JP2006324058A - 燃料電池システム及び燃料電池システムのパージ制御方法 - Google Patents

燃料電池システム及び燃料電池システムのパージ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料電池で消費されなかった水素ガスを循環させて再利用するときの水素の利用率を向上させることのできる燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明の燃料電池システム1は、燃料電池2で消費されなかった燃料ガスを燃料供給路へ循環させる燃料循環路8と、燃料電池2における反応で使用されない不純物を燃料循環路8から排出するパージライン13を備えており、このパージライン13に第1パージ弁14と、第1パージ弁14の下流に第2パージ弁15を設置し、第1パージ弁14と第2パージ弁15との間の圧力をパージライン圧力センサ16によって検出し、この検出値の時間変化に基づいて燃料循環路8内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて第1及び第2パージ弁14、15の開閉を制御してパージ処理を実行することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池から排出される燃料ガスを循環させる燃料電池システムに係り、特に燃料電池で消費されなかった燃料ガスの利用率を向上させる燃料電池システム及びそのパージ制御方法に関する。
一般に、燃料電池は、水素等の燃料ガスと空気等の酸化剤ガスとを電気化学的に反応させることにより、燃料ガスのもつ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する装置であり、その一つとして電解質に固体高分子膜を用いた固体高分子型燃料電池が知られている。
この固体高分子型燃料電池では、安定した発電を行うために燃料極への水素の供給量は、発電に必要な量よりも多く供給する必要があり、燃料電池出口からは化学反応しなかった余剰の水素が排出される。したがって、水素の利用効率をより向上させるためには、排出される残燃料を電動ポンプなどの循環装置によって再び供給側へ循環させていた。
このような水素を循環させる燃料電池システムにおいて、酸化剤ガスとして空気を用いる場合には、燃料電池の電解質膜などを介して、窒素などの不純物が酸化剤極から燃料極へ透過し、水素循環路内に蓄積されていく。この結果、燃料電池内の水素濃度が低下して出力が低下したり、循環装置による水素の循環量が低下したりするために、安定した発電ができなくなる場合があった。
そこで、このような問題に対処するために、従来では水素循環路から不純物を外部に排出することが行なわれており、排出弁を水素循環路に付加して開放することによって水素循環路内の不純物を外部に排出していた。しかし、完全に不純物と水素を分離することはできないため、不純物を排出する際に、一緒に水素を排出してしまっていた。このため、排出弁を開放しすぎると、水素を過剰に捨てることになり、水素の利用率が下がってしまうという問題点があった。
そこで、このような排出される水素を最小限に抑えて水素の利用率を向上させる燃料電池の制御方法の従来例として、例えば特開2004−185974号公報(特許文献1)が開示されている。
この従来例では、排出弁の開度、排出弁を流れる気体流量、水素循環路内の圧力、温度等を推定するか、あるいは計測することによって窒素濃度を推定し、不純物濃度に応じて排出弁の開度を変化させて流量を制御し、排出してしまう水素を最小限に抑えていた。
特開2004−185974号公報
しかしながら、発電に必要な量に対して余剰に供給しなければならない燃料ガスの量が少ない燃料電池の場合や不純物が多く含まれていても余剰の水素を多く循環させることのできる循環装置を備えている場合には、排出しなければならない不純物量が少なくなるので、排出弁を通る気体流量を測定するためには、高い計測精度をもつ開度検出装置や流量検出装置を設置することが必要となり、燃料電池システムのコストアップになるという問題点があった。
そこで、燃料電池から排出されるガスに含まれる不純物量を推定して不純物だけを外部に排出できれば、上述した高い計測精度をもつ装置を設置しなくても燃料ガスの利用率を向上させることができる。しかし、排出弁から排出される気体には、液水が混入する場合もあれば、運転条件によっては飽和していない水蒸気が含まれる場合もあり得るため、排出される気体の流量や水蒸気量を精度よく推定することは困難であり、さらに燃料ガスの量や不純物の量を推定することも困難であった。
このような理由により、燃料電池システムのコスト低減と燃料ガスの利用率向上とを両立させることは困難であった。
上述した課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給路と、前記燃料電池で消費されなかった燃料ガスを前記燃料供給路へ循環させる燃料循環路とを備えた燃料電池システムであって、前記燃料電池における反応で使用されない不純物を前記燃料循環路から排出するためのパージラインに設置された第1制御弁と、前記第1制御弁の下流に設置された第2制御弁と、前記第1制御弁と前記第2制御弁との間の前記パージラインにおける圧力を検出するパージライン圧力検出手段と、前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化に基づいて前記燃料循環路内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて前記第1及び第2制御弁を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明の燃料電池システムのパージ制御方法は、燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給路と、前記燃料電池で消費されなかった燃料ガスを前記燃料供給路へ循環させる燃料循環路とを備えた燃料電池システムのパージ制御方法であって、前記燃料電池における反応で使用されない不純物を前記燃料循環路から排出するためのパージラインに第1制御弁を設置し、前記第1制御弁の下流に第2の制御弁を設置し、前記第1制御弁と前記第2制御弁との間の前記パージラインにおける圧力を検出するパージライン圧力検出手段を設置して、前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化に基づいて前記燃料循環路内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて前記第1及び第2制御弁を制御することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池システムでは、第1制御弁と第2制御弁との間のパージライン圧力を検出し、この検出値の時間変化に基づいて燃料循環路内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて第1制御弁と第2制御弁とを制御してパージ処理を実行するので、高い計測精度をもつ装置を設置することなく水素ガスの濃度を推定してパージ処理を実行することができ、これによって燃料電池システムのコスト低減と燃料ガスの利用率向上とを両立させることができる。
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図面の記載において同一あるいは類似の部分には同一あるいは類似な符号を付している。
図10に示すように、本発明の実施の形態に係わる燃料電池システムの基本構成は、燃料電池の運転状態を計測する検出手段101と、検出手段101の検出結果に応じて、燃料電池システムの循環路内の気体密度を推定する循環路気体密度推定手段102と、循環路気体密度推定手段102の推定結果にしたがい、不純物の排出を実施する不純物排出手段103とを備える。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施形態の燃料電池システム1は、燃料ガスと酸化剤ガスとが供給されて電気化学反応により発電する燃料電池2と、燃料電池システム1を制御するコントローラ(制御手段)3と、水素ガスを貯蔵する水素タンク4と、水素タンク4から水素ガスを供給する水素タンク元弁5と、水素タンク4から供給される高圧水素を減圧する減圧弁6と、水素ガスを燃料電池2に供給する水素供給弁7と、燃料電池2で消費されなかった水素ガスを再循環させる燃料循環路8と、燃料循環路8内の温度を検出する温度センサ(温度検出手段)9と、燃料電池2のアノードの出口圧力を検出する出口圧力センサ(出口圧力検出手段)11と、燃料循環路8内の水素ガスを循環させる水素循環ポンプ12と、燃料電池2における反応で使用されない不純物を燃料循環路8から排出するパージライン13と、パージライン13に設置されて不純物の排出を制御する第1パージ弁(第1制御弁)14と、第1パージ弁14の下流に設置された第2パージ弁(第2制御弁)15と、第1パージ弁14と第2パージ弁15との間のパージライン13における圧力を検出するパージライン圧力センサ(パージライン圧力検出手段)16と、空気を加圧して燃料電池2のカソードに供給するコンプレッサ17と、燃料電池2における空気の圧力を調整する空気調圧弁18と、燃料電池2から電力や電流などの出力を取り出してモータなどの外部負荷に供給するパワーマネージャー19と、燃料電池2から出力される電圧を検出する電圧センサ20と、大気圧を検出する大気圧センサ(背圧検出手段)21とを備えている。
ここで、上述した燃料電池システム1において、燃料電池2ではアノードに燃料ガスである水素ガスが供給され、カソードに酸化剤ガスである空気が供給されて以下に示す電気化学反応によって発電が行われている。
アノード(燃料極):H2→2H++2e- (1)
カソード(酸化剤極):2H++2e-+(1/2)O2→H2O (2)
また、水素供給系では、水素タンク4から水素タンク元弁5、減圧弁6、水素供給弁7を通じて燃料電池2のアノードに水素ガスが供給される。水素タンク4から供給される高圧水素は、減圧弁6で機械的に所定の圧力まで減圧され、次に水素供給弁7の開度を調節することによって燃料電池2における水素ガスの圧力が所望の圧力になるように制御されている。ここで、水素供給弁7の開度は、出口圧力センサ11で検出された水素圧力をコントローラ3にフィードバックすることによって制御されている。このように水素圧力を所望の目標圧力に制御することによって、燃料電池2が消費した分だけの水素が自動的に補われるようになっている。
また、燃料電池2のアノードで消費されなかった水素ガスは水素循環ポンプ12によって燃料循環路8を通じて燃料電池2のアノードに再循環されている。
さらに、水素供給系内に蓄積した窒素を排出するために燃料循環路8から分岐してパージライン13が設置され、このパージライン13には第1パージ弁14と第2パージ弁15が設置されている。この第1及び第2パージ弁14、15は不純物である窒素を排出するとともに、燃料電池2のセル電圧を回復させるためにガス流路に詰まった水詰まりを吹き飛ばす機能も果たしている。また、燃料電池2の起動時には水素供給系を水素ガスで置換するために水素供給系内にあるガスの排出も行っている。
そして、第1パージ弁14と第2パージ弁15との間のパージライン圧力はパージライン圧力センサ16によって検出され、第2パージ弁15の下流における圧力は大気圧センサ21によって検出されている。
一方、酸化剤ガスである空気を供給する空気供給系では、コンプレッサ17によって空気が加圧され、燃料電池2のカソードに供給されている。カソードにおける空気圧は図示していない空気圧力センサによって検出され、その検出値がコントローラ3にフィードバックされ、この検出値に基づいてコントローラ3がコンプレッサ17の回転数及び空気調圧弁18の開口面積を調節することによってカソードにおける空気圧が制御されている。
このようにしてカソード側には空気が供給されているため、燃料電池2における化学反応で反応しない窒素は、電解質膜を透過して水素経路内に蓄積していく。そして、この窒素量が多くなりすぎると、水素循環ポンプ12によって水素を循環させることができなくなるため、燃料循環路8内の窒素量を管理する必要がある。そこで、通常運転中には燃料循環路8内の窒素を第1パージ弁14によって外部に排出し、燃料循環路8内に存在する窒素量を循環性能が維持できるようにコントロールしている。
また、コントローラ3は電圧センサ20で検出された電圧に基づいてパワーマネージャー19を制御して燃料電池2から電力を取り出してモータ等の外部負荷に供給している。さらに、コントローラ3は燃料電池2の起動、発電、停止時にはシステム内の各アクチュエータをセンサ信号によってコントロールしている。
次に、本実施形態の燃料電池システム1によるパージ制御処理を図2のフローチャートに基づいて説明する。図2に示すように、まず通常のパージ制御を一旦中断して第2パージ弁15を閉じ(S201)、パージライン圧力センサ16の検出値が上昇するか否かを監視する(S202)。また、同時に出口圧力センサ11の検出値が変動するか否かを監視する(S203)。ここで、第2パージ弁15を閉じた後のパージライン圧力の変化を図3に示す。
そして、パージライン圧力センサ16で検出されるパージライン圧力が図3に示す所定圧力P1より大きくなったことを検出したら(S204)、第2パージ弁15を閉じたときから所定圧力P1に上昇するまでの上昇時間を算出する(S205)。ここで、所定圧力P1は、燃料電池2の出口圧力よりも低い圧力であり、第1パージ弁14と第2パージ弁15を同時に開けた場合のパージライン圧力よりも高い圧力であればよく、例えば両圧力の平均値に設定する。
こうして上昇時間を算出したら、次に気体密度の推定を行なう(S206)。この気体密度の推定は、パージライン圧力センサ16の検出値が所定圧力P1に上昇するまでの上昇時間に基づいて行われる。図3に示すように、パージライン13に存在する気体の密度に応じてパージライン圧力の上昇カーブに変化が現れ、気体密度が小さいときには早く圧力が上昇し、気体密度が大きいときには圧力が上昇するのに時間を要する。
したがって、図4に示すように予め実験により気体密度と上昇時間との関係を求めておいて気体密度推定マップを作成し、この気体密度推定マップに上昇時間を入力することによって気体密度を推定することができる。さらに、この気体密度推定マップに、温度センサ9で検出されたアノード排出ガスの温度や出口圧力センサ11で検出された出口圧力に関する情報を付加しておくことによって、より正確に気体密度を推定することができる。
また、燃料電池2のさまざまな出口圧力や出口温度に対して、上昇時間に対する気体密度の近似関数を設定しておき、この近似関数を用いて気体密度を算出するようにしても良い。
ただし、第2パージ弁15の開度が小さいと、二つのパージ弁を同時に開けたときのパージライン圧力が高くなってしまい、燃料電池2の出口圧力とパージライン圧力との差が小さくなり、上昇時間の計測が難しくなるので、第2パージ弁15の開度は第1パージ弁の開度に比べ大きくなるように設定する必要がある。さらに、第1パージ弁の開度が大きすぎたり、二つのパージ弁の間の体積が小さすぎたりすると、パージライン圧力が急激に上がり、気体密度の違いによる上昇時間の差を計測できなくなってしまう。そこで、燃料電池2の出口圧力を一定にし、その出口圧力に対して最も気体密度の軽い水素のみの場合と、最も気体密度の重い窒素のみの場合とでそれぞれ上昇時間を計測し、この上昇時間の差と計測を行う周期とから気体密度を計測する際の分解能を決定する。そして、必要となる計測分解能をもとに第1パージ弁14の開度と、二つのパージ弁の間の体積を設定するようにする。
また、第2パージ弁15を閉じた後に、燃料電池2の出口圧力が変化してしまったり、温度が変化してしまったりすると、気体密度の推定に誤差が生じてしまうので、燃料電池2の運転状態が変動するのよりも早く、所定圧力P1まで上昇することが必要となる。したがって、最も気体密度の重い窒素のみの場合の上昇時間に基づいて、第1パージ弁15の開度と、二つのパージ弁の間の体積を設定するようにしてもよい。
さらに、コントローラ3は気体密度の推定を実施している間、水素供給弁7の開度や水素循環ポンプ12の回転数を変えることにより、燃料電池2の出口圧力を一定に制御する。燃料電池2の出口圧力が低下したときには水素供給弁7の開度を大きくして燃料電池2の出口圧力を上昇させてもよいし、また水素循環ポンプ12の回転数を下げることによって、同様に燃料電池2の出口圧力を上昇させてもよい。このように、燃料電池2の出口圧力を気体密度の推定中一定に保つことにより、気体密度の推定精度や推定頻度を向上させることができる。
こうしてステップS206において気体密度が推定されると、次にパージライン圧力の上昇時間を計測している間に燃料電池2の出口圧力が変動したか否かをチェックし(S207)、変動していないときには今回の気体密度の推定値に基づいてパージ量を決定する(S208)。このとき、パージライン13内にある気体の組成が窒素と水素のみであると考えると、推定した気体密度により窒素と水素の濃度がそれぞれ求められるので、パージにより排出する窒素の量を決定することができる。
一方、ステップS207において燃料電池2の出口圧力が変動している場合には、今回推定した気体密度に誤差が生じている可能性があるので、前回推定した気体密度に基づいてパージ量を決定する(S209)。
こうしてパージ量が決定すると、第2パージ弁15を開けてパージ制御へと復帰し(S210)、このパージ制御では、推定した窒素濃度が目標の窒素濃度より低い場合には第1パージ弁14を閉めてパージを行わず、目標の窒素濃度より高い場合には第1パージ弁14を開けてパージを行うようにして本実施形態の燃料電池システム1によるパージ制御処理を終了する。そして、上述したパージ制御処理を繰り返し実施することにより、燃料循環路8内における窒素量を目標値に保つように制御している。
このように、本実施形態の燃料電池システム1では、第1パージ弁14と第2パージ弁15との間のパージライン圧力を検出し、この検出値の時間変化に基づいて燃料循環路8内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて第1パージ弁14と第2パージ弁15とを制御するので、高い計測精度をもつ装置を設置することなく水素ガスの濃度を推定してパージ処理を実行することができ、これによって燃料電池システム1のコストを低く抑えるとともに水素ガスの利用率を向上させることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、第1パージ弁14を開けた状態において、第2パージ弁15を閉じてからパージライン圧力が所定圧力に上昇するまでの上昇時間を計測し、この上昇時間に基づいて気体密度を推定するので、高い計測精度をもつ開度センサや流量センサを設置しなくても、通常の圧力センサをパージライン13に設置するだけで水素ガスの濃度を推定してパージすることが可能となり、これによって燃料電池システム1のコストを低く抑えるとともに水素ガスの利用率を向上させることができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、気体密度の推定が完了する前に出口圧力センサ11によって圧力変動が検出されたときには、前回推定した推定結果に基づいて第1及び第2パージ弁14、15を制御するので、燃料電池2の出口圧力に変動が生じて気体密度の推定に誤差が生じている恐れがある場合でも前回の推定結果に基づいてパージ制御を実施することができ、制御誤差の発生を防止することができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、燃料電池2の燃料極の出口圧力が一定になるように制御するので、気体密度の推定誤差が発生することを防止して正確に推定することができ、これによって気体密度の推定精度や推定頻度を向上させることができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、温度センサ9と、出口圧力センサ11とを備え、これらの検出値とパージライン圧力センサ16における検出値の時間変化とに基づいて気体密度を推定するので、より厳密に気体密度を推定することができ、水素ガスの利用率をさらに向上させることができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態を図5に基づいて説明する。図5は、本実施形態の燃料電池システムによるパージ制御処理を示すフローチャートである。尚、本実施形態の燃料電池システムの構成は第1の実施形態と同一なので、詳しい説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態の燃料電池システムによるパージ制御処理は、まず通常のパージ制御を一旦中断して第2パージ弁15を閉じ(S501)、パージライン圧力センサ16の検出値が上昇するか否かを監視する(S502)。ここで、第2パージ弁15を閉じた後のパージライン圧力の変化を図6に示す。
そして、パージライン圧力センサ16で検出されるパージライン圧力が図6に示す所定圧力P2より大きくなったことを検出したら(S503)、第1パージ弁14を閉じて(S504)第2パージ弁15を開ける(S505)。
こうして第2パージ弁15を開けたら、パージライン圧力センサ16で検出されるパージライン圧力が図6に示す所定圧力P3より低くなるか否かを監視し(S506)、パージライン圧力が所定圧力P3より低くなったことを検出したら、第2パージ弁15を開けたときからパージライン圧力が所定圧力P3に下降するまでの下降時間を算出する(S507)。ここで、所定圧力P2は、燃料電池2の出口圧力よりも低い圧力であり、第1パージ弁14と第2パージ弁15を共に開けた場合のパージライン圧力よりも高い圧力であればよく、例えば、燃料電池2の代表的な運転状態での燃料循環路8の圧力よりも低い圧力に設定すればよい。また、所定圧力P3は、第2パージ弁15の背圧である大気圧よりも高い圧力であり、所定圧力P2よりも低い圧力に設定する。例えば、所定圧力P3は大気圧より2〜3kPaほど高い圧力に設定すればよい。
こうして下降時間を算出したら、次に気体密度の推定を行なう(S508)。この気体密度の推定は、パージライン圧力センサ16の検出値が第1の所定圧力P2から第2の所定圧力P3に下降するまでの下降時間に基づいて行われる。図6に示すように、パージライン13に存在する気体の密度に応じてパージライン圧力の下降カーブに変化が現れ、気体密度が小さいときには早く圧力が下降し、気体密度が大きいときには圧力が下降するのに時間を要する。
したがって、図7に示すように予め実験により気体密度と下降時間との関係を求めておいて気体密度推定マップを作成し、この気体密度推定マップに下降時間を入力することよって気体密度を推定することができる。さらに、この気体密度推定マップに、温度センサ9で検出された燃料電池2の出口温度や大気圧センサ21で検出された大気圧、第2の所定圧力P3などの情報を付加することによって、より正確に気体密度を推定することができる。ただし、第2の所定圧力P3を常に一定に設定するのであれば、第2の所定圧力P3のマップ軸は不要となる。また、気体密度の変化が無視できる程度の一定温度範囲内において、燃料電池2を使用する場合や、ある発電量が一定期間連続することにより燃料電池2の温度が一定の値となる状況においてのみパージ制御が実施される場合には、温度軸についても不要となる。
さらに、燃料電池2のさまざまな出口圧力や出口温度に対して、下降時間に対する気体密度の近似関数を設定しておき、この近似関数を用いて気体密度を算出するようにしても良い。
ただし、第2パージ弁15の開度が大きいと、第2パージ弁15を開けたときの流速が大きくなってしまい、第1の所定圧力P2から第2の所定圧力P3まで下がる時間が短くなりすぎて下降時間の計測が困難になる。そこで、パージライン圧力を一定にし、そのパージライン圧力に対して最も気体密度の軽い水素のみの場合と、最も気体密度の重い窒素のみの場合とでそれぞれ下降時間を計測し、この下降時間の差と計測を行う周期とから気体密度を計測する際の分解能を決定する。そして、必要となる計測分解能をもとに第2パージ弁15の開度と、二つのパージ弁の間の体積を設定するようにする。
こうしてステップS508において気体密度が推定されると、この気体密度の推定値に基づいてパージ量を決定する(S509)。このとき、パージライン13内にある気体の組成が窒素と水素のみであると考えると、推定した気体密度により窒素と水素の濃度がそれぞれ求められるので、パージにより排出する窒素の量を決定することができる。
こうしてパージ量が決定すると、第1パージ弁14を開けてパージ制御へと復帰し(S510)、このパージ制御では、推定した窒素濃度が目標の窒素濃度より低い場合には第1パージ弁14を閉めてパージを行わず、目標の窒素濃度より高い場合には第1パージ弁14を開けてパージを行うようにして本実施形態の燃料電池システムによるパージ制御処理を終了する。そして、上述したパージ制御処理を繰り返し実施することにより、燃料循環路8内における窒素量を目標値に保つように制御している。
このように、本実施形態の燃料電池システムでは、第1パージ弁14を閉じた状態でパージライン圧力が第1の所定圧力P2から第2の所定圧力P3に下降するまでの下降時間を計測し、この下降時間に基づいて気体密度を推定するので、燃料循環路8で圧力変化が発生する場合でもその影響を受けることなく気体密度の推定を行なうことができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態を図8に基づいて説明する。図8に示すように、本実施形態の燃料電池システム81は、パージライン13を流れる燃料ガスを燃料循環路8に戻すための回収流路82をさらに備えたことが第1の実施形態と異なっており、その他の構成については第1の実施形態と同様なので、詳しい説明は省略する。
本実施形態の燃料電池システム81では、上述した第1の実施形態あるいは第2の実施形態のパージ制御処理によって気体密度を推定し、この推定結果から求められる燃料ガスの濃度が所定値より高いときには、回収流路82に設置された回収弁83を開けて水素循環ポンプ12を駆動してパージライン13から燃料循環路8へ燃料ガスを戻すようにしている。
このように、本実施形態の燃料電池システム81では、気体密度の推定結果から求められる燃料ガスの濃度が所定値より高いときには、回収流路82によってパージライン13から燃料循環路8へ燃料ガスを戻すので、パージライン13における燃料ガスの濃度が高く不純物として排出する必要がない場合に、燃料ガスを回収して再利用することができ、これによって燃料電池システムの水素利用率を向上させることができる。
<第4の実施形態>
次に、本発明の第4の実施形態を説明する。本実施形態の燃料電池システムでは、第1パージ弁14と第2パージ弁15のうちの少なくともどちらか一方を可変開度弁にしたことが第1の実施形態と異なっており、その他の構成については第1の実施形態と同様なので、詳しい説明は省略する。
第1の実施形態では、第1及び第2パージ弁14、15は固定開度だったので、パージ弁の前後で差圧が大きい場合には、ガスの流速が上がってしまい、第1の実施形態における上昇時間や第2の実施形態における下降時間が短くなりすぎて測定することが困難になる場合があった。
そこで、本実施形態では第1パージ弁14と第2パージ弁15のうちの少なくともどちらか一方を可変開度弁にして、弁の開度を変化させることができるようにした。
これにより、パージ弁の前後の差圧が大きい場合には、可変開度弁の開度を小さくすることによって単位時間当たりの圧力変化量を小さくし、ガスの流速を下げて上昇時間や下降時間の測定を容易に行なえるようにした。
したがって、第1の実施形態では出口圧力センサ11の検出圧力とパージライン圧力センサ16の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって可変開度弁の開度を小さくするようにすれば、効果的にガスの流速を下げることができる。
また、第2の実施形態では、大気圧センサ21の検出圧力とパージライン圧力センサ16の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって、可変開度弁の開度を小さくするようにすれば、効果的にガスの流速を下げることができる。
そして、測定した上昇時間あるいは下降時間と可変開度弁の開度センサの検出値とに基づいて気体密度を推定することができる。
このように、本実施形態の燃料電池システム1では、第1パージ弁と第2パージ弁のうちの少なくともどちらか一方を、弁の開度を変化させることが可能な可変開度弁にしたので、パージ弁の前後の差圧が大きい場合には、可変開度弁の開度を小さくすることによって、パージ弁を通過する気体の流速を下げることができ、これによって気体密度推定の精度を向上させることができる。
また、本実施形態の燃料電池システム1では、出口圧力センサ11の検出圧力とパージライン圧力センサ16の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって可変開度弁の開度を小さくするので、第1の実施形態の場合に効果的にパージ弁を通過する気体の流速を下げて上昇時間の測定を容易に行なうことができるようにし、これによって気体密度推定の精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態の燃料電池システム1では、大気圧センサ21の検出圧力とパージライン圧力センサ16の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって可変開度弁の開度を小さくするので、第2の実施形態の場合に効果的にパージ弁を通過する気体の流速を下げて下降時間の測定を容易に行なうことができるようにし、これによって気体密度推定の精度を向上させることができる。
<第5の実施形態>
次に、本発明の第5の実施形態を図9に基づいて説明する。図9に示すように本実施形態の燃料電池システム91は、燃料電池2のアノード出口に湿度センサ(湿度検出手段)92を設置したことが第1の実施形態と異なっており、その他の構成については第1の実施形態と同様なので、詳しい説明は省略する。
上述した第1及び第2の実施形態では、気体として水素と窒素のみを考慮していたが、本実施形態の燃料電池システム91では、湿度センサ92を設置したことにより、燃料循環路8における湿度を検出することができる。そして、検出した湿度から燃料循環路8における水蒸気濃度を測定することができるので、湿度センサ92の検出値とパージライン圧力センサ16における検出値の時間変化に基づいて気体密度を推定することにより、推定した気体密度から水素濃度と窒素濃度だけでなく、水蒸気濃度も考慮してパージ量を決定することができる。
第1及び第2の実施形態では、窒素量を多めに見積もってパージ量を決定していたので、排出してしまう水素量が多くなっていたのに対して、本実施形態では水蒸気濃度を考慮して正確にパージ量を決定することができるので、排出してしまう水素量を低減することができる。
このように、本実施形態の燃料電池システム91では、湿度センサ92の検出値とパージライン圧力センサ16における検出値の時間変化とに基づいて気体密度を推定するので、水蒸気濃度を考慮して正確にパージ量を決定することができ、排出してしまう水素量を低減することができる。
以上、本発明の燃料電池システムについて、図示した実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
燃料電池から排出される燃料ガスを循環させて再利用する燃料電池システムのパージ制御に係り、特に燃料電池で消費されなかった燃料ガスの利用率を向上させるための技術として極めて有用である。
本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムによるパージ制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムにおける第2パージ弁を閉じた後のパージライン圧力の変化を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池システムの気体密度の推定方法を説明するための図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムによるパージ制御処理を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムにおける第2パージ弁を閉じた後のパージライン圧力の変化を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池システムの気体密度の推定方法を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係わる燃料電池システムの基本構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 燃料電池システム
2 燃料電池
3 コントローラ(制御手段)
4 水素タンク
5 水素タンク元弁
6 減圧弁
7 水素供給弁
8 燃料循環路
9 温度センサ(温度検出手段)
11 出口圧力センサ(出口圧力検出手段)
12 水素循環ポンプ
13 パージライン
14 第1パージ弁(第1制御弁)
15 第2パージ弁(第2制御弁)
16 パージライン圧力センサ(パージライン圧力検出手段)
17 コンプレッサ
18 空気調圧弁
19 パワーマネージャー
20 電圧センサ
21 大気圧センサ(背圧検出手段)
82 回収流路
83 回収弁
92 湿度センサ(湿度検出手段)
101 検出手段
102 循環路気体密度推定手段
103 不純物排出手段

Claims (22)

  1. 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給路と、前記燃料電池で消費されなかった燃料ガスを前記燃料供給路へ循環させる燃料循環路とを備えた燃料電池システムであって、
    前記燃料電池における反応で使用されない不純物を前記燃料循環路から排出するためのパージラインに設置された第1制御弁と、
    前記第1制御弁の下流に設置された第2制御弁と、
    前記第1制御弁と前記第2制御弁との間の前記パージラインにおける圧力を検出するパージライン圧力検出手段と、
    前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化に基づいて前記燃料循環路内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて前記第1及び第2制御弁を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記第1制御弁を開けた状態において、前記第2制御弁を閉じたときから前記パージライン圧力検出手段の検出値が所定圧力に上昇するまでの上昇時間を計測し、この上昇時間に基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1制御弁を開け、前記第2制御弁を閉じた状態で前記パージライン圧力検出手段の検出値が第1の所定圧力にまで上昇すると、前記第1制御弁を閉じるのと同時に前記第2制御弁を開けて前記パージライン圧力検出手段の検出値が第2の所定圧力に下降するまでの下降時間を計測し、この下降時間に基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記燃料電池の燃料極の出口圧力を検出する出口圧力検出手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記気体密度の推定が完了する前に前記出口圧力検出手段によって圧力変動が検出されたときには、前回推定した推定結果に基づいて前記第1及び第2制御弁を制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  5. 前記制御手段は、前記燃料電池の燃料極の出口圧力が一定になるように制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  6. 前記燃料循環路内の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池の燃料極の出口圧力を検出する出口圧力検出手段とをさらに備え、
    これらの検出値と前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化とに基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記第1制御弁と前記第2制御弁のうちの少なくともどちらか一方は、弁の開度を変化させることが可能な可変開度弁であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  8. 前記出口圧力検出手段の検出圧力と前記パージライン圧力検出手段の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって、前記可変開度弁の開度を小さくすることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  9. 前記第2制御弁の下流における圧力を検出する背圧検出手段をさらに備え、
    前記背圧検出手段の検出圧力と前記パージライン圧力検出手段の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって、前記可変開度弁の開度を小さくすることを特徴とする請求項7に記載の燃料電池システム。
  10. 前記パージラインを流れる燃料ガスを前記燃料循環路に戻すための回収流路をさらに備え、
    前記気体密度の推定結果から求められる燃料ガスの濃度が所定値より高いときには、前記回収流路によって前記パージラインから前記燃料循環路へ燃料ガスを戻すことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  11. 前記燃料循環路内の湿度を検出する湿度検出手段をさらに備え、
    前記湿度検出手段の検出値と前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化とに基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  12. 燃料ガスと酸化剤ガスとを電気化学反応により反応させて発電する燃料電池と、前記燃料電池に燃料ガスを供給する燃料供給路と、前記燃料電池で消費されなかった燃料ガスを前記燃料供給路へ循環させる燃料循環路とを備えた燃料電池システムのパージ制御方法であって、
    前記燃料電池における反応で使用されない不純物を前記燃料循環路から排出するためのパージラインに第1制御弁を設置し、前記第1制御弁の下流に第2の制御弁を設置し、前記第1制御弁と前記第2制御弁との間の前記パージラインにおける圧力を検出するパージライン圧力検出手段を設置して、
    前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化に基づいて前記燃料循環路内の気体密度を推定し、この推定結果に基づいて前記第1及び第2制御弁を制御することを特徴とする燃料電池システムのパージ制御方法。
  13. 前記第1制御弁を開けた状態において、前記第2制御弁を閉じたときから前記パージライン圧力検出手段の検出値が所定圧力に上昇するまでの上昇時間を計測し、この上昇時間に基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  14. 前記第1制御弁を開け、前記第2制御弁を閉じた状態で前記パージライン圧力検出手段の検出値が第1の所定圧力にまで上昇すると、前記第1制御弁を閉じるのと同時に前記第2制御弁を開けて前記パージライン圧力検出手段の検出値が第2の所定圧力に下降するまでの下降時間を計測し、この下降時間に基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項12に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  15. 前記燃料電池の燃料極の出口圧力を検出する出口圧力検出手段を設置し、
    前記気体密度の推定が完了する前に前記出口圧力検出手段によって圧力変動が検出されたときには、前回推定した推定結果に基づいて前記第1及び第2制御弁を制御することを特徴とする請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  16. 前記燃料電池の燃料極の出口圧力が一定になるように制御することを特徴とする請求項12から請求項15のいずれか1項に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  17. 前記燃料循環路内の温度を検出する温度検出手段と、
    前記燃料電池の燃料極の出口圧力を検出する出口圧力検出手段とを設置し、
    これらの検出値と前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化とに基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項12から請求項16のいずれか1項に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  18. 前記第1制御弁と前記第2制御弁のうちの少なくともどちらか一方を、弁の開度を変化させることが可能な可変開度弁にすることを特徴とする請求項12から請求項17のいずれか1項に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  19. 前記出口圧力検出手段の検出圧力と前記パージライン圧力検出手段の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって、前記可変開度弁の開度を小さくすることを特徴とする請求項18に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  20. 前記第2制御弁の下流における圧力を検出する背圧検出手段を設置し、前記背圧検出手段の検出圧力と前記パージライン圧力検出手段の検出圧力との圧力差が大きくなるのにしたがって、前記可変開度弁の開度を小さくすることを特徴とする請求項18に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  21. 前記パージラインを流れる燃料ガスを前記燃料循環路に戻すための回収流路を設置し、
    前記気体密度の推定結果から求められる燃料ガスの濃度が所定値より高いときには、前記回収流路によって前記パージラインから前記燃料循環路へ燃料ガスを戻すことを特徴とする請求項12から請求項20のいずれか1項に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
  22. 前記燃料循環路内の湿度を検出する湿度検出手段を設置し、
    前記湿度検出手段の検出値と前記パージライン圧力検出手段における検出値の時間変化とに基づいて前記気体密度を推定することを特徴とする請求項12から請求項21のいずれか1項に記載の燃料電池システムのパージ制御方法。
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