JP2008293755A - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】触媒燃焼器から水素が排出されたとしても、水素濃度の高いガスが外部に排出されることを防止可能な燃料電池システム及びその運転方法を提供する。
【解決手段】水素及び空気が供給されることで発電する燃料電池スタック10と、空気を供給するコンプレッサ31と、燃料電池スタック10に冷媒を循環させる冷媒循環系と、水素及び空気を触媒燃焼し、循環する冷媒を加熱する触媒燃焼器70と、触媒燃焼器70から排出された排気ガスが流れる配管70cと、コンプレッサ31から送られるガスが排気ガス中の未燃焼の水素を希釈する希釈用ガスとして流れる配管33aと、を備え、システム起動時に、燃料電池スタック10を暖機すると判定された場合、触媒燃焼器70が冷媒を介して燃料電池スタック10を暖機する燃料電池システム1であって、コンプレッサは、触媒燃焼器70が準備モードでの運転中、配管33aに希釈用ガスを供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池システム及びその運転方法に関する。
近年、水素(燃料ガス)がアノードに、酸素(酸化剤ガス)がカソードに、それぞれ供給されることで、電気化学反応が生じ発電する固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池の開発が盛んである。燃料電池は、その発電電力によって走行する燃料電池自動車や、家庭用電源など広範囲で適用されつつあり、今後もその適用範囲の拡大が期待されている。
このような燃料電池を良好に発電させるには、アノード及びカソードにおける電極反応が良好に進むように、アノード等に含まれる触媒等に依存する好適発電温度(PEFCの場合、70〜80℃)に暖機することが好ましい。そこで、触媒燃焼器によって、水素及び空気(酸素)を触媒燃焼させて燃焼熱を発生し、この燃焼熱を利用して燃料電池を暖機する燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2003−243009号公報
しかしながら、燃料電池が低温であり、その暖機が必要である場合、触媒燃焼器も低温である。よって、この場合、触媒燃焼器に内蔵される触媒温度も低温であるため、触媒燃焼器に供給される水素及び空気の全てが触媒燃焼反応によって消費されず、未燃焼の水素が外部に排出され、触媒燃焼器の排気ガス中の水素濃度が高くなる虞がある。
また、水素及び空気の触媒燃焼によって水蒸気が生成するため、システム起動時に、前回の触媒燃焼時に生成した水蒸気が触媒燃焼器内に残留し、この残留水分(結露水等)が触媒表面に付着していると、触媒と水素及び空気との接触面積が狭くなる。そうすると、触媒燃焼が良好に進まず、未燃焼の水素が触媒燃焼器から排出されてしまう虞がある。
そこで、本発明は、触媒燃焼器から未燃焼の水素等の燃料ガスが排出されたとしても、燃料ガス濃度の高いガスが外部に排出されることを防止可能な燃料電池システム及びその運転方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池を経由するように熱交換流体を循環させる熱交換流体循環手段と、燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、循環する熱交換流体を加熱すると共に、複数のモードで運転する触媒燃焼器と、前記触媒燃焼器から排出された排気ガスが流れる排気ガス管と、前記酸化剤ガス供給手段から送られるガスが前記排気ガス中の未燃焼の燃料ガスを希釈する希釈用ガスとして流れる希釈用ガス管と、を備え、システム起動時に、前記燃料電池を暖機する場合、前記触媒燃焼器が熱交換流体を介して前記燃料電池を暖機する燃料電池システムであって、前記触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度(後記する実施形態では上限水素濃度C2)以上になる虞のあるモード(後記する実施形態では準備モード)で運転中、前記酸化剤ガス供給手段は、前記希釈用ガス管にガスを供給することを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードで運転中、酸化剤ガス供給手段が希釈用ガス管にガスを供給する。これにより、触媒燃焼器から未燃焼の燃料ガスが排出されたとしても、酸化剤ガス供給手段からのガスによって希釈される。したがって、燃料ガス濃度の高いガスが外部に排出されることを防止できる。
また、前記希釈用ガス管の上流端は、前記燃料電池における酸化剤ガス流路の出口に接続されており、前記燃料電池及び前記触媒燃焼器は、前記酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されていることを特徴とする燃料電池システムである。
ここで、燃料電池及び触媒燃焼器は、酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されているとは、1つの酸化剤ガス供給手段から吐出される酸化剤ガスが、分岐して燃料電池と触媒燃焼器とに供給されるように、燃料電池及び触媒燃焼器が配置されていることを意味する。
このような燃料電池システムによれば、酸化剤ガス供給手段で圧縮により高温となった酸化剤ガスが、燃料電池の酸化剤ガス流路を経由して、希釈用ガス管に供給される。したがって、酸化剤ガス供給手段が燃料ガスを希釈するため希釈用ガス管にガスを供給すると、高温の酸化剤ガスが酸化剤ガス流路を経由することになり、この高温の酸化剤ガスによって燃料電池を暖機することができ、暖気時間を短縮することができる。また、燃焼電池が凍結していた場合、このような高温の酸化剤ガスが供給されることで、解氷することもできる。
また、前記燃料電池のカソードの下流側に配置され、前記カソードに供給される酸化剤ガスの圧力及び流量を制御する背圧弁を備え、前記酸化剤ガス供給手段は、前記背圧弁の開度に対応して、酸化剤ガスの流量を補正することを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、背圧弁によって、燃料電池のカソードに供給される酸化剤ガスの圧力及び流量を制御することができる。また、酸化剤ガス供給手段が、背圧弁の開度に対応して、吐出する酸化剤ガスの流量を補正するので、背圧弁の開度の制御前後において、触媒燃焼器に供給される酸化剤ガスの流量を一定にすることもできる。
また、前記触媒燃焼器の下流側に配置され、当該触媒燃焼器から排出された未燃焼の燃料ガスの濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段、を備え、前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が所定濃度(後記する実施形態では基準水素濃度C1)以上である場合、前記燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量を増加させることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が、外部に排出されるガスを希釈するべき所定濃度以上である場合、酸化剤ガス供給手段が、燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量を増加させる。これにより、燃料電池から排出され、希釈用ガス管を流れる酸化剤ガスの流量が増加するので、触媒燃焼器から排出された未燃焼の燃料ガスを確実に希釈し、燃料ガス濃度の高いガスが外部に排出されることを防止できる。
また、燃料電池を経由する高温の酸化剤ガスの流量が増加するので、燃料電池の暖機を進めることもできる。
また、前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が高いほど、前記燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量の増加量を多くすることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、燃料ガス濃度が高いほど、燃料電池に供給される酸化剤ガスの流量、つまり、燃料電池から排出され排気ガスを希釈する希釈用ガスの流量が増加するので、外部に排出されるガス中の燃料ガスを適切に希釈することができる。
また、前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が所定濃度未満である場合、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給しないことを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、燃料ガスの濃度が所定濃度未満である場合、酸化剤ガス供給手段が燃料電池に酸化剤ガスを供給しないので、酸化剤ガス供給手段の消費エネルギ(後記する実施形態ではコンプレッサ31の消費電力)を抑えると共に、その作動音も低下させることができる。
また、前記触媒燃焼器が備える触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、前記触媒温度検出手段が検出する触媒の温度に基づいて、触媒が所定温度に到達したか否かを判定する触媒温度判定手段と、を備え、前記酸化剤ガス供給手段は、前記触媒温度判定手段によって触媒が所定温度に到達したと判定された場合、前記燃料電池への酸化剤ガスの供給を停止する燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、触媒温度判定手段によって、触媒が所定温度に到達し、触媒燃焼器から未燃焼の燃料ガスが排出されくい状態になったと判定された場合、酸化剤ガス供給手段が、燃料電池への酸化剤ガスの供給を停止する。これにより、酸化剤ガス供給手段の作動エネルギを抑えると共に、その作動音も低下させることができる。
また、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードでの前記触媒燃焼器の運転開始に連動して、前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料電池への酸化剤ガスの供給を開始することを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードでの運転を開始することに連動して、酸化剤ガス供給手段が、燃料電池への酸化剤ガスの供給を開始する。
これにより、触媒燃焼器から未燃焼の燃料ガスが排中されたとしても、この未燃焼の燃料ガスは希釈用ガス管を流れている酸化剤ガス供給手段からのガスによって希釈される。したがって、燃料ガス濃度の高いガスが外部に排出されることは防止される。
また、前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、前記燃料電池を経由するように熱交換流体を循環させる熱交換流体循環手段と、燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、循環する熱交換流体を加熱すると共に、複数のモードで運転する触媒燃焼器と、前記触媒燃焼器から排出された排気ガスが流れる排気ガス管と、前記酸化剤ガス供給手段から送られるガスが前記排気ガス中の未燃焼の燃料ガスを希釈する希釈用ガスとして流れる希釈用ガス管と、を備え、システム起動時に、前記燃料電池を暖機する場合、前記触媒燃焼器が熱交換流体を介して前記燃料電池を暖機する燃料電池システムの運転方法であって、前記触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度(後記する実施形態では上限水素濃度C2)以上になる虞のあるモード(後記する実施形態では準備モード)で運転中、前記酸化剤ガス供給手段から前記希釈用ガス管にガスを供給することを特徴とする燃料電池システムの運転方法である。
このような燃料電池システムの運転方法によれば、触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードで運転中、酸化剤ガス供給手段から希釈用ガス管にガスを供給する。これにより、触媒燃焼器から未燃焼の燃料ガスが排出されたとしても、酸化剤ガス供給手段からのガスによって希釈される。したがって、燃料ガス濃度の高いガスが外部に排出されることを防止できる。
また、前記希釈用ガス管の上流端は、前記燃料電池における酸化剤ガス流路の出口に接続されており、前記燃料電池及び前記触媒燃焼器は、前記酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されていることを特徴とする燃料電池システムの運転方法である。
このような燃料電池システムの運転方法によれば、酸化剤ガス供給手段で圧縮により高温となった酸化剤ガスが、燃料電池の酸化剤ガス流路を経由して、希釈用ガス管に供給される。したがって、酸化剤ガス供給手段が燃料ガスを希釈するため希釈用ガス管にガスを供給すると、高温の酸化剤ガスが酸化剤ガス流路を経由することになり、この高温の酸化剤ガスによって燃料電池を暖機することができる。
本発明によれば、触媒燃焼器から水素が排出されたとしても、水素濃度の高いガスが外部に排出されることを防止可能な燃料電池システム及びその運転方法を提供することができる。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費等する電力消費系と、燃料電池スタック10を経由するように冷媒(熱交換流体)を循環させる冷媒循環系(熱交換流体循環手段)と、循環する冷媒を加熱する冷媒加熱系と、IG81(イグニッション)と、これらを電子制御するECU90(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層して構成されたスタックであり、複数の単セルは直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソードとを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体から主に構成されると共に、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路11(燃料ガス流路)、カソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。そして、アノード流路11を介して各アノードに水素が供給され、カソード流路12を介して各カソードに空気が供給されると、電極反応が起こり、各単セルで電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、OCVが所定OCV以上となった状態で、発電要求があり、後記するコンタクタ43がONされ、VCU42が制御され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
また、第1実施形態では、燃料電池スタック10と触媒燃焼器70とは、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段)に対して、並列で配置されている。そして、コンプレッサ31からの空気が、後記する背圧弁32及び空気導入弁63が適宜に開閉されることにより、燃料電池スタック10及び触媒燃焼器70に適宜に振り分けられるようになっている。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21と、遮断弁22と、エゼクタ23と、パージ弁24(排出弁)とを備えている。
水素タンク21は、配管21a、遮断弁22、配管22a、エゼクタ23、配管23aを介して、アノード流路11の入口に接続されている。そして、ECU90からの指令によって遮断弁22が開かれると、水素が、水素タンク21から、遮断弁22等を経由して、アノード流路11に供給されるようになっている。
アノード流路11の出口は、配管24a、パージ弁24、配管24bを介して、後記する希釈器33に接続されている。また、配管24aの途中は、配管24cを介してエゼクタ23に接続されている。
パージ弁24は、ECU90によって制御される開閉弁であり、燃料電池スタック10の発電中は閉じられる設定となっている。これにより、アノード流路11から排出された未反応の水素を含むアノードオフガスは、配管24cを介してエゼクタ23に戻されるようになっている。そして、戻された水素は、再びアノード流路11に供給され、水素が循環するようになっている。すなわち、燃料電池システム1は、水素を循環させる水素循環系を備えており、水素が効率的に利用されるようになっている。
一方、循環する水素に同伴する不純物(水蒸気、窒素等)が多くなり、燃料電池スタック10及び/又は単セルの出力が下がった場合、不純物を排出するため、パージ弁24は開かれ、アノードオフガスが希釈器33に供給されるようになっている。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段)と、背圧弁32と、希釈器33(希釈装置)と、サイレンサ34(消音器)と、水素センサ35(燃料ガス濃度検出手段)とを備えている。
コンプレッサ31は、配管31aを介して、カソード流路12の入口に接続されており、ECU90の指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込み、カソード流路12に供給するようになっている。また、配管31aには加湿器(図示しない)が設けられており、カソード流路12に供給される空気が適宜に加湿されるようになっている。
さらに、コンプレッサ31は、後記するポンプ53と、電動モータ等の動力源(図示しない)を共有している。つまり、この動力源の駆動軸周りにコンプレッサ31及びポンプ53の羽根車がそれぞれ固定されており、コンプレッサ31及びポンプ53は同期するように設計されている。そして、このように動力源を共有しているので、システム構成が簡易となっている。
カソード流路12の出口は、配管32a、背圧弁32、配管32bを介して、希釈器33に接続されており、燃料電池スタック10のカソードから排出されたカソードオフガスが希釈器33に供給されるようになっている。つまり、背圧弁32は、燃料電池スタック10の下流側に配置されており、また、例えばバラフライ弁から構成され、その開度を自由に変更可能となっている。そして、ECU90によって背圧弁32の開度が制御されることで、コンプレッサ31から燃料電池スタック10のカソード流路12(カソード)に供給される空気の圧力及び流量が、制御されるようになっている。
希釈器33は、パージ弁24が開かれることでアノード系から導入されるアノードオフガスと、カソード流路12から排出されたカソードオフガス(酸化剤ガス、希釈用ガス)とを混合し、アノードオフガス中の水素を希釈する機器であり、これらガスを混合し、水素を希釈するための希釈空間を備えている。そして、希釈器33で希釈された後のガスは、配管33a、サイレンサ34、配管34aを介して、車外(外部)に排出されるようになっている。
なお、システム起動時において、燃料電池スタック10の暖機中は、燃料電池スタック10からアノードオフガスは排出されず、コンプレッサ31からの空気は、カソード流路12、希釈器33等を通って、配管33aに向かうようになっている。
また、サイレンサ34は、カソード系を流れるガス中を伝達するコンプレッサ31の作動音を低減するものである。
ここで、第1実施形態では、後記する準備モードにおいて、触媒燃焼器70から排出された未燃焼の水素を希釈するため、希釈用ガスとしてのカソードオフガスが流れる希釈用ガス管は、配管32a、32b、33aを備えて構成されている。そして、この希釈用ガス管の上端は、カソード流路12の出口に接続されている。
水素センサ35は、水素濃度を検出するセンサであり、配管33a上であって、配管33aと後記する触媒燃焼器70から排出された排気ガスが流れる配管70cとの接続点よりも下流側に配置されている。すなわち、水素センサ35は、触媒燃焼器70の下流側に配置されている。
そして、水素センサ35は、配管33aを流れるガス中の水素濃度C11を検出するようになっている。また、水素センサ35はECU90と接続されており、ECU90は水素濃度C11を検知するようになっている。
<電力消費系>
電力消費系は、燃料電池スタック10の発電電力を消費等する系であって、走行モータ41と、VCU42(Voltage Control Unit)と、コンタクタ43とを備えている。VCU42は、燃料電池スタック10の出力電力(電流、電圧)を制御する機器であって、DC/DCチョッパ等を備えている。コンタクタ43は、燃料電池スタック10とVCU42及び走行モータ41との電気的接続をON/OFFするスイッチである。走行モータ41は、燃料電池自動車の動力源であって、三相交流電流を発生させるPDU(Power Drive Unit、図示しない)、VCU42、コンタクタ43を順に介して、燃料電池スタック10の出力端子に接続されている。
そして、ECU90がコンタクタ43をONした状態で、アクセルペダル82等からの発電要求に応じてVCU42を制御すると、燃料電池スタック10から電流が取り出され、燃料電池スタック10が発電し、走行モータ41が回転するようになっている。一方、コンタクタ43がOFFされている場合、燃料電池スタック10から電流が取り出されないので、燃料電池スタック10が発電することはない。
その他、電力消費系は、蓄電装置や、DC/DCコンバータ等(いずれも図示しない)を備えている。蓄電装置は、燃料電池スタック10の余剰発電電力や、走行モータ41からの回生電力を蓄えたり、燃料電池スタック10の発電電力が低い場合、その充電電力を放電し燃料電池スタック10を補助するものである。DC/DCコンバータは、前記蓄電装置に充放電される電力を適宜に昇降圧するものである。
また、コンプレッサ31、ポンプ53、遮断弁22、パージ弁24等も電力消費系に含まれ、前記蓄電装置及び/又は燃料電池スタック10を電源として作動するようになっている。このため、アクセルペダル82等から発電要求がなくても、コンプレッサ31等の補機を作動する必要がある場合、これに応じて、ECU90は燃料電池スタック10を発電させるようになっている。
<冷媒循環系>
冷媒循環系は、燃料電池スタック10の冷媒流路13を経由するように、エチレングリコール等の冷媒を循環させる系であって、ラジエータ51と、サーモスタット52と、ポンプ53と、三方弁54と、温度センサ55とを備えている。
冷媒流路13の出口は、配管52a、サーモスタット52、配管52b、ポンプ53、配管53a、三方弁54、配管54aを介して、冷媒流路13の入口に接続されている。そして、ポンプ53がECU90の指令に従って作動すると、冷媒が循環するようになっている。
三方弁54(切替手段)は、ECU90に制御され、配管53aと、配管54a又は後記する配管70aとを連通させることができ、循環する冷媒を触媒燃焼器70を経由させるか否かを切り替え可能となっている。なお、システム起動時において、触媒燃焼器70によって燃料電池スタック10を暖機する場合、冷媒が配管53a、70aを通って、触媒燃焼器70に向かうように、三方弁54は制御される。
ただし、循環する冷媒の触媒燃焼器70の経由/迂回を切替可能であれば三方弁54に限定されず、例えば、配管54a、70aにそれぞれ開閉弁を設け、これらを適宜に開閉する構成としてもよい。
配管52aの途中は、配管51a、ラジエータ51、配管51bを介して、サーモスタット52に接続されている。サーモスタット52は、冷媒の温度が低い場合は閉じ、配管52aと配管52bとを連通させるように構成されている。一方、冷媒の温度が高くなると、サーモスタット52は開き、配管51bと配管52bとが連通し、高温の冷媒がラジエータ51で冷却されるようになっている。
温度センサ55は、冷媒流路13から排出された直後の冷媒の温度を、燃料電池スタック10の温度Twとして検出するセンサであり、配管52aに設けられている。そして、温度センサ55はECU90と接続されており、ECU90は温度センサ55からの検出信号によって燃料電池スタック10の温度Twを検知するようになっている。
<冷媒加熱系>
冷媒加熱系は、循環する冷媒を加熱する系であって、水素導入弁61と、水素供給手段62(例えばインジェクタ)と、空気導入弁63と、ミキサ64(混合器)と、触媒燃焼器70とを備えている。
空気導入弁63の上流側は配管63aを介して配管31aに接続されており、空気導入弁63の下流側は配管63bを介してミキサ64に接続されている。そして、コンプレッサ31の作動中、空気導入弁63がECU90によって開かれると、酸素を含む空気(酸化剤ガス)がミキサ64に導入されるようになっている。
水素導入弁61の上流側は配管61aを介して配管21aに接続されており、水素導入弁61の下流側は配管61bを介して水素供給手段62に接続されており、水素供給手段62は配管63bの途中に設けられている。そして、ECU90からの指令によって水素導入弁61が開かれ、水素供給手段62が適宜に制御されると、水素が水素供給手段62から配管63b内に吐出(供給)され、配管63bを通る空気と共に、ミキサ64に導入されるようになっている。
ミキサ64は、これに導入される水素及び空気を混合し、燃料混合ガスを生成する機器であり、その内部に混合空間を有している。したがって、ミキサ64は、水素及び空気を適切に混合するべく、水素等を拡散するためのリブ等の拡散手段を備えることが好ましい。そして、燃料混合ガスは、配管64aを介して触媒燃焼器70の触媒部71に供給されるようになっている。
触媒燃焼器70は、燃料混合ガスを触媒下で燃焼させ、その燃焼熱によって、冷媒を加熱する機器であり、触媒部71と熱交換部75とを備えている。
触媒部71は、触媒部本体72と、触媒部本体72を囲んだ円筒状のウォータジャケット73と、温度センサ74とを備えている。触媒部本体72は、コージエライト等から形成され、燃料混合ガスが導入される複数の細孔を有するハニカム体と、前記細孔を取り囲む壁面に担持されたPt、Ru等の触媒と、を備えている。そして、燃料混合ガスが触媒部本体72に供給されると、水素及び酸素が触媒下で燃焼反応し、燃焼熱を帯びた高温の排気ガスを生成するようになっている。この高温の排気ガスは、熱交換部75に供給されるようになっている。
温度センサ74は、触媒部本体72から熱交換部75に向かう排気ガスの温度を、触媒部本体72の触媒の温度(触媒温度Ts)として検出するセンサである。また、温度センサ74はECU90と接続されており、ECU90は温度センサ74からの検出信号によって触媒温度Tsを検知するようになっている。
熱交換部75は、高温の排気ガスと、その内部を通流する冷媒との間で熱交換し、冷媒を加熱する部分である。冷媒は、三方弁54から配管70aを介して熱交換部75内に導入され、高温の排気ガスによって加熱された後、ウォータジャケット73を通り、配管70bを介して、配管54aに送られるようになっている。
また、熱交換後の排気ガスは、配管70c(排気ガス管)を通って、配管33aに導入されるようになっている。よって、外部に排出されるガス中の未燃焼の水素濃度C11は、水素センサ35によって検出されるようになっている。
<その他機器>
IG61は、燃料電池自動車及び燃料電池システム1の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。また、IG61はECU90と接続されており、ECU90はIG61のON/OFF信号を検知するようになっている。
アクセルペダル82(Accelerator Pedal:AP)は、運転者が走行要求に応じて踏み込むペダルであり、運転席の足元に配置されている。そして、アクセルペダル82は、その踏み込み程度に基づいた信号を、ECU90に送り、ECU90はアクセルペダル82の踏み込み量を検知すると共に、アクセルペダル82が踏まれている場合、燃料電池スタック10に対して、運転者から発電要求があると認識するようになっている。
<ECU>
ECU90は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種処理を実行するようになっている。
ECU90は、遮断弁22、パージ弁24、コンプレッサ31及び背圧弁32を適宜に制御して、燃料電池スタック10に水素及び空気を供給し、そして、コンタクタ43及びVCU42を制御して、燃料電池スタック10を発電させる機能を備えている。
また、ECU90(暖機必要判定手段)は、燃料電池システム1の起動時に、燃料電池スタック10の温度Twと、暖機必要温度T1(例えば0℃)とに基づいて、触媒燃焼器70を使用して、燃料電池スタック10を暖機する必要あるか否か判定する機能を備えている。暖機必要温度T1は、燃料電池スタック10内が凍結している虞があると予測される温度であり、MEAの材質等に関係し、事前試験によって求められる。
ECU90は、燃料電池スタック10を暖機する場合、触媒燃焼器70(燃料電池システム1)を、準備モード、定常(燃焼)モード、冷却モードの順で運転させる機能を備えている。
[準備モード]
準備モードとは、触媒燃焼器70への水素及び空気の供給量を定常モードよりも少なくし、触媒燃焼器70から未燃焼の水素の排出を抑えつつ、触媒燃焼によって触媒温度Tsを準備完了温度T5(例えば50℃)に昇温させるモードである。つまり、準備モードは、触媒燃焼器70から未燃焼の水素が排出され、水素濃度C11が上限水素濃度C2以上になる虞があるモードである。
準備完了温度T5は、触媒燃焼器70に内蔵される触媒の触媒温度Tsが、その好適活性温度に到達し、触媒燃焼が良好に進むため、水素及び空気が定常の流量で供給可能であり、触媒燃焼器70の準備が完了したとされる温度である。すなわち、触媒温度Tsが準備完了温度T5以上になると、略全ての水素等が触媒燃焼し、未燃焼の水素が排出されにくくなる。そして、このような準備完了温度T5は、触媒部本体72に内蔵される触媒の種類や、その構造等に関係し、事前試験によって求められる。
なお、触媒温度Tsが準備完了温度T5に到達した場合、触媒の着火が完了したと称され、準備モードは着火モードと称されることもある。また、準備モード時における燃料混合ガスの燃空比(水素と酸素の体積比)は、触媒燃焼による昇温を促進するべく、定常モードよりも高め(水素を多め)になるように、水素供給手段62の水素吐出量を設定することが好ましい。
また、触媒燃焼器70の準備モードでの運転中、ECU90(触媒温度判定手段)は、触媒温度Tsが準備完了温度T5(所定温度)に到達したか否かを判定する機能を備えている。
さらに、準備モードでの運転中、ECU90は、外部に排出されるガス中の水素濃度C11が、基準水素濃度C1(所定濃度)以上であるか否かを判定する機能を備えている。そして、この判定結果に基づいて、ECU90は、コンプレッサ31からカソード流路12に供給される空気流量を、背圧弁32を介して制御する機能を備えている。
基準水素濃度C1は、図6(a)に示すように、車外に排出可能な水素濃度の上限値(上限水素濃度C2)よりも低い水素濃度であって、この後、水素濃度C11が上限水素濃度C2に達することを防止するため、予め、水素の希釈に備えて、配管33aに希釈用ガスとしてのカソードオフガスの供給を開始すべき濃度に設定される。なお、上限水素濃度C2、基準水素濃度C1は、事前試験等によって求められる。
[定常モード]
定常モードとは、触媒温度Tsが準備完了温度T5以上となった後に実行されるモードであり、水素及び空気を定常流量で触媒燃焼器70に供給し、触媒燃焼させて燃焼熱を生成し、この燃焼熱によって冷媒を介して燃料電池スタック10の温度Twを暖機完了温度T2に昇温させるモードである。
暖機完了温度T2は、燃料電池スタック10が自己発電可能な温度に設定される。そして、暖機完了温度T2は、アノード等に含まれる触媒の種類や、電解質膜の材質に関係し、事前試験により求められる。
また、定常モードでの運転中、ECU90は、燃料電池スタック10の温度Twと、暖機完了温度T2とに基づいて、燃料電池スタック10の暖機が完了したか否かを判定する機能を備えている。
[冷却モード]
冷却モードとは、定常モード後、つまり、燃料電池スタック10の暖機完了後、触媒燃焼器70に空気を通流させて、高温の触媒燃焼器70を冷却するモードである。なお、第1実施形態において、冷却モードは所定冷却時間Δtにて実行される。所定冷却時間Δtは、触媒燃焼器70を好適に冷却可能な時間であり、事前試験等によって求められる。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム1の動作及びその運転方法を、ECU90に設定されたプログラム(フローチャート)の流れと共に説明する。
なお、IG81がONされると、図2のフローチャートに示す処理がスタートする。また、IG81のON前(初期状態)において、コンプレッサ31及びポンプ53は停止している。遮断弁22、パージ弁24、背圧弁32、水素導入弁61及び空気導入弁63は閉じており、コンタクタ43はOFFされている。三方弁54は、配管53aと配管54aとが連通するポジション、つまり、冷媒が触媒燃焼器70を迂回するポジションとなっている。
<触媒燃焼器の使用判定>
ステップS101において、ECU90は、燃料電池スタック10の温度Tw及び暖機必要温度T1に基づいて、燃料電池システム1を起動するに際し、触媒燃焼器70を使用する必要があるか否か、つまり、触媒燃焼器70を使用して燃料電池スタック10を暖機する必要があるか否かを判定する。
そして、燃料電池スタック10の温度Twが暖機必要温度T1未満である場合、燃料電池スタック10内が凍結している虞があるので、触媒燃焼器70を使用する必要があると判定し(S101・Yes)、ECU90の処理はステップS102に進む。一方、燃料電池スタック10の温度Twが暖機必要温度T1未満でない場合、触媒燃焼器70を使用する必要はないと判定し(S101・No)、ECU90の処理はステップS110に進む。
<準備モード>
ステップS102において、ECU90は、触媒燃焼器70(燃料電池システム1)を準備モードで運転する。
具体的には、ECU90は、空気導入弁63を開き、コンプレッサ31及びポンプ53を作動させる。これに並行して、ECU90は、水素導入弁61を開き、水素供給手段62を適宜に制御して、配管63b内に水素を吐出する。これにより、水素及び空気がミキサ64に送られ、ミキサ64で好適に混合され、燃料混合ガスが生成し、この燃料混合ガスが触媒燃焼器70の触媒部本体72に供給される。
また、ECU90は、三方弁54を制御して、配管53aと配管70aとを連通させる。これにより、ポンプ53の作動によって循環する冷媒が、触媒燃焼器70を経由する。
そうすると、触媒部本体72では、燃料混合ガス中の水素及び酸素が触媒燃焼し、燃焼熱を生成すると共に、この燃焼熱を有する高温の排気ガスが生成する。そして、この燃焼熱により、触媒部本体72の触媒温度Tsが上昇し始める。
また、生成した高温の排気ガスは、熱交換部75に流れ込み、この熱交換部75において、冷媒と熱交換し、冷媒を加熱した後、配管70c、33a、サイレンサ34を通って外部に排出される。一方、加熱された冷媒は、ウォータジャケット73を通った後、配管70b、54aを介して、冷媒流路13に供給される。これにより、燃料電池スタック10の温度Twが上昇し始める。なお、触媒燃焼器70から外部に排出されるガスには、未燃焼の水素が含まれており、その水素濃度C11は、水素センサ35で検出されている。
ステップS103において、ECU90は、水素センサ35を介して検出される水素濃度C11が、水素の希釈を開始するか否かの基準である基準水素濃度C1(所定濃度)以上であるか否かを判定する。
そして、水素濃度C11が基準水素濃度C1以上であると判定された場合(S103・Yes)、ECU90の処理は、ステップS200に進む。一方、水素濃度C11が基準水素濃度C1以上でない、つまり、水素濃度C11が基準水素濃度C1未満であると判定された場合(S103・No)、ECU90の処理はステップS104に進む。
ステップS200において、ECU90は、コンプレッサ31から燃料電池スタック10のカソード流路12に供給される空気の流量(FC空気流量)を変更する。具体的な処理内容は、後で説明する。
ステップS104において、ECU90は、コンプレッサ31から燃料電池スタック10のカソード流路12に供給される空気の流量(FC空気流量)を、通常に設定する。ここで、第1実施形態では、コンプレッサ31からカソード流路12に送られる空気流量が通常に制御される場合、背圧弁32が閉じられ、燃料電池スタック10への空気流量が略0(L/min)となる構成を例示する。
ステップS105において、ECU90は、触媒温度Tsと準備完了温度T5とに基づいて、触媒燃焼器70の準備が完了したか否かを判定する。
触媒温度Tsが準備完了温度T5以上である場合、触媒燃焼器70の準備は完了したと判定し(S105・Yes)、ECU90の処理はステップS106に進む。一方、触媒温度Tsが準備完了温度T5以上でない場合、触媒燃焼器70の準備は完了していないと判定し(S105・No)、ECU90の処理はステップS103に進む。
<定常モード>
ステップS106において、ECU90は、触媒燃焼器70を定常モードで運転する。
具体的には、ECU90は、準備モードに対して、水素供給手段62による水素の吐出量を増加させ、触媒燃焼器70に送られる水素流量を増加させる。これに並行して、ECU90は、背圧弁32が開いている場合、これを閉じ、コンプレッサ31を適宜に制御し、準備モードに対して、触媒燃焼器70に送られる空気流量を増加させる。
これにより、触媒部本体72では触媒燃焼が良好に進み、触媒部本体72から熱交換部75に、高温の排気ガスが大流量で導入され、熱交換部75における冷媒の加熱がさらに進む。そして、この加熱された冷媒が冷媒流路13に供給されることにより、燃料電池スタック10の暖機が進む。
ステップS107において、ECU90は、燃料電池スタック10の温度Twと、暖機完了温度T2とに基づいて、燃料電池スタック10の暖機が完了したか否かを判定する。
燃料電池スタック10の温度Twが暖機完了温度T2以上である場合、燃料電池スタック10の暖機は完了したと判定し(S107・Yes)、ECU90の処理はステップS108に進む。一方、燃料電池スタック10の温度Twが暖機完了温度T2以上でない場合、燃料電池スタック10の暖機は完了していないと判定し(S107・No)、ECU90の処理はステップS107の判定を繰り返す。
<冷却モード>
ステップS108において、ECU90は、触媒燃焼器70を冷却モードで運転する。
具体的には、ECU90は、空気導入弁63を開いたまま、水素導入弁61を閉じる。これにより、コンプレッサ31から触媒燃焼器70に空気が供給されるので、触媒燃焼器70に残留する水素や、触媒燃焼によって生成した水蒸気が、配管70cを介して排出されると共に、触媒部本体72が冷却し始める。
なお、三方弁54は、冷媒が触媒燃焼器70を経由するポジションで維持される。ただし、冷媒が触媒燃焼器70を迂回するポジションに変更されてもよい。
ステップS109において、ECU90は、ステップS108における冷却モードでの運転開始後、所定冷却時間Δtが経過したか否かを、内蔵するクロックを利用して判定する。
所定冷却時間Δtが経過したと判定された場合(S109・Yes)、ECU90の処理はステップS110に進む。一方、所定冷却時間Δtが経過していないと判定された場合(S109・No)、ECU90の処理はステップS109の判定を繰り返す。
ただし、これに限定されず、例えば、冷却モードに入った際の触媒温度Tsに応じて、冷却モードの実行時間を可変、つまり、触媒温度Tsが高い場合、冷却モードの実行時間を長くする構成としてもよい。
<暖機完了、燃料電池スタックの発電制御開始>
ステップS110において、ECU90は、空気導入弁63が開いている場合はこれを閉じ、冷却モードでの運転を終了し、燃料電池スタック10を暖機するためのシステム制御を終了する。また、三方弁54は、冷媒が触媒燃焼器70を迂回するポジションに制御される。
その後、ECU90は、遮断弁22を開いた後、パージ弁24を適宜に開き、アノード流路11内を水素に置換する。そして、ECU90は、電圧センサ(図示しない)によって、燃料電池スタック10のOCVが所定OCV以上であることを判定した後、コンタクタ43をONする。次いで、アクセルペダル82や、車内エアコン等からの発電要求に応じて、VCU42を制御し、燃料電池スタック10を発電させる。
<燃料電池スタック側の空気流量の変更処理:S200>
次に、図3を参照して、燃料電池スタック10への空気流量(FC空気流量)の変更処理(S200)を説明する。
ステップS201において、ECU90は、水素センサ35を介して検出された水素濃度C11と、図4のマップとに基づいて、背圧弁32の開度を変更する。すなわち、ECU90は、水素濃度C11が高いほど、背圧弁32の開度が大きくなるように制御する。これにより、水素濃度C11が高いほど、コンプレッサ31からカソード流路12に供給される空気流量が増加するように補正される。なお、図4及び後記する図5のマップは事前試験により求められ、ECU90に記憶されている。
そうすると、カソード流路12から配管32a、32b、希釈器33を介して、未燃焼の水素を含む排気ガスが導入される配管33aに供給される空気の流量も増加する。これにより、この後、水素濃度C11が大きく上昇することは防止され、水素濃度C11が上限水素濃度C2を越えるようなガスが、車外に排出されることは防止される(図6(a)参照)。
また、コンプレッサ31から吐出される空気は、圧縮により高温であるので、背圧弁32の開度が大きく制御され、カソード流路12への空気流量が増加すると(図7参照)、この暖かい空気によって、燃料電池スタック10の暖機を促進することもできる(図6(b)参照)。
ステップS202において、ECU90は、背圧弁32の変更後の開度と、図5のマップとに基づいて、コンプレッサ31の回転速度を変更する。すなわち、ステップS201で、背圧弁32の開度が大きくなるように変更されると、これに対応して、コンプレッサ31の回転速度は高められる。ここで、コンプレッサ31の回転速度は、ミキサ64に供給される空気の流量が、背圧弁32の開度の変更前後で変化しないように制御される。これにより、触媒燃焼器70に供給される燃料混合ガスの燃空比(水素と空気との体積比)は、背圧弁32の開度の変更前後で変化しない。
その後、ECU90の処理は、リターンを通って、図2のステップS105に進む。
≪燃料電池システムの効果≫
このような燃料電池システム1によれば、以下の効果を得ることができる。
燃料電池システム1を起動する際に、触媒燃焼器70を使用し、燃料電池スタック10を暖機する場合であって、触媒燃焼器70が準備モードで運転しているときにおいて、外部に排出されるガス中の水素濃度C11が基準水素濃度C1以上である場合、背圧弁32を開き、カソード流路12に空気を供給すると共に、配管33aにカソードオフガスを供給するので、水素濃度C11が上限水素濃度C2以上になることは防止される(図6(a)参照)。
また、この場合において、高温の空気がカソード流路12を通ることになるので、この高温の空気によって、燃料電池スタック10の暖機を促進することもできる。
さらに、水素濃度C11が高いほど、燃料電池スタック10(配管33a)に供給する空気流量が多くなるように背圧弁32の開度を大きくするので、水素濃度C11が上限水素濃度C2以上になることを、確実に防止できる。
さらにまた、背圧弁32を開いて、燃料電池スタック10に空気を供給する場合、背圧弁32の開度に対応して、コンプレッサ31の回転速度を変更するので、触媒燃焼器70に送られる空気流量が少なくなることはない。これにより、触媒部本体72における触媒燃焼反応を良好に進めることができ、触媒温度Tsの昇温率が低下することはない。
また、水素濃度C11が基準水素濃度C1以上でない場合、燃料電池スタック10に空気を供給せず、コンプレッサ31の回転速度を下げるので、コンプレッサ31の消費電力及び作動音を抑えることができる。
さらに、触媒温度Tsが準備完了温度T5以上である場合、背圧弁32を閉じ、コンプレッサ31から燃料電池スタック10への空気供給を停止するので、コンプレッサ31の消費電力及び作動音を抑えることができる。
≪燃料電池システムの一動作例≫
次に、図7を参照して、燃料電池システム1の一動作例を説明する。なお、システム起動時に、触媒燃焼器70を使用し、燃料電池スタック10を暖機する場合を例示する。
IG61のON後、燃料電池スタック10の温度Twが暖機必要温度T1未満であるので(S101・Yes)、準備モード(S102)に入る。その後、水素濃度C11が基準水素濃度C1になると(S103・Yes)、水素濃度C11に対応して背圧弁32は開かれ(S201)、そして、これに対応してコンプレッサ31の回転速度が高められる(S202)。
これにより、触媒燃焼器70に供給される空気の流量及び燃空比は一定のまま、燃料電池スタック10のカソード流路12への空気流量、つまり、カソード流路12から排出され、触媒燃焼器70からの排気ガス中の水素を希釈するべく、配管33aに向かう空気の流量が増加する。したがって、外部に排出されるガスの水素濃度C11が大きく立ち上がることは防止される。
その後、触媒温度Tsが準備完了温度T5に到達すると(S105・Yes)、準備モードでの運転を終了し、定常モードでの運転に移行する(S106)。そして、燃料電池スタック10の温度Twが暖機完了温度T2に到達すると(S107・Yes)、定常モードでの運転を終了し、冷却モードでの運転に移行する(S108)。
次いで、冷却モードでの運転開始後、所定冷却時間Δtが経過すると(S109・Yes)、冷却モードでの運転を終了し、燃料電池スタック10を暖機するためのシステム制御を終了する(S110)。そして、遮断弁22を開いた後、パージ弁24を適宜に開き、アノード流路11内を水素に置換する。次いで、電圧センサ等によって所定のOCVが発生していることを検出した後、コンタクタ43をONし、アクセルペダル82等からの発電要求に対応して、燃料電池スタック10を発電させる。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。なお、第12実施形態と異なる部分のみを説明する。
図8に示すように、第2実施形態に係る燃料電池システムでは、ECU90の処理は、ステップS102の後、ステップS300に進む。なお、ステップS102において、触媒燃焼器70は、準備モードでの運転を開始している。すなわち、空気導入弁63は開かれ、コンプレッサ31は作動し、空気がミキサ64に供給されると共に、水素導入弁61は開かれ、水素供給手段62から水素が吐出されている。
ステップS300において、ECU90は、触媒燃焼器70が、未燃焼の水素を排出しやすく、外部に排出されるガスの水素濃度C11が上限水素濃度C2以上になる虞のある準備モードでの運転を開始したことに連動して、コンプレッサ31及び背圧弁32を制御し、カソード流路12(配管33a)への空気の供給を開始する。
すなわち、ECU90(予測手段)は、触媒燃焼器70が未燃焼の水素が排出される虞のある準備モードで運転するので、このままでは、上限水素濃度C2を超える水素濃度のガスが排出されてしまう虞があると予測し、カソード流路12への空気の供給を開始する。
なお、触媒燃焼器70が準備モードで運転すると、水素濃度C11が上限水素濃度C2以上になる虞があることは、予備試験等によって求められ、予め関連付けられてECU90に記憶されている。
具体的には、ECU90は、背圧弁32を開き、図2のステップS200における変更後に対応した高速の回転速度で、コンプレッサ31を作動させる。これにより、コンプレッサ31から燃料電池スタック10への空気流量、および、燃料電池スタック10から配管33aに導入されるカソードオフガスの流量が変更、つまり、増加する。
なお、ステップS102、S300の処理は連続して実行されるので、図9に示すように、IG81のONに連動して、空気導入弁63及び背圧弁32が開かれると共に、コンプレッサ31が高めの回転速度で作動し、燃料電池スタック10に空気が供給されることになる。
このように、触媒燃焼器70が準備モードで作動する場合、背圧弁32を開き、背圧弁32の開度に対応してコンプレッサ31の回転速度を高めるので、背圧弁32の閉開前後において、ミキサ64から触媒燃焼器70に供給される燃料混合ガスの燃空比は第1実施形態と同様、同じとなる。そして、このような燃空比の燃料混合ガスが供給されると、触媒燃焼器70では、第1実施形態と同様に触媒燃焼し、触媒温度Tsが上昇する。
ここで、触媒燃焼器70から排出される排気ガスには未燃焼の水素が含まれるが、この排気ガスは、カソード流路12から予め排出されているカソードオフガス(酸化剤ガス、希釈用ガス)で希釈されるので、外部に排出されるガスの水素濃度C11が、上限水素濃度C2以上になることは防止される。
その後、ステップS105において、ECU90は、第1実施形態と同様に、触媒温度Tsと、準備完了温度T5とに基づいて、触媒燃焼器70の準備が完了したか否かを判定する。なお、第2実施形態では、ステップS105の判定がNoである場合、ECU90の処理はステップS105の判定を繰り返す。
ただし、ステップS105の判定がNoの後、ECU90の処理がステップS300に進むように構成し、このように進むステップS300では、水素センサ35を介して実際に検出される水素濃度C11と、図4及び図5のマップとに基づいて、背圧弁32の開度及びコンプレッサ31の回転速度を制御する構成としてもよい。
このような第2実施形態に係る燃料電池システムによれば、以下の効果を得ることができる。
IG81のON後、触媒燃焼器70が準備モードでの運転を開始することに連動して、背圧弁32が開かれ、燃料電池スタック10(配管33a)に空気(カソードオフガス)が供給されるので、外部に排出されるガスの水素濃度C11が、上限水素濃度C2以上になることは防止される。
また、このような燃料電池スタック10への空気の供給は、未燃焼の水素が排出されやすい準備モードに入った際に予め実行する構成であるので、水素センサ35をシステム構成から省略することができ、また、水素センサ35が故障していても実行できる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更することができる。
例えば、図10に示す燃料電池システム2に本発明を適用してもよい。燃料電池システム2は、第1実施形態に係る燃料電池システム1の構成の他、コンプレッサ31からの空気を希釈器33に直接的に導入する希釈器用空気導入ラインを備えている。希釈器用空気導入ラインは希釈器用空気導入弁65を備えており、コンプレッサ31の吐出空気が流れる配管31aは、配管65a、希釈器用空気導入弁65、配管65bを介して、希釈器33に接続されている。なお、配管65bの下流端は、配管33aに接続されてもよい。
そして、燃料電池システム2では、第1、第2実施形態に係る空気流量の変更処理(S200、S300)に代えて、第1実施形態と同様に、水素センサ35による水素濃度C11に対応して空気流量を変更する場合、又は、第2実施形態と同様に、準備モードに入った際に予め変更する場合、ECU90は、背圧弁32は閉じたまま、希釈器用空気導入弁65を開くように設定されている。このようにコンプレッサ31の作動中、希釈器用空気導入弁65が開かれると、コンプレッサ31から希釈器33を介して、配管33aに空気が供給されるので、外部に排出されるガスの水素濃度C11が上限水素濃度C2以上になることは防止される。
前記した第1実施形態では、ステップS104における燃料電池スタック10への空気流量が通常であるとは、背圧弁32が閉じられ、燃料電池スタック10側への空気流量が略0(L/min)となる構成を例示したが、燃料電池スタック10に空気が小流量で供給される構成であってもよい。
前記した実施形態では、水素センサ35が配管33aに設けられた構成を例示したが、その位置は、触媒燃焼器70の下流側であればよく、例えば、配管70cに設けられる構成であってもよい。
前記した実施形態では、燃料電池スタック10の温度Twを検出する温度センサ55が、燃料電池スタック10から排出された冷媒の流れる配管52aに配置された場合を例示したが、温度センサ55の位置及び数はこれに限定されない。例えば、温度センサを、アノードオフガス、カソードオフガスが流れる配管24a、32aに設けてもよいし、燃料電池スタック10に直接設けてもよい。また、複数の温度センサを設けて、誤検出を防止するようにしてもよい。
前記した第実施形態では、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段)に対して、燃料電池スタック10と触媒燃焼器70とが並列で配置された構成を例示したが、燃料電池スタック10と触媒燃焼器70とが直列で配置された構成であってもよい。例えば、触媒燃焼器70が燃料電池スタック10の下流に配置され、アノードオフガス及びカソードオフガスが触媒燃焼器70に導入される構成であってもよい。
前記した実施形態では、燃料電池システム1が配管24c等によって構成される水素循環系を備える場合を例示したが、水素循環系を備えない燃料電池システムに本発明を適用してもよい。また、希釈器33を備えない燃料電池システム1に適用してもよい。
前記した実施形態では、燃料電池システム1が燃料電池自動車に搭載された場合を例示したが、その他に例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された燃料電池システムでもよい。また、家庭用の据え置き型の燃料電池システムや、給湯システムに組み込まれた燃料電池システムに、本発明を適用してもよい。
第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 図2に示す燃料電池スタック側の空気流量の変更処理を示すフローチャートである。 排気ガス中の水素濃度と背圧弁の開度との関係を示すマップである。 背圧弁の開度とコンプレッサの回転速度との関係を示すマップである。 (a)、(b)共に第1実施形態に係る燃料電池システムの効果を示すグラフである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの一動作例を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムの一動作例を示すタイムチャートである。 変形例に係る燃料電池システムの構成図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
11 アノード流路(燃料ガス流路)
12 カソード流路(酸化剤ガス流路)
13 冷媒流路
31 コンプレッサ(酸化剤ガス供給手段)
32 背圧弁
32a、32b、33a 配管(希釈用ガス管)
35 水素センサ(燃料ガス濃度検出手段)
51 ラジエータ(放熱器)
53 ポンプ(熱交換流体循環手段)
55 温度センサ
61 水素導入弁
62 水素供給手段
63 空気導入弁
70 触媒燃焼器
70c 配管(排気ガス管)
71 触媒部
72 触媒部本体
74 温度センサ(触媒温度検出手段)
75 熱交換部
90 ECU(触媒温度判定手段、予測手段)
C11 水素濃度
C1 基準水素濃度(所定濃度)
C2 上限水素濃度(上限燃料ガス濃度)
Tw 燃料電池スタックの温度
T1 暖機必要温度
T2 暖機完了温度
Ts 触媒温度
T5 準備完了温度(所定温度)

Claims (10)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池を経由するように熱交換流体を循環させる熱交換流体循環手段と、
    燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、循環する熱交換流体を加熱すると共に、複数のモードで運転する触媒燃焼器と、
    前記触媒燃焼器から排出された排気ガスが流れる排気ガス管と、
    前記酸化剤ガス供給手段から送られるガスが前記排気ガス中の未燃焼の燃料ガスを希釈する希釈用ガスとして流れる希釈用ガス管と、
    を備え、
    システム起動時に、前記燃料電池を暖機する場合、前記触媒燃焼器が熱交換流体を介して前記燃料電池を暖機する燃料電池システムであって、
    前記触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードで運転中、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記希釈用ガス管にガスを供給する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記希釈用ガス管の上流端は、前記燃料電池における酸化剤ガス流路の出口に接続されており、
    前記燃料電池及び前記触媒燃焼器は、前記酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池のカソードの下流側に配置され、前記カソードに供給される酸化剤ガスの圧力及び流量を制御する背圧弁を備え、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記背圧弁の開度に対応して、酸化剤ガスの流量を補正する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記触媒燃焼器の下流側に配置され、当該触媒燃焼器から排出された未燃焼の燃料ガスの濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段、を備え、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が所定濃度以上である場合、前記燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量を増加させる
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が高いほど、前記燃料電池に供給する酸化剤ガスの流量の増加量を大きくする
    ことを特徴とする請求項4に記載の燃料電池システム。
  6. 前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料ガス濃度検出手段により検出された燃料ガスの濃度が所定濃度未満である場合、前記燃料電池に酸化剤ガスを供給しない
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の燃料電池システム。
  7. 前記触媒燃焼器が備える触媒の温度を検出する触媒温度検出手段と、
    前記触媒温度検出手段が検出する触媒の温度に基づいて、触媒が所定温度に到達したか否かを判定する触媒温度判定手段と、
    を備え、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記触媒温度判定手段によって触媒が所定温度に到達したと判定された場合、前記燃料電池への酸化剤ガスの供給を停止する
    ことを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードでの前記触媒燃焼器の運転開始に連動して、
    前記酸化剤ガス供給手段は、前記燃料電池への酸化剤ガスの供給を開始する
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃料電池システム。
  9. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    前記燃料電池を経由するように熱交換流体を循環させる熱交換流体循環手段と、
    燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、循環する熱交換流体を加熱すると共に、複数のモードで運転する触媒燃焼器と、
    前記触媒燃焼器から排出された排気ガスが流れる排気ガス管と、
    前記酸化剤ガス供給手段から送られるガスが前記排気ガス中の未燃焼の燃料ガスを希釈する希釈用ガスとして流れる希釈用ガス管と、
    を備え、
    システム起動時に、前記燃料電池を暖機する場合、前記触媒燃焼器が熱交換流体を介して前記燃料電池を暖機する燃料電池システムの運転方法であって、
    前記触媒燃焼器が、外部に排出されるガス中の燃料ガス濃度が上限燃料ガス濃度以上になる虞のあるモードで運転中、
    前記酸化剤ガス供給手段から前記希釈用ガス管にガスを供給する
    ことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
  10. 前記希釈用ガス管の上流端は、前記燃料電池における酸化剤ガス流路の出口に接続されており、
    前記燃料電池及び前記触媒燃焼器は、前記酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されている
    ことを特徴とする請求項9に記載の燃料電池システムの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104205455A (zh) * 2012-03-23 2014-12-10 Toto株式会社 固体氧化物型燃料电池系统
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