷媒を循環させる冷媒循環ポンプ30と、冷媒を冷却するラジエータ31とが設けられている。ラジエータ31によって冷却された冷媒は、冷媒循環ポンプ30を駆動することにより、冷却流路L6を介して、燃料電池スタック1側へと供給される。スタック冷却流路L6,L7は、燃料電池スタック1内においてその流路が細かく分岐しており、これにより、燃料電池スタック1は、その内部が全体に亘り冷却されるようになっている。燃料電池スタック1の冷却によって温度が上昇した冷媒は、冷却流路L7を経由して、ラジエータ31へと再度供給される。冷媒循環ポンプ30の駆動量(回転数)は、スタック冷却流路L6,L7を循環する冷媒の温度が所望の値となるように、制御部40によって制御される。
また、燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1には電力制御装置2が接続されている。電力制御装置2は、制御部40によって制御され、燃料電池スタック1から必要な出力(例えば、電流)を取り出して、この取り出した出力を外部システム(例えば、車両を駆動する電動モータ)や、燃料電池システムを動作させる補機(代表的には、コンプレッサ20)に供給する。
制御部40は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースを主体に構成されるマイクロコンピュータを用いることができる。この制御部40は、システムの各部を制御することにより、燃料電池スタック1の運転状態を制御する。制御部40は、ROMに記憶された制御プログラムに従い、例えば、水素の圧力・流量制御、空気の圧力・流量制御、および、冷媒の温度制御に関する演算を行う。そして、制御部40は、この演算によって算出された制御量に応じた制御信号を各種アクチュエータに対して出力し、水素調圧バルブ11の開度、空気調圧バルブ21の開度、コンプレッサ20の回転数、電力制御装置2によって取り出す電力などを制御する。
この制御部40には、燃料電池スタック1の運転状態等を検出するために、各種センサからの検出信号が入力されている。水素圧力センサ41は、燃料電池スタック1へ供給される水素圧力を検出するセンサである。水素温度センサ42は、燃料電池スタック1へ供給される水素温度を検出するセンサである。空気圧力センサ43は、燃料電池スタック1へ供給される空気圧力を検出するセンサである。空気温度センサ44は、燃料電池スタック1へ供給される空気温度を検出するセンサである。冷媒温度センサ45は、燃料電池スタック1から排出される冷媒の温度を検出するセンサである。電圧計46は、燃料電池スタック1の電圧を検出するセンサである。電流計47は、燃料電池スタック1の電流を検出するセンサである。アクセル操作量センサ48は、ドライバによるアクセルの操作量を検出するセンサである。車速センサ49は、車両の速度(車速)を検出するセンサである。大気圧センサ50は、大気圧を検出するセンサである。
次に、このような構成を有する燃料電池システムにおいて実行される発電制御を説明する。図2は、本実施形態にかかる発電制御の手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、所定周期毎に呼び出され、制御部40によって実行される。
まず、ステップ1(S1)において、外部システムから燃料電池システムに要求される電力、すなわち、車両側から要求される電力の実効値である要求発電電力Ptnが算出される。図3は、ステップ1における、要求発電電力Ptnの算出ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップ10(S10)において、アクセル操作量センサ48において検出されたアクセル操作量Acが読み込まれる。つぎに、ステップ11(S11)において、車速センサ49において検出された車速Vcが読み込まれる。そして、ステップ12において、要求発電電力Ptnが算出される。制御部40には、アクセル操作量Acおよび車速Vcに対応する要求発電電力Ptnの関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて予め取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係において、要求発電電力Ptnは、図4に示すように、アクセル操作量Acが大きく程、その値が大きくなり、かつ、車速Vcが大きい程、その値が相対的に大きくなるような関係となっている。制御部40は、ステップ10,11において読み込まれたアクセル操作量Acと車速Vcとに基づいて、内部データを参照した上で、要求発電電力Ptnを演算する。
再び、図2を参照するに、ステップ2(S2)において、燃料電池スタック1が発電すべき電力の目標値である目標発電電力Ptgが算出される。図5は、ステップ2における、目標発電電力算出ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップ20(S20)において、補機消費電力が算出される。
図6は、ステップ20における、補機消費電力の演算ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップ30(S30)において、コンプレッサ20以外の補機において実際に消費される実補機消費電力が演算される。実補機消費電力は、補機毎に電圧と電流とから消費電力を演算し、これらの総和を求めることにより、一義的に算出される。なお、補機がポンプ等であれば、回転数とトルクとを乗じた演算値を求め、これらの値に損失電力を加えて演算することにより、その消費電力が算出される。ここで、損失電力は、予め作成されている損失マップデータに回転数とトルクを入力することより、推定可能である。
ステップ31(S31)において、空気系のコンプレッサ20の消費電力が演算される。図7は、ステップ31における、コンプレッサ20の消費電力Pcompの演算ルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップ40(S40)において、燃料電池スタック1に供給される空気圧力の目標値である目標空気圧力Ptaが算出される。この目標空気圧力Ptaは、後述するステップ50において算出される値であり、前回の処理サイクルの実行時に算出された目標空気圧力Ptaが記憶領域から読み込まれる。つぎに、ステップ41(S41)において、大気圧センサ50において検出された大気圧Paが読み込まれる。ステップ42(S42)において、コンプレッサ20の吸気側と排気側の圧力比(以下、「入出口の圧力比」という)が算出される。この入出口の圧力比は、ステップ40において算出された目標空気圧力Ptaを、ステップ41において検出された大気圧Paで除算することにより、算出される。
ステップ43(S43)において、燃料電池スタック1に供給される空気流量の目標値である目標空気流量Qtaが算出される。この目標空気流量Qtaは、後述するステップ52において算出される値であり、前回の処理サイクルの実行時に算出された目標空気流量Qtaが記憶領域から読み込まれる。ステップ44(S44)において、空気温度センサ44において検出された空気温度Tsinが読み込まれる。ステップ45(S45)において、コンプレッサ20の吸気側の流量(体積流量)が算出される。
(数式1)
Qain = Qta×Pa×Tsin
ここで、Qainは、コンプレッサ20の吸気側の流量(体積流量)を示す。
ステップ46において、コンプレッサ20の消費電力Pcompが算出される。制御部40には、体積流量および圧力比に対応する消費電力の関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係において、消費電力は、図8に示すように、コンプレッサ20の吸気側の体積流量が大きい程、その値が大きくなり、かつ、コンプレッサ20の入出口の圧力比が大きい程、その値が相対的に大きくなるような関係となっている。制御部40は、ステップ45において算出された体積流量と、ステップ42において算出された圧力比とに基づいて、内部データを参照した上で、消費電力を算出する。なお、コンプレッサ20の消費電力は大気圧にも依存するため、制御部40には、この消費電力および大気圧Paに対応するコンプレッサ20の消費電力Pcompの関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて取得した上で、これが内部データとしてさらに格納されている。この対応関係において、消費電力Pcompは、図8に示す関係に従って暫定的に算出された消費電力が大きい程、その値が大きくなり、かつ、大気圧Paが大きくなる程、その値が相対的に大きくなるような関係となっている(図9参照)。制御部40は、先に算出された消費電力と、ステップ41において読み込まれた大気圧Paとに基づいて、内部データを参照した上で、コンプレッサ20の消費電力Pcompを算出する。
再び、図6を参照するに、ステップ31に続くステップ32において、システムを構成する全ての補機の消費電力の総和である補機消費電力が演算される。この補機消費電力は、ステップ30において算出されたコンプレッサ20を除く補機の実消費電力と、ステップ31において算出されたコンプレッサ20の消費電力Pcompとを加算することにより算出される。
再び、図5を参照するに、ステップ20に続くステップ21において、目標発電電力Ptgが算出される。具体的には、ステップ1において算出された要求発電電力Ptnと、ステップ20において算出された補機消費電力とが加算され、目標発電電力Ptgが算出される。
再び図2を参照するに、ステップ2に続くステップ3(S3)において、目標発電電力Ptgに基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電流の目標値である目標発電電流Itが算出される。制御部40には、目標発電電力Ptgおよび燃料電池スタック1の運転温度Tdに対応する目標発電電流Itの関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係において、目標発電電流Itは、図10に示すように、目標発電電力Ptgが増加する程、その値が単調増加し、かつ、運転温度Tdが低い程、その値が相対的に大きくなるような関係となっている。燃料電池スタック1の運転温度Tdは、燃料電池スタック1側から流出する冷媒の温度と概ね対応する。そこで、制御部40は、冷媒温度センサ45において検出された冷媒の温度を読み込むとともに、この冷媒の温度と、ステップ2において算出された目標発電電力Ptgとに基づいて、内部データを参照した上で、目標発電電流Itを算出する。
再び図2を参照するに、ステップ4において、燃料電池スタック1に対するガス供給制御が行われる。図11は、ステップ4におけるガス供給制御ルーチンを示すフローチャートである。まず、ステップ50(S50)において、水素圧力の目標値である目標ガス圧力Ptargetが算出される。具体的には、制御部40には、目標発電電流Itに対応する目標ガス圧力Ptargetの関係を規定したテーブル或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係は、燃料電池スタック1の発電効率などを考慮して設定されたものであり、図12に示すように、目標発電電流Itが増加する程、目標ガス圧力Ptargetが単調増加し、その後、一定値となるような関係となっている。制御部40は、ステップ3において算出された目標発電電流Itに基づいて、内部データを参照した上で、目標ガス圧力Ptargetを算出する。
ステップ51(S51)において、目標ガス圧力Ptargetに基づいて、水素圧力の制御が行われる。具体的には、目標ガス圧力Ptargetと、水素圧力センサ41によって検出された水素圧力とに基づいて、水素調圧バルブ11の開度を演算する。具体的には、検出された水素圧力がフィードバックされ、この値が目標ガス圧力Ptargetに近づくように、水素調圧バルブ11の開度が算出される。そして、制御部40は、この算出された開度に基づいて、アクチュエータを制御することにより、水素調圧バルブ11の開度を調整する。
ステップ52(S52)において、ステップ3において算出された目標発電電流Itに基づいて、空気流量の制御が行われる。制御部40には、目標発電電流Itに対応する目標空気流量Qtaの関係を規定したテーブル或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係は、燃料電池スタック1内で局所的な空気不足が生じないような空気利用率となるように設定されたものであり、図13に示すように、基本的に、目標発電電流Itが増加する程、目標空気流量Qtaが増加するような関係となっている。制御部40は、ステップ3において算出された目標発電電流Itに基づいて、内部データを参照した上で、目標空気流量Qtaを算出する。
また、制御部40には、目標空気流量Qtaおよび目標ガス圧力Ptargetに対応するコンプレッサ20の回転数の関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションを通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係は、コンプレッサ20の回転数と、入出口の圧力比とに対する空気流量特性に基づいて設定されたものであり、図14に示すように、基本的に、目標空気流量Qtaが増加する程、コンプレッサ20の回転数が大きくなり、かつ、目標ガス圧力Ptargetが小さくなる程、その回転数が相対的に大きくなるような関係となっている。制御部40は、目標空気流量Qtaおよび目標ガス圧力Ptargetに基づいて、内部データを参照した上で、コンプレッサ20の回転数を算出する。そして、制御部40は、この算出された回転数に基づいて、アクチュエータを制御することにより、コンプレッサ20の回転数を制御する。
ステップ53(S53)において、水素圧力センサ41において検出された水素圧力に基づいて、空気圧力の制御が行われる。このステップ53では、燃料電池スタック1の燃料極と酸化剤極との差圧管理の観点から、水素圧力センサ41によって検出される水素圧力を、空気圧力の目標値として設定している。具体的には、検出された水素圧力と、空気圧力センサ43によって検出された空気圧力とに基づいて、空気調圧バルブ21の開度を演算する。検出された空気圧力がフィードバックされ、この値が水素圧力に近づくように、空気調圧バルブ21の開度が算出される。そして、制御部40は、この算出された開度に基づいて、アクチュエータを制御することにより、空気調圧バルブ21の開度を調整する。
再び、図2を参照するに、目標発電電力Ptgに基づいて、発電電力Pが制御される。具体的には、制御部40は、目標発電電力Ptgを電力制御装置2に対して指示し、この目標発電電力Ptgに基づいて、燃料電池スタック1の発電電力Pが制御される。
このように本実施形態において、燃料電池システムは、燃料電池スタック1と、補機と、目標発電電力演算手段と、目標状態量演算手段と、補機制御手段を有している。ここで、燃料電池スタック1は、燃料ガスおよび酸化剤ガスといった反応ガスが供給されることにより、反応ガスを電気化学的に反応させて電力を発生する。補機は、反応ガスを燃料電池に供給するものであり、本実施形態において、コンプレッサ20がこれに代表される。目標発電電力演算手段は、補機において消費される補機消費電力と、外部システムから燃料電池スタック1に要求される発電電力の目標値である要求発電電力Ptnとに基づいて、燃料電池スタック1が発電すべき電力である第1の目標発電電力Ptgを算出するものであり、本実施形態では、制御部40がこの機能を担っている。目標状態量演算手段は、算出された第1の目標発電電力Ptgに基づいて、燃料電池スタック1に供給する反応ガスの状態量の目標値である目標状態量(例えば、目標流量、目標圧力)を演算するものであり、本実施形態では、制御部40がこの機能を担っている。補機制御手段は、演算された目標状態量に基づいて、補機を制御するための制御量(例えば、コンプレッサ20の回転数)を算出するとともに、この算出された制御量に基づいて、補機を制御するものであり、本実施形態では、制御部40がこの機能を担っている。ここで、目標発電電力演算手段である制御部40は、算出された目標状態量に基づいて、燃料電池スタック1が第1の目標発電電力Ptgを発電するために必要な補機の動作量を示す動作量パラメータを推定し、この推定された動作量パラメータに基づいて、補機消費電力を算出するとともに、算出された補機消費電力を用いて第1の目標発電電力Ptgを算出する。
かかる構成によれば、目標発電電力を求めるための反応ガスの目標状態量に基づいて、補機の消費電力が算出される。補機の消費電力を精度よく求めるためには、補機の消費電力を直接的に検出した計測値を用いることが好ましいが、ガス制御用の目標電流に基づいて補機の制御量が決定されるので、ポジティブフィードバックとなり、制御系が不安定となる虞がある。しかしながら、本実施形態のように、反応ガスの目標状態量を用いて補機の消費電力を演算した場合には、ポジティブフィードバックが発生し難くなり、制御系を安定させることができるとともに、電力取出と、ガス供給との間のストイキずれを抑制することができる。
また、本実施形態において、燃料電池システムは、電力制御手段を有しており、この電力制御手段は、算出された第1の目標発電電力Ptgに基づいて、燃料電池スタック1から取り出す電力を制御するものであり、制御部40がこの機能を担っている。かかる構成によれば、燃料電池スタック1から取り出される発電量に見合った、反応ガス供給を行うことができる。
本実施形態において、補機は、燃料電池スタック1に酸化剤ガスを供給するコンプレッサ20である。この場合、目標発電電力演算手段である制御部40は、酸化剤ガス(例えば、空気)の目標状態量である目標空気流量Qtaと目標空気圧力Ptaとに基づいて、コンプレッサ20の吸気側と排気側とにおける圧力比(入出口の圧力比)を算出するとともに、この算出された入出口の圧力比と、酸化剤ガス(例えば、空気)の目標流量(本実施形態では、コンプレッサ20の吸気側の空気流量)とに基づいて、コンプレッサ20の消費電力を算出する。かかる構成によれば、空気供給の目標状態量、すなわち、目標空気流量Qtaと目標空気圧力Ptaとを用いて、コンプレッサ20の消費電力を算出することができる。
なお、本実施形態では、ステップ53において発電電力Pを制御する場合、ステップ31において算出されたコンプレッサ20の消費電力Pcompを含む補機消費電力を用いて算出された目標発電電力Ptgを使用している。しかしながら、発電電力制御では、ガス供給制御とは異なりポジティブフィードバックの虞がないので、コンプレッサ20の消費電力Pcompとして、実際の値を用いてもよい。換言すれば、燃料電池システムは、制御部40である目標発電電力演算手段は、補機(本実施形態において、コンプレッサ20)の負荷パラメータ(回転数とトルク)に基づいて、補機において実際に消費される消費電力である実消補機費電力を算出する。そして、この算出された実補機消費電力と、要求発電電力とに基づいて、燃料電池スタックが発電すべき電力である第2の目標発電電力が算出される。この場合、制御部40である電力制御手段は、算出された第2の目標発電電力に基づいて、燃料電池から取り出す電力を制御する。かかる構成によれば、燃料電池システムに要求される正味の発電量を燃料電池スタック1において発電することが可能となる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態にかかる燃料電池システムについて説明する。この第2の実施形態にかかる燃料電池システムが第1の実施形態のそれと相違する点は、コンプレッサ20の消費電力の演算手法である。なお、本実施形態のシステム構成は、第1の実施形態のそれと同じであり、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いることとし、その詳細な説明は省略する。
図15は、図6に示すステップ31における、コンプレッサ20の消費電力Pcompの演算ルーチンを示すフローチャートである。
まず、ステップ60(S60)において、燃料電池スタック1に供給される空気圧力の目標値である目標空気圧力Ptaが算出される。この目標空気圧力Ptaは、ステップ50において算出される値であり、前回の処理サイクルの実行時に算出された値が参照される。つぎに、ステップ61(S61)において、大気圧センサ50において検出された大気圧Paが読み込まれる。ステップ62(S62)において、コンプレッサ入出口の圧力比が算出される。この圧力比は、ステップ60において算出された目標空気圧力Ptaを、ステップ61において検出された大気圧Paで除算することにより、一義的に算出される。
ステップ63(S63)において、燃料電池スタック1に供給される空気流量の目標値である目標空気流量Qtaが算出される。ステップ64(S64)において、空気温度センサ44において検出された空気温度Tsinが読み込まれる。ステップ65(S45)において、コンプレッサ吸気側の流量(体積流量)が算出される。
(数式2)
Qain = Qta×Pa×Tsin
ここで、Qainは、コンプレッサ吸気側の流量(体積流量)を示す。
ステップ66(S66)において、コンプレッサ20の目標回転数Ntcompが算出される。制御部40には、体積流量Qainおよび圧力比に対応する目標回転数Ntcompの関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションと通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係は、例えば、体積流量Qainと圧力比とを入力としたコンプレッサ20の部品特性のデータから取得することができる。制御部40は、ステップ65において算出された体積流量Qainと、ステップ62において算出された圧力比とに基づいて、内部データを参照した上で、目標回転数Ntcompを算出する。
ステップ67(S67)において、コンプレッサ20の推定トルクTecompが算出される。制御部40には、体積流量Qainおよび圧力比に対応する推定トルクTecompの関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションと通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。制御部40は、ステップ65において算出された体積流量Qainと、ステップ62において算出された圧力比とに基づいて、内部データを参照した上で、推定トルクTecompを算出する。そして、ステップ68(S)において、コンプレッサ20の実際のトルクである実トルクTacompが検出される。
ステップ69(S69)において、推定トルクTecompと実トルクTacompとの差(絶対値)が所定の判定値Tthよりも大きく、かつ、この状態が所定時間継続しているか否かが判定される。ステップ69において否定判定された場合には、ステップ73に進む。一方、ステップ69において肯定判定された場合には、ステップ70に進む。
ステップ73(S73)において、コンプレッサ20の消費電力Pcompが算出される。制御部40には、目標回転数Ntcompおよび推定トルクTecompに対応する消費電力Pcompの関係を規定したマップ或いは計算式を実験やシミュレーションと通じて取得した上で、これが内部データとして格納されている。この対応関係において、消費電力Pcompは、図16に示すように、目標回転数Ntcompが増加する程、その値が大きくなり、かつ、推定トルクTecompが増加する程、その値が相対的に大きくなるような関係となっている。制御部40は、ステップ66において算出された目標回転数Ntcompと、ステップ67において算出された推定トルクTecompとに基づいて、内部データを参照した上で、消費電力Pcompを算出する。
ステップ70(S70)において、消費電力補正値が算出される。具体的には、制御部40は、推定トルクTecompから実トルクTacompを減算した値に所定値を乗算することにより、補機による消費電力の不足分を二次電池(図示せず)によって補える程度の消費電力補正値を算出する。
ステップ71(S71)において、ステップ73の処理と同様に、コンプレッサ20の消費電力Pcompが算出される。ステップ72(S72)において、ステップ72において算出された消費電力Pcompに、ステップ71において算出された消費電力補正値を加算することにより、消費電力Pcompを補正する。そして、この補正された消費電力Pcompを、コンプレッサ20の消費電力Pcompとして更新した上で、本ルーチンを抜ける。
このように本実施形態において、制御部40である目標発電電力演算手段は、酸化剤ガスである空気の目標状態量、すなわち、目標空気流量Qtaと目標空気圧力Ptaとに基づいて、コンプレッサ20の目標回転数Ntcompを算出するとともに、コンプレッサ20の吸気側と排気側とにおける圧力比(入出口の圧力比)と、コンプレッサ20の吸気圧(大気圧)とに基づいて、コンプレッサ20のトルクを推定し、算出されたコンプレッサ20の目標回転数Ntcompと、推定されたコンプレッサ20のトルクとに基づいて、コンプレッサ20の消費電力を算出する。かかる構成によれば、コンプレッサ20の回転数と、そのトルクとからコンプレッサ20の消費電力を算出するので、精度よくその値を算出することが可能となる。
なお、コンプレッサ20の消費電力の算出は、上述した手法以外にも、酸化剤ガスである空気の目標状態量、すなわち、目標空気流量Qtaと目標空気圧力Ptaとに基づいて、コンプレッサ20の目標回転数Ntcompを算出するとともに、この算出された目標回転数Ntcompと、この目標回転数で空気の供給を行ったときのコンプレッサ20の吸気側と排気側とにおける圧力比(入出口の圧力比)とに基づいて、コンプレッサ20の消費電力を算出してもよい。かかる構成によれば、コンプレッサ20の圧力比、すなわち、入出口の圧力比という演算が簡単なパラメータで、コンプレッサ20の消費電力を算出することができる。
さらに、本実施形態において、燃料電池システムは、コンプレッサ20のトルクを検出し、この検出されたトルクを実トルクTacompとして出力するトルク検出手段と、出力された実トルクTacompと、推定されたコンプレッサ20のトルクとに基づいて、算出されたコンプレッサ20の消費電力を補正する補正手段をさらに有している。ここで、トルク検出手段は、コンプレッサ20のトルクを検出するトルクセンサ(図示せず)によって実行される。また、補正手段は、その機能が制御部40によって実行される。かかる構成によれば、実トルクTacompと推定トルクTecompとの乖離を抑制することができるので、精度よくコンプレッサ20の消費電力を算出することができる。また、目標回転数Ntcompと、この目標回転数で空気の供給を行ったときのコンプレッサ20の吸気側と排気側とにおける圧力比(入出口の圧力比)とに基づいて、コンプレッサ20の消費電力を算出するケースであっても、コンプレッサ20の吸気側と排気側とにおける圧力比と、コンプレッサ20の吸気圧とに基づいて、コンプレッサ20のトルクを推定し、この推定されたコンプレッサ20のトルクと、出力された実トルクとに基づいて、算出されたコンプレッサ20の消費電力を補正することも可能である。
なお、このような補正を行う場合には、制御部40である補正手段は、反応ガスの供給制御の制御周期よりも大きな周期で、コンプレッサ20の消費電力を補正することが好ましい。かかる構成によれば、反応ガスの供給制御と干渉することなく、コンプレッサ20の消費電力を算出することができる。
第1の実施形態にかかる燃料電池システムを示す構成図 第1の実施形態にかかる発電制御の手順を示すフローチャート ステップ1における、要求発電電力Ptnの算出ルーチンを示すフローチャート アクセル操作量Acおよび車速Vcに対応する要求発電電力Ptnの関係を示す説明図 ステップ2における、目標発電電力算出ルーチンを示すフローチャート ステップ20における、補機消費電力の演算ルーチンを示すフローチャート ステップ31における、コンプレッサ20の消費電力Pcompの演算ルーチンを示すフローチャート 体積流量および圧力比に対応する消費電力の関係を示す説明図 消費電力および大気圧Paに対応するコンプレッサの消費電力Pcompの関係を示す説明図 目標発電電力Ptgおよび燃料電池スタック1の運転温度Tdに対応する目標発電電流Itの関係を示す説明図 ステップ4におけるガス供給制御ルーチンを示すフローチャート 目標発電電流Itに対応する目標ガス圧力Ptargetの関係を示す説明図 目標発電電流Itに対応する目標空気流量Qtaの関係を示す説明図 目標空気流量Qtaおよび目標ガス圧力Ptargetに対応するコンプレッサ20の回転数の関係を示す説明図 第2の実施形態にかかるステップ31における、コンプレッサ20の消費電力Pcompの演算ルーチンを示すフローチャート 目標回転数Ntcompおよび推定トルクTecompに対応する消費電力Pcompの関係を示す説明図
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 電力制御装置
10 燃料タンク
11 水素調圧バルブ
12 エゼクタ
13 パージバルブ
20 コンプレッサ
21 空気調圧バルブ
30 冷媒循環ポンプ
31 ラジエータ
40 制御部
41 水素圧力センサ
42 水素温度センサ
43 空気圧力センサ
44 空気温度センサ
45 冷媒温度センサ
46 電圧計
47 電流計
48 アクセル操作量センサ
49 車速センサ
50 大気圧センサ

Claims (10)

  1. 反応ガスが供給されることにより、前記反応ガスを電気化学的に反応させて電力を発生する燃料電池と、
    前記反応ガスを前記燃料電池に供給する補機と、
    前記補機において消費される補機消費電力と、外部システムから前記燃料電池に要求される発電電力の目標値である要求発電電力とに基づいて、前記燃料電池が発電すべき電力である第1の目標発電電力を算出する目標発電電力演算手段と、
    前記算出された第1の目標発電電力に基づいて、前記燃料電池に供給する前記反応ガスの状態量の目標値である目標状態量を演算する目標状態量演算手段と、
    前記演算された目標状態量に基づいて、前記補機を制御するための制御量を算出するとともに、当該算出された制御量に基づいて、前記補機を制御することにより、ガス供給制御を行う補機制御手段とを有し、
    前記目標発電電力演算手段は、前記算出された目標状態量に基づいて、前記燃料電池が前記第1の目標発電電力を発電するために必要な前記補機の動作量を示す動作量パラメータを推定し、当該推定された動作量パラメータに基づいて、前記補機消費電力を算出することを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記算出された第1の目標発電電力に基づいて、前記燃料電池から取り出す電力を制御する発電電力制御を行う電力制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池から取り出す電力を制御する発電電力制御を行う電力制御手段をさらに有し、
    前記目標発電電力演算手段は、前記補機の負荷パラメータに基づいて、前記補機において実際に消費される消費電力である実消補機費電力を算出するとともに、当該算出された実補機消費電力と、前記要求発電電力とに基づいて、前記燃料電池が発電すべき電力である第2の目標発電電力を算出し、
    前記電力制御手段は、前記算出された第2の目標発電電力に基づいて、前記燃料電池から電力を取り出す発電電力制御を行うことを特徴とする請求項1に記載された燃料電池システム。
  4. 前記補機は、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給するコンプレッサであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載された燃料電池システム。
  5. 前記目標発電電力演算手段は、前記酸化剤ガスの目標状態量である目標流量と目標圧力とに基づいて、前記コンプレッサの吸気側と排気側とにおける圧力比を算出するとともに、当該算出された圧力比と、前記酸化剤ガスの目標流量とに基づいて、前記補機消費電力を算出することを特徴とする請求項4に記載された燃料電池システム。
  6. 前記目標発電電力演算手段は、前記酸化剤ガスの目標状態量である目標流量と目標圧力とに基づいて、前記コンプレッサの目標回転数を算出し、前記コンプレッサの吸気側と排気側とにおける圧力比と、前記コンプレッサの吸気圧とに基づいて、前記コンプレッサのトルクを推定し、前記算出されたコンプレッサの目標回転数と、前記推定されたコンプレッサのトルクとに基づいて、前記補機消費電力を算出することを特徴とする請求項4に記載された燃料電池システム。
  7. 前記目標発電電力演算手段は、前記酸化剤ガスの目標状態量である目標流量と目標圧力とに基づいて、前記コンプレッサの目標回転数を算出するとともに、前記算出された目標回転数と、当該目標回転数で酸化剤ガスの供給を行ったときの前記コンプレッサの吸気側と排気側とにおける圧力比とに基づいて、前記補機消費電力を算出することを特徴とする請求項5に記載された燃料電池システム。
  8. 前記コンプレッサのトルクを検出し、当該検出されたトルクを実トルクとして出力するトルク検出手段と、
    前記出力された実トルクと、前記推定されたコンプレッサのトルクとに基づいて、前記算出された補機消費電力を補正する補正手段をさらに有することを特徴とする請求項6に記載された燃料電池システム。
  9. 前記コンプレッサのトルクを検出し、当該検出されたトルクを実トルクとして出力するトルク検出手段と、
    前記コンプレッサの吸気側と排気側とにおける圧力比と、前記コンプレッサの吸気圧とに基づいて、前記コンプレッサのトルクを推定し、当該推定されたコンプレッサのトルクと、前記出力された実トルクとに基づいて、前記算出された補機消費電力を補正する補正手段と
    をさらに有することを特徴とする請求項7に記載された燃料電池システム。
  10. 前記補正手段は、前記反応ガスの供給制御の制御周期よりも大きな周期で、前記補機消費電力を補正することを特徴とする請求項8または9に記載された燃料電池システム。
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