JP2005044736A - 燃料電池システムの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池システムの構成部品を収容する筐体内を換気する換気ファンの消費電力を最小にすることにより、電力不足を防止する。
【解決手段】燃料電池スタック1の発電電力を消費する負荷の運転状態に応じて、換気ファン7の利用可能電力を設定し、設定された利用可能電力に基づいて、換気ファン7が消費する電力を制限する期間を設定し、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、水素循環経路L5の窒素蓄積量を演算し、設定された換気ファン7が消費する電力を制限する期間内であって演算された窒素蓄積量が所定のレベルとなった場合にパージ弁5を開状態にする間隔であるパージ停止時間を、換気ファン7の消費電力が最小になるように決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスを供給して、燃料電池を発電させる制御をする燃料電池システムの制御装置に関する。
従来より、燃料電池スタックの水素極に水素ガスを供給すると共に、空気極に空気を供給して、空気極における空気中の酸素と水素極における水素とを電気化学的に反応させて発電させる燃料電池システムの制御装置が知られている。特に、この燃料電池システムの制御装置は、燃料電池スタックにより発電した電力を車両の走行トルクを発生させる駆動モータに供給する車両用のものが開発されている。
このような車両用燃料電池スタックとしては、固体高分子型のものが知られている。この固体高分子型の車両用燃料電池スタックは、水素極と空気極の間に膜状の固体高分子を設け、当該固体高分子膜を水素イオン伝導体として機能させる。
この種の燃料電池スタックは、水素極で水素ガスを水素イオンと電子にする反応が行われ、空気極で酸素ガスと水素イオンと電子とから水を生成する反応が行われる。このとき水素イオンは、固体高分子膜を空気極に向かって移動する。このように固体高分子を水素イオンが移動するためには、固体高分子膜が水分を含んでいる必要がある。このため、燃料電池システムの制御装置では、固体高分子膜を加湿して湿潤状態に保持しておく必要があり、燃料電池スタックに供給する水素ガスを加湿装置で加湿して水素極に供給するようにする技術が知られている。
このように固体高分子膜を加湿する有効な技術としては、燃料電池スタックで使用されずに排出された水素ガスを燃料電池スタックに再循環して再利用する水素循環形式が知られている。この水素循環形式の燃料電池システムでは、燃料電池スタック外部に接続した負荷で消費する電力を発電させるのに要求される水素量より幾分多めの水素量を水素極に供給し、未使用の水素を水素極出口から排出させ、この排水素(循環水素と記す)を再度、水素極入口に戻して再利用する。ここで、燃料電池スタックから排出された循環水素は、水蒸気を多く含んでいるため、水素タンクからの乾燥している水素と混合されて水素極に供給され、水素極に供給する水素を加湿する。
このような燃料電池システムにおいて、燃料電池スタックにおける水素極を通過する水素流量は、発電に必要な水素流量に加えて、循環する水素流量分だけ余分に通過することになる。このように燃料電池システムでは、発電に必要な水素流量よりも余分な水素流量を水素極に供給することにより、燃料電池スタックを構成する全てのセルでの発電を効率的に行わせる。
これに対し、要求される発電量に相当する水素流量のみを供給した場合には、水素極側出口付近のセルに効率的に水素が到達しなくなる可能性があり、発電効率が低下する恐れがある。同様に、空気極においても、要求される発電量に相当する酸素流量のみを供給するのではなく、当該発電量に相当する酸素流量よりも少し余分に酸素を供給するようにしている。すなわち、燃料電池システムにおいて、供給ガス量に対する消費ガス量の割合を示す原料ストイキ比は、要求される発電量に相当する水素流量又は酸素流量のみを供給する場合には値が「1」となるが、加湿や発電効率の観点から、通常、値が「1」よりも高い値に制御されている。
このような燃料電池システムでは、空気極から水素極に向かって窒素が移動するという特徴がある。これは、空気極に供給される空気には多量の窒素成分が含まれるため、空気極と水素極との間で窒素分圧差が発生して、空気極から水素極に向かって窒素が移動しやすく作用することによる。反対に、燃料電池システムでは、水素も水素極から空気極に向かって移動するが、移動の途中でほとんどが反応してしまうため空気極まで到達する水素はほとんどない。
しかし、水素極に移動した窒素は、水素極内にて残りつづけ、循環水素の経路内に滞留し続けてしまう。そして、循環水素の経路内に存在する窒素は、水素極内の窒素分圧を上昇させて水素極内での水素分圧を下げる原因となり、水素極への水素の供給を妨げるように作用してしまう。このため、燃料電池システムでは、循環水素の経路に蓄積した窒素を適当なタイミングで循環水素の経路外部に排出して、窒素分圧が高いガスを、貯蔵タンクなどから供給する水素濃度が高いガスと置き換える必要がある。このため、燃料電池システムでは、水素極出口にパージ弁を設け、適当なタイミングでパージ弁を開閉して、窒素分圧が高いガスを排出するようにしている。
また、車両用の燃料電池システムは、燃料電池スタック、センサやアクチュエータなどの周辺機器を、コンパクトなレイアウトで配置するために筐体内に収納させることが多い。また、車両用燃料電池システムでは、通常、水素循環系のパージ弁もパッケージ内に収納させている。したがって、車両用燃料電池システムでは、パージ弁を開状態にすると、筐体内に窒素のみならず水素も放出される。これに対し、車両用燃料電池システムでは、通常、筐体内の狭い領域に水素が滞留することを防止するために、換気ファンを駆動することによって筐体内を換気することが行われている。
このように循環水路の経路をパージ制御する燃料電池システムとしては、下記の特許文献1及び特許文献2に記載された技術が知られている。これら特許文献1及び特許文献2に記載された燃料電池システムでは、水素循環経路内の水素濃度を検出してパージする制御や、燃料電池スタックの発電電圧が低下した場合にパージ制御している。
特開2000−243417号公報 特開2002−260704号公報
しかしながら、上述の特許文献1や特許文献2に記載された燃料電池システムでは、水素循環経路内の窒素濃度を一定値以下に保つことができるが、換気ファンの駆動に使用する電力を低減することについての制御は行っていない。したがって、これら特許文献1及び特許文献2では、常に筐体内に水素が滞留しない十分な駆動量で換気ファンを制御しており、電力の無駄を生じている。これは、換気ファンによる換気流量が正確に検出できないことや、筐体内の水素量が正確に検出できないことによる。したがって、従来の技術では、例えば設計者により推測される水素量に対して換気ファンの駆動量にマージンを設けて換気ファンを駆動させているために、駆動量のマージンが適当でない場合には電力の無駄になるという問題点があった。
これに対し、換気ファンの駆動量についてマージンを設けた場合であっても、マージンを適当に調整することにより換気ファンの電力を節約できる場合がある。すなわち、パージする場合に、パージで排出される水素量を推定し、当該推定した水素量を十分に換気できるような換気量に相当する換気ファンの駆動量をマージンとして設定すれば良い。
また、パージを行うことにより窒素と共に放出される水素量は、パージ弁を開状態にする時間によって異なる。すなわち、水素循環系に蓄積する窒素蓄積量が限度値になるまでパージ弁を開状態にせずに燃料電池スタックの発電電圧が低下した場合にパージ弁を開状態にする場合と、燃料電池スタックの発電電圧が低下する前にパージ弁を開状態にする場合とで、水素循環系における窒素濃度が低下するまでのパージ量が異なる。したがって、パージ弁から放出される水素、窒素及び水分を含むガスの換気のために必要な換気ファンの消費電力も異なる。すなわち、開度を小さくして高い頻度でパージ弁を制御する場合と、開度を大きくして低い頻度でパージ弁を制御する場合とで、換気ファンに必要な消費電力も異なる。
また、燃料電池システムの過渡時など駆動電力が多量に必要な場合には、一時的に換気ファンの消費電力を減らして、燃料電池システム全体での電力不足を防止する必要がある。その場合、パージ弁を開状態にするタイミングを制御して、換気ファンの消費電力、特に余分なマージンを最小にする必要がある。
そこで、本発明は、上述した実情に鑑みて提案されたものであり、燃料電池システムの構成部品を収容する筐体内を換気する換気ファンの消費電力を最小にすることにより、電力不足を防止することができる燃料電池システムの制御装置を提供することを目的とする。
本発明では、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池から排出された燃料ガスを前記燃料電池に循環させる燃料循環経路を有する燃料循環手段と、少なくとも前記燃料電池を発電させるための補機類を収納する筐体と、前記燃料循環経路内のガスを前記筐体内に排出するパージ弁を有するガス排出手段と、前記筐体内のガスを前記筐体外に放出する換気ファンとを有する燃料電池システムを制御するために以下の手段を備える。
すなわち、本発明に係る燃料電池システムの制御装置では、前記燃料電池の発電電力を消費する負荷の運転状態に応じて、前記換気ファンの利用可能電力を設定する利用可能電力設定手段と、前記利用可能電力設定手段により設定された利用可能電力に基づいて、前記換気ファンが消費する電力を制限する期間を設定する消費電力制限期間設定手段と、前記燃料電池の運転状態に応じて、前記燃料循環経路の窒素蓄積量を演算する窒素蓄積量演算手段と、前記消費電力制限期間設定手段により設定された前記換気ファンが消費する電力を制限する期間内であって前記窒素蓄積量演算手段により演算された窒素蓄積量が所定のレベルとなり前記パージ弁を開状態にするまでの間隔であるパージ停止時間を、前記換気ファンの消費電力が最小になるように決定するパージ停止時間決定手段とを備えることで、上述の課題を解決する。
本発明に係る燃料電池システムの制御装置によれば、燃料電池や負荷の運転状態に応じて、燃料電池システムの構成部品を収容する筐体内を換気する換気ファンの消費電力が最小となるように制限したので、負荷の電力が必要な場合に、換気ファンの電力によって負荷の駆動用電力が不足することを防止することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
本発明は、例えば図1に示すように構成された燃料電池システムに適用される。
[燃料電池システムの構成]
この燃料電池システムは、例えば燃料電池車両の主電源であって、発電反応を発生させるための水素を多量に含む燃料ガスと酸素を含む酸化剤ガスとが供給されることによって発電する燃料電池スタック1を備える。この燃料電池スタック1は、固体高分子電解質膜を挟んで、酸化剤ガスとして空気が供給される空気極と燃料ガスとして水素が供給される水素極とを対設した燃料電池セル構造体をセパレータで挟持し、セル構造体を複数積層することによって構成されている。すなわち、この燃料電池スタック1による発電は、水素極にて水素が電子を放出してイオン化し、生成された水素イオン(H)が高分子電解質膜を通過してカソード極に到達し、この水素イオンが空気極にて酸素と結合して水(HO)を生成することによって行われる。
この燃料電池システムは、例えば車両に搭載され、当該車両の駆動トルクを発生させる駆動モータやインバータを含む負荷2に燃料電池スタック1によって発電した電力を供給する。この負荷2では、駆動モータを駆動させる場合に、インバータにより、燃料電池スタック1からの直流電力を所望の電力に変換し、インバータを介して発電電力を駆動モータに供給する。本例では、負荷2に発電量を設定し、インバータにより燃料電池スタック1から発電電流を取り出すようにしている。
このような燃料電池システムにおいて、燃料電池スタック1、及び燃料電池スタック1を発電させるための補機類は、コンパクト化して車両内にレイアウトさせるために、筐体である収納パッケージ6に収容されている。本例では、燃料電池スタック1、補機類として循環水素ポンプ3及びパージ弁4及びパージ弁用アクチュエータ5が収納パッケージ6に収容する場合を示している。
この収納パッケージ6には、内部のガスを外部に放出して、内部のガスを換気する換気ファン7が設けられている。換気ファン7は、収納パッケージ6内部で水素漏れがあった場合に可燃雰囲気にならないように十分な換気量を確保するように設計されている。
このような収納パッケージ6では、後述するパージ弁4が開状態にされることにより、水素や窒素を含むガスが内部に放出される。これは、燃料電池スタック1を車両などに燃料電池システムを搭載した場合、風通しの悪い場所において水素が滞留してしまうことがないように、一旦収納パッケージ6内にガスを放出して、換気ファン7で多量の空気と合わせて十分に拡散させて外気に放出するためである。なお、燃料電池スタック1からの排空気は、水素を含まないので、収納パッケージ6内部に放出されずに直接外気に放出される。
また、この燃料電池システムは、燃料電池スタック1に空気を供給する空気供給系、燃料電池スタック1に水素を供給する水素供給系を備える。
空気供給系は、燃料電池スタック1の空気入口と空気供給装置8とを空気供給経路L1によって接続し、燃料電池スタック1の空気出口と収納パッケージ6の外部とを空気排出経路L2によって接続して構成されている。空気供給装置8は、例えばコンプレッサモータと、このコンプレッサモータにより駆動されるコンプレッサとを備える。このような空気供給系では、空気供給装置8により外気を取り込んで圧縮して燃料電池スタック1に空気を導入し、発電反応に使用されずに排出された空気を空気排出経路L2を介して収納パッケージ6の外部の外気に排出する。
水素供給系は、水素供給装置9と燃料電池スタック1の水素入口とを水素供給経路L3により接続している。水素供給装置9は、図示しない水素タンク、水素流量制御弁を備え、燃料電池スタック1に供給する目標となる水素量によって水素流量制御弁の開度が制御され、水素タンクから燃料電池スタック1に供給する水素流量を調整する。水素供給経路L3には、水素供給バルブ10及び水素供給用アクチュエータ11が設けられ、燃料電池スタック1を発電させるに際して水素供給用アクチュエータ11が制御されて水素供給バルブ10が開状態に制御される。
また、この水素供給系は、燃料電池スタック1の水素出口に設けられた水素排出経路L4、当該水素排出経路L4から分岐した水素循環経路L5及びパージ経路L6を備える。この水素供給系は、パージ経路L6にパージ弁4及びパージ弁用アクチュエータ5が設けられ、水素循環経路L5に循環水素ポンプ3が設けられる。
このような水素供給系では、通常、パージ弁4が閉状態としておき、発電反応に使用されずに燃料電池スタック1の水素出口から排出されたガスを、水素排出経路L4及び水素循環経路L5を介して、循環水素ポンプ3によって水素供給経路L3に供給する。これにより、水素供給系では、燃料電池スタック1から排出された水素を再度燃料電池スタック1の水素入口に循環させる。これにより、水素供給系では、水素供給装置9からの水素ガスと、水素循環経路L5からの水素ガスとを混合したガスを燃料電池スタック1に供給する。
ここで、燃料電池スタック1から排出されたガスは、水素供給装置9からの水素ガスと比較して多くの水蒸気を含み、水素供給装置9からの水素ガスと混合されることにより、燃料電池スタック1内の固体高分子を加湿する。
また、水素供給系では、窒素等の不純物の濃度を低下させるために燃料電池スタック1に循環させるガスの一部を大気に放出するに際して、パージ弁4が開状態に制御される。このようにパージ弁4から排出された水素を含むガスは、収納パッケージ6内に開放されることになる。
更にまた、燃料電池システムは、各部の動作を制御して燃料電池スタック1の発電反応を制御する制御手段であるシステムコントローラ12を備える。このシステムコントローラ12は、例えば図示しないROM(Read Only Memory)等の記憶部に、燃料電池システムを起動して負荷2に対して電力供給を行う一連の処理手順を記述した燃料電池制御プログラムを格納し、各種センサからの信号を読み込み、当該燃料電池制御プログラムを図示しないCPU(Central Processing Unit)等によって実行して各部へと制御信号を送ることにより、各部を制御する。
システムコントローラ12は、車両を構成する各部と接続された車両コントローラ13から信号が送られる。この車両コントローラ13は、例えば車両運転者により操作されるアクセルペダルの操作、ナビゲーション装置からの情報による車両の運転環境、バッテリ状態を検出して、後述する処理をして車両に関する情報をシステムコントローラ12に送る。
また、車両コントローラ13は、負荷2を構成する駆動モータの駆動量制御などを行う。具体的には、車両コントローラ13は、駆動モータを駆動させるときに不足する電力量、電力不足が発生する期間を演算して、電力不足要求をシステムコントローラ12に送る。
システムコントローラ12は、処理内容は後述するが、パージ弁用アクチュエータ5を制御してパージ弁4を開閉制御するパージ弁制御器14と接続される。システムコントローラ12は、パージ弁4を開閉制御するに際して、パージ弁制御器14に制御信号を送る。これにより、パージ弁制御器14は、パージ弁4をパージ弁用アクチュエータ5によって開閉制御させるパージ制御信号を生成する。
更にまた、この燃料電池システムは、システムコントローラ12により上述した各部を制御するために、燃料電池スタック1の空気出口に設けられた空気圧力センサ15、燃料電池スタック1の水素出口に設けられた水素圧力センサ16、水素循環経路L5に設けられた水素温度センサ17及び水素圧力センサ18、燃料電池スタック1の温度を検出する燃料電池温度センサ19を備える。また、燃料電池システムは、燃料電池スタック1から負荷2に取り込まれる電力に応じた発電電圧を検出する電圧センサ20、発電電流を検出する電流センサ21を備える。更に、燃料電池システムは、循環水素ポンプ3の回転数を検出するための回転数センサ22を備える。
このような燃料電池システムにおいて、システムコントローラ12では、燃料電池スタック1を発電させているときに、水素排出経路L4や水素循環経路L5に流れる循環ガスに含まれる不純物を取り除くことを目的としてパージ弁4を開閉制御すると共に、収納パッケージ6内のガスを外部に放出するために換気ファン7を制御するパージ制御処理を行う。なお、このパージ制御処理の詳細な処理内容については後述する。
[燃料電池システムのパージ制御処理]
つぎに、上述した燃料電池システムにおいて、システムコントローラ12によるパージ制御処理の処理手順について図2を参照して説明する。このパージ制御処理は、燃料電池スタック1や補機類からの水素漏れを想定して、十分に水素を希釈して外部放出する必要があるために換気ファン7の回転数にマージンをもたせているが、このマージン分を削減して電力を節約すると共に、パージ弁4のパージ停止時間を調整する処理である。
このパージ制御処理では、先ず、ステップS1において、システムコントローラ12により、負荷2の電力不足要求が車両コントローラ13から送られたか否かを判定することにより、駆動電力が不足しているか否かを判定する。これにより、システムコントローラ12は、換気ファン7の消費電力を現状より低下(節約)する要求が発生したか否かを判定する。
このとき、車両コントローラ13では、例えば、アクセル開度を検出したことによる車両の加速要求、ナビゲーション装置からの情報に基づく車両走行道路の上り坂、エアコンディショナー作動状態などの車両運転環境の変化から、負荷2に必要な駆動力を予測する。そして、車両コントローラ13は、図示しないバッテリの充電状態及び燃料電池スタック1の発電状況から、過渡的に負荷2に供給する必要がある電力が不足するか否かを判定する。その結果、車両コントローラ13では、過渡的に負荷2に供給する電力が不足すると判定した場合、システムコントローラ12に不足電力量情報及び電力不足期間情報を含む電力不足要求を送る。
そして、システムコントローラ12は、車両コントローラ13から電力不足要求が送られた場合にはステップS2に処理を進め、電力不足要求が送られていない場合には処理を終了し、現在設定されている消費電力を換気ファン7に供給して駆動させる。
ステップS2においては、システムコントローラ12により、ステップS1にて送られた電力不足要求に含まれる不足電力量情報から、負荷2を駆動するために過渡的に不足する電力を認識し、現状で利用可能な換気ファン7の消費電力を決定する。
次のステップS3においては、システムコントローラ12により、ステップS1にて送られた電力不足要求に含まれる電力不足期間情報から、換気ファン7の消費電力を制限する期間を、内部メモリに記憶する変数として設定する。
次のステップS4においては、システムコントローラ12により、ステップS2にて決定した消費電力を換気ファン7に供給した場合の換気ファン7による最大流量を計算する。このとき、システムコントローラ12は、図3に示すように、換気ファン7の消費電力と換気ファン7の回転数との関係を示すマップデータを参照して、換気ファン7の回転数を求め、更に、換気ファン7の回転数と換気ファン7の回転による換気流量との関係を示すマップデータを参照して、換気ファン7による最大流量を求める。
次のステップS5においては、システムコントローラ12により、パージ弁4を開状態にした1回のパージによって、パージ弁4から収納パッケージ6内に放出可能な水素量を算出する。このとき、システムコントローラ12は、ステップS4にて算出した換気ファン7の最大流量と、予め求めておいた収納パッケージ6の収容体積から、収納パッケージ6内を可燃雰囲気にしない水素流量を算出する。ここで、水素可燃範囲は4%vol〜75%volであるが、システムコントローラ12は、幾らか余裕を持たせて水素流量を算出しても良い。
次のステップS6においては、システムコントローラ12により、前回にパージを行った後に、パージ弁4を開状態にするまでの最長時間となるパージ停止時間(最長パージ停止時間)を決定する。この最長パージ停止時間は、水素排出経路L4及び水素循環経路L5からなる水素循環系内に蓄積した窒素が、燃料電池スタック1の発電効率を著しく低下させ始める上限レベルに到達する時間によって決定される。
このとき、システムコントローラ12は、最長パージ停止時間を決定するために、窒素蓄積量を求める演算を行う。この演算を行うとき、システムコントローラ12は、燃料電池温度センサ19、空気圧力センサ15及び水素圧力センサ16からのセンサ信号を読み込むと共に、水素流量及び空気流量、負荷2の動作データを用いて、予め設定した演算式に従った演算を行うことにより窒素蓄積量を求める。この窒素蓄積量を求める演算式は、予め実験等により得た燃料電池スタック1の温度、水素圧力及び空気圧力及び負荷2の動作履歴と、窒素蓄積量の分析結果とを用いて、単位時間に蓄積する窒素の増加度合いを示す関数を作成しておき、当該関数を積分して前回にパージを行った後の経過時間での窒素蓄積量の算出を可能とする。
具体的には、窒素蓄積量Fn(s)[mol]を算出する演算式は、
s*Fn(s)=(k−A) (式1)
のように表現される。ここで、上記式1におけるk[mol/s]は、図4に示すように、窒素の蓄積度合いを示す。すなわち、kは窒素の増加度合いを示し、k1〜k3によって窒素蓄積量が上限レベルにまで達するまでの時間が異なり、最長パージ停止時間が異なる。また、sはラプラス演算子(s=d/dt)を示し、Aはパージ弁5から排出される窒素量[mol/sec]を示す。なお、Aはパージ弁4が閉状態となっているときには「0」になる。
上記式1において、kは、燃料電池スタック1の様々な運転状態によって異なる値を予め作成しておき、システムコントローラ12から読み込み可能なメモリに記憶しておく。すなわち、図5に示すように、例えばシステムコントローラ12の処理内容を設定するに際して、燃料電池システムにおいて窒素蓄積量に影響するパラメータ(図5(a))と、窒素成分測定結果データ(図5(b))を求める。
ここで、窒素蓄積量に影響するパラメータ(要因)は、水素温度センサ17にて検出するガス温度、電流センサ21にて検出する負荷電流、空気圧力センサ15及び水素圧力センサ16にて検出する原料圧力、原料流量としている。そして、燃料電池システムの運転状態を変化させることにより各パラメータを変化させた場合の窒素成分測定結果を取得する。
また、燃料電池スタック1の運転状態に応じて窒素蓄積量に影響を与える要因は、水素極と空気極との窒素分圧差であって、他の要因はシステム設計組み立て時に決定される。したがって、kを設定するに際して、水素極と空気極との窒素分圧差影響を与える要因としては、燃料電池スタック1の動作温度、空気極圧力、水素極圧力、原料流量、負荷電流を選択している。
そして、多変量解析手法によって、ガス温度の係数a1、負荷電流の係数a2、原料圧力の係数a3、原料流量の係数a4を決定する。なお、各係数は、図5(b)の窒素成分測定結果と図5(a)に示す各パラメータの値によって決定し、窒素の増加度合い寄与するほど高い値に設定される。このように係数を決定すると、各係数、及び運転状態ごとの図5(a)に示すパラメータの値を用いて、下記の式2に示すように、
k=a1*(ガス温度)+a2*(負荷電流)+a3*(原料圧力)+a4(原料流量) (式2)
という演算を行うことによりkを求める。これにより、システムコントローラ12には、燃料電池システムの運転状態ごとに複数のkが設定され、実際に窒素蓄積量を求めるに際して使用可能となる。
また、上記式1において、Aは、下記の式3〜式6に示すように、
A=Q2*W (式3)
W=f/(f+f+fh20) (式4)
h20=r*Q1*(1/18) (式5)
={Q1-fn*22.4*0.001-r*Q1*0.001}*(1/22.4*0.001) (式6)
なる演算式により求める。このようなA[mol/s]は、実際にパージ弁4を開閉制御するに際して、例えば所定期間ごとに演算される。ここで、式3におけるQ2[m]はパージ弁4の放出可能水素量であり、Wはモル分率である。式4におけるf[mol/sec]は窒素蓄積量であり、f[mol/sec]は循環させているガスの水素成分量であり、fh20[mol/sec]は循環させているガスの水分成分量である。式5及び式6におけるr[g/m]は循環させているガスの水蒸気量であり、Q1[m/sec]は循環させているガスの水素循環流量である。
このような演算式を使用して窒素蓄積量を求めるシステムコントローラ12は、機能的な構成を図6に示すように、予め記憶したプログラムに従った処理を行うことによりバルブ開度算出部31、窒素成分計算部32、水素循環流量算出部33、飽和水蒸気算出部34、水成分計算部35、水素成分計算部36、モル分率計算部37、前回値記憶部38、窒素蓄積量算出部39を備えて構成されている。
バルブ開度算出部31は、ステップS5にて算出した1回のパージによってパージ弁4からの放出可能水素量Q2を用いて、放出可能水素量Q2に応じたパージ弁4の開度を算出する。ここで、バルブ開度算出部31では、図7に示すように放出可能水素量Q2に対するパージ弁4の開度を示すマップデータを予め記憶しておき、放出可能水素量Q2の全てが水素であると仮定してマップデータを参照してパージ弁4の開度を求める。
また、バルブ開度算出部31では、実際にパージ弁4から排出するガスには水素のみならず窒素や水分が含まれるので、放出可能水素量Q2の全てが水素であると仮定することにより、算出した開度でパージ弁4を開放した場合に、実際に放出される水素量がステップS5にて算出した放出可能な水素量を超えることをなくす。また、システムコントローラ12では、放出可能水素量Q2を窒素成分計算部32に送る。
一方、水素循環流量算出部33では、循環水素ポンプ3の吐出圧力から、水素循環流量Q1を算出して、水成分計算部35及び水素成分計算部36に送る。ここで、水素循環流量算出部33では、図8に示すように、循環水素ポンプ3の吐出圧力と、循環水素ポンプ3の回転数と、水素循環流量Q1との関係を示したマップデータを記憶しておく。そして、水素循環流量算出部33では、水素圧力センサ18からのセンサ信号、回転数センサ22からのセンサ信号を読み込んでマップデータを参照することにより、水素循環流量Q1を算出する。
これにより、システムコントローラ12では、循環させているガス中には水素や窒素の他に水分が含まれるため、流量センサにより循環流量を測定することによる水素循環量の誤差に対して、少ない誤差にて水素循環流量Q1を算出する。
また、飽和水蒸気算出部34は、水素温度センサ17からのセンサ信号を読み込んで、循環させているガスに含まれる水蒸気量rを算出して、水成分計算部35に送る。ここで、飽和水蒸気算出部34は、図9に示すように、水素温度に対する飽和水蒸気の変化を記述したマップデータを記憶しておき、循環させているガスの温度に応じてマップデータを参照することにより、水蒸気量rを求める。
水成分計算部35は、水素循環流量Q1及び水蒸気量rが送られると、循環させているガスの水分成分fh20を求めて、水素成分計算部36及びモル分率計算部37に送る。このとき、水成分計算部35は、水蒸気量r及び水素循環流量Q1を用いて、上記式5に示す演算をすることにより、水分成分fh20を求める。
水素成分計算部36は、水素循環流量Q1、水分成分fh20及び窒素蓄積量算出部39からの窒素蓄積量fnが送られると、循環させているガスの水素成分量fhを求めて、モル分率計算部37に送る。このとき、水素成分計算部36は、上記式6に示す演算をすることにより、水素成分量fhを求める。
モル分率計算部37は、水分成分fh20及び水素成分量fhが送られると、水分と水素とのモル分率Wを求めて、窒素成分計算部32に送る。このとき、モル分率計算部37は、式4に示す演算をすることにより、モル分率Wを求める。
窒素成分計算部32は、放出可能水素量Q2及びモル分率Wが送られると、循環させているガスの窒素量Aを求めて、前回値記憶部38に送る。このとき、窒素成分計算部32は、上記式3に示す演算を行うことにより、窒素量Aを求める。
前回値記憶部38では、窒素蓄積量算出部39にて窒素量Aを用いて窒素蓄積量fnを求めるためには、窒素成分計算部32による演算結果を使用する必要があるが、窒素蓄積量算出部39と窒素成分計算部32とで同時に計算を行うことができないので、窒素量Aの前回値を記憶しておく。そして、前回値記憶部38では、新たなモル分率Wが送られると、当該モル分率Wを窒素蓄積量算出部39に送る。
窒素蓄積量算出部39では、前回値記憶部38からの窒素量Aが送られると、当該窒素量Aと、予め記憶しておいたkとを用いて、窒素蓄積量fnを求める。このとき、窒素蓄積量算出部39では、燃料電池システムの運転状態に基づいて何れかのkを選択し、式1に示す演算を行うことにより、窒素蓄積量fnを求める。
このように、システムコントローラ12では、現在の窒素蓄積量fnを求めると、窒素の蓄積度合いによって窒素蓄積量fnが上限レベルに達するまでの時間を求めて、最長パージ停止時間を決定する。
次のステップS7においては、システムコントローラ12により、ステップS6にて求めた最長パージ停止時間よりも短い時間を仮のパージ停止時間として設定する。
次のステップS8においては、システムコントローラ12により、ステップS7にて設定した仮のパージ停止時間によりパージを開始する窒素蓄積量のレベル(パージ開始レベル)と、パージを停止する窒素蓄積量のレベル(パージ停止窒素レベル)を決める。このとき、システムコントローラ12は、仮のパージ停止時間が長い場合には、図10に示すようにパージ停止時間を長くするようにパージ開始窒素レベルを高く設定してパージ弁4を開状態にする時期を遅くしたり、図11に示すようにパージ停止窒素レベルを低く設定して窒素が蓄積するまでの時間を長くする。このようにパージ開始窒素レベル及びパージ停止窒素レベルを設定するとき、システムコントローラ12は、上記式1に示す演算式を使用することにより窒素蓄積量fnを求めながら、各窒素レベルの調整を行う。
次のステップS9においては、システムコントローラ12により、ステップS8にて設定したパージ開始窒素レベルについての余裕率を設定すると共に、パージ停止窒素レベルについての余裕率を設定する。このように余裕率を設定するのは、窒素蓄積量を設定するための上記式1等の関数に含まれる誤差を補償したり、パージ弁4の制御遅れなどを補償するためである。システムコントローラ12は、窒素蓄積量の演算結果の誤差やパージ弁4の制御遅れなどにより、窒素蓄積量が上限レベルを超えて燃料電池スタック1の発電電圧を低下させることがないように、パージ開始窒素レベル及びパージ停止窒素レベルについての余裕率を設定する。なお、システムコントローラ12は、余裕率の度合いについては、予め実験等により設定した値を使用する。
このとき、システムコントローラ12は、ステップS7にてパージ停止時間を長く設定して、パージ開始窒素レベルを高めに設定している場合には、図12に示すように、パージ開始窒素レベルを低くするように余裕率を再設定すると共に、パージ停止窒素レベルを低くするように余裕率を設定する。このように余裕率を設定するため、システムコントローラ12は、図13に示すように、パージ停止時間と余裕率との関係を記述したマップデータを予め記憶しておき、パージ停止時間が長いほど余裕率を大きくする設定をする。なお、システムコントローラ12は、パージ停止窒素レベルが窒素蓄積量の下限レベルである場合には、パージ停止窒素レベルについての余裕率を設定しない。
また、システムコントローラ12は、負荷2にて消費されている電力が高い場合、空気に関するストイキ比が大きい場合、水素極と空気極の圧力差が大きい場合など、水素極と空気極の窒素分圧差が拡大するような運転状態である場合には、余裕をもってパージを開始するために、パージ開始窒素レベル及びパージ停止窒素レベルに対する余裕率を大きくしてパージ開始窒素レベルを低く再設定すると共に、パージ停止窒素レベルを低く再設定する。
なお、システムコントローラ12では、負荷2の消費電力、パージ停止時間、燃料電池スタック1の水素極と空気極との圧力差、空気極でのストイキ比の何れに基づいて余裕率を再設定しても良い。
次のステップS10においては、システムコントローラ12により、ステップS3にて決定した換気ファン7の電力制限期間内で繰り返し行うパージ回数を算出する。このとき、システムコントローラ12は、ステップS7にて設定した仮のパージ停止時間と、ステップS3にて決定した換気ファン7の電力制限期間からパージ回数を計算する。具体的には、システムコントローラ12は、換気ファン7の電力制限期間が50秒であり、仮のパージ停止時間が5秒である場合には、パージ弁4を開状態にする回数を10回とする。
次のステップS11においては、システムコントローラ12により、ステップS3にて決定した換気ファン7の電力制限期間内で消費する換気ファン7の電力の積算値を計算する。本例において、システムコントローラ12は、ステップS2にて決定した利用可能な換気ファン7の電力の全てを使用するとして消費電力の積算値を計算する。
具体的には、システムコントローラ12は、利用可能な換気ファン電力が100Wであり、パージ回数が10回である場合には、100[W]*10=1000[W]なる演算を行う。また、システムコントローラ12は、通常パージ弁4の動作遅れなどがあるため、設定したパージ時間に対して長いパージ時間となるので、100[W]*10*パージ時間=1000[W]*パージ時間という演算を行うことにより、換気ファン7の消費電力の積算値を求める。なお、第1実施形態においては、システムコントローラ12は、上記式1の窒素蓄積量を算出する演算式を使用し、演算した窒素蓄積量がパージ開始窒素レベルからパージ停止窒素レベルまで低下するまでの時間をパージ時間としている。
次のステップS12においては、システムコントローラ12により、ステップS11にて演算した換気ファン7の消費電力の積算値と、異なる仮のパージ停止時間によって求めた換気ファン7の消費電力の積算値とを比較して、ステップS11にて演算した換気ファン7の消費電力の積算値が最小値であるか否かを判定する。なお、システムコントローラ12は、燃料電池システムを起動した初期段階においては、以前に演算した換気ファン7の消費電力の積算値を使用する。
そして、システムコントローラ12は、ステップS11にて演算した換気ファン7の消費電力の積算値が最小値であると判定した場合にはステップS13に処理を進め、ステップS11にて演算した換気ファン7の消費電力の積算値が最小値でないと判定した場合には、異なる仮のパージ停止時間を設定して再度換気ファン7の消費電力の積算値を演算するためにステップS7に処理を戻す。これにより、システムコントローラ12は、換気ファン7の消費電力の積算値が最小値となる仮のパージ停止時間を検索する。
ステップS13においては、システムコントローラ12により、ステップS12にて換気ファン7の消費電力の積算値が最小値となったときの仮のパージ停止時間を、以降の制御にて使用するパージ停止時間とし、当該パージ停止時間を示す情報をパージ弁制御器14に出力する。
次のステップS14においては、システムコントローラ12により、パージ弁制御器14で制御するパージ弁4の開度を決定する。ここで、システムコントローラ12では、ステップS5にて1回のパージ動作で放出可能な水素量を算出しているので、パージ弁4を開状態としたときに放出される水素量が、ステップS5で算出した水素量を超えないようにパージ弁4の開度を制御する。なお、パージ弁4を通過するガスが全量水素であると仮定してバルブ開度算出部31によりパージ弁4の開度を算出するので、実際には、窒素成分、水分がガス中には含まれるためステップS5で1回のパージにより放出可能な水素量を超えることがない。なお、このようなパージ弁4の開度制御は、ステップS5にて予め放出可能な水素量を求めて、当該水素量を超えないように制御するフィードフォワード制御である。
また、このステップS14において、パージ弁4の下流に水素流量センサを設け、当該水素流量センサからの検出値に応じてステップS5で算出した水素量を超えないようにパージ弁4の開度を制御するフィードバック制御をしてもよく、パージ弁4の開度と弁通過流量との関係からパージ弁4の開度を決定しても良い。
具体的には、システムコントローラ12は、図14に示すようなパージ弁4の開度と弁通過流量との関係を記述したマップデータ、及び図15に示すようなパージ弁4を開状態に保持する時間と、窒素及び水素の弁通過流量との関係を記述したマップデータを記憶しておく。そして、システムコントローラ12では、パージ弁4を開状態にした時間を計時して図15のマップデータを参照することによりパージ弁4を通過する窒素流量が低下し、その分パージ弁4を通過する水素流量が増えることを求めて、図14に示すようにパージ弁4を通過する流量を次第に少なくするようにパージ弁4の開度を調整する。
更に、システムコントローラ12では、パージ弁4の開度によって図14のマップデータを参照して通過流量を求め、当該通過流量から上記式1により求めた窒素蓄積量を差し引いた分を水素流量として算出してパージ弁4から放出される水素流量を求めて、ステップS5で算出した水素量を超えないようにパージ弁4の開度を調整しても良い。すなわち、式1の演算結果は、パージ弁4を開状態にすることにより窒素蓄積量が減少する過程を示し、当該窒素蓄積量の減少分が水素成分量の増加を示すことによる。これにより、上述したようにパージ弁4の下流に水素流量センサを設ける必要をなくす。
なお、上述したステップS6における最長パージ停止時間を求める処理において、窒素蓄積量を求める処理は、上述した一例に限らず、下記の関数式fに示すように、
窒素蓄積量=∫f(水素極の窒素分圧と空気極の窒素分圧の差,透過率,セル数)
なる関数を使用しても良い。すなわち、この関数は、水素極の窒素分圧と空気極の窒素分圧の差、空気極から水素極への窒素透過率、セル数をパラメータとして窒素蓄積量を求め、当該窒素蓄積量を積算する演算式である。ここで、各窒素分圧は、燃料電池スタック1内部の全体圧力と窒素のモル分圧とを乗算することにより求められる。なお、この関数は、上記式1と比較して定義が複雑であり、計算も複雑である。
これに対し、上記式1では、実験データに基づいて予め設定した窒素蓄積度合い(k)を用いた関数であって、上記関数と比較して計算量が少なくシステムコントローラ12への実装を容易とする。
このようなパージ制御処理を行うシステムコントローラ12によれば、図16に示すように、50秒を最長パージ停止時間に設定して、換気ファン7の消費電力を制限することができる期間を50秒とした場合、ステップS7で仮のパージ停止時間を変更しながらステップS8〜ステップS12の処理を行うことにより、換気ファン7の消費電力の積算値が最小となるパージ停止時間が20秒であることを求めることができる。したがって、このシステムコントローラ12によれば、ステップS13にて20秒ごとにパージ弁4を開状態に制御することができる。
[第1実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1や負荷2の運転状態に応じて、換気ファン7の消費電力が最小となるようにパージ弁4を制御するので、例えば車両の加速時等の負荷2の駆動用電力が必要な場合に、換気ファン7の電力によって負荷2の駆動用電力が不足することを防止することができる。すなわち、この燃料電池システムによれば、換気ファン7の消費電力を制限する期間内で換気ファン7の消費電力が最小になるようにパージ停止時間を決めるようにしたので、窒素蓄積量が上限を越えて燃料電池スタック1の発電効率を著しく低下させる前に確実に窒素をパージして排出すると共に、負荷2の電力が必要な場合の電力不足を防止することができる。
すなわち、この燃料電池システムによれば、図17に示すように、上述したパージ制御処理を行うことにより、車両の運転状態に応じて換気ファン7の電力を制限する換気ファン電力制限部51、ステップS3に相当する処理を行う換気ファン電力制限期間決定部52、循環させているガスの窒素蓄積量を検出する窒素蓄積量検出部53を構成し、これら各部51〜53の出力により最小のパージ停止時間を決定する換気ファン電力最小パージ停止時間決定部54を構成することにより、上記効果を発揮させることができる。
また、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の発電効率を低下させる窒素蓄積量の上限レベルに達するまでの最長のパージ停止時間以下のパージ停止時間を検索して設定するので、窒素蓄積量の上限レベルに達して燃料電池スタック1の発電効率を低下させることを防止することができる。
具体的には、この燃料電池システムによれば、仮のパージ停止時間を設定して当該仮のパージ停止時間に蓄積する窒素量を収納パッケージ6から排出する換気ファン7の消費電力を演算し、各仮のパージ停止時間での換気ファン7の消費電力の積算値を比較して、換気ファン7の消費電力の積算値が最小となるパージ停止時間を決定することができる。
更に、この燃料電池システムによれば、パージ停止時間に応じてパージを行う窒素蓄積レベルの目標値を設定するので、パージ停止時間を長く設定した場合にはパージを開始する窒素蓄積レベルを高めに設定して、換気ファン7の消費電力が最小になるパージ停止時間を決定することができる。また、この燃料電池システムによれば、パージを終了する時の窒素蓄積レベルを低めに設定して、換気ファン7の消費電力が最小になるパージ停止時間を決定することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、換気ファン7の消費電力に基づいて換気ファン7の換気流量を算出するので、現在の換気ファン7の消費電力で換気可能な換気流量を求めて、収納パッケージ6内が可燃雰囲気とならないような1回のパージで排出可能な水素量を算出することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、換気ファン7の消費電力を制限する期間内で繰り返すパージ回数を算出し、換気ファン7の消費電力を制限する期間内でパージに使用する換気ファン7の消費電力の積算値を算出するので、必要な換気ファン7の消費電力の積算値を求めることができる。
すなわち、この燃料電池システムによれば、図18に示すように、上述したパージ制御処理を行うことにより、式1に関する演算を行う窒素蓄積量検出部61、ステップS6に相当する処理を行う最長パージ停止時間算出部62、仮のパージ停止時間によってステップS8に相当する処理を行う窒素蓄積量目標値設定部63を構成する。また、この燃料電池システムは、ステップS2に相当する処理を行う換気ファン電力制限部64、ステップS4に相当する処理を行う換気ファン最大流量計算部65、ステップS5に相当する処理を行う排出可能水素量算出部66を構成する。更に、この燃料電池システムは、ステップS3に相当する処理を行う換気ファン電力制限期間決定部67、ステップS10に相当する処理を行うパージ回数算出部68、ステップS11に相当する処理を行うファン電力積算値算出部69、ステップS12及びステップS13に相当する処理を行うパージ停止時間設定部70を構成する。これにより、燃料電池システムでは、窒素蓄積量目標値設定部63からの出力よって、ステップS14に相当する処理を行ってパージ弁開閉部71及びパージ弁開度調整部72を構成することができ、上述の効果を発揮させることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の運転状態に応じて、パージを開始する窒素蓄積レベルの目標値に対して余裕率を設定するので、窒素蓄積量の演算に誤差がある場合や、パージ弁4の制御に遅れが発生した場合であっても、窒素蓄積量が上限レベルを超えて燃料電池スタック1の発電効率を低下させることを確実に防止することができる。また、この燃料電池システムによれば、パージを終了する時の窒素蓄積レベルに対して余裕率を設定して、当該窒素蓄積レベルを低めに設定するので、窒素蓄積量の演算に誤差があり、パージ弁4による窒素の放出が短時間で終了した場合であっても、残留窒素をなくすことができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、負荷2の消費電力が高いほど余裕率を高くし、パージ停止時間が長いほど余裕率を高くし、燃料電池スタック1の燃料極と空気極との圧力差が高いほど余裕率を高し、燃料電池スタック1の空気極でのストイキ比が高いほど余裕率を高く設定するので、空気極から水素極に向かう窒素移動量が増加する傾向にある場合に余裕率を高くして、燃料電池スタック1の発電効率の低下を防止することができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、1回のパージで排出可能な水素量に基づいてパージ弁4の開度を調整するので、換気ファン7の換気能力以上の水素をパージ弁4から排出することを防止することができる。すなわち、この燃料電池システムによれば、蓄積する窒素が過剰になり燃料電池スタック1の発電効率を低下させる前にパージ弁4を開状態にしてパージし、パージ弁4から余分な水素を放出する前にパージ弁4を閉状態とすることができる。
更にまた、この燃料電池システムによれば、燃料電池スタック1の温度、燃料電池スタック1に供給されるガスの圧力、燃料電池スタック1に供給されるガスの流量、負荷2の動作状態に基づいて、窒素蓄積量を演算するので、窒素センサを設置することなく窒素蓄積量を検出することができ、窒素センサの設置に伴う圧力損失の増加をなくすと共に、圧力損失を補償することによる循環水素ポンプ3の消費電力の増加をなくし、更には水素極内の水素分布の不均一化などを防止することができる。また、この燃料電池システムによれば、空気極と水素極の窒素分圧差が大きくなって空気極から水素極に移動する窒素が増加する傾向が推定される場合に、単位時間当たりに蓄積する窒素の割合を増やすように窒素蓄積量を求めることができるので、燃料電池スタック1の状態に応じて正確に窒素蓄積量を検出することができる。
[第2実施形態]
つぎに、本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の第1実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
この第2実施形態に係る燃料電池システムは、パージ制御処理において、換気ファン7の電力積算値を求める計算を、窒素蓄積量の過渡状態を考慮して行うことを特徴とするものである。
このパージ制御処理は、図19に示すように、ステップS9の次のステップS21において、システムコントローラ12により、式1に従った演算を行うことにより過渡状態の窒素蓄積量を算出し、1回のパージで窒素と共に放出される水素量を算出する。すなわち、システムコントローラ12は、図20に示すように、パージ弁4を開状態にした後の各時刻(t1,t2,・・・)においてパージ弁4を通過する水素流量を求める。ここで、パージ弁4を通過する水素流量は、図20に示すように、過渡的には時間とともに窒素が放出されて窒素流量は徐々に少なくなり、逆に増加する。
次のステップS22においては、システムコントローラ12により、ステップS21にて求めた各時刻の水素流量ごとに、当該水素流量を十分に希釈して収納パッケージ6外に放出するための換気ファン7の換気流量を計算する。これにより、システムコントローラ12は、過度状態における各時刻における換気ファン7の換気流量を求める。なお、このステップS22にて求める換気流量は、ステップS4における換気ファン7の最大流量よりも小さい値とされる。
次のステップS23においては、システムコントローラ12により、ステップS22にて求めた各時刻における換気ファン7の換気流量を実現するために必要な電力を算出して、ステップS10以降の処理を行う。このとき、システムコントローラ12は、各時刻(t1,t2,・・・)における換気ファン7の換気流量に応じて、図21に示したようなマップデータを参照して、各時刻(t1,t2,・・・)における換気ファン7の回転数を求め、更に換気ファン7に必要な電力を各時刻(t1,t2,・・・)ごとに求める。
このようなパージ制御処理を行うシステムコントローラ12では、第1実施形態ではステップS5にて1回のパージで放出可能な水素量を算出し、ステップS6にて式1を用いて窒素蓄積量を算出しているが、過渡的にはパージ弁4から窒素が放出されると窒素は時間とともに徐々に少なくなり、逆に水素が増え、これに合わせて、必要な換気流量を計算している。
また、第1実施形態では換気ファン7で利用可能な電力を最大として換気ファン7の最大流量を計算したが、この第2実施形態におけるパージ制御処理では、換気ファン7に利用可能な電力以下の範囲内で、パージ弁4から放出される水素流量の過渡変化に応じて必要な換気ファン7の電力を再計算する。
[第2実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、換気ファン7で利用可能な電力の範囲内でパージ弁4から放出される水素量の過渡変化に応じて必要な換気ファン7の電力を求めることができ、過渡状態によって換気ファン7の消費電力を最小にすることができ、更に確実に負荷2の電力不足を防止することができる。
すなわち、第2実施形態におけるパージ制御処理を行うことにより、図18の構成に加えて、図22に示すように、ステップS21に相当する処理を行う水素量推定部81、ステップS22に相当する処理を行う換気ファン流量算出部82、ステップS23に相当する処理を行うファン電力算出部83を構成することができ、第2実施形態における効果を発揮させることができる。
[第3実施形態]
つぎに、本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムについて説明する。なお、上述の実施形態と同様の部分については同一符号を付することによりその詳細な説明を省略する。
この第3実施形態に係る燃料電池システムは、パージ制御処理において、第2実施形態のように換気ファン7の換気流量を過渡的に変化させると共に、パージ弁4の開度を過渡的に制御することを特徴とするものである。
このようなパージ制御処理は、図23に示すように、ステップS14にてパージ弁4の開度を決定した後のステップS31において、システムコントローラ12により、式1の演算結果である窒素蓄積量から、パージ弁4を開状態にしたときのパージ弁通過窒素流量を推定する。
次のステップS32においては、システムコントローラ12により、ステップS31にて推定したパージ弁通過窒素流量が、予め設定した所定値以下か否かを判定する。そして、システムコントローラ12は、推定したパージ弁通過窒素流量が所定値よりも小さい場合にはステップS33に処理を進める。一方、パージ弁通過窒素量が所定値より低くない場合は、ステップS14にて求めたパージ弁4の開度に制御する。
ステップS33においては、システムコントローラ12により、パージ弁4を開状態にしたときにパージ弁4から放出する水素量の目標値であるパージ弁通過目標水素量を設定する。このとき、システムコントローラ12は、図24に示すように、パージ弁4を開状態にした後の経過時間によって窒素流量が低下して、窒素流量が所定値よりも低下した時に水素を無駄に放出しないように、パージ弁4から放出する水素量に制限を加えるための目標値を設定する。これに対し、パージ弁4から排出する水素量に目標値を設けていない場合には、図24中の破線で示すように、排出される窒素流量の増加に伴って排出される水素流量が増加することになる。
次のステップS34においては、システムコントローラ12により、ステップS33で設定したパージ弁通過目標水素量を超えないようにパージ弁4の開度を算出する。
次のステップS35においては、システムコントローラ12により、ステップS34で算出したパージ弁4の開度から、式1によって求めた窒素蓄積量に基づいて水分成分量を求める演算をして、パージ弁通過水素量を推定して再度ステップS34にてパージ弁4の開度を算出する。これにより、システムコントローラ12では、パージ弁通過水素量をパージ弁通過目標水素量に一致させることにより、パージ弁4の開度に関してフィードバック制御を行う。
このようなパージ制御処理を行うシステムコントローラ12は、窒素蓄積量に基づいてパージ弁4の開度を制御する機能的な構成を図25に示す。すなわち、このシステムコントローラ12では、バルブ開度算出部31によりパージ弁4の開度を決定した後に窒素蓄積量算出部39により式1の演算を行い、更には水素成分計算部36にて演算した水分成分量によって、開度制御部41にてパージ弁通過窒素流量を推定する。そして、システムコントローラ12では、推定したパージ弁通過窒素流量が所定値よりも小さい場合にはパージ弁通過目標水素量を設定して、開度制御部41によりパージ弁4の開度を算出して、バルブ開度算出部42によってパージ弁4の開度を制御する。
[第3実施形態の効果]
以上詳細に説明したように、本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムによれば、パージ弁4から放出される水素量の過渡変化に応じてパージ弁4の開度をフィードバック制御して変化させるので、パージ弁4を通過する窒素が減少して、排出される水素量が増えたときに、無駄な水素を放出することを抑制することができる。
なお、上述の実施の形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
本発明を適用した燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムのパージ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 換気ファンの消費電力と、換気ファンの回転数と、換気ファンの換気流量との関係を示す図である。 窒素蓄積量の増加度合いと、最長のパージ停止時間との関係を説明するための図である。 窒素蓄積量を演算するに際して使用する窒素の増加度合いを示す係数の設定について説明するための図である。 本発明を適用した第1実施形態に係る燃料電池システムにおいて、窒素蓄積量を演算するシステムコントローラの機能的な構成を示すブロック図である。 パージ弁の開度と、パージ弁から放出可能な水素量との関係を示す図である。 水素循環流量と、循環水素ポンプの吐出圧力と、循環水素ポンプの回転数との関係を示す図である。 水素温度と、飽和水蒸気との関係を示す図である。 パージ弁を開閉した場合の窒素蓄積量の変化を示す図である。 パージ弁を開閉した場合の窒素蓄積量の変化を示す他の図である。 パージ弁を開閉した場合の窒素蓄積量の変化を示す更に他の図である。 パージ停止時間と余裕率との関係を示す図である。 パージ弁の開度と、パージ弁を通過する流量との関係を示す図である。 パージ弁を開状態にする時間と、パージ弁から排出される水素流量及びパージ弁から排出する窒素流量との関係を示す図である。 換気ファン電力が利用できる期間及びパージ停止時間から、換気ファンの消費電力の積算値を計算した結果を示す図である。 本発明を適用した第1実施形態におけるシステムコントローラの機能的な構成を示すブロック図である。 本発明を適用した第1実施形態におけるシステムコントローラの他の機能的な構成を示すブロック図である。 本発明を適用した第2実施形態に係る燃料電池システムのパージ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 パージ弁を開状態にしたときに、パージ弁から排出される水素流量の過渡的な変化を示す図である。 パージ弁から排出される水素流量の過渡的な変化に対する、換気ファンの換気流量、換気ファンの回転数、換気ファンの消費電力を示す図である。 本発明を適用した第2実施形態におけるシステムコントローラの機能的な構成を示すブロック図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムのパージ制御処理の処理手順を示すフローチャートである。 パージ弁を開状態にしたときに、パージ弁から排出される窒素流量、排出する水素流量の目標値、排出する水素流量について目標値を設けない場合に排出される水素流量を示す図である。 本発明を適用した第3実施形態に係る燃料電池システムにおいて、窒素蓄積量を演算するシステムコントローラの機能的な構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 負荷
3 循環水素ポンプ
4 パージ弁
5 パージ弁用アクチュエータ
6 収納パッケージ
7 換気ファン
8 空気供給装置
9 水素供給装置
10 水素供給バルブ
11 水素供給用アクチュエータ
12 システムコントローラ
13 車両コントローラ
14 パージ弁制御器
15 空気圧力センサ
16 水素圧力センサ
17 水素温度センサ
18 水素圧力センサ
19 燃料電池温度センサ
20 電圧センサ
21 電流センサ
22 回転数センサ
31 バルブ開度算出部
32 窒素成分計算部
33 水素循環流量算出部
34 飽和水蒸気算出部
35 水成分計算部
36 水素成分計算部
37 モル分率計算部
38 前回値記憶部
39 窒素蓄積量算出部
41 開度制御部
42 バルブ開度算出部
51,64 換気ファン電力制限部
52,67 換気ファン電力制限期間決定部
53,61 窒素蓄積量検出部
62 最長パージ停止時間算出部
63 窒素蓄積量目標値設定部
65 換気ファン最大流量計算部
66 排出可能水素量算出部
68 パージ回数算出部
69 ファン電力積算値算出部
70 パージ停止時間設定部
71 パージ弁開閉部
72 パージ弁開度調整部
81 水素量推定部
82 換気ファン流量算出部
83 ファン電力算出部

Claims (11)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学的に反応させて発電する燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された燃料ガスを前記燃料電池に循環させる燃料循環経路を有する燃料循環手段と、
    少なくとも前記燃料電池を発電させるための補機類を収納する筐体と、
    前記燃料循環経路内のガスを前記筐体内に排出するパージ弁を有するガス排出手段と、
    前記筐体内のガスを前記筐体外に放出する換気ファンとを有する燃料電池システムを制御する燃料電池システムの制御装置において、
    前記燃料電池の発電電力を消費する負荷の運転状態に応じて、前記換気ファンの利用可能電力を設定する利用可能電力設定手段と、
    前記利用可能電力設定手段により設定された利用可能電力に基づいて、前記換気ファンが消費する電力を制限する期間を設定する消費電力制限期間設定手段と、
    前記燃料電池の運転状態に応じて、前記燃料循環経路の窒素蓄積量を演算する窒素蓄積量演算手段と、
    前記消費電力制限期間設定手段により設定された前記換気ファンが消費する電力を制限する期間内であって前記窒素蓄積量演算手段により演算された窒素蓄積量が所定のレベルとなり前記パージ弁を開状態にするまでの間隔であるパージ停止時間を、前記換気ファンの消費電力が最小になるように決定するパージ停止時間決定手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システムの制御装置。
  2. 前記パージ停止時間決定手段は、前記窒素蓄積量演算手段により演算された窒素蓄積量に基づいて、前記燃料循環経路の窒素蓄積量が上限レベルに到達するまでの最長のパージ停止時間を算出し、当該最長のパージ停止時間以下であって前記換気ファンの消費電力が最小となるパージ停止時間を設定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
  3. 前記パージ停止時間決定手段は、前記最長のパージ停止時間以下の異なる複数のパージ停止時間を仮に設定し、当該仮に設定した各パージ停止時間ごとに、前記換気ファンが消費する電力を制限する期間内における前記換気ファンの消費電力の積算値を演算して比較し、前記換気ファンの消費電力の積算値が最小となるパージ停止時間を設定することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システムの制御装置。
  4. 前記パージ停止時間決定手段は、
    前記利用可能電力設定手段により設定された利用可能電力によって前記換気ファンを駆動させた場合の前記換気ファンの最大流量を演算する最大流量演算手段と、
    前記最大流量演算手段により演算された前記換気ファンの最大流量に基づいて、前記パージ弁が1回に排出可能な水素量を算出する排出水素量算出手段と、
    前記仮に設定したパージ停止時間ごとに、前記窒素蓄積量演算手段により演算された窒素蓄積量に基づいてパージを開始する窒素蓄積レベルであるパージ開始目標値を設定するパージ開始目標値設定手段と、
    前記仮に設定したパージ停止時間ごとに、前記消費電力制限期間設定手段により設定された期間内に、前記排出水素量算出手段により算出した水素量に応じたパージ弁開度で前記パージ弁を開状態とするパージ回数を算出するパージ回数算出手段と、
    前記パージ回数算出手段により算出されたパージ回数に基づいて、前記消費電力制限期間設定手段により設定された期間内に使用される前記換気ファンの消費電力の積算値を、前記仮に設定したパージ停止時間ごとに算出する消費電力積算値算出手段とを備え、
    前記消費電力積算値算出手段により算出された前記仮に設定したパージ停止時間ごとの前記換気ファンの消費電力の積算値を比較し、前記換気ファンの消費電力の積算値が最小となるパージ停止時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
  5. 前記パージ開始目標値設定手段は、前記燃料電池の運転状態に応じて、前記パージ開始目標値を低くする度合いを示す余裕率を設定する余裕率設定手段を有することを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システムの制御装置。
  6. 前記余裕率設定手段は、前記負荷に消費される電力が高いほど余裕率を高く設定する処理、前記パージ停止時間が長いほど余裕率を高く設定する処理、前記燃料電池の燃料極と空気極との圧力差が高いほど余裕率を高く設定する処理、前記燃料電池の空気極でのストイキ比が高いほど余裕率を高く設定する処理の何れかの処理を行うことを特徴とする請求項5に記載の燃料電池システムの制御装置。
  7. 前記パージ開始目標値となった場合に、前記排出水素量算出手段により算出した水素量に応じた前記パージ弁の開度で前記パージ弁を開状態とするパージ弁制御手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システムの制御装置。
  8. 前記窒素蓄積量演算手段は、前記燃料電池の温度、前記燃料電池に供給されるガスの圧力、前記燃料電池に供給されるガスの流量、前記負荷の動作状態に基づいて、窒素蓄積量を演算することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
  9. 前記パージ停止時間決定手段は、前記パージ弁を開状態にしたときに前記パージ弁を通過する水素流量の過渡変化を演算し、当該水素流量の過渡変化によって必要な前記換気ファンの消費電力の過渡変化を演算し、当該前記換気ファンの消費電力の過渡変化の積算値を演算して、前記換気ファンの消費電力の過渡変化の積算値が最小となるパージ停止時間を決定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システムの制御装置。
  10. 前記パージ停止時間決定手段は、
    前記利用可能電力設定手段により設定された利用可能電力によって前記換気ファンを駆動させた場合の前記換気ファンの最大流量を演算する最大流量演算手段と、
    前記最大流量演算手段により演算された前記換気ファンの最大流量に基づいて、前記パージ弁が1回に排出可能な水素量を算出する排出水素量算出手段と、
    前記仮に設定したパージ停止時間ごとに、前記窒素蓄積量演算手段により演算された窒素蓄積量に基づいてパージを開始する窒素蓄積レベルであるパージ開始目標値を設定するパージ開始目標値設定手段と、
    前記仮に設定したパージ停止時間ごとに、前記消費電力制限期間設定手段により設定された期間内に、前記排出水素量算出手段により算出した水素量に応じたパージ弁開度で前記パージ弁を開状態とするパージ回数を算出するパージ回数算出手段と、
    前記仮に設定したパージ停止時間ごとに、前記窒素蓄積量演算手段により演算された過渡状態の窒素蓄積量を算出し、1回のパージで放出される複数の時刻に亘る水素量を推定する水素量過渡状態推定手段と、
    前記水素量過渡状態推定手段により演算された前記複数の時刻に亘る各水素流量ごとに、前記換気ファンの換気流量を演算する換気流量過渡状態演算手段と、
    前記換気流量過渡状態演算手段により演算された前記複数の時刻に亘る換気ファンの換気流量ごとに、当該各換気流量を実現するために必要な電力を演算し、当該演算した電力の積算値を前記仮に設定したパージ停止時間ごとに演算する電力演算手段とを備え、
    前記電力演算手段により演算した前記仮に設定したパージ停止時間ごとの電力の積算値を比較し、前記換気ファンの消費電力の積算値が最小となるパージ停止時間を設定することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システムの制御装置。
  11. 前記パージ弁制御手段は、
    前記窒素蓄積量演算手段により演算された窒素蓄積量に基づいて、前記パージ弁から排出される窒素量を推定するパージ弁通過窒素量推定手段と、
    前記パージ弁通過窒素量推定手段により推定された窒素量に基づいて、前記パージ弁から排出される水素量の目標値を設定するパージ弁通過水素量目標値設定手段と、
    前記パージ弁通過窒素量推定手段により推定された窒素量に基づいて、前記パージ弁から排出される水素量を推定するパージ弁通過水素量推定手段とを備え、
    前記パージ弁通過水素量推定手段により推定された水素量を、前記パージ弁通過水素量目標値設定手段により設定された目標値に一致させるように前記パージ弁の開度を制御することを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システムの制御装置。
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