JP2006019121A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】水素循環方式の燃料電池システムにおいて、システム起動時の水素系の水素置換に伴う排出水素量を抑制しながら短時間の起動を実現することができるようにする。
【解決手段】水素系の循環経路5に電気化学的水素ポンプ6を設置し、この電気化学的水素ポンプ6の入口極側に、循環経路5内のガスを外部に排出するための開閉弁7を接続する。システム起動時には、コントロールユニット20が、水素タンク2からの水素供給を開始させるとともに、電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値を検出し、検出した電気化学的水素ポンプ6の電圧値を用いて水素系内におけるガスの分布状態を推定して、その推定結果に応じて開閉弁7の開閉を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池のアノード出口から排出されたアノード排ガスをアノード入口側へと循環させて再利用する水素循環方式の燃料電池システムに関し、特に、システム起動時の水素系の水素置換に伴う排出水素量を抑制しながら短時間の起動を実現するための技術に関する。
燃料電池システムは、燃料電池の燃料極(アノード)に水素を含む燃料ガス、酸化剤極(カソード)に空気等の酸化剤ガスをそれぞれ供給し、これら燃料ガス中の水素と酸化剤ガス中の酸素とを燃料電池内において電気化学的に反応させて発電電力を得るものである。
このような燃料電池システムでは、燃料電池内部のガス入口側から出口側に亘る全ての領域で均等に電気化学反応を生じさせて効率の良い発電を行わせるために、燃料電池のアノードには、要求される発電量に見合う水素量よりも多目の水素を供給するのが一般的である。このとき、燃料電池のアノードから排出されるガスには、発電に使用されなかった未使用の水素が多く含まれており、このアノード排ガスをそのまま外部に排出したのでは水素の利用効率が悪く、燃費の低下に繋がることになる。そこで、従来より、燃料電池のアノードから排出されるアノード排ガスを循環させて再利用することで、水素の利用効率を高めるようにした水素循環方式の燃料電池システムが提案されている。
また、このような水素循環方式の燃料電池システムでは、アノード排ガスの循環を繰り返す中で、燃料電池のカソードからアノード側へと透過してきた窒素や、燃料ガス中に含まれる不純物等が徐々に蓄積されていき、水素分圧低下によって燃料電池の発電効率が低下していくことが知られており、このような水素分圧低下による燃料電池の発電効率低下を防止するために、アノード排ガスが流れる循環経路に開閉弁を接続し、この開閉弁を周期的に開閉させて不純物が蓄積されたアノード排ガスを循環経路の外部に排出することで、不純物濃度の上昇を抑えることが一般的に行われている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、燃料電池システムの運転を停止させた後、特に長時間運転せずに放置した場合を考えると、燃料電池のアノードやここに燃料ガスとしての水素を供給するための水素系内の水素が徐々に外部に拡散して空気に置き換わった状態となっていることが想定される。そして、次のシステム起動時に、このような状態のままで燃料電池への燃料ガスや酸化剤ガスの供給を開始して、直ぐに燃料電池からの電流取り出しを開始すると、安定した電力取り出しが行えないばかりか、燃料電池の損傷を招く要因となることも懸念される。
そこで、従来より、燃料電池システムの起動に際して、水素系の排出弁を開いた状態で燃料ガスの供給を行って燃料電池のアノードや水素系の配管内部の空気を水素で置換し、水素濃度が十分に高まった段階で燃料電池からの電流取り出しを開始させることが提案されており(例えば、特許文献2参照。)、水素循環方式の燃料電池システムでは、通常、このシステム起動時における水素系の水素置換を行う際に、循環経路に接続した開閉弁を開放するようにしている。
特開2003−151592号公報 特開平11−97047号公報
しかしながら、前記特許文献2に記載の技術をはじめ、システム起動時に水素系の水素置換を行う従来の技術では、水素系内の水素濃度が十分に高まったかどうかを精度良く判断することが難しく、循環経路に接続した開閉弁等の水素系の排出弁を必要以上に開状態に維持させて、燃料ガスである水素を無駄に外部に排出してしまっている場合が多かった。
例えば、前記特許文献2に記載の技術では、燃料電池の出力電圧がある一定電圧以上となったときに水素系の水素濃度が十分に高まったと判断して排出弁を開から閉に切り替えるようにしているが、システム起動時で燃料電池からの電流取り出しを開始する前の段階では、水素系の水素濃度が低い状態でも燃料電池の電圧は上昇するため、燃料電池の出力電圧から水素系内の水素濃度を正確に判断することは困難で、排出弁を開から閉に切り替える時期に誤差が生じてしまう場合が多く、また、実際に燃料電池から電流を取り出す時期も正確に判断できないという問題があった。
本発明は、以上のような従来の実情に鑑みて創案されたものであって、水素循環方式の燃料電池システムにおいて、システム起動時の水素系の水素置換に伴う排出水素量を抑制しながら短時間の起動を実現することができる新規な構成の燃料電池システムを提供することを目的としている。
本発明の燃料電池システムは、燃料電池のアノード出口から排出されたアノード排ガスをアノード入口側へと循環させて再利用する水素循環方式の燃料電池システムである。このような水素循環方式の燃料電池システムにおいて、本発明では、前記目的を達成するために、アノード排ガスが流れる循環経路に電気化学的水素ポンプを設置して、この電気化学的水素ポンプの入口極側に排出手段を接続するようにし、また、システム起動時における前記排出手段の動作を制御するための起動制御手段を備える構成としている。
本発明の燃料電池システムにおいて、循環経路に設置される電気化学的水素ポンプは、電解質膜を挟んで入口極と出口極とが対設されてなり、電解質膜に電流を流すことで入口極に供給されたアノード排ガス中の水素を選択的に出口極へと移動させるものである。また、電気化学的水素ポンプの入口極側に接続される排出手段は、循環経路内のガスを外部に排出させるためのものである。また、起動制御手段は、システム起動時に、燃料電池のアノードへの水素供給を開始させるとともに、電気化学的水素ポンプを作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプの電圧値を検出し、検出した当該電気化学的水素ポンプの電圧値を用いて水素系内におけるガスの分布状態を推定して、その推定結果に応じて排出手段の動作を制御する。
本発明の燃料電池システムによれば、電気化学的水素ポンプを作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプの電圧値を用いて水素系内におけるガスの分布状態を推定するようにしているので、水素系内におけるガスの分布状態を精度良く推定することができ、その推定結果に応じて電気化学的水素ポンプの入口極側に接続した排出手段の動作を制御するので、必要な場合にのみ最適な水素置換操作を行うことができ、水素系の水素置換に伴う排出水素量を抑制しながら短時間の起動を実現することができる。
以下、本発明を適用した燃料電池システムの具体的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料電池システムの概略構成を示すものである。この燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを燃料電池1に供給して燃料電池1内部での電気化学反応により発電電力を得るものであり、主に、発電を行う燃料電池1と、この燃料電池1に燃料ガスである水素を供給するための水素系、酸化剤ガスである空気を供給するための空気系、燃料電池1の温度調整のための冷却系とを備えている。
燃料電池1は、水素が供給される燃料極(アノード)1aと、空気が供給される空気極(カソード)1bとが電解質を挟んで重ね合わされて構成される発電セルを主要な構成要素とするものであり、例えば、複数の発電セルが多段積層されたスタック構造とされている。
燃料電池1の各発電セルは、水素供給系から供給される水素と空気供給系から供給される空気中の酸素とによる電気化学反応により化学エネルギを電気エネルギに変換する。すなわち、各発電セルのアノード1aでは、水素供給手段から水素が供給されることで水素イオンと電子とに解離する反応が起き、水素イオンは電解質を通り、電子は外部回路を通って電力を発生させ、カソード1b側にそれぞれ移動する。一方、カソード1bでは、空気供給系から供給された空気中の酸素と前記水素イオン及び電子が反応して水が生成され、外部に排出される。
燃料電池1の電解質としては、高エネルギ密度化、低コスト化、軽量化等を考慮して、例えば固体高分子電解質膜が用いられる。固体高分子電解質膜は、例えばフッ素樹脂系イオン交換膜等、イオン(プロトン)伝導性の高分子膜からなるものであり、飽和含水することによりイオン伝導性電解質として機能する。
水素供給系は、燃料電池1の各発電セルのアノード1aに燃料ガスである水素を供給するためのものであり、例えば、水素供給源としての水素タンク2を備え、この水素タンク2から取り出した水素を水素調圧弁3で所望の圧力に調整し、水素供給経路4を通して燃料電池1のアノード1aへと供給する。また、本実施形態の燃料電池システムは、燃料電池1のアノード1a出口から排出されるアノード排ガスをアノード1a入口側へと循環させて再利用する水素循環方式の燃料電池システムとして構成されており、燃料電池1のアノード1a出口側とアノード1a入口側の水素供給経路4とを繋ぐように、アノード排ガスが流れる循環経路5が接続されている。そして、特に、本実施形態の燃料電池システムでは、このアノード排ガスが流れる循環経路5に、従来一般的に用いられていた機械的な水素ポンプに代えて電気化学的水素ポンプ6が設置され、また、電気化学的水素ポンプ6の入口極側に、循環経路5内のガスを外部に排出するための排出手段として、開閉弁7が接続されている。
電気化学的水素ポンプ6は、電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型の燃料電池1と同様の構造を有するものであり、図2に示すように、固体高分子電解質膜を挟んで入口極6aと出口極6bとが対設されたポンプセルを主要な構成要素とし、例えば、複数のポンプセルが多段積層されたスタック構造とされている。そして、この電気化学的水素ポンプ6は、各ポンプセルの入口極6a側が燃料電池1のアノード1a出口側、各ポンプセルの出口極6b側が燃料電池1のアノード1aの入口側に繋がるように、循環経路5中に設置されている。
具体的には、電気化学的水素ポンプ6の各ポンプセルには、入口極6a側にガス導入部8及びガス導出部9が設けられ、出口極側6bにはガス導出部10のみが設けられている。そして、燃料電池1のアノード1a出口から排出されたアノード排ガスが、入口極6a側のガス導入部8からポンプ内部に導入され、出口極6b側へと移動しなかったアノード排ガスが入口極6a側のガス導出部9からポンプ外部へと導かれる。前記開閉弁7は、この入口極6a側のガス導出部9に接続されている。また、入口極6aから出口極6b側へと移動したアノード排ガス(水素)は、出口極6b側のガス導出部10からポンプ外部へ導出され、燃料電池1のアノード1a入口へと導かれる。
電気化学的水素ポンプ6の各ポンプセルでは、駆動回路11の作動により固体高分子電解質膜に電流が流されることで、入口極6a側に供給されるアノード排ガス中の水素を選択的に固体高分子膜を透過させて出口極6b側へと移動させる。すなわち、各ポンプセルの入口極6a側では、ガス導入部8から導入されたアノード排ガス中の水素が水素イオンと電子とに解離する反応が起き、水素イオンは固体高分子電解質膜を通過し、電子は駆動回路11によってポンプ外部を流され、それぞれ出口極6b側へと移動する。そして、出口極6b側で、固体高分子電解質膜を通過した水素イオンと駆動回路11によりポンプ外部を流された電子とが結合して水素が生成され、出口極6b側のガス導出部10から燃料電池1のアノード1a入口へと導かれる。
以上のように、電気化学的水素ポンプ6は、アノード排ガス中の水素を選択的に取り出して燃料電池1のアノード1a入口側へと送る機能を有しており、この電気化学的水素ポンプ6により取り出された水素は、水素供給経路4と循環経路5とが合流する位置にて水素タンク2から新たに取り出された水素と混合されて、燃料電池1のアノード1aに供給される。したがって、循環経路5に電気化学的水素ポンプ6を設置して、この電気化学的水素ポンプ6の動作によりアノード排ガスを循環させる構成とすることによって、従来一般的に用いられていた機械的な水素ポンプでアノード排ガスを循環させる場合に比べて、燃料電池1のアノード1a入口には、水素濃度の高い、すなわち不純物濃度の低い燃料ガスが供給されることになる。
また、電気化学的水素ポンプ6によりアノード排ガス中の水素を選択的に取り出して燃料電池1のアノード1a入口側へと送ることにより、アノード排ガス中の不純物は、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側におけるガス導出部9近傍に蓄積されていくことになる。したがって、この不純物の濃度が高まるタイミングでこの入口極6a側のガス導出部9に接続した開閉弁7を開放することによって、不純物を選択的に循環経路5の外部に排出することが可能となる。
空気供給系は、燃料電池1の各発電セルのカソード1bに酸化剤ガスである空気を供給するためのものであり、例えば、空気供給源としてのエアコンプレッサ12を備え、このエアコンプレッサ12で外気を吸入して空気供給経路13を通して燃料電池スタック1のカソード1bへと供給する。また、燃料電池スタック1のカソード1b出口側には空気排気経路14が接続され、燃料電池スタック1のカソード1bで消費されなかった酸素及び空気中の他の成分は、この空気排気経路14から排出される。また、空気排気経路14には空気調圧弁15が設けられており、この空気調圧弁15によって燃料電池スタック1のカソード1bに供給される空気の圧力が調整される。
冷却系は、燃料電池1の作動温度が最適温度となるように燃料電池1の温度調整を行うためのものであり、冷却液ポンプ16の駆動によって、例えば水にエチレングリコール等の凍結防止剤を混入した冷却液を冷却液循環経路17内で循環させ、燃料電池1に供給する構成となっている。冷却液循環経路17にはラジエータ18が設置されており、燃料電池1の熱を吸熱して高温の状態で燃料電池1から排出された冷却液は、このラジエータ18を通過する過程で放熱し、冷却される。
また、本実施形態の燃料電池システムには、当該燃料電池システム全体の動作制御を司るコントロールユニット20が設けられており、このコントロールユニット20が、図示しない各種センサからの出力に基づいて各部の状態を把握し、燃料電池システムに要求される発電電力を実現できる最適な動作状態となるように、システム内の各部の動作制御等を行うようになっている。そして、特に本実施形態の燃料電池システムにおいては、このコントロールユニット20が起動制御手段として機能し、システム起動時における動作制御を実現している。
具体的には、コントロールユニット20は、システム起動時における動作制御の一環として、水素系内におけるガスの分布状態を推定し、必要に応じて水素系の開閉弁7を開いた状態で水素タンク2からの水素の供給を行って燃料電池1のアノード1aや水素系の配管内部の空気を水素で置換する、いわゆる水素置換操作を行うようにしている。そして、この水素置換操作によって燃料電池1のアノード1aや水素系の配管内部の水素濃度が十分に高まった段階で燃料電池1からの電流取り出しを開始させるようにしている。ここで、水素系内におけるガスの分布状態を推定する手法として、コントロールユニット20は、水素系の循環経路5に設置した電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値を用いて水素系内におけるガスの分布状態を推定するようにしている。
このため、本実施形態の燃料電池システムでは、図2に示すように、電気化学的水素ポンプ6を駆動するための駆動回路11に電圧センサ21が接続されており、この電圧センサ21により電気化学的水素ポンプ6の電圧をモニタリングできるようになっている。
以上が本実施形態の燃料電池システムの基本的な構成であるが、次に、本実施形態の燃料電池システムにおいて特徴的なコントロールユニット20によるシステム起動時の動作制御について、水素系内におけるガスの分布状態と対応付けながら説明する。
先ず、起動前のシステム停止期間が非常に長く、水素系内のほぼ全域が空気に置き換わっている場合(以下、このような状態をパターン1という。)について説明する。
コントロールユニット20は、システム起動時に、先ず、水素タンク2からの水素の供給を開始させるとともに、電圧センサ21により電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値をモニタし、この電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であるかどうかを判定する。ここで、パターン1の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6aと出口極6bとの双方が空気で満たされているので、電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値は十分小さい値となり、所定の閾値電圧以下であると判定されることになる。
電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であると判定した場合、コントロールユニット20は、次に、駆動回路11の動作を制御して、電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させ、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を検出する。そして、検出した電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であるかどうかを判定する。ここで、パターン1の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6aに水素が無いことにより、所定の検査用電圧を印加したときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値は大きくなり、第1の所定値を越えていると判定されることになる。
所定の検査用電圧を印加したときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値を越えていると判定した場合、コントロールユニット20は、開閉弁7を開いた状態で水素タンク2からの水素の供給を継続させ、水素系内の空気を水素に置換する。そして、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側が水素で満たされた状態となると、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が下がってくるので、これを利用して、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下となった段階で水素置換が終了したと判断し、開閉弁7を開から閉に切り替える。
その後、電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して、当該電気化学的水素ポンプ6による水素の循環を開始させるとともに、燃料電池1からの電流取り出しを開始させる。
次に、起動前のシステム停止期間が短く、水素系内が十分な濃度の水素で満たされている場合(以下、このような状態をパターン2という。)について説明する。
コントロールユニット20は、システム起動時に、先ず、水素タンク2からの水素の供給を開始させるとともに、電圧センサ21により電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値をモニタし、この電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であるかどうかを判定する。ここで、パターン2の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6aと出口極6bとの双方が水素で満たされているので、パターン1の場合と同様に電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値は十分小さい値となり、所定の閾値電圧以下であると判定されることになる。
電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であると判定した場合、コントロールユニット20は、次に、駆動回路11の動作を制御して、電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させ、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を検出する。そして、検出した電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であるかどうかを判定する。ここで、パターン2の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6aに十分な濃度の水素が存在するので電流が流れ、所定の検査用電圧を印加したときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値は低い値を示し、第1の所定値以下であると判定されることになる。
所定の検査用電圧を印加したときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であると判定した場合、コントロールユニット20は、水素置換操作の必要がないと判断して、開閉弁7を閉じた状態とする。その後、電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して、当該電気化学的水素ポンプ6による水素の循環を開始させるとともに、燃料電池1からの電流取り出しを開始させる。
次に、起動前のシステム停止期間が上述したパターン1とパターン2の中間の場合について考える。この場合には、例えば開閉弁7にノーマルオープンのものが用いられ、また、電気化学的水素ポンプ6が循環経路5の上流側に設置されていると、システム停止中に電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側から先に水素が空気に置き換わっていくことになるので、システム停止期間の長さによっては、電気化学的水素ポンプ6を挟んでその入口極6a側が空気、出口極6b側が水素で満たされた状態(以下、このような状態をパターン3という。)となる場合もある。また、電気化学的水素ポンプ6が循環経路5の下流側に設置されている場合には、逆に電気化学的水素ポンプ6を挟んでその入口極6a側が水素、出口極6b側が空気で満たされた状態(以下、このような状態をパターン4という。)となる場合も考えられる。
先ず、パターン3の場合について説明する。この場合も、コントロールユニット20は、システム起動時に、先ず、水素タンク2からの水素の供給を開始させるとともに、電圧センサ21により電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値をモニタし、この電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であるかどうかを判定する。ここで、パターン3の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側が空気、出口極6b側が水素で満たされているので、電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値は十分に大きい値となり、所定の閾値電圧を越えていると判定されることになる。
電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧を越えていると判定した場合、コントロールユニット20は、次に、検出された電気化学的水素ポンプ6の電圧値の正負、すなわち電気化学的水素ポンプ6の入口極6aと出口極6bとでどちらの電位が高くなっているのかを判定する。ここで、パターン3の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側が空気、出口極6b側が水素で満たされているので、入口極6a側の電位が高くなっていると判定されることになる。
電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側の電位が高くなっていると判定した場合、コントロールユニット20は、開閉弁7を開いた状態で水素タンク2からの水素の供給を継続させ、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側の空気を水素に置換する。その後、電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下にまで低下したかどうかを判定し、閾値電圧以下にまで低下したら、次に、駆動回路11の動作を制御して、電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させ、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を検出する。そして、検出した電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であるかどうかを判定し、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下となった段階で水素置換が終了したと判断し、開閉弁7を開から閉に切り替える。
その後、電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して、当該電気化学的水素ポンプ6による水素の循環を開始させるとともに、燃料電池1からの電流取り出しを開始させる。
次に、パターン4の場合について説明する。この場合も、コントロールユニット20は、システム起動時に、先ず、水素タンク2からの水素の供給を開始させるとともに、電圧センサ21により電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値をモニタし、この電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であるかどうかを判定する。ここで、パターン4の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側が水素、出口極6b側が空気で満たされているので、電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値は十分に大きい値となり、所定の閾値電圧を越えていると判定されることになる。
電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧を越えていると判定した場合、コントロールユニット20は、次に、検出された電気化学的水素ポンプ6の電圧値の正負、すなわち電気化学的水素ポンプ6の入口極6aと出口極6bとでどちらの電位が高くなっているのかを判定する。ここで、パターン4の場合には、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側が水素、出口極6b側が空気で満たされているので、出口極6b側の電位が高くなっていると判定されることになる。
電気化学的水素ポンプ6の出口極6b側の電位が高くなっていると判定した場合、コントロールユニット20は、開閉弁7を閉じた状態で水素タンク2からの水素の供給を継続させ、駆動回路11の動作を制御して、電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させ、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を検出する。そして、検出した電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であるかどうかを判定し、第1の所定値を越えていれば水素系内の水素濃度が不十分であると判断して、開閉弁7を閉から開に切り替えて水素タンク2からの水素の供給を継続させ、水素置換操作を行う。そして、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下となった段階で水素置換が終了したと判断し、開閉弁7を開から閉に再度切り替える。
その後、電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して、当該電気化学的水素ポンプ6による水素の循環を開始させるとともに、燃料電池1からの電流取り出しを開始させる。
次に、本実施形態の燃料電池システムにおいて、システム起動時にコントロールユニット20により実行される制御フローの一例について、図3のフローチャートを参照しながら説明する。
本制御フローがスタートすると、コントロールユニット20は、先ず、ステップS101において、水素供給源である水素タンク2から燃料電池スタック1のアノード1aへの水素の供給を開始させる。また、ステップS102において、電圧センサ21により電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値を検出し、ステップS103において、ステップS102で検出した電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であるかどうかを判定する。
ここで電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下である場合には、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン1とパターン2の何れかであると判断して次のステップS104に進み、電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧を越えている場合には、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン3かパターン4の何れかであると判断して、ステップS109に進む。
ステップS104では、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン1であるのかパターン2であるのかを判断するために、駆動回路11の動作を制御して、電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させる。そして、ステップS105において、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を検出し、ステップS106において、ステップS105で検出した電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であるかどうかを判定する。
ここで電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値を越えている場合には、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン1であると判断してステップS107に進み、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下の場合には、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン2であると判断してステップS108に進む。
水素系内のガスの分布状態が上述したパターン1であると判断した場合には、コントロールユニット20は、次にステップS107において、開閉弁7が閉じた状態であればこれを開いた状態とし、水素タンク2から供給される水素で水素系内の空気を水素に置換する。そして、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側が水素で満たされた状態となると、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が下がってくるので、ステップS106で電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下にまで低下したかどうかを再度判定し、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下となった段階で水素置換が終了したと判断し、次のステップS108において、開閉弁7を開から閉に切り替える。
一方、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン2であると判断した場合には、コントロールユニット20は、開閉弁7が開いた状態であればステップS108においてこれを閉じた状態とし、水素置換操作は行わない。
また、ステップS103で電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧を越えていると判定してステップS109に進んだ場合には、次に、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン3であるのかパターン4であるのかを判断するために、ステップS109において、ステップS102で検出された電気化学的水素ポンプ6の電圧値の正負、すなわち電気化学的水素ポンプ6の入口極6aと出口極6bとでどちらの電位が高くなっているのかを判定する。
ここで電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側の電位が高くなっている場合には、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン3であると判断してステップS110に進み、電気化学的水素ポンプ6の出口極6b側の電位が高くなっている場合には、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン4であると判断してステップS111に進む。
水素系内のガスの分布状態が上述したパターン3であると判断した場合には、コントロールユニット20は、次にステップS110において、開閉弁7が閉じた状態であればこれを開いた状態とし、水素タンク2から供給される水素で電気化学的水素ポンプ6の入口極側の空気を水素に置換する。その後、ステップS102以降の処理を繰り返し、電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下にまで低下したら、電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させ、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下となった段階で水素置換が終了したと判断し、ステップS108において開閉弁7を開から閉に切り替える。
一方、水素系内のガスの分布状態が上述したパターン4であると判断した場合には、コントロールユニット20は、次にステップS111において、開閉弁7が開いた状態であればこれを閉じた状態とし、ステップS104において電気化学的水素ポンプ6に対して所定の検査用電圧を印加させ、そのときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値を越えていれば水素系内の水素濃度が不十分であると判断して開閉弁7を閉から開に切り替え、水素置換操作を行う。そして、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下となった段階で水素置換が終了したと判断し、ステップS108において開閉弁7を開から閉に再度切り替える。
上述したパターン1からパターン4の何れの場合においても、ステップS108で開閉弁7が閉じた状態とされると、次に、ステップS112において、駆動回路11を作動させて電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給し、電気化学的水素ポンプ6による水素の循環を開始させる。そして、ステップS113において、燃料電池1からの電流取り出しを開始させ、システム起動時における一連の処理が終了する。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムによれば、システム起動時に、コントロールユニット20が、電気化学的水素ポンプ6を作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプ6の電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下であるかどうか、また、所定の閾値電圧を越えている場合には入口極6aと出口極6bのどちらの電位が高いか、更には所定の検査用電圧を印加したときの電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第1の所定値以下であるかどうかを判断基準として、水素系内のガス分布状態が上述したパターン1からパターン4の何れの状態にあるかを判定し、それに応じて最適な動作制御を行うようにしているので、システム起動時の水素系の水素置換に伴う排出水素量を最小限に抑制しながら、必要最小限の起動時間で燃料電池1の発電を開始させることができる。
なお、以上説明した燃料電池システムの構成は、本発明を適用した具体的な一例を示したものであり、様々な変形が可能であることは勿論である。例えば、上述した例では、循環経路5内のガスを外部に排出するための排出手段として開閉弁7を用いているが、開閉弁7に代えて可変絞り弁を用い、システム起動時に、この可変絞り弁の開度調整により水素置換操作を行うようにしてもよい。
また、以上説明したコントロールユニット20によるシステム起動時の動作制御は、本発明を適用した具体的な一例を示したものであり、様々な変形が可能であることは勿論である。例えば、上述した例では、開閉弁7を閉じた後に、電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して水素の循環を開始させて、この水素の循環開始とほぼ同時に燃料電池1からの電流取り出しを開始させるようにしているが、水素の循環開始初期では水素系内の水素濃度が未だ均一な状態となっていないことも考えられるので、ある程度水素の循環が進行した後、具体的には、例えば電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して水素の循環を開始させてから所定時間が経過した段階、或いは一連のシステム起動制御の中で電気化学的水素ポンプ6に対して供給した電気量の総量(電気化学的水素ポンプ6に対する供給電気量)が所定量以上となった段階で、燃料電池1からの電流取り出しを開始させるようにしてもよい。これらの場合には、上述した例と比較すると起動時間が多少長くなるが、起動直後の燃料電池1の作動安定性を高めることが可能となる。
また、水素系内の水素濃度が不均一となっている場合には、水素の循環を開始させた後に燃料電池1のアノード1a内の水素濃度が低下して、燃料電池1の作動安定性を低下させる要因となることも想定される。このような場合を考えると、水素の循環を開始させた後にも水素系内の水素濃度が低下したときには水素置換操作を行い、水素濃度が十分に高まった段階で燃料電池1からの電流取り出しを開始させることも有効である。この場合の具体的な制御例については、第2の実施形態として以下に説明する。
(第2の実施形態)
本実施形態の燃料電池システムは、構成及びシステム起動時の動作制御の基本的な流れを上述した第1の実施形態と同様とし、一連のシステム起動制御の中で、電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して水素の循環を開始させた後にも水素系内の水素濃度が低下したときには水素置換操作を行い、水素濃度が十分に高まった段階で燃料電池1からの電流取り出しを開始させるようにしたものである。以下、第1の実施形態と同様の部分についての重複した説明は省略し、本実施形態に特徴的な部分についてのみ説明する。
本実施形態の燃料電池システムにおいて、システム起動時にコントロールユニット20により実行される制御フローの一例について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。
本制御フローのステップS201からステップS212までの処理は、第1の実施形態で説明したステップS101からステップS112までの処理と同様である。本制御フローでは、ステップS213で電気化学的水素ポンプ6に所定電流を供給して水素の循環を開始させた後、燃料電池1からの電流取り出しを直ぐに開始させるのではなく、ステップS213において、所定電流を供給した状態での電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を検出するようにしている。
ここで、水素の循環を開始させた後に水素系内の水素濃度が低下して、電気化学的水素ポンプ6の入口極6a側で十分な水素濃度が得られていない場合には、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値は高い値を示すことになる。これを利用して、ステップS214では、ステップS213で検出した電気化学的水素ポンプ6の抵抗値を第2の所定値と比較して、第2の所定値以下であれば開閉弁7を閉のままに維持する一方、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第2の所定値を越えていれば、開閉弁7を閉から開に切り替えて水素置換操作を行い、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第2の所定値以下にまで低下した段階で、水素置換が終了したと判断して開閉弁7を閉状態に戻す。
そして、ステップS215において、開閉弁7が所定時間以上継続的に閉じた状態となっているか、すなわち電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第2の所定値以下の状態が所定時間以上維持できたかどうかを判定し、電気化学的水素ポンプ6の抵抗値が第2の所定値以下の状態が所定時間以上維持できた段階で、ステップS216に進んで燃料電池1からの電流取り出しを開始させる。
以上説明したように、本実施形態の燃料電池システムによれば、システム起動時に、上述した第1の実施形態と同様の手法で水素系内のガスの分布状態を判定し、それに応じて最適な動作制御を行うようにしているので、第1の実施形態と同様に、水素系の水素置換に伴う排出水素量を抑制しながら短時間の起動を実現できるといった効果が得られる。更に、本実施形態の燃料電池システムでは、水素の循環を開始させた後にも水素系内の水素濃度が低下したときには水素置換操作を行い、水素濃度が十分に高まった段階で燃料電池1からの電流取り出しを開始させるようにしているので、起動直後の燃料電池1の作動安定性を高めることができる。
本発明を適用した第1の実施形態の燃料電池システムの概略構成を示す図である。 電気化学的水素ポンプの各ポンプセルの構造を示す模式図である。 前記第1の実施形態の燃料電池システムにおいて、システム起動時に実行される動作制御の流れを示すフローチャートである。 本発明を適用した第2の実施形態の燃料電池システムにおいて、システム起動時に実行される動作制御の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池
1a アノード
1b カソード
5 循環経路
6 電気化学的水素ポンプ
6a 入口極
6b 出口極
7 開閉弁
11 駆動回路
20 コントロールユニット
21 電圧センサ

Claims (9)

  1. 燃料電池のアノード出口から排出されたアノード排ガスをアノード入口側へと循環させて再利用する水素循環方式の燃料電池システムにおいて、
    前記アノード排ガスが流れる循環経路に、電解質膜を挟んで入口極と出口極とが対設されてなり、前記電解質膜に電流を流すことで入口極に供給されたアノード排ガス中の水素を選択的に出口極へと移動させる電気化学的水素ポンプが設置されていると共に、
    前記電気化学的水素ポンプの入口極側に、前記循環経路内のガスを外部に排出するための排出手段が接続され、
    システム起動時に、前記燃料電池のアノードへの水素供給を開始させるとともに、前記電気化学的水素ポンプを作動させない状態での当該電気化学的水素ポンプの電圧値を検出し、検出した当該電気化学的水素ポンプの電圧値を用いて水素系内におけるガスの分布状態を推定して、その推定結果に応じて前記排出手段の動作を制御する起動制御手段を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記排出手段が開閉弁よりなることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記起動制御手段は、前記電気化学的水素ポンプを作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプの電圧値の絶対値が所定の閾値電圧以下の場合には、当該電気化学的水素ポンプに所定の検査用電圧を印加してそのときの当該電気化学的水素ポンプの抵抗値を検出し、
    検出した抵抗値が第1の所定値以下であれば前記開閉弁を閉じた状態とするとともに、
    検出した抵抗値が前記第1の所定値を越えていれば、前記開閉弁を開いた状態で前記燃料電池のアノードへの水素供給を継続させ、抵抗値が前記第1の所定値以下となった段階で前記開閉弁を開から閉に切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記起動制御手段は、前記電気化学的水素ポンプを作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプの電圧値の絶対値が所定の閾値電圧を越えている場合には、当該電気化学的水素ポンプの入口極と出口極とのどちらの電位が高いかを判定し、
    入口極側の電位が高い場合には、前記開閉弁を開いた状態で前記燃料電池のアノードへの水素供給を継続させ、前記電気化学的水素ポンプを作動させない状態で検出される当該電気化学的水素ポンプの電圧値の絶対値が前記閾値電圧以下となったときに、当該電気化学的水素ポンプに所定の検査用電圧を印加してそのときの当該電気化学的水素ポンプの抵抗値を検出し、検出した抵抗値が第1の所定値以下となった段階で前記開閉弁を開から閉に切り替えると共に、
    出口極側の電位が高い場合には、前記開閉弁を閉じた状態で前記燃料電池のアノードへの水素供給を継続させ、当該電気化学的水素ポンプに所定の検査用電圧を印加してそのときの当該電気化学的水素ポンプの抵抗値を検出し、検出した抵抗値が前記第1の所定値を越えていれば、前記開閉弁を閉から開に切り替えて前記燃料電池のアノードへの水素供給を継続させ、抵抗値が前記第1の所定値以下となった段階で前記開閉弁を開から閉に再度切り替えることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  5. 前記起動制御手段は、前記開閉弁を閉状態とした後に、前記電気化学的水素ポンプに所定電流を供給するとともに、前記燃料電池からの電流取り出しを開始させることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記起動制御手段は、前記開閉弁を閉状態とした後に、前記電気化学的水素ポンプに所定電流を供給するとともに、前記電気化学的水素ポンプに対する所定電流の供給を開始してから所定時間が経過した段階で、前記燃料電池からの電流取り出しを開始させることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  7. 前記起動制御手段は、前記開閉弁を閉状態とした後に、前記電気化学的水素ポンプに所定電流を供給するとともに、前記電気化学的水素ポンプに対する供給電気量が所定量以上となった段階で、前記燃料電池からの電流取り出しを開始させることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  8. 前記起動制御手段は、前記開閉弁を閉状態とした後に、前記電気化学的水素ポンプに所定電流を供給するとともに、そのときの当該電気化学的水素ポンプの抵抗値を検出し、検出した抵抗値が第2の所定値を越えていれば前記開閉弁を閉から開に切り替え、抵抗値が前記第2の所定値以下となった段階で前記開閉弁を開から閉に再度切り替えることを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料電池システム。
  9. 前記起動制御手段は、前記電気化学的水素ポンプに所定電流を供給したときの当該電気化学的水素ポンプの抵抗値が第2の所定値以下の状態が所定時間以上維持できた段階で、前記燃料電池からの電流取り出しを開始させることを特徴とする請求項8に記載の燃料電池システム。
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