JP5271013B2 - 燃料電池システム及びその運転方法 - Google Patents

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本発明は、燃料電池システム及びその運転方法に関する。
近年、水素(燃料ガス)がアノードに、酸素(酸化剤ガス)がカソードに、それぞれ供給されることで、電気化学反応が生じ発電する固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池の開発が盛んである。燃料電池は、その発電電力によって走行する燃料電池自動車や、家庭用電源など広範囲で適用されつつあり、今後もその適用範囲の拡大が期待されている。
このような燃料電池を良好に発電させるには、アノード及びカソードにおける電極反応が良好に進むように、アノード等に含まれる触媒等に依存する好適発電温度(PEFCの場合、70〜80℃)に暖機することが好ましい。そこで、触媒燃焼器によって、水素(燃料ガス)及び酸素を含む空気(酸化剤ガス)を触媒燃焼させて燃焼熱を発生し、この燃焼熱を利用して燃料電池を暖機する燃料電池システムが提案されている(特許文献1参照)。
特開2006−139991号公報
ところが、特許文献1の燃料電池システムでは、触媒燃焼器が、その排ガスが流れる排ガス流路(排ガス配管)を介して、外部(大気)と連通しているため、例えば、燃料電池システムの停止中に、多湿の空気が前記排ガス流路を逆流した後、触媒燃焼器内で結露し、結露水が触媒燃焼器に内蔵される触媒の表面に付着(吸着)する虞がある。
そして、このように触媒の表面に付着すると、触媒の有効反応面積が小さくなってしまい、このままの状態で触媒燃焼器が作動すると、触媒燃焼反応が良好に進行せず、燃料電池の暖機が遅れるうえ、水素等の燃料ガスが触媒燃焼器を通り抜け、そのまま外部に排出されるため、燃料ガスが無駄に消費される虞がある。
そこで、本発明は、触媒燃焼器へのガスの侵入を低減可能な燃料電池システム及びその運転方法を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、燃料ガス供給源から前記燃料電池に向かう燃料ガスが通流する燃料ガス供給配管と、上流端が前記燃料ガス供給配管に接続され、前記触媒燃焼器に向かう燃料ガスが通流する触媒燃焼用燃料ガス導入配管と、前記酸化剤ガス供給手段から前記燃料電池に向かう酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給配管と、上流端が前記酸化剤ガス供給配管に接続され、前記触媒燃焼器に向かう酸化剤ガスが通流する触媒燃焼用酸化剤ガス導入配管と、前記触媒燃焼用燃料ガス導入配管と、前記触媒燃焼用酸化剤ガス導入配管と、の接続箇所よりも上流側の前記触媒燃焼用酸化剤ガス導入配管に配置され、前記触媒燃焼器の運転停止後に閉じられる上流弁と、前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、を備え、システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器への燃料ガスの通流を遮断して前記触媒燃焼器の運転を行わず、前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、燃料ガスが前記触媒燃焼用燃料ガス導入配管を介して前記触媒燃焼器に導入されるようにして前記触媒燃焼器の運転を開始した後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器への燃料ガスの通流を遮断し、前記触媒燃焼器の運転を停止することを特徴とする燃料電池システムである。
ここで、「触媒燃焼器の運転停止後に閉じる」とは、触媒燃焼器の運転停止直後に閉じる場合だけでなく、触媒燃焼器の運転停止後、時間を隔てて閉じる場合を含む。また、触媒燃焼器が運転中とは、触媒燃焼器に燃料ガス及び酸化剤ガスが導入され、触媒燃焼器において触媒燃焼反応が起こっている状態を意味する。さらに、触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁は、開閉制御される制御弁だけでなく、ガスの通流が停止すると閉じる逆止弁を含む。
このような燃料電池システムによれば、触媒燃焼器の運転停止後、排ガス配管に配置された下流弁が閉じ、ガスの流通は遮断される。そして、このように下流弁が閉じると、その後、外部のガス(例えば、空気)が排ガス配管を介して触媒燃焼器に侵入することを低減できる。これにより、下流弁が閉じた後において、触媒燃焼器に内蔵される触媒の表面に、結露水等の水分が、付着(吸着)することを低減でき、触媒燃焼器の凍結も防止できる。
したがって、その後の燃料電池システムの起動時において、触媒燃焼器を運転し、つまり、触媒燃焼器において燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、燃料電池を暖機するとき、触媒の表面に水分が付着しておらず、その有効反応面積が小さくなっていないので、触媒燃焼を良好に進めることができる。その結果、触媒燃焼器によって燃料電池を速やかに暖機しつつ、触媒燃焼器から触媒燃焼せずに外部に排出される燃料ガスを低減することができる。
また、触媒燃焼器の運転停止後、触媒燃焼器の上流に配置された上流弁が閉じられるので、触媒燃焼器への上流側からのガスの侵入は遮断される。
これにより、例えば、後記する実施形態のように、燃料電池と触媒燃焼器とが、酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されており、酸化剤ガス供給手段を共有している燃料電池システムの場合、上流弁を閉じることで、燃料電池のカソード流路の多湿な空気が、触媒燃焼器に侵入することを低減できる。また、加湿器が燃料電池の酸化剤ガス流路(カソード流路)の上流に配置された燃料電池システムである場合、上流弁を閉じることにより、加湿器内の多湿な酸化剤ガスが、触媒燃焼器に侵入することを低減できる。
また、例えば、燃料電池と触媒燃焼器とが直列、つまり、燃料電池から排出された酸化剤ガスが触媒燃焼器に供給されると共に、触媒燃焼器への酸化剤ガスの供給が不要なとき、燃料電池から排出された酸化剤ガスが触媒燃焼器を迂回(バイパス)するバイパス配管を通る燃料電池システムの場合、上流弁を、前記バイパス配管が燃料電池と触媒燃焼器とを結ぶオフガス配管に接続する接続位置よりも下流であって、触媒燃料器よりも上流に配置すると共に、触媒燃焼器の運転停止後、この上流弁を閉じることにより、燃料電池の酸化剤ガス流路等内の多湿のガスが、触媒燃焼器に侵入することを低減できる。
また、本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、前記燃料電池から排出されるオフガスが通流するオフガス配管と、前記オフガス配管に配置され、前記燃料電池から排出されるオフガスを希釈する希釈器と、下流端が前記希釈器よりも下流側の前記オフガス配管に接続され、前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、前記希釈器よりも下流側の前記オフガス配管に配置され、前記希釈器から排出されるオフガスと、前記排ガス配管を介して排出される排ガスと、が合流したガスの燃料ガス濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段と、を備え、システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器の運転を行わず、前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、前記触媒燃焼器の運転を開始した後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器の運転を停止することを特徴とする燃料電池システムである。
また、前記燃料電池の発電開始後、前記触媒燃焼器を掃気ガスで掃気する掃気手段を備え、前記下流弁は、前記掃気手段による前記触媒燃焼器の掃気の直後に閉じることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、掃気手段により、触媒燃焼器を掃気することができる。ここで、触媒燃焼器を掃気するとは、触媒燃焼器の運転後に、触媒燃焼器に掃気ガスを導入し、これに残存する燃料ガスや、触媒燃焼により生成した水蒸気(水分)を、外部に押し出すことを意味する。そして、掃気ガスとしては、例えば、後記する実施形態のようにコンプレッサからの非加湿の空気が使用される。このようにして、触媒燃焼器が掃気されるので、触媒燃焼器内に例えば高濃度の燃料ガスが残存することや、結露水が生成することを防止しつつ、触媒燃焼器を冷却できる。
そして、下流弁が、触媒燃焼器の直後に閉じるので、外部から多湿なガスが触媒燃焼器に侵入することを防止でき、次回のシステム起動時における触媒燃焼器の運転に備えて、触媒燃焼器内に水分等が少ない状態を維持することができる。
また、本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、前記触媒燃焼器の上流に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じられる上流弁と、前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池の発電開始後、前記触媒燃焼器を掃気ガスで掃気する掃気手段と、前記燃料電池を暖機する際の熱媒体である冷媒の流路方向を切り替える冷媒方向切替手段と、を備え、システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器の運転を行わず、前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、前記触媒燃焼器の運転を開始した後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器の運転を停止し、前記冷媒方向切替手段は、前記燃料電池の暖機中において前記触媒燃焼器で熱交換した冷媒が前記燃料電池を経由する経由状態とした後、前記掃気手段による掃気中において前記経由状態を維持し、前記下流弁及び前記上流弁は、前記掃気手段による掃気中において開弁状態を維持し、前記下流弁は、前記掃気手段による前記触媒燃焼器の掃気の直後に閉じることを特徴とする燃料電池システムである。
また、前記下流弁及び前記上流弁は、開閉制御される制御弁であって、動力源となる駆動装置を共有していることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、開閉制御される制御弁である下流弁及び上流弁が、動力源となる駆動装置を共有しているので、システム構成を簡略化、小型化することができる。この場合において、駆動装置の出力軸周りに、下流弁の弁体と上流弁の弁体とがそれぞれ固定され、下流弁の弁体の移動角と、上流弁の弁体の移動角とが同一である構成でもよいが、例えば、下流弁の弁体には駆動装置の出力軸から減速機構を介して動力が伝達する構成とすれば、下流弁の弁体の移動角と、上流弁の弁体の移動角とが同一でなく、独立した開度で制御可能な構成とすることもできる。
また、前記下流弁は、前記触媒燃焼器からのガスの通流を許容し、前記触媒燃焼器へガスの通流を許容しない逆止弁であり、前記排ガス配管は、前記燃料電池から排出されたオフガスが通流するオフガス配管に、排ガスの通流向きとオフガスの通流向きとが対向するように、接続されていることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、下流弁が逆止弁であるので、システム構成が簡便となる。
また、排ガスの通流向きとオフガスの通流向きとが対向するように、排ガス配管がオフガス配管に接続されているので、つまり、排ガス配管の下流端はオフガスの上流を向いているので、触媒燃焼器の停止中であり逆止弁が閉じている場合において、燃料電池から排出されたオフガスの一部は排ガス配管に流入する。そうすると、逆止弁の下流における排ガス配管内の圧力が上昇し、この圧力上昇により、逆止弁は閉方向に付勢され、確実に閉じられる。これにより、燃料電池から排出された多湿のオフガスが触媒燃焼器に導入することを防止できる。
また、前記触媒燃焼器がこれに内蔵される触媒を暖機するモードで運転する場合における前記下流弁の開度は、前記触媒燃焼器が通常モードで運転する場合における前記下流弁の開度よりも小さいことを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、触媒燃焼器がこれに内蔵される触媒を暖機するモード(以下、触媒暖機モード)で運転する場合における下流弁の開度は、触媒燃焼器が通常モードで運転する場合における下流弁の開度よりも小さく制御される。
これにより、触媒燃焼器に導入される燃料ガス及び酸化剤ガスが、触媒燃焼器が触媒暖機モードで運転する場合、触媒燃焼器が通常モードで運転する場合よりも、触媒燃焼器を通り抜けにくくなる。すなわち、触媒燃焼器が暖機モードで運転している場合、触媒燃焼器に導入された燃料ガスが、触媒燃焼器内で拡散し、触媒燃焼器内の全体に行き届きやすくなる。
したがって、触媒燃焼器内における燃料ガスの濃度の均一化を図ることができ、触媒全体において触媒燃焼反応を進めることができる。そして、触媒燃焼反応熱によって、触媒全体を暖めることができ、触媒の活性の均一化を図ることができる。その結果、触媒を良好に暖機すると共に、暖機時間を短縮することができる。
また、本発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、前記触媒燃焼器の上流に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じられる上流弁と、前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、前記燃料電池の発電開始後、前記触媒燃焼器を掃気ガスで掃気する掃気手段と、前記燃料電池を暖機する際の熱媒体である冷媒の流路方向を切り替える冷媒方向切替手段と、を備える燃料電池システムの運転方法であって、システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器の運転を行わず、前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、前記触媒燃焼器の運転を開始させた後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器の運転を停止し、前記冷媒方向切替手段は、前記燃料電池の暖機中において前記触媒燃焼器で熱交換した冷媒が前記燃料電池を経由する経由状態とした後、前記掃気手段による掃気中において前記経由状態を維持し、前記下流弁及び前記上流弁は、前記掃気手段による掃気中において開弁状態を維持し、前記下流弁は、前記掃気手段による前記触媒燃焼器の掃気の直後に閉じることを特徴とする燃料電池システムの運転方法である。
このような燃料電池システムの運転方法によれば、触媒燃焼器の運転停止後、排ガス配管に配置された下流弁を閉じるので、ガスの流通が遮断される。そして、このように下流弁を閉じると、その後、外部のガス(例えば、空気)が排ガス配管を介して触媒燃焼器に侵入することを低減できる。これにより、下流弁を閉じた後において、触媒燃焼器に内蔵される触媒の表面に、結露水等の水分が、付着(吸着)することを低減できる。
また、触媒燃焼器の運転停止後、触媒燃焼器の上流に配置された上流弁を閉じるので、触媒燃焼器への上流側からのガスの侵入は遮断される。
これにより、例えば、後記する実施形態のように、燃料電池と触媒燃焼器とが、酸化剤ガス供給手段に対して並列で配置されており、酸化剤ガス供給手段を共有している燃料電池システムの場合、上流弁を閉じることで、燃料電池のカソード流路の多湿な空気が、触媒燃焼器に侵入することを低減できる。また、加湿器が燃料電池の酸化剤ガス流路(カソード流路)の上流に配置された燃料電池システムである場合、上流弁を閉じることにより、加湿器内の多湿な酸化剤ガスが、触媒燃焼器に侵入することを低減できる。
また、掃気手段により触媒燃焼器を掃気した直後に、下流弁を閉じるので、外部から多湿なガスが触媒燃焼器に侵入することを防止でき、次回のシステム起動時における触媒燃焼器の運転に備えて、触媒燃焼器内に水分等が少ない状態を維持することができる。
本発明によれば、触媒燃焼器へのガスの侵入を低減可能な燃料電池システム及びその運転方法を提供することができる。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図6を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す本実施形態に係る燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10の発電電力を消費等する電力消費系と、燃料電池スタック10を経由するように冷媒(熱交換流体)を循環させる冷媒循環系(熱交換流体循環手段)と、循環する冷媒を加熱する冷媒加熱系と、IG81(イグニッション)と、これらを電子制御するECU90(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層して構成されたスタックであり、複数の単セルは直列で接続されている。単セルは、MEA(Membrane Electrode Assembly:膜電極接合体)と、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソード(電極)とを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体から主に構成されると共に、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路11(燃料ガス流路)、カソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。そして、アノード流路11を介して各アノードに水素が供給され、カソード流路12を介して各カソードに空気が供給されると、電極反応が起こり、各単セルで電位差(OCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。次いで、OCVが所定OCV以上となった状態で、発電要求があり、後記するコンタクタ43がONされ、VCU42が制御され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
また、第1実施形態では、燃料電池スタック10と触媒燃焼器70とは、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段)に対して、並列で配置されている。そして、コンプレッサ31からの空気が、後記する背圧弁33及び上流弁63が適宜に開閉されることにより、燃料電池スタック10及び触媒燃焼器70に適宜に振り分けられるようになっている。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21と、遮断弁22とを備えている。
水素タンク21は、配管21a、遮断弁22、配管22aを介して、アノード流路11の入口に接続されている。そして、ECU90からの指令によって遮断弁22が開かれると、水素が、水素タンク21から、遮断弁22等を経由して、アノード流路11に供給されるようになっている。
アノード流路11の出口は、配管22bを介して、後記する希釈器34に接続されている。そして、アノード流路11から排出された未反応の水素を含むアノードオフガスが、希釈器34に排出されるようになっている。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段)と、加湿器32と、背圧弁33と、希釈器34(希釈装置)と、水素センサ35(燃料ガス濃度検出手段)とを備えている。
コンプレッサ31は、配管31a、加湿器32、配管32aを介して、カソード流路12の入口に接続されており、ECU90の指令に従って作動すると、酸素を含む空気を取り込み、カソード流路12に供給するようになっている。加湿器32は、その内部に水分透過性を有する中空糸膜を備えており、コンプレッサ31からカソード流路12に向かう空気と、カソード流路12から排出された水蒸気を含む多湿のカソードオフガスとの間で水分交換し、コンプレッサ31からカソード流路12に向かう空気を加湿するようになっている。
さらに、コンプレッサ31は、後記するポンプ52と、電動モータ等の動力源(図示しない)を共有している。つまり、この動力源の駆動軸周りにコンプレッサ31及びポンプ52の羽根車がそれぞれ固定されており、コンプレッサ31及びポンプ52は同期するように設計されている。そして、このように動力源を共有しているので、システム構成が簡易となっている。
カソード流路12の出口は、配管32b、加湿器32、配管33a、背圧弁33、配管33bを介して、希釈器34に接続されており、燃料電池スタック10のカソードから排出されたカソードオフガスが希釈器34に供給されるようになっている。つまり、背圧弁33は、燃料電池スタック10の下流側に配置されており、また、例えばバラフライ弁から構成され、その開度を自由に変更可能となっている。そして、ECU90によって背圧弁33の開度が制御されることで、コンプレッサ31から燃料電池スタック10のカソード流路12(カソード)に供給される空気の圧力及び流量が、制御されるようになっている。
希釈器34は、アノード系から導入されるアノードオフガスと、カソード流路12から排出されたカソードオフガス(酸化剤ガス、希釈用ガス)とを混合し、アノードオフガス中の水素を希釈する機器であり、これらガスを混合し、水素を希釈するための希釈空間を備えている。そして、希釈器34で希釈された後のガスは、配管34a、車外(外部)に排出されるようになっている。なお、配管34aには、図示しないサイレンサ(消音器)が設けられている。
水素センサ35は、水素濃度を検出するセンサであり、配管34a上であって、配管34aと後記する触媒燃焼器70から排出された排ガスが流れる配管65bとの接続点よりも下流側に配置されている。すなわち、水素センサ35は、触媒燃焼器70の下流に配置されている。
そして、水素センサ35は、配管33aを流れるガス中の水素濃度C11を検出するようになっている。また、水素センサ35はECU90と接続されており、ECU90は水素濃度C11を検知するようになっている。
<電力消費系>
電力消費系は、燃料電池スタック10の発電電力を消費等する系であって、走行モータ41と、VCU42(Voltage Control Unit)と、コンタクタ43とを備えている。VCU42は、燃料電池スタック10の出力電力(電流、電圧)を制御する機器であって、DC/DCチョッパ等を備えている。コンタクタ43は、燃料電池スタック10とVCU42及び走行モータ41との電気的接続をON/OFFするスイッチである。走行モータ41は、燃料電池自動車の動力源であって、三相交流電流を発生させるPDU(Power Drive Unit、図示しない)、VCU42、コンタクタ43を順に介して、燃料電池スタック10の出力端子に接続されている。
そして、ECU90がコンタクタ43をONした状態で、アクセルペダル82等からの発電要求に応じてVCU42を制御すると、燃料電池スタック10から電流が取り出され、燃料電池スタック10が発電し、走行モータ41が回転するようになっている。一方、コンタクタ43がOFFされている場合、燃料電池スタック10から電流が取り出されないので、燃料電池スタック10が発電することはない。
その他、電力消費系は、蓄電装置や、DC/DCコンバータ等(いずれも図示しない)を備えている。蓄電装置は、燃料電池スタック10の余剰発電電力や、走行モータ41からの回生電力を蓄えたり、燃料電池スタック10の発電電力が低い場合、その充電電力を放電し燃料電池スタック10を補助するものである。DC/DCコンバータは、前記蓄電装置に充放電される電力を適宜に昇降圧するものである。
また、コンプレッサ31、ポンプ52、遮断弁22、後記する上流弁63及び下流弁65等も電力消費系に含まれ、前記蓄電装置及び/又は燃料電池スタック10を電源として作動するようになっている。このため、アクセルペダル82等から発電要求がなくても、コンプレッサ31等の補機を作動する必要がある場合、ECU90は燃料電池スタック10を発電させるようになっている。
<冷媒循環系>
冷媒循環系は、燃料電池スタック10の冷媒流路13を経由するように、エチレングリコール等の冷媒を循環させる系であって、ラジエータ51と、ポンプ52と、三方弁53と、温度センサ54とを備えている。
冷媒流路13の出口は、配管51a、ラジエータ51(放熱器)、配管51b、ポンプ52、配管52a、三方弁53、配管53aを介して、冷媒流路13の入口に接続されている。そして、ポンプ52がECU90の指令に従って作動すると、冷媒が循環するようになっている。
三方弁53(方向切替手段)は、ECU90に制御され、配管52aと、配管53a又は後記する配管70aとを連通させることができ、循環する冷媒を触媒燃焼器70を経由させるか否かを切り替え可能となっている。なお、システム起動時において、触媒燃焼器70によって燃料電池スタック10を暖機する場合、冷媒が配管70aを通って、触媒燃焼器70に向かうように、三方弁53は制御される。
ただし、循環する冷媒の触媒燃焼器70の経由/迂回を切替可能であれば三方弁53に限定されず、例えば、配管53a、70aにそれぞれ開閉弁を設け、これらを適宜に開閉する構成としてもよい。
温度センサ54は、冷媒流路13から排出された直後の冷媒の温度を、燃料電池スタック10の温度Twとして検出するセンサであり、配管51aに設けられている。そして、温度センサ54はECU90と接続されており、ECU90は温度センサ54からの検出信号によって燃料電池スタック10の温度Twを検知するようになっている。
<冷媒加熱系>
冷媒加熱系は、循環する冷媒を介して、燃料電池スタック10を暖機(加熱)する系であって、水素導入弁61と、インジェクタ62(水素供給手段)と、上流弁63と、ミキサ64(混合器)と、触媒燃焼器70と、下流弁65とを備えている。なお、上流弁63及び下流弁65は、ソレノイドを内蔵し、ECU90により開閉制御される電磁式の制御弁である。ただし、これに限定されず、上流弁63及び下流弁65は、DCモータ、空圧、油圧等によって作動する制御弁でもよい。
上流弁63の上流側は配管63aを介して配管31aに接続されており、上流弁63の下流側は配管63bを介してミキサ64に接続されている。つまり、上流弁63は、触媒燃焼器70の上流に配置されている。そして、コンプレッサ31の作動中、上流弁63がECU90によって開かれると、酸素を含む空気(酸化剤ガス)がミキサ64に導入されるようになっている。
ただし、上流弁63はこれに限定されず、例えば、配管63aと配管31aとの合流点に設けられた三方弁でもよい。
水素導入弁61の上流側は配管61aを介して配管21aに接続されており、水素導入弁61の下流側は配管61bを介してインジェクタ62に接続されており、インジェクタ62は配管63bの途中に設けられている。そして、ECU90からの指令によって水素導入弁61が開かれ、インジェクタ62が適宜に制御されると、水素(燃料ガス)がインジェクタ62から配管63b内に吐出(供給)され、配管63bを通る空気と共に、ミキサ64に導入されるようになっている。
ミキサ64は、これに導入される水素及び空気を混合し、燃料混合ガスを生成する機器であり、その内部に混合空間を有している。よって、ミキサ64は、水素及び空気を適切に混合するべく、水素等を拡散するためのリブ等の拡散手段を備えることが好ましい。そして、燃料混合ガスは、配管64aを介して触媒燃焼器70の触媒部71に供給されるようになっている。
触媒燃焼器70は、燃料混合ガスを触媒下で燃焼させ、その燃焼熱によって、冷媒を介して燃料電池スタック10を暖機(加熱)する機器であり、触媒部71と熱交換部76とを備えている。
触媒部71は、触媒部本体72と、触媒部本体72に向かう燃料混合ガスを整流する整流板73(例えば多孔質板)と、温度センサ74とを備えている。触媒部本体72は、コージエライト等から形成され、燃料混合ガスが導入される複数の細孔を有するハニカム体と、前記細孔を取り囲む壁面に担持されたPt、Ru等の触媒とを備えている。整流板73は、触媒部本体72に向かう燃料混合ガスを整流する例えば多孔質板であり、触媒部本体72の上流に配置されている。
そして、整流板73で整流された燃料混合ガスが触媒部本体72に供給されると、水素及び酸素が触媒下で燃焼反応し、燃焼熱を帯びた高温の排ガスを生成し、この高温の排ガスが熱交換部76に供給されるようになっている。
温度センサ74は、触媒部本体72から熱交換部76に向かう排ガスの温度を、触媒部本体72の触媒の温度(触媒温度Ts)として検出するセンサである。また、温度センサ74はECU90と接続されており、ECU90は温度センサ74からの検出信号によって触媒温度Tsを検知するようになっている。
熱交換部76は、高温の排ガスと、その内部を通流する冷媒との間で熱交換し、冷媒を加熱する部分である。冷媒は、三方弁53から配管70aを介して熱交換部76内に導入され、高温の排ガスによって加熱された後、配管70bを介して、配管53aに送られた後、冷媒流路13を通る際に、燃料電池スタック10を暖めるようになっている。
また、熱交換後の排ガスは、配管65a、下流弁65、配管65bを通って、配管34aに排出されるようになっている。よって、外部に排出されるガス中の未燃焼の水素濃度C11は、水素センサ35によって検出されるようになっている。
ここで、第1実施形態では、触媒燃焼器70の排ガスを外部に排出する排ガス配管は、配管65aと、配管65bと、配管34aの一部とを備えて構成されている。そして、下流弁65は、前記排ガス配管であって、触媒燃焼器70の下流に配置されている。
下流弁65は、その開度を0(全閉)を含めて自在に制御可能な弁であって、例えばステッピングモータを動力装置とするバタフライ弁により構成される。
<その他機器>
IG81は、燃料電池自動車及び燃料電池システム1の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。また、IG81はECU90と接続されており、ECU90はIG81のON/OFF信号を検知するようになっている。
アクセルペダル82(Accelerator Pedal:AP)は、運転者が走行要求に応じて踏み込むペダルであり、運転席の足元に配置されている。そして、アクセルペダル82は、その踏み込み程度に基づいた信号を、ECU90に送り、ECU90はアクセルペダル82の踏み込み量を検知すると共に、アクセルペダル82が踏まれている場合、燃料電池スタック10に対して、運転者から発電要求があると認識するようになっている。
<ECU>
ECU90は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機器を制御し、各種処理を実行するようになっている。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム1の動作及びその運転方法を、ECU90に設定されたプログラム(フローチャート)の流れと共に説明する。
なお、IG81がONされると、図2のフローチャートに示す処理がスタートする。また、IG81のON前(初期状態)において、コンプレッサ31及びポンプ52は停止している。遮断弁22、背圧弁33、水素導入弁61及び上流弁63は閉じており、コンタクタ43はOFFされている。三方弁53は、配管52aと配管53aとが連通するポジション、つまり、冷媒が触媒燃焼器70を迂回するポジションとなっている。
<触媒燃焼器の使用判定>
ステップS101において、ECU90は、燃料電池スタック10の温度Tw及び暖機必要温度T1に基づいて、燃料電池システム1を起動するに際し、触媒燃焼器70を使用する必要があるか否か、つまり、触媒燃焼器70を使用して燃料電池スタック10を暖機する必要があるか否かを判定する。暖機必要温度T1は、燃料電池スタック10の温度Twがこの温度未満である場合、燃料電池スタック10内が凍結している虞があると推定されるので、触媒燃焼器70を運転して燃料電池スタック10を暖機する必要がある温度であり、事前試験等により求められ、ECU90に予め記憶されている。
そして、燃料電池スタック10の温度Twが暖機必要温度T1未満である場合(S101・Yes)、触媒燃焼器70を使用する必要があると判定し、ECU90の処理はステップS102に進む。一方、燃料電池スタック10の温度Twが暖機必要温度T1未満でない場合(S101・No)、触媒燃焼器70を使用する必要はないと判定し、ECU90の処理はステップS113に進む。
<触媒暖機モード、触媒燃焼器の運転開始>
ステップS102において、ECU90は、触媒燃焼器70(燃料電池システム1)を触媒暖機モードで運転する。つまり、触媒燃焼器70の運転を開始する。
具体的には、ステップS103に示すようにECU90は、上流弁63及び下流弁65を全開にし、コンプレッサ31及びポンプ52を作動させる。これに並行して、ECU90は、水素導入弁61を開き、インジェクタ62を適宜に制御して、配管63b内に水素を吐出する。これにより、水素及び空気がミキサ64に送られ、ミキサ64で好適に混合され、燃料混合ガスが生成し、この燃料混合ガスが触媒燃焼器70の触媒部本体72に供給される。
また、ECU90は、三方弁53を制御して、配管52aと配管70aとを連通させる。これにより、ポンプ52の作動によって循環する冷媒が、触媒燃焼器70を経由する。
そうすると、触媒部本体72では、燃料混合ガス中の水素及び酸素が触媒燃焼し、燃焼熱を生成すると共に、この燃焼熱を有する高温の排ガスが生成する。そして、この燃焼熱により、触媒部本体72の触媒温度Tsが上昇し始める。つまり、触媒部本体72が暖機される。
また、生成した高温の排ガスは、熱交換部76に流れ込み、この熱交換部76において、冷媒と熱交換し、冷媒を加熱した後、配管65a、下流弁65、配管65b、配管34aを通って外部に排出される。一方、加熱された冷媒は、配管70b、配管53aを介して、冷媒流路13に供給される。これにより、燃料電池スタック10の温度Twが上昇し始める。なお、触媒燃焼器70から外部に排出されるガスには、未燃焼の水素が含まれており、その水素濃度C11は、水素センサ35で検出されている。
<触媒の暖機完了判定>
ステップS104において、ECU90は、触媒温度Tsと触媒の暖機完了温度T5とに基づいて、触媒部本体72を構成する触媒の暖機が完了したか否かを判定する。触媒の暖機完了温度T5は、触媒温度Tsがこの温度以上であれば、触媒部本体72に通常流量で燃料混合ガスを導入しても、良好に触媒燃焼反応が進み、多量の燃料混合ガス(特に水素)が通り抜けないとされる温度である。このような触媒の暖機完了温度T5は、触媒の種類、装填量等に依存し、事前試験等に求められ、ECU90に予め記憶されている。
そして、触媒温度Tsが、暖機完了温度T5以上である場合(S104・Yes)、触媒の暖機は完了したと判定し、ECU90の処理はステップS105に進む。一方、触媒温度Tsが、暖機完了温度T5以上でない場合(S104・No)、触媒の暖機は完了していないと判定し、ECU90の処理はステップS104の判定を繰り返す。
<通常モード>
ステップS105において、ECU90は、触媒燃焼器70を通常モードで運転する。
具体的には、ECU90は、触媒暖機モードに対して、インジェクタ62による水素の吐出量を増加させ、触媒燃焼器70に送られる水素流量を増加させる。これに並行して、ECU90は、コンプレッサ31の回転速度を高め、触媒暖機モードに対して、触媒燃焼器70に送られる空気流量を増加させる。
これにより、暖機の完了した触媒部本体72おいて、触媒燃焼が良好に進み、触媒部本体72から熱交換部76に、高温の排ガスが大流量で導入され、熱交換部76における冷媒の加熱がさらに進む。そして、この加熱された冷媒が冷媒流路13に供給されることにより、燃料電池スタック10の暖機が進む。
<燃料電池スタックの暖機完了判定>
ステップS106において、ECU90は、燃料電池スタック10の温度Twと、暖機完了温度T2とに基づいて、燃料電池スタック10の暖機が完了したか否かを判定する。燃料電池スタック10の暖機完了温度T2は、燃料電池スタック10のMEAに含まれる触媒の種類等に依存し、事前試験等により求められ、ECU90に予め記憶されている。
そして、燃料電池スタック10の温度Twが暖機完了温度T2以上である場合(S106・Yes)、燃料電池スタック10の暖機は完了したと判定し、ECU90の処理はステップS107に進む。一方、燃料電池スタック10の温度Twが暖機完了温度T2以上でない場合(S106・No)、燃料電池スタック10の暖機は完了していないと判定し、ECU90の処理はステップS106の判定を繰り返す。
<触媒燃焼器の運転停止>
ステップS107において、ECU90は、触媒燃焼器70の運転を停止する。
具体的には、ECU90は、触媒燃焼器70により燃料電池スタック10を暖める必要はないため、水素導入弁61を閉じ、触媒燃焼器70への水素供給を停止する。これにより、触媒燃焼器70における触媒燃焼は停止する。
これに対し、上流弁63及び下流弁65は全開のままとし、触媒燃焼器70に空気を継続して流通させる。
<燃料電池スタックの発電開始>
ステップS108において、ECU90は、燃料電池スタック10の発電を開始させる。
具体的には、ECU90は、遮断弁22を開いてアノード流路11に水素を供給すると共に、背圧弁33を開いてカソード流路12に空気を供給する。これにより、アノード流路11では水素への置換、カソード流路12では空気の置換が、それぞれ進む。
そして、ECU90は、電圧センサ(図示しない)を介して、燃料電池スタック10のOCVが発電可能な所定OCV以上となったことを検出した後、コンタクタ43をONする。次いで、ECU90は、アクセルペダル82等からの発電要求に応じて、VCU42を制御し、燃料電池スタック10から電流を取り出す。そうすると、燃料電池スタック10の発電が開始する。なお、燃料電池スタック10の発電は、IG81がOFFされ、後記するステップS112の判定がYesとなるまで継続される。
<掃気モード>
ステップS109において、ECU90は、触媒燃焼器70を掃気モードで運転する。
具体的には、ECU90は、上流弁63及び下流弁65を継続して開き、コンプレッサ31(掃気手段)からの掃気ガス(非加湿の空気)を、触媒燃焼器70に供給する。これにより、触媒燃焼器70に残留する水素や、触媒燃焼によって生成した水蒸気が、配管65a、下流弁65、配管65bを介して外部に排出され、触媒燃焼器70が掃気される。これと同時に、触媒部本体72が冷却される。
なお、三方弁53は、冷媒が触媒燃焼器70を経由するポジションで維持される。これにより、燃料電池スタック10の発電に伴う自己発熱によって、冷媒を介して、触媒燃焼器70を暖めつつ、掃気することできる。ただし、冷媒が触媒燃焼器70を迂回するポジションに変更してもよい。
<掃気完了判定>
ステップS110において、ECU90は、内蔵するクロックを利用し、ステップS109における掃気モードでの運転開始後、所定掃気時間Δtが経過したか否かに基づいて、触媒燃焼器70の掃気が完了したか否かを判定する。所定掃気時間Δtは、触媒燃焼器70の掃気が完了したと推定される時間であり、事前試験等により求められ、ECU90に予め記憶されている。
所定冷却時間Δtが経過したと判定された場合(S110・Yes)、ECU90の処理はステップS111に進む。一方、所定掃気時間Δtが経過していないと判定された場合(S110・No)、ECU90の処理はステップS110の判定を繰り返す。
ただし、これに限定されず、例えば、掃気モードに入った際の触媒温度Tsに応じて、掃気モードの実行時間を可変、つまり、触媒温度Tsが高い場合、掃気モードの実行時間を長くする構成としてもよい。
<上流弁、下流弁の全閉>
ステップS111において、ECU90は、上流弁63及び下流弁65を閉じる。これにより、触媒燃焼器70(詳細には触媒部本体72)は、配管63b等を介しての加湿器32や、配管65b等を介しての外部と遮断される。すなわち、触媒部本体72は、掃気によって水分及び水素が低減された状態で、密閉維持される。
ステップS112において、IG81からの信号に基づいて、IG81がOFFされたか否かを判定する。
IG81はOFFされたと判定した場合(S112・Yes)、ECU90は、コンタクタ43をOFFし、燃料電池スタック10の発電を停止させる。これに並行して、ECU90は、遮断弁22を閉じ、コンプレッサ31を停止させ、背圧弁33を閉じる。なお、このように燃料電池スタック10の発電を停止する場合、コンプレッサ31からの掃気ガス(非加湿の空気)を、加湿器32を迂回させてカソード流路12と、図示しない配管を介してアノード流路11とに導入し、アノード流路11及びカソード流路12を掃気することが好ましい。
そして、ECU90の処理は、エンドに進む。
一方、IG81はOFFされていないと判定した場合(S112・No)、ECU90の処理は、ステップS112の判定を繰り返す。
次に、ステップS101の判定結果がNoとなって進むステップS113を説明する。
ステップS113において、ECU90は、ステップS108と同様に、燃料電池スタック10の発電を開始させる。その後、ECU90の処理は、ステップS112に進む。
≪燃料電池システムの効果≫
このような燃料電池システム1によれば、次の効果を得る。
触媒燃焼器の運転停止後であって(S107)、触媒燃焼器70の掃気が完了した直後に(S110・Yes)、上流弁63及び下流弁65を閉めるので(S111)、その後に、触媒燃焼器70への水分等の侵入を防止できる。具体的には、外部の多湿な空気が、配管34a、65b、65aを介して、触媒燃焼器70に侵入することを防止できる。また、加湿器32及びカソード流路12の多湿な空気が、配管63a、63b、64aを介して、触媒燃焼器70に侵入することを防止できる。これにより、掃気完了後において、触媒燃焼器70の触媒に吸着される水分量を、低減することができる(図3参照)。さらに、システム停止中に、氷点下等の低温環境となっても、触媒燃焼器70内が凍結しにくくなる。
そして、このように上流弁63及び下流弁65が閉じられた状態が、燃料電池システム1の停止後(燃料電池スタック10の発電停止後)も維持され、次回システム起動時において、触媒燃焼器70を使用するとき(S101・Yes)、上流弁63及び下流弁65が開かれるので(S103)、吸着した水分が少ない触媒下で、水素と空気とを触媒燃焼することができる。
これにより、触媒燃焼器70をそのまま通り抜ける水素を低減することができ、外部に排出される排ガスの水素濃度C11を低くすることができる(図4参照)。また、水分吸着量が少ない触媒下で、触媒燃焼反応を好適に進めることができるので、触媒暖機モードにおいて、触媒温度Tsをその暖機完了温度T5に速やかに高めることができ、その結果、燃料電池スタック10の温度Twが、暖機完了温度T2に到達する時間を短縮することができる(図5参照)。
≪燃料電池システムの一動作例≫
次に、燃料電池システム1の一動作例について、図6を参照して説明する。
IG81のON時における燃料電池スタック10の温度Twが暖機必要温度T1未満であるので(S101・Yes)、触媒暖機モードに入り(S102)、上流弁63及び下流弁65が開かれる(S103)。そして、触媒温度Tsが暖機完了温度T5になると(S104・Yes)、通常モードに移行する(S105)。
次いで、燃料電池スタック10の温度Twが、暖機完了温度T2になると(S106・Yes)、通常モードを終了し、触媒燃焼器70の運転を停止する(S107)。その後、触媒燃焼器70に掃気ガスを送る掃気モードで運転し(S109)、掃気が完了した直後(S110・Yes)、上流弁63及び下流弁65を閉じる(S111)。
≪変形例≫
以上、本発明の第1実施形態について説明したが、本発明は第1実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更することができる。また、後記する第2実施形態等と適宜に組み合わせてもよい。
前記した第1実施形態では、触媒の暖機完了判定を、現在の触媒温度Tsと、暖機完了温度T5とに基づいて行ったが、例えば、触媒燃焼器70への燃料混合ガスの導入開始後、暖機が完了したと推定される時間を経過した場合、暖機が完了したと判定する構成としてもよい。
また、触媒の暖機が進むと触媒燃焼器70を通り抜ける水素が低減するので、水素センサ35を介して検出される現在の水素濃度C11が、所定水素濃度C1以下となった場合、暖機が完了したと判定する構成としてもよい。なお、所定水素濃度C1は、触媒の暖機が完了したと推定される水素濃度であり、事前試験等により求められ、ECU90に予め記憶される。
前記した第1実施形態では、燃料電池スタック10の発電開始(S109)に引き続いて、掃気モードに入り(S109)、触媒燃焼器70を掃気する構成としたが、例えば、燃料電池スタック10の発電が安定し、発電に伴う自己発熱により冷媒の温度が高くなった後、この暖かい冷媒を触媒燃焼器70に流通させつつ、触媒燃焼器70を掃気する構成としてもよい。このような構成にすれば、燃料電池スタック10の発電に伴う自己発熱によって、触媒燃焼器70を暖めつつ、掃気できるので、触媒燃焼器70内の水分を好適に排出することができる。
前記した第1実施形態では、燃料電池スタック10の温度Twを検出する温度センサ54が、燃料電池スタック10から排出された冷媒の流れる配管52aに配置された場合を例示したが、温度センサ54の位置及び数はこれに限定されない。例えば、温度センサを、アノードオフガス、カソードオフガスが流れる配管22b、32bに設けてもよいし、燃料電池スタック10に直接設けてもよい。また、複数の温度センサを設けて、誤検出を防止するようにしてもよい。
前記した第1実施形態では、コンプレッサ31(酸化剤ガス供給手段)に対して、燃料電池スタック10と触媒燃焼器70とが並列で配置された構成を例示したが、燃料電池スタック10と触媒燃焼器70とが直列で配置された構成であってもよい。例えば、触媒燃焼器70が燃料電池スタック10の下流に配置され、アノードオフガス及びカソードオフガスが触媒燃焼器70に導入される構成であってもよい。
前記した第1実施形態では、触媒燃焼器70の運転停止後、コンプレッサ31からの掃気ガスにより触媒燃焼器70が掃気され、この掃気の直後に下流弁65が閉じられる構成を例示したが、触媒燃焼器70の運転停止後に触媒燃焼器70が掃気されない構成でもよい。この構成の場合、例えば、触媒燃焼器70の運転停止後に上流弁63及び下流弁65を閉じればよい。
前記した第1実施形態では、希釈器34を備える燃料電池システム1について説明したが、希釈器34を備えない燃料電池システム1に本発明を適用してもよい。また、未反応の水素を含むアノードオフガスをアノード流路11の上流に戻し、水素を循環させる水素循環系を備える燃料電池システムに本発明を適用してもよい。
前記した第1実施形態では、燃料電池システム1が燃料電池自動車に搭載された場合を例示したが、その他に例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された燃料電池システムでもよい。また、家庭用の据え置き型の燃料電池システムや、給湯システムに組み込まれた燃料電池システムに、本発明を適用してもよい。
≪第2実施形態≫
次に、本発明の第2実施形態について、図7、図8を参照して説明する。
第2実施形態に係る燃料電池システムの機械的構成は、第1実施形態と同一であるが、ECU90に設定されたプログラムが一部異なる。以下、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
図7に示すように、第2実施形態に係る燃料電池システムでは、ステップS110の判定結果がYesの後、ECU90の処理はステップS114に進む。そして、ステップS114において、ECU90は、上流弁63のみを閉じ、下流弁65は開いたままとする。その後、ECU90の処理は、ステップS112に進む。
また、第2実施形態では、ステップS112の判定結果がYesとなり、燃料電池スタック10の発電を停止した後、ECU90の処理はステップS115に進む。そして、ステップS115において、ECU90は、下流弁65を閉じ、エンドに進む。
すなわち、触媒燃焼器70の掃気完了直後(S110・Yes)に下流弁65を閉じずに、触媒燃焼器70の運転停止後(S107)から適宜な時間が経過した燃料電池スタック10の発電停止後に(S112・Yes)、下流弁65を閉じる構成としてもよい(図8参照)。
≪第3実施形態≫
次に、本発明の第3実施形態について、図9、図10を参照して説明する。
第3実施形態に係る燃料電池システムの機械的構成は、第1実施形態と同一であるが、ECU90に設定されたプログラムが一部異なる。以下、第1実施形態と異なる部分のみを説明する。
図9に示すように、第3実施形態に係る燃料電池システムでは、ステップS102の後、ECU90の処理はステップS116に進む。
ステップS116において、ECU90は、上流弁63を全開し、下流弁65を半開する(図10参照)。すなわち、第3実施形態では、触媒暖機モードにおける下流弁65の開度を、暖機完了後の通常モードにおける開度(全開)よりも小さく制御する。この場合において、図10に破線で示すように、下流弁65の弁体を一旦全開位置に作動させ、全開可能であることを検出した後、半開にしてもよい。
ただし、下流弁65の開度は半開に限定されず、通常モードにおける開度よりも小さければよい。また、触媒温度Tsに基づいて下流弁65の開度を可変、例えば、触媒温度Tsが低いほど、下流弁65の開度を小さくする構成としてもよい。
これにより、触媒燃焼器70から排ガスが排出されにくくなると共に、触媒燃焼器70に導入される燃料混合ガス(水素、空気)が、触媒燃焼器70を通り抜けにくくなり、燃料混合ガスが触媒部本体72の全体に拡散し、触媒部本体72の全体に亘りやすくなる。したがって、触媒部本体72における燃料混合ガス、特に、水素の濃度が均一となり、触媒部本体72の全体において触媒燃焼反応を進めることができる。その結果、触媒燃焼反応熱によって、触媒部本体72の全体を暖めることができ、触媒を全体的に活性化することができると共に、触媒の暖機時間を短縮することもできる。
その後、ECU90の処理は、ステップS104に進む。
また、第3実施形態では、触媒の暖機が完了し、ステップS104の判定結果がYesの後、ECU90の処理はステップS117に進む。そして、ステップS117において、ECU90は、下流弁65を全開した後(図10参照)、ステップS105に進む。このように下流弁65を全開とすることにより、下流弁65から受ける圧力損失が下がるため、コンプレッサ31に作用する負荷が低下し、コンプレッサ31の消費電力を下げることができる。
≪第4実施形態≫
次に、本発明の第4実施形態について、図11から図13を参照して説明する。
図11に示すように、第4実施形態に係る燃料電池システム2は、上流弁63(図1参照)を備えておらず、配管63aの下流端はミキサ64に接続されており、インジェクタ62は配管63aに配置されている。
そして、燃料電池システム2は、図12に示すように、ステップS103(図2参照)に代えて、下流弁65のみを全開するステップS118を備えている(図13参照)。また、燃料電池システム2は、ステップS111(図2参照)に代えて、下流弁65のみを全閉するステップS119を備えている(図13参照)。
≪第5実施形態≫
次に、本発明の第5実施形態について、図14を参照して説明する。
図14に示すように、第5実施形態に係る燃料電池システムでは、上流弁63と下流弁65とが、その動力源となるモータM(駆動装置)を共有している。すなわち、モータMの出力軸周りに、上流弁63の弁体と、下流弁65の弁体とが固定されおり、上流弁63及び下流弁65の動作は同期する。これにより、燃料電池システムの構成を簡略化、小型化することができる。
この他に例えば、モータMを共有するものの、適宜に減速機構を設けて、上流弁63及び下流弁65にモータMの動力が伝達する構成とし、上流弁63の開度と、下流弁65の開度とが独立する構成としてもよい。
また、第5実施形態に係る燃料電池システムでは、ミキサ64と触媒燃焼器70とを接続し、燃料混合ガスが流れる配管64aがU字形となっている。これにより、配管64aにおいても、燃料混合ガスを混合することができ、燃料混合ガスにおける水素濃度を均一にすることができる。
ただし、配管64aの形状は、燃料混合ガスを混合可能であればよく、例えば、螺旋形、蛇行形であってもよい。
≪第6実施形態≫
次に、本発明の第6実施形態について、図15を参照して説明する。
図15に示すように、第6実施形態に係る燃料電池システムは、電磁式の下流弁65(図1参照)に代えて、下流弁として機能する逆止弁66を備えている。逆止弁66は、触媒燃焼器70の運転時等において、配管65aから配管65bへの排ガスの通流のみを許容し、配管65bから配管65aへの外気や、希釈器34での希釈後のガス等の通流を許容しない、つまり、遮断するワンウェイバルブである。このような逆止弁66は、例えばリード弁から構成され、システム構成が簡便となっている。
そして、逆止弁66は、触媒燃焼器70が触媒暖機モード、通常モード、掃気モードで運転する場合、つまり、コンプレッサ31が作動した状態で上流弁63が開かれ、触媒燃焼器70から排ガス等が排出された場合、開くように構成されている。すなわち、逆止弁66の開閉状態は、上流弁63の開閉状態と同期することになる。
さらに、逆止弁66において、例えば、リードの厚さを変更したり、ばね係数の異なる複数の圧縮コイルばねを使用したり、コンプレッサ31の回転速度・吐出圧を適宜変更すれば、図10の下流弁65の開度のように、逆止弁66を触媒暖機モードで半開し、通常モードで全開することもできる。
また、第6実施形態において、配管65b(排ガス配管)の下流端は、希釈器34の下流の配管34aに、排ガスの通流向き(上流向き)と、希釈器34からのガス(アノードオフガス、カソードオフガスが混合したもの)の通流向きとが、対向するように接続されている。すなわち、配管65bは、その下流端が配管34aの上流を向くように接続されている。
これにより、燃料電池スタック10が発電し、触媒燃焼器70が停止し、逆止弁66が閉じている場合において、希釈器34から排出されたガスの一部は配管65bに流入する。そうすると、逆止弁66の下流における配管65b内の圧力が上昇し、この圧力上昇により、逆止弁66は閉方向に付勢され、確実に閉じられる。これにより、希釈器34からのガス、つまり、燃料電池スタック10から排出された多湿のアノードオフガス、カソードオフガスが触媒燃焼器70に導入することを確実に防止できる。
第1実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの効果を示すグラフである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの効果を示すグラフである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの効果を示すグラフである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの一動作例を示すタイムチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る燃料電池システムの一動作例を示すタイムチャートである。 第3実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 第3実施形態に係る燃料電池システムの一動作例を示すタイムチャートである。 第4実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 第4実施形態に係る燃料電池システムの動作を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る燃料電池システムの一動作例を示すタイムチャートである。 第5実施形態に係る燃料電池システムの一部の構成を示す図である。 第6実施形態に係る燃料電池システムの構成を示す図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
11 アノード流路(燃料ガス流路)
12 カソード流路(酸化剤ガス流路)
13 冷媒流路
21 水素タンク
22 遮断弁
31 コンプレッサ(酸化剤ガス供給手段、掃気手段)
63 上流弁(制御弁)
65 下流弁(制御弁)
66 逆止弁(下流弁)
70 触媒燃焼器
71 触媒部
72 触媒部本体
74 温度センサ
76 熱交換部
90 ECU
M モータ(駆動装置)
Tw 燃料電池スタックの温度
T1 燃料電池スタックの暖機必要温度
T2 燃料電池スタックの暖機完了温度
Ts 触媒温度
T5 触媒燃焼器の暖機完了温度

Claims (8)

  1. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、
    燃料ガス供給源から前記燃料電池に向かう燃料ガスが通流する燃料ガス供給配管と、
    上流端が前記燃料ガス供給配管に接続され、前記触媒燃焼器に向かう燃料ガスが通流する触媒燃焼用燃料ガス導入配管と、
    前記酸化剤ガス供給手段から前記燃料電池に向かう酸化剤ガスが通流する酸化剤ガス供給配管と、
    上流端が前記酸化剤ガス供給配管に接続され、前記触媒燃焼器に向かう酸化剤ガスが通流する触媒燃焼用酸化剤ガス導入配管と、
    前記触媒燃焼用燃料ガス導入配管と、前記触媒燃焼用酸化剤ガス導入配管と、の接続箇所よりも上流側の前記触媒燃焼用酸化剤ガス導入配管に配置され、前記触媒燃焼器の運転停止後に閉じられる上流弁と、
    前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、
    前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、
    前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    を備え、
    システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、
    前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器への燃料ガスの通流を遮断して前記触媒燃焼器の運転を行わず、
    前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、燃料ガスが前記触媒燃焼用燃料ガス導入配管を介して前記触媒燃焼器に導入されるようにして前記触媒燃焼器の運転を開始した後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器への燃料ガスの通流を遮断し、前記触媒燃焼器の運転を停止する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、
    前記燃料電池から排出されるオフガスが通流するオフガス配管と、
    前記オフガス配管に配置され、前記燃料電池から排出されるオフガスを希釈する希釈器と、
    下流端が前記希釈器よりも下流側の前記オフガス配管に接続され、前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、
    前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、
    前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記希釈器よりも下流側の前記オフガス配管に配置され、前記希釈器から排出されるオフガスと、前記排ガス配管を介して排出される排ガスと、が合流したガスの燃料ガス濃度を検出する燃料ガス濃度検出手段と、
    を備え、
    システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、
    前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器の運転を行わず、
    前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、前記触媒燃焼器の運転を開始した後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器の運転を停止する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 前記燃料電池の発電開始後、前記触媒燃焼器を掃気ガスで掃気する掃気手段を備え、
    前記下流弁は、前記掃気手段による前記触媒燃焼器の掃気の直後に閉じる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、
    前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、
    前記触媒燃焼器の上流に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じられる上流弁と、
    前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、
    前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池の発電開始後、前記触媒燃焼器を掃気ガスで掃気する掃気手段と、
    前記燃料電池を暖機する際の熱媒体である冷媒の流路方向を切り替える冷媒方向切替手段と、
    を備え、
    システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、
    前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器の運転を行わず、
    前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、前記触媒燃焼器の運転を開始した後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器の運転を停止し、
    前記冷媒方向切替手段は、前記燃料電池の暖機中において前記触媒燃焼器で熱交換した冷媒が前記燃料電池を経由する経由状態とした後、前記掃気手段による掃気中において前記経由状態を維持し、
    前記下流弁及び前記上流弁は、前記掃気手段による掃気中において開弁状態を維持し、
    前記下流弁は、前記掃気手段による前記触媒燃焼器の掃気の直後に閉じる
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  5. 前記下流弁及び前記上流弁は、開閉制御される制御弁であって、動力源となる駆動装置を共有している
    ことを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記下流弁は、前記触媒燃焼器からのガスの通流を許容し、前記触媒燃焼器へガスの通流を許容しない逆止弁であり、
    前記排ガス配管は、前記燃料電池から排出されたオフガスが通流するオフガス配管に、排ガスの通流向きとオフガスの通流向きとが対向するように、接続されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記触媒燃焼器がこれに内蔵される触媒を暖機するモードで運転する場合における前記下流弁の開度は、前記触媒燃焼器が通常モードで運転する場合における前記下流弁の開度よりも小さい
    ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 燃料ガス及び酸化剤ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    酸化剤ガスを供給する酸化剤ガス供給手段と、
    燃料ガス及び酸化剤ガスを触媒燃焼し、前記燃料電池を暖機する触媒燃焼器と、
    前記触媒燃焼器の排ガスを外部に排出する排ガス配管と、
    前記触媒燃焼器の上流に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じられる上流弁と、
    前記排ガス配管に配置され、当該触媒燃焼器の運転停止後に閉じる下流弁と、
    前記触媒燃焼器の運転を管理する触媒燃焼器運転管理手段と、
    前記燃料電池の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池の発電開始後、前記触媒燃焼器を掃気ガスで掃気する掃気手段と、
    前記燃料電池を暖機する際の熱媒体である冷媒の流路方向を切り替える冷媒方向切替手段と、
    を備える燃料電池システムの運転方法であって、
    システム起動時において前記触媒燃焼器運転管理手段は、
    前記温度検出手段によって検出される温度が、前記燃料電池を暖機する必要があるか否かの判定基準である暖機必要温度以上である場合、前記触媒燃焼器の運転を行わず、
    前記温度検出手段によって検出される温度が前記暖機必要温度未満である場合、前記触媒燃焼器の運転を開始させた後、前記燃料電池の発電開始よりも前に前記触媒燃焼器の運転を停止し、
    前記冷媒方向切替手段は、前記燃料電池の暖機中において前記触媒燃焼器で熱交換した冷媒が前記燃料電池を経由する経由状態とした後、前記掃気手段による掃気中において前記経由状態を維持し、
    前記下流弁及び前記上流弁は、前記掃気手段による掃気中において開弁状態を維持し、
    前記下流弁は、前記掃気手段による前記触媒燃焼器の掃気の直後に閉じる
    ことを特徴とする燃料電池システムの運転方法。
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