JP5034191B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池から排出された未使用の燃料ガスを燃料電池の入口側に戻して循環
させる構成を備えた燃料電池システムに関する。
一般に、燃料電池は水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスを電気化学的に反応させることにより、燃料のもつ化学反応エネルギーを電気エネルギーに変換する装置であり、その一つとして、電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型の燃料電池が知られている。
このような燃料電池において安定した発電を行うために、燃料ガスの例えば水素の供給量は、発電に必要な量より多く燃料極側へ供給する必要があり、燃料電池出口からは、化学反応しなかった余剰(未使用)水素が排出される。したがって、水素の利用効率を上げるためには、燃料電池から排出される未使用水素を電動ポンプなどの循環装置により、再び供給側へ循環させる燃料電池システムが知られている。
このような水素を循環させる燃料電池システムにおいて、酸化剤ガスとして空気を用いる場合には、燃料電池の電解質膜などを介して、空気中に含まれる窒素などの不純物が酸化剤極から燃料極へ透過し、循環流路内に蓄積される。この結果、燃料電池内の水素濃度が低下し、出力が低下したり循環装置による水素の循環量が低下するために、安定した発電が困難になる。
そこで、このような問題に対処するために、水素循環路から窒素等の不純物をシステム外部に排出(パージ)することが考えられる。例えば、排出弁を循環路に付加し、適宜排出弁を開放することで、循環路内に溜まった不純物を外部に排出する。しかし、不純物と水素を完全に分離することはできないため、不純物を排出する際に、水素も一緒に排出されてしまう。したがって、不純物を排出する際に排出弁を開放しすぎると、水素を過剰に排出するに至り、水素の利用率が下がってしまう。
そこで、この不具合を回避する技術として、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献に記載された技術では、排出弁の開度、排出弁を流れる気体流量、循環路圧力、温度等を推定する、もしくは計測することによって循環路内の窒素濃度を推定し、推定した窒素濃度に応じて排出弁の開度を変化させることで、水素流量を変化させて排出水素を最小限に抑えている。
特開2004−185974
上記従来の燃料電池システムにおいて、燃料電池と水素を循環させる循環装置との間に排出弁を設けることで、燃料電池から排出される気体の一部を排出し、残りを循環装置により循環させることが可能となる。これにより、循環装置で循環させる気体流量が少なくなり、循環装置の簡素化や、循環装置が電動機で駆動される場合には、消費電力を低減することができる。
しかし循環装置が、昇圧することによって気体を循環させる装置である燃料電池システムでは、循環流量が発電電力に対して過剰な場合には、燃料電池での圧力損失が増加し、燃料電池出口の水素圧力が低下することになる。排出弁から排出される気体の流量は、排出弁の上流と下流との差圧で決まるため、燃料電池出口の水素圧力が低下すると、燃料電池の水素出口側の排出路に設けられた排出弁の上流側の圧力も低下することになる。これにより、排出弁の上流側の圧力が下流側の圧力よりも低くなり、排出弁を介して循環路に溜まった不純物を外部に放出することができず、循環気体中に含まれる不純物の割合が多くなり、安定した発電ができなくなるおそれがあった。
一方、例えば循環ポンプの回転数が低く循環水素流量が充分でない場合に、燃料電池から取り出される取り出し電流を増加させると、過渡的に燃料電池へ供給される発電に必要な水素流量が不足するため、出力が低下して発電が不安定になるおそれがあった。また、循環水素流量が十分に確保できない状態で電流を取り出すと、燃料電池本体を構成する電解質膜に設けられた触媒が劣化し、性能が低下するおそれもあった。
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、燃料ガスの供給と発電出力との最適化を図り、発電出力の安定化もしくは性能低下の防止を達成する燃料電池システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、前記燃料電池から排出された未使用の燃料ガスを循環経路を介して前記燃料電池に再供給して循環させる循環手段と、選択的に開放して前記循環経路内の不純物気体を外部に排出するパージ弁とを備えた燃料電池システムにおいて、前記燃料電池に要求される発電電力を検知する要求発電電力検知手段と、前記燃料電池システムの運転の状態を示す運転状態量を検知する運転状態量検知手段と、前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記循環手段の運転状態を指令する指令手段と、前記運転状態量検知手段で検知された運転状態量に基づいて、前記指令手段の指令内容を補正する指令補正手段と、前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記循環手段の運転状態を制御する制御手段とを有することを特徴とする。
本発明によれば、燃料ガス流通系の不純物濃度が上昇し、燃料ガス流通系の圧力が低下した場合であっても、不純物をシステム外に排出可能な圧力を確保して不純物の排出が可能となり、安定した発電を行うことができる。
本発明によれば、燃料ガスの供給量と取り出し電流量との最適化を図り、燃料電池の性能劣化を防止することができる。
以下、図面を用いて本発明を実施するための最良の実施例を説明する。
図1は本発明の実施例1〜実施例5に係る燃料電池システムに共通した基本機能を示す図である。図1において、基本機能は要求発電電力検知手段101、稼動状態指令手段102、稼動状態指令補正手段103ならびに燃料電池システム運転状態検知手段104を有している。
要求発電電力検知手段101は、本燃料電池システムに要求される発電電力を検知する手段であり、検知した要求発電電力を稼動状態指令手段102に与える。
稼動状態指令手段102は、要求発電電力検知手段101から与えられた要求発電電力に応じて、燃料ガスの水素を循環させる循環装置として機能する循環ポンプの目標稼動状態、または燃料電池に供給される燃料ガスとなる水素の供給流量を制御する供給制御装置として機能する水素供給弁の目標稼動状態、もしくは燃料電池から電流を取り出す電流取り出し装置の目標稼動状態を決定し、決定した目標稼動状態で稼動する旨上記対応する装置に指令を与える。
稼動状態指令補正手段103は、稼動状態指令手段102から出力された指令を受けて、この指令を燃料電池システムの運転状態に基づいて補正し、補正した指令を上記対応する装置に与える。
燃料電池システム運転状態検知手段104は、稼動状態指令手段102から出力された指令を補正するのに必要な、燃料電池入口、出口の水素圧力、取り出し電流、循環ポンプの回転数等の燃料電池システムの運転状態を検知し、検知した運転状態を稼動状態指令補正手段103に与える。
図2はこの発明の実施例1〜実施例5に係る燃料電池システムの構成を示す図である。図2において、本発明の燃料電池システムは、電力を得る燃料電池1を備え、燃料電池1は、アノード極に燃料ガスとなる水素ガスが供給され、カソード極に酸化剤ガスとなる酸素を含む空気が供給され、以下に示す電極反応が進行され、電力が発電される。
(化1)
アノード極:H→2H+2e
カソード極:2H+2e+(1/2)O→H
アノード極への水素供給は水素タンク2から水素タンク元弁3、減圧弁16、水素供給弁4を介してなされる。水素タンク2から供給される高圧水素は、減圧弁16で機械的に所定の圧力まで減圧され、燃料電池入口での水素圧力が所望の水素供給量を満たすような所望の水素圧力となるように、燃料電池1の水素入口に設けられた圧力センサ6aで検出された水素圧力に基づいて水素供給弁4の開度制御で行われる。
水素循環ポンプ5は、燃料電池1のアノード極で消費されずに燃料電池1から排出された水素を燃料電池1の入口側に戻して再循環させる。水素循環ポンプ5は電動機によって駆動され、水素循環ポンプ5の回転数が回転数センサ9によって検知される。
燃料電池1のカソード極への空気は、コンプレッサ10により加圧されて供給される。燃料電池1の空気出口側に設けられた空気調圧弁14は、空気入口側に設けられた圧力センサ6cで検出された圧力に基づいてカソード極の空気圧力を調整制御し、例えば燃料電池1から取り出す電力を大きくしたい場合には、燃料電池1に供給される空気を加圧することによって、取り出し可能なエネルギー密度へ燃料電池1内の化学反応を上げる。
パワーマネージャー8は、燃料電池1から電力を取り出して、例えば移動体を駆動するモータ(図示せず)等の負荷に電力を供給する、パワーマネージャー8には、電力を取り出す制御のために、燃料電池1から取り出す電流を計測する機能を備えている。電圧センサ12は、燃料電池1の単電池(セル)毎もしくは複数電池毎の電圧を測定する。
燃料電池1のカソード極側に空気を供給するため、化学反応しない窒素が電解質膜を透過して水素経路内に蓄積される。窒素量が多くなりすぎると、水素循環ポンプ5によって水素を循環させることができなくなるため、循環経路内の窒素量を管理する必要がある。したがって、燃料電池1の水素出口側の排出路17に設けられたパージ弁7を開放することで循環経路内の窒素をシステムの外部に排出し、水素流通経路内に存在する窒素量を循環性能が維持できるレベルに制御する。
圧力センサ6bは、燃料電池1の水素出口側に設けられ、水素が循環する循環路の気体の圧力を測定する。湿度センサ11は循環路内の気体の湿度を測定し、温度センサ13は循環路内の気体の温度を測定し、水素濃度センサ15は、循環路の水素濃度を測定する。
コントローラ30は、本システムの運転を制御する制御中枢として機能し、プログラムに基づいて各種動作処理を制御するコンピュータに必要な、CPU、記憶装置、入出力装置等の資源を備えた例えばマイクロコンピュータ等により実現される。コントローラ30は、上記各センサならびにこれらのセンサで得られない他の圧力、温度、濃度、電圧、電流等本システムの運転に必要な情報を収集するセンサ(図示せず)からの信号を読み込み、読み込んだ各種信号ならびに予め内部に保有する制御ロジック(プログラム)に基づいて、水素供給弁4、水素循環ポンプ5、パワーマネージャー8、コンプレッサ10、空気調圧弁14を含む本システムの制御を要する構成要素に指令を送り、以下に説明する水素の供給動作、電流取り出し制御を含む本システムの運転/停止に必要なすべての動作を統括管理して制御する。
図3は本発明の実施例1〜実施例5に係る制御処理を実行する際に必要となる手段を表したコントローラ30の構成を示す図である。図3において、コントローラ30は、燃料電池1に要求される発電電力を検知する要求発電電力検知部31と、水素循環ポンプ5の目標回転数を決定する循環ポンプ目標回転数決定部32と、燃料ガスの水素の供給量を決定し、水素供給弁4の開度を制御する水素供給弁目標開度決定部33を備えている。
また、コントローラ30は、パワーマネージャー8で燃料電池1から取り出す電流を制御する目標取り出し電流決定部34と、圧力センサ6a、6b、温度センサ13などの各センサの値を検出する燃料電池システム状態検出部35と、循環ポンプ目標回転数決定部32で決定された目標回転数に補正を加える循環ポンプ目標回転数補正部36を備えている。
さらに、コントローラ30は、パージ弁7の開閉動作を制御するパージ弁制御部37と、水素供給弁目標開度決定部33で決定された水素供給弁4の目標開度を補正する水素供給弁目標開度補正部38と、目標取り出し電流決定部34で決定されたパワーマネージャー8の目標取り出し電流を補正する目標取り出し電流補正部39を備えている。
要求発電電力検知部31は、燃料電池1を発電機のように直接エネルギー供給源として用いる、若しくは移動体の駆動力へのエネルギー供給源のように間接的に燃料電池1をエネルギー供給源として用いる際の燃料電池1への要求発電電力を検知する。
循環ポンプ目標回転数決定部32は、要求発電電力検知部31で検知した要求発電電力に基づいて、安定した発電を行うために必要な循環水素流量を実現する、水素循環ポンプ5の目標回転数を決定する。水素循環ポンプ5は、実際の回転数を決定された目標回転数に制御する制御手段を備えている。
水素供給弁目標開度決定部33は、要求発電電力検知部31で検知した要求発電電力に基づいて、発電のために必要な水素供給量と目標発電電力を満たすように、達成すべきエネルギー密度となる燃料電池1の水素供給目標圧力を決定する。水素供給弁目標開度決定部33は、圧力センサ6aの検出値に基づいて、決定した目標圧力を満たすように水素供給弁4の目標開度を決定する。水素供給弁4は実際の開度を目標開度に制御する制御手段を備えている。
目標取り出し電流決定部34は、要求発電電力検知部31で検知した要求発電電力に基づいて、パワーマネージャー8で目標発電電力を取り出すための目標取り出し電流を決定する。パワーマネージャー8は、実際の取り出し電流を目標取り出し電流に制御する制御手段を備えている。
燃料電池システム状態検出部35は、圧力センサ6a、6b、湿度センサ11、温度センサ13、水素濃度センサ15ならびに回転数センサ9などの各センサの値を検出する。 循環ポンプ目標回転数補正部36は、燃料電池システム状態検出部35で検出された値に基づいて、循環ポンプ目標回転数決定部32で決定された目標回転数に補正を加える。
パージ弁制御部37は、水素循環路内に蓄積される窒素および水蒸気を含む不純物によって発電に支障をきたさないように、燃料電池システム状態検出部35で検出された検出値に基づいて、パージ弁7の開時間および閉時間を決定する。
水素供給弁目標開度補正部38は、燃料電池システム状態検出部35で検出された検出値に基づいて、水素供給弁目標開度補正部38で決定された目標開度を補正する。
目標取り出し電流補正部39は、燃料電池システム状態検出部35で検出された検出値に基づいて、目標取り出し電流決定部34で決定された目標取り出し電流を補正する。
図4は実施例1に係る水素の循環動作の処理手順を示すフローチャートである。図4において、先ず要求発電電力検知部31で燃料電池1への要求発電電力を検知する(ステップS401)。
その後、循環ポンプ目標回転数決定部32において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出した取り出し電流に基づいて安定した発電を行うために必要な循環水素流量を求める。続いて、パージ弁7のパージ制御によって水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量が目標値に管理されているものとして、必要な循環水素流量を実現するための循環ガス流量を求める。なお、水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量は、水素系路内の体積を設計値から求め、水素経路の水素濃度を計測することで求めることができる。引き続いて、循環ガス流量を実現するための水素循環ポンプ5の目標回転数(第1の目標回転数R1)を決定する。ここで、パージ制御の誤差を考慮して、第1の目標回転数R1を必要量に対して高く設定する(ステップS402)。
次に、水素供給弁目標開度決定部33において、要求発電電力に基づいて、要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流と、取り出し電流を実現するために燃料電池1に供給する水素の圧力を計算する。続いて、算出された水素圧力を実現するために必要な水素供給量を算出し、この水素供給量を実現するための水素供給弁4の目標開度を決定する(ステップS403)。
次に、目標取り出し電流決定部34において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出された電流をパワーマネージャー8の目標取り出し電流とする(ステップS404)。
次に、燃料電池システム状態検出部35において、燃料電池システムの状態を検出する。ここでは、圧力センサ6bで検出された燃料電池1の水素出口圧力を参照する。さらに、取り出し電流または圧力センサ6b、湿度センサ11、温度センサ13、水素濃度センサ15の検出値に基づいて、パージ弁7のパージ制御によって水素循環系の気体が目標としているガス成分になっているかを判断する(ステップS405)。
なお、圧力センサ6bを備えていないシステムにおいては、水素循環ポンプ5の回転数センサ9で検出された回転数に基づいて水素循環系の循環ガス流量を推定し、この循環ガス流量が流れた場合の燃料電池1での圧力損失を計算し、この圧力損失と圧力センサ6aで検出された燃料電池1の水素入口圧力との差をとることで、燃料電池1の水素出口圧力を推定してもよい。
あるいは、水素供給弁4の開度、ならびにパワーマネージャー8の取り出し電流に基づいて燃料電池1に供給される水素の供給量を計算し、この水素供給量を上記水素出口圧力の推定に用いることで、水素が流れることによる燃料電池1での圧力損失も考慮することができる。これにより、推定精度を上げることができる。
次に、循環ポンプ目標回転数補正部36において、圧力センサ6b、湿度センサ11、温度センサ13ならびに水素濃度センサ15の検出値に基づいて、現在のガス成分から循環水素流量を実現するための循環ガス流量を算出し、算出した循環ガス流量を実現するための水素循環ポンプ5の目標回転数(第2の目標回転数R2)を計算する(ステップS406)。
次に、この第2の目標回転数R2と、先のステップS402で求めた第1の目標回転数R1とを比較する(ステップS407)。
比較結果において、第1の目標回転数R1が第2の目標回転数R2より大きい場合は、燃料電池1の水素出口圧力P1、もしくはその推定値が、パージによって水素循環路から不純物を排出することが可能な圧力P2よりも大きいか否かを判別する(ステップS408)。
水素循環路に溜まった不純物をパージして排出できるか否かは、カソード極からアノード極へクロスリークする窒素量を基準に用いる。クロスリークする窒素量は、図5に示すように、カソード極とアノード極との窒素分圧差と、電解質膜の窒素透過係数との積で求める。
カソード極の窒素分圧は、コンプレッサ10で吸入する空気の組成(通常であれば窒素濃度0.79程度)と、圧力センサ6cで検出された燃料電池1の空気入口圧力との積で算出することができる。一方、アノード極の窒素分圧は、圧力センサ6b、湿度センサ11、温度センサ13ならびに水素濃度センサ15の検出値に基づいて求める。燃料電池1の電解質膜の窒素透過係数は予め実験で求めておく。
このようにして求められた窒素透過量と、圧力センサ6b、湿度センサ11、温度センサ13ならびに水素濃度センサ15の検出値とに基づいてパージ流量を算出し、このパージ流量を流すために必要な燃料電池1の水素出口圧力P2を求める。パージを行うために必要な燃料電池1の水素出口圧力P2は、図6(a)に示すようになり、そのときの水素入口圧力、水素出口圧力、水素循環ポンプ5の回転数ならびに発電量の時間変化は同図(a)、(b)、(c)に示すようになる。
図4に戻って、先のステップS408の判別結果において、水素出口圧力P1が不純物パージ可能な水素出口圧力P2よりも小さい場合は、燃料電池1の水素出口圧力P1が下がりすぎたことを受けて、水素循環ポンプ5の目標回転数をステップS402で決定した目標回転数に対して低下するように補正を加え、水素出口圧力P1を上昇させる(ステップS409)。
このときの低下量は、圧力P1と圧力P2との圧力差に応じて実験的に決めてもよい。もしくは、先のステップS406で算出した循環ガス流量が実現できる最低の回転数である第2の目標回転数R2を目安に、先のステップS402で算出した第1の目標回転数R1に対して補正を加えるようにしてもよい。このとき、目標回転数を一度に第2の目標回転数R2まで下げることも可能であるが、変動が生じたときに補正が過度になって振動することになるため、この調整の制御方法は予め実験等を行った結果に基づいて決める。
一方、先のステップS407の比較結果において、第1の目標回転数R1が第2の目標回転数R2より小さい場合は、続いて先のステップS408と同様に、水素出口圧力P1が不純物パージ可能な水素出口圧力P2よりも小さいか否かを判別する(ステップS410)。
判別の結果、水素出口圧力P1が不純物パージ可能な水素出口圧力P2よりも小さい場合には、先のステップS406の判別結果の後水素循環ポンプ5の目標回転数を下げると、必要な循環水素流量が実現できなくなると判断されるため、水素循環ポンプ5の目標回転数を下げることを禁止して、循環水素量を確保するようにする(ステップS411)。一方、圧力P1が圧力P2よりも大きな場合には、この処理手順の最初の処理に戻りステップS401に示す処理を行う。
水素出口圧力P1が不純物パージ可能な水素出口圧力P2よりも小さ場合に、水素循環ポンプ5の目標回転数の低下を禁止して、水素循環ポンプ5の回転数を下げないで燃料電池1の水素出口圧力を上げるためには、水素供給弁4の目標開度を増加させる(ステップS412)。これにより、燃料電池1への水素供給量が増加して燃料電池1の水素入口圧力が上がり、水素出口圧力P1も上昇し、パージ弁7を介して不純物のパージが可能となる。
このように、上記実施例1においては、要求発電電力に基づいて水素循環ポンプ5の目標回転数を算出し、算出した目標回転数を燃料電池システムの運転状態量を用いて補正して新たな目標回転数を決定し、燃料電池システムの運転状態量として、燃料電池1の水素入口圧力、もしくは燃料電池1の水素出口圧力を用いるようにしている。これにより、水素経路内の不純物濃度が設計で想定した値より上昇し、かつ水素系内の圧力が外乱要素、例えば非線形要素による圧力制御誤差、取り出し電流の変化による圧力挙動への影響等により低下した場合においても、燃料電池1の水素出口圧力をパージ可能な圧力以上に確保することが可能となる。この結果、水素循環系に溜まった不純物を適宜システム外に排出することができ、安定した発電が可能となる。
燃料電池システムの運転状態量として、燃料電池1の水素入口圧力と、水素循環ポンプ5の目標回転数に基づいて燃料電池1の水素出口圧力を推定し、この推定値に基づいて水素循環ポンプ5の目標回転数を補正して新たな目標回転数を決定することで、燃料電池1の水素出口圧力を確保して不純物排出が可能となり、安定した発電が可能となる。
燃料電池1の水素出口圧力の推定値が低下するほど、水素循環ポンプ5における揚程が減少するように水素循環ポンプ5の目標回転数を補正することで、燃料電池1の水素出口圧力が低下した場合には、出口圧力が増加するように水素循環ポンプ5の目標回転数を補正することが可能となり、不純物の排出が可能となる。
要求発電電力に基づいて水素供給弁4の目標開度を決定し、燃料電池システムの運転状態量として燃料電池1の水素入口圧力と水素循環ポンプ5の回転数に基づいて燃料電池1の水素出口圧力を推定し、この推定値に基づいて水素供給弁4の目標開度を補正して新たな目標開度を決定することで、水素循環流量を確保するために水素循環ポンプ5の揚程が減少するように目標回転数を補正できない場合であっても、水素供給量を増やすことが可能となり、燃料電池1の水素出口圧力を増加させ、安定した不純物の排出が可能となる。
水素循環ポンプ5の目標回転数の低下を禁止する一方、燃料電池1の水素入口圧力ならびに水素循環ポンプ5の回転数に基づいて、推定した燃料電池1の水素出口圧力が低下するほど水素入口圧力が増加するように水素供給弁4の目標開度を補正することで、水素循環ポンプ5の目標回転数を補正することによる燃料電池1の水素出口圧力の増加効果と、水素供給弁4の目標開度の補正効果との干渉を防止することができる。
燃料電池システムの運転状態量として燃料電池1の水素出口圧力に基づいて、水素循環ポンプ5の目標回転数を補正して新たな目標回転数を決定することで、直接燃料電池1の水素出口圧力を管理制御することが可能となり、制御の精度を上げることができる。
燃料電池1の水素出口圧力が低下するほど水素循環ポンプ5の揚程が減少するように、水素循環ポンプ5の目標回転数を補正することで、水素出口圧力を増加することが可能となり、不純物の排出が可能となる。
要求発電電力に基づいて水素供給弁4の目標開度を決定し、燃料電池システムの運転状態量として燃料電池1の水素出口圧力に基づいて、水素供給弁4の目標開度に補正を加えて新たな目標開度を決定することで、水素の循環流量を確保するために水素循環ポンプ5の揚程が減少するように水素循環ポンプ5の回転数を補正できない場合であっても、水素供給量を増やすことが可能となる。これにより、燃料電池1の水素出口圧力を増加させることが可能となり、安定した不純物の排出ができる。また、燃料電池1の水素出口圧力を直接管理制御することで、制御の精度を上げることができる。
水素循環ポンプ5の目標回転数の低下を禁止する一方、水素出口圧力が低下した場合に水素出口圧力が増加するように水素供給弁4の目標開度を補正することで、水素循環ポンプ5の目標回転数を補正する際に、水素出口圧力の増加効果と水素供給弁4の目標開度の補正効果との干渉を防止することができる。
図7はこの発明の実施例2に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。図7において、先ず要求発電電力検知部31で燃料電池1への要求発電電力を検知する(ステップS701)。
その後、循環ポンプ目標回転数決定部32において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出した取り出し電流に基づいて安定した発電を行うために必要な循環水素流量を求める。続いて、パージ弁7のパージ制御によって水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量が目標値に管理されているものとして、必要な循環水素流量を実現するための循環ガス流量を求める。なお、水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量は、水素系路内の体積を設計値から求め、水素経路の水素濃度を計測することで求めることができる。引き続いて、循環ガス流量を実現するための水素循環ポンプ5の目標回転数(第1の目標回転数R1)を決定する。ここで、パージ制御の誤差を考慮して、第1の目標回転数R1を必要量に対して高く設定する(ステップS702)。
なお、要求発電電力に対応した目標取り出し電流は、予め求められた燃料電池1の電力−電流変換特性の元になる燃料電池1の水素圧力に対応した電流として求められる。
次に、水素供給弁目標開度決定部33において、要求発電電力に基づいて、要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流と、取り出し電流を実現するために燃料電池1に供給する水素の圧力を計算する。続いて、算出された水素圧力を実現するために必要な水素供給量を算出し、この水素供給量を実現するための水素供給弁4の目標開度を決定する(ステップS703)。
次に、目標取り出し電流決定部34において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出された電流をパワーマネージャー8の目標取り出し電流とする(ステップS704)。
次に、燃料電池システム状態検出部35において、燃料電池システムの状態を検出する。ここでは、パワーマネージャー8で取り出される取り出し電流の値と、圧力センサ6aで検出された燃料電池1の水素入口圧力を参照する(ステップS705)。
次に、先のステップS702で水素循環ポンプ5の第1の目標回転数R1を決定した際の基となった目標取り出し電流と、実際の取り出し電流(実取り出し電流)とを比較する(ステップS706)。
比較結果において、実取り出し電流>目標取り出し電流である場合は、先のステップS702で決定された水素循環ポンプ5の第1の目標回転数R1に補正を加え、新たな目標回転数(第2の目標回転数)R2を計算する(ステップS707)。補正の加え方は、先のステップS702で計算に用いた取り出し電流と実取り出し電流とを比較し、比較結果に基づいて実験的に補正量を決めてもよいし、先のステップS705で計測した取り出し電流の値に基づいて、再度目標回転数を計算するようにしてもよい。
次に、先のステップS702で決定した循環ガス流量を流したときに、燃料電池1の水素入口圧力に応じてガス密度が変わり、ガス密度が高いと圧力損失が大きくなり、水素循環ポンプ5の吐出流量が減少する。このため、先のステップS702で計算に用いた燃料電池1の水素入口圧力と実際の燃料電池1の水素入口圧力とを比較する(ステップS708)。
次に、比較結果において、実水素入口圧力が目標取り出し電流を算出する際に用いた水素入口圧力よりも低い場合は、その圧力差に応じて水素循環ポンプ5の目標回転数に補正を加えて増加させる。一方、実水素入口圧力が、先のステップS702で目標取り出し電流を算出する際に用いた水素入口圧力よりも高い場合は、この処理手順の最初の処理に戻りステップS701に示す処理を実行する。
なお、図7に示す処理手順では、ステップS706、S707と、ステップS708、S709との双方を行う場合を示したが、いずれか一方のみを実行するのでもよい。
このように、上記実施例2においては、燃料電池1の水素入口圧力もしくは目標取り出し電流の少なくとも一方に基づいて水素循環ポンプ5の目標回転数を増加補正することで、制御誤差などで水素圧力が低く水素濃度が低い場合や、取り出し電流が大きくなり循環水素流量の増量が必要な場合でも、水素循環ポンプ5の目標回転数を高めることが可能となる。これにより要求発電電力に必要な循環水素流量を確保することが可能となり、安定した発電を行うことができる。
燃料電池1の水素入口圧力が低いほど、ならびに取り出し電流が大きいほど、循環水素流量が増加するように水素循環ポンプ5の目標回転数を補正することで、制御誤差に応じて水素循環ポンプ5の目標回転数を調整することが可能となり、安定した発電を行うことができる。
図8はこの発明の実施例3に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。図8において、先ず要求発電電力検知部31で燃料電池1への要求発電電力を検知する(ステップS801)。
その後、循環ポンプ目標回転数決定部32において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出した取り出し電流に基づいて安定した発電を行うために必要な循環水素流量を求める。続いて、パージ弁7のパージ制御によって水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量が目標値に管理されているものとして、必要な循環水素流量を実現するための循環ガス流量を求める。なお、水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量は、水素系路内の体積を設計値から求め、水素経路の水素濃度を計測することで求めることができる。引き続いて、循環ガス流量を実現するための水素循環ポンプ5の目標回転数(第1の目標回転数R1)を決定する。ここで、パージ制御の誤差を考慮して、第1の目標回転数R1を必要量に対して高く設定する(ステップS802)。
なお、要求発電電力に対応した目標取り出し電流は、予め求められた燃料電池1の電力−電流変換特性の元になる燃料電池1の水素圧力に対応した電流として求められる。
次に、水素供給弁目標開度決定部33において、要求発電電力に基づいて、要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流と、取り出し電流を実現するために燃料電池1に供給する水素の圧力を計算する。続いて、算出された水素圧力を実現するために必要な水素供給量を算出し、この水素供給量を実現するための水素供給弁4の目標開度を決定する(ステップS803)。
次に、目標取り出し電流決定部34において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出された電流をパワーマネージャー8の目標取り出し電流とする(ステップS804)。
次に、燃料電池システム状態検出部35において、燃料電池システムの状態を検出する。ここでは、回転数センサ9で検出された水素循環ポンプ5の回転数と、圧力センサ6aで検出された燃料電池1の水素入口圧力を参照する(ステップS805)。
次に、先のステップS805で検出した燃料電池1の水素入口圧力と、先のステップS804で目標取り出し電流を計算するときに用いた、燃料電池1の電力−電流変換特性の元になっている水素圧力とを比較する(ステップS806)。
比較結果において、検出された水素入口圧力が目標取り出し電流を算出する際に用いた水素圧力よりも低い場合は、先のステップS804で決定された目標取り出し電流を減少するように補正を加え、新たな目標取り出し電流を計算する(ステップS807)。補正の加え方は、圧力の比較結果に基づいて実験的に補正量を決めてもよいし、圧力による燃料電池1の電力−電流変換性能の電流の変化率を考慮して、再度目標取り出し電流を計算するようにしてもよい。
次に、先のステップS805で検出した水素循環ポンプ5の回転数に基づいて、現在の状態の燃料電池1から取り出し可能な取り出し可能電流を計算し、算出された取り出し可能電流と目標取り出し電流とを比較する(ステップS808)。
次に、取り出し可能電流<目標取り出し電流である場合は、両電流の差に基づいて先のステップS807で補正された目標取り出し電流が減少するように補正を加える(ステップS809)。補正の加え方は、先のステップS805で検出した水素循環ポンプ5の回転数に基づいて取り出し電流を算出し、算出した電流を最終的な目標取り出し電流とするようにしてもよい。一方、取り出し可能電流>目標取り出し電流である場合には、この手順の最初の処理に戻りステップS801を実行する。
なお、この処理手順において、ステップS806、S807と、ステップS808、S809との双方を行うようにしているが、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。
このように、上記実施例3においては、燃料電池1の水素入口圧力もしくは水素循環ポンプ5の回転数の少なくとも一方に基づいて目標取り出し電流を補正することで、制御誤差などで水素圧力が低く水素濃度が低い場合や、水素循環ポンプ5の回転数が小さく十分な循環水素流量が確保できていない場合には、取り出し電流を抑えることで燃料電池1の電解質膜に付着してある触媒の劣化反応を防止することができる。
燃料電池1の水素入口圧力が小さいほど、ならびに水素循環ポンプ5の目標回転数が小さいほど、取り出し電流が減少するようにパワーマネージャー8の目標取出し電流を補正することで、触媒の劣化反応を防止することができる。
図9はこの発明の実施例4に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。この実施例4は、先の実施例2に比べて図7のステップS707で示す処理とステップS708の処理の間に、ステップS908で示す処理が追加されていることを特徴としている。
したがって、図9において、ステップS901〜ステップS907に示す処理は、先の実施例2の図7に示すステップS701〜ステップS707に示す処理と同様であり、図9のステップS909〜ステップS910に示す処理は、図7のステップS708〜ステップS709に示す処理と同様であるので、その説明は省略する。
図9において、ステップS907で水素循環ポンプ5の回転数を増加させて補正した後、
先のステップS902で水素循環ポンプ5の第1の目標回転数R1を決定した際に用いた目標取り出し電流と、検出された実際の取り出し電流とを比較する。比較の結果、実際の取り出し電流が目標取り出し電流よりも大きくなっている場合には、燃料電池1に供給される水素供給量が増加するように、水素供給弁4の目標開度を増加して補正を加える。一方、実際の取り出し電流が目標取り出し電流よりも小さい場合は、水素供給弁4の目標開度の補正は行わない(ステップS908)。
このように、上記実施例4においては、取り出し電流に基づいて水素供給弁4の目標開度を増加させて補正することで、取り出し電流が過渡的に増大した場合に、水素の供給量を増やすことが可能となる。これにより、水素循環ポンプ5による循環水素流量が急激に増加できない場合でも、燃料電池1へ安定した燃料供給が可能となり、安定した発電を行うことができる。
取り出し電流が大きいほど、水素入口圧力が増加するように水素供給弁4の目標開度を増加させて補正することで、取り出し電流量に応じて水素供給量を増加させることが可能となり、安定した発電が可能となる。
図10はこの発明の実施例5に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。図10において、先ず要求発電電力検知部31で燃料電池1への要求発電電力を検知する(ステップS1001)。
その後、循環ポンプ目標回転数決定部32において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出した取り出し電流に基づいて安定した発電を行うために必要な循環水素流量を求める。続いて、パージ弁7のパージ制御によって水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量が目標値に管理されているものとして、必要な循環水素流量を実現するための循環ガス流量を求める。なお、水素経路内の水素量、水蒸気量ならびに窒素量は、水素系路内の体積を設計値から求め、水素経路の水素濃度を計測することで求めることができる。引き続いて、循環ガス流量を実現するための水素循環ポンプ5の目標回転数(第1の目標回転数R1)を決定する。ここで、パージ制御の誤差を考慮して、第1の目標回転数R1を必要量に対して高く設定する(ステップS1002)。
なお、要求発電電力に対応した目標取り出し電流は、予め求められた燃料電池1の電力−電流変換特性の元になる燃料電池1の水素圧力に対応した電流として求められる。
次に、水素供給弁目標開度決定部33において、要求発電電力に基づいて、要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流と、取り出し電流を実現するために燃料電池1に供給する水素の圧力を計算する。続いて、算出された水素圧力を実現するために必要な水素供給量を算出し、この水素供給量を実現するための水素供給弁4の目標開度を決定する(ステップS1003)。
次に、目標取り出し電流決定部34において、要求発電電力に基づいて要求発電電力を発電するために燃料電池1から取り出す電流を計算し、算出された電流をパワーマネージャー8の目標取り出し電流とする(ステップS1004)。
次に、燃料電池システム状態検出部35において、燃料電池システムの状態を検出する。ここでは、圧力センサ6bで検出された燃料電池1の水素出口圧力を参照する(ステップS1005)。なお、検出された水素出口圧力に代えて、先に触れたように水素出口圧力の推定値を求めてこれを用いるようにしてもよい。
次に、検出された水素出口圧力(もしくはその推定値)P1が、パージによって不純物を排出することが可能な圧力P2よりも大きいか否かを判別する(ステップS1006)。なお、圧力P2は先の実施例1で説明したと同様にして求められる。
判別の結果、水素出口圧力P1<圧力P2である場合には、両圧力差に基づいて水素供給弁4の目標開度を増加させて補正を加える(ステップS1007)。これにより、燃料電池1の水素入口圧力が上がり、これに伴って水素出口圧力も上昇し、パージにより水素循環路に溜まった不純物をシステム外に排出できる水素出口圧力が確保される。
このように、上記実施例5においては、燃料電池1の水素出口圧力が低下した場合には、水素入口圧力が増加するように水素供給弁4の目標開度を増加させることで、水素循環ポンプ5の回転数に関係なく水素出口圧力を上昇させることが可能となり、パージにより不純物を排出することが可能となり、安定した発電を行うことができる。
本発明の実施例1〜実施例5に係る燃料電池システムに共通した基本機能を示す図である。 本発明の実施例1〜実施例5に係る燃料電池システムの構成を示す図である。 本発明の実施例1〜実施例5に係るコントローラの構成を示す図である。 実施例1に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。 燃料電池における窒素の透過を説明するための図である。 水素循環ポンプと燃料電池の各圧力との関係を示す図である。 実施例2に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。 実施例3に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。 実施例4に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。 実施例5に係る水素の循環環境の制御手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1…燃料電池
2…水素タンク
3…水素タンク元弁
4…水素供給弁
5…水素循環ポンプ
6a,6b,6c…圧力センサ
7…パージ弁
8…パワーマネージャー
9…回転数センサ
10…コンプレッサ
11…湿度センサ
12…電圧センサ
13…温度センサ
14…空気調圧弁
15…水素濃度センサ
16…減圧弁
17…排出路
30…コントローラ
31…要求発電電力検知部
32…循環ポンプ目標回転数決定部
33…水素供給弁目標開度決定部
34…目標取り出し電流決定部
35…燃料電池システム状態検出部
36…循環ポンプ目標回転数補正部
37…パージ弁制御部
38…水素供給弁目標開度補正部
39…目標取り出し電流補正部
101…要求発電電力検知手段
102…稼動状態指令手段
103…稼動状態指令補正手段
104…燃料電池システム運転状態検知手段

Claims (4)

  1. 燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された未使用の燃料ガスを循環経路を介して前記燃料電池に再供給して循環させる循環手段と、
    選択的に開放して前記循環経路内の不純物気体を外部に排出するパージ弁と
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池に要求される発電電力を検知する要求発電電力検知手段と、
    前記燃料電池システムの運転の状態を示す運転状態量を検知する運転状態量検知手段と、
    前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記循環手段の運転状態を指令する指令手段と、
    前記運転状態量検知手段で検知された運転状態量に基づいて、前記指令手段の指令内容を補正する指令補正手段と、
    前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記循環手段の運転状態を制御する制御手段と
    を有し、
    前記運転状態量検知手段は、前記燃料電池の燃料ガス入口圧力と前記循環手段の運転状態との運転状態量を検知し、
    前記指令補正手段は、前記運転状態量検知手段で検知された、燃料ガス入口圧力と前記循環手段の運転状態との運転状態量に基づいて燃料ガス出口圧力を推定し、その推定結果と前記循環手段の運転状態とに基づいて補正し、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力の推定結果が低下する程、前記循環手段の揚程が減少するように補正する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された未使用の燃料ガスを循環経路を介して前記燃料電池に再供給して循環させる循環手段と、
    選択的に開放して前記循環経路内の不純物気体を外部に排出するパージ弁と
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池に要求される発電電力を検知する要求発電電力検知手段と、
    前記燃料電池システムの運転の状態を示す運転状態量を検知する運転状態量検知手段と、
    前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記循環手段の運転状態を指令する指令手段と、
    前記運転状態量検知手段で検知された運転状態量に基づいて、前記指令手段の指令内容を補正する指令補正手段と、
    前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記循環手段の運転状態を制御する制御手段と
    を有し、
    前記指令手段は、前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記燃料ガス供給手段の運転状態を指令し、
    前記指令補正手段は、前記運転状態量検知手段で検知された、燃料ガス入口圧力と前記循環手段の運転状態との運転状態量に基づいて燃料ガス出口圧力を推定し、その推定結果に基づいて前記燃料ガス供給手段の運転状態の指令を補正し、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力の推定結果が所定の圧力よりも低下した場合には、前記循環手段に対する運転指令の補正を行わない一方、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力の推定結果が低下する程、燃料ガス入口圧力が上昇するように前記燃料ガス供給手段の指令を補正し、
    前記制御手段は、前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記燃料ガス供給手段の運転状態を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  3. 燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された未使用の燃料ガスを循環経路を介して前記燃料電池に再供給して循環させる循環手段と、
    選択的に開放して前記循環経路内の不純物気体を外部に排出するパージ弁と
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池に要求される発電電力を検知する要求発電電力検知手段と、
    前記燃料電池システムの運転の状態を示す運転状態量を検知する運転状態量検知手段と、
    前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記循環手段の運転状態を指令する指令手段と、
    前記運転状態量検知手段で検知された運転状態量に基づいて、前記指令手段の指令内容を補正する指令補正手段と、
    前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記循環手段の運転状態を制御する制御手段と
    を有し、
    前記運転状態量検知手段は、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力の運転状態量を検知し、
    前記指令補正手段は、前記運転状態量検知手段で検知された燃料ガス出口圧力に基づいて補正し、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力が低下する程、前記循環手段の揚程が減少するように補正する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
  4. 燃料ガス供給手段により供給される燃料ガスと、酸化剤ガス供給手段により供給される酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行う燃料電池と、
    前記燃料電池から排出された未使用の燃料ガスを循環経路を介して前記燃料電池に再供給して循環させる循環手段と、
    選択的に開放して前記循環経路内の不純物気体を外部に排出するパージ弁と
    を備えた燃料電池システムにおいて、
    前記燃料電池に要求される発電電力を検知する要求発電電力検知手段と、
    前記燃料電池システムの運転の状態を示す運転状態量を検知する運転状態量検知手段と、
    前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記循環手段の運転状態を指令する指令手段と、
    前記運転状態量検知手段で検知された運転状態量に基づいて、前記指令手段の指令内容を補正する指令補正手段と、
    前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記循環手段の運転状態を制御する制御手段と
    を有し、
    前記指令手段は、前記要求発電電力検知手段で検知された要求発電電力に基づいて、前記燃料ガス供給手段の運転状態を指令し、
    前記指令補正手段は、前記運転状態量検知手段で検知された燃料ガス出口圧力の運転状態量に基づいて前記燃料ガス供給手段の運転状態の指令を補正し、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力が所定の圧力によりも低下した場合には、前記循環手段に対する運転指令の補正を行わない一方、前記燃料電池の燃料ガス出口圧力が低下する程、燃料ガス出口圧力が上昇するように前記燃料ガス供給手段の指令を補正し、
    前記制御手段は、前記指令手段の指令および前記指令補正手段の補正指令に基づいて、前記燃料ガス供給手段の運転状態を制御する
    ことを特徴とする燃料電池システム。
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