JP2003157874A - 燃料循環式燃料電池システム - Google Patents

燃料循環式燃料電池システム

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JP2003157874A JP2001354530A JP2001354530A JP2003157874A JP 2003157874 A JP2003157874 A JP 2003157874A JP 2001354530 A JP2001354530 A JP 2001354530A JP 2001354530 A JP2001354530 A JP 2001354530A JP 2003157874 A JP2003157874 A JP 2003157874A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の課題は、燃料電池に対して急加減速
指令がなされた場合に、水素循環系内の水素の循環量が
一時的に減少する事態を解消する燃料循環式燃料電池シ
ステムを提供することである。 【解決手段】 本発明は燃料と酸化剤とを供給されて発
電を行う燃料電池スタック1と、前記燃料電池スタック
1から排出される燃料を再び燃料電池スタック1に供給
するための燃料循環路6と、前記燃料循環路6中に配置
され、前記燃料循環路6に新たな燃料を供給するととも
に、前記燃料循環路6中の燃料を所定の循環量で循環さ
せるための燃料ポンプ3と、前記燃料電池スタック1に
対して出力指令値を発し、この出力指令値に応じて前記
燃料循環路6中の燃料の循環量を制御するECU4と、
を備えた燃料循環式燃料電池システムを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料循環式燃料電
池システムに関する。より詳細には、燃料電池システム
における水素の循環機構に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池システムにおいて燃料電池内で
の凝縮水を排出させるために水素および空気を燃料電池
が消費する以上に供給しなければならない。水素は車載
されたボンベ等の貯蔵設備から供給されるために、消費
されなかった水素を大気中に放出すると水素の燃費を著
しく悪化させる原因となる。そのために消費されなかっ
た水素をポンプ等で循環させるシステムが考案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池で消費されな
かった水素を再利用する方法には大きく2種類がある。
1種類目は、回転、摺動などを行う作動部により燃料を
取り込み送り出す燃料ポンプを用いて水素の循環を行う
方法である(以下、「燃料ポンプ方式」と言う)。しか
し、この方法では、燃料ポンプが大型化してしまい、か
つ燃料ポンプを稼動させるために多大な電力を消費し、
燃料電池車の燃費を悪化させるという問題点があった。
また、燃料ポンプ方式では、高圧水素タンク内の水素の
圧力を有効に利用できないという問題点があった。
【0004】2種類目は、ジェットポンプの一種である
エゼクタを用いて水素の循環を行う方法である(以下、
「エゼクタ方式」という)。この方法は、高圧水素タン
クの圧力エネルギを利用して循環を行うために、燃料ポ
ンプ方式のように電力を消費することがない。しかし、
エゼクタ方式では燃料電池で水素が消費されない限り循
環が行われないために、燃料電池の出力が絞られた場合
には水素の循環量が低下するという問題がある。さらに
エゼクタでは流速を生むためのノズルが挿入されている
ために急激に燃料電池の出力が増加するとエゼクタのレ
スポンス遅れが生じて、循環量が目標値に達しないとい
う問題点がある。
【0005】エゼクタ方式の有する問題点について図2
0を用いて詳述する。図20は、エゼクタのみを用いた
一般的な水素循環システムのブロック図である。このシ
ステムでは、高圧水素タンク101より供給された水素
はレギュレータ102により調圧され、エゼクタ103
より噴射され燃料電池スタック104に供給される。燃
料電池スタック104には、前記のように凝縮水を排出
するために過剰の水素が供給されており、燃料電池スタ
ック104で消費されなかった水素は水素循環路106
を経由してエゼクタ103に合流し、高圧水素タンク1
01より供給される水素とともにシステム内を循環す
る。また、このシステムは、燃料電池スタック104の
出力が増加するとともに、燃料電池スタック104に掛
かる水素圧が増加するように構成されている。
【0006】このシステムにおいて、燃料電池スタック
104に対して、急加速指令がなされた場合、燃料電池
スタック104では急激に多量の水素が消費されるため
に、燃料電池スタック104中の水素圧力が減少する。
それに見合うだけの水素がエゼクタ103よりただちに
供給されれば問題はないが、燃料電池スタック104中
での圧力低下が水素流通路107を通じてエゼクタ10
3に到達するまでにはタイムラグがあり、エゼクタ10
3が燃料電池スタック104の圧力低下に反応するまで
の時間に遅れが生じる。さらに、水素は、エゼクタの細
く絞られたノズルを通過して供給されるために、燃料電
池が要求する水素供給量となるまでに、所定の時間を要
してしまう。
【0007】この様子を図21(a)に示した。この図
は、燃料電池スタック104に対して急加速命令がなさ
れた時に、燃料電池スタック104が要求する水素供給
量(破線)とエゼクタ103を通じた実際の水素供給量
(実線)を示したものである。この図によれば、急加速
指令が発せられた後、燃料電池スタック104が要求す
る水素供給量は急増するが、実際にエゼクタ103より
供給される水素量はそれに追いついておらず、水素欠乏
状態(ヘジテーション)が発生する。ヘジテーションは
燃料電池に対して電解膜の破損等のダメージを与え、最
悪の場合燃料電池は破壊に至る。
【0008】また、燃料電池スタック104に対して急
減速指令が発せられた場合には、燃料電池スタック10
4に掛かる水素圧を所定値まで減少するような制御がな
されなければならない。そのためには高圧水素タンク1
01から燃料電池スタック104への水素の供給を止
め、燃料電池スタック104で水素を消費させるのであ
るが、水素の供給を止めると、エゼクタ103に水素が
導入されないために、水素を循環させることができなく
なるという問題点が発生する。水素が円滑に循環されな
いと、燃料電池スタック104中に凝縮水が蓄積するこ
とによりセル電圧が低下し、最悪の場合には燃料電池ス
タック104の破損につながる。
【0009】この様子を図21(b)に示した。この図
は、燃料電池スタックに対して急減速指令がなされた時
に、燃料電池スタック104が要求する水素供給量(破
線)とエゼクタ103を通じた実際の水素供給量(実
線)を示したものである。急減速指令がなされると、燃
料電池スタック104は破線で示しただけの水素循環を
必要とするが、実際には、エゼクタ103が停止してし
まうため、水素の循環力が失われてしまい、系内に水素
が滞留する状態となる。この状態においては、燃料電池
スタック104で発生する凝縮水を除去することは不可
能であり、燃料電池スタック104には凝縮水が蓄積し
ていく。さらに、燃料電池システムの状態は常に変化し
ているために、状況に見合った制御を行わないと水素循
環系がシステムにとって最適な運転とならないという問
題がある。
【0010】本発明は、燃料電池に対して急加速又は急
減速指令がなされた場合に、水素循環系内を循環する水
素が一時的にシステムの要求量を下回るという事態を解
消することが可能な燃料循環式燃料電池システムを提供
することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記した課題
を解決するために次のように構成した。請求項1に記載
の発明は、燃料と酸化剤とを供給されて発電を行う燃料
電池と、前記燃料電池から排出される燃料を再び燃料電
池に供給するための燃料循環路と、前記燃料循環路中に
配置され、燃料ポンプとエゼクタ又は燃料ポンプを備
え、前記燃料循環路に新たな燃料を供給するとともに、
前記燃料循環路中の燃料を所定の循環量で循環させるた
めの燃料送出手段と、前記燃料電池に対して出力指令値
を発し、この出力指令値に応じて前記燃料送出手段を制
御することにより、前記燃料循環路中の燃料の循環量を
調整する燃料電池制御装置と、を備えた燃料循環式燃料
電池システムである。
【0012】従来のエゼクタのみを用いた燃料循環系を
有する燃料電池システムにおいては燃料電池に対して急
加減速指令がなされた場合に、燃料の循環量が燃料電池
の要求する水準よりも小さくなってしまうという問題点
があった。しかし、請求項1に記載の発明によれば、燃
料電池に対して急加減速指令がなされた場合であって
も、燃料電池制御装置が、出力指令値を用いて、燃料電
池が必要とする燃料の循環量を評価し、燃料送出手段を
介して燃料の循環量を増量する制御を行うために、燃料
循環路に燃料電池が要求するだけの燃料を循環させるこ
とが可能となる。
【0013】また、燃料送出手段として、燃料循環路中
に設けられ、電力を供給することにより燃料の循環力を
生み出す燃料ポンプを単独で用いるか、又は、高圧燃料
タンク等に貯蔵されている燃料を新たに燃料循環路に供
給するとともに、高圧燃料タンクの高圧を利用して燃料
の循環力を生み出すエゼクタと組み合わせて用いること
とした。
【0014】この構成により、燃料電池制御装置が、燃
料電池の急加減速時であっても、燃料ポンプの回転速度
を増加するように制御することで、燃料循環路に燃料電
池が要求するだけの燃料を循環させることが可能とな
る。また、燃料送出手段として燃料ポンプとエゼクタと
を組み合わせて用いた場合、燃料電池の急減速時に見ら
れるように、エゼクタが燃料噴射を行わず、従って、エ
ゼクタによる燃料の循環が行われない状況であっても、
燃料電池制御装置が、燃料ポンプの回転速度を上げるこ
とで、燃料循環路に燃料電池が要求するだけの燃料を循
環させることが可能となる。
【0015】請求項2に記載の発明は、前記燃料電池制
御装置が前記燃料電池の状態量を監視する機能を備えた
ことを特徴とする請求項1に記載の燃料循環式燃料電池
システムである。請求項2に記載の発明によれば、燃料
電池制御装置が、例えば、セル電圧、燃料電池入口にお
ける燃料の露点等の燃料電池の状態量を監視するので、
これらの状態量を燃料の循環量の制御に反映させ、より
きめ細かい制御を行うことが可能となる。
【0016】請求項3に記載の発明は、前記燃料電池制
御装置が、燃料電池に対する出力指令値に基づき前記燃
料ポンプの目標回転速度を決定することを特徴とする請
求項1又は2に記載の燃料循環式燃料電池システムであ
る。
【0017】請求項3に記載の発明によれば、燃料電池
制御装置は、燃料電池の出力ではなく、その指令値に基
づいて燃料ポンプの回転速度が目標回転速度となるよう
に制御している。燃料電池の出力変化を制御に用いない
のは、燃料電池の出力変化は出力指令に対して遅れて応
答するためであり、この応答遅れを制御に乗せないため
に、出力指令値に基づいて燃料の循環量を制御してい
る。
【0018】燃料電池制御装置には、予め出力指令値と
目標回転速度(燃料循環量)との関係を示す制御MAP
等が記憶されていても良く、この制御MAPを用いれ
ば、燃料電池が要求する燃料循環量を瞬時に評価し燃料
ポンプの目標回転速度を決定し、燃料電池制御装置が燃
料ポンプの回転速度を制御することが可能となるので、
急加減速時に燃料循環路に燃料電池が要求するだけの燃
料を循環させることが可能となる。
【0019】請求項4に記載の発明は、前記燃料電池制
御装置が、前記出力指令値に基づき前記燃料ポンプの目
標回転速度を決定するとともに、前記状態量と前記出力
指令値又は前記状態量に基づき回転補正係数を算出し、
前記目標回転速度を前記回転補正係数で補正して前記燃
料ポンプを制御することを特徴とする請求項2に記載の
燃料循環式燃料電池システムである。
【0020】請求項3に記載の発明では、燃料ポンプの
目標回転速度は出力指令値に基づいて決定されていた。
請求項4に記載の発明は、出力指令値により燃料ポンプ
の目標回転速度を決定する点は請求項3に記載の発明と
同様であるが、さらに、燃料電池の状態(セル電圧、露
点等)を勘案して、回転補正係数を算出し、前記目標回
転速度を回転補正係数で補正して燃料ポンプの回転速度
を回転速度指令値となるように燃料ポンプを制御する点
が特徴である。
【0021】例えば、セル電圧がセル中の生成水、凝縮
水などの影響により規定範囲よりも減少している場合に
は、回転補正係数を大きくして、燃料ポンプを割増回転
させ、燃料の循環量を増やすことでセル中の凝縮水等を
取り除き、セル電圧を規定範囲に復帰させるとともに、
最終的に出力指令値で要求される燃料循環量(目標回転
速度)に収束させていくことが可能となる。
【0022】また、燃料電池の状態量と出力指令値の両
者を勘案して回転補正係数を算出すれば、よりきめ細か
い燃料循環量の制御が可能となり、燃料電池の急加減速
時であっても、燃料循環路に燃料電池が要求するだけの
燃料を循環させることが可能となる。
【0023】請求項5に記載の発明は、前記状態量が燃
料電池のセル電圧又は燃料電池入口における燃料の露点
であることを特徴とする請求項4に記載の燃料循環式燃
料電池システムである。請求項5に記載の発明によれ
ば、セル電圧又は燃料電池入口における燃料の露点によ
り燃料電池の状態を把握しながら、燃料循環路に循環さ
せる燃料の量を調整することが可能となる。
【0024】請求項6に記載の発明は、前記燃料電池制
御装置は、前記出力指令値に基づき前記燃料ポンプの目
標回転速度を決定するとともに、前記出力指令値の時間
変化率である出力増減率を求め、この出力増減率と前記
出力指令値又は前記出力増減率に基づき回転補正係数を
算出し、前記目標回転速度を前記回転補正係数で補正し
て前記燃料ポンプを制御することを特徴とする請求項1
又は2に記載の燃料循環式燃料電池システムである。
【0025】請求項6に記載の発明は、出力指令値によ
り燃料ポンプの目標回転速度を決定する点は請求項3に
記載の発明と同様であるが、さらに、燃料電池の出力時
間変化率の大小により回転補正係数を算出する点が特徴
である。燃料電池の出力時間変化率が大きいとは、「燃
料電池の出力が短時間の内に大きく変動する」との意味
であるので、この場合には、回転補正係数を大きく設定
する。逆に、燃料電池の出力時間変化率が小さいときに
は、回転補正係数を小さく設定する。
【0026】また、燃料電池の出力時間変化率と出力指
令値の両者を勘案して回転補正係数を算出すれば、より
きめ細かい燃料循環量の制御が可能となる。このように
して回転補正係数を算出し、前記目標回転速度を回転補
正係数で補正して回転速度指令値を算出し、燃料ポンプ
の回転速度を回転速度指令値となるように燃料ポンプを
制御することにより、燃料電池の急加減速時に燃料循環
路中に燃料電池が要求するだけの燃料を循環させること
が可能となる。
【0027】請求項7に記載の発明は、前記燃料電池制
御装置は、前記出力指令値及び出力増減率に基づき前記
燃料ポンプの実行時間を算出し、前記燃料ポンプを制御
することを特徴とする請求項6に記載の燃料循環式燃料
電池システムである。請求項7に記載の発明によれば、
燃料電池制御装置が出力増減率に基づき、燃料ポンプが
割増回転を行う実行時間を決定し、燃料ポンプを制御す
る。このような制御を行うことで、出力増減率が大きく
変化する場合には、実行時間を大きく設定し、出力増減
率の変化が小さい場合には、実行時間を小さく設定する
ことで、燃料電池の急加減速時に燃料循環路中に燃料電
池が要求するだけの燃料を循環させることが可能とな
る。ここで、「割増回転」とは、請求項6に記載された
発明において算出された回転補正係数が1よりも大き
く、燃料ポンプに対する回転速度指令値が目標回転速度
よりも大きい場合を意味する。
【0028】請求項8に記載の発明は、前記燃料循環路
は、前記燃料ポンプをバイパスするバイパス路と、この
バイパス路上に配置され、前記状態量に基づき前記燃料
電池制御装置によりその開閉が制御されるバイパス弁を
備え、前記状態量が規定範囲内の場合には前記バイパス
弁を開弁し、前記状態量が規定範囲外の場合には前記バ
イパス弁を閉弁し前記状態量の値に応じた回転速度で前
記燃料ポンプを回転させることを特徴とする請求項2〜
7のいずれか1項に記載の燃料循環式燃料電池システム
である。
【0029】請求項8に記載の発明によれば、燃料ポン
プを迂回するバイパス路を設け、このバイパス路中に燃
料電池制御装置が開閉を制御するバイパス弁を設けた。
この構成により、燃料ポンプを必要な場合にのみ作動さ
せることが可能となる。つまり、燃料電池が定常運転状
態にあるときには、燃料ポンプを停止して、燃料をバイ
パス路を流通させ、エゼクタのみにより燃料を循環させ
る。また、燃料電池に急加減速指令が発せられた場合及
び燃料電池の状態量が規定範囲を外れた場合にのみ、バ
イパス弁を閉弁し燃料ポンプを運転させ、燃料の循環量
を一時的に増加する。
【0030】このようにすることで、燃料電池の急加減
速時に限らず、燃料電池の状態量が規定範囲を外れた場
合には、その状態量の値に応じた回転速度で燃料ポンプ
を回転させることで、燃料循環路中の燃料の循環量を増
加し、燃料電池の状態を規定範囲内に復帰することが可
能となる。また、この構成によれば、燃料電池の状態量
が規定範囲外となった場合及び燃料電池の急加減速時に
のみ燃料ポンプを回転させるので、燃料ポンプを稼動す
る電力を節約することが可能となる。
【0031】請求項9に記載の発明は、前記燃料電池制
御装置は、前記状態量が規定範囲内の場合には、前記燃
料ポンプを停止又はアイドル状態とすることを特徴とす
る請求項2〜7のいずれか一項に記載の燃料循環式燃料
電池システムである。請求項9に記載の発明によれば、
燃料送出手段として、エゼクタと燃料ポンプとを併用し
ているハイブリッドシステムにおいて、燃料電池の状態
量(セル電圧、露点等)が規定範囲内であるときには、
燃料ポンプを停止又はアイドル状態として、燃料ポンプ
で消費される電力を抑えることができるので、システム
全体のエネルギ効率を高めることができる。
【0032】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明するが、本発明はこの実施の形態にのみ限
定されるものではなく、本発明の技術的思想を具現化す
る種々の変更が可能である。
【0033】〔第1実施形態〕図1は本発明の第1実施
形態の燃料循環式燃料電池システムを示したものであ
る。この実施の形態は燃料ポンプ方式の循環システムを
採用しており、請求項1に記載された発明に対応するも
のである。また、この実施形態は、本発明の最も基本的
な構成を示している。
【0034】燃料電池スタック1には、高圧水素タンク
等より燃料の水素がレギュレータ2により調圧された上
で供給される。レギュレータ2より供給される水素は、
結合部7において燃料電池スタック1より排出された水
素と混合され、燃料循環路6aを通って燃料電池スタッ
ク1のアノード側に供給される。
【0035】アノードにより消費されなかった水素は、
燃料電池スタック1中の凝縮水と共に燃料循環路6bを
通って排出され、燃料循環路6bの経路中に配置された
燃料ポンプ3により循環力を付与された上で、結合部7
に至り、再びレギュレータ2より供給される水素と合流
し再び燃料電池スタック1に供給される。尚、図示はし
ていないが、燃料電池スタック1のカソード側には、酸
化剤として空気が導入されている。これは、後記する第
2〜第6実施形態でも同様である。
【0036】今、この燃料循環式燃料電池システムにお
いて、ECU4に対して加減速値が入力されるとECU
4はこの加減速値に応じて燃料電池スタック1へ出力指
令値を発する。例えば、燃料電池車両の場合では、加減
速値はアクセルペダルの踏み込み量に相当する。さら
に、ECU4は、予め内部に記憶された出力指令値と目
標回転速度(燃料循環量)との関係を示す制御MAP
(図2(b))(以下、「出力−回転速度MAP」と称
する)を参照し、出力指令値に対応する燃料ポンプ3の
目標回転速度を求め、燃料ポンプ3の回転速度を目標回
転速度に制御し、燃料循環式燃料電池システムが必要と
する燃料の循環量を確保する。
【0037】図2(b)は縦軸が燃料ポンプ3の回転速
度(燃料循環量)を示し、横軸が出力指令値を示してお
り、出力指令値と1対1の関係で、燃料電池の必要とす
る燃料循環量(燃料ポンプ3の回転速度)が定められて
いる。
【0038】第1実施形態の燃料循環式燃料電池システ
ムにおいては、急加減速指令が発せられたとしても、そ
の出力指令値に基づきECU4が出力−回転速度MAP
(図2(b))を参照して瞬時に燃料電池スタック4が
必要とする燃料の循環量を評価し、燃料ポンプ3を目標
回転速度に制御するので、燃料循環路6に燃料電池が要
求するだけの燃料を循環させることが可能となる。
【0039】次に、第1実施形態における制御フローを
図2(a)により説明する。ECU4に対して出力指令
がなされると(S11)、ECU4は、予め記憶されて
いる出力−回転速度MAP(図2(b))を参照し(S
13)、それにより出力指令値に対する燃料ポンプ3の
目標回転速度を決定する(S12)。続いて、ECU4
は燃料ポンプ3の回転速度を目標回転速度に制御し(S
14)、処理が終了する(S15)。
【0040】尚、第1実施形態においては、特許請求の
範囲で言うところの「燃料送出手段」が「燃料ポンプ
3」及び「レギュレータ2」に対応し、「燃料電池制御
装置」が「ECU4」に対応する。
【0041】〔第2実施形態〕図3は本発明の第2実施
形態の燃料循環式燃料電池システムの装置構成を示した
ものである。この実施の形態においては燃料ポンプとエ
ゼクタを併用した循環システムを採用しており、これ
も、請求項1及び3に記載された発明に対応するもので
ある。また、この実施形態は、燃料送出手段として、燃
料循環路内に燃料ポンプとエゼクタとを併用したハイブ
リッドシステムの最も基本的な実施形態である。
【0042】第2実施形態の燃料循環式燃料電池システ
ムにおいては、燃料循環路6中にエゼクタ5が設けられ
ており、エゼクタ5の後記するノズル5aは、レギュレ
ータ2を介して高圧水素タンクに接続されており、高圧
水素タンクの圧力を利用して燃料電池スタック1に新た
な燃料を供給することが可能である。また、燃料循環路
6bには燃料ポンプ3が設けられており、エゼクタ5と
は独立して、燃料の循環力を発生することが可能であ
る。また、燃料循環路6bは、エゼクタ5の後記する吸
引室5c(図4)に接続されており、エゼクタ5がノズ
ル5a(図4)から新たな燃料を噴射している場合に
は、量の大小はともかくもエゼクタ5のみで燃料循環路
6中に燃料を循環させることが可能である。
【0043】ここでエゼクタ5について図4を用いて説
明する。エゼクタ5は、一種の真空ポンプであり、圧力
エネルギを物質を輸送するためのエネルギに変換する作
用を有する。エゼクタ5はノズル5a、ディフューザ5
b及び吸引室5cとから構成されている。尚、吸引室5
cは、燃料循環路6bと接続されている。
【0044】高圧水素タンク等よりレギュレータ2を経
て調圧された水素は、エゼクタ5の細く絞られたノズル
5aより高速で噴射される。ノズル5aより噴射される
水素は、燃料循環路6bから吸引室5cに供給され、燃
料電池スタック1で消費されなかった水素を巻き込みな
がらディフューザ5bに移動するのでノズル5aより新
たな水素が噴射されることによって、水素は水素循環路
6中を循環する。
【0045】このように、第2実施形態においては、水
素を水素循環路6内で循環させるための燃料送出手段と
してエゼクタ5及び燃料ポンプ3を併用している点が特
徴である。
【0046】従来のエゼクタ5のみで燃料を循環するシ
ステム(図20)では、急加減速指令が発せられた際
に、水素の供給に応答遅れが生じたり(急加速時)、水
素の循環が停止してしまう(急減速時)という問題が発
生した(図21)。しかし、第2実施形態の燃料循環式
燃料電池システムにおいては、水素を循環させるために
エゼクタ5の他に、ECU4が制御可能な燃料ポンプ3
を設けているので、急加減速指令が発せられ、エゼクタ
5が適切に対応できない場合であっても、ECU4が、
出力−回転速度MAP(図2(b))を参照して燃料ポ
ンプ3の回転速度を目標回転速度に制御するので、燃料
循環式燃料電池システムが必要とする燃料の循環量を適
切に確保することが可能となる。
【0047】尚、第2実施形態における制御フローは実
質的に第1実施形態(図2(a))と同様であるのでそ
の説明を省略する。尚、特許請求の範囲で言うところの
「燃料電池制御装置」が「ECU4」に相当する。
【0048】〔第3実施形態〕図5は本発明の第3実施
形態の燃料循環式燃料電池システムを示したものであ
る。この実施の形態においては燃料送出手段として燃料
ポンプ3とエゼクタ5を併用した循環システムを採用し
ており、請求項2〜5に記載された発明に対応するもの
である。
【0049】第3実施形態の装置構成は、第2実施形態
(図3)と同様であるが、ECU4が燃料電池のセル電
圧を電圧計10により監視している点が異なっている。
燃料電池は、ある規定範囲のセル電圧において稼動する
ように設計されている。しかし、燃料電池スタック1に
生成水、凝縮水が蓄積する等の原因によりセル電圧が規
定範囲よりも低くなってしまうことがある。本実施の形
態は、このような状況で、燃料電池に対して出力指令が
下された場合であっても、セル電圧の復帰を行いなが
ら、出力指令で要求された出力を速やかに生み出すとと
もに、燃料電池が要求する水素循環量を常に満たすこと
ができる燃料循環式燃料電池システムである。
【0050】第3実施形態の制御フロー(図6)を参照
しながら説明を行う。ECU4に対して加減速値が入力
されるとECU4はこの加減速値に応じて燃料電池スタ
ック1へ出力指令値を発する(S61)。この際、EC
U4は、出力−回転速度MAP(図2(b))を参照し
て(S63)、燃料ポンプ3の目標回転速度を決定する
(S62)。続いて、ECU4は燃料電池スタック1の
状態を把握するために、燃料電池スタック1に設置され
た電圧計10を介して燃料電池のセル電圧を測定する
(S64)。
【0051】ECU4は、セル電圧単独又はセル電圧と
前記出力指令値とを入力として回転補正係数決定ルーチ
ンにより回転補正係数を算出する(S65)。この際、
回転補正係数決定ルーチンは、ECU4内に予め備えら
れた回転補正MAPを参照する(S66)。尚、回転補
正係数決定ルーチン及び回転補正MAPによる回転補正
係数の決定方法には種々の方式が存在し、詳しくは後記
する。
【0052】続いて、ステップS62で求められた目標
回転速度とステップS65で求められた回転補正係数と
の積として、燃料ポンプ3に対する回転速度指令値が算
出される(S67)。続いて、ECU4は燃料ポンプ3
の回転速度が前記回転速度指令値となるように燃料ポン
プ3を制御して(S68)処理が終了する(S69)。
【0053】尚、この制御フローにおいて、ステップS
68の後に、燃料ポンプ3の回転速度を検出し、その速
度が回転速度指令値に達したかどうかを判断するための
処理を設け、燃料ポンプ3の回転速度が回転速度指令値
に達していない場合、再びステップS64に戻るような
フィードバック制御を行うことも可能である。このよう
にフィードバック制御を行うことにより、時々刻々変化
するセル電圧に応じて回転補正係数を更新することが可
能となり、燃料ポンプ3の回転速度の制御にセル電圧を
より反映することが可能となる。
【0054】ここで、回転補正係数とは、セル電圧が規
定範囲を下回っていた場合に、セル電圧を規定範囲に復
帰させるために必要な燃料ポンプ3の割増回転分を定め
るものであり、セル電圧が規定範囲であるときに回転補
正係数は1となり、セル電圧が規定範囲を下回れば下回
るほど値が大きくなるような性質を有する。
【0055】次に、回転補正係数決定ルーチン(S6
5)及び回転補正MAP(S66)による回転補正係数
決定のための種々の方式について説明する。
【0056】(1)第1の方式 第1の方式においては、回転補正係数決定ルーチン(S
65)はセル電圧を唯一の入力値として回転補正係数を
決定する。この際、回転補正係数決定ルーチン(S6
5)は、回転補正MAPとして、図7(a)を参照す
る。図7(a)は、縦軸が回転補正係数、横軸がセル電
圧であり、セル電圧に対する回転補正係数の関係を示す
右下がりの補正係数直線が描かれている。この補正係数
直線と横軸との交点が、セル電圧の規定値であり、通常
の場合、燃料電池はこの規定値付近(規定範囲)で稼動
するように設計されている。ステップS64で計測され
たセル電圧を図7(a)の回転補正MAPに当てはめる
ことで回転補正係数を求めることが可能となる。例え
ば、ステップS64で評価されたセル電圧がaの場合、
回転補正係数はKaであることがMAPより直ちに求め
られる。
【0057】(2)第2の方式 第2の方式においては、回転補正係数決定ルーチン(S
65)はセル電圧及び出力指令値を入力として回転補正
係数を決定する。この際、回転補正係数決定ルーチン
(S65)は、回転補正MAPとして、図7(b)を参
照する。第2の方式の特徴点は、回転補正係数を求める
に当たって、ステップS61で入力された出力指令値を
セル電圧とともに用いることである。
【0058】第1の方式においては、出力指令値の大小
に関わらず、回転補正係数がセル電圧より一義的に定め
られた。第1の方式を用いることで、燃料電池のセル電
圧を回復させながら、燃料電池の出力を出力指令値まで
変化させることが可能となった。第2の方式において
は、さらに、セル電圧とともに出力指令値の大きさを勘
案して回転補正係数を決定することで、燃料電池の出力
が出力指令値となるまでの時間を短縮することが可能と
なる。つまり、燃料電池に求められる出力(出力指令
値)が大きい場合(燃料ポンプ3が高速回転)には、回
転補正係数を大きくし、燃料電池に求められる出力(出
力指令値)小さい場合(燃料ポンプ3が低速回転)に
は、回転補正係数を小さくすることで、より、燃料電池
の状態に則した制御を行うことが可能となる。
【0059】図7(b)は、出力指令値毎にそれぞれ補
正係数直線が描かれている。図7(b)においては、そ
の内、出力指令値がA,B,Cの場合の3本のみを代表
として示してある。これらの補正係数直線は、出力指令
値が大きくなるほど傾斜が急になり、横軸のセル電圧の
規定値で一点に交わっている。これら出力指令値C、出
力指令値B、出力指令値Aの直線はそれぞれ前記燃料電
池スタック1の出力が最大〜大の範囲、大〜中の範囲、
中〜小の範囲の際に用いるように予め定めておくもので
ある。第2の方式においては、ECU4は、出力指令値
に対応する補正係数直線を選択し、更に、その補正係数
直線上で現在のセル電圧に対応する回転補正係数を決定
し燃料ポンプ3を制御する。
【0060】(3)第3の方式 第3の方式においては、回転補正係数決定ルーチン(S
65)はセル電圧のみを入力として回転補正係数を決定
する。この際、回転補正係数決定ルーチン(S65)
は、回転補正MAPとして、図7(d)を参照する。
【0061】第3の方式における特徴点は、セル電圧の
降下度を連続的ではなく段階的に評価することである。
この点について図7(c)を用いて説明する。図7
(c)は、燃料電池スタック1に水素を循環させない場
合のセル電圧の時間変化を表したグラフである。このよ
うに水素を循環させないと、セル電圧は徐々に減少して
いく。第3の方式においては、セル電圧の降下度につい
て閾値を用いて管理しており、例えば、図7(c)で
は、セル電圧の降下度が範囲1の場合にはセル電圧を閾
値1で代表させ、範囲2の場合にはセル電圧を閾値2
で、範囲3の場合にはセル電圧を閾値3で代表させる。
【0062】ECU4はステップS64において測定さ
れたセル電圧が前記したどの閾値に対応するのかを判断
し、図7(d)に示した回転補正MAPを参照して、回
転補正係数を定める。図7(d)より判るように、セル
電圧の降下度が大きくなればなるほど回転補正係数が大
きくなる。尚、セル電圧が、規定範囲内に収まっている
場合(図7(c)の閾値1よりもセル電圧が高い範囲)
には、燃料ポンプ3の回転補正は必要ないので、図7
(d)において、回転補正係数=1が選択される(図7
(d)の縦軸と横軸の交点)。
【0063】第3の方式においては、セル電圧を幾つか
の閾値で代表させるので、ECU4は、図7(a)、図
7(b)のように、セル電圧と回転補正係数とが1対1
で対応するような詳細な回転補正MAPを記憶する必要
が無いため、ECU4が記憶しなければならないデータ
量を減少させることが可能となる。尚、前記した説明で
は、便宜的に3つの閾値によりセル電圧の降下度を評価
しているが、閾値の設定数はこれに限定されない。
【0064】(4)第4の方式 第4の方式は、第3の方式のようにセル電圧の降下度を
閾値を用いて評価するとともに、第2の方式の要素を取
り入れ、出力指令値を加味して燃料ポンプ3の回転補正
係数を決定する。この際、回転補正係数決定ルーチン
(S65)は、回転補正MAPとして、図8(a)を参
照する。
【0065】図8(a)は、横軸が、閾値の値(電圧)
であり、縦軸が回転補正係数を示している。それぞれの
閾値(閾値1〜閾値3)において、出力指令値(A〜
C)毎に回転補正係数が定まっている。尚、図8(a)
に描かれた出力指令値A〜Cは、説明のために代表値を
示したものであり、実際のシステムにおいては、出力指
令値はより細かいステップで設定されていても良い。
【0066】このように、セル電圧の降下度を幾つかの
閾値で管理することで、ECU4が記憶するデータ量を
減少させることができる。さらに、第4の方式では、回
転補正係数を定めるに当たって出力指令値を加味してい
るので、第2の方式同様に、燃料電池の出力が出力指令
値となるまでの時間を短縮することが可能となる。尚、
前記した説明では、便宜的に3つの閾値によりセル電圧
の降下度を評価しているが、閾値の設定数はこれに限定
されない。
【0067】(5)第5の方式 第5の方式は、第3の方式と同様にセル電圧の降下度を
閾値を用いて評価するものである。第3の方式と相違し
ている点は、回転補正係数を求めるために参照する回転
補正MAPである。
【0068】第5の方式においては、図8(b)に示す
ような回転補正マップを用いる。図8(b)は縦軸が回
転補正係数であり、横軸が燃料循環式燃料電池システム
に発せられた出力指令値である。図中には、図7(c)
で示した閾値(閾値1〜閾値3)に対応した3本の補正
係数直線が描かれている。ECU4は、ステップS64
で測定されたセル電圧より、セル電圧がどの閾値に対応
するのかを判断して、回転補正係数を求めるために使用
する補正係数直線を選択する。さらに、選択された補正
係数直線において、ステップS61で入力された出力指
令値に対応する回転補正係数を読み出す。
【0069】尚、ステップS64において測定されたセ
ル電圧が規定範囲である場合には、回転補正係数=1が
選択される。尚、前記した説明では、便宜的に3つの閾
値によりセル電圧の降下度を評価しているが、閾値の設
定数はこれに限定されない。
【0070】〔第4実施形態〕第4実施形態における燃
料循環式燃料電池システムの装置構成は、第2実施形態
(図3)と同じものであるので、装置構成の図面は省略
する。第4実施形態においては、出力−回転速度MAP
(図2(b))を用いて燃料ポンプ3の目標回転速度を
決定するとともに、ECU4がその内部に備えたタイマ
ーにより算出した出力指令値の時間変化率(以下、「出
力増減率」と言う)を用いてECU4が燃料ポンプ3の
回転速度を制御することが特徴である。尚、第4実施形
態は、請求項6に記載された発明に対応するものであ
る。
【0071】第4実施形態の制御フローを図9を用いて
説明する。ECU4に対して加減速値が入力されるとE
CU4はこの加減速値に応じて燃料電池スタック1へ出
力指令値を発する(S91)。その際ECU4は、出力
−回転速度MAP(図2(b))を参照して(S9
3)、燃料ポンプ3の目標回転速度を決定する(S9
2)。続いて、ECU4は出力指令値の時間変化率であ
る出力増減率(dI/dt)を計算する(S94)。
【0072】ECU4は、出力増減率単独又は出力増減
率と出力指令値とを入力として回転補正係数決定ルーチ
ンにより回転補正係数を算出する(S95)。この際、
回転補正係数決定ルーチンは、ECU4内に予め備えら
れた回転補正MAPを参照する(S96)。尚、回転補
正係数決定ルーチン及び回転補正MAPによる回転補正
係数の決定方法には種々の方式が存在し、詳しくは後記
する。
【0073】続いて、ステップS92で求められた目標
回転速度とステップS95で求められた回転補正係数と
の積として、燃料ポンプ3に対する回転速度指令値が算
出される(S97)。続いて、ECU4は燃料ポンプ3
の回転速度が前記回転速度指令値となるように燃料ポン
プ3を制御して(S98)処理が終了する(S99)。
【0074】尚、出力増減率(dI/dt)とは、ステ
ップS91において燃料循環式燃料電池システムに加え
られた出力指令値の時間変化率のことであり、燃料電池
車の場合を例にとると、アクセルの踏み込み方の違いで
あり、アクセルをすばやく踏んだ場合には出力増減率
(dI/dt)は大きく、アクセルをゆっくり踏んだ場
合には出力増減率(dI/dt)は小さくなる。
【0075】次に、回転補正係数決定ルーチン(S9
5)及び回転補正MAP(S96)による回転補正係数
決定のための種々の方式について説明する。
【0076】(1)第1の方式 第1の方式においては、回転補正係数決定ルーチン(S
95)は出力増減率(dI/dt)を唯一の入力として
回転補正係数を決定する。この際、回転補正係数決定ル
ーチン(S95)は、回転補正MAPとして、図10
(a)を参照する。
【0077】図10(a)は、縦軸が回転補正係数であ
り、横軸がステップS94で計算された出力増減率であ
る。回転補正係数は、出力増減率(dI/dt)が0の
場合に最低値1となり、出力増減率(dI/dt)の絶
対値が大きくなるほど大きな値を取る。
【0078】尚、出力増減率(dI/dt)がプラスの
場合もマイナスの場合も回転補正係数は大きくなるが、
これは、図21(a),(b)で見たように燃料電池シ
ステムにおいて、加速時及び減速時のどちらの場合にお
いても、燃料循環路6中を循環する水素の量が一時的に
不足する状態が発生するためである。
【0079】また、出力増減率(dI/dt)の絶対値
が大きいとは、いわばアクセルが急激に操作されたこと
に相当し、短時間の内に燃料電池の出力を出力指令値に
制御しなければならないことを意味する。そのため、短
時間の内に燃料ポンプ3の回転速度を所定値とするため
に、回転補正係数は大きな値となる。それに対し、出力
増減率(dI/dt)の絶対値が小さいとは、いわばア
クセルが緩やかに操作されたことに相当し、この場合に
は、燃料ポンプ3の回転速度を緩やかに制御すればよい
ので回転補正係数は小さな値となる。
【0080】(2)第2の方式 第2の方式においては、回転補正係数決定ルーチン(S
95)は出力増減率(dI/dt)と出力指令値を入力
として回転補正係数を決定する。この際、回転補正係数
決定ルーチン(S95)は、回転補正MAPとして、図
10(b)を参照する。
【0081】図10(b)は縦軸が回転補正係数であり
横軸が出力増減率である。図中には、ステップS91
(図9)で入力された出力指令値毎に補正係数グラフが
描かれている。図10(b)においては、その内、出力
指令値がA,B,Cの場合の3本を代表として示してい
る。この出力指令値A,B,Cの考え方は、前記した図
7(b)と同様であるので、ここでは説明を割愛する。
【0082】第2の方式においては、ECU4は、ステ
ップS91で入力された出力指令値に対応する補正係数
グラフを選択し、更に、その補正係数グラフ上で現在の
出力増減率に対応する回転補正係数を決定する。第2の
方法によれば、出力指令値を考慮して回転補正係数を決
定するので、燃料ポンプ3の回転速度をすばやく回転速
度指令値に制御することが可能となる。
【0083】(3)第3の方式 第3の方式においては、回転補正係数決定ルーチン(S
95)は出力増減率(dI/dt)を唯一の入力として
回転補正係数を決定する。この際、回転補正係数決定ル
ーチン(S95)は、回転補正MAPとして、図10
(d)を参照する。
【0084】第3の方式における特徴点は、出力増減率
の絶対値を算出し、さらにその絶対値の大きさを段階的
に評価する点である。図10(a)、(b)の回転補正
係数グラフは、出力増減率=0の直線に対してほぼ対称
な形状である。これは、加速の場合も減速の場合も一時
的に燃料循環路6中を循環する水素の量が減少するため
に、燃料ポンプ3の回転速度を増加させる必要があるか
らである。このように、回転補正係数グラフは、出力増
減率=0の直線に対してほぼ対称な形状であるので、出
力増減率の絶対値(以下|dI/dt|と記す)を算出
し、その絶対値を段階的に評価することにより、回転補
正係数を決定することが可能となる。
【0085】この点について図10(c)を用いて説明
する。図10(c)は、縦軸が|dI/dt|である。
第3の方式においては、|dI/dt|を閾値を用いて
管理しており、例えば、図10(c)では、|dI/d
t|が範囲1の場合には|dI/dt|を閾値1で代表
させ、範囲2の場合には|dI/dt|を閾値2で、範
囲3の場合には|dI/dt|を閾値3で代表させる。
【0086】ECU4はステップS94で評価された出
力増減率がどの閾値に対応するのかを判断し、図10
(d)の回転補正MAPを参照し、回転補正係数を定
め、ステップS97において、燃料ポンプ3の目標回転
速度にこの回転補正係数を掛け合わせた値を回転速度指
令値として燃料ポンプ3を制御する。
【0087】この第3の方式によれば、ECU4は第1
及び第2の方式のように、回転補正係数と出力増減率と
の関係を示すMAPを記憶する必要がなく、|dI/d
t|の閾値とそれに対応する回転補正係数のみを記憶す
ればよいので、ECU4の記憶すべきデータ量を大幅に
減少させることが可能となる。また、第3の方式におい
ては、|dI/dt|を3つの閾値で管理しているが、
閾値の設定数はこれに限られない。
【0088】(4)第4の方式 第4の方式は、第3の方式のように、|dI/dt|を
閾値を用いて管理するととともに、第2の方式の要素を
取り入れ、出力指令値を加味して燃料ポンプ3の回転補
正係数を決定する。この際、回転補正係数決定ルーチン
(S95)は、回転補正MAPとして図11(a)を参
照する。
【0089】図11(a)は、横軸が、|dI/dt|
の閾値であり、縦軸が回転補正係数を示している。それ
ぞれの閾値(閾値1〜閾値3)において、出力指令値
(A〜C)毎に回転補正係数が定まっている。尚、図1
1(a)に描かれた出力指令値A〜Cは、説明のために
代表値を示したものであり、実際のシステムにおいて
は、出力指令値はより細かいステップで設定されていて
も良い。
【0090】このように、|dI/dt|を幾つかの閾
値で管理することで、ECU4が記憶するデータ量を減
少させることができる。さらに、第4の方式では、回転
補正係数を定めるに当たって出力指令値を加味している
ので、第2の方式同様に、燃料電池の出力が出力指令値
となるまでの時間を短縮することが可能となる。尚、図
11(a)においては便宜的に3つの閾値により|dI
/dt|を評価していたが、閾値の設定数はこれに限定
されない。
【0091】(5)第5の方式 第5の方式は、第3の方式と同様に|dI/dt|を閾
値を用いて評価するものである。第3の方式と相違して
いる点は、回転補正係数を求めるために参照する回転補
正MAPである。
【0092】第5の方式においては、図11(b)に示
すような回転補正マップを用いる。図11(b)は縦軸
が回転補正係数であり、横軸が燃料循環式燃料電池シス
テムに発せられた出力指令値である。図中には、図10
(c)で示した閾値(閾値1〜閾値3)に対応した3本
の補正係数直線が描かれている。
【0093】ECU4は、ステップS94で測定された
出力増減率より、|dI/dt|がどの閾値に対応する
のかを判断して、回転補正係数を求めるために使用する
補正係数直線を選択する。さらに、選択された補正係数
直線において、ステップS91で入力された出力指令値
に対応する回転補正係数を読み出す。尚、前記した説明
では、便宜的に3つの閾値により|dI/dt|を評価
しているが、閾値の設定数はこれに限定されない。
【0094】(6)第6の方式 第3実施形態においては、燃料電池スタック1のセル電
圧を用いて燃料ポンプ3の回転補正係数を決定してい
た。そのため、第3実施形態では、燃料電池の状態を燃
料ポンプ3の制御に反映することが可能であった。
【0095】しかし、第4実施形態においては、燃料電
池システムに対する出力増減率を用いて燃料ポンプ3の
制御を行うことから、燃料電池システムの状態(例えば
セル電圧)等を把握して制御に反映することができな
い。そこで、第6の方式においては、出力増減率を用い
て燃料ポンプ3の回転補正係数を決定するとともに、燃
料ポンプ3が割増回転を行う実行時間をも制御すること
で、燃料電池システムをより安定して運転することを可
能にする。尚、本方式は、請求項7に対応する実施形態
である。
【0096】ここで、「割増回転」とは、燃料ポンプ3
の回転速度を回転速度指令値(=目標回転速度×回転補
正係数)に制御する際に、回転補正係数が1よりも大き
い場合を意味する。
【0097】第6の方式における制御フローを図12に
示す。図12の制御フローにおいて、ステップS121
〜S127までは、図9に示した第4実施形態の制御フ
ローのステップS91〜S97と同様であるためにその
説明を省略する。また、ステップS125及びS126
において燃料ポンプ3の回転補正係数を決定するために
は、前記した第1の方式〜第5の方式の中から任意のも
のを採用することができる。
【0098】第6の方式における特徴点は、ステップS
128以降である。ステップS128においてECU4
は、燃料ポンプ3をステップS127で決定された回転
速度指令値で回転させる時間(実行時間指令値)を決定
する。この際、実行時間決定ルーチン(S128)は、
実行時間MAP(S129)を参照する。
【0099】ここで、実行時間MAPの一例を図13に
示す。図13は縦軸が燃料ポンプ3を回転速度指令値で
回転させる実行時間を示す実行時間指令値であり、横軸
が出力増減率である。また、図13には、出力指令値の
一例として、出力指令値A〜Cごとに3本のグラフが描
かれている。図13では、出力指令値が大きく、出力増
減率の絶対値が大きいほど実行時間指令値が大きく、つ
まり、燃料ポンプ3の割増回転時間が大きくなるように
設定されている。
【0100】ECU4は、この実行時間MAPを参照し
て、燃料ポンプ3を割増回転させるための実行時間指令
値を決定する。このようにして決定された実行時間指令
値と回転速度指令値に従い燃料ポンプ3がその時間内に
おいて制御される(S131)。
【0101】尚、実行時間指令値で指定された時間が経
過した後は燃料ポンプ3は、ステップS122で決定さ
れた目標回転速度で回転することとなる。このように第
6の方式では、燃料ポンプ3が回転補正係数で与えられ
る割増回転を行う実行時間をも制御するので、燃料電池
システムをより安定して運転することが可能となる。
【0102】〔第5実施形態〕図14は、本発明の第5
実施形態の燃料循環式燃料電池システムを示したもので
ある。この実施の形態においては燃料送出手段として燃
料ポンプとエゼクタを併用した循環システムを採用して
おり、請求項2〜5に記載された発明に対応するもので
ある。
【0103】第5実施形態の装置構成は第2実施形態
(図3)と同様であるが、燃料循環路6aに加湿器11
が備えられており、さらに燃料循環路6aの燃料電池ス
タック1の直前に、循環する水素の露点を測定するため
の露点検出器12を備え、ECU4がその露点を監視し
ている点が異なっている。
【0104】燃料循環式燃料電池システムにおいては、
燃料電池スタック1に対して、所定量の水蒸気を含んだ
水素を供給する必要があり、そのために燃料循環路6a
には加湿器11が備えられている。しかし、燃料電池シ
ステムに急加速指令が発せられた際、一時的に加湿器の
発生水蒸気量が、必要量に追いつかなくなる場合があ
る。また、水素の循環量の制御が行われない状態で燃料
電池システムに急加減速指令が発せられた場合、燃料循
環路6を循環する水素の循環量が一時的に不足する現象
が発生する(図21)。このような状況においては、加
湿器の運転量を増加して発生する水蒸気量を増したとし
ても、水蒸気を運ぶための水素の循環量が減少するため
に、燃料電池スタック1が必要とする水蒸気量を満たす
ことができない。
【0105】ところで、燃料電池スタック1より排出さ
れる水素は燃料電池スタック1中の生成水、凝縮水等を
取り込んでいるために、常に水蒸気で飽和している。従
って、燃料電池システムの急加減速時には、燃料循環路
6中の水素の循環量を増して、燃料電池システムから排
出される水蒸気飽和水素を燃料循環路6aに循環させれ
ば、燃料電池システムが必要とする水蒸気を循環させる
ことが可能となり、さらに加湿器11が燃料の循環流か
ら水分を得るものである場合には、その一時的な水分不
足を補うことになる。
【0106】すなわち、第5実施形態においては、燃料
電池の水素の露点を監視することで、燃料電池システム
に急加減速指令が発せられた際であっても、燃料循環路
6を循環する水素量及び水蒸気量を確保することができ
る燃料循環式燃料電池システムを例示する。
【0107】図15に、第5実施形態の燃料循環式燃料
電池システムの制御フローを示す。燃料循環式燃料電池
システムに対して出力指令がなされると(S151)、
ECU4は、出力−回転速度MAP(図2(b))を参
照して(S153)、燃料ポンプ3の目標回転速度を決
定する(S152)。続いて、ECU4は燃料電池スタ
ック1の直前の燃料循環路6aに配置された露点検出器
12を介して水素の露点を測定する(S154)。
【0108】ECU4は、ステップS154で測定され
た水素の露点を用いて回転補正係数決定ルーチンにより
回転補正係数を算出する(S155)。この際、回転補
正係数決定ルーチンは、ECU4内に予め備えられた回
転補正MAP(図16)を参照する(S156)。
【0109】図16は、縦軸が回転補正係数であり、横
軸が水素の露点を示している。露点検出器12で測定さ
れた水素の露点が低い場合には、回転補正係数を大きく
して、燃料ポンプ3の回転速度を上げ、燃料電池スタッ
ク1より排出される水蒸気飽和水素の循環量を増す。続
いて、ステップS152で求められた目標回転速度とス
テップS155で求められた回転補正係数との積とし
て、燃料ポンプ3に対する回転速度指令値が算出される
(S157)。
【0110】続いて、ECU4は燃料ポンプ3の回転速
度が前記回転速度指令値となるように燃料ポンプ3を制
御して(S158)処理が終了する(S159)。
【0111】尚、本実施の形態においては、燃料循環路
6aに配置された露点検出器12を用いて水素の露点を
検出していたが、システムによっては、加湿器11後の
水素が水蒸気で飽和している場合もあるので、このよう
な場合には、露点検出器12に代えて温度計を用いるこ
とで本実施の形態の制御を行うことも可能である。
【0112】尚、露点により回転補正係数を決定する方
法には、第3実施形態や第4実施形態で述べたような、
出力指令値を加味する方法、露点を閾値により管理する
方法等を応用することが可能である。
【0113】〔第6実施形態〕図17に本発明の第6実
施形態の燃料循環式燃料電池システムを示した。尚、こ
の実施形態は請求項8に対応するものである。第6実施
形態の装置構成における特徴点は、燃料循環路6に、燃
料ポンプ3を迂回するバイパス路13を設け、このバイ
パス路13中にECU4が開閉制御可能なバイパス弁1
4を設けた点である。それ以外の点は第3実施形態(図
5)と同様である。
【0114】第6実施形態では、燃料電池システムが定
常運転状態にある場合には、燃料ポンプ3の運転を停
止、又は、低出力状態(アイドル状態)のまま待機させ
ておき、バイパス弁14を開き、バイパス路13により
燃料ポンプ3を迂回してエゼクタ5に水素を循環させ
る。水素は、エゼクタ5により循環力を付与されて燃料
循環路6を循環させる。
【0115】燃料電池システムに急加減速指令が発せら
れたり、燃料電池システムの状態量(例えばセル電圧
等)が規定範囲よりも減少してしまったりした場合に、
ECU4はそれを監視して、バイパス弁14を閉じると
ともに、燃料ポンプ3を所定回転速度で回転させること
で、燃料循環路6に循環させる水素の量を増やし、出力
指令に対応したり、燃料電池の状態量を規定範囲に復帰
させる。尚、第6実施形態では、燃料電池の状態量とし
てセル電圧を用いているが、水素の露点等を評価しても
良い。
【0116】図18を用いて第6実施形態の制御フロー
を説明する。まず、燃料電池スタック1に設けられた電
圧計10によりセル電圧が測定される(S181)。続
いて、このセル電圧が規定範囲かどうかが判断され(S
182)、セル電圧が規定範囲であると判断された場合
には(Y)バイパス弁14に対して開弁指令がなされ
(S183)、燃料ポンプ3は停止される(S18
4)。しかし、ステップS182において、セル電圧が
規定範囲を下回っていると判断された場合には、バイパ
ス弁14を閉じ、燃料ポンプ3を所定の回転速度で回転
させるための処理が行われる(S185〜S194)。
【0117】まず、ステップ185において、燃料電池
システムに加減速指令等の出力指令がなされているかど
うかが判断される。出力指令がなされている場合には
(Y)、出力指令値に応じて、ステップS187におい
て、燃料ポンプ3の目標回転速度が決定される。
【0118】それに対して、出力指令がなされていない
場合には、ステップ187において燃料ポンプ3の目標
回転速度を決定することができないために、現在の燃料
電池システムの出力を出力指令値とする(S186)。
続いて、出力−回転速度MAP(図2(b))を参照し
て(S189)、出力指令値に対応する燃料ポンプ3の
目標回転速度が決定される。
【0119】さらに、ステップS181で計測されたセ
ル電圧に基づき、例えば、図7(a)、図7(b)、図
7(d)、図8(a)に示したような、回転補正MAP
を参照する(S191)ことにより、回転補正係数決定
ルーチン(S190)が燃料ポンプ3の割増回転分であ
る回転補正係数を求める。
【0120】その後、目標回転速度と回転補正係数との
積として回転速度指令値が算出され(S192)、バイ
パス弁14が閉弁され、水素を燃料ポンプ3に流通可能
とするとともに、燃料ポンプ3をステップ192で算出
された回転速度指令値に制御する(S194)。その後
制御はS181に戻り、再びセル電圧が評価される。
【0121】より具体的に第6実施形態の燃料循環式燃
料電池システムの水素循環量の制御動作について図19
により説明する。図19は、第6実施形態の燃料循環式
燃料電池システムのセル電圧の変化とシステム内の水素
循環量の変化を同時に示したタイムチャートである。
【0122】燃料電池のセル電圧はA点までは、規定範
囲内にあるものとする。このとき、図17の燃料電池シ
ステムにおいては、燃料ポンプ3は停止等され、バイパ
ス弁14が開弁され、エゼクタ5のみで燃料循環路6中
の水素循環が行われている。A点において例えば、燃料
電池スタック1中の凝縮水の影響等によりセル電圧が閾
値1を下回ると、ECU4は図18に示した制御フロー
に従い、バイパス弁14が閉弁し、燃料ポンプ3に対し
てステップS192で算出された回転速度指令値で動作
せよとの指示を出し、燃料ポンプ3の回転速度が増加す
る。それに伴い、水素循環路6中を循環する水素量が増
加する。
【0123】しかしながら、この例においては、燃料電
池のセル電圧は規定範囲に復帰せず、B点において更に
閾値2を下回ったとする。すると、ECU4は、図18
に示した制御フローに従い燃料ポンプ3の回転速度をさ
らに増加させ、システムを循環する水素量を更に増加さ
せる。その後、C点及びD点を経るにつれて燃料電池の
セル電圧が規定範囲に復帰するとECU4は、バイパス
弁14を開弁し、燃料ポンプ3を停止等し、再びエゼク
タ5のみで水素循環を行う。
【0124】このように第6実施形態においては、セル
電圧等の燃料電池の状態量が規定範囲を下回った場合
や、出力指令がなされた場合に燃料ポンプ3を稼動させ
て、燃料循環路6中の水素循環量を増加させ、それ以外
の場合には燃料ポンプ3を停止やアイドル状態としてい
るので、常時燃料ポンプ3を稼動させる必要が無く、エ
ネルギの節約をすることが可能となる。さらに、この第
6実施形態のバイパス通路・バイパス弁の構成に拘わら
ず、燃料電池スタック1の状態量が規定範囲内にあり、
エゼクタのみでシステムに必要な水素を循環できる場合
には、燃料循環路6中の燃料ポンプを停止又はアイドル
状態とすることで、燃料循環式燃料電池システムのエネ
ルギ効率を高めることができる。
【0125】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成したので、
次のような顕著な効果を奏する。請求項1に記載の発明
によれば、燃料電池に対する出力指令値に応じて、燃料
送出手段が燃料循環路中を循環する燃料の量を制御する
ので、燃料電池に急加減速指令が発せられたとしても、
燃料電池に循環する燃料の量が不足することがない。
【0126】また、燃料送出手段として燃料電池制御装
置が制御可能な燃料ポンプを単独で、又は、燃料ポンプ
と高圧燃料タンクの圧力で燃料の循環力を生み出すエゼ
クタとを組み合わせて用いているので、燃料電池に対し
て急加減速指令が発せられ、エゼクタが十分に対応でき
ない状況であっても、燃料ポンプの回転速度を増すこと
により、燃料循環路中に燃料電池が要求するだけの燃料
を循環させることが可能となる。
【0127】請求項2に記載の発明によれば、燃料電池
制御装置が、燃料電池の状態量を監視する機能を有して
いるので、例えば、燃料電池のセル電圧や燃料の露点等
を監視して、その情報を燃料循環路を循環させる燃料の
量に反映させることが可能となる。
【0128】請求項3に記載の発明によれば、燃料電池
制御装置が出力指令値に基づいて燃料ポンプの目標回転
速度を決定するので、燃料電池の出力に基づいて燃料ポ
ンプの回転速度を制御する場合と異なり、燃料循環量に
制御遅れが発生することがない。
【0129】請求項4に記載の発明によれば、燃料電池
制御装置が燃料電池の状態量(セル電圧、燃料の露点
等)を加味して燃料の循環量を制御するので、燃料電池
の状態量が規定範囲より外れているような場合には、燃
料循環量を割増することで、状態量の復帰を行いなが
ら、出力指令値で要求される燃料循環量を確保すること
が可能となる。
【0130】請求項5に記載の発明によれば、燃料電池
の状態量として、セル電圧又は、燃料電池入口における
燃料の露点を採用しているので、これらの状態量により
燃料電池の状態を把握しながら燃料の循環量を制御する
ことが可能となる。
【0131】請求項6に記載の発明によれば、燃料電池
制御装置が出力増減率を加味して燃料の循環量を制御す
るので、燃料電池に対して急加減速指令が発せられたと
しても、その出力増減率に応じて燃料ポンプの割増回転
が行われるので、燃料電池が要求する燃料循環量を確保
することが可能となる。
【0132】請求項7に記載の発明によれば、燃料電池
制御装置が出力増減率に基づき、燃料ポンプが割増回転
を行う実行時間を決定するので、出力増減率の大小に応
じただけの燃料を燃料循環路中に循環させることが可能
となる。
【0133】請求項8に記載の発明によれば、燃料循環
路中に、燃料ポンプをバイパス可能なバイパス路及びバ
イパス弁を設けたので、運転するために電力を必要とす
る燃料ポンプを必要な時のみ作動させることが可能とな
った。燃料ポンプを出力指令が発せられたとき及び燃料
電池の状態量が規定範囲から外れている時にのみ運転さ
せることで、燃料ポンプを稼動させる電力を節約するこ
とが可能となる。
【0134】請求項9に記載の発明によれば、燃料電池
の状態量が規定範囲内の場合には、燃料ポンプを停止又
はアイドル状態とするので、燃料循環式燃料電池システ
ムのエネルギ効率を高めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の燃料循環式燃料電池
システムの装置構成を示す模式図である。
【図2】 本発明の第1実施形態の制御フロー(図2
(a))及び出力−回転速度MAP(図2(a))であ
る。
【図3】 本発明の第2実施形態の燃料循環式燃料電池
システムの装置構成を示す模式図である。
【図4】 エゼクタの断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態の燃料循環式燃料電池
システムの装置構成を示す模式図である。
【図6】 本発明の第3実施形態の制御フローである。
【図7】 本発明の第3実施形態で用いる回転補正MA
Pである。
【図8】 本発明の第3実施形態で用いる回転補正MA
Pである。
【図9】 本発明の第4実施形態の制御フローである。
【図10】 本発明の第4実施形態で用いる回転補正M
APである。
【図11】 本発明の第4実施形態で用いる回転補正M
APである。
【図12】 本発明の第4実施形態の第6の方式におけ
る制御フローである。
【図13】 本発明の第4実施形態の第6の方式で用い
る実行時間MAPである。
【図14】 本発明の第5実施形態の燃料循環式燃料電
池システムの装置構成を示す模式図である。
【図15】 本発明の第5実施形態の制御フローであ
る。
【図16】 本発明の第5実施形態で用いる回転補正M
APである。
【図17】 本発明の第6実施形態の燃料循環式燃料電
池システムの装置構成を示す模式図である。
【図18】 本発明の第6実施形態の制御フローであ
る。
【図19】 本発明の第6実施形態の燃料循環式燃料電
池システムの制御動作を説明するためのタイムチャート
である。
【図20】 従来の燃料循環式燃料電池システムの装置
構成を示す模式図である。
【図21】 従来の燃料循環式燃料電池システムの問題
点を示す図である。
【符号の説明】
1 燃料電池スタック 2 レギュレータ 3 燃料ポンプ 4 ECU 5 エゼクタ 6、6a、6b 燃料循環路 7 結合部 10 電圧計 11 加湿器 12 露点検出器 13 バイパス路 14 バイパス弁
フロントページの続き Fターム(参考) 5H027 AA02 BA13 BA19 DD00 KK21 KK52 KK54 MM08 5H115 PA08 PC06 PG04 PI18 PI29 PU01 SE06 TO21 TR19

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料と酸化剤とを供給されて発電を行う
    燃料電池と、 前記燃料電池から排出される燃料を再び燃料電池に供給
    するための燃料循環路と、 前記燃料循環路中に配置され、燃料ポンプとエゼクタ又
    は燃料ポンプを備え、前記燃料循環路に新たな燃料を供
    給するとともに、前記燃料循環路中の燃料を所定の循環
    量で循環させるための燃料送出手段と、 前記燃料電池に対して出力指令値を発し、この出力指令
    値に応じて前記燃料送出手段を制御することにより、前
    記燃料循環路中の燃料の循環量を調整する燃料電池制御
    装置と、を備えた燃料循環式燃料電池システム。
  2. 【請求項2】 前記燃料電池制御装置が前記燃料電池の
    状態量を監視する機能を備えたことを特徴とする請求項
    1に記載の燃料循環式燃料電池システム。
  3. 【請求項3】 前記燃料電池制御装置が、燃料電池に対
    する出力指令値に基づき前記燃料ポンプの目標回転速度
    を決定することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃
    料循環式燃料電池システム。
  4. 【請求項4】 前記燃料電池制御装置が、前記出力指令
    値に基づき前記燃料ポンプの目標回転速度を決定すると
    ともに、前記状態量と前記出力指令値又は前記状態量に
    基づき回転補正係数を算出し、 前記目標回転速度を前記回転補正係数で補正して前記燃
    料ポンプを制御することを特徴とする請求項2に記載の
    燃料循環式燃料電池システム。
  5. 【請求項5】 前記状態量が燃料電池のセル電圧又は燃
    料電池入口における燃料の露点であることを特徴とする
    請求項4に記載の燃料循環式燃料電池システム。
  6. 【請求項6】 前記燃料電池制御装置は、前記出力指令
    値に基づき前記燃料ポンプの目標回転速度を決定すると
    ともに、前記出力指令値の時間変化率である出力増減率
    を求め、 この出力増減率と前記出力指令値又は前記出力増減率に
    基づき回転補正係数を算出し、前記目標回転速度を前記
    回転補正係数で補正して前記燃料ポンプを制御すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の燃料循環式燃料電
    池システム。
  7. 【請求項7】 前記燃料電池制御装置は、前記出力指令
    値及び出力増減率に基づき前記燃料ポンプの実行時間を
    算出し、前記燃料ポンプを制御することを特徴とする請
    求項6に記載の燃料循環式燃料電池システム。
  8. 【請求項8】 前記燃料循環路は、前記燃料ポンプをバ
    イパスするバイパス路と、このバイパス路上に配置さ
    れ、前記状態量に基づき前記燃料電池制御装置によりそ
    の開閉が制御されるバイパス弁を備え、前記状態量が規
    定範囲内の場合には前記バイパス弁を開弁し、前記状態
    量が規定範囲外の場合には前記バイパス弁を閉弁し前記
    状態量の値に応じた回転速度で前記燃料ポンプを回転さ
    せることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記
    載の燃料循環式燃料電池システム。
  9. 【請求項9】 前記燃料電池制御装置は、前記状態量が
    規定範囲内の場合には、前記燃料ポンプを停止又はアイ
    ドル状態とすることを特徴とする請求項2〜7のいずれ
    か一項に記載の燃料循環式燃料電池システム。
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