JP2003282115A - 燃料電池の不具合判定装置および方法 - Google Patents

燃料電池の不具合判定装置および方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料電池における不具合の有無を判定する際
に、望ましくない程度に出力電圧を低下させることな
く、上記判定を行なう技術を提供する。 【解決手段】 燃料電池において実際に発電を行なわせ
て不具合の有無を判定する際に、まず、燃料電池の内部
温度および供給ガスの湿度を設定する(ステップS20
0)。そして、設定した条件下において、ガス量を変動
させながら燃料電池にガスの供給を開始する(ステップ
S210)。このとき、燃料電池の最低セル電圧と所定
の閾値との差に基づいて、最低セル電圧が閾値に近づく
ように、燃料電池の出力電流を制御する(ステップS2
20)。そして、供給ガスのうちで実際に電気化学反応
に利用されたガスの割合であるガス利用率を算出して
(ステップS230)、不具合の有無を判定する(ステ
ップS240)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料電池に不具
合があるか否かを判定するための装置および方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】燃料電池が不具合を有しているか否かを
判定する方法として、燃料電池で発電を行なわせて、実
際に使用される状態に近い状態で不都合が生じるかどう
かによって判定する方法がある。燃料電池が不具合を有
している場合には、発電を行なわせたときに、望ましく
ない程度に電圧が低下してしまうといった問題が生じる
ことにより、上記判定を行なうことができる。
【0003】このような不具合の判定方法として、燃料
電池に供給されたガスのうちで電気化学反応に利用され
たガスの割合であるガス利用率を、限界値近くにまで大
きくして、そのときの電圧変化を測定する方法が提案さ
れている(例えば特開平8−7911号公報等)。この
ような方法によれば、ガス利用率を大きくするのに伴っ
て出力電圧が低下する際に、電圧変化が設定値を超える
ことによって、燃料電池が不具合を有すると判断され
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように燃料電池
の電圧変化によって不具合の有無を判定する場合には、
実際に望ましくない程度に出力電圧が低下することによ
って始めて、不具合があると判定できる。そのため、不
具合があると判定されるときには、電圧低下に伴って燃
料電池が劣化してしまうおそれがあった。
【0005】また、このように実際に発電を行なう場合
には、発電に伴って生じる不測の状態に起因して、本来
構造的には不具合のない燃料電池においても、充分な発
電性能が得られなくなる場合がある。例えば、燃料電池
内部の温度やガス湿度が変化すると、これに伴って燃料
電池内部に凝縮水が生じてガス流路を塞ぎ、電池性能を
低下させてしまうことがある。このような燃料電池を用
いて発電を行なうと、望ましくない程度に出力電圧が低
下して、本来不具合のない燃料電池であっても、不具合
があると判定されてしまうことになる。そして、このよ
うに望ましくない程度に電圧が低下することによって、
本来不具合のない燃料電池を劣化させてしてしまうおそ
れがあった。
【0006】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、燃料電池における不具合の
有無を判定する際に、望ましくない程度に出力電圧を低
下させることなく、上記判定を行なう技術を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記目的を達成するために、本発明は、直列に接続した複
数のセルを有する燃料電池の不具合判定装置であって、
電気化学反応に供するためのガスを燃料電池に供給する
ガス供給部と、前記燃料電池に供給される前記ガスの流
量を検出するガス流量検出部と、前記燃料電池の特定部
分の出力電圧を検出する出力電圧検出部と、前記出力電
圧検出部が検出した出力電圧が所定の目標電圧以上とな
るように、前記燃料電池の目標電流を設定する目標電流
設定部と、前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出
部を有し、前記燃料電池が前記目標電流を出力するよう
に負荷条件を制御する出力制御部と、前記ガス流量検出
部が検出したガス流量から得られる電流の最大値として
算出される理論最大電流と、前記電流検出部が検出した
前記出力電流とに基づいて、前記燃料電池におけるガス
利用率を算出する利用率算出部と、前記利用率算出部が
算出した前記ガス利用率に基づいて、前記燃料電池にお
ける不具合の有無を判定する判定部とを備えることを要
旨とする。
【0008】本発明の燃料電池の不具合判定装置では、
燃料電池において不具合がある場合には、燃料電池の特
定部分の出力電圧はより低くなろうとするが、この出力
電圧が所定の目標電圧以上となるように、燃料電池の目
標電流が設定される。そして、このような目標電流が燃
料電池から出力されるように、負荷条件が制御され、こ
のときのガス利用率に基づいて、燃料電池における不具
合の有無が判定される。
【0009】このような燃料電池の不具合判定装置によ
れば、燃料電池の特定部分の出力電圧を望ましくない程
度に低下させることなく、燃料電池における不具合の有
無を判定することができる。そのため、燃料電池におけ
る不具合の有無を判定する際に、燃料電池の特定部分の
出力電圧が低下することによって、燃料電池が劣化して
しまうことがない。なお、ガス利用率とは、燃料電池に
供給されたガスのうちで電気化学反応に利用されたガス
の割合のことである。この値は、例えば、供給ガスが1
00%の効率で電気化学反応に利用されたと仮定したと
きに得られる電流に対する、実際の出力電流の割合とし
て求めることができる。
【0010】ここで、出力電圧検出部が検出した前記出
力電圧が前記目標電圧以上となるように前記目標電流を
設定するとは、実際には、出力電圧が目標電圧を下回る
ことがあっても良い。出力電圧が目標電圧以上となるよ
うに目標電流を設定する動作は、出力電圧が目標電圧を
下回った場合に、この出力電圧を目標電圧以上にしよう
とする動作を含むものとする。
【0011】本発明の燃料電池の不具合判定装置におい
て、前記出力電圧検出部は、前記燃料電池の特定部分の
出力電圧として、各セルの出力電圧のうちの最低値であ
る最低セル電圧を検出し、前記目標電流設定部は、前記
最低セル電圧と前記目標電圧との差に基づいて、前記目
標電流を補正することとしても良い。
【0012】このような構成とすれば、燃料電池を構成
する複数のセルの内、いずれか一つでも不具合を有して
いる場合には、その不具合が最低セル電圧の低下として
現われる。このような場合には、最低セル電圧が目標電
圧以上となるように目標電流を設定することで、ガス利
用率が低下するため、直ちに、いずれかのセルにおいて
不具合があると判定することができる。
【0013】このような燃料電池の不具合判定装置にお
いて、前記目標電流設定部は、前記最低セル電圧が、前
記所定の目標電圧により近づくように、前記目標電流を
設定することとしても良い。
【0014】このような場合には、燃料電池の最低セル
電圧が目標電圧よりも高いときには、最低セル電圧を目
標電圧に近づけるために、より大きな目標電流が設定さ
れる。そのため、最低セル電圧が目標電圧よりも高いと
きには、ガス利用率がより高くなるように制御が行なわ
れる。
【0015】本発明の燃料電池の不具合判定装置におい
て、前記目標電流設定部は、前記出力電圧検出部が検出
した出力電圧が前記目標電圧以上となるように、前記理
論最大電流を補正して前記目標電流を設定することとし
ても良い。
【0016】このような構成とすれば、供給ガス量に応
じて、燃料電池の出力電流を制御することができる。
【0017】また、本発明の不具合判定装置において、
前記目標電流設定部は、前記出力電圧検出部が検出した
出力電圧が前記目標電圧以上となるように、現在の出力
電流を補正して前記目標電流を設定することとしても良
い。
【0018】このように、現在の出力電流を補正して、
検出した出力電圧が目標電圧以上となるように目標電流
を設定する動作を繰り返すことにより、燃料電池の出力
電圧が望ましくない程度に低下しない状態を常に保つこ
とができる。
【0019】本発明の不具合判定装置において、前記燃
料電池の内部温度を調節する温度調節部をさらに備え、
前記ガス供給部は、前記燃料電池に供給する前記ガスの
流量を変動させる流量調節部と、前記燃料電池に供給す
る前記ガスの湿度を調節するガス湿度調節部とを備える
こととしても良い。
【0020】このような構成とすれば、燃料電池の内部
温度と供給ガスの湿度とについて、特定の条件を設定し
た上で、供給ガス量を変動させた状態での不具合の判定
を行なうことができる。
【0021】また、本発明の不具合判定装置において、
前記判定部は、前記ガス利用率が所定の基準値以下の時
に、不具合があると判断することとしても良い。このよ
うな構成とすれば、画一的な判断基準で、燃料電池にお
ける不具合の有無を判定することができる。
【0022】さらに、本発明の不具合判定装置におい
て、前記利用率算出部は、所定の時間、算出した前記ガ
ス利用率を積算する利用率積算部を備え、前記判定部
は、前記利用率積算部が積算したガス利用率に基づい
て、前記燃料電池における不具合の有無を判定すること
としても良い。
【0023】設定した目標電流を燃料電池が出力するよ
うに制御する場合には、このような制御の動作において
遅れが生じることが考えられる。この制御動作の遅れの
ように、燃料電池の不具合とは関わりのない原因によっ
て、ガス利用率が一時的に低下することも考えられる。
上記のような構成とすれば、積算したガス利用率を用い
るため、燃料電池の不具合以外の原因による一時的なガ
ス利用率の変動の影響を受けずに、判定を行なうことが
できる。
【0024】本発明は、上記以外の種々の形態で実現可
能であり、例えば、燃料電池の不具合判定方法などの形
態で実現することが可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて以下の順序で説明する。 A.燃料電池の構成: B.燃料電池40の出力電流制御: C.不具合判定の動作: D.変形例:
【0026】A.燃料電池の構成:図1は、燃料電池シ
ステム10の構成を表わす説明図である。この燃料電池
システム10は、燃料電池40と、冷却部44と、燃料
ガス供給部120と、酸化ガス供給部130とを備えて
いる。また、上記燃料電池40における不具合の有無を
判定するために、燃料電池システム10と共に、出力調
整部46と、制御部50とが設けられている。
【0027】燃料電池40は、複数の単セルが積層され
たスタック構造を有している。本実施例では、燃料電池
40として、固体高分子型燃料電池を用いたが、他種の
燃料電池を用いることとしても良い。この燃料電池40
には、各単セルの電圧を測定するためのセル電圧センサ
42が設けられている。
【0028】冷却部44は、燃料電池40を冷却するた
めの冷却水を、燃料電池40との間で循環させるための
装置である。燃料電池40において電気化学反応が進行
する際には、この反応に伴って熱が生じるため、本実施
例では、冷却部44を用いて冷却水を循環させて燃料電
池40を冷却し、燃料電池40の運転温度を所定の範囲
に保っている。冷却水は、冷却水流路45によって、燃
料電池40の内部と冷却部44との間を循環するように
導かれる。そして、燃料電池40の内部において燃料電
池40と熱交換することで昇温する動作と、冷却部44
において降温される動作とを繰り返す。冷却部44は、
このように冷却水を循環させるためのポンプと、冷却水
を降温させるためのラジエータとを備えている(図示せ
ず)。冷却部44では、上記ラジエータによって降温さ
せる冷却水の量と、燃料電池40内に供給する冷却水の
流量とを制御することによって、燃料電池40の内部温
度が所望の温度となるように調節する。
【0029】燃料ガス供給部120は、燃料ガス供給源
20と燃料ガス用配管21とを有しており、燃料電池4
0内部の燃料ガス流路に、水素を含有する燃料ガスを供
給する。本実施例では、燃料ガスとして水素ガスを用い
ており、燃料ガス供給源20としては、水素ボンベを用
いることとした。あるいは、水素吸蔵合金を備え、個の
水素吸蔵合金に吸蔵させることによって水素を貯蔵する
水素タンクを用いることとしても良い。また、燃料ガス
として改質ガスを用い、燃料ガス供給源20は、炭化水
素などの燃料から得られる改質ガスを供給する装置とす
ることも可能である。燃料ガス用配管21には、圧力調
整弁22と、ガスフローメータ24と、加湿部26と、
圧力センサ28とが設けられている。
【0030】加湿部26は、燃料ガス用配管21を流れ
る水素を、燃料電池40に供給するのに先立って、所望
の湿度にまで加湿するための装置である。本実施例の加
湿部26は、上記水素の流路と、この水素を加湿するた
めの温水の流路とを、水蒸気透過性を備える中空子膜に
よって隔てた構造を有している。水素の流量や、温水の
温度を制御することによって、所望の湿度に水素を加湿
することが可能となる。
【0031】酸化ガス供給部130は、ブロワ30と酸
化ガス用配管31とを有しており、燃料電池40内部の
酸化ガス流路に、酸化ガスとして空気を供給する。酸化
ガス用配管31には、燃料ガス用配管21と同様に、圧
力調整弁32と、ガスフローメータ34と、加湿部36
と、圧力センサ38とが設けられている。
【0032】出力調整部46は、大きさを調節可能な負
荷を備えており、燃料電池40の両端子に接続してい
る。また、出力調整部46と燃料電池40の端子とを接
続する配線47には、燃料電池40の出力電流を測定す
る電流計48が設けられている。このような構成とする
ことで、出力調整部46は、内部に備える負荷の大きさ
を調節しつつ燃料電池40に電圧を印加して、燃料電池
40から出力させる電流の大きさが所望の値となるよう
に制御する。
【0033】制御部50は、マイクロコンピュータを中
心とした論理回路として構成され、詳しくは、予め設定
された制御プログラムに従って所定の演算などを実行す
るCPUと、CPUで各種演算処理を実行するのに必要
な制御プログラムや制御データ等が予め格納されたRO
Mと、同じくCPUで各種演算処理をするのに必要な各
種データが一時的に読み書きされるRAMと、各種の信
号を入出力する入出力ポート等を備える。この制御部5
0は、既述したセル電圧センサ42や、ガスフローメー
タ24,34や、圧力センサ28,38による検出信号
を取得する。また、冷却部44や圧力調整弁22,3
2、加湿部26,36やブロワ30、あるいは出力調整
部46などに駆動信号を出力する。
【0034】B.燃料電池40の出力電流制御:図2
は、燃料電池40の出力電流制御の構成を示すブロック
図である。制御部50は、電流値算出部52と、第1の
減算器54と、第2の減算器56と、PI補償部58と
を有している。
【0035】図3は、燃料電池40の出力電流を制御す
るために実行されるFC電流制御処理ルーチンを表わす
フローチャートである。本ルーチンは、燃料電池40の
運転を行なう際に、制御部50において所定の時間ごと
に実行される。本ルーチンが実行されると、電流値算出
部52が、ガスフローメータ24,34が検出したガス
流量を取得して(ステップS100)、燃料電池40が
理論的に出力可能な理論最大電流Imax を算出する(ス
テップS110)。理論最大電流Imax の算出方法を以
下に説明する。
【0036】 H2 → 2H++2e- …(1) (1/2)O2+2H++2e- → H2O …(2) H2+(1/2)O2 → H2O …(3)
【0037】上記(1)式は燃料電池40のアノードで
進行する反応を、(2)式はカソードで進行する反応を
表わし、燃料電池40全体では(3)式の反応が進行す
る。ここで、上記した各電極で進行する反応と、ガスフ
ローメータ24,34が検出したガス量とから、各電極
における理論最大電流(アノードにおける理論最大電流
H と、カソードにおける理論最大電流IAIR )とを求
める。ここで、各電極における理論最大電流とは、それ
ぞれの電極に供給されるガスが100%の効率で電気化
学反応に利用されたと仮定したときに得られる電流を、
上記(1)、(2)式に基づいて算出した電流である。
この各電極における理論最大電流を求める式を以下に示
す。
【0038】 IH =fH ×(2F/60) …(4) IAIR =fAIR ×(4F/60)×(21/100) …(5) ただし、fH は水素流量(mol/min)、 fAIR は空気流量(mol/min)、 Fは、ファラデー常数、 を表わし、空気中の酸素の割合を21%とした。
【0039】実際に出力される電流は、燃料ガスと酸化
ガスとのうち、より少ない方の流量によって定まるた
め、燃料電池40によって出力可能な理論最大値Imax
としては、上記IH およびIAIR のうちの小さい方の値
が選択される。すなわち、 IH >IAIR の時、Imax =IAIR 、 IH ≦IAIR の時、Imax =IH となる。
【0040】理論最大電流Imax を算出すると、次に電
流値算出部52は、この理論最大電流Imax に基づい
て、第1の目標電流Ifcr を算出する(ステップS12
0)。第1の目標電流Ifcr は、上記理論最大電流I
max に対して、予め定めた所定の安全係数を乗じること
によって求める。理論最大電流Imax は、既述したよう
に、供給ガスが100%の効率で電気化学反応に利用さ
れたと仮定したときに得られる電流であるが、現実に
は、100%の効率で発電が行なわれることはない。そ
のため、理論最大電流Imax を燃料電池40から出力さ
せようとすると、急激な電圧低下などの不都合が生じる
おそれがある。安全係数は、燃料電池40においてこの
ような不都合を生じることなく発電を行なうことができ
るように、燃料電池40の性能に対してある程度の余裕
をもって予め設定されている。安全係数は、例えば、7
0〜90%の範囲内で定めることができる。
【0041】次に、セル電圧センサ42から、各セル電
圧の内の最低値(最低セル電圧Vmi n )を、取得する
(ステップS130)。そして、この最低セル電圧V
min と、予め定めた所定の目標電圧Vthとの差に基づい
て、上記第1の目標電流Ifcr を補正して、第2の目標
電流Ifcr'を算出する(ステップS140)。なお、目
標電圧Vthの値は、不都合を生じることなく燃料電池4
0が発電を行なうときの最低セル電圧の目標値として、
予め設定され、制御部50内に記憶されている。この目
標電圧Vthの値は、例えば、単セルにおいて不発生して
いる可能性があると判断される電圧値よりも充分に高い
値、あるいは、燃料電池40が安定して発電を行なうこ
とができる望ましい電圧値として定めることができる。
【0042】ステップS140において、第1の目標電
流Ifcr を補正して第2の目標電流Ifcr'を算出する際
には、まず、図2に示した第2の減算器56が、上記所
定の目標電圧Vthから最低セル電圧Vmin を減算して、
差分ΔV(=Vth−Vmin )を求める。そして、第2の
減算器56から与えられた差分ΔVを用い、PI補償部
58が、以下の(6)式に従って電流補正量Ic を算出
する。
【0043】 Ic=Kp×ΔV+Ki×ΣΔV …(6)
【0044】ここで、Kp,Kiは所定の係数であり、
Σは一定周期毎に累算する演算を表わす演算子である。
この(6)式からも理解できるように、PI補償部58
は、電圧の差分ΔVに対していわゆる比例補償と積分補
償とを行なっている。この電流補正量Icは、第1の減
算器54において第1の目標電流Ifcr から減算され、
この結果、以下の(7)式で与えられる補正後の第2の
目標電流Ifcr'が得られる。
【0045】 Ifcr'=Ifcr −Kp×ΔV−Ki×ΣΔV …(7)
【0046】第2の目標電流Ifcr'が得られると、これ
を出力調整部46に出力して(ステップS150)、本
ルーチンを終了する。出力調整部46は、既述したよう
に、燃料電池40の出力電流が第2の目標電流Ifcr'
なるように、抵抗の大きさを調節して燃料電池40に電
圧を印可する。
【0047】すべてのセルが正常に動作して、最低セル
電圧Vmin が目標電圧Vthよりも大きいときには、これ
らの差分ΔV(=Vth−Vmin )は負の値をとる。した
がって、このときには補正後の第2の目標電流I
fcr'は、元の第1の目標電流Ifcrよりも大きくなる。
最低セル電圧Vmin が目標電圧Vthよりも大きいときに
は、燃料電池40の出力電流をより大きくしても差し支
えないものとして、このような補正が行なわれる。これ
に対して、一つのセルでも不具合が発生していると、電
圧の差分ΔVが正の値になり、補正後のの目標電流I
fcr'は元の第1の目標電流Ifcr よりも小さくなる。最
低セル電圧Vmin が目標電圧Vthよりも小さいときに
は、このまま最低セル電圧が低下して燃料電池40にお
いて不都合が生じてしまわないように、燃料電池40の
出力電流をより小さくして、最低セル電圧を上昇させる
ための補正が行なわれる。このような動作を繰り返すこ
とによって、最低セル電圧を目標電圧に近づけるように
制御が行なわれる。
【0048】図4は、燃料電池40に供給するガスの流
量を変動させつつ既述した制御を行なったときに、最低
セル電圧(Vmin )と燃料電池40の出力電流(It)
とが変動する様子の一例を表わす図である。上記のよう
な制御を行なうことで、最低セル電圧(Vmin )は、目
標電圧の近傍の値を取るように制御される。燃料電池4
0の出力電流は、目標電流がガス流量に基づいて設定さ
れるため、ガス流量の変動に伴って変動するが、その変
動の程度は、最低セル電圧に応じて補正されたものとな
る。
【0049】C.不具合判定の動作:図1に示した燃料
電池システム10を用いて、燃料電池40に不具合があ
るか否かを判定するために行なう動作を以下に説明す
る。本実施例では、燃料電池40の内部温度と燃料電池
40に供給するガスの湿度との異なる複数の運転条件下
において、燃料電池40に供給するガス量を変動させつ
つ、燃料電池40における不具合の有無の判定を行なっ
ている。
【0050】図5は、燃料電池40に不具合があるか否
かを判定する際に、燃料電池システム10において実行
される工程を表わす説明図である。不具合の有無を判定
する際には、まず、燃料電池40の内部温度および燃料
電池40に供給するガスの湿度を設定する(ステップS
200)。本実施例では、燃料電池40の内部温度およ
び燃料電池40に供給するガスの湿度に関する条件は、
その都度外部から入力することとした。既述したよう
に、燃料電池40の内部温度は、冷却部44によって設
定温度に調節され、供給ガス量の湿度は、加湿部26,
36によって設定した湿度に調節される。
【0051】燃料電池40の内部温度および燃料電池4
0に供給するガスの湿度が、設定した条件で安定する
と、次に、燃料電池40に対して、ガス量を変動させな
がら燃料ガス(水素)および酸化ガス(空気)の供給を
開始する(ステップS210)。このように供給ガス量
を変動させるために、例えば、ガス量変動のパターンを
予め制御部50内に記憶しておくことができる。この場
合には、この記憶した情報とガスフローメータ24,3
4の検出信号に基づいて、ブロワ30や圧力調整弁2
2,32に対して駆動信号を出力すれば、所望のパター
ンでガス流量を変動させることができる。
【0052】このようにガスの供給を開始すると、既述
したように最低セル電圧Vmin を目標電圧Vthに近づけ
る制御を行ないつつ、供給ガス量に応じた電流を燃料電
池40から出力させる(ステップS220)。これによ
って、図4に示したように、最低セル電圧Vmin は目標
電圧Vthに近い値をとると共に、供給ガス流量に応じて
燃料電池40の出力電流Itが変動する状態となる。
【0053】このように供給ガス量と最低セル電圧V
min に基づいて燃料電池40の出力電流を制御する運転
を行ないつつ、同時にガス利用率の算出を行なう(ステ
ップS230)。ガス利用率とは、燃料電池に供給され
たガスのうちで電気化学反応に利用されたガスの割合の
ことである。具体的には、供給されたガスが100%の
効率で発電に利用されたと仮定したときの理論的な出力
電流量に対する実際に出力された電流量の割合として算
出される。ガス利用率Gを算出するための式を以下に
(8)式として示す。
【0054】G=It/Imax …(8)
【0055】なお、Imax は、既述したように、アノー
ドにおける理論最大電流IH と、カソードにおける理論
最大電流IAIR とのうちの、大きい方を指す。このよう
に、燃料電池40において発電を行なわせつつガス利用
率Gの算出を継続して行ない、算出したガス利用率Gに
基づいて、燃料電池40における不具合の有無を判定す
る(ステップS240)。不具合の有無の判定は、上記
のように供給ガス量を変動させながら燃料電池40に発
電を行なわせる間に、ガス利用率Gが、予め設定した基
準値を下回ることがあるかどうかによって判断する。
【0056】燃料電池40においていずれかの単セルに
おいて不具合が生じると、その単セルにおいて電圧低下
が起こるため、これによって最低セル電圧Vmin が低下
する。本実施例では、最低セル電圧Vmin が目標電圧V
thに近づくように制御が行なわれるため、上記のように
不具合に起因して最低セル電圧Vmin が低下を始める
と、出力電流Itがより低くなるように、目標電流を設
定する際に補正が行なわれる。このように、供給ガス量
に対して燃料電池40の出力電流をより小さくすると、
ガス利用率Gは、より低くなる。ガス利用率Gの基準値
は、充分な性能を有する燃料電池において確保されるべ
きガス利用率の値として設定されており、ガス利用率G
がこれを下回ったときに、燃料電池40に不具合が生じ
ていると判断される。
【0057】本実施例では、このように、供給ガス量を
変動させながら上記出力電流の制御を行ない、ガス利用
率Gを算出する動作を、ステップS200の条件を変え
ながら複数回行なって、最終的に燃料電池40における
不具合の有無を判定することとした。
【0058】以上のように構成された本実施例における
燃料電池の不具合判定方法によれば、燃料電池が発電を
行なう際に、望ましくない程度に出力電圧が低下してし
まう状態にすることなく、燃料電池が不具合を有するか
否かを判定することができる。燃料電池を構成する単セ
ルにおいて電圧が大きく低下すると、例えば、アノード
側に供給された水素が電解質膜を透過してカソード側に
移動するという現象が起こるおそれがある。このような
現象が起きると、カソード側で望ましくない燃焼反応が
起こり、燃料電池が劣化する場合がある。本実施例のよ
うに、最低セル電圧Vmin が低下しすぎないように制御
しつつガス利用率Gを算出することで、燃料電池が劣化
するおそれがない状態で、不具合の有無の判定を行なう
ことができる。このような不具合の有無の判定方法は、
例えば、製造した燃料電池の良、不良を判定する際に用
いることができる。
【0059】なお、上記のように種々の条件で実際に燃
料電池による発電を行ないながら不具合を判定しようと
する場合には、燃料電池そのものに構造的な不具合がな
い場合であっても、一部の単セルにおいて発電状態が不
良となる場合がある。例えば、内部温度の変更やガス湿
度の変更、あるいはガス流量を変動させながらガスを供
給する等の一連の動作には、ある程度の時間を要するた
め、このような動作を行なう間に、一部の単セルにおい
て凝縮水が生じることがある。凝縮水が生じると、この
凝縮水がガス流路を塞ぐことによって、一部の単セルに
おいて電池性能が急激に低下してしまうことがある。こ
のような場合にも、本実施例では、最低セル電圧Vmin
が低下しすぎないように制御するため、本来構造的に不
具合がない燃料電池を、不具合判定の過程において電圧
低下に起因して劣化させてしまうことがない。
【0060】また、不具合判定のための測定の動作を、
本実施例のように供給ガスの流量を変動させつつ行なう
場合には、供給ガス量の異なる複数の条件下で別々に測
定を行なう場合に比べて、不具合判定に要する時間を短
縮できるという効果を奏する。供給ガス量を所定の値に
安定させるのにはある程度の時間を要するが、供給ガス
量を変動させつつ測定を行なう場合には、このような供
給ガス量を安定化させるための時間が不要となる。ま
た、供給ガス量が異なる広い範囲において、連続的に判
定のための動作を行なうことができる。特に、燃料電池
を実際に電源として用いる場合には、供給ガス量が変動
することが多いため、このような判定方法は、実際の運
転状態に近い状態で不具合を判定できることとなり、よ
り望ましい評価方法といえる。
【0061】D.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0062】D1.変形例1:既述した実施例では、図
3のステップS110で算出した理論最大電流Imax
対して所定の安全係数を乗じて、第1の目標電流Ifcr
を算出したが、安全係数を乗じることなく、理論最大電
流Imax を第1の目標電流Ifcr として設定しても良
い。このように設定すると、供給ガス量に対して出力電
流が大きすぎる状態となるため、最低セル電圧Vmin
低下を始めるが、最低セル電圧Vmin が目標電圧Vth
下回ることで、第2の目標電流Ifcr'をより低く設定す
る制御が行なわれる。このように、最低セル電圧Vmin
を目標電圧Vthに近づける制御が行なわれることによ
り、実施例と同様に、ガス利用率を算出することで不具
合の有無を判定する動作を行なうことができる。
【0063】D2.変形例2:また、毎回、ガス流量に
基づいて理論最大電流Imax を算出して第1の目標電流
fcr を設定する代わりに(図3のステップS100〜
S120)、現在の燃料電池40の出力電流を検出し
て、これを第1の目標電流Ifcr としても良い。すなわ
ち、図3のステップS150で第2の目標電流Ifcr'
出力調整部46に出力したときの燃料電池40の出力電
流Itを読み込んで、次回に目標電流を設定する際に
は、この出力電流Itを、第1の目標電流Ifcr として
設定することとしても良い。このような動作によって
も、最低セル電圧Vmin を目標電圧Vthに近づける同様
の制御を行なうことができる。ただし、このような制御
を行なう場合、燃料電池40における発電を開始するた
めに、最初に燃料電池40の目標電流を設定するときに
は、実施例と同様に供給ガス量から第1の目標電流I
fcrを設定する動作を行なうこととすればよい。
【0064】D3.変形例3:また、上記実施例では、
最低セル電圧Vmin が目標電圧Vthに近づくように制御
を行なったが、単に最低セル電圧Vmin が目標電圧Vth
以上となるように制御することとしても良い。すなわ
ち、最低セル電圧Vmin が目標電圧Vthを越える場合に
は、最低セル電圧Vmin を低下させために目標電流値を
より高く設定する補正は行なわないこととしても良い。
最低セル電圧Vmin が目標電圧Vth以上の場合に、上記
補正を行なわないと、補正を行なう場合に比べてガス利
用率Gは低下することになる。しかしながら、実施例の
ように、供給ガス量から算出される理論最大電流Imax
に対して安全係数を乗じて第1の目標電流Ifcr を設定
する場合には、充分なガス利用率が確保されることにな
る。そのため、最低セル電圧Vmin が目標電圧Vth以上
の場合には、上記補正を行なわずに第1の目標電流I
fcr をそのまま燃料電池の目標電流として出力制御を行
ない、ガス利用率Gを算出して不具合の有無の判定を行
なっても差し支えない。
【0065】D4.変形例4:燃料電池の不具合を判定
する際には、燃料電池40において発電を行なわせつつ
ガス利用率Gの算出を継続して行ない、その都度、ガス
利用率Gと基準値とを比較することとしても良いし、算
出したガス利用率Gを所定の時間積算した値と基準値と
を比較することとしても良い。算出したガス利用率Gを
用いて、その都度判定を行なう場合には、限られた条件
下で不具合が発生する場合にも、このような不具合の存
在することを判定することができる。これに対して、算
出したガス利用率Gを積算した値を用いる場合には、燃
料電池の不具合以外の原因による一時的なガス利用率の
変動の影響を受けずに、判定を行なうことができる。例
えば、設定した目標電流を燃料電池が出力するように制
御する場合には、このような制御の動作において遅れが
生じることが考えられる。この制御動作の遅れのよう
に、燃料電池の不具合とは関わりのない原因によってガ
ス利用率が一時的に低下する場合に、このような影響を
除いて判断を行なうことが可能となる。なお、算出した
ガス利用率Gを所定時間積算した値を用いる代わりに、
所定時間の間に算出されたガス利用率Gの平均値を用い
て判定することとしても良い。
【0066】D5.変形例5:上記実施例では、最低セ
ル電圧Vmin を目標電圧Vthに近づけるように出力電流
を制御しつつガス利用率Gを算出する際に、供給ガス量
を変動させたが、他の条件を変動させることとしても良
い。例えば、供給ガス量を一定にして、燃料電池の内部
温度、あるいは供給ガスの湿度を変動させることとして
もよい。このような場合にも、いずれかの条件下で電池
性能が低下する場合には、最低セル電圧Vmin を目標電
圧Vthに近づけるために第2の目標電流Ifcr'をより低
く設定することになるため、ガス利用率Gの低下によっ
て、不具合があると判定することができる。
【0067】D6.変形例6:また、本発明は、製造し
た燃料電池の良、不良を判定する際に用いることができ
るほかに、使用中の燃料電池の劣化状態を判定するため
に用いることができる。燃料電池を用いて発電を行なう
際に、供給ガス量に基づいて発電量(出力電流)を設定
すると共に、最低セル電圧が望ましくない程度に低下し
ないように(所定の目標電圧以上となるように)制御す
る場合には、ガス利用率を算出することによって、燃料
電池の劣化状態を判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池システム10の構成を表わす説明図で
ある。
【図2】燃料電池40の出力電流制御の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】FC電流制御処理ルーチンを表わすフローチャ
ートである。
【図4】供給ガス量を変動させたときに、最低セル電圧
および出力電流が変動する様子を表わす図である。
【図5】燃料電池40に不具合があるか否かを判定する
際に行なう工程を表わす説明図である。
【符号の説明】
10…燃料電池システム 20…燃料ガス供給源 21…燃料ガス用配管 22,32…圧力調整弁 24,34…ガスフローメータ 26,36…加湿部 28,38…圧力センサ 30…ブロワ 31…酸化ガス用配管 40…燃料電池 42…セル電圧センサ 44…冷却部 45…冷却水流路 46…出力調整部 47…配線 48…電流計 50…制御部 52…電流値算出部 54…第1の減算器 56…第2の減算器 58…PI補償部 120…燃料ガス供給部 130…酸化ガス供給部
フロントページの続き (72)発明者 永宮 清美 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 5H027 AA02 KK21 KK54 KK56 MM01 MM26

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直列に接続した複数のセルを有する燃料
    電池の不具合判定装置であって、 電気化学反応に供するためのガスを燃料電池に供給する
    ガス供給部と、 前記燃料電池に供給される前記ガスの流量を検出するガ
    ス流量検出部と、 前記燃料電池の特定部分の出力電圧を検出する出力電圧
    検出部と、 前記出力電圧検出部が検出した出力電圧が所定の目標電
    圧以上となるように、前記燃料電池の目標電流を設定す
    る目標電流設定部と、 前記燃料電池の出力電流を検出する電流検出部を有し、
    前記燃料電池が前記目標電流を出力するように負荷条件
    を制御する出力制御部と、 前記ガス流量検出部が検出したガス流量から得られる電
    流の最大値として算出される理論最大電流と、前記電流
    検出部が検出した前記出力電流とに基づいて、前記燃料
    電池におけるガス利用率を算出する利用率算出部と、 前記利用率算出部が算出した前記ガス利用率に基づい
    て、前記燃料電池における不具合の有無を判定する判定
    部とを備える不具合判定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の燃料電池の不具合判定装
    置であって、 前記出力電圧検出部は、前記燃料電池の特定部分の出力
    電圧として、各セルの出力電圧のうちの最低値である最
    低セル電圧を検出し、 前記目標電流設定部は、前記最低セル電圧と前記目標電
    圧との差に基づいて、前記目標電流を補正する不具合判
    定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の不具合判定装置であっ
    て、 前記目標電流設定部は、前記最低セル電圧が、前記目標
    電圧により近づくように、前記目標電流を設定する不具
    合判定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の不具合
    判定装置であって、 前記目標電流設定部は、前記出力電圧検出部が検出した
    出力電圧が前記目標電圧以上となるように、前記理論最
    大電流を補正して前記目標電流を設定する不具合判定装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3いずれか記載の不具合
    判定装置であって、 前記目標電流設定部は、前記出力電圧検出部が検出した
    出力電圧が前記目標電圧以上となるように、現在の出力
    電流を補正して前記目標電流を設定する不具合判定装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれか記載の不具合
    判定装置であって、 前記燃料電池の内部温度を調節する温度調節部をさらに
    備え、 前記ガス供給部は、 前記燃料電池に供給する前記ガスの流量を変動させる流
    量調節部と、 前記燃料電池に供給する前記ガスの湿度を調節するガス
    湿度調節部とを備える不具合判定装置。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか記載の不具合
    判定装置であって、 前記判定部は、前記ガス利用率が所定の基準値以下の時
    に、不具合があると判断する不具合判定装置。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7いずれか記載の不具合
    判定装置であって、 前記利用率算出部は、所定の時間、算出した前記ガス利
    用率を積算する利用率積算部を備え、 前記判定部は、前記利用率積算部が積算したガス利用率
    に基づいて、前記燃料電池における不具合の有無を判定
    する不具合判定装置。
  9. 【請求項9】 直列に接続した複数のセルを有する燃料
    電池の不具合判定方法であって、(a)電気化学反応に
    供するためのガスを燃料電池に供給する工程と、(b)
    前記燃料電池に供給されるガス流量を検出する工程と、
    (c)前記燃料電池の特定部分の出力電圧を検出する工
    程と、(d)前記(c)工程で検出した前記出力電圧が
    所定の目標電圧以上となるように、前記燃料電池の目標
    電流を設定する工程と、(e)前記燃料電池の出力電流
    を検出しつつ、前記燃料電池が前記目標電流を出力する
    ように、負荷条件を制御する工程と、(f)前記(b)
    工程で検出したガス流量から得られる電流の最大値とし
    て算出される理論最大電流と、前記(e)工程で検出し
    た出力電流とに基づいて、前記燃料電池におけるガス利
    用率を算出する工程と、(g)前記(f)工程で算出し
    た前記ガス利用率に基づいて、前記燃料電池における不
    具合の有無を判定する工程とを備える不具合判定方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の燃料電池の不具合判定
    方法であって、 前記(c)工程は、前記燃料電池の特定部分の出力電圧
    として、各セルの出力電圧のうちの最低値である最低セ
    ル電圧を検出し、 前記(d)工程は、前記(c)工程で検出した前記最低
    セル電圧と前記目標電圧との差に基づいて、前記目標電
    流を補正する不具合判定方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10記載の不具合判定
    方法であって、前記(c)工程で検出した出力電圧が前
    記目標電圧以上となるように、前記理論最大電流を補正
    して前記目標電流を設定する不具合判定方法。
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