JP2003197228A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
必要装置に供給する燃料電池システムにおいて、燃料電
池の発電特性を判断する発電特性判断手段(ステップS
1)と、発電特性判断手段(ステップS1)の判断結果
に基づいて、電力必要装置における必要電力を設定する
必要電力設定手段(ステップS2ないしステップS6)
とを備えている。
Description
応により起電力を発生する燃料電池システムに関するも
のである。
および電解質を有しており、電気化学的反応により起電
力を発生する装置である。このため、燃料電池は、窒素
酸化物の排出や騒音の発生が少ないなどの利点から、各
種の用途に適用されている。ところで、燃料電池は前記
のような発電原理から、燃料電池の発電環境、例えば内
部抵抗、触媒活性などの変化により、その発電特性が変
化する。具体的には、所定温度以下では、燃料電池の出
力は低いとされている。
は、燃料電池から負荷に対して高電力を供給することを
停止する技術が知られており、その一例が、特開平9−
231991号公報に記載されている。この公報に記載
されている燃料電池システムは、モータおよび補機類を
含む電気回路に、燃料電池と二次電池とが相互に並列に
配置されている。燃料電池とモータとの間には、切り換
えスイッチが設けられているとともに、燃料電池の内部
温度を測定する温度センサと、システム全体を制御する
制御部とが設けられている。
ムの始動時には、二次電池からモータに電力を供給する
一方、切り換えスイッチがオフされる。このとき、燃料
電池から補機類に対して低電流の電力を供給して、燃料
電池を暖機運転する。さらに、温度センサによる燃料電
池の温度測定に基づいて、燃料電池の暖機状態が判断さ
れる。そして、燃料電池の暖機が終了したときには、切
り換えスイッチがオンされて、燃料電池の電力がモータ
に供給される。
な燃料電池システムにおいては、モータでの必要電力に
基づいて、燃料電池に供給する空気量および燃料ガス量
が制御される。しかしながら、燃料電池は温度によって
発電特性が変化するため、たとえ必要電力に基づいて空
気量および燃料ガス量を制御したとしても、燃料電池か
ら実際に出力される電力が、必要電力未満となる可能性
あった。すなわち、燃料電池に供給される空気量および
燃料ガス量に対する発電効率が低下する問題があった。
れたもので、燃料電池の発電効率の低下を抑制すること
のできるシステムを提供することを目的としている。
を達成するため請求項1の発明は、燃料電池により発電
された電力を、電力必要装置に供給する燃料電池システ
ムにおいて、前記燃料電池の発電特性を判断する発電特
性判断手段と、この発電特性判断手段の判断結果に基づ
いて、前記電力必要装置における必要電力を設定する必
要電力設定手段とを備えていることを特徴とするもので
ある。
特性に基づいて、電力必要装置における必要電力が調整
されるため、発電要求が、燃料電池の発電特性に適合さ
せられる。したがって、燃料電池の発電に必要な空気や
燃料ガスの無駄な消費が抑制される。
て、前記電力必要装置は、移動体の駆動輪に伝達するト
ルクを出力する電動機を有していることを特徴とするも
のである。
特性に基づいて、車輪に伝達するトルクの要求が調整さ
れて、請求項1と同様の作用が生じる。
て、前記電力必要装置は、前記燃料電池の発電環境を制
御する発電環境制御装置を有していることを特徴とする
ものである。
特性に基づいて、発電環境の制御要求が調整されて、請
求項1と同様の作用が生じる。なお、発電特性判断手
段、必要電力設定手段などの機能的手段は、コントロー
ラにより達成される。
例に基づいて説明する。図2は、この発明の燃料電池シ
ステムを有する車両A1の概念図である。図2におい
て、燃料電池1は、電解質(図示せず)と空気極(図示
せず)と燃料極(図示せず)とを有する公知のものであ
る。この燃料電池1には、空気供給経路2および燃料ガ
ス供給経路3が接続されている。
路4が設けられている。さらに、空気供給経路2を経由
して燃料電池1に供給される空気の状態を制御する空気
制御装置5が設けられている。空気制御装置5は、エア
コンプレッサ(図示せず)、エアコンプレッサを駆動す
る電動機、バルブ(図示せず)などを有している。この
空気制御装置5により、燃料電池1に供給される空気の
流量、空気の圧力、空気の供給時期などが制御される。
て燃料電池1に供給する燃料ガスの状態を制御する燃料
ガス制御装置6が設けられている。燃料ガス制御装置6
は、燃料供給ポンプ(図示せず)、この燃料供給ポンプ
を駆動する電動機、バルブ(図示せず)などを有してい
る。この燃料ガス制御装置6により、燃料電池1に供給
される燃料ガスの流量、燃料ガスの圧力、燃料ガスの供
給時期などが制御される。
料電池1を冷却する冷却流体の流通状態を制御する冷却
制御装置7が設けられている。この冷却制御装置7のポ
ンプ(図示せず)、調圧弁(図示せず)などにより、燃
料電池1を冷却する流体の流量、流体の圧力、流体の供
給時期などが制御される。
有する電動機9が設けられている。この電動機9として
は、例えば3相交流型の電動機を用いることができる。
そして、電動機9の動力が車輪11に伝達されるように
構成されている。この電動機9には、インバータ10が
接続されているとともに、インバータ10に対して、前
記燃料電池1と蓄電装置8とが相互に並列に接続されて
いる。蓄電装置8は、例えばバッテリまたはキャパシタ
などにより構成することができる。燃料電池1および蓄
電装置8の直流電流が、インバータ10により交流電流
に変換されて、電動機9に供給される。
力を、前記空気制御装置5、燃料ガス制御装置6、冷却
装置7、補機18に供給することができるように電気回
路が形成されている。補機18としては、例えば、照明
装置、ワイパー、デフォッガなどが挙げられる。
ローラとしての電子制御装置12が設けられている。電
子制御装置12は、中央演算処理装置(CPU)および
記憶装置(RAM,ROM)および入出力インタフェー
スを主体とするマイクロコンピュータにより構成されて
いる。この電子制御装置12からは、電動機9に供給さ
れる電力を制御する信号、空気制御装置5を制御する信
号、燃料ガス制御措置6を制御する信号、冷却制御装置
7を制御する信号などが出力される。
速要求検知センサ13の信号、制動要求検知センサ14
の信号、車速検知センサ15の信号、燃料電池1の発電
特性を検知する発電特性検知センサ16の信号、補機負
荷検知センサ17の信号、発電要求検知センサ19の信
号などが入力される。発電特性検知センサ16として
は、例えば温度センサ、湿度センサなどを用いることが
できる。温度センサおよび湿度検知センサにより、各電
極の内部を移動するイオンの移動抵抗(内部抵抗)を判
断することができる。また、温度センサにより、電極反
応を促進する触媒の活性状態を検知することができる。
なお、補機負荷検知センサ17により、補機18におけ
る電力要求が検知される。発電要求検知センサ19とし
ては、充電量検知センサを用いることができる。
説明する。ここでは、燃料電池1として固体高分子型の
燃料電池が用いられている場合を例として説明する。ま
ず、燃料電池1側においては、空気供給経路2から燃料
電池1に空気が供給され、かつ、燃料ガス供給経路3か
ら燃料ガス(例えば水素ガス)が供給される。すると、
燃料極で生成された水素イオンが、電解質の内部を移動
して空気極に到達する。空気極では、水素イオンと燃料
ガスとが反応して起電力が得られる。このようにして、
燃料電池1による発電がおこなわれ、発生した直流電力
がインバータ10を経由して電動機9に供給される。ま
た、燃料電池1は、温度や湿度などの環境により発電特
性が変化する。したがって、燃料電池1の運転により生
じた熱を冷却制御装置7により放熱し、燃料電池1の運
転温度を所定温度範囲(もしくは所定湿度範囲)に保つ
ことにより、その発電効率を高める制御がおこなわれ
る。
号、例えば、加速要求検知センサ13の信号、車速検知
センサ14の信号、および電子制御装置12に記憶され
ているデータに基づいて、車両A1における要求駆動力
が判断される。この要求駆動力に基づいて、電動機9の
トルクおよび回転数の目標値が設定される。そして、電
動機9の実際のトルクおよび回転数を、目標値に近づけ
るように、燃料電池1および蓄電装置8から電動機9に
供給される電力(電流、電圧)が制御れる。
号に基づいて、空気制御装置5、燃料ガス制御装置6、
冷却制御装置7の駆動状態の目標値が判断される。そし
て、空気制御装置5、燃料ガス制御装置6、冷却制御装
置7の実際の駆動状態を、目標値に近づけるように、空
気制御装置5、燃料ガス制御装置6、冷却制御装置7に
供給される電力が制御される。例えば、空気制御装置5
のコンプレッサ、燃料ガス制御装置6のコンプレッサ、
冷却制御装置7のコンプレッサの回転数が制御される。
電要求検知センサ19の信号、および補機負荷センサ1
7、および電子制御装置12に記憶されているデータに
基づいて、燃料電池1における発電状態の目標値が判断
される。そして、燃料電池1の発電状態が目標値に近づ
くように、空気制御装置5、燃料ガス制御装置6、冷却
制御装置7に供給する実際の電力が制御される。
に近づくように、空気制御装置5、燃料ガス制御装置
6、冷却制御装置7に供給する実際の電力を制御した場
合でも、燃料電池1の発電特性によっては、目標電力を
得ることができないことがある。言い換えれば、燃料電
池1の発電効率が低下する可能性がある。そこで、この
実施例においては、図1に示す制御例により、この不具
合を回避している。
燃料電池1の内部抵抗、触媒の活性化状態などが判断さ
れる(ステップS1)。つぎに、ステップS1の判断結
果に基づいて、電動機9の制御マップを選択する(ステ
ップS2)。前述したように、温度変化または湿度変化
により燃料電池1の発電特性が変化するため、温度また
は湿度によって電動機9に供給可能な電力が変化する。
言い換えれば、燃料電池1の発電特性に基づいて、電動
機9の最大出力が変化する。
択される電動機9の各種のマップである。図3におい
て、実線B1を有するマップが低温度K1で選択される
マップであり、実線B2を有するマップが中温度K2で
選択されるマップであり、実線B3を有するマップが高
温度K3で選択されるマップである。ここで、低温度K
1よりも中温度K2の方が高温であり、中温度K2より
も高温度K3の方が高温である。
下では、電動機9の最大トルクがほぼ一定であり、所定
回転数以上になると、その回転数の上昇にともない電動
機9の最大トルクが低下する特性を備えている。具体的
には、低温度K1用のマップでは回転数N1以上で最大
トルクが低下し始め、中温度K2用のマップでは回転数
N2以上で最大トルクが低下し始め、高温度K3用のマ
ップでは回転数N3以上で最大トルクが低下し始める。
なお、最大トルクとは、例えば、加速要求が最大である
場合に対応するトルクである。すなわち、電動機9の最
大トルクを示すマップを、電動機9の回転数のみをパラ
メータとして選択するのではなく、電動機9の回転数お
よび温度をパラメータとする二次元マップとして設定す
る。
テップS1の判断結果に基づいて、電動機9を制御する
ためのマップが変更される。言い換えれば、電動機9の
目標出力は、燃料電池1の発電能力以内で達成可能な値
が選択される。なお、ステップS2で電動機9の制御マ
ップを変更する方法としては、第1の方法と第2の方法
とが挙げられる。第1の方法とは、予め複数のマップを
電子制御装置12に記憶しておき、ステップS1の判断
結果に基づいて複数のマップのいずれかを選択する方法
を意味している。第2の方法とは、基準となるマップを
電子制御装置12に記憶しておき、ステップS1の判断
結果に基づいて、基準となるマップを補正して、任意の
特性のマップを得る方法を意味している。
置5で消費される電力、燃料ガス制御装置6で消費され
る電力、冷却装置制御装置7で消費される電力、補機1
8で消費される電力が算出される(ステップS3)。こ
のステップS3についで、ステップS1の判断結果に基
づいて、燃料電池1で発生可能な目標出力を算出し、か
つ、この目標出力に対応する目標電流値を演算する(ス
テップS4)。
実際の出力電流値が、前記目標電流値に近づくように、
燃料電池1に供給する空気の流量、燃料電池1に供給す
る燃料ガスの流量、燃料電池1を冷却する冷却流体の流
量が演算される(ステップS5)。このステップS5に
ついで、このステップS5の演算結果に基づいて、空気
制御装置5のエアコンプレッサの回転数、燃料ガス制御
装置6の燃料供給ポンプの回転数、冷却制御装置7のポ
ンプの回転数が制御され(ステップS6)、この制御ル
ーチンを終了する。なおステップS5において、空気の
圧力および空気の供給時期、燃料ガスの圧力および供給
時期、冷却流体の圧力および供給時期などを演算しても
よい。
料電池1の発電能力で達成可能な範囲の発電要求を選択
し、選択された発電要求に基づいて、発電環境(例え
ば、燃料電池1に供給される空気の流量、燃料電池1に
供給される燃料ガスの流量、燃料電池1を冷却する冷却
流体の流量)が調整される。したがって、“達成困難な
発電能力を目標として、その発電環境を調整するこ
と。”を回避でき、燃料電池システムの発電効率の低下
を抑制できる。なお、この実施例は、固体高分子型の燃
料電池以外の燃料電池、例えば、アルカリ水溶液型の燃
料電池、リン酸水溶液型の燃料電池、溶融炭酸液型の燃
料電池、固体電解質型の燃料電池などにも適用できる。
明の構成との対応関係を説明すれば、ステップS1が、
この発明の発電特性判断手段に相当し、ステップS2な
いしステップS6が、この発明の必要電力設定手段に相
当する。また、図2に示す構成と、この発明の構成との
対応関係を説明すれば、車両A1が、この発明の移動体
に相当し、電動機9、空気制御装置5、燃料ガス制御装
置6、冷却制御装7が、この発明の電力必要装置に相当
し、空気制御装置5、燃料ガス制御装置6、冷却制御装
7が、この発明の発電環境制御装置に相当し、車輪11
が、この発明の駆動輪に相当する。さらに上記実施例で
説明した事項と、この発明の構成との対応関係を説明す
れば、温度および湿度により変化する内部抵抗、温度に
より変化する触媒の活性状態などが、この発明の発電特
性に相当し、空気の供給状態、燃料ガスの供給状態、冷
却流体の供給状態などが、この発明の発電環境に相当す
る。
特性判断手段”を、“第1のコントローラ”と読み替
え、“必要電力設定手段”を“第2のコントローラ”と
読み替えることもできる。また、特許請求の範囲に記載
されている“発電特性判断手段”を“発電特性判断ステ
ップ”と読み替え、“必要電力設定手段”を必要電力設
定ステップ”と読み替え、“燃料電池システム”を“燃
料電池システムの制御方法”と読み替えることもでき
る。
よれば、燃料電池の発電特性に基づいて、電力必要装置
における必要電力が調整されるため、発電要求が、燃料
電池の発電特性に適合させられる。したがって、燃料電
池の発電能力以上に、燃料電池の発電に必要な空気およ
び燃料ガスなどが供給されることを抑制でき、燃料電池
の発電効率の低下を抑制できる。
特性に基づいて、車輪に伝達するトルクの要求が調整さ
れて、請求項1と同様の効果を得られる。
特性に基づいて、発電環境の制御要求が調整されて、請
求項1と同様の効果を得られる。
る。
る。
御装置、 7…冷却制御装置、 9…電動機、 18…
補機。
Claims (3)
- 【請求項1】 燃料電池により発電された電力を、電力
必要装置に供給する燃料電池システムにおいて、 前記燃料電池の発電特性を判断する発電特性判断手段
と、 この発電特性判断手段の判断結果に基づいて、前記電力
必要装置における必要電力を設定する必要電力設定手段
とを備えていることを特徴とする燃料電池システム。 - 【請求項2】 前記電力必要装置は、移動体の駆動輪に
伝達するトルクを出力する電動機を有していることを特
徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。 - 【請求項3】 前記電力必要装置は、前記燃料電池の発
電環境を制御する発電環境制御装置を有していることを
特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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- 2001-12-25 JP JP2001391542A patent/JP4207424B2/ja not_active Expired - Fee Related
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