JP2007280925A - 燃料電池システムおよびその起動方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料電池の発電を開始するまでの起動時間を短縮してエネルギ効率を向上することができる燃料電池システムおよびその起動方法を提供する。
【解決手段】 燃料電池FCを暖機するための燃焼器31を備えている。燃焼器31には、水素タンク14から水素が、エアコンプレッサ23から空気がそれぞれ供給されるようになっている。制御装置50は、燃料電池FCの起動時に、燃焼器31による暖機と同時に、燃料ガス流通路内の空気を水素に置換する処理を行う。また、暖機完了前に水素置換が完了した場合には、燃料電池FCから電流を引くようになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池と、この燃料電池を暖機する外部加熱手段とを備えた燃料電池システムおよびその起動方法に関する。
燃料電池自動車などに搭載される固体高分子型の燃料電池では、氷点下に至るような低温環境下で使用する場合の凍結対策として、燃料電池の発電を開始する前に燃料電池を暖機することが行われている。例えば、特許文献1の燃料電池システムでは、燃料ガス(水素)と酸化剤ガス(空気)とを燃焼させたときに発生する燃焼排ガスで熱交換によって加熱された不凍液を燃料電池との間で循環させること、また燃焼排ガス(水蒸気を含むガス)を燃料電池の反応ガス流路に供給することによって、燃料電池を暖機する技術が提案されている。
特開2000−164233号公報(段落0065〜0068、図1)
しかしながら、このような従来の燃料電池システムでは、燃焼排ガスを利用して燃料電池の反応ガス流路内を暖機しているため、燃料電池の暖機が完了した後に、燃料電池のアノード内を水素で置換してから発電を開始する必要があるため、燃料電池の発電開始までの起動処理に長い時間が必要になる。このため、より多くのエネルギが必要になるため、蓄電装置(バッテリなど)に蓄えておくべき電力が増大し、エネルギ効率が悪化するという問題がある。
本発明は、前記従来の問題を解決するものであり、燃料電池の発電を開始するまでの起動時間を短縮してエネルギ効率を向上することができる燃料電池システムおよびその起動方法を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電を行う燃料電池と、前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池を、この燃料電池とは異なる外部の熱源により加熱する外部加熱手段と、前記燃料電池の起動時に、前記燃料ガスが流通する燃料ガス流通路および前記酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流通路の少なくとも一方において、前記燃料ガス流通路内を前記燃料ガスで置換し、前記酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスで置換するガス置換手段と、前記燃料電池の起動時に、前記外部加熱手段の運転と同時に前記ガス置換手段によりガス置換を実行後、前記燃料電池の発電を開始する燃料電池起動手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、燃料電池の暖機(加熱)と同時にガス置換を行うようにすることで、暖機完了後直ちに発電に移行することができ、燃料電池の起動から発電開始までの起動時間を短くすることが可能になる。
請求項2に係る発明は、前記外部加熱手段は、前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを触媒燃焼させる燃焼器であり、前記燃料ガス供給手段は、前記燃料電池の起動時に、前記燃料ガスを前記燃料電池および前記燃焼器に供給し、前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料電池の起動時に、前記酸化剤ガスを前記燃料電池および前記燃焼器に供給することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、燃料ガスと酸化剤ガスとを用いる燃焼器を用いることで、燃料電池と燃焼器に対してガス供給源を共通にすることができるので、システムの大型化を防止できる。
請求項3に係る発明は、前記燃料電池は、前記外部加熱手段により暖機され、この暖機が完了した後に発電が開始され、前記外部加熱手段により前記暖機が完了する前に、前記ガス置換手段によるガス置換が完了したときに前記燃料電池から電流を引き出す電流取出手段を備えることを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、暖機が完了せず、発電に移行できない状態でガス置換が完了した場合には燃料電池が高電位に曝され、この状態を放置すると燃料電池を劣化させるおそれがあるので、電流取出手段により燃料電池から微弱の発電電流を取り出すことで、燃料電池が高電位に曝されるのを防止し、燃料電池の劣化を防止できる。
請求項4に係る発明は、前記燃焼器に燃料ガスが供給されていないときにガス置換を行うことを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、燃焼器の運転中に未燃焼のガス抜けが起きたとしても、高濃度の燃料ガスが排出されるのを防止できる。
請求項5に係る発明は、前記燃焼器および前記燃料電池から排出される排ガスを排出する排ガス排出流通路と、前記排ガス排出流通路内に備えられ、排ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定装置と、を有し、前記ガス濃度が所定値以下のときにガス置換を行うことを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、ガス濃度が高い場合にはガス置換に伴うガスパージが行われないため、排出されるガス濃度を所定値以下に保つことができる。また、ガス濃度が所定値以下の場合には、燃焼器の運転に並行してガス置換によるチェックを実施できるため、燃料電池の発電開始時間を短縮することができる。
請求項6に係る発明は、燃料ガス供給手段から燃料ガスが、酸化剤ガス供給手段から酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池を外部の熱源により加熱する外部加熱手段と、を備える燃料電池システムの起動方法であって、前記燃料電池の起動時に、燃料ガス流通路内を前記燃料ガスでガス置換し、酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスでガス置換し、または前記燃料ガス流通路内を前記燃料ガスでおよび前記酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスでガス置換するステップと、前記燃料電池の起動時に、前記外部加熱手段の運転と同時に前記ガス置換を実行後、前記燃料電池の発電を開始するステップと、を備えることを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、燃料電池の暖機(加熱)と同時にガス置換を行うようにすることで、暖機完了後直ちに発電に移行することができ、燃料電池の起動から発電開始までの起動時間を短くすることが可能になる。
本発明によれば、燃料電池の発電を開始するまでの起動時間を短縮してエネルギ効率を向上することができる。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図、図2は第1実施形態の燃料電池システムにおける起動時の制御を示すフローチャート、図3は燃料電池の起動から発電までのタイミングチャートであり、(a)は従来での制御、(b)および(c)は本実施形態での制御である。なお、本実施形態は、燃料電池自動車(図示せず)を例に挙げて説明するが、これに限定されるものではなく、船舶や航空機の他の乗り物、家庭用電源などに適用してもよい。
図1に示すように、第1実施形態の燃料電池システム1Aは、燃料電池FCと燃焼器31とが並列に設けられたシステムであり、燃料電池FC、アノード系10、カソード系20、暖機系30、高電圧系40、制御装置50などで構成されている。
前記燃料電池FCは、固体高分子からなる電解質膜2をアノード3とカソード4で挟んだ膜電極構造体(MEA;Membrane Electrode Assembly)をさらに一対の導電性のセパレータ5,6で挟んで構成した単セルが、厚み方向に複数積層された構造を有している。また、セパレータ5には、アノード3と対向する側に燃料ガスとしての水素が流通する流路a1が形成され、セパレータ6には、カソード4と対向する側に酸化剤ガスとしての空気が流通する流路a2が形成され、さらに熱交換媒体が流通する流路a3が水素や空気と混じり合わないように形成されている。このような固体高分子型の燃料電池FCでは、アノード3に水素が、カソードに空気がそれぞれ供給されることにより、水素と酸素との電気化学反応により電気と水が生成される。なお、図1では、説明の便宜上、単セルの積層体ではなくひとつの単セルを模式的に図示している。
アノード系10は、燃料電池FCに水素を供給し、かつ、燃料電池FCから水素を排出するものであり、アノード供給配管11、アノード排出配管12、循環配管13、水素タンク14、遮断弁15、エゼクタ16、パージ弁17などで構成されている。
前記アノード供給配管11は、燃料電池FCのアノード3に供給される水素が流通する流路を構成し、その一端が燃料電池FCの流路a1の入口に接続され、他端が遮断弁15およびエゼクタ16を介して水素タンク14に接続されている。
前記アノード排出配管12は、燃料電池FCのアノード3から排出される水素を含むガス(アノードオフガス)が流通する流路を構成し、その一端が燃料電池FCの流路a1の出口と接続され、他端がパージ弁17と接続されている。
前記水素タンク14は、高純度の水素が高圧で充填された容器であり、図示しない電磁作動式の遮断弁を備えている。
前記遮断弁15は、燃料電池FCへの水素の供給を遮断する機能を有し、後記する制御装置50によって開閉制御されるようになっている。
前記エゼクタ16は、燃料電池FCの流路a1の出口から排出された未反応の水素を、循環配管13を介して流路a1の入口に戻すように循環させる機能を有している。
前記パージ弁17は、循環配管13の接続部の下流側に設けられ、例えば定期的に開弁することにより、燃料電池FCのアノード3の流路a1を含むアノード供給配管11、アノード排出配管12および循環配管13の流路内に残留する不純物が排出され、新鮮な水素が新たに供給されるようになっている。つまり、パージ弁17を開弁することで、燃料電池FCの発電時に、カソード4に供給された空気に含まれる窒素が電解質膜2を介してアノード3に透過すること、またカソード4で生成された水が電解質膜2を介してアノード3に透過することによって、アノード3の水素濃度が低下して発電性能が低下するといった不具合を防止できるようになっている。
なお、前記したアノード供給配管11の流路、アノード排出配管12の流路、循環配管13および燃料電池FCのセパレータ5の流路a1によって本発明の燃料ガス流通路が構成されている。
前記カソード系20は、燃料電池FCに空気を供給し、かつ、燃料電池FCから空気を排出するものであり、カソード供給配管21、カソード排出配管22、エアコンプレッサ23、遮断弁24、背圧弁25などで構成されている。
前記カソード供給配管21は、燃料電池FCのカソード4に供給される空気が流通する流路を構成し、その一端が燃料電池FCの流路a2の入口に接続され、他端が遮断弁24を介してエアコンプレッサ23に接続されている。
前記カソード排出配管22は、燃料電池FCのカソード4から排出される空気を含むガス(カソードオフガス)が流通する流路を構成し、その一端が燃料電池FCの流路a2の出口に接続され、他端が背圧弁25を介して外部(車外)に連通している。
前記エアコンプレッサ23は、モータにより駆動されるスーパーチャージャなどで構成され、外気を取り込んで圧縮した空気を燃料電池FCに供給する機能を有している。
前記遮断弁24は、燃料電池FCへの空気の供給を遮断する機能を有し、制御装置50によって開閉制御されるようになっている。
前記背圧弁25は、燃料電池FCのカソード4内の圧力を調整する機能を有し、バタフライ弁などによって構成されている。
なお、前記したカソード供給配管21の流路、カソード排出配管22の流路および燃料電池FCのセパレータ6の流路a2によって本発明の酸化剤ガス流通路が構成されている。
前記暖機系30は、燃料電池FCの内部に熱交換媒体を循環させて暖機するものであり、燃焼器31、水素導入配管32、空気導入配管33、排出配管34、熱交換媒体循環配管35,36、循環ポンプ37などで構成されている。
前記燃焼器31は、燃焼部31aと熱交換部31bとを備えている。燃焼部31aは、容器内部に水素を燃焼させる触媒が設けられた構造体を備えて構成されている。熱交換部31bは、容器内部に、燃焼部31aで生成された燃焼排ガスが流通する流路と、熱交換媒体が流通する流路とを備えて構成されている。
前記水素導入配管32は、水素を燃焼器31に導入する流路であり、一端がアノード供給配管11の遮断弁15の上流側に接続され、他端が水素インジェクタ38を介して空気導入配管33に接続されている。
前記空気導入配管33は、空気を燃焼器31に導入する流路であり、一端がカソード供給配管21の遮断弁24の上流側に接続され、他端が燃焼器31の上流側に接続されている。
前記排出配管34は、燃焼排ガスを燃焼器31から排出する流路であり、一端が燃焼器31の下流側に接続され、他端がカソード排出配管22の背圧弁25の下流側に接続されている。
前記熱交換媒体循環配管35,36は、燃料電池FCと燃焼器31の熱交換部31bとの間で熱交換媒体を循環させる流路である。熱交換媒体循環配管35は、一端が燃料電池FCに設けられた流路a3の入口に接続され、他端が熱交換部31bの流路の出口に接続されている。もう一方の熱交換媒体循環配管36は、一端が流路a3の出口に接続され、他端が熱交換部31bの流路の入口に接続されている。
前記循環ポンプ37は、燃料電池FCと燃焼器31との間で熱交換媒体を循環させるものである。
なお、前記した暖機系30は、図示しないラジエータを備えて、燃料電池FCを冷却する機能を有しており、暖機完了後の通常発電時において、必要に応じて熱交換媒体をラジエータと燃料電池FCとの間で循環させることにより、燃料電池FCを冷却できるように構成されている。
前記高電圧系40は、電圧制御器41、蓄電装置42などで構成されている。
前記電圧制御器41は、燃料電池FCから、蓄電装置42や補機に必要な電圧を取り出す機能を有し、DC/DCコンバータやインバータなどで構成されている。また、電圧制御器41は、走行モータ(図示せず)や、エアコンプレッサ23、循環ポンプ37、各種弁15,17,24,25などの各種の補機と接続されて、各補機に必要な電圧が設定されるようになっている。なお、走行モータは、例えば永久磁石式の3相交流同期モータであり、燃料電池FC、または燃料電池FCおよび蓄電装置42から供給される電力により駆動輪(図示せず)を回転駆動させるようになっている。
前記蓄電装置42は、燃料電池FCで発電された電気を貯めておくことができるものであり、バッテリまたはキャパシタなどで構成されている。例えば、バッテリとしては、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、リチウムポリマー二次電池、ニッケル水素蓄電池、ニッケルカドミウム蓄電池などであり、キャパシタとしては、電気二重層キャパシタや電解コンデンサなどである。
前記制御装置50は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、入出力インターフェースなどで構成され、本発明のガス置換手段、燃料電池起動手段および電流取出手段を備えている。また、制御装置50は、遮断弁15,24、パージ弁17、エアコンプレッサ23、背圧弁25、循環ポンプ37、電圧計45と電気的に接続され、遮断弁15,24やパージ弁17の開閉動作、背圧弁25の開度、水素インジェクタ38の開閉動作をそれぞれ制御し、また電圧計45から電圧値を取得するようになっている。
次に、第1実施形態の燃料電池システム1Aの動作について図2および図3を参照(適宜、図1を参照)して説明する。なお、燃料電池システム1Aの運転開始前は、遮断弁15,24、パージ弁17、水素インジェクタ38がそれぞれ閉じ、エアコンプレッサ23および循環ポンプ37が停止している。
まず、燃料電池自動車のイグニッションスイッチ(図示せず)がオフからオンに切替えられると、ステップS1において、制御装置50は、燃料電池FCの暖機が必要であるか否かを判断する。なお、暖機が必要か否かの判断は、例えば、燃料電池FCのシステム温度、外気温度などに基づいて判断することができる。例えば、システム温度であれば、0℃以下を検知したときに暖機が必要であると判断する。なお、システム温度は、熱交換媒体の温度により検知することができる。
ステップS1において、制御装置50は、燃料電池FCの暖機が必要であると判断すると(Yes)、ステップS5に進み、水素タンク14に設けられた図示しない遮断弁を開き、水素インジェクタ38の噴射口を開いて空気導入配管33に水素を噴射し、また、エアコンプレッサ23のモータを回転させて空気導入配管33に空気を供給することで、燃焼器31に水素および空気を供給する。なお、図示していないが、燃焼器31に水素と空気とが供給される前に、混合器によって水素と空気とが混合された後に燃焼器31に供給されるようになっている。
そして、ステップS6に進み、燃焼器31の燃焼部31aでは、水素と空気とが触媒燃焼することによって高温の燃焼排ガスが生成され、この燃焼排ガスが熱交換部31bに送られる。また同時に、循環ポンプ37が駆動されて、熱交換媒体が燃料電池FCと燃焼器31との間を循環する。熱交換部31bでは、高温の燃焼排ガスによって熱交換媒体が熱交換によって加熱され、加熱された熱交換媒体が熱交換媒体循環配管35を介して燃料電池FCに送られる。燃料電池FCで熱を奪われた熱交換媒体は、熱交換媒体循環配管36を介して熱交換部31bに戻り、再び燃焼排ガスによって加熱される。このような処理を繰り返すことによって、燃料電池FCの暖機が行われる。
そして、ステップS7に進み、制御装置50は、遮断弁15,24を開いて、燃料電池FCに水素と空気を供給する。なお、水素と空気の供給を開始するタイミングは、燃料電池FCの起動(IG−ON)時のシステム温度などに基づいて判断するようにしてもよい。つまり、システム温度が低い場合には、暖機時間が長くかかるので、燃料電池FCへの水素と空気の供給開始を遅らせ、システム温度が比較的高い場合には、暖機時間が短くなるので、水素と空気の供給開始を早めることができる。
そして、ステップS8(ガス置換手段に相当)に進み、制御装置50は、OCVチェックを開始する。なお、このOCV(Open Circuit Voltage;開回路電圧)チェックとは、燃料電池FCが発電を行う前に、発電可能な状態かどうかを判断するために必要な手順で、例えば開回路電圧(開放端電圧ともいう)を用いて判断する。このOCVは、電圧計45から得られる電圧値Vによって判断される。また、ステップS8において、燃料ガス流通路を水素で置換する場合には、パージ弁17を開くことにより行われる。これは、ソーク中(システム停止中)にアノード系10内の水素濃度が低下することがあり、水素濃度が低いと燃料電池FCの安定発電が行えなくなるからである。
そして、ステップS9に進み、制御装置50は、OCVチェックが完了したか否かを判断する。なお、OCVチェック完了の条件としては、例えば電圧値Vが所定電圧を超えたことにより判断することができる。また、OCVチェック完了の条件は、タイマーによって所定時間が経過したことにより判断してもよい。
ステップS9において、OCVチェックがまだ完了していないと判断した場合には(No)、ステップS10に進み、燃料電池FCの暖機が完了したか否かを判断する。なお、暖機完了の条件としては、例えばシステム温度が所定温度を超えたことにより判断することができる。
ステップS10において、燃料電池FCの暖機が完了していないと判断した場合には(No)、ステップS9に戻り、暖機が完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS12に進み、水素インジェクタ38を閉じて燃焼器31への水素の供給を停止する。なお、図1に示す実施形態では、燃焼器31への空気は完全に停止できないが、燃焼器31への水素の供給が停止することにより燃焼排ガスが生成されることはない。
なお、カソード供給配管21と空気導入配管33との分岐部に三方弁を設けて、暖機完了(ステップS10、Yes)後に、燃焼器31への空気の供給を完全に停止できるようにしてもよい。
そして、ステップS13に進み、制御装置50は、OCVチェックが完了したか否かを判断する。ステップS13において、OCVチェックが完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS14に進み、燃料電池FCの発電を開始する。すなわち、制御装置50は、電圧制御器41に対して燃料電池FCから電流を取り出す指令を発して、電圧制御器41は、走行モータ、蓄電装置42、各種補機に電流を供給する。
本実施形態では、図3(b)に示すように、暖機運転と同時にOCVチェック(ガス置換)を実行しているので、暖機完了(S10、Yes)と同時にOCVチェックが完了(S13、Yes)して、図3(a)に示す暖機運転後にOCVチェックをする場合(従来例)に比べて起動時間を短縮することができ、暖機後直ちに燃料電池FCの発電を開始することができる。
また、ステップS9において、OCVチェックが完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS11(電流取出手段に相当)に進み、燃料電池FCから微弱な電流を取り出す処理を実行する。つまり、図3(c)に示すように、燃料電池FCの暖機が完了する前にOCVチェックが完了すると、暖機が完了するまでに燃料電池FCに対して負荷を引いていない状態で燃料電池FCに水素と空気が供給され続けることになる。その結果、燃料電池FC内において水素と空気中の酸素とが反応して、燃料電池FCが所定時間(t)高電位状態に曝されることになり、燃料電池FCの性能が低下することになる。
そこで、本実施形態では、ステップS11に示すように、暖機完了前にOCVチェックが完了した場合には、燃料電池FCから微弱の電流を引く処理を行うことにより、燃料電池FCが高電位状態に曝されるのを防止して燃料電池FCの性能低下を防止できるようになる。
なお、ステップS10において燃料電池FCの暖機は完了したが(S10、Yes)、もし万が一OCVチェックが完了していない場合には(S13、No)、OCVチェックが完了するまでステップS13の処理を繰り返す。そして、OCVチェックが完了したら(S13、Yes)、燃料電池の発電を開始する(ステップS14)。
また、ステップS1において、燃料電池FCの暖機が必要でないと判断した場合には(No)、ステップS2に進み、遮断弁15,24をそれぞれ開いて、燃料電池FCへ水素と空気の供給を開始する。そして、ステップS3に進み、パージ弁17を開いた状態で、OCVチェックを開始する。これにより、燃料ガス流通路内の空気が徐々に水素に置換されて、電圧計45から得られる電圧が上昇していく。そして、ステップS4に進み、OCVチェックが完了したか否かを判断し、前記電圧が所定電圧でないと判断したときには(No)、ステップS4の処理を繰り返し、前記電圧が所定電圧であると判断したときに(Yes)、燃料電池FCの発電を開始する(ステップS14)。
(第2実施形態)
図4は第2実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。この燃料電池システム1Bは、燃料電池FCと燃焼器31とを直列に配置した構成であり、直列に配置した点以外で第1実施形態と異なる点は、遮断弁24が設けられていない点である。その他の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態の燃料電池システム1Bの動作についても、図2に示すフローとほぼ同様であるので、フローの図示を省略する。異なる点は、燃料電池FCと燃焼器31とが直列に接続され、燃焼器31に空気が供給される際に燃料電池FCを通って空気が供給されるため、ステップS7では、燃料電池FCには、水素のみの供給が開始されることになる。
第2実施形態の場合にも、第1実施形態と同様に、起動時間を短くすることができるため、暖機完了後直ちに燃料電池FCの発電を開始することができる。
なお、本発明は前記した各実施形態に限定されるものではなく、外部加熱手段として、燃焼器31に替えて、例えば電気ヒータを用いて燃料電池FCを暖機するようにしてもよい。
また、第1実施形態において、遮断弁15,24を設けずに、暖機必要時に燃焼器31への水素および空気の供給開始と同時に、燃料電池FCへの水素および空気の供給を開始するようにしてもよい。
ところで、第1実施形態および第2実施形態の燃料電池システム1A,1Bにおいて、OCVチェックを実施する際には、燃料電池FCのアノード系10内を水素置換するため、パージ弁17を開く(以下、OCVパージと略記する)必要がある。このOCVパージを実施するとパージ弁17を通って水素が系外(例えば、車外)に排出されることになる。このOCVパージと同時に、燃料電池FCの暖機を実施するために燃焼器31に水素を供給すると、燃焼器31から未燃焼の水素が吹き抜けてしまった場合、燃焼器31から排出される水素とOCVパージによって排出される水素とによって一時的に排出水素濃度が上昇するという問題がある。そこで、このような問題を解決すべく、以下に示す制御を実施するに至った。図5は起動時の別の制御を示すフローチャート、図6は燃料電池の起動から発電までのタイミングチャートであり、(a)は従来における制御、(d)〜(f)は本実施形態における制御である。なお、以下の説明では、主として、第1実施形態の燃料電池システム1Aを例に挙げて説明する。
まず、燃料電池自動車のイグニッションスイッチ(図示せず)がオフ(遮断弁15,24が閉、および循環ポンプ37が停止)からオンに切替えられると(IG−ON)、ステップS101において、制御装置50は、燃料電池FCの暖機が必要であるか否かを判断する。なお、暖機が必要か否かの判断は、第1実施形態と同様な条件で判断される。燃料電池FCの暖機が必要でない場合には(S101、No)、ステップS102、ステップS103、ステップS104、ステップS121を実行する。なお、ステップS102は、図2のステップS2に相当する処理、ステップS103は、図2のステップS3に相当する処理、ステップS104は、図2のステップS4に相当する処理、ステップS121は、図2のステップS14に相当する処理である。
一方、ステップS101において、燃料電池FCの暖機が必要であると判断された場合には(Yes)、ステップS105に進み、制御装置50は、燃焼器31が運転中であるか、つまり燃焼器31に水素が供給中であるか否かを判断する。燃焼器31が運転中の場合には、制御装置50は、水素インジェクタ38の噴射口を開いて空気導入配管33に水素を噴射するとともに、エアコンプレッサ23のモータを回転させて空気導入配管33に空気を供給して、燃焼器31に水素と空気の混合ガスを供給する。これにより、燃焼器31内において触媒燃焼が行われ、触媒燃焼によって発生した熱で燃料電池FCと燃焼器31との間を循環する熱交換媒体が加熱され、加熱された熱交換媒体の熱によって燃料電池FCが暖められる。
そして、制御装置50は、ステップS105において、燃焼器31が運転中であると判断した場合には(Yes)、ステップS106に進み、燃焼器31による燃焼が完了したか否かを判断する。ちなみに、燃焼とは、燃料電池FCの暖機運転の一部の処理であり、燃焼器31に水素と空気が供給されて触媒燃焼が行われている状態であり、燃焼完了とは、燃料電池FCが充分に暖められて燃焼器31をそれ以上触媒燃焼させる必要がない状態である。なお、燃焼完了は、燃料電池FCの温度によって判断することができる。具体的には、燃料電池FCの熱交換媒体の流路出口に温度センサ(図示せず)を設けておき、この温度センサから得られる温度によって判断できる。
制御装置50は、ステップS106において、燃焼が完了していないと判断した場合には(No)、ステップS106の処理を繰り返し、燃焼が完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS107に進み、燃焼器31への水素の供給を停止する。すなわち、水素インジェクタ38の噴射口を閉じて、燃焼器31への水素の供給を停止する。なお、空気については、例えば燃焼器31を冷却するために供給し続けていてもよい。
そして、ステップS108に進み、制御装置50は、燃料電池FCへの水素と空気の供給を開始する。すなわち、制御装置50は、遮断弁15を開いて燃料電池FCのアノード3に水素を供給するとともに、遮断弁24を開いて燃料電池FCのカソード4に空気を供給する。
燃料電池FCへの水素および空気の供給が開始されると、ステップS109に進み、制御装置50は、OCVチェック(ガス置換)を開始する。OCVチェックでは、燃料ガス流通路を水素で置換する必要があるので、制御装置50によってパージ弁17が開閉制御される。これにより、燃料電池FCでは、水素と空気中の酸素とが反応して、燃料ガス流通路が徐々に水素に置換されるにしたがって(水素濃度が高まるにつれて)、電圧計45から得られる電圧値(OCV;開回路電圧)が徐々に上昇していく。
そして、ステップS110に進み、制御装置50は、OCVチェックが完了したか否かを判断する。OCVチェックの完了判断は、電圧計45からの検出値(開回路電圧)が所定値を超えたか否かで判断することができる。ステップS110において、制御装置50は、OCVチェックが完了していないと判断した場合には(No)、ステップS110の処理を繰り返し、またOCVチェックが完了したと判断した場合には(Yes)、燃料電池FCの発電を開始する(ステップS121)。すなわち、制御装置50は、電圧制御器41に対して燃料電池FCから電流を取り出す指令を発して、電圧制御器41は、走行モータ、蓄電装置42、各種補機に電流を供給する。
このようにステップS101,S105,S106,S107,S108,S109,S110,S121に示す一連の制御は、図6(d)に示すように、暖機運転の後半において同時にOCVチェックを実施する処理であり、燃焼器31への水素の供給停止(ステップS107)後、つまり燃焼器31へ水素が供給されていないときにOCVチェック(ガス置換)が行われるので、OCVパージによって排出される水素と、燃焼時に燃焼器31から排出される未燃焼の水素とが同時に排出されることがないので、高濃度の水素が系外に排出されるのを防止できる。
また、図5に示すステップS105において、制御装置50は、燃焼器31が運転中ではないと判断した場合には(No)、つまり燃焼器31に水素が供給されていないと判断したときには、ステップS111に進み、燃料電池FCへの水素と空気の供給を開始する。ステップS111は、前記したステップS108の処理と同様にして処理される。そして、ステップS112に進み、OCVチェックを開始する。このステップS112は、ステップS109と同様である。
そして、ステップS113に進み、OCVチェックが完了したか否かを判断する。OCVチェックの完了判断は、ステップS110と同様である。ステップS113において、制御装置50は、OCVチェックが完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS116に進み、燃焼器31への水素と空気の供給を開始する。すなわち、水素インジェクタ38の噴射口を開いて空気導入配管33に水素を噴射するとともに、空気導入配管33に空気を供給して、燃焼器31に水素と空気の混合ガスを供給する。なお、このとき、遮断弁15を開いたままにしておき燃料電池FCのアノード3への水素の供給を継続し、遮断弁24を開いたままにしておき燃料電池FCのカソード4への空気の供給を継続する。これにより、燃焼器31内において触媒燃焼が行われ、加熱された熱交換媒体の熱によって燃料電池FCが暖められる。
そして、ステップS117に進み、燃焼器31による燃焼が完了したか否かを判断する。このステップS117は、前記したステップS106と同様であり、制御装置50は、ステップS117において、燃焼が完了していないと判断した場合には(No)、ステップS117の処理を繰り返し、燃焼が完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS118に進み、燃焼器31への水素の供給を停止する。これにより、燃焼器31での触媒燃焼が停止する。
そして、ステップS119に進み、制御装置50は、OCVチェックが完了したか否かを判断する。なお、ステップS111,S112,S113,S116,S117,S118の一連の処理では、ステップS113において、OCVチェックが完了しているので、ステップS119においては、すでにOCVチェックが完了している(Yes)と判断して、ステップS121に進み、燃料電池FCの発電を開始する。
このようにステップS101,S105,S111,S112,S113,S116,S117,S118,S119,S121に示す一連の制御は、図6(e)に示すように、暖機運転の前半において同時にOCVチェックを実施する処理であり、燃焼器31の運転中ではなく(ステップS105、No)かつ燃焼器31への水素と空気の供給開始(ステップS116)前、つまり燃焼器31へ水素が供給されていないときにOCVチェック(ガス置換)が行われるので、OCVパージによって排出される水素と、暖機時に燃焼器31から排出される未燃焼の水素と、が同時に排出されることがないので、高濃度の水素が系外に排出されるのを防止できる。
また、図6(e)に示すパターンの制御では、燃焼器31に水素を供給する前にOCVチェックすることにより、その後の燃焼器31の運転中、燃料電池FC内は水素や空気(反応ガス)で満たされた状態となるので、燃料電池FCの電極に用いられている触媒が反応ガスに曝され続け、その後の燃料電池FCの発電において、初期の触媒の活性を向上させることができる。
また、図5に示すステップS113において、制御装置50は、OCVチェックが完了していないと判断した場合には(No)、ステップS114に進み、イグニッションスイッチ(図示せず)をオン(IG−ON)にしてから所定時間が経過したか否かを判断する。制御装置50は、ステップS114において所定時間が経過していないと判断した場合には(No)、ステップS113に戻る。また、ステップS114において、制御装置50は、IG−ONから所定時間が経過していると判断した場合には(Yes)、ステップS115に進み、OCVチェックを中断する。
そして、ステップS116に進み、制御装置50は、ステップS116,S117,S118の処理を実行し、ステップS119において、OCVチェックが完了したか否かを判断する。なお、ステップS111,S112,S113,S114,S115,S116,S117,S118の一連の処理では、ステップS115において、OCVチェックを中断しているので、ステップS119においては、OCVチェックが完了していない(No)と判断して、ステップS120に進み、OCVチェックを再開する。なお、ステップS119に戻り、OCVチェックが完了していない場合には(No)、ステップS120において、OCVチェックを継続する。
そして、ステップS119において、制御装置50は、OCVチェックが完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS121に進み、燃料電池FCの発電を開始する。
このようにステップS101,S105,S111,S112,S113,S114,S115,S116,S117,S118,S119,S120,S121に示す一連の制御は、図6(f)に示すように、暖機運転の前半と後半において同時にOCVチェックを実施する処理であり、燃焼器31への水素と空気の供給開始(ステップS116)前と燃焼器31への水素の供給停止(ステップS118)後、つまり、いずれも燃焼器31に水素が供給されていないときにOCVチェック(ガス置換)が行われるので、OCVパージによって排出される水素と、暖機時に燃焼器31から排出される未燃焼の水素と、が同時に排出されることがないので、高濃度の水素が系外に排出されるのを防止できる。
また、図6(f)に示すパターンの制御では、燃焼器31での触媒燃焼が開始されるまでにOCVチェックによるガス置換が終わらず、その続きを触媒燃焼後に行うとしても、先(前半)のOCVチェック時にある程度燃料電池FCの内部に水素が留められているので、燃料電池FCの電極に用いられている触媒を活性化させることが可能になる。また、前半のOCVチェックにより燃料電池FCの触媒がある程度活性化しているので、後半にOCVチェックを行うとしても、OCVチェックの時間を短くすることができ、エネルギ消費(パージ弁17の開閉によるものなど)を抑えることが可能になる。
(第3実施形態)
図7は第3実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図、図8は起動時の制御を示すフローチャートである。なお、第3実施形態の燃料電池システム1Cは、第1実施形態の燃料電池システム1Aに、希釈器60、排ガス排出配管(排ガス排出流通路)61、水素濃度センサ62を追加した以外は、燃料電池システム1Aと同じであり、同一の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
前記希釈器60は、例えば、内部に中空部を備えた容器であり、アノード排出配管12およびカソード排出配管22と接続され、アノード排出配管12から排出された水素をカソード排出配管22から排出されるカソードオフガス(空気や水など)で希釈する機能を有している。
前記排ガス排出配管61は、希釈器60の下流に接続され、系外(例えば、車外)と連通するように構成されている。
前記水素濃度センサ62は、希釈器60から排出されるガスに含まれる水素濃度を検出するガス濃度測定装置であり、希釈器60の下流側に接続された排ガス排出配管61に設けられている。また、水素濃度センサ62は、制御装置50と接続され、制御装置50は、水素濃度センサ62の検出値(水素濃度)に基づいて、OCVチェックの実施可否を判断するようになっている。
前記燃料電池システム1Cにおける起動時の制御について図8を参照しながら説明する。なお、燃料電池FCの暖機が必要か否かのステップS1(図2参照)については、図示を省略する。
燃料電池FCの暖機が必要とされた場合には、図8に示すように、ステップS500において、制御装置50は、水素インジェクタ38の噴射口を開いて、燃焼器31への水素供給を開始するとともに、エアコンプレッサ23を駆動して、燃焼器31への空気供給を開始し、燃焼器31を運転する(ステップS510)。そして、ステップS520に進み、水素濃度センサ62から得られる検出値(水素濃度)が予め決められた所定値以下であるか否かを判断する。
ステップS520において、制御装置50は、水素濃度(ガス濃度)が所定値以下でないと判断した場合には(No)、ステップS510に戻る。また、ステップS520において、制御装置50は、水素濃度が所定値以下であると判断した場合には(Yes)、ステップS530に進み、遮断弁15を開いて燃料電池FCのアノード3に水素を供給するとともに、遮断弁24を開いて燃料電池FCのカソード4に空気を供給する。そして、ステップS540に進み、OCVチェックを開始する。
ステップS550に進み、制御装置50は、再度、水素濃度が所定値以下であるか否かを判断する。ここで、水素濃度を再度チェックするのは、OCVチェック開始によってパージ弁17を介して水素が排出されるからである。ステップS550において、制御装置50は、水素濃度が所定値以下でないと判断した場合には(No)、ステップS560に進み、遮断弁15,24を閉じて、燃料電池FCへの水素および空気の供給を停止する。また、ステップS550において、制御装置50は、水素濃度が所定値以下であると判断した場合には(Yes)、ステップS570に進み、OCVチェックが完了したか否かを判断する。
ステップS570において、制御装置50は、OCVチェックが完了していないと判断した場合には(No)、ステップS550に戻り、OCVチェックが完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS580に進み、燃料電池FCの暖機が完了したか否かを判断する。燃料電池FCの暖機が完了していない場合には(No)、ステップS580の処理を繰り返し、燃料電池FCの暖機が完了したと判断した場合には(Yes)、ステップS590に進み、燃焼器31への水素および空気の供給を停止する。
そして、ステップS600に進み、制御装置50は、電圧制御器41に対して燃料電池FCから電流を取り出す指令を発して、電圧制御器41は、走行モータ、蓄電装置42、各種補機に電流を供給するようにして燃料電池FCの発電を開始する。
このように、第3実施形態の燃料電池システム1Cでは、水素濃度センサ62により検出される水素濃度が高い場合には、OCVチェックのためのガス置換に伴う水素排出が行われないため、系外に排出される水素濃度(ガス濃度)を所定値以下に保つことができる。また、水素濃度が所定値以下の場合には、図10に示したように、燃焼器31の運転と並行してOCVチェックを実施できるため、燃料電池FCの発電開始時間を短縮することができる。
なお、第3実施形態において、燃料電池FCの暖機が完了する前に、OCVチェックが完了した場合には、第1実施形態と同様に、燃料電池から電流を引く(ステップS11)ようにしてもよい。
また、前記した各実施形態では、カソード系20のカソード供給配管21に遮断弁24を設ける構成を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、カソード供給配管21と空気導入配管33との接続部分に三方弁を設け、または空気導入配管33に遮断弁を設けて、燃焼器31への空気の供給を完全に遮断できるようにしてもよい。
また、本実施形態では、燃料ガス流通路について、空気を水素に置換する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、酸化剤ガス流通路のみに掃気ガスとしての窒素が残留している場合には、窒素が空気に置換されることでOCVチェックが実行され、または燃料ガス流通路と酸化剤ガス流通路の双方に掃気ガスとして窒素が残留している場合には、燃料ガス流通路内の窒素が水素に置換されるとともに酸化剤ガス流通路内の窒素が空気に置換されることでOCVチェックが実行される。
第1実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。 第1実施形態の燃料電池システムにおける起動時の制御を示すフローチャートである。 燃料電池の起動から発電までのタイミングチャートであり、(a)は従来での制御、(b)および(c)は本実施形態での制御である。 第2実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。 起動時の別の制御を示すフローチャートである。 燃料電池の起動から発電までのタイミングチャートであり、(a)は従来での制御、(d)〜(f)は本実施形態での制御である。 第3実施形態の燃料電池システムを示す全体構成図である。 第3実施形態での起動時の制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1A,1B 燃料電池システム
11 アノード供給配管
12 アノード排出配管
13 循環配管
14 水素タンク(燃料ガス供給手段)
21 カソード供給配管
22 カソード排出配管
23 エアコンプレッサ(酸化剤ガス供給手段)
31 燃焼器
50 制御装置
61 排ガス排出配管(排ガス排出流通路)
62 水素濃度センサ(ガス濃度測定装置)
a1,a2 流路
FC 燃料電池

Claims (6)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとの反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料ガスを前記燃料電池に供給する燃料ガス供給手段と、
    前記酸化剤ガスを前記燃料電池に供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池を、この燃料電池とは異なる外部の熱源により加熱する外部加熱手段と、
    前記燃料電池の起動時に、前記燃料ガスが流通する燃料ガス流通路および前記酸化剤ガスが流通する酸化剤ガス流通路の少なくとも一方において、前記燃料ガス流通路内を前記燃料ガスで置換し、前記酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスで置換するガス置換手段と、
    前記燃料電池の起動時に、前記外部加熱手段の運転と同時に前記ガス置換手段によりガス置換を実行後、前記燃料電池の発電を開始する燃料電池起動手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記外部加熱手段は、前記燃料ガスと前記酸化剤ガスとを触媒燃焼させる燃焼器であり、
    前記燃料ガス供給手段は、前記燃料電池の起動時に、前記燃料ガスを前記燃料電池および前記燃焼器に供給し、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料電池の起動時に、前記酸化剤ガスを前記燃料電池および前記燃焼器に供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池は、前記外部加熱手段により暖機され、この暖機が完了した後に発電が開始され、
    前記外部加熱手段により前記暖機が完了する前に、前記ガス置換手段によるガス置換が完了したときに前記燃料電池から電流を引き出す電流取出手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃焼器に燃料ガスが供給されていないときにガス置換を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記燃焼器および前記燃料電池から排出される排ガスを排出する排ガス排出流通路と、
    前記排ガス排出流通路内に備えられ、排ガスに含まれる燃料ガスのガス濃度を測定するガス濃度測定装置と、を有し、
    前記ガス濃度が所定値以下のときにガス置換を行うことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 燃料ガス供給手段から燃料ガスが、酸化剤ガス供給手段から酸化剤ガスが供給されて発電を行う燃料電池と、前記燃料電池を外部の熱源により加熱する外部加熱手段と、を備える燃料電池システムの起動方法であって、
    前記燃料電池の起動時に、燃料ガス流通路内を前記燃料ガスでガス置換し、酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスでガス置換し、または前記燃料ガス流通路内を前記燃料ガスでおよび前記酸化剤ガス流通路内を前記酸化剤ガスでガス置換するステップと、
    前記燃料電池の起動時に、前記外部加熱手段の運転と同時に前記ガス置換を実行後、前記燃料電池の発電を開始するステップと、を備えることを特徴とする燃料電池システムの起動方法。
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